ーーそうだな、もう帰らないと。 (相手と見る静かで美しい景色はいつまでも見ていたい程、しかし相手の声と遠くに続く飛行機雲に意識を引き戻されるとそう頷いて塔から降り始め。どこか夢の中のような気さえする美しく静かな二人きりの見張り塔から降り、その階段から島の地面に足が着く間際。風に掻き消される程に微かに一度咳き込んだ気がしたのは気のせいか。相手を振り返ると掴まれと手を差し出して)