若き将校 2018-03-28 22:31:14 |
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(昼間の内に身の回りの整理は済ませ、ほとんど持っていくものもない荷物を簡単に纏めると上層部に電話を繋ぎ。病を患った以上軍に留まり続ける訳にも行かなければ職務も途中で放棄する形になったため上からの命令が出る前に自ら除隊の申し出をして。次に電話を掛けたのは許嫁の家、怒鳴る彼女の父の声と泣き崩れる彼女の声を聞いたが冷静に謝罪を重ねつつ電話を切り。酷く重かった軍服の上着を畳み、その上に帽子を乗せればこれで自分が背負うものは一切無くなってしまったと溜息をひとつ。体調が安定しているうちに此処を出ようとコートを着込み荷物を手にして浮かぶのは親友の顔。離れることなど考えたこともなかった相手、別れは突然やってくる。適当な紙を破り取り、万年筆で相手に向けてたった一筆だけしたためると綺麗に畳んだ軍服の上に。彼を乗せた車が病院を出たのはあたりが臙脂色に染まる頃だった。)
ーーー…「しっかりやれ。」
とんでもないです!
そうですね、それでも良いですし、ずっと探し歩いてついに彼のいる療養所に辿り着いたのでも構いませんし!
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