若き将校 2018-03-28 22:31:14 |
通報 |
(薄い扉の向こうから返答は無く、いつもの事ながら何かに頭を悩ませているのか揶揄いあえて返事をしないのか、はたまた昨日と同様眠りについてしまっているのか、脳内に浮かぶ想像は一抹の不安無い平和な物だらけで。土産として用意したのは随分前に酒を飲みに行った店の和菓子、喜ぶ顔が見たいと奮発した紙箱を片手に病室を開き。ーー臙脂色に染まった病室に親友の姿は無く、無機質な病室に不釣り合いな軍服は大きな存在感を放ち、その上に無造作に置かれた紙を見つめて片手に持つ土産は床の上へと。一瞬にして心臓が凍ってしまったような途轍も無い息苦しさに襲われ震える腕で紙ごと服を掴むと衝動に駆られるまま院内を駆け巡り、また院外を靴底がすり減る程探し回り。其処で漸く彼が姿を消してしまったのだと理解し難い思考に至れば服を掴んだままその場に崩れて途方も無い哀しみに打ち拉がり。)
畏まりました!それでは探し回り要約の思いで再会を果たす事としますね!
トピック検索 |