「 椿、枯れる 」〆

「 椿、枯れる 」〆

若き将校  2018-03-28 22:31:14 
通報



白銀の雪に

静かに朽ちた紅の花を沈める


その日まで。



【非募集】


コメントを投稿する

  • No.94 by 鷺宮 灯夜  2018-04-03 19:23:05 


分かった、俺は基地の司令室にいる。
何かあったら連絡をくれ、ーーくれぐれも無理はし過ぎるな。
(相手の言葉に幾らか救われる気持ちで頷き、そう答えると相手とは反対の方向へと。司令室付近に残した兵士も少なく、この人数で回すのは厳しいと改めて感じ何もできないことに無力感を感じつつも狭く古い司令室の椅子へと。窓から見えるのも鬱蒼とした木々と家々だけで嘆息し)

  • No.95 by 鷹田 総一郎  2018-04-03 23:07:14 



(今回の一件がければ此処は緑豊かな自然に囲まれた平和な島なのだろうと思わせる、基地を後にして向かった先は海を目の前にした展望台に加えて建てられた見張り台。小型のミサイルを片手に潮風に乗って香る磯の香りを堪能しながらゆっくりとその場に腰を下ろして。戦争さえ無ければあの海で親友とはしゃぐ事も出来たのだろう、世知辛い世に生まれて来てしまったものだと考えながら数時間、太陽は何事も無く傾き夕暮れとなり)
…と、そろそろ交代の時間か。

  • No.96 by 鷺宮 灯夜  2018-04-03 23:24:10 


(やがて日が暮れ始め、夜も気が抜けないと思いつつ休める兵士は早めに休ませてやらねばこの人数では保たないと。人数を考えれば交代で戻って来た兵士達はまた早朝に警備に当たることになる、早々に休ませようと此方に残っていた兵士に簡単な寝床の準備を任せ。何度か本部と連絡を取るも思うような対応は得られず、その上安穏とした島に居ながら兵が足りないと感じるのは使い方が下手だからだと神経を逆撫でするような叱咤の言葉まで頂戴すれば苛立ちが募るのは当然で、会話の言葉尻だけはあくまで冷静に、それでいていつもの癖で机を叩きつつ電話を切ると苛立ち露わに舌打ちをして)

  • No.97 by 鷹田 総一郎  2018-04-03 23:37:48 



(恐ろしい程静かな海を背に交代で訪れた兵と他愛も無い会話を交わして少々感じていた疲労を拭う事とし、後を託して基地へと戻る道中。沈みかけた太陽により茜色に染まる静まり返った基地から地面をも轟かせる程大きな銃声の音が鳴り響き、辺り一帯の森林から一斉に鳥達が飛び立って普通では起こり得ない事態を濃く色付けてゆく。一瞬の出来事により脳の処理は追い付かず反射的に立ち止まっては音の根源である小さな基地を改めて見つめてどっと押し寄せる冷や汗に僅かに手元が震え。続けて鳴り響く銃声音に背を押されるように脇に抱えた武器を放り込り投げて基地の方へと走り出し)

  • No.98 by 鷺宮 灯夜  2018-04-03 23:47:03 



ーーーっ、誰が発砲を許可した!
(基地の中で響く銃声、司令も無しに、それも基地の中だと言うのに。響き渡る大きな音に何事だと立ち上がり将校室の扉を開け放つと何処で誰が、と鋭い視線を辺りへと向け己も腰に携えた銃に手を掛けたまま。兵士のほとんどは外で警備に当たっている、基地の中に敵が身を潜めていたのか、はたまた裏切りか。緊張感に心臓の音ばかりがやけにうるさく響き)

  • No.99 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 00:00:55 



ーーはあ、まずいな……、おい!灯夜!
(全速力で向かうがすぐに駆け付ける事は不可能な距離、誤発であり兵達と親友が無事である事を祈りながら駆ける足は木の根に捕らわれようと止まる事は無く。基地内は少人数ながら騒然とし何人かは腕から又は足から血を流す者もいればその場に伏せて動かない者もいる、されど手に銃を所持する者は存在せず。漸く基地の入口へと辿り着けば心苦しいが外から施錠を、近くの窓から侵入する事とし彼の姿を見つければ駆け駆け寄ったその刹那、黒光りを纏う銃口を持つ一人の日本兵が一発発砲した弾は二人を目掛けて放たれ)

  • No.100 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 00:15:51 



ーーくそ、裏切りか…!
ッどうして戻ってきた、勝手に持ち場を離れるな!
(舌打ちをしつつ日本兵の足へと威嚇の意を込めて発砲を。犠牲は最小限に抑えたい、既に負傷している者もおりその怪我の程度は確認できない。どうか危険なこの場所に戻って来るなと切に願った人物の声が響くと思わず声を荒げつつ、しかし放たれた銃弾が此方へと向かうのを見れば目を見開き反射的にその先にいる相手の方へと走り出すとその手を掴み庇うようにして相手諸共床へと倒れこみ。)

  • No.101 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 00:49:45 



(彼の姿を見つけて安堵したのも束の間、銃静音と共に倒れる身体に頭部を強打し小さな唸り声を上げて眼前で声を荒げる様子を湾曲した視界の中薄目で眺め。幸い何処も打たれはせず、続け様に聞こえた銃声にはっと我に帰れば今度は相手の襟元を鷲掴み、後頭部に腕を回して固く抱き寄せ、頭上を飛び交う弾丸から守ろうと。応戦に現れた兵士達が駆け付ける足音と裏切り者が発砲を繰り返しながら逃げて行く音をそのままの体勢で耳を澄ましながら漸く唇を開き)…お前が、お前らが心配だったんだ、身体が勝手に動いた仕方ないだろう…!

  • No.102 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 00:58:47 


(相手に抱き寄せられ、耳元で聞こえた冷静さを僅かに欠いた声に相手が自分の身を案じてくれた事を強く感じ、言い返すことは出来ず。悪い、と少しの間を置いて小さく謝り喧騒が消えると漸く身体を起こして。辺りの様子を見回し自分を落ち着かせるように一息ついてから視線を下げそう小さく述べて)
ーー俺も、お前が心配だった。敵を前にしても、俺を守ろうと無茶をして怪我をするんじゃないかと、

  • No.103 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 01:11:37 



………。
(裏切り者の登場と互いの死を間近にした一連にそう簡単に冷静さを取り戻せる事が出来ず、走り続けた事により荒くなった呼吸で肩を上下に揺らしながら酸素を身体の中へと取り入れて何とか落ち着きを取り戻そうと心掛け。離れた身体だが、彼の謝罪の呟きに今一度身体を抱き締めて腹の底から深い息を吐き出して。すぐさま顔を上げれば裏切り者が駆けていった方角に視線を向け)俺も悪かった。…言い足りないが早く追わなければまた何処かで誰かが殺される。行こう。

  • No.104 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 01:22:05 


ーーお前が無事ならそれで良い。
…まさか、この少人数体制で裏切りに合うとはな。
(相手の言葉に頷き立ち上がると手を取り立ち上がらせ、彼等が駆けて行った方へと後を追い。広間には数人の兵士、裏切り者を見失ったのか男の姿はない。兵士達に司令を出すその表情は相手と居る時のものではなく、将校としての顔で底冷えする程に冷酷なもの。見通しも悪いこの時間、島から出ることは到底不可能で裏切り者を取り逃がす心配はまずないがこれ以上犠牲を出す前に鎮静化しなければならないと)
…激しく抵抗するようであれば、やむを得ない場合射殺しても構わない、可能であれば捕縛して本部に送り戻す。敵軍と繋がっていたのであれば吐いて貰う事はたんまりある。

  • No.105 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 01:40:04 



…生憎俺は奴の顔を見ていないんだ。お前は?ーーもし、誰も奴の顔を見てなければ、…もしかするとだがまた兵に紛れるかもしれないぞ。
(捜索を続けるも裏切り者の姿は一瞬合間に見えた程度、捕まえるとなれば顔を知る者が必要だが奴は日本兵と全く同じ軍服と顔半分が隠れる程帽子を深々と被っていた為特定に至るのに時間が掛かるだろうと考え。最も最悪なのは捜索員を扮して基地へと戻り再び襲撃の機会を伺っているかもしれないという事、就寝時間に狙われでもしたら全滅とまでは行かないものの確実に死亡者が出るであろう。早く駆け付ける事が出来ず取り逃がした事へ深く自省し)悪い、もっと早く駆け付けるべきだった。奴を捕まえた時には徹底的に自供させてやる。

  • No.106 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 01:56:05 


…そうか、誰も顔までは見ていないんだな。
(周りの兵士たちの反応に相手の指摘が正しい事を理解し。この十数人の中で息を潜める裏切り者を炙り出す方法などあるだろうか。背格好がわかったところで皆違いが顕著なわけでもない、裏切り者を誘き寄せるのに最善の策は、と眉を顰め。就寝中を襲われないようにするためには密かに寝室を見張るか、囮を使うか、兵士の中に潜む裏切り者を警戒し内部の警戒強化をすると村自体がおろそかにもなりかねずそれは懸念しており。しかし全滅させられる訳にも行かない、どうするのが一番迅速に危険因子を排除できるだろうか。)
いや、それは俺の台詞だ。足を狙って弾を打ち込んでいればよかった。

  • No.107 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 02:11:40 



お前は悪く無い。……ーーー相手の目的は軍の全滅か?一人で侵入したとなれば重要人物の暗殺にも思えるな。いっその事、願いを聞いてやるのはどうだ?
(勿論暗殺に手を貸す訳では無いが元の軍事基地所有者達と自分らの軍の兵士から探し出すのは正に困難な技、ならば協力的姿勢を見せあわよくば交渉まで運び、隙を見て捕まえるという案が浮かぶ。軍の上層部を狙った犯行であれば大方誰を狙ってきているのかは想像が付き、険しい顔付きの彼を見遣り。勿論彼を差し出し交渉するつもりは毛頭に無くこれ以上話は他に聞かれる事がないよう基地に戻り個室へと招き入れ)

  • No.108 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 02:20:08 


…敵軍と繋がる裏切り者と考えれば、おそらく一番欲しいのは俺を殺ったという肩書きだろうな。
そう仮定するなら、俺が囮になるのが一番手っ取り早い。
(公の場では相手の言葉にやや賛成するような素振りを。相手とともに基地の個室へと戻れば扉を施錠しつつ淡々とそう答えて。だとすれば、囮となり相手にその隙を突いて捕縛してもらうのが、互いにリスクはあれど確実に仕留められるのではないかと一案を。相手の考えを促すように相手を見つめて)

  • No.109 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 02:30:10 



…リスクがでかすぎるけどな。もし、失敗すれば、お前も軍も終わりだ。だが現状ではそれしか無い、ちょっと時間をくれ。
(分かってはいても彼を囮にするのは気が進まず、他の案を絞り出そうとするが矢張り先程提案されたものが最良であり送り出したく無い気持ちと軍全体の命に関わる責任との葛藤が渦巻き顔色を険しいものに変えて行く。背後の視線へ目を合わせれば直ぐにでも実行してしまいそうで振り向く事はできず、決断に至るまで壁まで歩いてみては何度も往復を繰り返し)

  • No.110 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 02:43:29 


軍全体が懸かってる。
此処にいる兵士全員を屍として本部に送り返すよりだいぶましだ。俺も護身用の銃は身に付けておくーーそれ以外に方法はないだろう、
(相手が渋るのは己の身を案じての事だろう。しかし軍隊に所属し将校という立場である以上当然危険は付き物だと理解している。もうそれ以外におそらく道はないと思えば、なんとか別案を捻り出そうとしている険しい表情の相手の背を納得させるように数回叩いて。何より相手には絶大な信頼を置いている、自分が命を落とす確率などほとんど零に近いはずだと)

  • No.111 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 03:13:51 



はあ…お前に言われたら敵わないな。安心しろ、撃たれる前に撃ってやる。
(渋ってはいたものの答えはとうの昔に出されていたようでこの己よりも腹の括りが早い彼の言葉に分かり易く肩を竦めて漸く振り向き視線を合わせる事とし。狙撃の自信はあるが彼を守れるかは別でありのし掛かる責務に実の所未だ腹を決断には揺るぎがあり。だが彼の前で迷いを見せる事も足を引っ張る事になるだろう、幾許か残る不安を胸に隠し頷いて見せて)

  • No.112 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 03:28:19 


心配はしてない、互いに死ななければそれで十分だ。
任務は紛れる敵軍のスパイを捕縛する事だけだ、それ以外の事は何も考えなくて良い。
(相手の言葉にそう言って少し笑みを浮かべると、ようやく合った僅かに迷いの浮かぶ瞳を見て犬を撫でるように相手の髪を撫でてやり。裏切り者をおびき出しやすい状況を暫し考えた後、やはり動きやすい司令室が良いだろうと。)
俺が夜通し一人で司令室にいるのが一番良さそうだ。
お前が隠れるのに適した場所もあるし、身動きも取りやすい。寝てしまうと撃たれるリスクも跳ね上がる。

  • No.113 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 14:09:12 



……分かった。無理は、しないでくれよ。
(人に撫でられるなど情け無いがよっぽど満足のいかない顔をしているのだろうと自覚を持ち、されるがまま今一度大きく頷いて了承の意を示し。今相手を一人にするのは危険と見做し早々に食事を取り待機体制に入った方が良さそうだと考え、一先ず全員集まる筈であろう食堂へと誘い)向こうで点呼を取ろう、一応な。後負傷者からも話を書き出して貰って、出口には頑丈な鍵で袋の鼠としてしまおう。

  • No.114 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 15:45:20 


そうだな、今行方を眩まされるのも危険だ。
今夜の外の警備は致し方ない、点呼後に兵士達は寝室に。
俺は此処に戻って来て朝まで此処に居る、入り口は施錠しない。
(相手の提案に頷くとそう言って食堂の方へと。今も仲間の皮を被った裏切り者がこの中に潜んでいるのだと思うと自然と表情は硬いものに。何故見抜けなかったと自分を僅かに攻めつつ今夜を乗り越えれば危機は一旦過ぎ去るはずだと自分を奮い立たせ)

  • No.115 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 18:26:36 



俺は部屋のどっかに隠れていれば良いんだな。
(人員不足の食糧不足に並べられる食事も粗末なもので、基地内はただならぬ緊張感に未だ襲われているせいか誰一人と口を開かず黙々と食事をしているような有様。同じように神妙な面持ちでいるのも向こうの思うツボだと考えれば静かにしてやるつもりは無く、食事の乗ったトレーを受け取り二人席へと向かえば現状とは全く異なる私情の話へと持ち込み)ーーーで、村にはお前の好みはいたか?

  • No.116 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 19:39:27 


ーーお前な、突然何を言い出すかと思えば…下世話な話をするにしても、相手がもっといるだろう。
自分の心配をしろ、生憎俺は相手には困ってない。
(無言で食事をしていたものの唐突な相手の声に何を言い出すのかと呆れた様子で手を止めて。そういう話は相手が決まっていない独り身同士でやれと、わざと遠回しに嫌味な一言を放つとにやりと笑みを。)

  • No.117 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 20:09:32 



はは、良いだろたまには。余裕そうだな、ならついでに俺にも紹介してくれ、今度見せてくれよ。
(場を和ませる冗談のつもりで放った言葉に意外と面白い反応を見せてくれた相手に満足そうに盛大に笑ってみせ、会話をやめるつもりは無くそのまま継続され。実際の所誰かを迎え入れる程の枯渇は無いが相手の許嫁を一目見たいというのは以前からの興味はあるようで瞳に一抹の懇願の色を浮かべて)

  • No.118 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 20:21:44 



ーーいつかな。会いたいなら町に降りれば良い、昼間は喫茶室で女給として働いてる。
(相手が明るい笑いを見せてくれた事にほっとしている自分がいて、やや表情がほぐれて。相手の懇願には少し首を傾げた後そう答え、何処のとは明言を避けるも曖昧な情報だけを残してそのまま食事を再開し)

  • No.119 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 20:45:30 



どんな娘なんだ、顔は何度か合わせた事はあるんだろう、俺の事は話したか?
(彼の将来を約束した相手に興味が湧き立つのは最早仕方が無い事だと言わんばかりの質問は次から次へと口から溢れて行く。せめて顔色を薄桃色に染めてくれれば揶揄いようもあるだろうに冷静に答える様子は彼らしく、それがまた興味をそそるようで味気ないパンを無駄に引きちぎりつつ椅子ごと距離を縮めてみて)

  • No.120 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 21:07:27 


…気立ての良い奴だよ、店でも常連に気に入られてるらしい。
一応お前の事も知ってる。
(少し考えた後に出てきたのは当たり障りのない言葉。彼女には相手の事ばかり話しているがそれを素直に認めるのも癪で濁しつつ。追求されているこの状況もやや居心地が悪く湯呑みを手に取り茶を煽り)

  • No.121 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 21:32:35 



へえ!他所でも俺の事を話してくれていたんだな、流石親友だ。
(彼の気持ちを汲み取れる程長けていない思想は素直に表情を綻ばせ、他所でも己を忘れる事の無い事実に満足さえ覚え。詰め寄った距離はほぼ肩が触れるほど近く、時折動作中に軽く擦れ合う事も。酒を煽りたい気分だが目先にあるのは湯呑みのみ、己から振った話題だが彼の将来を約束する者存在を改めて感じ取れば胸の底も疼くようで誤魔化すように咳払いを)

  • No.122 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 21:48:50 



ーーもう良いだろう、この話は。
(相手に面と向かって自分の許嫁の話をするのはどうにも慣れず気恥ずかしい気もして、早々に切り上げようと。相当に興味を持っているのか肩が触れ合う程に近付く相手の頬を片手でつまみながら、相手の心の内の声には気付くはずもなく食事のトレイを持つと立ち上がって)
そろそろ戻る、

  • No.123 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 22:06:27 



痛ッ…もしかして、照れてるのか?
(制裁を食らわすような頬に走る小さな痛み、口を閉じるべきだが話を切り上げ去ろうとする姿は心底嫌がる様子では無くどこか気恥ずかしそうなもの。断定に至るまでに情報が足りないがそれでも十分すぎるほどで、にやけた顔付きで相手の姿を目で追っては共に立ち上がり背後へとついて)待てって、一人にはさせられないだろ。

  • No.124 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 22:22:00 


もう十分だろう、あいつの話は。
(何故そこまで許嫁のことを知りたがるのかと思いつつ相手が着いてくる足音を聞きながらも気恥ずかしさから振り返ることはせず司令室へと。先程入り口は厳重に施錠しており、もう裏切り者は外へ出る事も叶わない上に周りの兵士が寝静まるまで行動を起こす事も出来ない筈だと、相手と共に司令室へと入り)

  • No.125 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 22:44:40 



羨ましいな、将来を約束する者がいるというのは。
(司令室まで振り向く事の無い態度で先程想像した事が明瞭化されて行く中で彼の新たな一面を見た様な気がし揶揄い交じりに言葉を吐き。その中には彼と永遠を誓った存在への羨望も入っているが言葉を吐き出す当本人はそれには気付かず。司令室に入れば己が身を潜める場を確認し、懐にしまって置いた拳銃を取り出せば不発弾が無いよう点検をし)

  • No.126 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 22:56:34 


…まあな、家庭を築く実感はまだ全くないが。
結納も戦争が終わらない事には済まられない、あと一年は掛かるだろうな。
(相手の言葉には淡々と答えただけで、正式に夫婦になるのもまだ先だろうと。椅子へと座ると己もすぐに取り出せる腰元へと装填した銃を確認しつつ煙草を一本取り出し煙を吐き出して。彼女は確かにとても良い妻になるだろう、自分の事も好いてくれているようだが何処かで家庭を持つ事に寂しさを持ってしまうのは親友の存在があまりに大きすぎるからだろうか、と)

  • No.127 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 23:06:17 



随分長い事。早くしないと何処かの男に横取りされるかもな。…一年後か、俺は何しているんだろうなあ
(紡がれる言葉に深い意味は無く、銃弾を確認している間に徐々に思考は此れからの使命について傾きつつあり。シリンダーを元は戻せば傾きつつあった思考は自身の将来へと移り、暫く思考を巡らせるが思い付くのは空を駆け巡り続ける現在となんら変わらない日常で。椅子に腰をかける相手を見下ろす様に机に凭れ掛かり、回答を求める瞳を向けて)

  • No.128 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 23:13:38 


…全くだ、機会を伺っている奴も多いだろうな。
ーー1年後も、きっとお前は毎日上機嫌で空を飛び回ってるさ。ただ乗っているのはもう、戦闘機じゃない。
そんな未来のために、俺たちはいま奮闘してるんだ。
(苦笑しつつ答え、その唇から煙を吐き出しつつ相手を見上げて視線を合わせ。己の頭に浮かぶ光景も、相手が機嫌良さそうに空を飛び回る姿。平和な空を風を切って飛んでいるはずだと少し微笑んで)

  • No.129 by 鷹田 総一郎  2018-04-04 23:20:30 



ーーー…そうだな。少し妬いたよ、お前が俺から離れていきそうで。
(己と全く同じ思想を持っていた事に対して意外そうに瞳孔を丸めて一時見つめたまま固まって。次第に口元に笑みを浮かべればもう隠す事も無いだろうと白状する様に胸に抱いた疼きを最も近い言葉で伝える事とし。彼の手から煙草を奪い一度煙を吸い込めばおかしな事を言ってしまった脳も麻痺するようで、彼の指先に戻せば時計を確認し、そろそろか、っと身体を正して扉の横のクローゼットへと)

  • No.130 by 鷺宮 灯夜  2018-04-04 23:32:49 


家族が出来たら家庭が第一、そんな事分かりきってはいるがーーー俺には、寂しがり屋な親友がいるからな。困りものだ。
(相手の言葉に優しい笑みを見せると、相手が一吸いした煙草を再びその形の良い唇へと。やがて沈黙に支配された部屋、短くなった煙草を灰皿に押し付け深く息を吐き時計へと視線をやり、警戒の色を瞳に浮かべて)

  • No.131 by 鷹田 総一郎  2018-04-05 00:06:58 



(クローゼットは広いが決して居心地がいいものでは無く、カビ臭く埃っぽい。張り詰めた空気が緊張感を誘い動悸を早くさせるが獲物を捕まえられるとなればその緊張も良い意味で刺激となり。ーー静けさに響き渡る秒針の音、どれぐらい待ったかも暗闇の中では確認する事もできず僅かな隙間から溢れる明かりと椅子に着く彼の姿だけがくっきりと視界に入ってくる。更に待つ事数時間、他の兵士も寝静まり帰ったであろう時刻、廊下の奥から靴底を叩きつける足音が鳴り響き)

  • No.132 by 鷺宮 灯夜  2018-04-05 00:27:01 


(書類に目を走らせたりして時が来るのを待っていたもののやがてそれから数時間、周りが寝静まった頃に聴こえてきた足音に警戒するとその瞳に鋭い色が浮かび、いつでも銃を取り出せるようにと片手を銃に添えたまま。この足音が裏切り者の足音だろうか、緊張した空気の中部屋の入口をじっと注視して)

  • No.133 by 鷹田 総一郎  2018-04-05 00:37:55 



(司令室の前で止まる足音、そして三回ノックが室内に響く。落ち着いた歩調と緩やかに叩かれる流れはまるで軍の兵士が報告に訪れた時となんら変わりのないもの。次いで聞こえて来た若い青年の声、それは基地内を点検し終わった事の報告であり。”失礼します”と言葉を残して後ずさる靴音とは別に突如ドアノブを回し僅かな隙間から拳銃を覗かせれば数発続け様に発砲し。)

  • No.134 by 鷺宮 灯夜  2018-04-05 01:01:12 


ーー!
(緩やかな流れ、何も可笑しな点のない普段と同じ報告が一変、扉のわずかな隙間から覗いた銃口。まさか部屋にすら入って来ないつもりか、それではまた敵の顔も分からぬまま見失い朝を向かいかねない、それは避けなければと。決して逃すまいと、焦りから反射的に立ち上がったその肩口を数発の内の一発が掠めると床へと鮮血が飛び散り)

  • No.135 by 鷹田 総一郎  2018-04-05 01:08:59 



おい!!灯夜……!!
(クローゼットから身を乗り出し扉に向けて此方からも銃撃戦となり再び飛び交う弾丸。彼が負傷したとは知らず少し開いた扉に近付こうとするが隙間から発射される弾の数は通常の拳銃の物とは異なり、外国製のマシンピストルに近しいもの。最早扉を蹴破る他無いかと至り、そうと決まればすぐに行動へ大胆にも一直線に扉に駆け出し)

  • No.136 by 鷺宮 灯夜  2018-04-05 01:17:40 


ッ、総一郎!!!
(弾と弾の間隔は異様に短く早い、扉を開けそこにいる男を拘束せねばと思うもののそれを許さぬ続け様の攻撃に動けずにいて。不意に相手が扉へと駆け出したのを見れば、まだ高速で打ち込まれる弾に被弾しかねないと青ざめれば思わず相手の名を叫んでいて)

  • No.137 by 鷹田 総一郎  2018-04-05 01:28:27 



(身体の節々が燃える様に熱い気もするが心身共に興奮状態にある中で活発になったアドレナリンの過剰分泌によるものだろう。既に弾切れになった拳銃を握ったまま勢い良く扉に蹴りを入れれば木が裂かれる音と小さな呻き声、勢い良く開かれた扉の向こうへ倒れ込めば胸の下には確かに何者かがいて。握った拳銃を振り下ろし手関節を強打すれば離れる銃、咄嗟に振り向いて相手を呼び)ーーよしッ!灯夜、一緒に抑えてくれ…!!!

  • No.138 by 鷺宮 灯夜  2018-04-05 01:36:55 


嗚呼、!
(あまりに華麗な相手の動き、そして一瞬にして男を捕らえ動きを封じる姿に息を呑み。男の手から離れた銃を拾い上げ隙を見て撃たれることがないように部屋の中へと投げ入れ、そのまま相手に言われた通り相手の下に捕らえた男を押さえつけまずは無力化して。)

  • No.139 by 鷹田 総一郎  2018-04-05 01:44:47 



はあ…、…随分と、これはまた…幼い顔立ちだな…。
(彼が男の身体を抑制した事により漸く顔を拝む余裕が出来たようで、一応首元を押さえつけながら上半身を起こせば10代後半の日本の青年で。抵抗する間も無く気絶して居る様子から青臭いただの餓鬼であった事が分かるが銃の腕前だけは確かだと皮肉にも感心してしまう。兵達も駆け付け驚愕した視線を送るため思わず力無く笑ってしまい、彼へと視線を送り)

  • No.140 by 鷺宮 灯夜  2018-04-05 01:57:15 


ーーどうして、裏切りに手を出した。この程度の年齢で、…まだ何も、どちらの軍の本質も理解していない若造がここまでのリスクを犯して…!
(軍への裏切り行為、彼は全てを供述させられた上で処分されることだろう。若くして裏切りという行為を働いた彼、それにどれだけのリスクが付き纏うか。そこまでして、敵軍に惹きつけられた理由は一体なんだ。同情するつもりは全くない、しかし若い兵士が裏切りを働いたという事実は心に暗い影を落とすようで、自分の統率力も含めた日本軍の在り方が若者を裏切りに走らせるほどに軌道を外れてしまっているのかと、遣る瀬無い気持ちを抱えることとなり。)
ーー連れて行け、本部にはすぐに連絡を取る。

  • No.141 by 鷹田 総一郎  2018-04-05 02:17:02 



きっと、敵国の方が豊かなんだろう…、あの銃を見れば分かる…俺達の軍ではあのような代物は大金を叩いても無理だ…
(連れて行かれる若き軍人を見届けては溢れるのは溜息か、どっと押し寄せる疲労にその場に立つ事さえままならず上半身を起こしたままで荒くなった呼吸を繰り返し。彼の肩口を見れば紺色の軍服を更に濃くさせたように染まっているのを確認すればそれが直ぐに血液であるという事が分かり、直ちに手当をと残った兵達に目配りを。寒気もしてきたようで手元を見れば赤に染まりどうやら己の太腿からも血液は流れているようで、まだ痛みは全く感じられないがその内に手当を受けようと壁を伝って立ち上がり)治療が必要だな…、此処には医療器具も揃ってないというのに良い迷惑だ…

  • No.142 by 鷺宮 灯夜  2018-04-05 02:33:01 


ーー総一郎、お前はもう動くな。出血が酷い、急に動くと貧血を起こす。
本部から少量の医療器具は持って来た、すぐにモルヒネを打ってやる。…だから、
(言葉尻はあくまで上に立つ者として冷静なもの、立ち上がろうとする相手を制止し兵士に担架を持ってくるように指示を出し。相手を落ち着かせるように自分の怪我をしていない方の肩へと顎を乗せさせると抱きしめるようにしてその背中を優しくさする手は相手にここまで無理を強いてしまったことに対する罪悪感と、相手を失うかもしれないと感じた恐怖に小刻みに震えて。やがて担架が来ると相手をそっと寝かせ基地の医務室へ。医療に通じる兵士に痛み止めのモルヒネの点滴薬を手渡し相手の腕へと)

  • No.143 by 鷹田 総一郎  2018-04-05 23:16:01 



(薄れゆく意識の中、己を支える身体が小刻みに震えるのを感じて安心させてやりたいと願ったのを最後に暗がりの中へと落ちていき。モルヒネによる鎮痛効果は直ぐに結果を出し、同様に副作用の眠気によりその日一日は眠ったまま過ごす事となり。翌朝、医務室にて目を覚まし身体を起こせばぼんやりとした意識の中何となく記憶を辿って己の状況を把握し。足の痛みは恐ろしいほど無い、爽快な気分にさえさせてくれる。空軍兵士や軍医が容態を伺って来るがモルヒネの効果か苦痛と何も無く、その場にじっとしているのも落ち着かず無理にでも松葉杖を受け取れば早速立ち上がってその辺りを徘徊し)

  • No.144 by 鷺宮 灯夜  2018-04-05 23:32:11 


(相手が意識を失ってから丸一日、数回様子を見に医務室を訪れたもののほとんどは事件の後処理や本部との連絡、警備の再配置に追われ、結局事件が起きた夜から一睡も出来ないままで。我を忘れたように仕事へと駆り立たせられるのは若い兵士の裏切りに衝撃を受けたからか、それとも怪我をさせた相手を始めとする兵士たちへの償いの思いか。相手が意識を取り戻した事も知らず、その頃ようやくその日の本部との長い長い会話、時折非難めいた言葉を投げかけてくる上層部との話を終えると電話を切って。深く息を吐き出し眉間を抑えるその顔には隠しきれない疲労が色濃く浮かぶが、警備の確認に行かなければと立ち上がり)

  • No.145 by 鷹田 総一郎  2018-04-06 00:25:34 



(一日寝て過ごすような怠惰な生活は身に合わず、慣れない松葉杖にやや足を取られながら訪れたのは司令室前。先日破壊してしまった扉は既に直っているようでその奥に相手がいるか居ないかは此処からは分からない。扉を見つめる背後には昼間の日差しを差し込む大きな窓、照らされた廊下の先に木々の影がゆらりと揺れる様子が平和を語っているようで。恐らく心配してくれているであろう相手への第一声はどうするべきか、そもそもこの扉の先には居ないかもしれない。少しばかり気まずさを胸に抱きながらノックもせずに扉をゆっくりと開き)

  • No.146 by 鷺宮 灯夜  2018-04-06 09:17:43 


ーー…総一郎、
(ノックもなく不意に開いた驚いたように扉に視線を向ければ松葉杖をつく相手の姿をその瞳に捉え僅かに目を見開かせると相手の名を呼ぶ小さな呟きが唇から溢れ。もう大丈夫なのか、まだ安静にしていた方が良い、無理をさせて悪かった、さまざまな事が頭を駆け巡るがそれを言葉にすることはできずに。きっと今の自分は酷い顔をしているのだろう。安堵からか今まで張り詰めていた気持ちが少し緩みどっと疲れが押し寄せてくるのを感じつつも、彼らしくもなく感情のままに相手を抱きしめるとその背中に腕を回し相手の肩口に額を押し当て、ようやく小さく言葉を告げて)
ーーお前が、目覚めなかったらと…

  • No.147 by 鷹田 総一郎  2018-04-06 09:57:01 



おっ…、と…
(開いた扉の先に現れた親友の姿、その変わらぬ姿に此方も安堵したのは確かで。今にも泣き出しそうな顔をするものだから大袈裟だとぎこちなく笑ってみせては己を抱き締める頭部を見下ろし、撫でる代わりに頬を頭頂部に押し当てて。本来ならば両腕で抱き締めてやりたいが今回は致し方無く松葉杖の持たぬ腕で更に抱き寄せ優しく叩き。何がともあれ彼が無事であり良かったと深く息を吐き出しつつさり気無く負傷したであろう肩を見つめては小さな呟きの中から憂愁に閉ざされていた感情を感じる事となり胸の奥が締め付けられ)…目覚めるに決まってるさ、お前を残して逝くわけないだろう?

  • No.148 by 鷺宮 灯夜  2018-04-06 10:06:48 


ーー嗚呼、…
(相手の言葉に安堵した様子で僅かに声色が柔らかなものへと変わり、相手の体温に安堵したのかここ数日の疲れがぶり返し急に眠気に襲われて。名残惜しくも相手から身体を話すと、相手を見つめるのは将校としての顔、まだ心配げな色を残したまま)
まだ、もう少し休んでいた方が良い、身体に障る。
きちんと敵軍の行動は見張っている、安心して休め。

  • No.149 by 鷹田 総一郎  2018-04-06 10:17:00 



それが、オピオイドの効果のせいでじっとはしていられないんだ。このままでは夜間覚醒してしまいそうだしな。
(離れて行く身体を見届ければ明から様に肩を竦めてみせ。効果によるもので無くとも性分から寝て休むなどは以ての外で、寧ろ目の下にクマを作る相手こそ休むべきなのでは無いかと片眉を上げて)完全復帰とまではいかないが俺も手伝う、お前の方が心配だ、ろくに寝てない顔をしている

  • No.150 by 鷺宮 灯夜  2018-04-06 13:13:34 


俺は何ともない、ずべこべ言わずに休んでろ。
寝ないにしても、身体を休めていた方が良いだろう。
(普段通りの様子に戻るとそう言って相手の背中叩き。しかし相手がいつものように自分の元を訪れたことで安堵したのはその通りで今まで覚醒仕切っていた頭が少し朦朧とし始めて)
…俺もそう忙しい訳でもないんだ、上からの説教を聞いたり今後の進退を検討しているくらいで。

  • No.151 by 鷹田 総一郎  2018-04-06 23:23:34 



…情け無いだろ、少しは手伝わせてくれ。
(己の身を案じての言葉につい反論を口にしてしまいそうになり、一度言葉を飲み込み深く深呼吸をすれば肩を竦めて。敵軍の見張りも怠る事は出来ぬ状況で彼が倒れてしまえば軍の力が衰える事も目に見えている。上層部との連絡程度なら己にも可能であるとやや弱々しい視線を送って、また懇願すべく彼の手首を握り)

  • No.152 by 鷺宮 灯夜  2018-04-06 23:52:43 


…分かった。
警備を終えた兵士が此処に異常なしを伝えに来る。その確認と、次の指示を頼んでも良いか。
(相手の視線と手首を掴むその手に少しの間を置いて頷くとそう答えて、自分の仕事を相手へと頼み。きっと相手は一人で背負いこんでいるとまた自分の事を心配してくれているのだと思えば、大丈夫だと相手の心配を拭うように少し申し訳なさそうに微笑みつつ。相手へと仕事を任せると狭い司令室の床に毛布を広げるとそこへと横になり)
ーー少しだけ寝る、2時間したら起こしてくれ。

  • No.153 by 鷹田 総一郎  2018-04-07 00:22:31 



ああ。
(頷く様子にほっと胸を撫で下ろし、同じように深い頷きを見せ。このように狭い場所で慣れる程疲労も溜まっているのかと思えば責務の重大さを身に染みて感じさせてくれる。時計を見て時刻を確認し、椅子へと座り込めばじきに訪れた兵士達が彼の姿を見る事がないよう配慮して司令室の外で指示を出し一時間が経過して。既に眠りについると思われる彼を見遣れば徐に側によりゆっくりと横へ腰をかけて見下ろし)凄いクマだ、血色もこんな悪くなって…昨日は一睡もしてないんじゃないだろうな…。

  • No.154 by 鷺宮 灯夜  2018-04-07 00:32:18 


(相手の返事の声を聞き安心して目を伏せれば一瞬にして眠りへと引き摺り込まれて行き。深い眠りに夢を見る事もなく、今は相手の声にも気がつかずにただ懇々と眠るばかり。僅かに動いた指先が隣に腰を下ろす相手の手に触れれば無意識にほんのすこし力が入り相手の指先に絡め、白い頬に伏せられた長い睫毛が影を落とし)

  • No.155 by 鷹田 総一郎  2018-04-07 00:40:55 



……灯夜。
(無意識だろうが触れてきた指先に少しばかり驚くも絡んだ指を離す事はせずに、静かに寝息を立てる様子を見守るばかりで。たまに胸の内を擽るこの感覚は何だろうか、親友であり軍人でありながら他の者には感じない時折胸を締め付ける不思議な感覚。良く寝顔を見ようと上半身を屈め、ゆっくりと顔を近付けその小さな唇に視線を落とし)

  • No.156 by 鷺宮 灯夜  2018-04-07 00:55:09 


(相手の指摘通りクマは酷いがその寝顔は穏やかなもの、目を覚まし仕事に向かっている時の冷静で硬い表情は今は影を潜め、目を伏せたその顔には昔の面影すらある。相手と指先を絡めたまま、その唇がほんの僅かに開いて小さな吐息をひとつ溢し)


この後もう少ししたら、島での任務を終えて帰還という形で良いでしょうか?

  • No.157 by 鷹田 総一郎  2018-04-07 01:21:31 



(擽られる感覚は小さな吐息によって疼きと変わって行く。将校としての顔、親友としての顔はこんなにも違って見えるのは幼馴染として過去の相手を知っているからこその特権。小さな唇を奪ってしまいたい、と巡る衝動に唇は触れるか触れないかの瀬戸際まで近寄り)


はい、構いませんよ!

  • No.158 by 鷺宮 灯夜  2018-04-07 10:19:06 


(深い眠りに身を沈めながらも相手がそばにいるという安堵感は意識の中にあり、目を閉じたままの彼から聞こえるのは小さな寝息。偶然の寝返りで顔を背けてしまうこともなく、気を許しているからか普段の様子からは想像もつかない無防備な寝姿で)

了解です!帰還したら、許嫁に会いに行ったり諸々をまた進めていきましょう〜!
ちなみに後に、喧嘩をしている間に本人も風邪かな?くらい少しずつ体調に異変がで始める感じにしようと思っています。

  • No.159 by 鷹田 総一郎  2018-04-07 22:18:17 



(触れたのは不注意だ、と言ってしまえば誤魔化せると言い訳を咄嗟に考えたのは既に相手の唇を奪った後の事。軽く触れる程度の接吻だが生涯己の人生において忘れる事の無い記憶となるだろう。柔らかな感触が残る唇をゆっくりと離し、無防備な姿を眺めていれば時期時間となり軽く揺さぶって)


そうしましょう!おお…後半に差し掛かるのですね…、なんだか寂しいやら悲しいやら…しっかり最後までお付き合いさせて下さいませ!

  • No.160 by 鷺宮 灯夜  2018-04-07 22:42:35 


…ん、…嗚呼、時間かーー…
(相手の唇が触れたことは全く気付かず、その秘密を知っているのは相手ただ一人のみ。やがて揺さぶられている感覚に徐々に意識が浮上すると薄く目を開き、まだぼんやりとする意識の中相手の姿を認識すると小さく声を漏らし。短時間の睡眠でまだ身体が怠いのか相手の方へと腕を伸ばすと起こしてくれと子供のようなアピールを)

物語として後半に差し掛かるのは、まだだいぶ先かもしれないです!
病気も一気に悪化する訳ではないので、風邪気味?くらいから始めてしばらくそのまま日常生活を続けて、少しずつ少しずつ悪化して病の真相が相手に気づかれ、軍を離れる決断をするまでがおそらく前編になるので!
私も物語を作っておきながらあまりに良き親友すぎて切なすぎます…これが完結して、その時にもしまだ付き合ってやるぜ!というお気持ちであれば幸せストーリーも考えるので、その時はお知らせくださいませ…!泣

  • No.161 by 鷹田 総一郎  2018-04-07 23:33:23 



悪い。
(彼が気付いていないとはいえ胸に残る罪の意識から神妙な面持ちで小さく呟き、先に松葉杖に寄り掛かりながら起き上がれば今度は彼の腕を掴みゆっくりと身体を起こしてやり。少しは疲労が取れただろうかと顔色を伺うよう覗き込んでみてはぎこちなく微笑み)…よし、そろそろモルヒネが切れてきたみたいだ。俺は一旦戻る、また何かあれば言ってくれ。


あ、成る程!詳細を教えて頂きとても助かりました…!そのような流れを想定してやりたりさせて頂きますね。
是非是非、幸せなストーリーもやり取りしてみたいものです…!また大分先の事では御座いますが楽しみにしております!

  • No.162 by 鷺宮 灯夜  2018-04-07 23:42:52 


悪い、無理をさせたか?
早く休め、お前に元気が無いと調子が出ない。
(相手の言葉に無理をさせすぎただろうかと心配気に表情曇らせ。入り口まで歩いて行き扉を開けてやりながらそう言うと医務室の方へと戻って行く相手に片手を上げ不安げにその背中を見つめつつ、相手が廊下を曲がったのを見届けると部屋へと戻り。)

かっちりとこう!と決めているわけではないんですが、何となくの流れはこんな感じになるかと思います!
よろしくお願い致します!

  • No.163 by 鷹田 総一郎  2018-04-08 00:30:13 



(時間が経つにつれてやってしまったと後悔が巡る例の件、何故あんな事をしてしまったのか己自身も未だに理解が付かないが、恐らく胸の疼きと関連しているであろう事は分かる。医務室に帰る道中も後悔とそして僅かな満足感に浸って、その日はモルヒネは使用せず軽度な鎮静剤を打つ事とし、再び眠りの中へと落ちて行き)


  • No.164 by 鷺宮 灯夜  2018-04-08 00:44:39 


(その日の夜更け、今夜はまた寝ずに一夜を明かすことは不可能だと思いつつ異常があれば起こすように兵士に伝え司令室の灯りを消し暗い廊下を医務室へと歩いて行き。静かに扉を開け灯りも点けずにベッドへと近付きよく眠っている相手を見ればいくらか安心した様子で表情和らげ、ベッドの横へ椅子を持って来てそこへと腰掛け。闇に沈んだ中、明るい月の光で浮かび上がるように室内が照らされ、相手の頬へと手を伸ばすと起こさないようにしつつそっと頰を撫ぜて。風の音さえ聞こえない夜、相手と二人きりの暗い部屋、安心なのか恐怖なのか寂しさなのか、何故か無性に泣き出してしまいそうな気持ちになると相手の頬へと手を添えたまま僅かに目を細めて)

  • No.165 by 鷹田 総一郎  2018-04-08 12:47:57 


(偶然か否か、丁度我が親友と童心に返る夢を見ていたようで自分らを縛る枷を捨て武器を捨て浜辺の側で共に海を見るというもの。彼は無知で純粋な笑みを浮かべつつ盛大な夢を語る己に静かに相槌を打つのだ、それが嬉しくあり誇らしくあり、堪らず彼を抱き締める。その感覚があまりにもリアルで温かく目を覚ます事となり。薄っすらと開いた瞳で此方を見つめる泣き出しそうな彼、夢とは相反し現実世界の過酷さを表しているようなそんな気さえ起こす寝惚けた頭で伸びている手首を掴み此方へと引き寄せれば寝起きの温かい身を密着させて抱き締め)ーーー…どうした、泣きたい時は泣いてしまえ、二人っきりの夜ぐらい。

  • No.166 by 鷺宮 灯夜  2018-04-08 13:08:17 


(よく眠っており目を覚ますことは無いだろうと思っていた相手の瞳が不意に薄く開くと驚いたように手を引こうとして。しかし相手に手首を掴まれそれは叶わず、まだ眠たげな相手の表情と静かな声に硬く閉ざしていた筈の心から弱さが溢れ出てしまうようで。今はもう、彼に身を任せてしまおうとその力に抗う事もなく身体を密着させて。将校という肩書きを背負いながらも自分はこれ程までに弱い、心を閉ざして紡いだ言葉、司令、受け入れて来た上からの非難も手にした銃の重みも血の匂いも、耐えて重ねて来た全てが今更になって溢れ出すことになるとは。温かな水滴が相手の首筋を滑り、濡らしたが、声を出す事も何を語ることもなく微かに背中を震わせただけで)ーーー…

  • No.167 by 鷹田 総一郎  2018-04-08 22:39:54 



………。
(相手の流す温かな涙が伝えば今は悲しみの渦中であるという事を察し、互いに無言を貫くとし男の背でありながら何処かか弱さのある震える背をゆっくりと撫でて更に身を引き寄せベッドの中へと誘導し。人手の足りぬ軍医も明日の昼前までは村人の診療に巡回するであろう、このまま眠ってしまえと誘うように腕の中で顔を濡らす親友を強く抱き締め続けて)

  • No.168 by 鷺宮 灯夜  2018-04-08 22:55:25 


(何と情けのない姿を親友に見せているのだろうという自責の念も、相手が何も言わずに抱きしめてくれることで幾許か薄れ相手の胸に顔を埋めたまま。相手が怪我をして、初めて親友を失うかもしれないという恐怖に直面した事も心を弱らせたのだろうと思いつつ今はその温もりに安心させられるばかりで。弱さを見せるのはこれで終わりにしようと誓いながら、やがて意識は閉じて行き目尻に涙を浮かべたまま相手の腕の中で眠りに落ち)

  • No.169 by 鷹田 総一郎  2018-04-08 23:05:20 



…いつでも泣きに来い、俺を頼れ、俺無しでは生きられなくなるぐらい。
(暫く抱きしめていれば胸元から聞こえてくる寝息に日頃の疲労を含め泣き疲れてしまったのだろうと推測し、目尻の涙を指で拭い。聞こえていないのであれば好都合で呟いた言葉は近頃欲深くなったと自覚するもので。軍のベッドはシーツが薄いが互いの体温があれば事足りるだろう、徐々に温まるシーツの中で再び夢の中へと落ちて行き)

  • No.170 by 鷺宮 灯夜  2018-04-08 23:22:30 


(眠りの中、相手の声を聞いた気がしたが内容までは聞き取ることが出来ずに。唯一心を許した親友の隣というのは今この世界の中で最も落ち着くことの出来る場所かもしれない、その温もりの中で昔の夢を見て。目を覚ましたのは辺りが薄っすらと明るくなりつつある頃で、夜に異常もなく久々にぐっすりと長時間眠ることのできたお陰か身体はだいぶ軽くなっていて。まだ眠っている相手もそろそろ目を覚ます頃だろうか、起きてしまう前にと上体を起こしつつ相手の耳元に唇を寄せて小さく囁くとベッドを抜け出して)
ーー…ありがとな、

  • No.171 by 鷹田 総一郎  2018-04-08 23:44:19 


ん……
(相手の温もりがなんとも心地良く同じく深い眠りに入っていたようで、もそもそと動く気配と音に夢から現実世界へと意識は呼び起こされ彼の囁きに返事を返す事ができ。しかし、彼が去った後再度夢の中へと落ち、気付けば朝日が昇りきった頃。兵士達が行き交う靴音に目を覚まされ、隣を見れば彼の姿は無く。早々に仕事に就いたのかと冴えた頭で考え己も仕事に復帰する事とし)

  • No.172 by 鷺宮 灯夜  2018-04-08 23:52:00 


総一郎、軍から帰還命令が出た。
夕刻に島を出る、身体に障ると悪い…飛行機は他の兵士に基地まで飛ばして貰った方が良いか?
(相手が起きた同時刻頃、相手の部屋を訪ね。その姿に昨夜の弱さは欠片もなく普段と同じ将校としての毅然としたもの、帰還命令が出た事を告げると来た時と同じように操縦して戻るのは相手に負担が掛かるのではないかと少し心配そうに首を傾けつつ尋ね。)

  • No.173 by 鷹田 総一郎  2018-04-09 00:13:45 



灯夜!良かった、元気そうだな。…いや、それは屈辱過ぎる、帰りも空を見せてやる。
(彼の姿が視界に入ればシャツの着脱時だったとしても構わず放り投げ側へと寄り。将校らしい顔付だが悪くは無い、その理由としては目の下のクマが取れたお陰か昨日の一件によるものか。未だに松葉杖は必要となるが座ったままの操縦ならば構う事ではなく、此方も何時もながらの笑みを浮かべて)

  • No.174 by 鷺宮 灯夜  2018-04-09 00:21:15 


お前な、服くらいきちんと着ろ、子供じゃあるまい。それとも俺が着せてやろうか?
(シャツを放り出して笑顔でこちらに向かってくる相手に呆れた様子で言いながらも、軽く毒が吐けるくらいには心身共に回復しているようで。次いで帰りも飛べるという言葉と相手の明るい表情に自分では気付かないものの自然と嬉しそうな顔に。)
分かった、…楽しみにしてる。

  • No.175 by 鷹田 総一郎  2018-04-09 00:31:00 



それじゃあ格好が付かないだろ、この身体に惚れ惚れとしたぐらい言ってくれても良いのにな。
(服よりも彼を優先したと思えば何処と無く気恥ずかしさもあるがそんなものは直ぐに消えていく、冗談には冗談で返す事とし、感情を露わにする表情を見れば気分が良く此方も嬉しそうに微笑んでみせ、新たなシャツを手に取りボタンに手をかけ)ああ、それじゃ最後の見張りと行くか。お前も帰る前に海を見てくか?

  • No.176 by 鷺宮 灯夜  2018-04-09 00:40:36 


そうだな、ゆっくり海を見る暇も無かった。
あいつらが荷物の整理をしている間に俺たちで見張りに行こう、海辺の方を重点的にな。
(言われてみれば島に来たにも関わらずほとんど部屋に入り浸りっぱなしで海を見る事もなかったと思い返し。相手の誘いにはすぐに同意し、兵士達が荷物整理や部屋の清掃をしている間にあくまで警備に行くのだという程で悪戯っぽい笑みを浮かべて)

  • No.177 by 鷹田 総一郎  2018-04-09 00:56:39 


そう言ってくれると思ったぞ、そうと決まればさっさと俺達も用意をして見張りに行くとしようか!
(思わぬ同意に昨夜の夢が正夢に感じられてくる、二人で海を見て夢を語るかは別だが広大な海を見せてやれるとなれば気分も向上し。早速荷物の整理と見守りの準備を行う事とし、彼にも同様に事を進めるよう目でも訴えかけ)

  • No.178 by 鷺宮 灯夜  2018-04-09 01:06:43 


嗚呼、先に終わったら部屋に来てくれ。
(相手の言葉に頷きつつそう言うと早々に部屋へと戻り、数週間を過ごした狭い司令室の片付けと荷造りを始め。元よりそれほど荷物は多くないため持って来たものを鞄へとしまって行けばそう時間も掛からずに片付けと荷造りを終えて)

  • No.179 by 鷹田 総一郎  2018-04-09 01:20:56 


(頷き、部屋へと。流石に上着を持って歩くには鬱陶しくシャツのままでいる事とし荷物をまとめて部下に頼む事とし司令室へと向かって。松葉杖も大分慣れてきたようで、鎮痛剤さえあれば短時間は自力でも歩行ができるほど回復しており、ノックをしドアノブを捻り)ーー終わったぞ、お前の方は?

  • No.180 by 鷺宮 灯夜  2018-04-09 01:30:07 


ーー調度俺も終わった所だ、行こう。
(鞄を閉めたタイミングで相手が入ってくるとそう答えて、荷物を部屋の前へと出してあとは部下へと任せると相手と共に基地を出て。数日経ってだいぶ相手も杖での歩行に慣れたようだと思いつつも自分の腕を差し出し自分に掴まるようにと)
…危なっかしい、俺に掴まってろ。

  • No.181 by 鷹田 総一郎  2018-04-09 15:19:56 


(差し出された腕を見下ろせば実際の所必要無いものだが彼の好意を無駄にする気は無く軽く手を繋ぐ程度として肩口の負傷の方を気にして。移動は車で向かう事となり、浜辺の側、見張り塔の付近で停車し)着いた、潮風が気持ち良いな!

  • No.182 by 鷺宮 灯夜  2018-04-09 16:34:08 


ーー風が気持ちいい。何にも汚染されていない、澄んだ空気だな。
(車を降りれば基地の方よりは柔らかい砂、深く息を吸い込んで気持ちのいい空気をいっぱい胸に溜めると表情は爽やかなものに。少しずつ柔らかさを帯びて来た光に照らされ海の水平線を見つめて)

  • No.183 by 鷹田 総一郎  2018-04-10 19:46:04 


もう少し海に近付いてみようか、流されたら捕まえてやるよ
(清々しい表情に誘った己も晴れ晴れしい気分となり、見張り塔の更に向こう側へと連れて行こうとし。空にはウミネコが数羽優雅に飛び回り燦々と降りかかる日光を楽しんでいるかのよう。小波が宝石の如くキラキラ美しい輝きを放つのを細めた瞳で捉えながら彼の腕を掴んで波のすぐ側まで歩み寄り)

  • No.184 by 鷺宮 灯夜  2018-04-10 21:19:59 


海がこんなに青いのは、今はそう見られない。
ーー任務とはいえ、お前と此処に来れたのは幸運だったかもな。
(相手に誘われるようにして浜辺の波のすぐ近くへと。わずかに革靴の先を濡らす波、青く澄んだ地平線を見つめながらそう言って、ちらりと相手を見ると少し笑みを浮かべて)
早く治せよ、お前がそうだと俺まで調子が出ない。

  • No.185 by 鷹田 総一郎  2018-04-10 23:24:24 


ああ、普段は陸地ばかり見ていたからたまにはいいだろう?
(松葉杖を砂浜へ倒すように手を離し、ほぼ治りかけの怪我の具合を伝えるように身一つで砂浜の上へと。折角ならばと靴を脱ぎ捨て素足となれば暑い砂の粒子に触れてゆっくりと海へ進み片足を並みの中へと浸けて。暖かい風と冷たい海水の向こうに敵国があるとは思えない程の美しさに瞳を細めて)すぐ治るさ、心配するな。お前もどうだ?こうやって海に触れれば気分が良くなる

  • No.186 by 鷺宮 灯夜  2018-04-10 23:38:42 


ーー俺はあまり、濡れるのは好きじゃない。見てるだけで良い。
(相手の様子を見れば少し安心したような表情浮かべ、素足で海の波に足を晒す姿見て。相手に促されると曖昧な表情浮かべ、水を嫌厭する様子はまるで猫のよう。見る分には良いが泳いだり服が濡れたりするのは嫌なのかそのまま靴の爪先だけを僅かに水に晒したまま陽射しの中で目を細める相手の横顔をじっと見つめて)

  • No.187 by 鷹田 総一郎  2018-04-11 05:46:41 


まるで猫みたいだな!ははッ…
(水に浸かるのを嫌悪する様子にまさに思い付いたのは同じ動物、くしゃっとした笑みを浮かべてほんの軽く爪先で海水を相手に飛ばしてみて。ふと視界に入る視線に気が付き視線を上げれば双方の儚げな瞳を捉えて。昨日接吻した相手であるという事を思い出させるような視線に咎められているようなそんな気さえ起こし、ややぎこちなく肩を竦めて)ーーお前、昨日の事、少し覚えていたりするか?

  • No.188 by 鷺宮 灯夜  2018-04-11 09:13:00 


それを言うならお前は犬だな。
(相手の言葉にそう言ってからかうように笑うと飛んで来た水を肌に感じその冷たさに驚きつつ、少しだけ指先を浸して相手に反撃を。じっと、太陽の輝きの中快活な相手の表情を見ていれば問いかけられた言葉。昨日のことを思い返すが、自分が泣いたことを言っているのだろうか、僅かに首を傾げつつ)
…お前の所で寝たのは覚えてる。

  • No.189 by 鷹田 総一郎  2018-04-11 12:39:48 


まあ、確かに寝ていたな、子供のように泣きじゃくって…それ以外は?
(確かに寝惚けていたものの彼が深夜訪れた事もまた事実であり、思い返せば可愛らしく泣いていたが惚けてしまいそうでそれでは無いと記憶から搔き消すよう首を振り。あまり深く追求する事への抵抗はあるが覚えていないという確証が欲しく一歩近づきまじまじと見下ろして)

  • No.190 by 鷺宮 灯夜  2018-04-11 13:17:55 


うるさい、忘れろ。
…それ以外?特に何も覚えていないがーー何か変な事でも言ってたか?
(相手のからかうような口ぶりに相手の背中はたきつつ、尚も追求しては此方をじっと見つめてくる様子に何か変な事でも言っていたかとやや怪訝な表情に。昨日の夜の出来事は全く知らぬ間に起きていた事、記憶にはなくゆるりと首傾げ)

  • No.191 by 鷹田 総一郎  2018-04-11 14:31:08 



ーー…いや、覚えていないならいいんだ。
(相手の様子から全く覚えていないのだろうと確認が取れれば一人でにどっと緊張が解けて胸を撫で下ろし嘆息を吐き出し。怪訝な顔付きになったのに気付けば苦笑いを浮かべ。靴を手に持ち見張り塔まで引き返し)じゃああれに登るか。高いから落っこちるなよ?

  • No.192 by 鷺宮 灯夜  2018-04-11 15:08:03 


ーーお前こそ、転ぶなよ。
(相手の誘いを快諾し見張り塔の下まで行くと相手について見張り塔の上まで登り。徐々に陽が落ちまもなく夕暮れだろう、だいぶ橙色を帯びて来た光が海の水面を照らし風に波が立つ、相手と空の上で見た青とはまた違った美しさに嘆息し。平和な場所で相手と二人、肩を並べて美しい景色を眺めている幸せに心が穏やかになるようで)

  • No.193 by 鷹田 総一郎  2018-04-11 20:57:44 


(一人で見る景色よりも誰かと見る方がずっと美しいとはこの事なのか、地平線の向こうへ沈みかける太陽と夜の訪れを知らせる一番星が瑠璃色の地球を照らしている。波と風、海と空そして親友と二人だけの小さな小さな空間にも思えてくる不思議な感覚は胸の底から熱いものと共に溢れ出て。そうこうしてる間に空に一筋の飛行機雲がはるか彼方へと続いている事に気が付き)そろそろ帰る時間だな。俺達も。

  • No.194 by 鷺宮 灯夜  2018-04-11 21:28:17 


ーーそうだな、もう帰らないと。
(相手と見る静かで美しい景色はいつまでも見ていたい程、しかし相手の声と遠くに続く飛行機雲に意識を引き戻されるとそう頷いて塔から降り始め。どこか夢の中のような気さえする美しく静かな二人きりの見張り塔から降り、その階段から島の地面に足が着く間際。風に掻き消される程に微かに一度咳き込んだ気がしたのは気のせいか。相手を振り返ると掴まれと手を差し出して)

  • No.195 by 鷹田 総一郎  2018-04-11 23:35:02 


(鎮痛剤も切れてきた頃、微かな痛みが太腿を刺激するがその痛みも忘れる程穏やかな時を過ごしたようで満足といった様子で少しばかり咳き込んだ相手を見遣り此方に伸びてきた腕を躊躇無く掴み。彼の温もりを手の内に感じながらこそばゆい思いを馳せて車へと乗り込めばエンジンを切り飛行機へと)帰ったらまた忙しくなりそうだなあ、お前は。また俺の部屋にでも来いよ、いつでも添い寝してやるから

  • No.196 by 鷺宮 灯夜  2018-04-11 23:47:36 


次は足の踏み場がもう少しあると、もっとゆっくり出来るかもな。
(相手の言葉に揶揄うような笑みを浮かべて態とそう答えつつ自分も飛行機の後部座席へと。来た時とは違って瑠璃色に染まった空、自分が大空へと羽ばたく機会など滅多にない、この景色をしかと目に焼き付けようと飛び立つ前から窓へと視線を移し。偶然にも島へと配属された中に相手がいて良かったと噛み締めつつもそれを言葉に出すことはなく)

  • No.197 by 鷹田 総一郎  2018-04-12 22:45:52 


(彼を乗せた飛行機は何処までも高く高く飛翔して再び雲の中へと。厚めの雨雲を向ければ既に満点の星空が広がっており数多の星々が機体を照らして自然のライトと化し。滅びに向かって青や白に光り輝く様がガラスを通してよく見えて、機内の通信のスイッチを押して背後にいる親友へ上へ向くよう声を掛け。)ーー良い空だろう、ただそこに輝くだけでこんなにも美しいんだ。…まるでお前みたいだな。

  • No.198 by 鷺宮 灯夜  2018-04-12 23:22:06 


…美しいな、先に待ち受けるものが滅びであっても、これ程までに夜空を照らし生命を燃やす。
(相手の言葉に僅かに微笑み、静かに夜空に瞬く星を見つめながらそう言葉を紡ぎ。その瞳に映るのは美しくも静かで冷たい輝き、自分を夜空の星のようだと形容する相手は正しく、昼の太陽だと思えば相手の背中へと再び視線を向けて)
ーーお前は昼の太陽だな、

  • No.199 by 鷹田 総一郎  2018-04-12 23:53:51 


終わりがあるから輝き続けるのかもな、それはそれで悲しいものだが。
(儚い一つの光も千もあれば眩い瞬きとなる天の川の下には雲海が何処までも続きまるで永遠の旅路に出たかのような気分させられ。少し機体を斜めに傾かせ翼を雲海に、綿菓子のように夜空へと浮かび消え行くのを眺めながら相手の例えを聞いて小さな笑い声を零し)俺が?ーーへえ、そんな風に見えているんだな

  • No.200 by 鷺宮 灯夜  2018-04-13 00:08:42 


ーー嗚呼、俺にとっては太陽だよ。眩しい程に…青空を背負って、いつも輝いているお前は。
(相手の口調に少し笑いながらもそう答え、相手を思い瞳を閉じると瞼の裏に浮かぶのは快活な相手の笑顔と青空。自分にとって相手は太陽なのだと、相手が此方に背を向けている二人きりの空間ではその本心を紡ぐことができる。無数の星と、機体の傾きによって広がっていく雲、このままどこまでも遠い場所に飛んでいって仕舞えば良いと思いながら窓の外を見つめて。胸の奥を擽るような一瞬の違和感には自身ですら気に止める事はなく、後にこの瞬間を酷く恋しく思う時が来ることなど今は知る由もなく。)

  • No.201 by 鷹田 総一郎  2018-04-16 10:50:39 


(空を飛ぶ者として青空そして太陽に焦がれる思いは人何倍もあり嬉しく思わない筈もなく例えるならば手の届かぬ高嶺の花の存在に近付けたような気分となり非常に上機嫌に口角を緩ませ。何度か同じような言葉を言われた事はあるがこんなにも胸が熱くなるのは彼の言葉が特別なのか、彼が特別なのか。傾いた機体を整え徐々に下降、雲を抜けた先の大地に吸い込まれるかのように軍事基地の塀に囲まれたその中へ、静まり返った地は足を下ろしすぐに彼の側へと寄り)空の旅はどうだった?最高だったろう、お前を乗せてやれて良かった。ーーーもう二度と乗せられないような気がした。


少しバタバタしていて遅くなりました、御免なさい!

  • No.202 by 鷺宮 灯夜  2018-04-16 13:31:33 


ーー不吉な事を言うな、全てが終わったらまた乗せてくれる約束だろう。
(あっという間に夜の閑静な基地の中へと降り立てば冷たい風を感じつつ機体の外へ。静かな月明かりが瞳に光を浮かばせつつ、珍しく弱気な発言をする相手を相手をじっと見つめるとそう言って笑みを浮かべて。明るい月の光が白い頬に睫毛の影を落とす様は妙に儚く見え、「今日も最高だったよ」と答えつついつものように相手の背中を叩くとすっかり闇に沈んだ中基地の方へと歩き出し。)

良かったです、お返事頂けただけで嬉しいです!
ご無理はなさらないで下さいね。
この後は数日飛ばして許嫁の流れにいこうと思いますが、許嫁はこちらで動かしてしまって良いでしょうか?

  • No.203 by 鷹田 総一郎  2018-04-16 14:13:51 


勿論、今度は何処へだって連れて行ってやるさ、南の方なんか暖かくてきっと、
(自身でも何故弱気な言葉を口にしたのかは見当付かないがこの果てしない空の下に降り立った時から再び始まる戦争の柵に囚われてしまったせいなのだろうと現実を直視するように無機質な基地を見つめて彼の背を追い隣に並び。月夜に照らされ今にも消えて無くなりそうな彼を横目で見下ろして無意識にそっと腰に手を添えて半端強引に自身の身体に引き寄せて。)また、少し痩せたな。


また少し忙しくはなりそうですがお返事の方は必ず返しますのでご心配お掛け致しました!
はい、構いませんよ!

  • No.204 by 鷺宮 灯夜  2018-04-16 15:32:47 



ーー約束だ、楽しみにしてる。
(戦争のなくなった平和な世界、暖かな南の上空を相手と二人飛び回るのはどれほど楽しいだろうか。相手の言葉に笑みを浮かべてそう答えつつ、不意に腰を引き寄せられると驚いたようにその瞳が相手を捉え。過保護な相手の言うことだと真に受けることはなく困ったように笑って)
そうか?お前はいつもそう言うな、元から体格が良い方じゃないだけだよ、そう心配するな。
食事もちゃんと摂ってる。

ありがとうございます!
お待ちしているので、ご安心くださいね。

  • No.205 by 鷹田 総一郎  2018-04-18 23:54:10 


…本当かあ?なら今度その身体見せてみろ、ガリガリなら余分な肉分けてやる。
(事実己の方が彼よりも体格は良いものの軍に入隊した当初と比べれば昼夜問わず多忙な生活を強いられる将校の身体が痩せてきたのは間違いはないようで、近くにいるにも関わらず態々顔を覗き込み片眉を上げて。冗談を含んだ言葉を送るが半分本気でもあり、余りにも肉付きが悪いようならば再び何処かに連れ出してやろうかと)

そう仰って頂き安心致しました、許嫁への場面変更はいうでも構いませんのでお好きな時に変えて頂ければと思います!

  • No.206 by 鷺宮 灯夜  2018-04-19 00:13:00 


誰が見せるか、気持ちの悪いこと言ってないで早く戻るぞ。
(相手の言葉はさらりと交わしただけで相手の腕を掴むと、そのまま基地の中へと歩いて行き。ーーー珍しく自分から相手の元を訪ねたのはその数週間後のこと。少し前に結納の件で許嫁の屋敷に顔を出した際、親友に会いたいとせがまれたものの気恥ずかしさもありなかなか本人に言い出すことが出来ずに今日になってしまい。些か決まりの悪そうな様子で相手の仕事場まで向かうと総一郎、と声を掛けて。許婚に会ってくれと直球で言うことはできずになんとか相手を彼女の働く店まで連れ出そうと画策し)
…昼食に町の喫茶室まで行かないか、俺が奢る。


そのまま場面転換してみました!
少し物語の流れをまた考えたのですが、許婚に会う→体調を崩すも互いに忙しく無理が重なる→結核が公になってしまう→
その後、灯夜が相手を遠ざける為にわざと絶交を宣言、少し冷静になって翌日部屋に行くと彼は軍を脱退済み、行き先も誰もわからない。というのが前編だと、良い感じに後編で再開できるかな〜と思いました!
こちらばかりすぐ返事をしてしまってすみません、ご自分のペースで大丈夫ですので!

  • No.207 by 鷹田 総一郎  2018-04-19 00:34:56 



ーーーはあ?なんだ珍しいな、たまには甘菓子が食べたいとか言い出すんじゃないだろうな。
(機体の整備に手を貸していた所に現れた親友の姿に頓狂な声を上げて周囲を驚かせたのは他でも無く、言うなれば空から槍が落ちてくる程の珍しい訪問に何かあるのでは無いかと偵察がてらじろじろと頭頂部から爪先まで一通り見回し単純な誘いかと思いつつもいつもよりも不自然な言動の親友に送る視線は未だ探りのあるもので墨だらけの格好で漸く立ち上がり。勿論理由は何であれ彼の誘いを断るはずも無く二言で同意し、よもや許嫁と初対面となるとも知らずに汚れたシャツ姿のまま向かうつもりで)


有難う御座います!非常に助かりました!
おおお!密に有難う御座います、ちなみになのですが結核が公になる時、総一郎もその事実を知るのでしょうか?
それとも知らぬまま別れを告げられ再開時に知る事になるのでしょうか?それによって絶交宣言の受け取り方が違うなあと思ったので…!もし、事実を知らぬまま別れれば再開時に酷い事をしてしまいそうではあります!
いえいえ、自分が遅くともすぐに返ってくるお返事を見ると非常に安心致します、お待たせしてしまい申し訳無いのですが返信があるとやっぱり嬉しいものですね!

  • No.208 by 鷺宮 灯夜  2018-04-19 00:49:46 



ーーその格好で行くのか?
(いつものキレの良い毒吐きは何処へやら、相手の質問には曖昧に答えを濁しつつ一先ずは相手が誘いに乗ってくれたことに安堵し。立ち上がった煤だらけの相手を見ては僅かに眉を寄せてそう尋ねるも仕事中に突然誘い出したのは自分、着替えろとも言えずにまあ良いと相手の腕を取り、仕事を続けている空軍兵たちに一声だけ掛けると基地を出て歩き始め)…少し借りる。


そこは非常に悩みどころなんですよね…!一応今のところは、総一郎も公になった時に病を知ってしまうという感じで良いかなとは思っています。
そう言っていただけて非常に安心しました、ありがとうございます!私も返事が有るとすごく嬉しいです。

  • No.209 by 鷹田 総一郎  2018-04-19 01:00:34 


なんだよ、少しぎこちないんじゃ無いか?
(兵士達には軽く手を振りその場を後に普段よりも大人しく様子のおかしさに気が付かない訳が無く先頭を歩むやけに静かな頭部へと声を掛け。労力を使ったせいもあり額や背に滲む汗を拭うなり、シャツを摘み上げて扇ぐなど後方では自由にし緊張はまるで無く。店が視界に入ろうとも察するにはまだ情報が足りず不審に思いつつも店内へと)


かしこまりました、それではその様な方向性で進めさせて頂きますね!
有難う御座います、不定期になってしまいますが今後も宜しくお願い致しますね!

  • No.210 by 鷺宮 灯夜  2018-04-19 01:21:53 


ーー千鶴、
(相手に指摘される程に変な緊張感が漂う中、喫茶室の扉を開ければ来店を知らせる鈴が音を立て。このご時世、街中で軍服を着ているだけで目立つため他の女給達が自分に気がつくのもそう時間は掛からず。奥に進み、目当ての彼女の姿を見つければ声を掛け。ーー驚いたように振り向いた彼女は許婚の姿に気づけば嬉しそうにその名前を口にして微笑みを浮かべ、すぐさま隣に立つ彼の親友にも気がつくと一層表情を明るくして)
ーー総一郎様ですね、!お話を伺って、ずっとお会いしたいと思っておりました、どうぞ奥のソファー席をお使い下さいな。


思いつきで色々振り回してしまって申し訳ありません。ご希望があれば何なりとおっしゃってくださいね。
有難うございます、こちらこそよろしくお願い致します!

  • No.211 by 鷹田 総一郎  2018-04-19 01:37:01 



(女給達の姿を見れば遅くもなんと無く察した先に見えた笑顔のよく似合う見目麗しい女性に僅かに瞳を見開き隣に並ぶ親友と彼女を何度も交互に見遣り。彼女が親友の許嫁であると言葉にせずとも大層似合いな二人を見れば一目瞭然であり、遂に顔を合わせる願望が叶った事への喜びに今一度親友を見下ろして笑みを浮かべて。慌てて汚れを振り払うも既に衣服に染み込んだ分はどうにも出来ず苦笑いを浮かべては軽く会釈をしてソファーへと座り)ーーー灯夜の将来の嫁さんか!初めまして、凄い美人だな、なあ、灯夜!

いえ、寧ろ任せっきりで申し訳無い気持ちでいっぱいです、勿論希望や展開相談も致しますのでその際は宜しくお願い致します!

  • No.212 by 鷺宮 灯夜  2018-04-19 01:49:46 


結納の前に一度はお前に合わせておきたかった、時間が合って良かったよ、ーーあまり大きな声を出すな、
(漸く対面した二人、彼も目の前にいるのが自分の許嫁だと気づいたのか表情を明るくする様にほっと表情を和らげて。彼女に見せるのは相手に見せるものにも少し似た優しい表情、ソファーに座るとそう言いつつ余り大きい声を出すなとたしなめて)

嫌だわ、総一郎様ったら揶揄わないで下さいな。
はじめまして、灯夜様の許嫁の千鶴と申します。
(相手の言葉に薄らと頬を染めるとはにかんだように微笑んで、言葉の言い回しや表情には彼と重なるものがいくつかあり。頭を下げると改めて名乗り、ずっと話しに聞いていた相手に会えたことに嬉しそうにして)

  • No.213 by 鷹田 総一郎  2018-04-19 02:02:30 


あぁ、俺も顔を合わせる事が出来て良かった。けれどもっと前から教えてくれればこんな格好では来なかったぞ、水臭いだろーーなあ、千鶴さん?
(親友の珍しい訪問やぎこちなさは全て今回の一件が要因であったと漸く話が噛み合うが気恥ずかしいとはいえ急遽対面する事となり準備の無い己の格好は何とも頓珍漢だと咎める様な視線をチクチクと。彼女の礼儀の良さとルックスは親友の心を射抜く事間違い無いとにんまりとしながら相互を見合わせる癖は無くならず、手土産の代わりに店の品々を三人分注文しようと辺りを見回し。)よし、折角だし何か頼むか。灯夜と千鶴さんにもな。

  • No.214 by 鷺宮 灯夜  2018-04-19 02:16:39 


…あら?先週お会いした時に、戻ったら直ぐに総一郎様に話すと仰っていたのでてっきり。
(三人で会う事は直ぐに伝える、と言って帰って行った彼をちらりと見遣れば居心地の悪そうな表情を浮かべているためなかなか言い出せなかったのだろうかと。確かに自分の事を話したがる人ではないと思えば相手と顔を見合わせてくすりと微笑んで。当の本人は、3人分と聞き遠慮しようとする彼女を見遣りそうとだけ言うと彼女を引き留めて。交互に顔を見る相手の様子に苦笑しつつ)

こう言っているんだ、甘えれば良い。…総一郎、そんなにまじまじと見たって何も変わらない、落ち着け。

  • No.215 by 鷹田 総一郎  2018-04-19 02:23:59 


はは、いや本当にいたんだなあと、いや悪い意味では無くてこんな堅物にも、…愛し合う存在がいるんだと。
(許嫁では無く女給達へ宇治抹茶とそれに合う甘味系を三人分注文して。改めて柔らかな雰囲気な彼女とその雰囲気に飲まれるかの様に幾分か堅い表情が砕けたような親友はよく似合っていると微笑を浮かべて眺めていれば何やらチクリと胸の奥底が痛み。脳裏にいつかの失態が過るが彼の記憶には無く焦るまでには至らず、複雑な心境を誤魔化すように豪快に笑ってみせ)

  • No.216 by 鷺宮 灯夜  2018-04-19 02:39:03 


堅物だなんて。すごくお優しいですよ、私には勿体無すぎる程のお方です。
いつもお会いする時は総一郎様のお話をしてくださいます。
(彼女は柔らかい笑顔を見せながらそう答え、その言葉に相手の知らない彼の姿をちらつかせていてそれが相手を傷付ける事には気づく筈もなく微笑んで。いつも話している、と自分が彼に伝えていた頻度を超えるニュアンスの言葉でその真相を明かされてしまうと彼は気まずそうに相手から視線を逸らして。いくつか咳を溢しつつ自分にとって大切な存在である二人がこうして向き合って楽しげに語らう姿は嬉しいもので基地にいる時よりもだいぶ表情も穏やかに)

  • No.217 by 鷹田 総一郎  2018-04-19 02:56:39 


優しい、か?まあ、確かに。ーーーへえ、例えば俺が空軍一の操縦士とか、腕っ節が強いとかだろうな!
(彼女の述べる優しさとは別の仲間想いである一面は良く理解しており態と小首を傾げてみるが後々首を縦に振って同意を示し、大切にされているのだろうと瞳を細めて微笑ましく眺め。親友からも己の話をよくしてると聞いていたがそれが真実である事が明確になれば嬉しさ半分よっぽどの頻度で話しているのかと苦笑しつつ敢えて大袈裟に自賛してみて。こうして彼と彼の許嫁と三人で面会出来た事は非常に嬉しく礼を告げるように軽く背を叩いて薄寂しさを含んだ色の瞳で見遣り)

  • No.218 by 鷺宮 灯夜  2018-04-19 03:20:23 



ーーそんな話は一言もして居ない、
お前が毎日職務を放り出して俺の部屋に来たり、いつも元気が有り余ってる奴だって事を話してるくらいだ。
(わざと相手を褒めるような事は口にせず、普段と同じように毒を吐きつつ。二人が互いに会えたことを喜んでくれたのならこれほど嬉しいことはないと表情和らげ。運ばれて来た抹茶に口をつければ背中を叩かれ、溢すだろうとたしなめつつ相手の瞳の奥に浮かんだ薄寂しさに今は気付くことはなく、大切な人たちと過ごすひとときの平和を楽しんで)

  • No.219 by 鷹田 総一郎  2018-04-19 03:42:14 


おい、千鶴さんに何言ってんだ仲人してやらないぞ、あんま変な事言うな
(ぎょっとしつつそれ以外の事も話しているのだろうと内容までは知らずとも許嫁の柔らかな対応からは汲み取る事が容易で。親友との二人だけの会話にならぬよう彼女にも目配りし、出てきた抹茶と和菓子を美味しく頂き。一通り他愛の無い話をして、ふと彼らの貴重な細やかな時間をこれ以上邪魔するのは如何なものかと余計な詮索が始まり、抹茶を啜りつつ退散の隙を伺い)ーーよし、じゃあそろそろお暇するか、な。今度はもう少しマシな格好で会えるよう千鶴さんからも早く言っとけって良く言い聞かせといてくれよ

  • No.220 by 鷺宮 灯夜  2018-04-19 08:02:49 


あら、もうお戻りに?
もう少しゆっくりしていらして下さい、
(相手も含め会話を楽しんでいたものの相手が早くも退散しようとし始め、それにつられて仕事中連れ出して来た彼も責任を感じているのか一人残るという選択肢は頭に無かったようで慌てて帰る準備を。もう戻ってしまうのかと少しだけ寂しそうな表情を浮かべると眉を下げ、引き止めるように彼女は相手を見つめ)

  • No.221 by 鷹田 総一郎  2018-04-19 21:31:24 


いや、俺はまだ仕事が残っているからな、灯夜、お前はもう少し残ってやれよ、なかなか二人っきりで話せていないだろ
(気を利かせたつもりだが彼女の寂しげな表情を捉え眉を下げては帰り支度をする彼の肩を軽く叩き。此処暫くは会えていなかったのだろうと多忙の将校の側にいる己が一番理解が出来る。半分居た堪れない心境から抜け出したいという思いもあり、彼女には他愛も無い笑みを浮かべてそそくさと入り口まで退散し会計を済ませ)

  • No.222 by 鷺宮 灯夜  2018-04-19 21:54:55 


…嗚呼、ーー
(思いがけない相手の言葉に驚いたように空いて見上げるも早々に店を出る相手を見てはその後ろ姿を少し不思議そうに見つめて。その後2人残され困ったように笑いながらも店に残ると夕刻になって許婚にまた、と軽く手を上げると店を出て。橙色に照らされる基地への道を一人で歩きながら不意に僅かに眉を顰めると足を止めて小さく咳き込み。このところ少し体調が悪い、忙しい時期に嫌な風邪をひいたものだと苛立たしげな様子見せつつもそのまま基地へと戻り)

  • No.223 by 鷹田 総一郎  2018-04-20 00:10:17 


(胸の内に宿る想いを有耶無耶にするように部下や上司と馬鹿騒ぎをしながら機体の汚れを擦る腕は止まらず、整備や点検の指揮や手伝いで気が付けば四角い窓の向こうは昼間とは別の色は変わってまるで先程の出来事が遙か前のように感じられて。一層汚れてしまった身で額から頬へと汗が伝い、短い溜息を腹の底から空中へと。一通り仕事も片付き報告がてら本部へ顔を出そうと空軍基地を後にして向かっている道中に親友の姿を発見すれば機嫌の悪そうな顔付きに何かあったのだろうかと気まずさを拭って近寄り)何苛ついてるんだ。

  • No.224 by 鷺宮 灯夜  2018-04-20 00:24:36 


ーー嗚呼、お前か。仕事は終わったのか?
また随分汚れたな、ちゃんと風呂に入れよ。
(基地へと戻れば不意に声をかけられ驚くも、相手だと分かれば特に気にして居なかったのか気まずさは感じさせないいつも通りの表情に。相手に指摘されると溜息つきつつ理由を答えて。熱が出て寝込む事はないものの、随分と長く小さな身体の不調が続いている為なかなか治りきらずそれが逆に苛立ちを募らせるようで)…いや、少し風邪っぽくてな。この忙しい時に。

  • No.225 by 鷹田 総一郎  2018-04-20 00:54:16 


たまには汚れ仕事だってするんだ感心してくれ。大丈夫か?風邪でも大事を取って少し休んだ方が良いんじゃ無いのか
(ぱっと見は普段と変わらぬ様子だが、少し血の気の引いた肌や目の下の薄いクマをよくよく見れば僅かな変化が見受けられ眉間に皺を寄せて。彼の性格を知った上で提案するもきっと仕事を優先するに違いないと強く強要はしないがそれでも気がかりであり暫し横目で捉えて視線を外さぬまま)

  • No.226 by 鷺宮 灯夜  2018-04-20 01:05:19 


偉かったな、
(感心しろ、という相手の言葉に子どもを褒めるようにそう言って相手の頭を軽く叩くと揶揄うように笑みを浮かべ。少し休みを取りたい気持ちはあるが戦況が少しずつ動き出している今はその時ではないと、相手の想像通り首を縦に振ることはなく。気怠さに加え近頃よく出るようになった咳も煩わしさを高めるもの、戦況が落ち着くまでの暫くの間は適当に風邪薬なり咳止めを飲んでやり過ごすしかないだろうと。)ーーさすがに今のこの状態では、休めないだろう。もう少し落ち着いたら、少し休養を取る事にする。

  • No.227 by 鷹田 総一郎  2018-04-20 01:55:24 


(己よりも一回り小さな温かな掌が触れるだけでも十分だと言い聞かせるようになったのはいつからなのか、動揺を瞳に浮かべたのは数える間も無く消え去りつられるようにくしゃっとした笑みを浮かべ。ーー確かにいつかこの地が戦場と化すか分からぬ今は指揮官の存在は絶大であり必要不可欠、武器も人手も不足した現状で強く止められる理由が無く沈痛が募るばかり。彼の様子を観察する毎日になりそうだがわざわざ口に出す事はせず)ならいつでも手を貸すから仕事が余ったら俺に寄越せ、お前の二倍は働いてやる

  • No.228 by 鷺宮 灯夜  2018-04-20 02:09:25 



…嗚呼、ありがとう。
お前も、無理はし過ぎるなよ。
(相手の言葉は心強いもので、実際に相手に仕事を投げるようなことは無いかもしれないがその気持ちは嬉しく、礼を述べつつも今日はまだ仕事が残っているのだと相手にひらりと片手を上げるとそのまま司令室へと戻って行き。)

  • No.229 by 鷹田 総一郎  2018-04-20 02:26:12 


勿論…。
(心配は残るが直ぐに良くなる筈だと考えた事が後々後悔に繋がるとは知らず去って行く背を見届けて己も本部へと。ーーそれから数日間は自軍の飛行訓練や爆薬、爆弾を取り扱い本格的に多忙な日々が始まり顔を合わせる事が出来ずに時間ばかりが流れて行き。)

  • No.230 by 鷺宮 灯夜  2018-04-20 09:29:11 



(忙しい日々が長く続き相手と顔を合わせる事もあまりないまま職務へと没頭することとなり。すぐに良くなると思われた風邪はなかなか治らず、むしろ徐々に悪化しているような気さえする。自分から休みたい、という思いに駆られたのはいつ振りだろうか。僅かに身体も熱っぽく咳も出る、漸く報告の兵士達や上層部との電話がひと段落すると机に座ったまま顔を覆って。まだ大丈夫だと自分を奮い立たせつつ効果を発揮しているのかすら分からない風邪薬を流し込み、それでもその瞳は鋭く将校としての使命に燃えて)

  • No.231 by 鷹田 総一郎  2018-04-22 01:09:30 


ーーー灯夜。
(本格的に仕事以外に手が付けられなくなった頃、暫し顔を合わせぬ彼はきっと身を削りながら将校としての役目を全うしているのだろうと。空軍基地から見える司令室の窓を眺める日々は続き、彼の名を呟き始めて何度目かの夜を迎える事に。その日は普段よりも時間に余裕があり顔を見るだけでも会いに行こうと久しく司令室へと足を運ばせ。夜中の嫌な静けさと街灯に照らされ浮き出た廊下の窓枠の影を踏み締めながら扉の前で数回ノックを)

  • No.232 by 鷺宮 灯夜  2018-04-22 08:23:25 


(夜、机に置いた地図を前に軍の配置を考えていたところへノックと相手の声が聞こえ僅かに身を強張らせ。変わらず体調は悪い、背中をじっとりと濡らす嫌な汗も少し浅い呼吸も、相手に会えばそんな事一瞬で見抜かれてしまうだろうと返事を返す事はなく咳止めのお陰でいくらか抑えられている小さな咳をいくつか零すばかり。仕事に熱中していたと、言い訳はそれで良い。軍を新しい編成でそれぞれの戦地に配置するまでは、何が何でも休む訳には行かないのだと相手の呼びかけに応えないまま鋭い光を宿した瞳を地図上に往復させて)

  • No.233 by 鷹田 総一郎  2018-04-22 17:56:52 


(深夜の司令室に必ずいるとは限らない、扉から手を離して数秒待ってみたものの返事は無く辺りは平然と静まり返ったまま。居ないとなれば確認するまで、遠慮無く扉を開けた先には矢張り親友の姿が。地図と睨み合う姿に一瞬将校としての役割を全うしているのだと思い部屋を出ようとするが、何処かおかしい。元より細身とはいえあんなにも痩せて青い顔をして居ただらうか。額には汗が滲み、短い努力呼吸とでもいうべきか、明らかに健常者とは思えぬ見た目に声を掛けるまでにそう時間はかからず)おい、ーー灯夜、こんな夜中まで…、いや顔色が悪いんじゃないか少しおかしいぞ

  • No.234 by 鷺宮 灯夜  2018-04-22 18:07:58 



ーー総一郎、…これが終わったら、もう休む。
(相手と視線がかち合えばやはり自分の状態を良しとする訳がないと少し気まずげに視線をずらし、万年筆を置くと椅子に深く腰掛けながらそう答えて。僅かに感じた目眩に目元を覆いつつ、あと少しの辛抱なのだと、数日後に迫った軍の再編成と再配置だけを目指して身体に鞭を打っているような状況で。真白な肌は薄青く、相手を見つめた灰色がかった瞳にも気怠げな色が浮かぶ。自分でも体調が相当不味い状態なのは理解している、だからこそ今は何も言わず帰って欲しいと)
…休まないと不味いのは自分でも分かってる、ーーーあと五日だ、それさえ終われば良い。
だから、帰ってくれ。今倒れる訳にはいかない。

  • No.235 by 鷹田 総一郎  2018-04-22 19:16:04 


ああ…灯夜、心配なんだ。お前が、お前一人が抱え込むものじゃ無いだろう、そんなもの他に奴らに任せたらいいじゃないか
(精神力だけで立っているようにも見える自棄に走った様な痛々しい有様に彼の願いを聞き入れるよりも先に口走るのは彼の身を案じる故の他力本願な思考の具現化。責任感の強い男だからこそ身を削るのも厭わないとみるがそれを承諾する程の心の余裕は青い肌に奪われて。ーー怒りさえ覚えてくる。何故彼がこんなにもなるまでやらねばならぬのかがまるで理解が出来ないと、拳を固く握り締めて顔もうろ覚えの上層部の人間へ遺恨を抱き。)

  • No.236 by 鷺宮 灯夜  2018-04-22 19:57:59 


…本当に、お前の言う通りだよ。
ーーーただ俺は、将校としての肩書きでしか自分を保てない。五日後また、お前の部屋に寝に行くよ。
(相手の表情も、憤りの言葉も酷く胸に染みるもの。少し悲しげに微笑みつつ相手を引き寄せ、座ったまま相手の肩に顔を埋めると静かにそう述べて。言い聞かせるように相手の髪を撫でながら、やがて身体を離し。)
…もう戻れ、俺も今日はもう休む。

  • No.237 by 鷹田 総一郎  2018-04-22 20:40:56 


(ふつふつと煮え滾る怒りは触れ合う身体により一瞬は冷却するも納得はいかない様子で眉間の皺を深めるばかりであり、一度離れたいった身体をもう一度引き寄せてかたく抱き締め。背に浮かび上がった背骨を指先で撫で下ろし少し湾曲した腰を掌で支え、深い深呼吸を。直で香る花のような香りは変わらず健在で腹からの嘆息を噛み殺し堪能するように頭頂部に鼻先を押し付けて暫しそのままの状態で幾らか経てば名残惜しくも身体を離してやり扉へと)…そんな肩書きが無くてもお前はお前だ、どんな形であろうと。ーー必ず来い、約束だぞ。

  • No.238 by 鷺宮 灯夜  2018-04-22 20:54:53 



嗚呼、約束する。
(相手の言葉と抱きしめてくる力強い腕に安心したように小さく息を吐き、そう答えるとやがて相手の去った扉を見つめその日は眠りに落ちて。身体に鞭打って仕事を続けるも、遂にそれすら叶わなくなったのは目指していた日の目前に迫った二日前の事。自隊の兵士を前に指示を出して居たものの不意に喉元で掠れた空気が音を立て激しい咳に襲われ思わずしゃがみ込んで。悪い、と断りを入れるころもままならず慌てた兵士が咄嗟にその背をさするも咳は治らず、誰かを呼ばなければと必死に考えを巡らせた数人の兵士が走ったのは親友であるはずの空軍中将と軍医の元。その一人が彼のいる空軍基地に走れば大声を出して)ーーーっ鷹田中将は、いらっしゃいませんか!!

  • No.239 by 鷹田 総一郎  2018-04-22 22:59:49 


ーー…どうしたんだ!!
(体調の芳しくない者に約束をこじつけるなど笑える話だがその時ばかりは重要なものに感じられて。それが的中したのか、ある意味嫌な的を得て訪れた兵士の切羽詰まった声色にゾッとし指導中にも関わらず任務を放り投げて兵士の元へと。脳裏によぎるは深夜に出会った青白い親友の姿、嫌な予感が動悸を早くさせて止まず早く答えをと)

  • No.240 by 鷺宮 灯夜  2018-04-22 23:14:33 



鷺宮司令官の容態が、急にーー!
今朝から、いつもより体調が悪そうでお休みになった方が良いとお伝えしたのですが構うなと…今も意識はありますが、立ってはいられないご様子なのです、…!
(気が動転しているのか、何とか事のあらましを相手に伝えようと支離滅裂ではあるものの今日の出来事と今の様子を伝えて。どうかご一緒に来て下さい、と懇願して)

  • No.241 by 鷹田 総一郎  2018-04-22 23:50:18 


(一抹の希望は言葉と共に流れて行き、兵士が懇願するまでも無く弾けるように駆け出した足はかつて恐ろしい銃声を耳にした時と同様に止まることを知らず本部へと。暑いような寒いような、背には悪寒を感じ乱れた呼吸は熱を持ち辿り着いた先の床に崩れた彼の姿に血の気がさっと引いて、直ぐに駆け寄り。病状が分からない以上先ずは意識状態を確認しついで呼吸状態を。立ってもいられぬ程の咳によって全身の酸素も抜けていったであろう、末端の痺れがあると仮定して抱え上げれば医務室へと)ーー早く軍医を呼ぶんだ!!灯夜ッ、一体どうしたっていうんだ…!

  • No.242 by 鷺宮 灯夜  2018-04-23 00:10:37 



(聞こえた硬い革靴の足音は酷く慌てたもの、どうか来ないでくれと願っても彼は現れ自分に身体を持ち上げ医務室へと走る。相手の酷く熱を帯びた息と触れ合った身体に伝わる早鐘を打つような鼓動に居た堪れない気持ちになる。医務室の扉を開け相手の怒鳴るような声を聴き再び床に崩れ落ちながら、身体の奥で水が音を立てるような嫌な感覚に不味いと眉を顰め。これが風邪でないことをくらい少し前から察していた、だからこそ全てが公になる前に自分の出来る全ての職務を全うしようと躍起になって居たというのに。相手に見られてはならない、早くこの部屋を出て自分に背を向けてくれと力を振り絞って相手の身体を突き飛ばすように自分から離れさせては苦しげに背中を丸め)

  • No.243 by 鷹田 総一郎  2018-04-23 00:24:41 


な、ッ…!…あまり抵抗するな、ベッドに横になれ、軍医が来て直ぐに診てくれる、病院にも直ぐに行けるんだッ
(医務室に到着するも使えぬ軍医の姿は未だに診られず、恐らくすれ違いになったと思うが焦りと恐怖と苛立ちが一人の渦となって轟々と胸底を荒らして行く。か弱い力に軽くよろけた程度で済んだが再び床に崩れ落ちる彼の姿を見て何故の行動であったか理解が出来ずほんの僅かに困惑の色を浮かべるが、彼も動転しているのだ、一瞬の気の迷いだろうと直ぐ様駆け寄り、片腕を抱えて無理矢理にでも起こせば純白の皺一つ無い無機質なベッドへと。)

  • No.244 by 鷺宮 灯夜  2018-04-23 00:35:57 


ーーッ、ぐ…げほ、っ……
(嫌な“水”が喉をせり上がってくる気持ちの悪い感覚、嗚呼、もう駄目だと。咳と共に溢れ出した鮮血が、寄りにもよって皺一つない真白なシーツを赤黒く染め上げて行く。口許を覆う、痺れて感覚の薄れた手を伝い滴る血は紛れもなく自分の口から吐き出されたもの。白い肌とシーツにやけに映える赤を見つめ薄い背中を浅く上下させながら俯いたまま、やはりそうなのだと頭は酷く冷静で。)

  • No.245 by 鷹田 総一郎  2018-04-23 00:53:55 


(粘着のある咳に血痰かと思われしそれに大量に付着したグロテスクな赤に今まで受けた衝撃とは比にならない光景を目の当たりにして言葉を失い、心身が硬直し触れようと伸ばした腕を停止させて。どうするべきか何をするべきなのか、今にも事切れそうな恐ろしい状況下に専門知識も無い素人が出来る事はただ狼狽える事しか出来ず、やっとの思いで再び腕を伸ばし名を口にしようと唇を開いたその間に担架を持った兵士と軍医が到着して、慌ただしく彼の周囲を囲い。どうやら隣町の総合病院へと連れて行くようで)…と、灯夜、灯夜ッ、どうしたっていうんだ…

  • No.246 by 鷺宮 灯夜  2018-04-23 01:07:07 



ーー悪いな、…約束は、守れそうにないーー
(吐き出されたそれのお陰か酷かった咳は幾らか落ち着き、それ以上抵抗することはなく担架へと。酷く情けのない表情で狼狽える相手を見て少し悲しげに瞳を細めつつ僅かに微笑んで見せると小さくそう告げて。五日後に相手の部屋で眠る約束、どちらかが片方を残して先に逝く事は決してしないという約束、また二人で空を飛ぶ約束、数々の約束のどれを指しているのか自分でもよく分からぬまま、酷い倦怠感に抗う事もなく瞳は伏せられて。軍医により軍服の胸元を緩められその口許に布が掛けられるとそのまま隣町の総合病院へと運ばれて行き)

  • No.247 by 鷹田 総一郎  2018-04-23 01:30:17 


………。
(共に病院へと向かおうとするが差し詰め足手まといとなるのは明らか、側にいてやりたい気持ちと現実を直視したく無いという葛藤に阻まれ足は動かず、ただ消えぬく親友の弱々しい笑みと掠れた声色で告げられた言葉が延々と脳内に響き渡り。がらんと空いた医務室で鮮血だけが激しい主張をし、忌々しいそのシーツを手に取るなりゴミ箱へと放り投げて何もする事の出来なかった怒りを拳に壁に八つ当たりをしてから遅れて後を追いかけるよう軍の車を借りて総合病院へと)

  • No.248 by 鷺宮 灯夜  2018-04-23 01:47:28 



(告げられた病名は既に分かりきったもの、現代の医学では治療法もない死病とされるが驚く事も嘆き悲しむ事もなく、ただ親友の事ばかりが脳裏に浮かんで。一先ず容態が落ち着くまでは此処にいるよう告げられ腕に差し込まれた針、何の薬を投与されているのかは分からないがここ最近の酷い身体の具合からすると随分楽になって来たと。もう大丈夫だと無理矢理追い払った軍医は、基地に戻り次第上層部にこの事を伝える筈だ、目指していた日を目前に職務も全うしないままに倒れた自分は降格なり除隊なりを命じられるだろう。この胸から吐き出されたこれだけの血の所為で、此処から人生の歯車は狂って行くのだと思えば天井を見つめたまま自嘲的な渇いた笑みをひとつ。)ーーやってられねえな、…

  • No.249 by 鷹田 総一郎  2018-04-23 02:16:02 


ーーーー結核……。
(総合病院へと到着し現れたのは医師の診断結果を持った軍医、インクの滲んだ達筆な二文字を見て二度目の絶句を味わい。何故もっと早く親友を病院に運ばなかったのか、お前の医学的知識、技術はどうなってるんだと軍医の胸倉を掴み胸の内から溢れ出る言葉を口にしようとするが遅れて流れてきた言葉は何故彼の容態の変化を知ってるにも関わらず無理にでも休ませなかったのかというもの。彼の努力を許した怒りの矛先は自分自身へと牙を剥き、軍医の胸倉を離してやるが一言も発する事が出来ずそのまま院内へと。結核といえば隔離となり山の中へでも連れて行かれそうで、看護師に断りを入れて病室の近くへと。暫くは側の待合室で薬剤がしっかり身体に周り落ち着くのを待つ事とし数時間後、衰弱しきった彼を前に自身に向けた憎悪を滾らせる顔ではいけないと大きく深呼吸をし、普段笑顔とまではいかないが落ち着いた声でノックの後に戸を開き)

  • No.250 by 鷺宮 灯夜  2018-04-23 02:33:46 



(一人になって静かで無機質な病室に寝ていると嫌な思考ばかりが頭を巡る。相手と共に語った数々の夢が叶わない事が酷く苦しい、軍人として戦場に立つ以上命など失っても構わないと思っていた筈なのに。大切に、自分を奮い立たせながら育てていたものが、全て手の間から滑り落ちて粉々に砕けてしまうような虚無感、同時に全く実感の湧かない診断結果は受け入れていた筈が何処かで何かの間違いではとさえ考えてしまう自分が情けない。あの夜自分の元を訪れ、休めと一度は強く言ってくれた親友は、彼の性格を考える限りでは自分を責めているだろうか。自分が居なくなっても、強く生きて行けるだろうか。薬が回り身体はだいぶ楽になり青白かった頰からも幾らか青みが薄れた頃、聞こえたノックの音にいつも通りの静かな声で入室を許可し。)

  • No.251 by 鷹田 総一郎  2018-04-23 02:45:47 


俺だ。苦しかったろ、少し落ち着いたか?
(まだ良く日の出ている日中の病室は白く清潔感がありそれでいて無で浮世離れ足した空間に思える。ベッドの周囲がカーテンに仕切られているとはいえ、隙間から見えたきめ元より細やかな青白い肌を照らす光は相変わらず光り輝き美しいままで。先程と比べれば少しは血色を取り戻しているようにも思えるが落ち着いた様子の身体は普段よりも一回り小さく見えていかにも疾病を患っていると良く分かる。側の椅子をベッドサイドに移動させ、見下ろす形でほんの僅かに微笑みを浮かべて熱の低い頬へと手を伸ばせば、先程触れられなかった分しっかりと掌を押し付けてゆっくりゆっくり労わるように優しく撫でて)

  • No.252 by 鷺宮 灯夜  2018-04-23 03:01:21 


(柔らかな日差しに包まれその白い肌と髪を眩しく輝かせる、相手の穏やかな声と温もりを感じる掌の感覚が心地良いのか猫のように目を細め。重過ぎる程の責任の象徴でもある軍服を脱いだ為か、その表情は数日前の夜に比べればだいぶ穏やかで憑き物の取れたようなもの。相手の手の甲に自分の掌を重ねつつ、不意にどうしようもない切なさに襲われる。大丈夫だ、と笑ってやるつもりだったのに、随分前から病を受容し諦めていた筈なのに、相手と触れ合うだけで心はこれ程に脆く、夢を叶えるしあわせな未来を望みそうになってしまうのだ。窓から差し込む明るい光の浮かんだ灰色の瞳に薄らと涙の膜が張り、唇が微かに相手の名前を呼んだだけで)ーー…、総一郎…

  • No.253 by 鷹田 総一郎  2018-04-23 03:27:13 


…ああ。
(弱々しく重ね合う指の間へ己の指を滑り込ませ繫ぎ止めるかのように絡めた手の甲は隙間無く相手の掌の密着する形となり、ガラスのような脆さを匂わす呟きに胸の内が締め付けられとても静かな神経を慰撫するような声で返答しくしゃりとした笑みへと変わって。瞳に浮かんだ涙の理由を全て理解するなど健常者の己には無理な話だろうがそれでも理解してやりたい、救ってやりたい、変わってやりたい、そんな思想を巡らせながらベッド柵を無視して彼の熱くなった目頭に口付けを。塩辛い涙を唇に押し付ける行為はまるで体内の病を奪うかのように丁寧に、優しく何度も繰り返して、一度顔を離せば頭部を抱えるようにして抱き締め)良く頑張った、良くやったよお前は。もう良いんだ、今ぐらい泣いたって誰も気付きやしないぞ。

  • No.254 by 鷺宮 灯夜  2018-04-23 09:13:54 



ーー…悪い、総一郎…俺、はーー
(相手の受容の言葉、唯一自分を認めてくれるその言葉に涙が頬を伝って。本当はすごく苦しかった、怖かった、誰かに押し付けてしまいたいとさえ思った。それを許してくれるような相手の柔らかな唇が目頭に触れ、相手の泣き出しそうな笑顔を見て、酷く申し訳ない気持ちと悲しみが同時に溢れ出す。相手に抱きしめられ、されるがままに身体を預けながら無様にもまだ死にたくないと強く思った。微かに背中を震わせながら相手の服を軽く握り締め、薬のお陰で呼吸も楽にできるようになっており相手の肩口に顔を埋めたまま、強い薬なのか不意に眠気に襲われて)

  • No.255 by 鷹田 総一郎  2018-04-24 00:20:25 


俺は、?……
(肩口が彼の涙で濡れ触れ合うどこよりも熱を持つのが良く分かる、弱さを見せようとしない親友の一面がこんな所で見る事になるとは何とも皮肉なもので己の目頭も熱くなるが、目元に皺を寄せたまま強く耐えて。途切れた言葉に先を伺おうかと顔を見遣れば、点滴のせいなのか泣き疲れたのかぱっとみでは分からぬものの眠気の強い表情が視界に入りその先の言葉を聞くのは後程にし、今は眠りにつく許可を。瞳にかかった前髪を払ってやり、額から頭頂部へと撫でながら眠りに落ちるまでを見届け)

  • No.256 by 鷺宮 灯夜  2018-04-24 00:32:38 


(お前を傷付けてばかりだ、という言葉は音にはならずに瞳が閉じて。これが悪い夢ならどれだけ良いか、目を覚ましたらまたあの島の浜辺に居るかもしれない。そんな思いを抱きながら抗えない睡魔に意識を手放して)

背後から失礼します…!以前絶好して、と言う旨をお伝えしたかと思うのですがこの二人を見ているとどうしてもそれが出来ず…いつも通りに言葉を交わしたまま、相手が仕事を終えて病室に来た時にはもぬけの殻、行き先もわからないと言う形にさせていただきます…!
また、まもなく後編に移るかと思いますが、前編と後編のブランクはどれくらいの期間にしましょうか。戦争が終結した後の設定でも軍を辞めても、時系列としてはいつでも大丈夫なので!

  • No.257 by 鷹田 総一郎  2018-04-24 01:02:30 


(静かに眠りについた様子を眺めて無意識に呼吸の確認を。小さいが確実に生きている証拠となるそれを耳にすれば幾らか安堵して、今日は日が暮れるまで手を握り締めながらベッドサイドで見守り。院内の消灯時間ということで看護婦の呼び掛けに「また明日」と声を掛けてその場を後に軍へと帰る事に。壮絶な一日は終わりを迎え無性に広く感じる自室で夢で会える事を願って眠りにつき)


かしこまりました、どうなるのかとそわそわしておりましたが把握出来ました良かったです!
悩ましいところですが戦争が終結し間も無く、貧困と西洋文化の混沌とした日本は如何でしょうか?

  • No.258 by 鷺宮 灯夜  2018-04-24 01:15:31 


(日中眠りに落ちたもののその日は泥のように眠り、夜中に目を覚ます事もなく次に目を覚ましたのは翌朝。染み付いた日々の生活を繰り返すように無意識に身体を起こせば点滴の管が音を立て漸く此処は病院なのだと思い出す。薬が完全に効いている為か、またいつも通り職務に付けるような気さえするがそのまま大人しく再びベッドへと身体を横たえ。白い天井、昨日と同じような明るい光が窓から差し込み、薄く目を細める。いつもなら兵士達の騒がしい声が徐々に大きくなり始める時間帯、あまりに静かな室内は、昨日までの日常から遠く切り離されてしまったかのようで)

変更ばかり、その上色々と壮絶な描写、展開と申し訳ない限りです…!
良いですね、では今から1年ほど後、二人の再会の時を後編のスタートとしましょう!

  • No.259 by 鷹田 総一郎  2018-04-24 01:43:27 


(陸軍将校の噂は忽ち広がり、彼が予想した通り降格や除隊の話題が持ちきりとなって現在は上層部の判断待ちとなり、いち早く病院へ報告が入るそうだがその話を仲間にされた時に憎いような哀しいような何とも言えぬ複雑な心境となって。有識者を失った軍はより一層忙しなさを増し、各県から人材が派遣されるまでに発展して内部はどんどん変わって行き、それに後押しされるように只管仕事に没頭してから病院の消灯前には間に合うように街中で土産を買って再び病室へと足を運び)灯夜、起きてるか?開けるぞ。

いえいえ、色々と考えて下さり非常に助かっております!毎度の事ながらいつも有難う御座います!
承知しました、ちなみになのですが再開時は偶然何処かの病院や街で見つけるという事で宜しいでしょうか?

  • No.260 by 鷺宮 灯夜  2018-04-24 02:06:08 



(昼間の内に身の回りの整理は済ませ、ほとんど持っていくものもない荷物を簡単に纏めると上層部に電話を繋ぎ。病を患った以上軍に留まり続ける訳にも行かなければ職務も途中で放棄する形になったため上からの命令が出る前に自ら除隊の申し出をして。次に電話を掛けたのは許嫁の家、怒鳴る彼女の父の声と泣き崩れる彼女の声を聞いたが冷静に謝罪を重ねつつ電話を切り。酷く重かった軍服の上着を畳み、その上に帽子を乗せればこれで自分が背負うものは一切無くなってしまったと溜息をひとつ。体調が安定しているうちに此処を出ようとコートを着込み荷物を手にして浮かぶのは親友の顔。離れることなど考えたこともなかった相手、別れは突然やってくる。適当な紙を破り取り、万年筆で相手に向けてたった一筆だけしたためると綺麗に畳んだ軍服の上に。彼を乗せた車が病院を出たのはあたりが臙脂色に染まる頃だった。)

ーーー…「しっかりやれ。」


とんでもないです!
そうですね、それでも良いですし、ずっと探し歩いてついに彼のいる療養所に辿り着いたのでも構いませんし!

  • No.261 by 鷹田 総一郎  2018-04-24 02:26:49 


(薄い扉の向こうから返答は無く、いつもの事ながら何かに頭を悩ませているのか揶揄いあえて返事をしないのか、はたまた昨日と同様眠りについてしまっているのか、脳内に浮かぶ想像は一抹の不安無い平和な物だらけで。土産として用意したのは随分前に酒を飲みに行った店の和菓子、喜ぶ顔が見たいと奮発した紙箱を片手に病室を開き。ーー臙脂色に染まった病室に親友の姿は無く、無機質な病室に不釣り合いな軍服は大きな存在感を放ち、その上に無造作に置かれた紙を見つめて片手に持つ土産は床の上へと。一瞬にして心臓が凍ってしまったような途轍も無い息苦しさに襲われ震える腕で紙ごと服を掴むと衝動に駆られるまま院内を駆け巡り、また院外を靴底がすり減る程探し回り。其処で漸く彼が姿を消してしまったのだと理解し難い思考に至れば服を掴んだままその場に崩れて途方も無い哀しみに打ち拉がり。)

畏まりました!それでは探し回り要約の思いで再会を果たす事としますね!

  • No.262 by 鷺宮 灯夜  2018-04-24 02:52:24 



(遠くなる病院の建物、この場所から軍の基地は見えないが車窓からぼんやりと見上げた深い臙脂色に染まった空に、光に反射して輝きを放ちながら滑るように空を駆ける機体を瞳に移せば、昼間からまるで麻痺したように何も感じていなかった心が急に激しい感情の波に襲われて。抑える事も出来ない嗚咽を漏らしながら涙を流し、顔を覆う。しかし心を抉るような深い悲しみを受け止めてくれる親友はもう居ない、自ら彼を置き去りにして来てしまったのだから。ーー辺りが藍色に包まれた頃、車を降りて汽車へと乗り込めば車窓を流れて行く暗い木々を眺めつつ、やがて全てを失ったその男は乗客の誰も降りぬような山奥の小さな駅へと降り立てば、後ろを振り返ることもなく、一人ひっそりとした療養所へとその姿を消して。月明かりに照らされた木々に風の音だけが響く、星の瞬く夜の事ーーー…)


ーーー前編 完結ーーーー


本当にお付き合い頂いてありがとうございます。
既に切なさMAXですが、これにて前編は完結とさせていただきます。
後編もぜひぜひ、よろしくお願いします。

  • No.263 by 鷹田 総一郎  2018-04-24 03:04:50 


此方こそお付き合い有難う御座いました!あれからもう一ヶ月が経っていると思うと時間の経つ早さに驚きいっぱいです、灯夜さんの全盛期に触れる事が出来て良かっです、本当に有難う御座います!

後編開始は直ぐに療養所を見つけた辺りで宜しいですか?それとも、何か、許嫁との会話など挟みますか?

  • No.264 by 鷺宮 灯夜  2018-04-24 03:14:13 



同じ気持ちです、お相手を総一郎さんにお願いできて本当に良かったです!
後編もシリアスの連続な重すぎる感じではなくて、2人でのんびりと過ごしたり散歩に出掛けたり、後は前編に比べて甘め要素も入れつつまた少しずつ進めて行けたらと思っております!

療養所を見つけたところからでも良いかと思って居ましたが許嫁との会話など簡単に挟むのも面白そうですね!!
ものすごく悩みます…どちらでも此方としては構わないので、お好きな方で進めて頂いてもよろしいでしょうか。

  • No.265 by 鷹田 総一郎  2018-04-24 03:39:31 


畏まりました、のんびりと残りの二人の人生を紡いで生きましょう!

それでは、やはり千鶴さんの事が少々気に病みますので簡単にお話ししようかと思います。場面としては、灯夜さんが姿を消してから丁度半年が過ぎ頃にしますね!


(彼が姿を消してから数週間後、日本は戦火に包まれ争いの歴史に爪痕を残す事となり何千と国民を失い壮大な敗北となって終焉を迎え。ーーそこからまた数ヶ月後の事。親友の許嫁が働いていた店の前へと訪れたのは左半身に重度の火傷を負い包帯に包まれた男の姿であり、幾度と使用したせいか既に馴染んだ松葉杖と当時と変わらぬシャツとズボンといったスタイルで荒んだ街を背にして。許嫁が解消されたとは把握していないが、姿を消したぐらいなのだから彼女にも何らかの連絡を入れてあるとは大方予想が付いており、緊張した面持ちで消息の確認がてらかつての味を思い出そうと)ーーー総一郎だ、あいつの、灯夜の友人であった。まだこの店は現役だろうか。

  • No.266 by 鷺宮 灯夜  2018-04-24 09:13:07 


ありがとうございます!
時系列も了解です!

ーー…まさか、総一郎様…!
(激しい戦争に被害を受けた店がようやく少しずつ営業を再開したのは一ヶ月ほど前の事。女給も減りまだ以前のように客は多くはないため、ドアの開く音に店先へと出れば姿こそ変われどかつて話に花を咲かせた、許婚の親友の姿があり思わず驚いたように口元を覆って。忘れてしまおうとした過去、あの日許婚だった彼からは軍隊を辞める事になった旨と、迷惑を掛けるので急ではあるが婚約を解消して欲しいというだけの事務的な電話が掛かってきた。状況を理解できないままに、父は怒り、自分は彼に捨てられたのだと嘆いた。懐かしい顔にかつての明るい笑顔はないが、彼がこの戦争下無事だっただけで十分だと目に涙を浮かべて駆け寄って)
御無事で、本当に良かったーー!

  • No.267 by 鷹田 総一郎  2018-04-26 00:25:47 


(店が変わらず営業しているという事、彼女が無事であるという事に安堵し懐かしい声色に少しばかり緊張が解けたようで昔程の明るさが無くなってしまったのは無理も無いと駆け寄る彼女を見下ろして穏やかな微笑みを浮かべ、軽い会釈を。無事とはいえ前回に引き続き見っともない姿での再会に笑いを取ろうと自虐気味に肩を竦めて今度ばかりは手土産を渡すべく松葉杖に括り付けた風呂敷を解き最近日本に入ってきたばかりの洋菓子を差し出し。)千鶴さんも無事で何より、やっぱり目の保養が無いと街も活気付かないだろうよ。ーーその後は元気でやってるか?

  • No.268 by 千鶴  2018-04-26 00:45:38 


ーーまあ、綺麗なお菓子…!お気遣い頂いて。
ええ、…暫くはお店に出られなかったんですけど、あまり落ち込んでばかりでもしょうがないから。
総一郎様も、本当にお疲れ様でした…早くお怪我を治して、これからはゆっくりお休みになって下さいね。もう暫くはお仕事もないんでしょう?
(少し寂しそうに微笑みながらもそう答えると膝の上に重ねた手を見つめ、重度の火傷を負っている相手に悲しそうにそう告げて。椅子を引き座るように促しつつ、戦争が終わった今は軍の仕事はなくゆっくりと休暇を取れるのではないかとそう言って。相手の姿から思い出すのは、やはり許婚だった彼が自分に会わせる為に親友を連れてきてくれたあの日の事。もうじきあれから1年近く経ってしまうのかと過去に思いを馳せて)

  • No.269 by 鷹田 総一郎  2018-04-26 01:21:47 


仕事が無いも何も、もう俺達の様な兵士は必要とされなくなったからな軍も警察予備隊とか、そんなものに変わるとか。(ご好意に甘え椅子に座らせてもらう事とし一息つき。軍を辞めるか引き続き名も役割も変わる法制度に則って次の人生に進むかはまだ決断や試行錯誤にも至らない上の空で、どんどんと新しい風を受けて変わって行く世の中に取り残された様な気分でありぽつりぽつりと語り始め。悲しそうな横顔を見つめつつ互いに胸の内に引っかかる存在は同じ者であると苦笑いを浮かべて)大変だったろう、色々と。

  • No.270 by 千鶴  2018-04-26 01:37:00 


激動の時代の波に、まだついて行けません。
暫くは何も考えず、退屈過ぎるほどに休養をお取りになった方が良いと思います…戦火の中で身体だけではなくて、心も傷付いてしまっているはずですもの。
(まだ全く時代が動いている波について行けないと困ったように苦笑して。相手には休養が必要だとその姿を見ればわかる、念を押すようにそう告げて。相手の言葉に顔を上げると彼の事を言っているのだと分かり少し困ったように微笑んで今の思いを告げて)ーー正直、まだ実感が湧きません。何故急に、婚約を破棄して居なくなってしまわれたのか…決められた結婚とは言え、私は灯夜様の事をお慕いしていたんです。…あの日電話越しにお聞きした声は、すごく冷静で、全く気持ちが読めなくてーー灯夜様ではないみたいで少し、怖かった。

  • No.271 by 鷹田 総一郎  2018-04-26 23:42:47 


(心身共々傷付いていると図星を突かれ、温かな優しさが今は塩水となって傷口へチクチクした痛みに代わりに苦笑して静かに頷いてみせ。矢張り病気の事は告げていなかったようで何も知らない彼女を憐れみつつ、彼なりの配慮から彼女を手放したのだと汲み取れば今更病に侵されたからとは言えずに静かに耳を傾けて、全てを聞き終われば少し間を開けたのち唇を開いて)ーー俺にも勝手に消えてった理由は正直あまりよく分からないな。まあでも、何かしらの理由があったんだろう、俺らに言えないような何かが。まああいつは勿体無い事をしたな、こんなに別嬪なのに。

  • No.272 by 千鶴  2018-04-26 23:56:10 



ーー今はただ、何処にいらっしゃるにしても灯夜様が幸せである事を願うばかりです。
(相手の言葉に小さく頷き、やはり相手も何も知らされず彼だけが姿を消したのだと改めて思えば、あの時の生活を捨ててまで選んだ道を一人歩みながら幸せになっていれば良いと、彼が病に侵されているなどと考えにも浮かばずに純粋な気持ちでそんな事を考えて。少しはにかんだように微笑みつつ、気付いてはいない様子だが相手も大層人気があるのだと伝えて。)…嫌だわ、総一郎様こそ皆の憧れの的です。灯夜様とお話している時の笑顔を見た女給の一人も、明るくてお優しくて、凄く素敵な方だって言っていたもの。

  • No.273 by 鷹田 総一郎  2018-04-27 00:17:16 


そうだな、幸せであれば。…それで。
(純粋無垢な言葉に心底心が綺麗なのだろうと何だか心が折れ洗われるようでくつくつと軽く笑いながら、彼が今何を想いどこにいるのかを頭の片隅でぼんやりと考えて。まさか自身にも返ってくるとは思わず一瞬何の事だと小首を傾げるが、直ぐに察すれば此処は乗っかってやろうと片方の口の端を上げて)ははッ、憧れの的は言い過ぎだが強ち間違いでは無いな、松葉杖さえ無けりゃ今頃両手に花だったかもな、俺も惜しい事をした

  • No.274 by 千鶴  2018-04-27 00:24:26 



…ふふ、相変わらず楽しい方。
ーーこれから、少しずつまた店を立て直そうと皆で話して居るんです。また、これからも遊びに来てください。
(相手の言葉に嬉しそうに笑いながらも否定する事はなく、相手ほどの男性であれば、相手さえ本気になれば直ぐに素敵な女性達に言い寄られるだろうと。また店を立て直す予定だと話せば、しばらく軍の仕事は無いと言った相手を見つめて、そう微笑んで)

  • No.275 by 鷹田 総一郎  2018-04-27 01:16:20 


勿論、また来る。何より無事で良かった、きっとあいつも喜ぶ。
(柔らかな目元を眺めながらしっかりと頷き、数週間後、はたまた数ヶ月後先になるかもしれないが誓いを立ててゆっくりと立ち上がり。そろそろ彼奴を探さな行かなければならない、手掛かりの一つも無い途方も無い暗がりに彼女は少しの光を与えてくれたような気がし、先々の不安はほんの少しの間揺らめいて消えてしまったようで。最後に今一度笑みを向けて)じゃあ、また。互いに強く生きよう、何があろうと折れてしまわないように。

  • No.276 by 千鶴  2018-04-27 01:29:02 


…ええ、お約束します。総一郎様もどうかお身体はご自愛下さいね。ーー必ず、また直ぐにいらしてくださいね。
(相手が立ち上がるのを見て自分も立ち上がりながらじっと懇願するように相手を見つめて。きっとまた会えると強く信じながら少しずつ遠くなっていく相手の姿を見送り、その背中が見えなくなるまで手を振り続け)

  • No.277 by 鷹田 総一郎  2018-04-27 23:39:13 


(約束とは脆いものだが、彼と交わしたもの彼女と交わしたものはかならず守り抜きたいと心の中で強く願って最後で見つめるその眼差しを背に感じながら己は長い長い旅路へと。ーーーそれからまた半年、すっかり世も人も変わり果てた日本は警笛一つならずてんやわんやの大祭り。肉体に負った傷は完治したものの深い爪痕を残し未だに半身に刻まれて。随分長く街から街へ人から人へと渡り歩いた身体は以前よりも少しばかり背が伸び体格も良くなり。しかし心身の疲労は目元に皺を作り、薄っすらと髭も生えていて。辿り着いた先は山奥の療養所、探し人の名を看護師に告げて)

  • No.278 by 鷺宮 灯夜  2018-04-28 00:23:42 



(軍を離れてから一年、戦況の悪化と敗戦、さまざまな事を経験する日本もこの山奥の静かな場所には縁遠い事のよう。毎日欠かさずに新聞を読みながら思うのは、相手は無事だろうか、何処でどうしているのだろうかということばかり。一人の病室は日当たりも良く静かで、過ごしやすい。一年の月日を掛けてじわじわと病が身体を蝕み、軍に居た頃と比べれば筋肉は落ち身体もだいぶ痩せてしまった。肉が落ち目元が僅かに窪んだのか、頰に影を落とす長い睫毛もまた以前よりもくっきりとその色を頰に落として。薄らと青みを感じるような透けるように真白な肌、唯一血色を感じさせる唇からは、定期的に空咳が溢れるようになってしまった。しかし軍に居た時と比べて圧倒的に身体を労わり安静にする事が出来ているため、一年といえどその病の進行は遅く。ーーその日、普段よりも少し体調が良く、日の当たるベッドに上半身だけを起こしたまま、ブラウスの上に温かいセーターを羽織り窓の外の新緑へと視線を向けて。長年各地を探し続けた相手に看護師は手元のカルテを見てその名前を確認し頷くとその部屋番号を伝え、どうぞ、と促して。彼はそんなことは知る由もなく、幾つか咳を溢したものの、窓を開けると気持ちの良い風が頬を撫で)ーーー鷺宮、灯夜様ですね……ええ、確かにいらっしゃいます。

  • No.279 by 鷹田 総一郎  2018-04-28 01:56:20 



(随分と長い時間がかかってしまったが漸く彼の存在を肯定付ける一言に頭頂部から足の先までに電流が落ちた感覚が襲い、一瞬心臓は脈を打つのを忘れてしまい全ての感覚器官が遮断されて看護師の言動のみが脳内へ。通路を歩く時でさえ足底が地面を踏みしめる感覚は無く、喜びとは別の浮き立つ思いで不安と期待胸に抱きながら指示された番号と同じ部屋の前で足を止め。アルバムに仕舞われた一枚の写真と共に機体を飛ばしたあの戦場で彼がこの場に居なくて良かったとどれ程思った事だろう、同時に彼が姿を消してしまった事に対してどれ程悲しみと憎しみを抱いた事か。遂に探し当てた扉の向こう側はまたものけの殻ならば最早諦めるしかないと最後の願いを戸を引く腕に込めて、音も立てずそっと運命の瞬間を迎えて。ーー眩い木漏れ日を全身に浴びる今にも折れてしまいそうな細い背、かつて細身でありつつ締りのあった肉体は肉が下げて骨と皮のようだがしっかりの伸びた背筋は彼のものであると語り掛ける。間違い無い、そう脳が判断を下した時には既に彼の身体を抱き締めていて。奥歯を噛み締めた唇からは投げ掛ける言葉が出てくる事は無く、ただ、ただ彼の存在を確かめ繋ぎ止めてい続けるように息苦しい程抱いて首を深く垂らさせ)

  • No.280 by 鷺宮 灯夜  2018-04-28 02:14:21 



(不意に扉の開く音がすれば、もう薬の時間だろうかと窓の外から扉へと視線を向けて。しかしそこに居ると思われた看護師の姿はなく、代わりに立っていたのは姿こそ昔とは変われど見間違うはずのない親友の姿。ーーーまさか、そんな事があり得るだろうか。疲労の浮かぶ目元と髭の生えた彼の顔にはかつての明るい笑顔はなく、服から覗く左半身には痛々しいまでの火傷の痕が刻まれて。はっきりと視線が絡み合ったまま脳裏に蘇るのは軍を離れた時の臙脂色の空、胸が張り裂けんばかりの悲しみと、空を滑る機体。気付いた時には相手に身体を抱きしめられ、信じる事のできないこの状況に息をすることすら忘れたように何も声に出さず。二度と会えないだろうと思った、自分の事など憎み記憶から消し去って欲しいとさえ願った相手の確かな体温をその熱の薄い身体に感じ。窓際の棚に置いていたかつての二人の写真に眩しいまでの光が注ぎ静寂が部屋を支配する中、相手の存在を確かめる、ほんの囁くように小さな音が唇から溢れ落ち)ーーー…総、一郎……、?

  • No.281 by 鷹田 総一郎  2018-04-28 02:34:02 



(確かな存在を、今腕の中に感じている。見た目通り骨ばかりの身体は可哀想な程やせ細っているが密着した肌から伝わる温もりは昔と変わらず皮膚を突き破って熱を与えてくれよう。それがとても嬉しくて、悲しくて一層の事一発殴ってやりたい気もするが変わり果てた身体にそんな事をする筈も無く、代わりに強く抱き締めたまま、掠れて消えそうな問い掛けに肩口に顔を埋めるようにして頷いてみせ。涙さえ出なくなってしまった瞳はかたく瞑ったまま瞳の裏には何も写さず、ただ其処に在る確かな存在だけに意識を研ぎ澄ませて。懐かしい香りに誘われて漸く口を開いたのはそれから暫く経った後、震える唇から溢れた思いは短く、それでいて多大な想いが込められた一言で収まり)ーーー会いたかった。

  • No.282 by 鷺宮 灯夜  2018-04-28 02:50:22 



(相手の温もりと変わらない逞しい身体、抱きしめられた己の身体は昔に比べて痩せ細ってしまったが相手は気にする事もなく硬く抱きしめてくれる。病の影は感じさせるものだが、その顔にはかつてと同じ気品と誇りを携えたまま。顔付きは軍を離れてからだいぶ穏やかなものになったかもしれない。自分には相手を求める資格などないと思いつつも相手の背中へと添えられた掌、耳元で聞こえた相手の言葉に胸が熱く締め付けられる。自分で突き放しておきながら、どれほど相手を恋しく思っただろうか。寝付けず苦しかった夜、どれほど相手に抱き締めて欲しいと願っただろうか。今だけは、と昔相手にだけしていたようにその肩口に顔を埋めて)

  • No.283 by 鷹田 総一郎  2018-05-01 23:40:37 



(暫く抱き合っていれば巡り会えた安堵とは別に唐突に姿を消した事に対して長年抱いていた負の感情が次いで湧き上がり、背に回していた両腕を彼の肩を伝って、腕から肘、肘から掌へと滑り落とし双方の腕を繋ぐ形へ。いい加減な理由で姿を消した様には思えぬ性格を知っているからこそ、己の不甲斐なさに嫌気がさした結果なのかとも考えた程、随分と長い間答えの無い疑問を抱えて現在に至るわけだがこうやって対面している今でも真相は彼の知る。目元の皺を更に深めながら重々しい唇を開き)此処まできたのはただのエゴなのかもしれないが、それでも少し期待したんだ。またお前が必要としてくれるんじゃ無いかって。

  • No.284 by 鷺宮 灯夜  2018-05-02 00:17:03 



ーーーお前を、傷付けたくなかった。先の無い俺の事など憎み、記憶から消し去って欲しいとさえ思った。
結果的にお前を傷付けた事に変わりは無いが…それでも、お前を壊したくなかった。今でもそれは変わらないーー…なあ総一郎、お前にはまだ未来がある。家庭を築くことも、また空を飛ぶ事も出来る、お前は一人でも夢を掴めるだろう、?
(相手の身体が離れ手を繋ぎ合ったまま真っ直ぐに絡んだ視線。嗚呼こいつはこんなにも深い哀愁を漂わせる、こんなにも世の痛みを知り尽くしたような目元をしていただろうか。何も告げずに姿を消した理由、それを始めて口にしながら今も思いは変わらない。相手を想うからこそ、自分を忘れ去り新しい人生を歩んで欲しいのだ。一年もの月日を自分に裂いた相手はもう自由になっても良いのだ、いつまでも相手を自分に縛り付けて居てはいけないのだと、その頰に冷えた手を添えて。自分の心の望むままに相手を縛り付けられたらどれほど良いか、行くなと、俺だけを見てくれと言えたらどれだけ良いかーーしかし我儘を言えない厄介な性分は昔から変わらず、こうすべきなのだという理性的な言葉ばかりが唇から紡がれる。)ーーもう、忘れて良い……忘れてくれ、探してくれただけで十分だ。俺は、お前の足手まといになりたい訳じゃない。此処に居たらお前の未来まで、血に奪われる。

  • No.285 by 鷹田 総一郎  2018-05-02 01:02:03 



俺の人生を語るな。ーーまだ分からないのか?俺には、…灯夜が必要なんだよ。先が無いだの、未来があるだのそんなに重要な事なのか、なあ、以前と何が違うって言うんだ。
(彼の思惑通り、憎しみも負の感情の要因として存在していた。しかしそれ以上の多大な哀しみの海に飲まれ鎮火していたが、再び訳も分からず置き去りにされた事への憤りが言葉という火種を得て焔を纏い、黒々とした瞳の奥で揺らめいて握る両腕に力が入り、口調は強いものへと変化し。健常者である己の未来への配慮を持った思考なのだろうがそれらを受け入れられる程の余裕は今は無い。自分勝手な男はどちらなのだと自ら自重を訴える理性は脳の片隅へと追い払い、側にいたいのだから離れたく無いとただそれだけを伝えたい一心で紡がれる言葉の数々には様々な感情が織り混ざり、いつの間にか目頭に熱い涙が溜まり硬い拳を作れば彼の背後、壁へと緩くぶつけて)側にいたいんだ、いや側にいて欲しい、お前に覚悟が無いとしても。もしそれが許されないのなら…俺は共に死んでやる。

  • No.286 by 鷺宮 灯夜  2018-05-02 01:31:20 



ーーお前が、同じように血を吐いたらどうしたら良い。お前が、俺の手で壊れる所なんて…!
(結核は患った者を死に至らしめる不治の病、それでいて感染力が強いという。もし自分の側に居ることで相手にも病が移り、彼が壊れてしまったら。そんな堪え難い未来が脳裏を掠め振り払うように僅かに語気を強めた所でふと我に返る。相手は自分が恐れている未来と同じように自分が血を吐く様を見て親友が壊れていくという堪え難い苦痛を味わっている、彼を拒絶することは彼の為を思っての行動ではない、自分が怖いだけではないかと。不意に背後の壁を殴る音にびくりと肩を跳ねさせたものの、漸く相手の瞳を真っ直ぐに見据えた瞳からは嘘で塗り固めた御託は消え相手の手を握る掌に力がこもる。一度箍の外れた言葉は止まることを知らない、相手に見せたくないと願った黒い心のうちも、見せたくない弱い自分も全てが今にも崩れてしまいそうな脆い儚さをまとった言葉となり涙と共に溢れ出して)ーーー怖い、んだよ…お前に、嫌われたくない…血に溺れて、壊れて行く姿なんて、見せたくないーー…!俺に、失望しないでくれ…今の俺なんて忘れて良い、だから、昔のままでーーー哀れみの目なんて、向けないでくれ…!

  • No.287 by 鷹田 総一郎  2018-05-07 21:51:38 



…俺はお前と離れる方が辛い、どうしたら分かってくれるんだ。
(ゆるく壁に拳をぶつけたものの、ズキズキとした痛みは戦火の負傷によるものかはたまた胸に負う悲しみの感情によるものなのか。あれから気が滅入る程、幾多もの書物を読み繰り返し感染病の治癒について病識を深めたが一度たりとも感染が恐ろしいと感じた事は無かった。何ならば彼が疲労で眠りについたあの日に口付けをした時点で既に接触感染となっている筈だが、未だ健常者として立つ身に降りかかる病は無い事に対して己は身が朽ちようとも、たった一人になろうとも生き長らえる運命であるとさえ思っている。心身共々悲鳴を上げているのは彼だというのに、側に居たいという身勝手な想いは遂に本日まで無くなる事はなかった、しかしながら言動様々駆使しようとも再び彼を泣かせてしまった事に罪悪感と無力感を抱き、一度開きかけた唇を閉じて双方の瞳をじっと見つめ。張り裂けてしまいそうな胸の内をよそに、窓からの暖かな木漏れ日は二人に影を落としそよ風によってゆらりゆらりと揺れており、彼の顔に出来た影を愛おしそうに指の腹で撫でればまだこの世の人だと実感させられる。言葉だけではきっと伝わらないだろう、そう解釈した脳は次第に身体を近付けさせ、彼の顎を掬い上げれば互いの唇を数ミリの隙間も無く重ね合わせて)


またお返事が遅くなり申し訳御座いません…!
少々スランプ状態に陥ってしまい、毎日覗いてはいたのですがなかなか指が進まず…。
またこうしてお返事を返せるようになったのですが再び遅れてしまう事が多々ある事をご了承下さいませ、申し訳無いです…!

  • No.288 by 鷺宮 灯夜  2018-05-07 22:51:35 


──…ッ、…
(相手を想う気持ちと自分の弱さと、様々な気持ちが心の中を掻き乱す中不意に奪われた唇。思わず目を見開き、相手に移ってしまうという恐怖からその肩を押し返そうとするが相手はびくともしない。側に居たいという相手の必死の言葉を思い出せばそれを身をもって表すような行動に抵抗をやめ、やがて強張っていた身体からふと力が抜けて。長年共に生きてきた親友、彼が側に居たいとそう言ってくれるのならそれに甘えたって良い、そんな気持ちが荒んでいた心を少し落ち着かせ、同時に一番傷付いているのは彼だという思いに駆られ。突然の口付けに驚きはしたものの嫌な気持ちにはならず自然と受け入れていて、それをきっかけに相手と笑いあっていた頃の自分へと戻ったような気持ちになったのはなぜだろうか。少しして唇が離れると自ら相手の首へと腕を回し自分の方へと引き寄せながら労わるように髪を撫でてやり、その耳元で囁く声は病を感じさせず昔と同じはっきりとしたもので。)……総一郎、俺は此処でお前の無事をずっと祈っていた。よく頑張った、生きて居てくれて良かった…1人にして、悪かった───…側に、居てくれ。本当は其れをずっと、望んでいた…


お返事ありがとうございます、私も何度か自分の投稿を読み返しては、返し辛い返事をしてしまったと反省している所でした…!こちらこそ申し訳ない限りです。
レスのペースに関しては承知致しました、遅くなってもお気になさらず大丈夫です。此方もなるべく返しやすいお返事が出来るようにするので難しい場合はあまり考え過ぎず、返しにくいわ!!!と思われたらいつでも仰って下さいませ…!

  • No.289 by 鷺宮 灯夜  2018-05-19 00:20:11 




下がってきたから一度上げておく。
もし打ち切りの場合は、ひと言でもくれると嬉しい。
忙しいなら無理はするなよ、


  • No.290 by 鷹田 総一郎  2018-05-19 14:45:46 



待たせてすまない、リアルの方が忙しくなかなか顔を出さずにいる。
来週いっぱいまでは返信が厳しいかもしれないが、打ち切りや無言での逃げをしたいわけではないんだ。
来週が終われば六月の初めまでは時間にゆとりが出来るからまたゆっくり物語を進めていこう、本当にすまない。

  • No.291 by 鷺宮 灯夜  2018-05-19 17:24:28 




いや、俺こそ悪かった。
忙しくしてるお前に疑うような事を言ってしまって。
連絡をくれて感謝してる、お前が落ち着くまで待ってるよ。仕事も応援してる。
またゆっくり話せるのを楽しみにしてる。


  • No.292 by 鷺宮 灯夜  2018-06-03 20:50:05 




総一郎が見つけやすいように上げておく。
待ってるから、お前は急がなくて良いからな。
余り無理はし過ぎるなよ、

  • No.293 by 鷺宮 灯夜  2018-06-23 22:16:30 




一ヶ月、か…そろそろ諦めた方が良いのか。
あと一週間、此処でお前を待ってる。


  • No.294 by 鷺宮 灯夜  2019-10-22 00:47:36 





1年以上も前の部屋を今更上げて、未練がましい奴だと思われるかもしれないな。
こんな雨の夜に、どうしようもなくお前が恋しくなった。
お前と物語を紡いだ日々を、忘れた事は無い。此処には幸せな想い出だけが刻まれているんだ。

もしも、お前が此処を見つけてくれたら…そんな願いだけを込めて、上げさせて貰った。
俺は今でも、此処でお前を待ってるよーー総一郎。


[PR]リアルタイムでチャットするなら老舗で安心チャットのチャベリ!
ニックネーム: 又は匿名を選択:

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字 下げ
利用規約 掲示板マナー
※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※必ず利用規約を熟読し、同意した上でご投稿ください
※顔文字など、全角の漢字・ひらがな・カタカナ含まない文章は投稿できません。
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください

[お勧め]初心者さん向けトピック  [ヒント]友達の作り方  [募集]セイチャットを広めよう

他のトピックを探す:1対1のなりきりチャット







トピック検索


【 トピックの作成はこちらから 】

カテゴリ


トピック名


ニックネーム

(ニックネームはリストから選択もできます: )

トピック本文

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字

※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください
利用規約   掲示板マナー





管理人室


キーワードでトピックを探す
初心者 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 部活 / 音楽 / 恋愛 / 小説 / しりとり / 旧セイチャット・旧セイクラブ

「これらのキーワードで検索した結果に、自分が新しく作ったトピックを表示したい」というご要望がありましたら、管理人まで、自分のトピック名と表示させたいキーワード名をご連絡ください。

最近見たトピック