若き将校 2018-03-28 22:31:14 |
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(よく眠っており目を覚ますことは無いだろうと思っていた相手の瞳が不意に薄く開くと驚いたように手を引こうとして。しかし相手に手首を掴まれそれは叶わず、まだ眠たげな相手の表情と静かな声に硬く閉ざしていた筈の心から弱さが溢れ出てしまうようで。今はもう、彼に身を任せてしまおうとその力に抗う事もなく身体を密着させて。将校という肩書きを背負いながらも自分はこれ程までに弱い、心を閉ざして紡いだ言葉、司令、受け入れて来た上からの非難も手にした銃の重みも血の匂いも、耐えて重ねて来た全てが今更になって溢れ出すことになるとは。温かな水滴が相手の首筋を滑り、濡らしたが、声を出す事も何を語ることもなく微かに背中を震わせただけで)ーーー…
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