名無しさん 2023-10-18 21:42:16 |
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>>67
>>68
>>71
…ふふふ……願い、ね…”お姫様になりたい”なんて…我ながら笑えるわ、ワタシみたいなのが……ああ、でも、だからワタシ、アナタに興味があるのかも…アナタ勇者様なんでしょう?とっても素敵、攫われたヒロインを助け出すヒーロー…ありふれてるけど、誰もが認めるお話だわ……っと…まあだからって、ここに来たのはホントに興味本位なのよ、この辺りに用事があって、たまたま
(顔の火傷痕に触れながらくすりと笑い、自分の願いを口にする、願いの内容故に自分はティオに興味を持ったのかもしれないと思い始めた。或いは、もしかして彼なら、自分を救うやもしれない……これは本当に微々たる想いだけれど。ありきたりなファンタジーストーリーに思いを馳せながら、ついつい自分の世界に入ってしまいそうになるが、はたと我に返り、ここに来た経緯については、本当に偶然だと説明する。)
>>68お姉さん
>>71お兄さん
>>72お嬢ちゃん
女性から男性は強い人だと教えられると改めて背を向けている男性を見る。雰囲気が張り詰めていて警戒をしているのが見て取れた。それほどまでに危険な子なのだろうか。ひょっこりと顔を傾けて少女の姿をマジマジと見つめる。武器を手にしている様子はない。しかしキメラというのであれば、発現者であることは間違いない。実際男性は少女へと問いかけている。そして少女の願いは"お姫様"幼い子供が願うには不思議なものでもない。
「ねぇ、お兄さん。そんなに喧嘩腰だとお嬢ちゃん可哀想だよ。もしかしたら迷子になったかもしれないし、一緒におうちまで連れて行ってあげようよ。ね?お姉さんも」
自分が口にしていることがどれだけ危ないことなのか知る由もなく、心配そうな顔で問いかけてみた。
>>71様 >>72様 >>73様
青年から視線を受けたので、ニッコリと笑って返しておく。少し見えた表情や仕草、言動からかなり余裕が無くなっていることが窺えた。少し前まで自分と戦ってちゃんと休む暇もなく次が来たのだからさもありなんといったところか。彼自身は好ましい人間だと思っているけれど、この場では同じキメラのお嬢さんへの義理が勝る。せめてうまく切り抜けられるよう祈っておこう。
そう考えて、一体自分はどの立場でこんなことを思っているのだろうか、と自嘲の笑いを小さく漏らした。
「そうですね、せっかくですからお家まで連れていってあげた方がいいのではないでしょうか?」
>>69 >>70
(/見逃してご返信遅れました。申し訳ございません…
キャラシート確認しました。熱くてクールな住人のご提供ありがとうございます!
彼の目が何を視るのかとても楽しみです!
能力が能力ですので、お相手の行動をあまりにも制限するような運用だけご配慮いただければ問題ございません!)
>>72 アザレア様
>>73 ニーナ様
>>74 レアリゼ様
「お姫様になりたい…、か」
自分と似たような夢を語る女の子に、ティオは複雑そうな表情を浮かべた。彼女がキメラでなければ、今すぐにでも駆け寄って手を取り合って夢を語り合いたいものだ。しかし状況はそれを許してはくれない。そしてティオの目論見も失敗に終わり、能力のヒントは得られなかったし、ここに来た目的も、たまたまと言われれば確かに乱入のタイミング的に本当にたまたまだったのかもしれないが、結局は結果論だ。
「…分かったよ、今日は送って行ってやるから。だからそんな顔するな」
心配そうに問いかけてくるニナと、すっかり先ほどまでの狂気を隠してしまった少女の言葉にティオは諦めて手を下ろす。そもそも戦ったところで人数差を考えれば不利だし、ニナを守りながら戦うのも厳しい。それに、キメラの発現者、というだけで襲撃しに来たと決めつけるのもよろしくないよな、とティオは考えを切り替える。相手はおそらく10歳前後。本当に迷子の可能性だって全然あり得るのだ。
>>73
>>74
>>76
……はぁ、莫迦なのか相当自信があるのか…まあいいわ、有難く送ってもらいましょう、ああ、それと…ワタシの名前、アザレア、アザレアっていうの、忘れないでね
(”敵の自宅”という、能力次第では罠になり得る場所にまさかこうも易々「送っていく」などと言ってくれるとは、なんだか毒気を抜かれてしまう、いっそ軽くお茶でもご馳走したあと帰してしまおうかとすら思う、いや、多分それがいい、グリフォンの人間に取り入って何か情報を抜き出せば、いざという時に役に立つかもしれない。)
にしても…驚かないのね、この顔を見ても
(顔の火傷痕で何も反応がないのは初めてかもしれない、邪険に扱われたり、遠巻きにされたり、申し訳なさそうに目を逸らされたりすることはあるけれど)
>>74お姉さん
>>76お兄さん
>>77お嬢ちゃん
「お姉さんもお兄さんも優しい!二人が断ったらニナが送るつもりだったから嬉しい。皆と一緒に仲良くしようね」
敵対している同士だと頭では分かっているものの、名前を知らずともこうして交流することができるのだから、組織とか関係なく仲良くできればいいのにと口には出さないまでも密やかに思う。目の届く範囲内だけでも皆が幸せ(ハッピー)であって欲しい。テテテと少女に駆け寄るとニッコリと微笑む。
「アザレアちゃん、可愛いお名前!ニナはニーナだよ。よろしくね」
少女が自分に対してどう捉えていようとも気にせずに手を繋ごうと差し出した。そして女性の方にも目を向けて手を差し出す。
「女の子三人で並んで手を繋ごう」
(/了解です!一応ヘンリーの能力は敵も未来を結構変えられる系の能力として動かすので一方的にはならないかなと思います。)
>all
「・・・。」
ロイヤルクローバーの塔の付近、丁度城下町のように広がる富豪エリアの一角。塔から然程離れていない場所の庶民にはかなりお高めな値段に設定されたカフェ、そのテラス席。
黒いスーツ、黒いサングラス、黒い靴。全てが黒に包まれたまるで某SF宇宙人捜査官映画(メンインブ○ック)のような出で立ちの男が一人、コーヒーとガトーショコラを食べつつ片耳にイヤホンをラジオ型通信機につなげて聴いている。コーヒーもブラックで、何かのこだわりなのかと思ってしまうほど黒一色な様相だ。
>>79 ヘンリー様
「ふぅん…、これはまた嫌な雰囲気かも」
紺色のキャスケット帽を目深に被った女性が、カランカラン、とカフェの扉を開いて入店する。最近のキメラの動きの情報収集のために入店したのはいいが、エレナは普段あまりこういったカフェには入らない。妙に静かな慣れない雰囲気に戸惑いを感じつつも、キョロキョロと少し周囲を見渡し、テラス席を選んで着席する。そして一瞬メニューに書かれた飲み物の値段に頬を引き攣らせたが、一拍置いて店員に適当にホットココアを注文する。店の中を見回したのは慣れない店舗で席を迷ったのではなく、キメラか、キメラに関わる怪しい人物を探すためである。
そしてエレナが座った席から椅子一つ開けた程の距離に、まさしく怪しい男が座っている。黒いスーツを見に纏い、黙々とガトーショコラを食す男性。その姿はロイヤル・クローバーでは少し浮いているように思える。そんな彼に直接話しかけるような真似はせず、まずは通信端末を取り出して画面を見るふりをしながら独り言を呟いてみる。
「はぁ…、キメラキメラ、またキメラ。もう嫌になってくるわね」
>>76様 >>77様 >>78様
どうやらこのままお嬢さんの家にみんなで行く事に纏まったらしい。お嬢さんがただ戦うつもりなら構わないし、お姫様になる夢を叶える為の行動を取るのならそれでも構わない。乗りかかった船、というのも少し違うが、顛末までは見守っておこう。
それにしてもこの少女は、どこにも所属しない普通の子なのに自分と青年の戦いに介入してきたり、傷を治したり、キメラと分かっている人間にも友好的に会話を重ね、そして今のようにキメラとも手を繋ごうとする。まさしく無邪気という言葉がぴったりだ。この純真さを失わないでほしい、なんて思える立場では無いと先程と似たような事を考えながら、少女の手を握った。
「それでは今更ですが私も自己紹介を。レアリゼ、と言います。よろしくお願いしますね」
>>77 アザレア様
>>78 ニーナ様
>>83 レアリゼ様
呆れ顔のアザレア、と名乗った女の子の反応に、ティオはむすっと不機嫌そうな表情になる。人に優しくすると稀にそのような反応を取られるのも珍しくない。しかし人がいいティオだが、今回ばかりは状況を見ての判断なのだ。もしグリフォンが近くを通りかかって人数差が埋まれば即座に戦闘を行う心意義だ。が、わざわざそれを口に出すはずもない。
そしてアザレアの方から触れてきた顔の火傷跡。確かに気にはなっていたが、今は薄暗く、明るい場所でそれを見るよりも衝撃が薄かった上、グリフォンとなって少なくはあるが経験を重ねたティオにとって、もはやいちいち驚くことでもない。現にさっきは優しそうな少女、レアリゼが急変して突然取り出した回転鋸で命を奪われかけたのだ。そして何より、火傷跡以上に、10歳付近と見られる見た目でキメラに所属している事の方がティオにとっては衝撃的だった。
「ティオだ。ティオ・スプリクト。所属は…っておい、危ないぞ!」
少女達に続いて名乗るティオだが、その途中でニナ、ではなくニーナが駆け出していく。こちらは本当に表裏無さそうな優しい少女だが、言動や行動がやや危なっかしい。このまま何も起こらなかったらいいが、と心の中で思いつつ、アザレアに問いかける。
「傷跡や火傷跡で驚いたりしてられる状況じゃないだろ。…それよりも家ってのはどこにあるんだ。やっぱり東エリアか?」
>82
「・・・。」
明らかにこちらに聞こえやすいように『キメラ』という単語を連呼して反応を見ているエレナに対して、一切の反応を見せない。そのままゆっくりと食事を進めつつ異変が起きないこと通信機で確認しつつ過ごし。
>>85 ヘンリー様
しばらくの間独り言を呟き続けていたエレナだが、店員がホットココアを運んで来たのを合図に呟くのをやめる。そしてココアを一口飲もうとするが、あまりの熱さにそれを諦め、はぁ、と一息ついて席を立ち上がる。そして件の男をチラリと横目に見る。
男はエレナの呟きを無視して黙々と食事を続けている。もしかするとただ服装が怪しいだけでキメラでは無いのかもしれない。だが、万に一つ彼がキメラだった場合、エレナはわざわざ目をつけたにも関わらず取り逃した事になってしまう。後悔してからでは遅いとエレナは判断し、ゆっくりと立ち上がったエレナは食事を進める男の真後ろまでゆっくりと歩き、ナイフを取り出して男性の背中に突きつける。ちょうど他の店員や客には死角となっており、男性が大きなアクションを起こさない限りは騒ぎにならないだろう。
そしてエレナは小声で男性に声をかける。
「私の質問にだけ答えて。…あなたはキメラ?」
>86
「・・・素人か?復讐ならほかを当たった方がいい。私は、塔の警備をしているだけの警備員だからな。」
ナイフを突きつけられているのに、呼吸も心拍数も凪のように一切変化のない男は、イヤホンを外しゆっくりと振り返り、サングラス越しに相手を見ると。低いが特別敵意の無い声色で、遠回しに『グリフォン』所属であること伝える。
そのまま、必要なことを伝えたとでも言いたげに、また姿勢を普通に戻し食事を再開し、イヤホンをもう一度付け直す。
>>87 ヘンリー様
「警備員…?」
男の言動で、エレナは男がグリフォンである事をすぐに察した。仮に男がグリフォンでは無かった場合、グリフォンを名乗ることはリスクしか無い。なぜなら他のグリフォンにでも頼んで調べてもらえればすぐに嘘が発覚してしまうからである。
おまけに、この男はおそらくただ者では無い。別に口を塞いでいるわけでは無いため、普通こんな場所でナイフを突きつけられたのなら騒いで事を大きくした方が有利になる。にも関わらず男の余裕ぶりを見るに、警備員、と彼は語ったが、それに収まる器では無い事は明らかである。
「それは悪かったわね。それなら安心だわ」
エレナは男にそう告げ、ナイフをゆっくりと離してパーカーの内側にしまい込む。そして男の後ろから自分の席へと戻ろうと足を踏み出す。
>88 エレナ様
「・・・・君に『覚悟』はあるか?、私は君と言葉を交わしたのは30秒に満たない短い時間だが、君に見えた復讐心は、並々ならぬものだ。・・・・キメラを殺す覚悟も、実際にこの世から消し去ったこともあるだろう。」
エレナが自分の背後を離れるのを気配で感じると同時、一歩踏み出した彼女に対して何の気紛れか声をかける、それは単なる雑談か、それとも真剣な話なのか正しくは分からないものの、妙に力の籠もったような声で言葉を続ける。
「その殺意、手を血に染めるのにキメラを前にすれば、一切の躊躇の無いであろう眼は・・・・復讐心に酔い、宛ら麻薬のように自らを歪めてきた故の在り方か?それとも、十字架を背負い、復讐という地獄に突き進むことを『良し』と割り切る覚悟が故か?・・・良ければ答えてくれ。」
一切背後を振り返ることのないその様子から傍から見ると何気ない内容以外は雑談のような雰囲気。しかし、声を掛けられているエレナ本人なら分かるかもしれない、そうして穏やかに、言葉を紡ぐその男の並々ならぬ様子に。
>>89 ヘンリー様
「…は?」
一歩踏み出すとともに言葉を発した男の声を聞き、立ち止まって話を聞いていたエレナ。そして思わず低い声で聞き返していた。話した時間は男の言う通り僅かだし、目を合わせた時間もたかが知れている。それなのにここまて踏み込んだ質問をしてくる男に、困惑と、僅かな興味が浮かんだ。
エレナは何も言わずに自分の席に座り、ココアに口をつける。控えめだが優しい甘さが口の中に広がるのを感じながら、エレナは口を開く。席は椅子ひとつ分空いてるが、十分男に声は聞こえるだろう。
「…覚悟は、多分無いわ。銃器を扱う私には分かる。わざわざ覚悟なんてしているその一瞬で私の命は消し飛んでしまう。…だからあえて言うなら後者。復讐を良しと割り切っているわけでは無いけど、私はシャドウ。嫌でも復讐心は泉のように湧き出てくるわ」
そしてエレナはポーチから弾薬をひとつ取り出し、僅かに曇りが見える薬莢を照明の光を当てて眺める。男に銃に対しての知識があるかはエレナには分からないが、明らかに狙撃銃用の長い薬莢だ。それにはぁ、と息を吹きかけ、ナプキンで曇りを拭き取って再び口を開く。
「小蝿を駆除するのに覚悟なんて必要ないでしょう? ただ不快感からなんの容赦もなく命を叩き潰す。私にとって、人の命を私欲のために奪い去るキメラをこれで撃ち抜くのはそれと同じ。だからそういう意味で、私に覚悟なんて存在しない」
>90 エレナ様
「・・・そうか、いい話ではないが君のように身を焦がすほどの復讐心をその身に宿す人間を多く見てきた。そういう人間は決まって君と同じことを言うよ、そしてそのまま砂漠に火薬と硝煙、鉄の匂いを漂わせるシミになる。ソレで言うと・・・『覚悟』は必要だ、確かに『覚悟をする』という時間は惜しい、ならば『覚悟を休むこと無く、続けて』生きるなら? 覚悟も、信念も何もない人間は何も成せない、何かを成せた気になれないだろう。」
当たり前のように、残酷な話をつらつらと口に紡ぐ男。その声のトーンは完全に凪ぎ、異常なほど落ち着いている、それは殺し殺されが食事や睡眠と同レベルに日常化している人間のソレだ。
常人ならゾッとするような人間とも思えない正に『サイボーグ』や『アンドロイド』と呼んで差し支えないどこか薄気味悪さを感じる人間はその機械的な冷たさを更に醸し出すように言葉を発し。
「だが、君は別に何かを成したい訳ではないのだろうな・・・そういう生き方は共感はできないが理解はできる。」
相手の生き方を否定も肯定もせず、しかして理解を示す。そして彼女の持つ薬莢を見て何を見抜いたのか、それとも彼女の何かを見て察したのか・・・はたまた彼の『眼』がまだ見ぬ『なにか』を見抜いたのか、『インファイトにも特化した狙撃銃、最近の銃器は中々どうしてこう何もかも両立させるのか・・・まぁ、何を使うかは自由だが。』と話す
>>91 ヘンリー様
男の話をじっと聞きつつも、エレナは内心驚いていた。この男は何度修羅場を潜った? これが明るい夢を叶えるために能力を発現させた人間の姿か?
そして続く男と言葉に、エレナはじっと薬莢を睨みつける。成したいことはある。自分の家族を私欲のために殺したキメラ、今となっては後ろ姿さえろくに覚えていないが、奴の命を消し飛ばすこと。それがエレナの目標だった。だが、今となってはそれが不可能に近い事をエレナ自身が一番分かっている。それでもやり場のない復讐心は心を支配し、男の言う通り夢を諦めているのに存在しない夢を追いかけて無心に引き金を引き続ける日々を送っている。
「分かったような口ぶりはやめて貰いたいね」
エレナはぼそりと呟く。それが男の耳に入ったのかは分からないが、さらに続く男の言葉に、思わず薬莢をポーチの中に突っ込む。
薬莢が狙撃銃用のものだと判断するのは難しくないかもしれない。そしてそれが分かったとして、超小型の狙撃銃なんて効率の悪いものをエレナが持っているとまで読み切る事は並の人間には不可能だ。
もしかして、見えているのか? とエレナは疑心を抱く。透視か、金属探知。あるいは温度か。いずれにせよ、こういう冷静さを乱さない発現者の多くは何かしらの情報を掌握する能力を発現させている割合が高い気がする。
この男は危険かもしれない。今はそうでなくとも、グリフォンとユニコーンが衝突した時に、もしかするとこの男ひとりに甚大な被害を被るかもしれない、と踏んだエレナは、少し男にカマをかけてみることにした。
「…そんな狙撃銃、私は聞いた事ないわね。私の自慢のライフルは北エリアのアジトの倉庫の中。憶測で語るのはあまり良くないわ」
>>78
>>83
>>84
「そう…でも、こんな顔で願いを口にしたら、笑われると思った、こないだワタシの家に来たユニコーンは笑ってたわ…家は……北エリアの端っこの方」
(爛れた顔を気にしながら言う、この間自分の家に襲撃してきた愚かなユニコーンは自分の願いを聞いて大笑いしていた。すぐに串刺しにしたけれど、だから今回も笑われると思っていた。肝心の家の所在を聞かれ、それに答える、東エリアには父が住んでいるが、あれは自分の家だと認められていない。)
「いや…アナタ、初対面の人に随分積極的なのね……悪いけど、遠慮しとくわ…」
(ニーナから差し出された手に戸惑う、誰かに手を繋ごう、だなんて言われたのは初めてだ、自分が、そんなことをしていい人間だとは思えなかった。ふいっと顔を背け遠慮する。)
>92
「・・・そうか、すまない。君の言う通りこれは私の『憶測』だ、だが・・・」
ケーキを食べ終わったのか、フォークを置くと相手の狙撃銃のことを『完全な憶測』である。ときっぱりと言い、そのまま言葉を続けようとするものの、通信機になんらかの通信が入ったのか黙ってイヤホンから断続的に続く暗号のような通信に耳を傾ける。
「・・・用ができた。私から話を振っておいてすまないが、これで。・・・この街は狭い、また会うかもしれないな」
暗号が、警備に関わる不審者情報か何かだったのかコーヒーをすべて飲み干し、通信機を畳んで片付けると椅子を立つ。そしてエレナに対して別れを告げて、店のレジに向かい始め。
>>83お姉さん
>>84お兄さん
>>93アザレアちゃん
「レアリゼお姉さん!とても素敵な名前!えへへ、ありがとう」
差し出した手を握ってくれた女性の名前を知ると自分の中で確認するように呼んでから嬉しそうに笑って手を繋いでくれたことに感謝を口にする。次いで男性の名前も耳にして、彼からの注意にまるで反省する素振りすら見せずにニコニコと笑うだけだ。
「心配してくれてありがとう、ティオお兄さん。ニナは大丈夫だよ。もし何かあったとしてもそれはキメラさんたちが悪いんじゃなくて、分かっていて傍にいるニナが悪いんだから責めちゃダメだよ」
なんてさり気なく男性に釘を差しておく。無所属が故の無鉄砲さもあるかもしれない。そして差し出した手を握らずむしろ遠慮して断る少女の言葉に一瞬シュンとした顔を見せるも、すぐさま笑顔になる。
「アザレアちゃんは優しいんだね!ニナを傷つけない言い方で断ったもん。ニナより小さいのに凄いなぁ!」
どこまでもポジティブに。悲しいことなんて楽しいことの半分もない。それなら悲しいことで落ち込むよりも楽しいを全面に出した方が周りも自分も幸せであれる。こうして名前を知って一緒に家に行って。ふふ、と小さく笑ってから。
「なんだか兄妹みたい……」
小さく小さく呟いた。
>>94 ヘンリー様
エレナがカマをかけてみたタイミングに限って言葉をすんなりと受け入れた男。雲のように掴みづらい人物だ。エレナの目論見が気付かれたのか否かは分からないが、誰だって能力をこんなやり方で探られるのはいい気分ではない。仕方ないか、と冷め始めたココアに口をつけたと同時に男が立ち上がってしまう。皿を見るともうガトーショコラは完食されている。
「用……ね。…次会った時、あなたがユニコーンにとっての味方である事を願っているわ」
一瞬追いかけようかと考えたが、まだカップの中身は残っている。見回りのためとはいえ、かなり割高なその中身を飲み干さずに追う気にもなれず、レジへと向かう男の背中に向けて言葉を放つ。
>96
「あぁ、私もそう祈っているよ。・・・そうそう、支払いにはソレを使うと良い。」
会計を済ませたのか、一度も顔を向けはしないものの穏やかな声で相手の言葉に同意を示す。そしてゆっくりと穏やかな足取りで店を後にしようとするが、その直後で視線を全く送らないままエレナの席、テーブルの上にいつの間にか置いてあった紙幣を指差して去っていく、その紙幣はエレナのココア分の料金が置いてある。
>>97 ヘンリー様
「それ…?」
エレナがふとテーブルの上に目をやると、そこにはいつのまにか紙幣が置かれていた。こちらから一方的にナイフを突きつけておきながら借りまで作ってしまったらしい。変な男だ、と紙幣を摘み上げる。グリフォンに借りを作るぐらいなら、とその紙幣をどこかに投げ捨てようとするが、その手はぴたりと止まり、紙幣をそっとカップの隣に並べる。
こんな些細な事とは言え、グリフォンとの間に波風を立てるのは良くない。そして何よりも…。
「…人の温情なんて久々だ」
もちろんユニコーンの仲間たちはエレナの事をよく思ってくれているし、エレナもできる限り優しく接しているつもりだ。しかし、キメラはもちろん殺害の対象であり、グリフォンは勝手にグリフォンを減らしてくれる道具としか見ていなかった。
男が何を思ってそんな事をしたのかはエレナには分からなかったが、今は大人しく男の温情を受け取っておくことにした。
>>84様 >>93様 >>95様
「ふふ、ありがとうございます。私もこの名前を気に入っているのです。素敵、だなんて言われたら、嬉しくなっちゃいますね」
レアリゼ。両親が付けてくれた名前。両親からの初めての贈り物。自分にとって宝物である名前を褒められて明確に上機嫌になり、にへらと表情を崩して笑った。こんな風に自分の名前を良く言って貰えたのはいつぶりだろうか。自分の中ではニーナと名乗る少女の株はストップ高である。
我ながら単純だと空いた手で髪をくるくるといじっていると、手を繋ごうという少女の誘いをお嬢さんが断っていた。先程名前を褒めてもらったので、一瞬気を落とした少女の代わりにお嬢さんへ自分の手を差し出した。
「じゃあ、せっかくですから私と手を繋ぎませんか?それなら構いませんよね?」
完全に他人という間柄でもないでしょう、と言外に含ませてお嬢さんに笑いかけた。
>>84 アザレア様
>>93 ニーナ様
>>101 レアリザ様
「北エリアって…、今から向かったらすっかり夜だぞ?」
てっきり東エリアに案内されるのかと思っていたティオだが、どうやらアザレアの家は北エリアにあるようだ。どこのエリアにでも住んでる場所には人が住んでいるため、何も不思議ではないのだが、家がわかってるのなら迷子じゃないのでは、と浮かびかけた疑問を喉の奥に押し込む。ここで波風を立てても良いことがないと判断したのだ。
そんな葛藤と戦うティオにかけられたニーナの声に、思わずポカン、と気が抜けてしまう。
「ティオ…お兄さん…?」
そんな呼ばれ方をしたのは初めてだ。
それにしてもこの少女、とティオはニーナの方に目をやる。笑顔を絶やさない彼女の言動で、殺気立っていたはずの路地裏があっという間に彼女のペースに飲まれている。キメラのはずのレアリゼでさえ、ニーナの手を握ろうと手を差し出している有様だ。
とは言っても、ニーナが抑止力になってくれているのであればある意味好都合だ。ニーナがいる限り、少なくともレアリゼはティオに手を出せないし、ティオも同じくレアリゼに手出しはできない。
とすれば、比較的安全な状態でキメラの住処を暴けるならラッキーだ、と考え、通信端末の地図の機能を起動しながらアザレアに問いかける。
「北の、どのエリアか案内はできるか?」
【キャラシート】
○名前 イアン・ツヴァイベル
○年齢 25歳
○性別 男
○見た目 猫っ毛の柔らかな細い蜜色の髪。前髪は左分けで清潔感のあるストレート。榛色の瞳は切れ長の三白眼。181cmと高身長で細身。灰色の長袖シャツ黒のスラックスにビジネスシューズを履いている。
○性格 極度のシスコン。妹以外目に入らない。行動の基本は全て妹絡み。妹のためならなんでもする。妹の邪魔になるものは全て排除する。それぐらいの異常さを持つ。それ以外は本当にどうでもよくて興味もない。
○夢 妹に害成す全ての存在を叩き潰す。
○能力 筋力強化。自分の意思で自分の特定の部位の筋力を底上げすることができる。強化することでいとも簡単にコンクリートの壁を砕いたり、コンクリートを握り潰すこともできる。強化とはいえ生身の人間なので、傷つけば痛みも血も出る。瞬発的に強化されるため、持続時間は5分もない。切れれば筋力は通常に戻る。切れる度に強化し直さなければならない。同じ部位に連続強化できるのは5回まで。5回強化して切れた時、強い筋肉痛という反動がある。そのため長期戦は不得意。自身で1日連続強化4回までと決めている。
○派閥 ユニコーン
○武器 鎖分銅。全体の長さ約180cm。攻撃用ではなく対象の捕縛用として使われる。腰辺りに専用のホルダーを装着し、そこにコンパクトに纏めてぶら下げている。
○背景 無所属のニーナ・グラスの実兄。足が動かせない妹が生まれた時に絶望した父が母と離婚。父に無理やりという形でついて行かされた為、妹のニーナは兄の存在を知らない。父の目を盗んでは、妹の入院する病院に隠れて様子を見に行ったりと行動がややストー〇ー的。そんな中で理不尽に罵倒されたり、嫌がらせ、冷たくあしらわれる妹を目の当たりにすることがちょくちょくあり上記の夢を抱いた。グリフォンにはとことん興味はないが、妹に害を成しそうなキメラは彼の中では「抹殺対象」ではある。しかしキメラでなくとも妹を害する者には相手が誰であろうとも「抹殺対象」となる。
○その他 一人称「俺」二人称「貴様、あんた」
能力が発現したと気づいた時には、自身の手で妹を害した人間(父)を筋力強化した手で、文字通り叩き潰したことにより自分自身がシャドウとなってしまったことを知る。しかし後悔や悲しみは一切なく、むしろこれで愛する妹を守ってやれると喜んでいる。
CV:神谷浩史
(/主様ありがとうございます。2人目です。気持ち悪い奴になってしまいましたが、ご査収ください)
>>103
(/とっても妹想い…?な住人の提供ありがとうございます!
過剰な愛が住人たちにどのように干渉してくるのかとてもワクワクです!
キャラシートに問題はございませんので改めてよろしくお願いします!)
>>104スレ主様
(/許可ありがとうございます。痛い方へまっしぐらな人ですがよろしくお願いいたします)
>>all
(/絡み文だけ投下しておきます。絡む絡まないはお任せします。)
南エリア、ビルが立ち並ぶ薄暗い路地裏。大通りの死角とも言える場所にて、一人の男がのっそりと起き上がる。その右手は赤く染まり、赤い雫がボタボタと滴り落ちていた。足元は鮮やかな赤。手から滴り落ちるその赤い雫をペロリと舐めてから吐き出す。うざったそうな瞳の先には、何かの物体が転がっていた。
「やだなぁ。また服着替え直さなきゃ俺の可愛いニーナに会えないじゃん……。どうしてくれんの」
誰に向かって話しているのか分からない。しかし白だったはずのシャツは見事に赤く染っていた。
>>95
>>101
>>102
「だから、そういうのはいいって……はぁ…まあいいわ、断ったら何されるか分かったものじゃないし」
(レアリゼからの申し出もニーナと同じように断ろうとしたが、面倒になったのと、断ると彼女に何をされるか分からないと思ったので、不服そうな顔で渋々手を繋ぐ。)
「どの辺…って言っても、どこもかしこも雪しか無いけれど……お金持ちの人が昔住んでたお屋敷に住んでるの、だから北エリアの他の場所より少しだけ物が多い場所よ」
(自分の住んでいる屋敷は元は富裕層の住んでいたもの、しかし北エリアの過酷な環境が耐え難く、どこかに移り住み空き家になった場所らしい、だがそれ故か他の場所より少々建造物等が多いようだ、それが特徴になるだろうか…)
○名前 ジャンニュ・D・アンダーソン
○年齢 43歳(推定)
○性別 女性
○見た目 ピンクの肩ほどまであるボサボサな長髪、兄同様推定年齢とは思えない程の若々しい見た目の低身長(160cm)の女性。特徴的なパンダのような白塗りに目の下を黒く塗ったメイクに、パンダのような配色と耳付きフードの付いた迷彩ジャケットと赤色の長ズボン。靴は派手なオレンジ配色の軍用ブーツ、トロピカルな配色のレンズをしたゴーグルを首に掛けて、ドッグタグを着用している。
手には、白黒で左右違う指貫グローブ、耳と舌にはピアスを付けていて、左腕には『N』部分だけ黒字の『paNda』というタトゥーを入れているなど凄まじくパンクな格好をしている。
○性格 ダウナーで享楽的、刹那主義な性格で兄とは真反対なよく喋る人物。話す内容からコミュニケーションが取りづらいような印象を受けるものの何故か結構すんなり話が進み、知的な部分が見え隠れするものの大体の印象は『粗暴』。戦闘では、段々とハイになっていき、戦闘を好むバトルジャンキーとしての一面が現れるが『殺し』を好むわけではなく、必要に迫られなければ女性や子供を積極的に殺すなどはしない。
彼女の、兄同様良くは分からないが謎の基準があり、それに則って行動しており、ハイであるために合理性に欠ける判断をよく下すが、本気で殺しにかかるときは逆にダウナー系に戻りこの上なく合理的で冷酷な判断で行動する。
男女どちらもいけるクチでありかなりの好色家。
○夢 『戦いを楽しみ、強者との闘争を満喫すること』
○能力 『殲滅者(アナイアレイター)』、その名の通り敵の殲滅に特化した戦闘系能力。自身の身体を兵器の如く改造することで単純な膂力、瞬発力、反射神経などを爆発的に飛躍させるが、出力を上げれば上げるほど全身の体温が超上昇し心拍数が爆発的に増加し続ける。そのため血圧が強化した血管強度を上回るといわゆる内出血が大量に起きて生命活動に支障が出たり、高出力(時速60kmもの脚力、1トン近い筋力レベル)を出した後は疲労によって一切動けなくなる。
○派閥 グリフォン
○武器 『Rsh-12_Custom_LiLiTh-182:Special』 『Rsh-12_Custom_TyPhOs-183:Special』の二種類の武器を使う。
昔から愛用する二丁の露製規格外50口径拳銃『Rsh-12』の特別カスタム品であるLiLiTh、TyPhOsを扱う。規格外の50口径銃であるためにオリジナルのRsh-12はリボルバータイプだったが、こちらは自動拳銃型でマガジンも複列弾倉と異常な機構をしているモンスター銃。一発撃つだけでも一般人は反動で腕がおしゃかになるレベルだが、グリップを手の平に付属のグローブ型ベルトで括り付け鍛え上げた筋力と特殊なリコイル制御によって連射すら可能としている。威力は対物ライフルと同等の口径のため素の火力もさる事ながら、銃弾が特注の徹甲炸裂弾とホローポイント弾で片方づつ違うためソフトポイント、ハードポイント両方を文字通り殲滅する事ができる。
○背景 ヘンリー・L・アンダーソンの実妹、血の繋がりはあるようだがそれ以外の情報が互いに一切ない。兄同様シークレットサービスや中東戦争、南米、東南アジア、アフリカそれぞれの紛争地帯を渡り歩いた経験を持つ。同じ経歴を持つはずなのにヘンリーと顔を合わせるのは数ヶ月に一回という少ない頻度で互いにあまり興味が無い。現在でも同じ組織に所属しているもののほとんど会うことがない(ほぼ同じ場所を警備しているはずなのだが・・・)
○その他 元シークレットサービスにして様々な紛争地帯を渡り歩いた戦争屋。兄同様どんな困難な任務でも成功させて戻ってくるという実績とその戦闘跡がまるで悪魔の所業のようであることから『デーモン』と呼ばれる。現在では、グリフォンとして塔の警備をしつつ実力者たちと戦うことを楽しみにしている。本人も兄であるヘンリーも互いに『全く似ていない』と話すがところどころ言動が似ていたりする、やはり兄妹か。
(/作りました!ヘンリーの妹(?)の戦闘大好きさんです。)
○名前 ジャンニュ・D・アンダーソン
○年齢 43歳(推定)
○性別 女性
○見た目 ピンクの肩ほどまであるボサボサな長髪、兄同様推定年齢とは思えない程の若々しい見た目の低身長(160cm)の女性。特徴的なパンダのような白塗りに目の下を黒く塗ったメイクに、パンダのような配色と耳付きフードの付いた迷彩ジャケットと赤色の長ズボン。靴は派手なオレンジ配色の軍用ブーツ、トロピカルな配色のレンズをしたゴーグルを首に掛けて、ドッグタグを着用している。
手には、白黒で左右違う指貫グローブ、耳と舌にはピアスを付けていて、左腕には『N』部分だけ黒字の『paNda』というタトゥーを入れているなど凄まじくパンクな格好をしている。
○性格 ダウナーで享楽的、刹那主義な性格で兄とは真反対なよく喋る人物。話す内容からコミュニケーションが取りづらいような印象を受けるものの何故か結構すんなり話が進み、知的な部分が見え隠れするものの大体の印象は『粗暴』。戦闘では、段々とハイになっていき、戦闘を好むバトルジャンキーとしての一面が現れるが『殺し』を好むわけではなく、必要に迫られなければ女性や子供を積極的に殺すなどはしない。
彼女の、兄同様良くは分からないが謎の基準があり、それに則って行動しており、ハイであるために合理性に欠ける判断をよく下すが、本気で殺しにかかるときは逆にダウナー系に戻りこの上なく合理的で冷酷な判断で行動する。
男女どちらもいけるクチでありかなりの好色家。
○夢 『戦いを楽しみ、強者との闘争を満喫すること』
○能力 『殲滅者(アナイアレイター)』、その名の通り敵の殲滅に特化した戦闘系能力。自身の身体を兵器の如く改造することで単純な膂力、瞬発力、反射神経などを爆発的に飛躍させるが、出力を上げれば上げるほど全身の体温が超上昇し心拍数が爆発的に増加し続ける。そのため血圧が強化した血管強度を上回るといわゆる内出血が大量に起きて生命活動に支障が出たり、高出力(時速60kmもの脚力、1トン近い筋力レベル)を出した後は疲労によって一切動けなくなる。
○派閥 グリフォン
○武器 『Rsh-12_Custom_LiLiTh-182:Special』 『Rsh-12_Custom_TyPhOs-183:Special』の二種類の武器を使う。
昔から愛用する二丁の露製規格外50口径拳銃『Rsh-12』の特別カスタム品であるLiLiTh、TyPhOsを扱う。規格外の50口径銃であるためにオリジナルのRsh-12はリボルバータイプだったが、こちらは自動拳銃型でマガジンも複列弾倉と異常な機構をしているモンスター銃。一発撃つだけでも一般人は反動で腕がおしゃかになるレベルだが、グリップを手の平に付属のグローブ型ベルトで括り付け鍛え上げた筋力と特殊なリコイル制御によって連射すら可能としている。威力は対物ライフルと同等の口径のため素の火力もさる事ながら、銃弾が特注の徹甲炸裂弾とホローポイント弾で片方づつ違うためソフトポイント、ハードポイント両方を文字通り殲滅する事ができる。
○背景 ヘンリー・L・アンダーソンの実妹、血の繋がりはあるようだがそれ以外の情報が互いに一切ない。兄同様シークレットサービスや中東戦争、南米、東南アジア、アフリカそれぞれの紛争地帯を渡り歩いた経験を持つ。同じ経歴を持つはずなのにヘンリーと顔を合わせるのは数ヶ月に一回という少ない頻度で互いにあまり興味が無い。現在でも同じ組織に所属しているもののほとんど会うことがない(ほぼ同じ場所を警備しているはずなのだが・・・)
○その他 元シークレットサービスにして様々な紛争地帯を渡り歩いた戦争屋。兄同様どんな困難な任務でも成功させて戻ってくるという実績とその戦闘跡がまるで悪魔の所業のようであることから『デーモン』と呼ばれる。現在では、グリフォンとして塔の警備をしつつ実力者たちと戦うことを楽しみにしている。本人も兄であるヘンリーも互いに『全く似ていない』と話すがところどころ言動が似ていたりする、やはり兄妹か。
こんな彼女だが、無類の甘党で可愛いもの好き(可愛いの範囲は常人のそれと違って若干ブラックでなデザインも大好き)特にパンダが好きなようで、そのハマり具合は彼女の格好を見れば一目瞭然である。
「あ~?アタシはジャンニュ・D・アンダーソン。ただの暇人だよ~。」
「塔を警備してんのさ。ただの警備員ってワケ。」
「兄者~?別になんとも、適当によろしくやってるでしょ。」
(/ちょっと追記して再投稿を、ヘンリーもSV入れて近々再投稿します。)
>>110
(/インパクト抜群の住人の提供ありがとうございます!
拝見したところ問題ございませんので、この街でどんな戦いぶりを繰り広げるのか楽しみにしております!
再投稿についても了解しました!)
>>101レアリゼお姉さん
>>102ティオお兄さん
>>108アザレアちゃん
「わぁい、皆仲良くお家に行こうね!」
少女ーーアザレアには断られたが、代わりに女性ーーレアリゼが手を繋ぐことで3人並んで歩くことができた。ずっと夢に見た人と手を繋いで歩くこと。発現者にならなければ叶うことがなかったものだ。あまりにも嬉しくてちょっぴり涙が浮かんだけれど、幸せだから気にしない。満面の笑みでアザレアの自宅へと歩き出そうとして、不意に気づく。並ぶ2人に首を傾げて問いかけた。
「風大丈夫?ニナの足周り常に風が吹いてるから、迷惑だったら言ってね?」
そう、こうして何事もなく歩いているように見えるのも、現在進行形で風を操作しているからだ。もし断られたら、と考えて一人通信端末を手にしている男性ーーティオに声をかけておこうと視線を移動させた。
「ティオお兄さん、もしレアリゼお姉さんとアザレアちゃんが嫌がったら、ニナをおんぶして運んでくれる?」
>111
(/承認ありがとうございます!因みにめちゃくちゃシャドウっぽいですけど、悪い夢ただシャドウっぽいだけの普通の人(?)です。ぶっ飛んだ夢ですが、彼女にとっては負の感情が起因してないのが理由です。)
>105 イアンさん
ジャンニュ「ほいほい、ちょいとごめんよ~。」
南エリアのビル路地の死角。一切の人通りが無いような場所に広がる惨事、正に闇一色に広がる赤い床をピチャピチャと音を鳴らして軽快に歩く音が突然響き渡る。そして、その足音の主は手を赤く染めた男、イアンを少し押しのける形で前に出て、床に散らばる何か。いわゆる『死体』を適当に調べる。
ジャンニュ「派手にやったじゃ~ん?男前くん。緊急で呼ばれたからのんびり潰しに来たのに、もう終わってたかぁ~。ちっとばかし残念だ。」
眼の前の惨事に一切の同様を見せないどころかケラケラと笑って、戦えなかったことを残念に思うと述べる人物。異様なメイクにピンクの髪と独特な容姿の彼女は、イアンのことを『男前』と呼び、ニヤッと笑いかけると少し愚痴っぽい口調で話し。
>>113ジャンニュ
一人ブツブツと不快げに呟いていた矢先に、赤い液体の溜まりを歩く音がするまで気配を感じなかった女の姿。そして女は押し退けるように自分と人だった物体の間に立つ。印象的なその容貌に見覚えはなく、もともと興味すら湧かないため彼女の言葉を気にした様子もなく、どのみち着替えなくてはならないこともあり濡れた手をシャツで拭う。
「次頑張れば?俺は用事があるからバイバイ」
笑いながらこちらを見てちっとも残念そうな顔をしないで言う女に、興味は全くなく。ヒラヒラと背を向けて本人に全く意図はないが挑発的にも似た言い回しでそう口にすると去ろうと歩き始めた。
(/絡みありがとうございます。よろしくお願いいたします)
>>102様 >>108様 >>112様
「あら……私、そんな風に見えていましたか?ちょっと心にくるものがありますね……」
断ったら何をされるか、と言われ、よよよと悲しそうに目を伏せる。手を繋ごうとしたのは先程名前を褒めてもらった少女──ニーナさんの顔を立てる為と純粋に手を繋ぎたかったからなのだが、どうやら怖がられてしまったらしい。両親は皆に好かれる“良い人”だから自分もそうなろうと心がけているつもりだが、まだまだ修練が足りないようだ。……本当の原因はそうではなく、自分の願いからくる戦い方がアザレアお嬢さんに今の言葉を言わせてしまったのだろう、と見当を付けていたが、そこには敢えて目を逸らした。
「風……?あっ、たしかに吹いていますね。でも大丈夫ですよ。むしろ心地良いですから」
ニーナさんに言われて初めて気付く。確かに足下から風が吹き抜けているようだった。たしか彼女は風を使う能力だったはずなので、おそらく能力が制御できないのか、その余波が発されているのか、それとも常に風を吹かせなければならない理由があるのか。いずれにしても特に問題は無いように見えるので、気にしないでとニーナさんに笑いかけた。
(/すみません、2人目のキャラをユニコーンのリーダーで追加したいのですがよろしいでしょうか…?)
>>108 アザレア様
>>112 ニーナ様
>>115 レアリゼ様
「建造物が多め、か…」
アザレアの言葉を聞き、端末の地図にいくつかメモを残しながら呟く。いくつか目星は付くが、やはり本人に案内してもらうほか無さそうだ。
ティオが端末をポケットに突っ込んで顔を上げると、視界に入った3人は手を繋いでいた。真ん中にニーナ、つまりは一般人が。そしてその両隣にキメラというかなり危険な構図ではあるが、恐らく3人とも敵意はなさそうだし、何よりもニーナが1番楽しそうにしているため、あえてそれを止める必要もないとティオは判断した。
そしてティオには分からないが、どうやらニーナの足元には断続的に風が発生しているようだ。ニーナの言葉からすれば彼女の能力によるものなのだろう。だがその言葉は杞憂に終わったようだ。
「任せろよ。いくらでもおぶってやるからな! …でも、その必要は無さそうだ」
>>アザレア様、ニーナ様、レアリゼ様
(/北エリアは今4人がいる場所から離れた位置にございますので、今回のこの4人の絡みでは、皆様がよろしければ能力のことも考えてアザレア様に場所移動のタイミングを一任しようかと思っているのですが、いかがでしょうか?)
>>113 ヘンリー様
(/能力について了解しました! どっちだろうかと思っていたので教えていただき感謝です!
あと、エレナとの絡みはあそこで一旦終了、との認識で大丈夫でしょうか?)
>>115 レアリゼ様
(/ユニコーンのリーダーですね! もちろん大歓迎です!)
(/よろしくです!)
>114 イアンさん
ジャンニュ「ま、テキトーに頑張るよ。んで?その汚ねぇ格好で妹ちゃんとやらに会うの~?」
去ろうとしたその先、いつの間に移動したのかイアンの目の前懐辺りに指を突きつつ視線は取り出した携帯に、彼女は彼女で別にさしたる興味もないのか適当な口調で話を続ける。
ジャンニュ「男前クンの妹ちゃんって風使いの可愛い子ちゃんでしょ。無所属でそこそこ良い能力の子は前々からマークしてんだよね~。」
携帯で裏稼業として死体処理を行っている掃除屋を呼びつつ、言葉を紡ぐジャンニュ。なぜかイアンの妹のことを知っているかのような内容を話し始め。
ジャンニュ「ま、かといって別に何をするわけでも無いんだけどサ。妹ちゃんがそんな血風呂(ブラッドバス)状態のおに―ちゃんを見ちゃったらどう思うかな~。顔は合わせなくても、服くらいはキレイにしといたら?」
あくまで危害を加えるつもりは無いがと付け加えつつ、相手の格好に触れてキレイにしないと嫌われるんじゃね?と言った様子で笑いながら話を続ける。
>117
(/そうですね、あの絡みはあそこで終了でお願いします!)
>>117様
(/ありがとうございます~!pfが完成次第提出させていただきます!
移動の件も承知しました!私の方はそれで大丈夫です!)
>>118ジャンニュ
「…………」
行き先を塞ぐように音もなく瞬時にして移動した女の自分の胸元に触れる指先を見る。そして続く彼女の言葉にピクリと体が反応した。面識の覚えのない女が、最愛の妹の情報を本人の許可もなくベラベラと口にする。少なくとも最低限の情報は女に渡っているということだ。胡散臭い存在の人間が妹を認識している上で何もしないと口にしていても信用ができるはずもない。しかしながら、挑発的なのかは分からないがこちらの様相にアドバイスをしているところから女はなにがしたいのか計り知れない。それに善意とは思えない。妹に対しての不安要素は取り除くべきだ。今ここで抹殺するべきか。だが、今さっきまでキメラを一人屠ったばかりで、能力の連発は抑えたいところでもある。とりあえず様子を見てから一旦離脱する算段を頭の中で考えてから、頭を軽く左右に揺らした。
「あんたがニーナを知っているのは気に入らないけど、俺が可愛いニーナに会うのにこんな姿でいるわけないだろう。着替えに戻りたいんだけどどいてくれないかな」
自分よりも年上の女に対して「おばさん」と言いそうになって抑える。早く妹の元へ行かなくてはならないのだから。
>>116スレ主様
(/私も大丈夫です。お任せします。)
>120 イアンさん
ジャンニュ「アハハハッ!明らかに動揺してるって感じジャン?あと、おばさんで良いよ~。こう見えてマジでオバサンな年齢だし。」
相手を揺さぶって反応を楽しんでいたのか、明らかに動揺した様子をみて爆笑。そして相手が自分のことを『おばさん』と呼びそうになっているのに対して別に嫌がっているとか皮肉とか全く無しに別にそれで良いと付け加える。
ジャンニュ「ま、洗うのか捨てンのかわかんないけど~?その真っ赤っ赤は中々落ちねぇよん。クリーニングでも紹介しようか?今までの罪も何もかもまっさらさらに綺麗さっっっぱり落としてくれるようなクリーニング店。・・・・そんなもんがあればアタシがご利用願いたいけどネ。」
ジャンニュ「・・・・で、本題だけどさイアン・ツヴァイベルくん。荒事にはするなってんで釘を刺されてるから、クリーニングでもランドリーでも行って待ち時間にお話でもしようってんだけど、どうかな~?」
相手が離脱する算段を立てているのを知っているのか、胸に当てた指をそのまま襟に持っていくとそのまま掴み、異様な力の入れ方で相手を留める。一般的に『合気』とでも呼ばれるであろうそれは、並のやり方では無理やり抜け出すのが難しいほどの拘束である。そのまま脅しともただの提案とも取れるような口調と内容の言葉を続けて。
(/ジャンニュもヘンリーも多少武道の心得があります。といってもジャンニュの合気は、不意打ちで成功するくらいのものでガチ戦闘では中々使いづらいくらいの練度です。)
>>121ジャンニュ
なにやら女は一人楽しげに笑っている。女の中で自分はどんな人間に思われてるのだろう。極力関わらないで済むなら関わりたくは無いのだが。
「うーん、動揺したつもりはないかなぁ。会ったこともない人が妹の情報を持ってたら普通ビックリするでしょ」
この女は自分をどうしたいのだろうか。挑発して怒らせようという算段だろうか。困ったような笑みを浮かべながら、相手の行動を観察する。しかも何かこっちが悪いことしてるみたいな雰囲気だ。どうしたものかと考えていた矢先に不意打ちの金縛りのような感覚に襲われる。どうしたら穏便にすましてくれるのだろう。
「さすがにこんなやばい格好で店に入らないよ。近場に着替えを置いているから着替えたいんだよなぁ。もったいないけど捨てるしかないでしょ?これ」
動けないので視線だけ自分の赤く染ったシャツに向ける。店に入ったら逆に出禁になりそうな格好だ。話がしたいという女の提案にまるでナンパみたいだな、とふと思う。さりげにフルネームまでバレてるし。まさか住所まで知られてないよな、と思考があさっての方向に向き始める。
(/把握しましたが、できれば動きを制限する旨は事前にお知らせしてもらうか、しても良いかの伺いがあると助かります。)
>124 イアンさん
(/確かにそうでした・・・・。申し訳ない、戦闘以外でも確定ロルは避けるべきですね。申し訳ない!)
ジャンニュ「ダイジョブダイジョブ。別に、無人ランドリーならこの時間は人居ないしサ。」
彼女は彼女で普段からこんな口調なのか適当に大丈夫だと言いつつ、無人ランドリーなら別に人は居ないと服を洗うという提案はあながち冗談ではないようで。
ジャンニュ「個人的な話じゃ無いしね~。仕事ってか、組織的な話?グリフォンから、ユニコーンへみたいなねェ。なんだよね、だからまぁサ、付き合ってくれな~い?」
逃げないという確証が出来ないのか、痛みや怪我にならない程度に動きを拘束する彼女は、自分の個人的な話ではないと改めて誘うような、少し強制しているような内容のことを話す。
>>122 アザレア様
(/了解です。ゆっくりお休みしてください。復帰お待ちしております!)
>> レアリゼ様、ニーナ様
(/本スレは基本ドッペルは禁止ですが、状況が状況ですのでアザレア様と絡んでいた方々はOKとします。一時的な措置と考えておりますが、継続するかはアザレア様復帰後の状況次第でまた考えます…)
○名前:アデル・サリヴァン
○年齢:72
○性別 :女
○見た目 :白髪の割合が多い金髪を一つ結びにした髪型。肌は白く、一目で老人だと分かる程に皺だらけ。服装は内ポケットが至る所に設けられた黒い修道服。内ポケットには手品の道具、お菓子、そして武器が収納されている。
○性格 :思慮深く肝の据わった性格。長年の経験から豊富な知識を持ち、人を見る目が鋭い。自他共に厳しいが子供には甘い。仲間であるユニコーンに対しても厳しい発言は行うがやはり甘い。反面、キメラやグリフォンに対しては基本的に敵意を露わにし、キメラはほぼ見敵必殺、グリフォンも相手や状況によっては容赦なく攻撃する。
○夢:悪しき者達を一人残らず潰す
○能力:手に触れずとも物体を自在に動かす、いわゆる念力。液体や気体も動かす事が可能で、例えば空気の塊を打ち出したり水を高圧で放出したりといった事が出来る。基本的にどのような物体であっても動かせるが、生物は動かす事ができず、動かす物体が重ければ重いほど相応に体力を消耗する。また、念力の制御は腕で行っている為、腕が大きく傷付けられたり動かせなくなるとまともな制御が出来なくなってしまう。
○派閥:ユニコーン(リーダー)
○武器:リボルバー、杖、画鋲。リボルバーは早撃ちで不意を突く為に所持しており、これで正面から撃ち合う事は想定していない。杖は金属製で殴打して使う他、攻撃を弾いたり受け止めたりする用途でも使用される。画鋲は持ち手のあるタイプで、修道服の内側にケースごと大量に収納されており、念力でこれらを放出して攻撃する。しかし特にこれといった機能の無いただの市販品であるため、用途は牽制に限られる。
○背景:昔は修道女であり、教会に集まる子供達に手品を見せて喜ばせる事を生き甲斐としていた。能力の念力も「子供達を自分の手品で喜ばせたい」という夢から生まれたものであり、その時点では手品の補佐にしか使えない程度の力しか持たない能力だった。しかしキメラの襲撃によって子供達が一人残らず殺され、駆けつけたグリフォン達も殺された子供達を悲しむ訳でもなくただ目の前の獲物たるキメラを巡って争う姿を見て、双方に激しい憎しみを抱くようになる。かつての夢も「悪しき者達を一人残らず潰す」というものへ変貌し、念力の能力も戦う為の力として生まれ変わり、それに伴ってシャドウとなった。その後はグリフォンは信用できないとして独自にキメラを討伐するユニコーンとなり、己の正義、そして復讐心の下に活動を始めた。
また、彼女にとってユニコーンとは自警団のような存在であると同時にシャドウのようなはみ出し者の受け皿になれる組織であると考えており、同じシャドウや他に行き場のない者は積極的に受け入れている。
○その他:ユニコーンのリーダーのおばあさんです。子供とユニコーンには甘く、グリフォンとキメラに厳しい人です。戦闘センスはある方ですが老人なので攻撃が見えていても体が追いつかなかったり体が脆いので怪我しやすかったりします。
(/2人目です、よろしくお願いします。何か不備があれば遠慮なくご指摘くださいませ)
>>126様
(/承知しました!このままキャラを遊ばせておくのも何ですから、アザレア様が復帰なされればすぐにそちらに移れるような、軽い絡み文を置いておきたいのですが大丈夫でしょうか?)
>>125ジャンニュ
「血は洗濯したぐらいじゃ取れないんだよ。ニーナに会う時は綺麗な俺でありたいの」
何にも汚されていない清潔な人として。歪んだ愛情ゆえのこだわりなのかもしれない。女の話を聞いている感じから、話する場所さえあれば別にランドリーにこだわる必要性もないだろうことは察することが出来た。うーん、とそれらしい素振りで考えている装いをしてから改めて自由を奪っている年上の女を見る。内容はともかく所属間の話をしたいらしい様子なので小さく吐息を漏らしてから面倒くさげに女の提案を聞くことにした。
「俺としてはどうでもいい内容だと思うんだけど、「うん」て言わないと自由にしてくれなさそうだしなぁ。仕方ないか」
>>126スレ主様
>>128レアリゼ本体様
(/承知しました。
それまではもしレアリゼ本体様の2人目のユニコーンリーダーが受理された時にもしレアリゼ本体様がよろしければニーナとユニコーンリーダーとで絡んでみたいです。)
>>127 >>128 レアリゼ様
(/ユニコーンのリーダーとなる住人の提供ありがとうございます
しっかりとユニコーンをまとめてくれそうでとても楽しみです!
能力等も問題ございませんのでよろしくお願いいたします!
また、絡み分についても了解です!)
>>129様
(/ありがとうございます、よろしくお願いします!私から絡み文を置いておきますね!)
昼、東エリアの一角にある小さな公園にて。この公園は近所に大きく遊具も豊富な公園があるので、基本的に訪れる人は僅かであり、現に今ベンチに腰掛け杖をついている自分一人以外には誰もいない。寂れた場所ではあるものの、通り抜けるそよ風や木々の揺れる音が心地良く、気に入っている場所である。
ふと、ポケットからボールペンを取り出す。かつては教会の子供達に様々な手品を見せていたものだが……。殺された子供達の事を想うと、同時に奴等への怒りも湧いてくる。このまま怒りに身を任せてボールペンを潰しそうになってしまったが、それはいかんと何とか堪えた。代わりに気を紛らす為、かつて行っていた手品──ボールペンを手から消し、再び出す行為を繰り返し始めた。
>>130様
(/お目通しと質問の回答感謝です!レアリゼの方の絡み文も置いておきます!)
>>ALL様
「んー……」
南エリアにある大きなデパート。その中を、顎に人差し指を当てながら歩いていた。今日は何も依頼など入っていない、いわゆるオフの日である。その為、服装はいつもの普段着であり、武器類を入れたトランクの代わりにそこそこ大きなトートバッグを持ち歩いている。今日ここに来た目的は一つ、両親へのプレゼントを買う為だ。しかし今、少々困った事になってしまった。
「ここ、さっきも来たような……」
大きなお店の方が品揃えもいいだろうと思ってこのデパートに来たは良いが、その複雑な構造と人通りの多さに惑わされてすっかり迷子になってしまった。一応入り口でパンフレットは貰っておいたのだが、そもそも現在地が分からないのであまり役に立っていない。それでも無いよりはマシだとパンフレットを凝視しながらデパート内をふらふらと彷徨っていた。
>>131おばあさん
東エリア。本来なら1ヶ月に1回の定期検診が、発現者になってから調子が良くなり数ヶ月に一度に延びたその帰り道。検診の日は1日能力を使ってはいけないという医師の指示に従い、本日は車椅子である。外に出る時は常時倒れない程度に能力を使用して足を支えて動かしているので、1日能力を使わないのは久々だ。家までの道中を散策するのも習慣化している。不意に立ち寄ったのは小さな公園。人通りがかぎりなく、少なそうな公園のベンチに1人座っている老女に気づいた。公園で一人の老女というシチュエーションがとても悲しくて、思わず声をかけようと車椅子に手をかけて老女の元へと向かう。
「おばあさん、1人でどうしたの?」
(/絡み文共に希望に応えてくださりありがとうございます。よろしくお願いいたします)
>>132 レアリゼ様
(/ありがとうございます!
では早速絡みに向かわせていただきますのでよろしくお願いします!)
「はぁぁ…、来るんじゃなかったわ」
エレナはデパートの中でため息混じりに愚痴を溢す。仲間に頼まれて買い出しに来たのは良いのだが、いかんせん人が多い。能力の性質上、意識しなくとも人間一人ひとりの動きが明確に認識できてしまうエレナにとっては人混みによる疲労感は人一倍以上だ。そしてエレナの目はひとりの少女を捉える。パンフレットを眺めながらふらふらと歩いている様子からするに、間違いなく迷っているようだ。
いつもならば知らぬふりをして自分の用事を済ませるのだが、ふとエレナは先日カフェで見知らぬ男性から温情を受けた事を思い出して足を止める。
「いやいや、見知らぬ人に親切にされたからって…、別に私も見知らぬ人に優しくする義理なんか無いわ」
小声で呟いて歩き始める。そうだ、本来なら無視してる話なんだ。知らない人よりも、まず先に仲間に頼まれた買い出しが優先。何よりも優しさの輪、みたいな平和**した戯言なんかに興味はない。…はずだったのだが、気付けばエレナは少女の後ろに立ち、声をかけていた。
「…あの、もしかして迷ってるの?」
>>135様
(/こちらこそよろしくお願いします!)
「別に何もしちゃいないさ。ただここに座りたくなった、それだけの事よ」
この公園では大人以上に聞く機会のないであろう子供の声を聞き、一旦ペンを持つ手を止めて答えた。もう少し歩けばここよりもずっと大きく遊具も充実した公園があるというのに、わざわざここに、しかも自分に声をかけてくるとは物好きな子供もいたものだと気分を少し良くしながら、一体どんな子だろうと声のした方向へ視線を向け──そして僅かに言葉を詰まらせた。
「こりゃ、アンタ……」
その子供の上から下まで全身にくまなく視線を向ける。まだ遊び盛りの年齢のはずなのに、車椅子での生活を余儀なくされるとはなんと不憫なことか。生い先短いが五体満足の自分と、おそらく足が動かないであろうこの子の差から世の中の不条理に怒りを燃やしたが、同時にこの子に対する老婆心も湧いてきた。
一つ手品を見せてやろうとペンを子供の前に出し、ニッと笑いかけた。
「よく見てな」
ペンを持った手を掲げその場で軽く上に放り投げる。再びキャッチした時、それは棒付きキャンディへと姿を変えていた。何のことはない、投げたペンはそのまま袖口に入るようにし、あらかじめ袖口に隠しておいたキャンディをキャッチしたように見せかけて取り出しただけである。実に単純なタネであり見抜かれてもおかしくは無い。しかし大事なのは過程が何であれこの子が笑顔になってくれる事であり、タネを見抜かれないことでは無い。子供達を心から楽しませること、それが自分の手品である。
「ほれ、このキャンディをあげよう。食べた後はちゃんと歯磨きをしておきな」
>>136様
(/私からもよろしくお願いします!)
背後から声をかけられ、はっと振り向く。そこには紫の髪が特徴的な、見知らぬ女性がいた。そのかけられた言葉の内容から、おそらく彷徨い続けていた自分を助けてくれるかもしれないと察すると、まるで砂漠からオアシスを見つけたような歓喜の表情で、少し恥じらいを見せながら返事をした。
「そ、そうなんですよ……最初は案内図通り進んでいたはずなのですが、気が付いたら今どこにいるのかも分からなくて。あの……もしよかったら、道を教えてもらってもいいですか?あっ、もちろんタダとは言いません。何か奢りますし、場合によってはお金も差し上げますから……ねっ?」
何度も礼をしながら必死に頼み込む。何せ暗闇の中で偶然にもようやく見えた光明なのだ。この迷宮を抜け出すチャンスを失うわけにはいかない。幸い依頼の報酬はそこそこ貰っているので、プレゼントの予算に手を付けない範囲であればいくらでも払える。
>>138 レアリゼ様
「へ…? いや、いやいや! そんなつもりなんて…!」
予想外の反応に、思わず首をブンブン横に振りながら必死に否定する。まさかここまでありがたがられるとは思っていなかった。しかしすぐに我に帰り、ずり落ちそうになっていたキャスケット帽をさっきよりも目深に被り直し、こほん、と小さく咳払いをする。基本一撃で獲物の始末が完了するエレナにとって、ユニコーンの仲間以外の、それも一般人と話すことには慣れてはいないが、それにしても今のはらしくない。と軽く反省してからエレナは少女の左側に移動し、パンフレットを覗き込む。
「…えーっと、どこに行きたいの?」
>>137おばあさん
声をかけると優しげな声で返ってきた。そして老女はこっちに視線を向けると一瞬言葉を失う。車椅子に座っているからだろう。しかし老女は笑みを浮かべるや否や「よく見てな」と告げた。その笑みの意味が分からず素直に言われるまま老女が手慣れた動きで手にしているペンを上を放り投げるのを目で追いかける。追っていたペンは老女の手の中に収まったように見えた。しかし開いた手にはペンではなく棒付きキャンディがある。
「わぁ、すごーい!おばあさんマジシャンなの!?」
パチパチと両手で拍手をしながらキラキラと目を輝かせて驚きを表現する。棒付きキャンディを感動の眼差しを浮かべながら老女から受け取ると助言にウンウンと頷いてみせた。それから老女に乞う。
「おばあさん、その手品ニナにも出来る?」
>>139様
「ありがとうございます、本当に助かります……あっ、ここ!ここです」
お金を渡すと言えば少なくとも反応は良くなると思ったが、むしろそんなつもりはないと否定された。迷っていた自分に声をかけてくれた事といい、きっと彼女も良い人なのだろう。こんなところで良い人に巡り会えるなんて、とその出会いに感謝しながらも、パンフレットを女性の方に寄せて指で目的地を示す。目的の場所は革細工の商品を取り扱う店であり、場所は2階の東の端であった。また、パンフレットに書かれた店と周囲の店を照らし合わせれば、現在地が1階の西の方であることがわかるだろう。
「大丈夫ですか?分かりそうですかね?」
>> 140様
「ちゃんとした手品師じゃあないがね。一応それなりに自信はある方さ」
拍手しながら喜んでくれたことに此方も笑顔になる。やはり子供は幸せな笑顔でいてくれた方がいい。しかしこうして手品を披露して子供に喜んでもらえるのはいつぶりだろうか。教会にいた頃のかつての記憶が蘇ってくるが、同時に怒りも湧き出そうになったので再び思考の底に沈めた。こんな純粋な子の前でしかめっ面は見せられない。
その手品はできるのか、と訊かれ、袖口からペンを取り出し、再び先程と同じように上に投げながら返答を返した。
「出来るさ。ちょいと準備と練習が必要だがね。やり方は単純。先に飴を袖に隠して、ペンと入れ替えるだけよ。ペンはそのまま袖に入れて、うまく取ったように見せかけて飴を取り出すのさ」
再びペンをキャッチすると、それはまた別の棒付きキャンディへと変わっていた。「これもあげよう」ともう一本のキャンディも渡した。
>>141 レアリゼ様
「分かったわ。…えーっと、ちょっと見せてね」
少女が見せてくれたパンフレットをエレナ自身もなぞりながら周囲を見回し、地図と風景を照らし合わせていく。そして自分たちがどこにいるのかが分かったのか軽く頷き、参ったわね、と顎に手をやる。どうもここは彼女が行きたい場所とは正反対に位置しているらしい。
「どうやらここはそのお店とは反対らしいわね。…っと、この辺ね。で、あなたが行きたいのはこの辺り」
言葉だけで説明しようとしたが、分かりやすいように再び指でパンフレットをなぞりながら説明し、その後彼女が向かうべき方角を指差す。そのまま立ち去ろうかとも考えたが、このまま彼女を放っておくと再び迷子になる可能性もあるため、少し考えた後に提案してみる。
「良かったら案内するわ」
>>143様
「わっ、いいんですか?すみません、何から何までありがとうございます。このお礼は必ずします」
少し驚きながらも、嬉しそうな顔で何度か頭を下げる。自分にも分かりやすいように指でなぞりながら説明してくれたおかげで、目的の店の位置を大体把握することができた。それだけではなく案内までしてくれるのだという。やはり彼女は、すごく良い人だ。先程は別にいいと言われてしまったが、それでも何かお礼がしたい。また断られたら、その時は迷惑かもしれないが何度も押してみることにしよう。
>>142おばあさん
マジシャンではないがそれなりに自信があるという。マジシャンだと言っても問題ないぐらいの腕だと思うが、それを口にすることはなく再び同じマジックを披露してくれた老女から新たなキャンディを受け取ると、貰った1つの包装を剥がして口に入れる。途端に甘さが口いっぱいに広がって幸せな気持ちになった。やり方を教えてもらったので、早速膝に置いていたポーチからペンを取り出して、先程貰ったキャンディも利用してみる。ポーンとペンを投げて、袖に入れようと試みるが落下地点を予測できなくてそのままペンを地面に落としてしまった。ペンは地面を一度跳ねるとコロコロと車椅子の下へと転がってしまう。
「ああ、失敗しちゃった!拾えるかな……」
いつもなら風を操るのだが、1日使用できないため車椅子の下に転がったペンを視線で追いかけてから、車椅子を少し移動させてから座ったままペンを拾うおうと手を伸ばした。
>>145様
「ふ、まあゆっくりやんな。ただこれは少し難しいから、もっと簡単な手品も……おや」
自分があげた飴を食べ、軽く教えた手品に挑もうとする子供を微笑ましく見つめていた。しかしキャッチに失敗し、地面に転がったペンをその子が取ろうとする姿を見ると、「待ちな」と手を広げて制止した。この子は足が不自由だというのに、わざわざこの子自身に拾わせるわけにはいかない。目を閉じ、広げた手に軽く念を込める。すると、車椅子の下に転がったペンが自ら浮き、吸い寄せられるようにして広げた手のもとへ戻ってきた。帰ってきたペンを掴むと、そのままその子に手渡した。
「ほれ。落とし物はあたしに任せな。アンタは無理しちゃいかんよ」
>>146おばあさん
伸ばした手の指先にはどうにかペンが触れそうになるあたりで老女に制止された。どうしたのかと伸ばした手を引っ込めたときに、ペンがふわりと風もないのに地面から宙に浮く。ビックリして目を丸くした。ペンの動きを追ってみると、ペンは老女の手に収まる。その老女からペンを受け取ったところでようやく老女が発現者だと理解出来た。
「これおばあさんがやったの!?おばあさんニナと同じ発現者なんだね!すごーい!」
ロイヤル・クローバーに居れば発現者に出会うことは稀ではない。思わず嬉しくてまたパチパチと拍手した。
>>144 レアリゼ様
「うーん…、ならお言葉に甘えて、あなたの用事が終わった後、時間が空いてたら少しお茶でもどう?」
お礼目当てに声をかけたわけでは無かったが、ここまで言われてしまったら断る方がかえって失礼かと判断し、再び提案を口にする。ユニコーンの仲間には悪いが、どうせ買い出しなんていつでも行ける上に、買い出しの内容も大したものではなかった。
そして少女をお茶に誘いつつも、エレナはゆっくりと歩き始める。恐らく立ち止まっていたら邪魔になっているかもしれないし、何よりも一刻も早く人混みから逃れたいのが本音である。
>> 147様
「そうさ。ま、それなりに役に立つ力で……ん?もしかしてアンタもそうなのかい?」
無邪気に喜ぶ子供の言葉から気になった事を訊いてみることにした。この都市では発現者は特別な存在では無いし、何なら自分やユニコーンのメンバーだってそうだ。だが強大な力を得てしまう故か、この都市では発現者の犯罪行為も珍しく無い。一応グリフォンが治安維持の組織として存在しているが、奴等は報酬に目が眩む連中、信用できない。だからこそ、自分達の手で人々を守るユニコーンが存在しているのだ。
思考が逸れた。要は目の前のこの子が、発現した能力を悪い事に使っていないかを疑っている。先程までの様子からあり得ないとは思うが、念の為だ。
「よかったら、アンタの力をあたしに見せとくれ」
>>148様
「いいですね!ふふ、一緒にお茶、楽しみです!」
今後のお茶の時間を想像して上機嫌になりながら、歩き始めた女性に合わせて遅れないようにすぐ隣を歩き始める。お礼をさせてほしいという願いは、彼女からお茶のお誘いという形で通ったようだ。先程まではお礼として高級品を送ったり高いお店で食事でもと思っていたが、この女性にそういうことをするのは逆に煙たがれるかもしれないと考え直した。とはいえ流石にお茶の代金を彼女に払わせる訳にはいかないので、そこは自分が全額負担する事にしよう。
>>150 レアリゼ様
「私も楽しみだわ。でもその前にあなたの用事が先。はぐれないように気をつけてね」
少女の反応に、エレナも話しながら思わず笑みを浮かべた。こんな笑顔を向けられたのはいつぶりだろうか。立場上、人の笑顔を見る機会は少ないエレナは、同時にその少女の事を羨ましく思った。きっとこの素直で優しそうな少女は学校では人気者で、家族にも愛されているのだろう。革細工店に用があるみたいだが、恐らくブーツか何かを買って友人に自慢するか、誰かへのプレゼントでも用意するのだろう、とレアリゼの正体をつゆほども知らないエレナは勝手な想像を巡らせ、思わず問いかけていた。
「学校…、楽しい?」
>>151様
「学校、ですか?」
学校。それは自分にとって縁もゆかりもなかった筈の場所。両親に拾ってもらった後、母から学校の話を聞かされた経験がある。勉強ができて、友達も作れて、先生から様々な事を教えてもらえる素敵な場所だと。それを聞いた時は目を輝かせたし、事実本当に素敵な場所だった。
「はい!とっても楽しいです!沢山勉強できて、友達も優しくて。私にとっては家の次に大事な場所です。それに……」
カースト上位を気取る一部の生徒達。あれらは異能を発現した全能感で傲慢かつ差別的になっている。怯えて逆らえないフリでもしておけば、すぐにつけあがっていじめの標的を自分に定める。そんな奴らを痛め付けると、とっても良い悲鳴と血飛沫を撒き散らしてくれるから“音と匂い”を静めるのに役に立つし、味変で無抵抗にあれらの暴力を受け続けるのも中々乙なものである。
どう扱っても面白い玩具が歩けばそこそこ出てくるのだから、そういう意味でも楽しい……とは流石に言えないので、続く言葉を
「やっぱりなんでもないです」
として誤魔化した。
>>152 レアリゼ様
「そう…。いいわねぇ、羨ましいわ」
少女は何か言いかけたようだが、幸せそうな様子は十分伝わった。エレナは両親をキメラに殺害されてからすぐに学生を辞めてユニコーンとして活動を始めたため、学校にそれほど思い入れが無かった。
まだ若いはずのエレナが「羨ましい」と発言した事に違和感を感じられればエレナが発現者かもしれない、と推理する事も可能なためかなり軽率な発言となってしまったが、それを許してしまうほどにエレナは既にこの少女に心を開いていた。一般人と仲良くお喋りを楽しむ機会が滅多にない事が大きな原因だろう。
そしてエレナはエスカレーターの前にたどり着く。
「ここを上がってもうしばらく行けば到着するわ。大丈夫? 疲れてない?」
>>153様
羨ましい。その言葉を聞いて少し考え込んだ。おそらくは学校に何か未練があったか、もしくはそもそも行くことができなかったか。どちらにしても少し彼女を傷付けてしまったかもしれない、と申し訳無さを感じた。同時にもし彼女が羨ましいと言った理由が2つの推測の内後者であったならば、もしかしたら自分と似たような身の上かもしれない、と後ろ暗いシンパシーも感じていた。
やがてエスカレーターに到着し、こちらを気遣う声に首を少し傾け、笑顔で返事をした。
「お気遣いありがとうございます。私はまだまだ歩けますから、ご心配なく」
>>149おばあさん
「そうだよ、風を操れるの!」
老女の問いかけにエヘンと胸を張る。そして力を見せて欲しいと要望があると眉を八の字に下げて申し訳なさそうな表情を浮かべつつ笑顔を作った。
「そうしたいのは山々なんだけど、先生から診察日は力を使うなって言われてて。ごめんね、おばあさん。ニナ、いつもは車椅子に乗ってないの。風の力を使って歩いたり走ったりしてるから」
力を使えない、それは即ち立つこともできないという意味だ。発現者となって周りに影響を与えない程度の風の力で歩行ができるようになるまでに数ヶ月の月日がかかった。もちろん風の力を利用して治療する術も見出してから日々自傷行為をしてまで訓練するのは今も変わらない。
「今日じゃなかったら、怪我の治療とかも見せてあげられるんだ。嘘じゃないよ、ホントだからね」
口で言うのはいくらだって可能だ。しかし信じてもらうための力の行使を今だけできないのは悔しい限りである。
>>154 レアリゼ様
「それなら良かった。じゃあ着いてきて」
少女の反応に微笑を浮かべて頷き、エスカレーターに乗る。どれだけ街の外より科学が発展していても、結果エスカレーターよりも便利な上下の移動手段は開発されなかったみたいだし、他の客が持っているカップに入っている飲み物もコーヒーやカフェラテであり、街の外と変わらない。
ふと思えば、こうして周りの景色を見ながらなんでもないことを考えるのはいつぶりだろうか。素敵な友人もできたし、こんななんでもない日常がずっと続けば良いのに、と思うのと同時にエレナは唇を噛み締め、エスカレーターの手すりに乗せている手を強く握りしめる。奴らはこんななんでもない日常を送っている時に限って現れ、全部壊してしまうのだ。
と考えてしまった時点でふと我に返り、少女に問いかける。
「そう言えば、革細工店に何をしに行くの? …あ、別に答えたく無かったらそれで良いんだけど」
誰かへの贈り物だとした場合、答えたくない人も少なくはないだろう、と判断したエレナは、どちらでもいいの、とさらに付け加える。あくまでもエレナ個人の興味での問いかけであり、特に重要な意味は無いといった様子で。
>>155様
風を操り傷の治療も出来る力なら、少なくとも負の願いから発現した力ではないだろうし、悪しき用途にも使う事は難しいだろう。杞憂だとは思っていたが、やはりこの子が“白”だと判明して一安心する。しかし、まさかいつもは車椅子を使っておらず、風の力を使って歩けるようになっていたとは。おそらくこの子は途方も無い鍛錬を積む事で歩けることを可能にしているのだろう。まだ子供であるのに、足が不自由という理不尽に嘆く事なく立ち向かい、風の力で足を動かす事で理不尽に勝利を納めて見せたこの子に心の中で敬意と尊敬の念を抱き、同時にその背景も知らずただ哀れみを抱いた自分を恥じた。
そして、力を使えず証明が出来ない事を不安がっている子供に優しく声をかけた。
「勿論嘘じゃないって事は分かってるさ。また今度、走ってる姿でもあたしに見せてくれたらそれでいい。それにしてもアンタ本当に凄いんだねえ、風で足を動かして歩けるようにするなんてさ」
>>156様
「お父さんとお母さんへのプレゼントを買いに行くんです。いつもありがとう、そのお礼にって。元々私はお父さんとお母さんと一緒に東エリアで暮らしていたんですが、学校の入学が決まった時期に西エリアで一人暮らしがしたいって思うようになったんです。お父さんもお母さんも反対したんですが、結局無理矢理私が押し切る形で一人暮らしする事に決まったんです。そんな私のわがままを聞き入れてくれたばかりか、仕送りまでしてくれるお父さんとお母さんに少しでも何か恩返しがしたいなと思って、今日プレゼントを……。あっ、いきなりこんな事言われても困っちゃいますよね。ごめんなさい」
買い物の目的を訊かれて上機嫌にその訳を喋りながらも、途中で我に帰って切り上げた。大好きな両親の事になると口が軽くなり、いつまでも喋ってしまいそうになる。普段は自制できるが、目の前の女性は自分を助けてくれた優しい良い人という事もあってついつい喋り過ぎてしまった。鬱陶しがられていなければいいが、と女性の顔色をうかがうような視線を向けた。
>>158 レアリゼ様
「ううん、大丈夫。きっと喜んでくれるわ」
少女の話に聴き入るあまり、エスカレーターの終わりに気づかずに躓きそうになったが、すぐさま体制を立て直してにっこりと笑いかけながら答える。きっとこの少女は両親が大好きなのだろう。今度は声に出す事は無かったが、心の底から羨ましいと感じた。そこには妬みなどの感情は無く、ただただ少女の幸せな家庭を想像して頬が緩みそうになった。
そして少し真っ直ぐ歩き、看板が目に入った。が、それはエレナの目が通常の人よりも数倍優れているから見えているものであり、普通の人ならばまだ見えないほど遠い距離にある。
エレナはその看板の方角を指さし、少女に話しかけた。
「見えたわ。ここを真っ直ぐ行けば到着ね」
>>157おばあさん
初対面の名前すら知らない相手の言葉を老女は信じた。その理由など知る由もなく安堵したように胸を撫で下ろして小さく吐息を漏らす。走り姿を見せて欲しいと言われるとパッと表情を明るくしてウンウンと頭を上下に揺らした。
「もちろんだよ!明日からならいつでも見せてあげられるよ!おばあさんどこに住んでるの?ニナ見せに行く!」
場所さえ分かればどんなに遠くても空を飛んでいくことも可能だ。グッと両手を握りしめて上半身を乗り出すようにしてグイグイと話を進めようとする。断られることなんて全く頭になかった。
「そうかな?周りの大人はニナの足を見ると可哀想な子って悲しそうな顔するからね。笑顔でハッピーになっていて欲しいからニナ、これぐらいの大変さは何のことはないよ!」
悲しい顔より嬉しそうな楽しそうな顔を見ている方が好きだ。今まで自責の念にかられて泣いてばかりの母を見てきたからこそ、強く思う。笑顔でいっぱいの世界であってほしい。だから多少の苦しいものや辛いことが降りかかるなんて全然平気だ。老女からの感心した言葉に笑顔でガッツポーズをしてみせた。
>>159様
「ごめんなさ……いえ、ありがとうございます」
躓きかけた女性の姿を見て、自分の話で気を逸らしてしまったかと謝罪の意味で頭を下げようとしたが、女性からきっと大丈夫と言われ、代わりにお礼の意味で頭を下げた。
エスカレーターを上りきり、少し歩いた所で女性が目当てのお店を示してくれた。自分にはまだよく見えないが、彼女の言う通りこのまま真っ直ぐ進めば辿り着く事ができるだろう。これでようやくプレゼントが買える、このプレゼントで両親に喜んで貰える。そういった未来予想図が脳内を駆け巡り、喜びのあまり我を忘れてその勢いのまま駆け出したが、数歩歩いた所で堪えた。一人で飛び出していくのは、ここまで折角案内してくれた女性を使い捨てたようになってしまう。そんな不義理はできない。
「あっ、ごめんなさい……最後まで一緒に行きましょう」
>>160様
「あたしはこの辺に住んでるから、心配せんでもまた明日この公園に来れば会えるさ」
押しが強くなる子供を微笑ましく思いながら、綻んだ表情はそのままに嘘を吐いた。本当の場所は北エリアである。あそこは年中雪が降り、住むのには適さない為に人口が少なく、我々ユニコーンが身を潜めるにはうってつけの場所だ。しかし我々以外にも後ろめたい者共が同様に身を潜める場所であり、そんな場所にこの子を呼ぶなんてことはできない。
だが明日この公園にいるというのは本当だ。約束を違えて悲しませたくはない。
「ほう、笑顔でいてほしいとな」
この子の語ることは立派な事だと思う。周囲の者達を悲しませず笑顔でいてほしいが為に努力を重ねられ、それを何てことないと言い切れる。この若さで誰かの為に努力できるのは素晴らしい精神だ。しかし、その精神は本当に辛いことがあった時、それを“笑顔でいてほしい”という考えのもとに心の奥底に隠してしまい、それが積み重なればいつか崩れて大変な事になってしまうのではないか。
勿論これらはただの勝手な想像に過ぎないが、それでも余計なお世話を焼いておく事にした。
「それは良いことだが、もし本当に心の底から辛いと感じた時は、誰相手でも良いから“辛い”って言っておきな」
>>161 レアリザ様
「あっ、走ったら危ないわよ!」
場所を教えるなり駆け出した少女の反応に驚き、思わず叫んでしまった。幸い周囲の人混みのせいでその声が届いたのかはわからないが、少女は数は進んだところで止まってくれた。エレナはそれを見てほっと胸を撫で下ろした。走って人とぶつかって、もしそれが発現者とかだと最悪命の危険まであり得る街なのだ。そうなりかけたとしてもエレナがあれば対処はできるとはいえ、トラブルを避ける事ができるのであれば避けるに越したことはない。
エレナは立ち止まった少女に追いつき、肩に手を置く。
「ええ、一緒に行きましょう。急がなくても店は逃げないわ」
>>163様
「はい!」
肩に置かれた女性の手を取り、そのまま握って歩き始める。しばらく歩いていると、自分でも目視できる範囲でお店が見えてきた。店内に入ると、少し名残惜しそうに手を離してお店の中を見て回る。やがてプレゼントに選ぶつもりだった目当てのもの──革の財布を見付けると、それを2つ手に取ってレジの方へ会計に向かう。レジはお店の奥にあるので普通は見えづらいが、優れた視力を持つ者ならば会計の様子が見えるかもしれない。
会計自体はスムーズに進行しているが、レジに表示された値段は非常に高額で、少なくとも学生が払うには難しいと言わざるを得ない金額だった。更に、その値段に特に驚く素振りも見せず全て現金で支払っており、その姿に違和感を感じるかもしれない。
会計が終了すると、買ったばかりの財布を丁寧にバッグにしまい、そのまま小走りで女性のもとへ戻った。
「ちゃんと買えました!ありがとうございます!」
>>164 レアリザ様
不意に肩に置いた手を握られて一瞬戸惑ったエレナだが、振り払うような素振りは見せずにそのまま前にまで引っ張られていく。革細工店に着くなり少女は手を離してプレゼントを選びに行ってしまった。
「私には少し合わないわね」
一般人に紛れるために普段からラフな服装で過ごしているエレナにとっては、革製品は使いづらいし値段も高いしであまり魅力に感じる事はできなかった。それでも少女のプレゼント選びに口を出すような野暮な真似はせずに飾られている商品を眺めて回る。カバンやブーツなどを見ているうちに早くも少女はプレゼントが決まったのか、財布を持って会計に向かう少女の姿が目に入った。
「…やけに高級な財布ね」
盗み見るつもりは無かったが、少女が選んだ財布の金額と、平然と現金でその金額を支払う少女の姿を見てしまい、エレナは眉をひそめて小さく呟いた。この街の学生は簡単に負の感情を抱かないように極力ストレスを避けた必要最低限度の授業だけを受けており、自由時間が多い。その時間をアルバイトなどに当てているとしても易々と出せる金額では無かった。
目当ての物は最初から決まっていたようにも見えたし、もしかしたらあの財布を買うために長い時間をかけてコツコツと貯金をしたのかもしれない。わずかにノイズが残ったが、エレナはそう判断する。
そして買い物が終わって駆け寄ってきた少女に笑いかける。
「それは良かったわ。ご両親、喜んでくれたらいいわね。…さっきの話だけど、ここに来るまでに良さげなお店があったから、そこでお茶にしましょうか」
>>165様
「はい、行きましょうか!」
かけられた優しい言葉と笑顔に、こちらも柔らかな笑顔とご機嫌な返事で返す。不慮の事故で落としてしまわないようにトートバッグを両手で持ちながら女性の隣に着いた。
それにしても本当に良かった。元からお金は必要以上は使わない質であり、それに加えて依頼で稼げていたから買えるかどうかは全く気にしていなかったものの、迷ったせいで購入以前の問題だった。しかし、この女性のおかげでちゃんとお店までたどり着き、買うことができた。きっと彼女がいなければ、一生……は流石に言い過ぎだとしても、かなり長い間彷徨う事になっていただろう。
「本当に、ありがとうございます。あなたが……あっ」
そういえばまだこのお互いに名前を知らない関係だったと思い出した。たまたま今日ここで助けてもらっただけだからそれはそうなのだが、ここまでお世話になった相手に名乗らないのも失礼だろう。自分だけでも名乗っておくのが礼儀だ。
「そういえば、自己紹介とかってしてませんでしたよね。私はレアリゼ。レアリゼ・アンダーセンです」
>>166 レアリザ様
「レアリゼ・アンダーセン。いい名前ね。…私はエレナ・ラヴィーナ。エレナでいいわ」
名を名乗るレアリゼに対して、エレナは一瞬悩んだが名乗る事にした。大事そうに財布が入ったバッグを両手で抱える彼女の姿を見て、先程一瞬抱いた違和感は消えてしまっていた。
レアリゼがプレゼントに選んだ財布はエレナの予想を遥かに上回る高級品。万が一無くしたりすると大変なため、できればそのまま帰ってもらって両親にプレゼントを渡してもらいたいところではあったのだが、自分から言ってしまった手前、そして少女のお礼をしたいという気持ちに応えるために、エレナは早速喫茶店を目指して歩き出す。
そしてそう遠くもない距離を歩いて喫茶店に到着する。そこはロイヤル・クローバーの外にも店舗を展開しているチェーン店。そんなことを知らないエレナは「良さげなお店」だなんて言ってしまっていたため人によっては非常識とも思われかねない。
「ここよ。なかなか良い場所じゃない?」
>>167様
「良い名前だなんて、ありがとうございます……えへへ」
明らかに上機嫌だと分かる声で、少し照れながらも返事を返す。“レアリゼ”とは両親がくれた大切な贈り物。気に入っているというレベルではない程に愛している。それをいい名前と褒められればご機嫌になるし、褒めてくれた相手──エレナと名乗った女性の印象も非常に良くなる。元から好印象だったのが、名前を褒めてくれたことで一気に好感度が急上昇し、すっかり深く信頼してもいい人となっていた。
やがて着いた喫茶店は、この都市の外にもあるごくありふれたお店だった。彼女は良さげな店と言っていたが、確かに多くのチェーン店を展開できるお店はそれだけ人々に人気があるということであり、それは一定の品質が保証されているということでもある。それにこう言っては失礼かもしれないが、劣悪としか形容できないスラムで育った自分にとってはどんな飲食店でも美味しいものが食べられるだけで嬉しいのだ。
「はい、とっても良いお店ですね!」
>>169 レアリゼ様
「気に入ってもらえたみたいで良かったわ。じゃあ早速入りましょうか」
レアリゼの反応を見て満足げに小さく頷き、エレナは喫茶店に入る。どうやらカウンターで先に注文をしてから商品を持って席に着くシステムのようで、じっくりとメニューを眺めたいエレナは少し残念そうな表情を浮かべながらカウンターに向かった。カウンターに置かれるメニューはもちろんページなどもなく、1枚の大きな紙に店舗の商品がずらずらと並べられており、エレナの目はそれら全てを情報として読み取ってしまう。これ以上眺めていると目眩を起こしかねないと判断し、エレナは一旦メニューから目を逸らし、レアリゼの方を向いてメニューを指でなぞりながら話しかける。
「レアリゼさんもほら、色々飲み物があるみたい。私は後でいいから先に選んでいいわよ」
>>169様
「いいんですか?ではお言葉に甘えて」
先を譲ってくれたことに感謝しながら、カウンターに置かれたメニューを眺める。ありふれたチェーン店であり、両親や学校のクラスメイトと共に何度か訪れた事があるので全く知らないメニューばかりという訳ではない。とりあえず一通り目を通してから、少し考えてオレンジジュースを頼むことに決めた。コーヒーや紅茶などの大人っぽい飲み物にも何度か手を出したことはあるし、一応飲めないことはないので見栄を張ってそういった飲み物を頼もうと一瞬考えたが、そこは自分の好みに素直に従う事にした。分かりやすく甘いものは好物である。
指先でメニューの写真を示しながらオレンジジュースを頼むと、女性がメニューを見やすくなるように横へ移動した。
「私はこれで。エレナさん、お次をどうぞ」
>>170 レアリゼ様
メニューを動かしてくれたレアリゼの姿を見ながら、意外だな、と言葉には出さなかったが思ってしまう。最近の学生はみんなコーヒーや紅茶を飲んでいるイメージがあったため、オレンジジュースという選択はエレナの想定外であった。だが、おかげでエレナも変に見栄を貼ったり気を使ったりする事なくメニューを選ぶ事ができる。
「ありがと。…じゃあ私は、これで。マシュマロも入れて頂戴」
エレナはレアリゼに対してお礼を言いながらメニューを一瞥し、ホットココアを選択する。以前高級なカフェでもココアを頼んだ事があったため、味の差が気になったのだ。
程なくしてトレイに乗ったオレンジジュースとココアが運ばれ、レジに金額が表示される。いわゆる場所代というやつだろうか、飲み物ふたつだけでもそこそこな金額が表示されているが、エレナは澄ました顔でレアリゼにトレイを指差しながら話す。
「私が払っておくから、悪いんだけど適当な席に運んでもらってもいい?」
>>171様
女性の注文を聞いて、少しの意外さを感じていた。クールなイメージが強かったから、コーヒーなどの大人っぽい飲み物を頼むのかと思っていたが、マシュマロ入りのココアという甘い飲み物を頼んでいたので、こんな可愛らしい所もあるんだな、なんて思った。口に出したら良い顔はされなさそうなので、勿論胸に秘めたまま。
注文が済み、レジに金額が示された時。分かりました、と女性の言葉に従ってトレイを運ぼうとするが、その場で立ち止まった。流石にこちらの飲み物の代金まで払ってもらうのは忍びない。財布を出し、1枚でも充分すぎる金額のお札を3枚程置いてからトレイを運んだ。
「これ、使ってください。もしよかったら、お釣りはエレナさんが取っておいてください」
改めて店内を見回す。それなりに人がいるようで、席も埋まっているものが多い。良い席がないものか、と歩いていると、窓際の二人席が丁度空いている事に気付いた。誰かに取られないように小走りで近寄って、トレイを机の上に置いて座った。
>>172 レアリゼ様
財布の中から紙幣を取り出そうとするエレナを置いてレアリゼがお金を出してしまい、やはりか、とエレナは肩をすくめて財布を閉じる。本来ならば年上であり、誘った本人のエレナが支払うべきなのだが、レアリゼの気持ちも汲み取ってここは彼女を立たせる事にした。
しかし、置かれた紙幣を目をやると、1枚で釣りが来る額の紙幣が3枚置かれており、エレナはギョッとして思わず振り返りながらレアリゼに話しかけた。
「ちょ、こんなにいらないわよ!」
しかし当然レアリゼはそこにはおらず、灰色のネックウォーマーを身につけた少年と目が合い、「何か用?」と不機嫌そうに話しかけられてしまう。なんでもないわ、と手短に答え、急いで残りの2枚を一旦財布にしまって会計を済ませ、店内の奥へと進む。レアリゼはちょうどふたり分空いているスペースを見つけたようで、机にトライを置いている。エレナは早足でレアリゼの元へと向かい、テーブルに残りの2枚の紙幣を置きながら話しかける。本人は怒っていないのだが、慌てているため少しきつい口調に聞こえてしまうかもしれない。
「何考えてるのよ。…気持ちは嬉しいけど、もっとお金は大切にしなさい」
>>173様
「ご、ごめんなさい。私、お金にはまだ余裕があるし、何よりエレナさんにはお世話になったからこれくらいはしなくちゃって思って……」
目を伏せ、頭を下げて謝罪する。表情や声色から察するに、怒っている訳ではなさそうだが少なくとも気分を害してしまったのは間違いないだろう。よかれと思って多めにお金を置いたつもりだったが、それが裏目に出てしまった。軽率な行動だったと心の中で頭を抱えた。最近は特に節制を心がけていたから手持ちのお金がそこそこ溜まって、久し振りの依頼が入らない休みの日で、欲しかったプレゼントが買えて、道中では優しい人にも会えて、今日この日に幸運が重なって気分が大きくなっていたからかもしれない。
いくら怒っている訳ではないように見えるとはいえ、許して貰えるだろうか。
>>175 レアリゼ様
「あぁ、ごめんなさい、謝らなくてもいいの。私は道案内しかしてないし、お喋りに付き合ってくれるだけでも十分よ。…それに、まだ余裕があるって……」
頭を下げる少女に、エレナは思わず慌てて謝罪を止めさせる。レアリゼはあくまでもよかれと思ってそうしたのだから決して謝罪の必要などないのだ。普段は冷静にキメラの命を奪って回るエレナでも、いや、そんな彼女だからこそ素直な少女ひとりに悪戦苦闘してしまっている。しかし、エレナの言葉は後半になるにつれて小さくなっていっていた。あれほどの買い物をしてさらに資金に余裕があるのはいくらなんでも少しおかしいのではないだろうか。
エレナは席に座ってトレイからココアが入ったカップを取り出し、スプーンでかき混ぜながら短く考える。カマを、かけてみるべきか? キメラはこの街にたくさん潜んでいるとはいえ、この街の総人口と比較すればごくごく僅かな人数しか居ない。たまたま話しかけた人物が…、だなんて確率はとんでも無く低い。それに、ただ少しお金持ちなだけでいきなり疑いをかけるなんてどうかしている。しかし一度発生した疑念がそう簡単に消えるはずもなく、エレナはカップの中身を少し啜ってから口を開いた。
「そういえばさっきのプレゼント、すごく高かったみたいだけど。なにかアルバイトでもしているの?」
ごめんなさいね、と心の中で謝りながらエレナはレアリゼの答えを待つ。しかし確かめずにはいられなかった。だが、その質問は同時に、遠くの方からレジに表示されていた金額がはっきり見えるほどの常人よりも優れた視力を持っていることをわざわざ教えるような真似だ。それにレアリゼが気付くかは分からないが、エレナはそんな失言をしてしまう程に動揺しているのだ。
>>175様
よかった、少なくとも彼女は機嫌を悪くしている訳ではなかったらしい。これで憂いなく彼女とのティータイム(正確にはジュースだが)を楽しめる。そう思っていたが、徐々に小さくなる声に何か不穏なものを感じた。ココアを飲むその姿の一挙一動を目で追いながら、続く言葉を待った。
やがて女性の質問、すなわち“高級品を購入できる収入源”を訊かれた時、さてどうやって誤魔化すべきかと心の中で悩んだ。正直に“キメラとして依頼をこなし、富豪達から多額の報酬を貰っている”なんて言える訳がない。バイトを頑張っている、と言っても高級な財布を2つも買った上でまだ余裕があるというのは少し不自然に思われるかもしれない。墓穴を掘ってしまうとは、先程感じたように今日は気分が大きくなりすぎていたようだ。反省しなきゃ、と思ったところで、ふと違和感を覚えた。
財布を買う際、レジは奥の方にあったし、モニターに表示された金額も少なくとも正確な金額は分からない程度には遠くから見えづらいはず。更に購入後、ちゃんと買えた、とは言ったがその金額までは喋っていなかった。となると、この女性は思考が読めるのか、目がとても良いのか、最初から買った財布が高級品だと見抜ける程の知識があったのか、そのいずれかになる。もし思考が読めるのなら、既に自分がキメラだと知られて相応の態度をとられるはず。しかし今のところ女性から敵意は感じないから、目が良いか、高い知識を持っていたかのどちらかだろう。いずれにせよ、ただ優しいだけの人では無かったという事だ。ここからの応対は慎重を要するだろう。
「そうですね、主に力仕事が多めのアルバイトをやってます。少しリスクはありますが、その分収入は良いんです」
力仕事=襲撃が多いのは本当。リスクがあるのも本当。収入が良いのも本当。ただ一つ、アルバイトではなくキメラの仕事だという点が異なる。ある程度真実を交えた方が嘘はバレにくいというが、これでどこまで誤魔化せるか。
>>176 レアリゼ様
「力仕事……」
エレナはレアリゼが発した言葉を呟いて考え込む。レアリゼは具体的な仕事の内容を語らなかった。だがそれは彼女がキメラだろうがなかろうが、初対面の相手に対しては当然の対応である。
一口再びココアを口に含む。怪しくなりつつある空気とは逆に甘ったるい味がエレナの口の中に広がる。それはまるで、気づかなかった事にしてこのまま楽しい時間を過ごしたらどうだい、と囁かれているよう感じた。そしてあろうことか、エレナはその囁きに乗ると決断する。明確な尻尾、例えばグリフォンの連中と戦っている現場を押さえたり、犯罪を犯すその瞬間を目撃したり。そうなってからでも遅くはないはずだ。
少しじっとカップの中身を覗いていたエレナだが、ようやく顔を上げて笑みを浮かべてレアリゼに言葉を返す。しかしその笑みは先ほどまでの自然な笑顔に比べて遥かにぎこちない。
「そう、最近のアルバイトは凄いのね。…それでも大変だったでしょう。きっと喜んでくれるわ」
>>177様
考え込み、ココアに口を付ける女性の姿を、その影が目に焼き付くくらいに凝視する。嘘が暴かれるか、それとも隠し通せるかの瀬戸際だからか、やけに時間の流れが遅く感じた。そうして、体感では既に長い時が経過したと感じたとき。女性は顔を上げ、笑顔で返してくれた。どうやら隠し通す事ができたらしい。安心してオレンジジュースに一口着けることができた。良い人に会えて、楽しい一時を一緒に過ごせているこの空間と雰囲気が崩れてしまうのは自分でも望むところでは無かった。とはいえ、女性の笑顔は先程までのものと比べてぎこちなかった。疑惑を抱えたままか、見逃されたのか。少なくともこの空間は薄氷の上に成り立っている事には違いないだろう。
再びオレンジジュースを一口飲んでから、返事を返した。
「はい。とっても大変だけど、私が望んでやっているお仕事ですし、それにお父さんとお母さんが喜んでくれるって考えたらどこまでも頑張れるんです。……あっ、そういえば、エレナさんはどんなお仕事をされているんですか?」
>>178 レアリゼ様
「えっ…?」
レアリゼに逆に聞き返され、思わずギョッとした顔になる。ユニコーンでの活動以外の仕事をしたことのないエレナにとって、この質問を誤魔化す事は2キロメートル先のピンポン玉を狙撃することに匹敵する難しさを感じた。これまでも同じ質問は何度もされたが、ユニコーンとして正義を執行する事を誇りに思っているエレナは隠さずに自分の正体を答えてきた。だが、一般人だと思っていたが、もしかしたらキメラかもしれない、だなんて相手は初めての経験であった。
だが、エレナは先程とは違ってすぐに考えをまとめる。下手に誤魔化して相手がキメラだった場合、バレた時になにをされるか分かったものでは無い。とすれば人の多いこの店舗でバラしてしまった方が安全だし、エレナの考え過ぎでレアリゼが一般人だった場合も、キメラの危険性を教える事で彼女を万が一の悲劇から救えるかもしれないと考え、真剣な表情でレアリゼの質問に答えた。
「私はユニコーンという組織に入って、この街で暗躍している悪い人達、キメラと呼ばれる連中をやっつけて回ってるのよ。…私の両親はキメラによって殺されてしまった後だからもう何もできないけど…、もしあなたが危険な目に遭って、誰かの助けが必要になったら、ユニコーンを頼りなさい」
>>179様
「エレナさん……」
(ユニコーン……!)
知識としては知っている。治安維持を目的とした組織であるが、グリフォンとは全く別系統の自警団に近い組織である。そのスタンスの違いからグリフォンと衝突する事もあるが、基本的には自分達キメラを排除するのが目的の組織である。ただ者ではないと思っていたが、まさかこの女性がユニコーンで、しかもキメラによって両親を喪ってしまっているとは思いもしなかった。両親を亡くしているのだ、キメラに対しては激しい憎悪の炎を燃やしているに違いない。自分がキメラだとバレれば、文字通り殺しに来るだろう。たまたま会った仲なのに、まさか敵同士だったとは思いもしなかった。
驚きの代わりの笑みを浮かべながら、返事を返す。
「はい、もし危険な目に遭ったらエレナさん達を頼ります。そのキメラっていう人達と会うことも、早々無いとは思いますけどね」
また一口、オレンジジュースを飲む。そういえば先程、彼女はキメラに両親を殺された、と言っていた。何度か自分の両親の話をしたが、もしかしたら彼女にとってはいわゆる“地雷”に近いものだったのかもしれない。
「……エレナさんは、そのキメラのせいでご両親を亡くされたんですよね。ごめんなさい、私がお父さんとお母さんの話題を口にするのは、エレナさんからすればあまり気分の良い話ではなかったでしょう?」
>>180 レアリゼ様
「そうね、忘れてもらって大丈夫よ」
エレナの発言に対してレアリゼは驚いたり、失望したりするような表情は、少なくともエレナの目には映らなかった。そこでエレナは話しながら緊張感を無理やり解く。オレンジジュースを飲むこの少女は、頑張ってアルバイトで稼いだお金で両親にプレゼントを買った。ただそれだけなのだ。キメラと繋がりのある人物では無いし、ましてやキメラでも無い、と自分に言い聞かせる。いざという時は頼ってくれると言ってくれているし、それでいいでは無いか。せっかくできた友人をこれ以上疑うなんて馬鹿げている。
既に人肌に近い温度にまで冷めてきたココアを口に含んで味わっていると、レアリゼが再び口を開いた。その内容にエレナはほんの少しだけ表情を歪めたが、すぐに表情を整えて言葉を返す。
「謝らなくてもいいわ。むしろ、私と両親と楽しく過ごしてた日のことを思い出せて懐かしくなれたし。気分が悪いだなんて、とんでもないわ」
>>181様
「ありがとうございます……。やっぱりエレナさんは優しいですね」
オレンジジュースを手に取る。空気が結露した水滴が手を濡らした。ここまでそれなりの時間が経過している。きっと味も氷が溶けて薄いものになっているのだろう。また一口、しかし今度は今までよりも多めにオレンジジュースを飲んだ。想像通り、水っぽさが主張してくるようになった味が広がった。
ああ何と言う事だろう。良い人に巡り会えたのに、その人は敵になるかもしれない相手なんて。ずっと仲良くしたかったのに、いつか傷つけ合う仲になってしまうなんて。何のせいだ。誰のせいだ。私のせいか。私が救えない人間だからか。
ふと手元を見ると、小さな羽虫が耳障りな羽音を立てて周囲を飛び回り、掌に止まったのが見えた。そうだ、こいつらだ。こいつらのせいだ。こいつらがいつまでもいつまでも私を苦しめているから、私はちゃんと生きていけないんだ。折角仲良くなった人とも傷つけ合う事になるんだ。全部全部全部全部、こいつらが。
掌を思い切り机に叩きつける。バン、という大きな音が周囲に響いた。掌をひっくり返すと、羽虫はただの黒い染みに変わっていた。しかし羽音は止まない。それどころか羽音は徐々に増すばかりで、喫茶店のいい匂いもいつの間にかドブの底のような臭い匂いに変わっていた。ああ嫌だ。この嫌なものを全部消し去ってしまいたい。誰を傷付けよう。誰の悲鳴を上げさせよう。まずは自分の腕でも引っ掻こうかともう片方の手を腕に添えようとして、手が無意識にオレンジジュースのコップに触れた。結露した水滴の冷たさが、意識を正気に引き戻した。勿論喫茶店の匂いは普通だし、煩い羽音も無い。それどころか掌を見ると、黒い染みなんてどこにもなかった。全ては幻覚だった。
しかし大事な事が抜け落ちていた。目の前には今まで会話を重ねてきた女性がいるのだ。いきなり机を叩き出したとなれば、普通はおかしい人に見られるだろう。どうにか誤魔化そうと笑みを浮かべて言い訳した。
「あっ……えと、その、虫が止まってて……」
>>182 レアリゼ様
レアリゼの言葉を最後に、少しの間ふたりの間に沈黙が流れる。エレナはあらぬ疑いをかけた罪悪感を感じ、レアリゼもまた両親のことを嬉々として話してしまっていた事に対して罪悪感を覚えたのかもしれない。それらは全てエレナが素性を隠していれば起こらなかったものなので、失敗したな、とエレナは心の中で後悔している。なんとか明るい話題を探そうとちびちびココアを啜っていると、いきなりレアリゼが机の上に拳を叩きつけ、あまりにも急な行動に流石のエレナもびくりと反応し、ココアの雫が一滴パーカーに飛ぶ。しかしそれどころではなく、なにが起きたのかと状況を分析する前に、レアリゼが虫を潰したと告げた。
「む…、虫。……そう、虫ならしょうがない、わね…」
一瞬周囲の視線が集まるのを感じたが、虫か、とすぐに周囲からの興味は薄れたようで、視線は消える。しかしエレナにはそれが嘘だと分かってしまっていた。他の人間ならばその嘘で誤魔化せたのかもしれないが、話題を探すためにエレナはレアリゼの行動、周囲の状況をじっくりと観察していた。そしてエレナの目には虫の姿なんて映ってはいなかった。意識を集中させてなお見えていないのならば、それは幻か幻覚か、考えすぎかもしれないがなにかしらの特殊な迷彩か。色々理由をつけて自分を誤魔化し、言い聞かせ続けたが、今の行動で限界となった。もうレアリゼは少なくともなにかしらの発現者で確定とみなしてもいいだろう。
エレナは、レアリゼを刺激しないようにゆっくりと口を開いた。
「…気分でも、悪いの?」
>>183様
下手くそな誤魔化し方だった。現に彼女は納得していないどころか少し引いているようにも見える。つくづく音と臭いが恨めしい。自分の感情がネガティブになりすぎたり、命の危険を感じるような状況になったら、走馬灯のように虫けらみたいに過ごしていたスラム暮らしが思い起こされて、それが音と臭いをより一層強くする。大体はネガティブになりやすい夜間に音と臭いが強くなるので、目立つことなく適当な人間を捕まえて傷付けあって、?き消す事ができた。しかし今日は、エレナさんという素敵な人と出会えて楽しい時間を過ごせた記憶が、もしかしたらそんな彼女と傷つけ合うかもしれないという事実との落差を付けて、いつも以上にネガティブになってしまい音と臭いが強くなったのだろう。
いつもなら目立たない時間帯だからとか人を傷付けてもいい依頼だからという大義名分があったから、その衝動のまま行動してもよかった。しかし今は昼で周りに人がいて仲良くなった女性もいて、ここで傷付け合うわけにはいかない。万が一自分に何かあれば両親にプレゼントを渡せない。だから今は堪えなければ。少し我慢して、女性と別れて日が落ちてから思う存分やればいい。
そんなことばかり考えていたからか、また羽虫の音が耳を飛び交い、臭い匂いが充満してくる。ハンカチを取り出し、掌を拭くふりをして思い切り引っ掻いた。痛みと共に傷口から空気が触れる冷たい感覚と血の滴が流れようとしている感覚を感じた。勿論そのまま血をだらだら流す訳にはいかないので、すぐにハンカチで拭き取り、何でもなかったかのようにポケットにしまった。一連の自傷行為はハンカチで手元を隠しながら行っていたが、目が特別良い者ならば明らかに引っ掻いた事が分かるし、ハンカチに付着した血痕も見えるだろう。実際目の前の彼女は目が良い人かもしれないと先程推察したばかりだが、それは頭から抜け落ちてしまっていた。
「大丈夫ですよ。私は大丈夫です。気分が悪いとか、病気とか、そういうのは全然ありませんから」
>>184 レアリゼ様
「大丈夫って…、全然そうは見えないわよ」
机を叩いたレアリゼがハンカチを取り出すのを見ていたエレナは、武器でも取り出したのかとゾッとして注目していたため、もちろん彼女の自傷行為もしっかりと見ていた。軽く爪が当たってしまっただけであそこまで出血はしない。何かするつもりなのだろうか。傷や血が起因する能力の可能性だってあり得ない話ではない。
レアリゼの言葉に驚いたような表情で答えつつ、武器になるようなものは、と周囲を見回そうとしたしたエレナだが、ふと冷静になる。ここで争いになったとして、そして仮に手ぶらな自分が殺されるとして、この目撃者の数では彼女もただでは済まないはずだ。そうなると彼女にメリットは無く、むしろデメリットだらけなのではなかろうか。レアリゼが両親の事を語っていた間はまだ素性を隠し合っていたし、何よりもあの表情は嘘だとは思えなかった。両親が好きなのは、多分本当の事なのだろう。
なら、取るべき行動はひとつだけだ。ここは一度別れ、拠点で彼女についての情報を集めるべきだ。と判断したエレナは、あえて体調不良や自傷行為、虫がいたと言っていたレアリゼの嘘をスルーして残り少なくなっていたココアを飲み干した。
「とりあえず、お店を出ましょう。レアリゼさん、虫なんかにあんな音立てて、周りの人達驚いていたわよ?」
>>185様
「そ、そうですね。確かに目立っちゃいましたし……そろそろ行きましょうか」
女性の提案はまさに渡りに船だった。先程は引っ掻くことによる痛みと、ハンカチに付着した血液のほんの少し漂う香りで音と臭いを軽減したが、所詮は一時凌ぎに過ぎない。このまま放っておけばいずれ音と臭いが強くなってしまうだろう。そうなればまた自傷行為で凌ぐしかなくなるし、それにあの音と臭いが邪魔したせいで、今日はもう女性との一時を純粋に楽しめるとは思えなかった。
オレンジジュースの残りを一気に飲み干して、音が立たないようにゆっくりとテーブルに置いてから立ち上がった。トートバッグの中がちゃんとあるかも確認して、今度は手で持つのではなく腕にかけた。一応血は拭ったとはいえ、万が一プレゼントを汚すことなどあってはならないから。
○名前 アナスターシャ・カルヴィシェフ
○年齢 不明
○性別 女性
○見た目 雪のように白い髪を無造作に伸ばした長髪にヘーゼルカラーの三白眼、髪の色に劣らないほど白い肌が特徴的な女性。 かなり端正な顔立ちの美人だがギザ歯で三白眼に加えて凄まじく多忙であることから寝不足&容姿に掛かってる暇がないため目の下に隈もあって悪人面な印象。
服装は、白色の女性用軍服(ソ連将校っぽい)に同じく軍服の厚手コートを袖を通すことなく羽織っている事が多い。帽子は士官制帽であり金の鷹のエンブレムが特徴的。
クツは黒いロングハイヒールブーツとなっている。軍服の上着には大量の勲章や徽章が付いているがこれも彼女の多忙&ズボラの結果取り外されてないだけである。
手には黒い革手袋を着けている。
髪留めを着用しており、全体的に硬派な印象を受ける彼女の服装のなかでは唯一光り輝く少しばかり豪華な雪の結晶を模したデザインをしている。
伸長は170cm 体型は軍服で隠れているもののかなり良い。
○性格 冷酷で残忍、しかししっかり筋の通った厳格な人物であり常識人ではある、優しさもあって犯罪者というわけではない。
常に疲れ果てている様子があるもののどこか威厳があり余裕を持っている印象を受ける。
普段は上記のように非常に冷酷な実行力と人を引っ張る厳格なカリスマを持った人物だが、気を許した一部の人物に対してや泥酔した場合のみ彼女の非常にズボラな性格が表出する。
気を許した相手に対しては確かに彼女は本来の姿を晒すものの基本所謂ツンデレ、泥酔した場合は普段の多忙を嘆いてめちゃくちゃに愚痴ったり介抱してくれた相手に甘えたりなど本人としてはとてつもなく恥ずかしい行動に出てしまうことも。(酔ってるときの記憶が残るタイプ)
○夢 【恵まれぬ人たちを守護し、腐敗した資産家や財閥を討ち滅ぼす力を持つこと】
○能力 【戦争(ザ・ウォー)】その名の通り彼女単身で小さな戦争を体現できる力。主に効果は二つあり、大量の銃火器を指定した陣形で召喚し斉射する事ができることが一つ。そして、銃火器との併用は不可かつ非常に消耗が激しいが凄まじい威力の斬撃を放つことが出来る。
銃火器に関してはアサルトライフル、ハンドガン、ショットガン、スナイパーライフルなどなどを纏めて召喚して、包囲射撃、縦列&横列一斉射撃などなど自由に展開可能となるが、全て一昔前の型である(AK47など)それに加えて、戦車砲や迫撃砲なども召喚できるが他の銃火器と併用できないのに加えて体力消耗が激しい(使いすぎると鼻血を出して気絶することになる)
斬撃は、スケールや威力を好きに変更できるが最大40mまでのリーチがある。しかしこの最大距離&最高威力の斬撃を使うと戦車砲召喚等と同様体力の消耗が著しい。
(技のイメージが付きづらいので似てるもので例を挙げるとブリーチのグレミィ・トゥミューが使う銃器での一斉掃射と呪術廻戦の両面宿儺が扱う『解』が近いと思います。分からないという方は調べていただくかロルを見てただければ頑張って表現いたします!)
○派閥 ユニコーン
○武器 『AK-47 KARASHNIKOV Future-MOD custom』と呼ばれるアサルトライフルを使う。銃器の威力自体にあまり変化はないがサイトにサーマル機能がついていたり近代化改修が施されている。
『MakarovPM Future-MOD custom』こちらも銃の威力に変化があまりないものの様々な観点で近代化改修が施されている。
上記の銃器に加えて、腰に差したコサックサーベルを駆使して戦う。
○背景 とある大国の元女性将校。軍部の中でも非常にタカ派寄りの武闘派軍閥所属であり労働者階級からの叩き上げとして腐敗した資本家や財閥を打ち崩して、貧困をなくそうと邁進することに力を注いだ女傑である。
しかし、そのとある大国が極北の厳寒に沈んだことで戦争犯罪人として裁かれ、市民からの支持で生存は出来たが貧困解放の為の戦いから一度離れることとなる。
しかし、彼女の信念は潰える事がなく軍事会社を立ち上げて次々と力をつけていき、現在では世界でも有数の軍事関係企業へと成長している。
しかし、彼女の意思によってどれだけ成長しようとも不正を行わず、世界中の貧困地域への様々な支援を行って独立運動や復興支援を成功させていたりする。
そんな彼女も、自らの夢を叶えるためにロイヤル・クローバーに本社を移して箱の奪取闘争にその身をおいていると同時、キメラ、グリフォンと対峙するためにユニコーンへの全面支援&自ら構成員として身をおいている。
○その他 根は優しく非常に慈悲深い彼女だが、夢を叶える為の方法を戦い所謂『戦争』しか知らないことを嘆くことがあるなど本来あまり戦闘は好まない。ユニコーンの資金&武装の供給源としての活躍も行っているが、その裏で戦略立案の天賦の才を活用してビジネス的な面からも様々な戦いを行っている(武力を扱うこと無く戦いを終わらせたいと密かに思っている彼女なりのやり方とも取れる)
しかし、能力の発現の仕方を見ると分かる通り彼女と『戦争』は切っても切り離せない関係にあるといえる。
ユニコーンでは、本人の戦闘能力も相まって直接戦闘要員かつ戦略立案&戦闘指南役として彼女自身が前線で活躍することも非常に多い。
凄まじく仕事人でもあるため多忙に多忙を重ねた生活を行っている、そのため寝不足で自分の時間もなかなかない。そんな中で最も好んで行っている趣味として晩酌がある(彼女自身は非常に酒に強い)
(/作りました! 非常に思想が強そうなキャラですが以外とツンデレな感じの人です。なんか性癖が詰まった感じですがよろしくお願いします! 因みに夢自体は負の感情が根本ではないのでシャドウではないです)
○名前 アナスターシャ・カルヴィシェフ
○年齢 不明
○性別 女性
○見た目 雪のように白い髪を無造作に伸ばした長髪にヘーゼルカラーの三白眼、髪の色に劣らないほど白い肌が特徴的な女性。 かなり端正な顔立ちの美人だがギザ歯で三白眼に加えて凄まじく多忙であることから寝不足&容姿に掛かってる暇がないため目の下に隈もあって悪人面な印象。
服装は、白色の女性用軍服(ソ連将校っぽい)に同じく軍服の厚手コートを袖を通すことなく羽織っている事が多い。帽子は士官制帽であり金の鷹のエンブレムが特徴的。
クツは黒いロングハイヒールブーツとなっている。軍服の上着には大量の勲章や徽章が付いているがこれも彼女の多忙&ズボラの結果取り外されてないだけである。
手には黒い革手袋を着けている。
髪留めを着用しており、全体的に硬派な印象を受ける彼女の服装のなかでは唯一光り輝く少しばかり豪華な雪の結晶を模したデザインをしている。
伸長は170cm 体型は軍服で隠れているもののかなり良い。
左腕と両足は義肢となっているが非常に精巧な作りで生身と同じような見た目をしている。
○性格 冷酷で残忍、しかししっかり筋の通った厳格な人物であり常識人ではある、優しさもあって犯罪者というわけではない。
常に疲れ果てている様子があるもののどこか威厳があり余裕を持っている印象を受ける。
普段は上記のように非常に冷酷な実行力と人を引っ張る厳格なカリスマを持った人物だが、気を許した一部の人物に対してや泥酔した場合のみ彼女の非常にズボラな性格が表出する。
気を許した相手に対しては確かに彼女は本来の姿を晒すものの基本所謂ツンデレ、泥酔した場合は普段の多忙を嘆いてめちゃくちゃに愚痴ったり介抱してくれた相手に甘えたりなど本人としてはとてつもなく恥ずかしい行動に出てしまうことも。(酔ってるときの記憶が残るタイプ)
偶にストレスで気持ちが大爆発することがあるらしいとかなんとか。
○夢 【恵まれぬ人たちを守護し、腐敗した資産家や財閥を討ち滅ぼす力を持つこと】
○能力 【戦争(ザ・ウォー)】その名の通り彼女単身で小さな戦争を体現できる力。主に効果は二つあり、大量の銃火器を指定した陣形で召喚し斉射する事ができることが一つ。そして、銃火器との併用は不可かつ非常に消耗が激しいが凄まじい威力の斬撃を放つことが出来る。
銃火器に関してはアサルトライフル、ハンドガン、ショットガン、スナイパーライフルなどなどを纏めて召喚して、包囲射撃、縦列&横列一斉射撃などなど自由に展開可能となるが、全て一昔前の型である(AK47など)それに加えて、戦車砲や迫撃砲なども召喚できるが他の銃火器と併用できないのに加えて体力消耗が激しい(使いすぎると鼻血を出して気絶することになる)
斬撃は、スケールや威力を好きに変更できるが最大40mまでのリーチがある。しかしこの最大距離&最高威力の斬撃を使うと戦車砲召喚等と同様体力の消耗が著しい。
(技のイメージが付きづらいので似てるもので例を挙げるとブリーチのグレミィ・トゥミューが使う銃器での一斉掃射と呪術廻戦の両面宿儺が扱う『解』が近いと思います。分からないという方は調べていただくかロルを見てただければ頑張って表現いたします!)
○派閥 ユニコーン
○武器 『AK-47 KARASHNIKOV Future-MOD custom』と呼ばれるアサルトライフルを使う。銃器の威力自体にあまり変化はないがサイトにサーマル機能がついていたり近代化改修が施されている。
『MakarovPM Future-MOD custom』こちらも銃の威力に変化があまりないものの様々な観点で近代化改修が施されている。
上記の銃器に加えて、腰に差したコサックサーベルを駆使して戦う。
○背景 とある大国の元女性将校。軍部の中でも非常にタカ派寄りの武闘派軍閥所属であり労働者階級からの叩き上げとして腐敗した資本家や財閥を打ち崩して、貧困をなくそうと邁進することに力を注いだ女傑である。
しかし、そのとある大国が極北の厳寒に沈んだことで戦争犯罪人として裁かれ、市民からの支持で生存は出来たが貧困解放の為の戦いから一度離れることとなる。
しかし、彼女の信念は潰える事がなく軍事会社を立ち上げて次々と力をつけていき、現在では世界でも有数の軍事関係企業へと成長している。
しかし、彼女の意思によってどれだけ成長しようとも不正を行わず、世界中の貧困地域への様々な支援を行って独立運動や復興支援を成功させていたりする。
そんな彼女も、自らの夢を叶えるためにロイヤル・クローバーに本社を移して箱の奪取闘争にその身をおいていると同時、キメラ、グリフォンと対峙するためにユニコーンへの全面支援&自ら構成員として身をおいている。
左腕と両足については紛争地帯の和平独立運動中に爆破テロに巻き込まれて失っていたりする。
○その他 根は優しく非常に慈悲深い彼女だが、夢を叶える為の方法を戦い所謂『戦争』しか知らないことを嘆くことがあるなど本来あまり戦闘は好まない。ユニコーンの資金&武装の供給源としての活躍も行っているが、その裏で戦略立案の天賦の才を活用してビジネス的な面からも様々な戦いを行っている(武力を扱うこと無く戦いを終わらせたいと密かに思っている彼女なりのやり方とも取れる)
しかし、能力の発現の仕方を見ると分かる通り彼女と『戦争』は切っても切り離せない関係にあるといえる。
ユニコーンでは、本人の戦闘能力も相まって直接戦闘要員かつ戦略立案&戦闘指南役として彼女自身が前線で活躍することも非常に多い。
凄まじく仕事人でもあるため多忙に多忙を重ねた生活を行っている、そのため寝不足で自分の時間もなかなかない。そんな中で最も好んで行っている趣味として晩酌がある(彼女自身は非常に酒に強い)
SV 「アナスターシャ・カルヴィシェフだ、以後よろしく頼む」
「……どれだけ崇高な使命を持とうとも、私は所詮戦争屋だ……優しさなんて持ち得ないのだよ」
「仕事に次ぐ仕事……多すぎでしょっ!! もう今日は寝るッッ!!!」(←感情爆発の時)
(/入れたかった項目を入れ忘れてたので追加して再投稿を)
>>188 レアリゼ様
「えぇ、私たちは…、目立ちすぎたわ」
小声でレアリゼの言葉をゆっくりと繰り返し、そのまま店の入り口に向かって歩き始める。その言葉には純粋にレアリゼの行動が周囲の注意を引いていた意味も込められていたが、お互いに晒すべきでは無い相手に素性を晒しすぎた、との意味も同時に込められていた。最後の希望も込めて後で調べることにはするが、彼女は間違いなく黒だ。どんな事情が絡んでいるかは分からないが、人前での自傷行為が我慢できないなんて完全にまともでは無い。急に机を叩いたのも謎だ。そしてそれらの異様な行為とは裏腹にあの家族愛。それもここまで来れば一周回ってやや不気味にすら感じられた。
支払いは先に済ませていたため、レジをスルーしてひと足先に店を出たエレナは、レアリゼを待ちながらぼそりとひとり言をつぶやく。周囲の喧騒もあるため、このひとり言はレアリゼには届かないだろう。
「…レアリゼさん、あなたは一体何者なの?」
>>190 アナスターシャ様
(/ギャップが最高な住人の提供ありがとうございます!
ド派手な能力での戦闘が大変楽しみでございます!
キャラシート拝見しましたが、問題ございませんのでよろしくお願いいたします!
ここ1週間程の状況としましては、
「ティオ、レアリゼ様、ニーナ様、アザレア様が夜の路地裏にて交戦、会話中(アザレア様の体調不良につき動きが止まっております)」
「ニーナ様、アデル様が公園にて会話中」
「エレナ、レアリゼ様がデパートにて会話中」
直近で活発なのはこの辺りでしょうか。
絡みや質問等いつでもご連絡ください!)
>>191様
今日という日を後に振り返った時、きっと自分は“半分は良く、もう半分は悪かった”と答えるだろう。良かったと思える点は、まず久し振りの休日。次にお目当てのプレゼントを買えたこと。そして、偶然会っただけの自分に優しくしてくれた彼女に会えたことである。彼女と一緒にこのデパートを歩き、プレゼントを買った時間は楽しかったし、良い思い出になるだろう。反対に悪かった点は、彼女がユニコーンの一員だったことだ。ユニコーンといえば当然キメラの敵、仲良くなれた彼女と接敵する可能性があるというだけで気が滅入る。更に人目が多い場所なのに衝動を抑えきれなかったのも良くなかった。現に先程は誤魔化せたとはいえ目立ってしまったし、これでは自分がおかしな人間だと主張しているようなものである。今回のように音と臭いが強くなった時の対策を考えなければならないだろう。
頭の中で今日の出来事を思い起こしながら、小走りで女性のもとへ向かった。女性の独り言は、喧騒に?き消され聞こえなかった。
「お待たせしました。じゃあ、帰りましょうか」
>>162おばあさん
「ほんと!?じゃあ明日同じ時間にこの公園でも大丈夫かな、おばあさん」
老女の素性など知る由もなく純粋に相手の言葉を鵜呑みにする。きっと簡単に詐欺にでも遭いそうなぐらいに。そして初対面である自分を気遣ってくれる老女の言葉にパチクリと目を瞬かせてから、クスクスと声に出して笑った。互いに自己紹介もしていない知り合いというには些か語弊がある関係性であるにもかかわらず、優しく接してくる老女。悪い人ではないとは分かってはいたが、その直感はやはり間違いではなかったのだと確信する。
「ありがとう、おばあさん。ここロイヤル・クローバーで発現者に優しい発現者さんは少ないからニナ、発現者の皆優しくなればいいなって思うよ。三つの組織の人達はそれぞれ悪い人じゃないの。でも争っちゃう。ニナはそれが一番悲しくて辛いかなぁ」
ニッコリと笑顔で返しながらも、最後は少しため息混じりに苦笑いして言った。
>>主様、皆様
(/遅くなってしまい申し訳ありません!年末にかけてやや多忙気味になっていまして中々顔が出せませんでした。)
>>193 レアリゼ様
「そうね、早くプレゼントをご両親に届けた方がいいわ。…あと申し訳ないのだけれども、私はまだ少し用事が残っているからここでお開きにしましょう。出口とは逆方向なのよ」
小走りで追いついたレアリゼに、残念そうな表情で答えたエレナ。事実、残念なのは本心だし、出口とは逆方向に買い出しの目的の店があるのも本当だ。だが、何よりも一刻も早くプレゼントを親に渡してもらいたいと心から思っているのが今すぐにここを離れたい1番の原因である。彼女と一緒にいると、キメラなのかそうでないのか見分けることばかりに気を取られて楽しいおしゃべりどころでは無くなるし、尋問しようにも戦おうにも「大好きな親へのプレゼント」なんてものがそばにあるとエレナの気が滅入ってしまう。
そして手を振って別れを告げようとしたが、最後にレアリゼが本当にただ素直なだけの少女だった場合を信じて言葉を付け加える。
「来月の今日、今と同じ時間にさっきの喫茶店に来るわ。その時に会えたらまた、お話ししましょう。…その後は私の買い物にでも付き合ってもらうわ」
本当は、次彼女の姿を見る時には狙撃銃の照準の向こう側であることは心の奥底では分かりきっているのだが、エレナは信じたくなかったのかもしれない。家族が大好きなキメラ、という存在を。
>>195様
「ああ大丈夫さ。明日、この公園でこの時間。ちゃんと覚えたよ」
ささやかな約束ではあるが、ちゃんと守らねばなるまい。せっかくこの子が楽しみにしてくれているのだ。先の通り、約束を違えてこの子を悲しませるのは自分の望むところではない。
「そうだねえ……アンタの言うとおり、皆仲良くできればいいんだがね。悲しいことだが、中々そう都合よくはいかないものさ」
この子はグリフォンやキメラを“悪い人たちじゃない”と言った。だが自分には全くそうは思えなかった。他人を、何の罪もない子供を平気で傷つけられるキメラは論外であるし、治安維持組織であるグリフォンも所詮は己の私欲の為に活動しているだけで善性などありはしないだろう。だから我々ユニコーンのような純然たる正義を持つ組織が必要なのだ。不純な者共と仲良くできる道理などありはしない。
そう胸中で考えていたが、無論そんなことをこの子の前で言える訳がないので、同じように苦笑いして同調した意見を述べた。
(/私は全然大丈夫ですよ!リアルが一番大事ですから!)
>>196様
「そうなんですね……分かりました。名残惜しいですが、ここでお別れですね。今日は色々ありがとうございました。楽しかったです、とっても」
名残惜しいのも、楽しかったのも、全部心からの言葉だ。今日という日はとても楽しくて、素敵な時間で、きっと良い思い出になるだろうと思っている。だからこそ、明日から彼女とどこかで敵同士として相対するかもしれない事が辛い。敵として会ってしまえばもう斃すしかなくなってしまうだろうし、戦闘で昂ってしまった自分の心は、こんなに優しい彼女を“音と臭いを消すための道具”としてその他有象無象と同列に扱ってしまうだろうから。
そのまま手を振って去ろうとしたが、彼女の言葉を聞いてその場で立ち尽くした。こんなに、こんなに心が揺さぶられたのは随分久し振りだ。今日の関係はこのまま終わって、元に戻ることなど無いと思っていたのに。また今日のように彼女と仲良くできるかもしれないなんて、なんと嬉しいことだろうか。今日は自己紹介程度で終わったが、次はお互いに何が好きとか、得意なこととか、面白かったこととか、色んな事を話し合いたい。連絡先も交換して、SNSとかで話してみたい。喫茶店で一息つくだけじゃなくて、一緒にご飯も食べてみたい。そんな欲望が一気に噴き出してきた。所詮幻想で叶うことはないかもしれないが、楽しい夢が見れて可能性が生まれただけでも十分だ。最後にこんな嬉しいことを言ってくれた女性に心の中で感謝し、とびきりの笑顔で返事を返した。
「──はい!また一緒にお話しましょう!」
>>198 レアリゼ様
そのまま立ち去ろうとしたが、レアリゼの言葉に一瞬足を止めかける。だがそれも一瞬のことで、またすぐに歩き始めながら、後ろ手を振って彼女の言葉に答える。しかしレアリゼから見れば後ろを向いているため彼女には見えないだろうが、エレナの表情は暗い。買い出しを頼まれただけなのに、厄介な事になってしまった。彼女はキメラである可能性が限りなく高いが、1%でもキメラと関係のない人物である可能性が残っている以上、むやみやたらに狙撃はできないし、何よりもここまで肩入れしてしまってはまた別の意味で引き金を引けなくなるかもしれないのだ。
覚悟を決めるために、そしてわずかに残った可能性に賭けるために、エレナは携帯端末で仲間に向けて情報を集めてもらうよう連絡する。キーワードは17、18ぐらいの少女の発現者。そして自傷行為がトリガーとなる能力について。
「…頼むわよ」
口からこぼれ出たその言葉が一体誰に向けてのものなのか、もはやエレナ自身にもよく分かっていない。楽しさと後悔と驚き、そして悲しみ。それらの感情がぐちゃぐちゃに混ざった状態でエレナはその日の残りを過ごすこととなった。
(/レアリゼ様、もしよろしければでいいのですが、この後時間を進めて戦闘はいかがでしょうか…? )
(/ニーナ様、リアル優先で大丈夫ですよ! ゆったり楽しんで頂きたいので!)
>>200 レアリゼ様
(/レアリゼ様が暴れている所に合流、という形でもよろしいでしょうか?
どれぐらい時間を飛ばすかはお任せいたします!)
>>201様
(/大丈夫ですよ!では先に絡み文の方置いておきますね!時間は約束の日の一日前でお願いします!)
時刻は丁度日が落ちた頃。場所は南エリアの端に位置する、空き店舗となった商業施設内。人も寄り付かず、内装もがらんどうになって久しい。本来なら誰もいないはずの店内にふたつの人影があった。
「じゃあ、さようなら。楽しかったですよ」
回転鋸を振り下ろし、目の前に満身創痍で座り込んでいた人の頭をかち割った。
今回の依頼はグリフォンの排除。極力目立たないようにするためにわざわざここまでグリフォンを誘導し、そして依頼通り排除した訳である。このグリフォンは実に扱いやすかった。弱いキメラが逃げるフリをすればすぐ引っ掛かってくれたし、良い声で悲鳴も上げてくれた。できればもっと長く傷付け合いたかったが、そうもいかなかった。だって明日は
「エレナさんとの約束の日……」
彼女と会える日なのだ。敵同士として会ってしまえばもう元通りになれないと分かっていたから、あの日の後はかなり注意を払った。依頼は隠密系のものを多く選択し、傷付け合いたい衝動に抗って戦闘を早めに切り上げてきた。そうした努力を続けてきたからか、ついに彼女と敵として会うことなくこの日まで漕ぎ着けることができた。先程さっさと止めを刺したのも、リスク回避に加え明日に備えて早く帰りたいという理由からだった。あまり遅くまで起きていると、明日の体調に支障をきたすだろうから。
「楽しみだなぁ。何を話そうかな。今度は一緒にご飯食べれるかな」
頬に手を当て、恍惚の表情を浮かべる。その顔だけなら年相応の少女の姿だが、胸に抱いた回転鋸、周囲に飛び散った血液、濃厚な血液の匂い、そして頭を割られた死体という光景と合わさればその笑顔はむしろ不気味なものだった。
(/どう絡んだら良いかちょっと考えたんですが、いい感じのが思いつかなかったので行き当たりばったりで行きます() 絡み文出しときますね―)
>all(北エリア)
「…………人口の雪……ね」
北エリアの閑散とした場所の一角。雪が降り積もり一面銀世界といった景色を眺めながら、暖かな光を灯した小さな喫茶店の中でゆっくり休息を取る女性が一人。
喫茶店は東欧と北欧文化が入り混じった調度品が目立つ穏やかな雰囲気で、疎らに客はいるものの全員が一人客で会話はない。しかし気まずい静寂というよりはとてもリラックスできる静けさといった印象を受けるだろう。
「中々いけるわね……これ」
穏やかな時間が流れる店内の片隅、窓際のテーブル席に一人座ってカンポット(ロシアの果実水みたいなもの)を飲んで外を眺める女性。白い髪に白い肌、西洋人特有のヘーゼルカラーの瞳、そして端正な顔立ちのその女は非常に店内の雰囲気にマッチしてるように見えてそうでもなく、最低限の手入れしかしていないのか無造作に伸ばされた髪に寝不足なのかかなり深い隈、そして三白眼に鋭い歯ととても悪人面なのである。
しかも、そのかなり近づき難い雰囲気に拍車を掛けるように女の格好はどこかの軍将校といった格好なのだ。一般人が見ればコスプレかと見紛うだろうが、胸に着けられている大量の徽章は紛れもなく本物であり、彼女のどこか貫禄ある雰囲気も相まって店内では浮いた印象になっている。
そんな彼女は、手に持った質素なグラスに注がれた琥珀色の果実水を一口飲むと意外そうに呟く。
「来てよかったわね、いい思い出になる。 半年ぶりの午後丸々休みだからと思って来てみたけど……正解だったみたいね」
外は猛吹雪に見舞われてとても外出ができそうにない。そんな景色に店員や他の客はこれからどうしようかと少しブルーな表情を浮かべている。しかし、ただ一人軍服の女はたちまち何もかもを凍りつかせそうな吹雪を眺めて何かを懐かしむように微笑んでいる。
(/戦闘でも会話でもなんでも大丈夫です! 久々のなりきりなので文がめちゃくちゃかもですがよろしくお願いします。)
>>202 レアリゼ様
(/絡み文ありがとうございます!絡みに行かせていただきますので、 引き続きよろしくお願いします!)
「やっぱり…、そうだったのね」
薄暗い商業施設の入り口から少しだけ顔を出し、血まみれの少女、レアリゼの姿を観察しながらエレナは残念そうに呟いた。付近の監視カメラに彼女の姿と思わしき少女の姿が数秒間だけ映り込んだと仲間から連絡が入って駆けつけ、何者かが交戦する音を聞いてボロボロになった施設に入ってみたらこれだ。やはり、レアリゼはキメラだった。何やら嬉しそうにひとり言を呟いているようだが、残念ながらその内容はエレナには聞き取れなかった。
ゆっくりと深呼吸して息を整え、エレナは入り口に半身を出して小型化された狙撃銃で狙いをつける。見た目は大きめの拳銃程度で弾倉には1発しか入っていないが、威力は折り紙付きの代物である。施設の中は薄暗く、大型の狙撃銃を扱うならば暗視スコープを付けたいところだが、エレナの目を持ってすればそんなものは必要ない。
短く息を吐き、一気に引き金を引いた。拳銃のような見た目からは想像も付かない発射音が轟き、建物内で反響して騒音を撒き散らし、反動でエレナの腕が跳ね上がった。しかし、弾は少女の頭部をわずかに避け、施設の壁に当たって穴を開けた。
「外した…! それとも…っ!」
当たらなかった。いや、当てなかったのか。だが今はそれを考えている場合ではない。エレナはキャスケット帽を目深に被り直し、サバイバルナイフを鞘から抜いて一気にレアリゼの目の前にまで距離を詰め、話しかける。
「…もう、ご両親にプレゼントは渡せたのかしら」
>>203 アナスターシャ様
(/絡み分の投下ありがとうございます!
私のもうひとりのキャラクター、ティオで絡みに向かわせていただいてもよろしいでしょうか…?)
>>204様
(/こちらこそよろしくお願いします!)
響く銃声、そして頭の近くを銃弾が掠める感覚。確実に自分に向けられた攻撃であることを理解し、瞬時に思考を戦闘へ引き戻した。銃弾が放たれたと思われる方向へ振り向くと、そこには目元を帽子で隠し、手元にナイフと思しき鋭い光を放つ武器を持った人間がこちらに突貫してくる姿があった。近接戦を挑むつもりか、と回転鋸を構え直す。リーチはこちらの方が上、武器の破壊力もおそらくこちらの方が上。襲撃者には悪いが、今日は早く帰りたい日なので一撃で決着を着けよう。そう思って回転鋸のスイッチを起動させようとしたが、襲撃者から発せられた声を聞いて、思わず固まった。その声は、明日あの喫茶店で会うはずだった、あのエレナさんだったのだ。
一瞬驚愕の表情を浮かべたが、それはすぐに微笑みへと変化した。スイッチに添えた手を離し、まるで迫る刃を受け入れるかのように、構えを解いて両手を少し広げた。
「はい、おかげさまで」
>>203 アナスターシャ様
(/よろしくお願いいたします!)
「さっっっっむ!」
静かな喫茶店の扉のベルを騒々しく鳴らしながらひとりの青年が勢いよく入店する。名前はティオ。暗めの青色に塗装されたライトアーマーと左腕に装着している赤色の盾が特徴的で、まるでゲームに出てくる勇者のような印象を受ける。しかし長時間吹雪の中を彷徨っていたのか、鎧も盾も雪が大量に付着しており、暖かい店内の空気に当てられた雪が溶けてポタポタと水滴を垂らし始めている。
「くそっ…、んなところにキメラがいるわけねぇってんだろ…」
ぶつぶつと愚痴をこぼしながら、すっかり冷え切ったライトアーマーを乱暴に脱いで脇に抱え、店内をぐるりと見渡す。キメラの隠れ家がこの辺りにあると聞いて探し回っていたティオだが、どう見ても普通の喫茶店だ。どうやらここもハズレらしい。がっかりした様子のティオはチラリと窓に目をやるが、この吹雪の中をまた練り歩く気にもなれずに仕方なく席に座ろうと再び店内を見回す。
すると軍服に身を包んだ女性が目に入った。見覚えがないためグリフォンではないだろう彼女だが、何かキメラに関する手掛かりが得れるかと思い、注文を取ろうとする店員を無視してズカズカと休息を取る女性の前まで歩いていく。そして女性の目の前に腰を下ろして話しかける。
「なぁ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
>>207 レアリゼ様
「そう。…それは良かったわ」
エレナの姿を見て笑みを浮かべたレアリゼだったが、状況が状況なだけにエレナは微笑みを返すことはできなかった。代わりにレアリゼの言葉に答えながら、左手に持った銃の側面のレバーを引く。空になった薬莢が飛び出して床に転がり、エレナはポーチから素早く新しい弾薬を取り出して薬莢が飛び出てきた排出口兼装填口に入れ、レバーを再び操作して装填を完了させる。この間約5秒。装填に時間を取られる事がバレてしまったが、次引き金を引けばどうせ終わりだと判断したのだ。
そしてレアリゼに銃口を向け、地面に転がる人間「だったもの」をに目をやる。どう見ても仕方なく殺したとか不可抗力だったとか、そんな様子ではない。信じられないが、恐らくレアリゼはこの人間を殺す事を楽しんでいたのだろう。
「…この感じだと、私はあなたをキメラだと判断しないといけないみたいなのだけれども、異論はあるかしら」
>>209様
「異論……そんなのありませんよ。エレナさんの言う通り、私はキメラです」
銃を突き付けられても笑みを崩すこと無く、胸に手を当ててその言葉を肯定した。ふふふ、と笑いながら、女性と銃を見つめる。
今し方実演してくれた通り、あの銃は1発毎に装填し直す必要があり尚且つ再装填にも時間がかかる。しかしその不便さと引き換えに、先程撃たれた時の轟音から威力は非常に高いようだ。もし命中すれば腕や足など簡単に吹き飛ぶし、体には大きな風穴を開けられてしまうだろう。回転鋸を強く握り締める。なんて、なんて良い攻撃なのだろうか。自分の体が手酷く破壊されるかもしれないのは久し振りである。私はどんな悲鳴を出すのだろう、私はどんな風に血を噴き出すのだろう。楽しみだ。だけど、彼女に撃たれないで済むならそれが一番良い。
「そうだ、聞いてください。私、いつもはもっと長く傷付け合ってるんですよ。出来るだけ長く悲鳴を聞いていたいから、ずっと血の匂いを味わいたいから。でも今日は早めに切り上げたんです。どうしてか分かりますか?」
回転鋸の先端で、血の海に沈んだ死体を示す。その死体は全身に切り傷を作り、手の指や足の指といった末端部分は幾つか切断されていた。どうみても痛め付けるだけに行っていることが分かる酷さだったが、まだ人としての原型が保たれたまま殺されているので、これが“早めに切り上げた”ということなのだろう。
「理由は、明日がエレナさんとの約束の日だからです。夜更かしは体に良くありませんからね。だから早く終わらせて帰ろうと思ったのですが……まさかこんなところでエレナさんに会ってしまうなんて思いもしませんでしたよ。けど……」
空いた手を差し伸べるように広げる。その手には、飛び散った返り血がいくつか付着していた。
「今日はお互いに会うことは無かった。そういう事にしませんか?私、ずっと明日を楽しみにしてたんです。エレナさんともう一度お話がしたかったから、お買い物に付き合いたかったから。だから、それがこんな形で潰えてしまうなんて、悲しいです」
>>210 レアリゼ様
「悲鳴を聞いていたい…? 夜更かし…?」
本当は否定して欲しかった。否定してくれたら彼女の言う通り明日また友人としてお喋りを楽しめたかもしれないから。しかし現実は残酷で、レアリゼは真正面から正体を公表し、血に塗れた手を差し伸べてきている。それを見て銃を構えるエレナの手がふるふると震え、銃身がカタカタと小さく音を立てる。
「そんな事、言わないでよ……!」
キメラならキメラらしく根っこからの快楽殺人鬼であって欲しかった。殺しが楽しいのであれば、エレナにもその狂った殺意を見せつけて欲しかった。そうであればエレナは迷う事なく引き金を引き、ただのひとりのキメラとして正義を執行できていただろう。だがエレナの前には、キメラとしてのレアリゼだけでなく、初めての友人としてのレアリゼが立っているのだ。本当は殺したくない。今すぐに銃口を下ろして無かったことにして明日を待ちたい。そんな思いは山々なのに、喜んで人の命を奪う危険因子は何があっても放っておけない。少しの間沈黙が流れ、エレナは小声で呟いた。
「…ごめんなさい、私も明日が待ち遠しかった。…でも、それはあなたが人を殺さなくなってからで良いかしら」
再びエレナは引き金を引く。狙いはレアリゼの右肩。エレナの技術ならばこのままレアリゼが動かなければ右肩に着弾し、武器を振るえなくなるかもしれない。人を殺す能力を失えば、レアリゼは無害になる。無害になれば殺す理由は無くなる。それがレアリゼが考えた苦肉の策だった。
>>211様
「エレナさん……」
銃を持つ手を震わせる彼女の姿を見て、悲しそうに眉を下げた。自分は人を傷付けられる人間だ。いつまでも付きまとう音と臭いを消す為なら何でもする最低の人間だ。でも今更生き方を変えることなんてできない。自分を鎮めてくれるのは、血と悲鳴だけだから。
しばしの沈黙の後、女性から発せられた言葉を聞いて悲しく笑った。交渉はおそらく失敗した。だけど、彼女も楽しみにしてくれていた、その事実が知れただけで十分だ。しかし最後に気になる言葉を付け加えていた。自分が人を殺さなくなったら。それは一体どういう意味だろうかと問いかけようとして──瞬間、轟音と共に視界が明滅した。
至近距離から放たれた弾丸は右肩を穿ち、その高い威力を、右腕を千切れさせるという結果を持って証明した。着弾の反動により血飛沫を撒き散らしながらまるで踊るように数回回転し、片膝を着いて停止した。驚愕の表情で、ゆっくりと視線を自分の右下に落とし、右腕が無くなっている事を黙視すると、悲鳴とも笑い声ともつかない叫び声を上げた。
「──っっっああああぁぁああぁハハハハハハハハッッッ!!!!!」
とても、素晴らしい。私がこんなに叫んだのはいつぶりだろう。こんなに重傷を負ったのはいつぶりだろう。私が叫んだ感覚が耳に残り、撒き散らされた濃厚な血の匂いが鼻から喉へ抜けていく。これだ。これこそが私の求めていたもの。煩い羽音、臭い匂いを唯一かき消せるもの。悲鳴と血。素晴らしい。もっと欲しい。エレナさんと傷付け合いたい。
最早正常に思考する頭脳は無くなっていた。そこにあるのは、ただ己の欲求のみ。
「こんなに強い攻撃は久し振りです!悲鳴が響き血飛沫が飛ぶ、なんて素敵なことでしょう!エレナさんもそう思いますよね!ねぇっっ!!」
残った左手で、スカートに隠すようにして装着したホルダーから拳銃を抜き、狙いも付けずに前方へ4発ほど発砲する。
(/よろしくお願いしまーす!)
>208 ティオさん
「……何の用?」
白一色に染まる厳寒の外の景色から目を離さないものの、先程までの何かを懐かしむ微笑みを消している。そして、横目で目の前に座ったティオを見ながら、相手の明らかに吹雪の中を歩くのに適していない格好を見て呆れたような声で相手の目的を尋ねる。
>>197おばあさん
「うん、約束ね!」
待ち合わせに了承してくれた老女に嬉しそうに笑うと小指を立てて差し出した。指切りの合図だ。
「諦めたらそこで終わっちゃうよ……」
都合よくいかない。その言葉に眉尻を下げて呟く。たしかに主張が相反する者同士が歩み寄ることは限りなくゼロに近いだろう。しかしそれを仕方ないという一言で済ませたら、これから先の未来がハッピーになれるとは思わない。それを口にすることは老女の言葉を否定してしまう気がして、これ以上何も言えなくなって口を引き結んだ。数十秒ほどそうしていたが、何かを思い出したように顔を上げる。
「あ、ニナ自己紹介してない!ニナはニーナ・グラス。おばあさんはなんていう名前なの?」
(/ありがとうございます。そう言ってくださると助かります。
あ、アデルさんはニーナがイアンの妹というのは知っている感じですか?名前だけでも。)
>>199主様
(/優しいお言葉痛み入ります。ありがとうございます。度々浮上が低くなるかもしれませんが、よろしくお願いいたします)
>>212 レアリゼ様
銃撃の轟音が鳴り響き、鮮血が一滴エレナの頬にも飛び散ってきた。それから一拍置いてからレアリゼが絶叫する。その声を聞いて思わずエレナは眉をひそめた。ただ知らないキメラが相手であれば無表情でトドメを刺しに行くのだが、知人が相手なだけで普段は湧かないはずの罪悪感がエレナの脳内にじわりと広がった。だが、レアリゼの言葉を頭で理解した途端に広がっていた罪悪感は困惑に置き換わった。そのせいで本来見逃さないはずの相手の動きから一瞬注意が離れ、レアリゼが拳銃を取り出す仕草に気付くのが一瞬だけ遅れた。
「拳銃!?……ぅっ!!」
どれだけ目が良くても、運動能力はただの人間。拳銃に気付いた時点でとっさに体を捻ったが、不運にもエレナの下半身目掛けて飛んできた弾丸を避けることはできなかった。弾はエレナの左脚に命中し、声にならない呻き声と共に思わず膝をつきそうになるのをぐっと堪えた。
「残念だけど、私はこれを素敵だとは思えないわ」
痛みに耐えながらレアリゼに話しかけ、傷口を銃を持った左手の甲で押さえる。なんとか動けるが、出血が酷そうだ。長期戦は避けるべきだろう。そこまで判断して自分が冷静さを保てている事を悟って一安心する。それに対して、とレアリゼを見る。あれは一体なんなんだろうか。パニックになっているだけには見えない。もしかするとあれがレアリゼの本性なのだろうか。
撃たれた弾数は4発。4発しか装填できない拳銃は珍しい。恐らくまだ弾は残っていると判断し、残りの銃撃に備えて素早く近くの柱の裏側に移動し、柱に背中を預けてレアリゼの豹変を分析するために会話を試みる。
「次は左腕を狙うわ。投降するなら今しかないわよ!」
>>213 アナスターシャ様
「この辺りにキメラが潜んでるらしいんだ。何か知らないか?」
一応会話はしてくれる女性に質問を投げかける。どうやら歓迎はされていないらしい。急に断りもなく相席しているのだから至極当然である。「あの…」と小声で声をかけてきた店員になんでもいいから温かいものを持ってきてくれ、と頼んでから抱えていたライトアーマーを床に置く。そして改めて女性の顔をまじまじと眺め、不思議そうな表情を浮かべながらあまりにも失礼な内容の言葉を放つ。
「もしかしてアンタがそのキメラか?…ほら、なんか悪そうな顔してるし」
>216 ティオさん
「……キメラね、残念だけどアンタの言うようなイカれた連中のことは知らない」
鋭い目つきのために悪人面ではあるが、どちらかといえば疲れ切った社会人みたいな顔をしている彼女は、突然失礼なことを言ったティオに対して少しイラッとしたのか不機嫌そうな態度で答える。
「情報提供できなくて悪いわね……というか、『グリフォン』ですら足で稼いで探すの? そういう情報とか共有されてないのかしら」
終始窓を眺めていた彼女であったが、窓から目を離すと深く席に腰掛けて足と手を組んでリラックスできる体勢になる。そして、めぼしい情報を渡せなかったことを適当に詫つつ突然相手のことを『グリフォン』だと知っているかのような発言をし始める。
(/そういえば、アナスターシャのSVと普段の喋り方に差があるのは、仕事の時は硬い喋り方。オフの時は普通の砕け目な喋り方になるからです)
>>214様
(名前と存在は知っていたけど姿は知らなかったという感じでお願いします!)
「ああ、約束さ」
差し出された小指に、自分の小指を絡めて指切りする。こうして指切りで約束事をするのはいつぶりだろうか。かつて教会で子供達と過ごした時を思い出して、哀愁に浸った。
「それは、そうなんだがね……」
諦めればそこで終わる、とこの子は言う。しかし自分にはもう希望を持つことなどできなかった。あんな風に子供達を殺されてしまい、それに心も痛めない者達の姿を見てしまっては、組織としてはもう信用することが出来なくなっていた。
気まずい空気が流れる。こんな暗い空気にするつもりはなかった。しばしの沈黙の後、空気を変えるために手品でも行おうとするが、思い出したかのように顔を上げるこの子の姿を見て一度中断した。その口から語られた自己紹介を聞いて、ほうと驚きの声を上げる。ニーナ・グラス。その名はユニコーンのメンバー、イアンの溺愛している妹の名前だった。その溺愛ぶりは尋常ではなく、行動原理の全てが妹に集約されるほどだ。しかし裏を返せばそれほどまでに妹の事を想っているということ。たった一人に向けられたものとはいえ、家族愛は貴ぶべきものだ。お互いに報われて欲しいものである。
「あたしはアデル・サリヴァン。ただの婆さ。ああ、折角の自己紹介だ。ただ名前を教え合うだけじゃなくて他にも色々話そうじゃないか。例えば好きな食べ物とか、好きな遊びとか、家族の事とかさ」
>>215様
「投降はできません。だって、投降なんかしたらエレナさん私を撃ってくれませんよね?そんなの嫌です。だって撃ってくれなきゃもう傷付け合えないじゃないですか!さあ撃ってください、別に左手じゃなくてもいいですよ、脚でも体でもどこでも!!撃って!!」
己の欲望をさらけ出すように叫びながら、彼女が隠れた柱の影目掛けて拳銃を発砲しながら自身の斜め後ろに向かって走る。合計6発発砲したが当然柱に阻まれて弾が当たることはない。しかしこの銃撃はあくまで牽制。狙いは別にあった。
(アレを、再びこの手に戻さなくては。アレこそが傷付け合うのに一番最適な道具だから)
その狙いとは、一度目の銃撃で右腕と共に吹き飛んだ回転鋸の回収。あれがあれば近接戦が有利になるし、何より悲鳴と血を上げさせる道具としてあれ以上に良いものなど存在しない。見たところ右後方に、自分の千切れた右腕に握られたままの状態で床に落ちている。腕が引っ付いているのは好都合だ。右肩自体は治りつつあるとはいえ、右腕自体が元通りになるのは時間がかかる。しかし千切れた右腕が残っているなら、傷口同士を合わせることでそのまま元通りに治せる。回転鋸を手に入れ、右腕も治せる、まさしく一石二鳥である。一応回転鋸が落ちている場所の周囲は遮蔽物となる柱がなく、彼女に撃たれれば凌ぐことはできない。しかし無事に回収できればそれでよし、撃たれても自分の悲鳴と血が感じられるからそれでよし、とこちらも一石二鳥だ。どう転んでも自分に不利益は無い。
ある程度目標の回転鋸に接近したところで、最後の1発を撃つと同時に拳銃を前方へ投擲し、落ちている回転鋸に向かって飛び込みながら左手を伸ばした。
>>217 アナスターシャ様
「そうか…、それは残念だ」
疑ってかかった割に、ティオは素直に女性の言葉を信じ込んでひとつ頷く。今回はトラブルの抑制という形で良い方向に転んだが、この素直さはティオの強さであり、最大の弱点である。その事にすら気付いていないティオの前に、店員が一杯のミルクティーを運んで来た。「あちち…」と熱がりながらもミルクティーに口をつけつつも、女性の言葉にひとつ違和感を感じた。
「そうなんだよ。大事な情報はちっとも教えてくれな…、あれ、アンタにグリフォンって言ってたっけ?」
確かにティオは目立つ服装をしているし、人の目につく場所で戦闘をすることもあった。しかしそれを加味しても北エリアの静かな喫茶店で自分のことを知っている人物がいる事には驚きだ。いや、もしかすると自分の武勇伝を誰かが広めてくれたのかもしれない。これは勇者になるまでそう遠くないかもしれないぞ、と、先程まで不思議そうな表情だったティオの口角が思わず上がる。
(/話し方について承知いたしました!)
>>219 レアリゼ様
銃声の数を数えながらレアリゼの言葉を聞いてエレナは確信する。気が狂ったのではない。これが彼女の本性だ。人を傷つけることを喜ぶ化け物、それが正体。そう解釈したエレナの頭の中を、あの時は感じなかった妬み、理不尽感がじわりじわりと支配する。彼女は、いや、奴は人の家族を簡単に奪う存在でありながら、自分は家族が大好きなのだ。自分の家族は大事なのに、他の人間の家族はどうでも良いのだ。そんな理不尽があって良いわけがない。6発目の弾丸が柱の表面を削る音を聞きながら、エレナは右手に持ったナイフを握りしめる。奴がそう言うのであれば、次は頭を撃ち抜いてやる。なんとしてでも正義を行使しなければならない。
そのタイミングで射撃が止まる。様子を伺うために顔を出すと、レアリゼが持っていた鋸目掛けて駆け出す姿が目に止まった。
「させないっ…!」
しかし弾を装填し直す必要があるため、すぐに射撃はできない。エレナは柱の裏から飛び出して咄嗟に銃の側面のレバーを引き、飛び出てきた空薬莢を右足でレアリゼ目掛けて蹴り飛ばした。狙撃銃で使われる薬莢であるためそこそこな大きさを誇ってはいるが、距離もあるため当たったところで小石を一粒投げつけられる程度の威力にしかならないだろう。しかしこの距離から何か手を加えるにはこれしか無かった。
>220 ティオさん
「……バカ正直な奴ね……アンタがグリフォンなのは知ってるわよ、派手に戦闘もしてるところが目撃されてるらしいし」
疑いを向けたにしては、かなりあっさり他人を信用してソレ以上の追究をしないティオを正直すぎると言いつつ、目の前のグラスに注がれていたカンポットを飲み切ると店員にハーブティーを頼む。
そして、ティオをグリフォンだと知っている理由を簡単に説明する。しかし、実際には彼女が経営する企業はロイヤルクローバー内でも屈指の情報網を持っていることと、表向きにはグリフォンとの契約なども行うビジネス相手であることから相手の所属先を知っているだけである。
「確かに『北』は、隠れ家にピッタリだけれど流石にこんな普通の喫茶に出てくるほどキメラの連中も馬鹿じゃないと思うわよ?」
キメラを探しているというならたしかに『北エリア』は、人通りが他エリアより極端に少なく隠れ家に最適だ。しかし、逆に人数が少ないエリアということは少ないなりに人がそれなりに集まる喫茶店などに気軽に立ち入れば、足取りを掴まれる可能性が人の多い場所に住むより遥かに高くなる。
そのため、立ち寄るならこういうただの喫茶など店舗ではなくもっと人通りの少ない郊外の方が捕まりやすいだろうと話す。
>>221様
あと少しで手が届く。左手を前に伸ばし右腕ごと鋸を掴もうとした瞬間、金属音が響いた。何事かと音のした方向へ振り向くと、蹴り飛ばされた空薬莢がこちらに迫ってくるのが見えた。その空薬莢は徐々に視界の大部分を占めるようになり、そして丁度左目に当たった。小さく悲鳴を上げながらも、右腕を掴んでその断面を既に少し二の腕が生えかけるまでに回復していた右肩に押し当てた。肉同士がぶつかる生々しい音を立て、僅かに血が飛び散った。そうして数秒後、完全にくっついたのか左手を離しても落ちることはなく、それどころか数回回転鋸を素振りしても問題ない程度には回復していた。
「ふふ、ここからが本番、とでも言いましょうか」
最初は躊躇ったスイッチを、今度は躊躇なく押す。チェーンソーを連想させるエンジン音の後、ギュインと刃が回転し続ける特徴的な音が周囲に響き渡った。肉を裂く事に特化した、今まで何人もの人間を屠ってきた文字通り血塗られた刃が、今度は女性に──友人に向けられていた。
「行きますよ」
薬莢が命中した目を、左手で覆ってそのまま指で押し潰した。その時の音と血を合図に、友人のもとへ真正面から駆け出した。半分ほど走ったところで膝を曲げて屈み、それをバネにして一気に跳躍し、自分から見て左、丁度友人の右手を狙って叩き付けるようにして回転鋸を振り下ろした。
>>222 アナスターシャ様
「おぉ! それ本当か!?」
予想した通り、やはり自分の噂が広まっていたと信じ込み、思わずその場で力強くガッツポーズを取る。その時に肘がテーブルにぶつかって揺れ、ティオのカップから数滴ミルクティーが飛び散って机を汚したが、そんな事はお構い無しな様子だ。きっと視線の先でハーブティーを注文している彼女は悪い奴ではないのだろう、とティオは確信した。なぜならティオの噂を知っているキメラがティオと遭遇したら恐怖で逃げ出すに違いないからである。と自信に満ち溢れた考察をしながら女性の話を聞いていると、かなり参考になる意見が飛び出してきた。
「確かに、流石にここは無いよなぁ…」
流石のティオもこの喫茶店がアジトだと信じ込んでやってきたわけではなく、あくまでも吹雪を凌ぎつつ、キメラを捕まえれればラッキー、程度の感覚でこの店に入ったのだ。しかしここをあたる前にもいくつか候補はあったため、確かにここに入ってしまったのは無駄足だった。再び出ようかと考えて窓を見つめていたが、猛烈な吹雪の中を再び出歩く気にもなれず、残念そうにテーブルに備えてあったナプキンで左腕に装着している盾の表面に付着した水気を拭き取り始める。
>>223 レアリゼ様
エレナの目論見は達成されたが、僅かな足止めにしかなってくれなかった様子に軽く舌を打ちつつ、鋸の元に辿り着いたレアリゼの次の動向を観察するために距離を詰めずに様子を伺う。だが左腕だけであの大物をどう扱う気なのか、と頭に浮かんだ疑問はすぐに解消されることとなった。
「腕が…!? それが能力ね!」
くっついてしまった右腕に驚きつつも、エレナはこれまでのやり取りを思い出していた。喫茶店での自傷行為、交戦する事を「傷つけ"合う"」と表現した事、そして右腕を吹き飛ばした時の反応。傷の再生が能力であればある程度納得がいく場面達だ。
納得しているエレナに構う事なく鋸を向け、次の瞬間突っ込んで来たレアリゼを迎え撃ちたいエレナだが、まだ装填は完了していない。代わりに右手に持ったナイフを逆手に持ち替え、鋸を受けようと試みる。しかし回転する刃に安物のナイフが勝てるはずもなく、すぐに回転に巻き込まれてエレナの手から弾け飛んで床に虚しく落ちる。
「ぅああぁっ!!」
ナイフ一本程度で勢いが落ちるはずもない回転鋸は、そのままエレナの右腕を縦方向になぞるように掠め、長い裂傷をエレナの腕に刻みつける。焼けつけような痛みが右腕に走り、思わず声を上げたエレナだが、すぐに顔を上げて素早く周囲とレアリゼの様子を確認して情報を一気に頭に押し込み、一拍置いてエレナはレアリゼの足を払うように蹴りを繰り出した。回転鋸を振り下ろしてバランスが崩れている今なら、上手くいけば転倒を狙えるかもしれない。
>>225様
ナイフを弾いて、その勢いのまま友人の腕を裂いた裂いた感触。痛みで悶える悲鳴に飛び散る鮮血。そう、これこそが私の求めていたものだと歓喜した。しかも相手は友人のエレナさん、いつもとは違って余計に昂っていた。これまで傷付け合った相手は、善人か悪人かに限らずその殆どが他人同士という関係だった。しかし今の相手は違う。関わり合った時間こそ短いが、十二分に友人と言える人なのだ。今まで出会ってきた人をヒエラルキーで表すなら、最上位である両親の真下、友人の枠組みに位置するのが彼女だ。それくらい大切な存在を、ヒエラルキーの最底辺に位置する有象無象にいつもやっているみたいに、鋸で体を裂いたのだ。それはまるでルールを破っているような、禁忌を犯しているような気分だった。してはいけなかったという思いと、禁忌を犯す快感と、悲鳴と鮮血が飛ぶ悦びとが混じりあって、狂ったような笑い声を上げた。先程自分で潰した左目から、血の雫が頬を伝って流れ落ちた。
「あはっ、あははははっ、ハハハハハハッ!!!!ッッハハハハハハァ!!!!」
さあ次だ。次はどんな悲鳴を上げてくれるのだろう。どんな風に血が舞ってくれるのだろう。次は足か、手かどちらを狙おう。そんなことを考えながら回転鋸を引き戻そうとして、足に強烈な衝撃を感じた。鋸を引き戻そよりも一歩速く繰り出された友人の足払いが命中したのだ。文字通り足元を掬われて尻餅をつき、「ぁぐ」と小さく悶えた。反撃しようにも、左脚の拳銃は弾切れで既に捨てている。もうひとつ右脚のホルダーに仕舞っている拳銃は右手で回転鋸を保持しているのですぐには抜けない。回転鋸は持ち手を展開しているので大振りの攻撃しかできず、それは尻餅をついた今行うことは難しい。つまり完全に隙を晒すことになった。
>>218おばあさん
「えへへ」
指切りに応える老女に嬉しそうに笑う。約束は好きだ。互いにそう思いたいからと願うために交わすそれは、叶った時のハッピーは計り知れないぐらいに幸せで嬉しい。思わずこうして笑いが浮かんでしまうほどに。
ぎこちない空気は自分の自己紹介でかき消される。悲しいことと辛いことは無い方がいい。良かれと思った行動が間違っていないと分かる度に言い知れぬ安堵感が襲う。それを気づかれぬようにいつもの様に敵意の一切ない笑みを浮かべた。老女からの自己紹介にパァ……とさらに嬉しそうに頷く。これだから人と関わることを嫌いになれない。向けられる厚意をしっかりと受け止められることが嬉しいのだ。
「アデルさん!ニナ覚えたよ!ニナの家族はママだけかなぁ。ニナが産まれる前はパパが居たらしいんだけど、ニナはママが居てくれるだけで十分にハッピーなんだ!アデルさんは?」
家族のことを聞かれて素直に答える。自分自身に血を分けた兄が存在していることを知る由もなく、ましてはその兄が目の前にいる老女が所属しているユニコーンのメンバーだというこそさえも知らないままに純粋な瞳で老女に問いかけるのだった。
(/了解しました。その認識で進めますね。質問に答えてくださってありがとうございます)
>>226 レアリゼ様
狙い通り転倒したレアリゼの姿を確認し、すぐにポーチに手を突っ込んで弾を取り出す。慌てているためか、ポーチから弾がいくつかポロポロと落ちて床に当たって軽快な金属音を奏でるが、それを全て無視して慣れた様子で銃に弾を込めてレバーを引いて装填を完了させる。迷いが大きかった先程に比べて僅かに早くなっているその動作は、エレナの中から迷いが消え始めている事を示唆しているようだ。
「そうやって笑いながら沢山の家族を八つ裂きにしてきたのね。…これは罰よ。あなたを始末したら、あなたの家族の頭にもこの弾丸を撃ち込むわ!」
倒れ込んだレアリゼに話しかけながら銃口をレアリゼに向ける。本人はシャドウではないと言い張っているが、その表情からは溢れんばかりの復讐心が滲み出ており、鋭い眼光はレアリゼの再生した接合部を睨みつけている。
ふと、エレナの頭に考えが浮かび上がる。ここで一撃で命を奪うよりも、痛みつけた上で地獄に送ってやる方が彼女に命を奪われた沢山の人たちにとっては幸せなのでは無かろうか。その考えは、レアリゼを仕留めるチャンスを逃してしまう判断をエレナに選ばせてしまった。
「まずはあなたに傷つけられた人達の痛みをそっくりそのまま刻みつけてあげるわ」
そして、投降を呼びかけた時に宣言した通り、レアリゼの左腕手首に狙いをつけて引き金を引いた。装填の時間と判断を下すまでの時間を合わせると体勢を立て直す程度の時間はかかってしまっていたが、レアリゼの動きに合わせるとエレナがどうしても後手に回ってしまうため、これ以上判断を渋る余裕は無かった。三度轟音が響き渡り、銃口が火を吹いた。
>>228
(/「三度」は「再び」の延長の感覚で「みたび」という読みで使っています。読み返してみたら3発発砲してるような表現になってしまっていたため補足、訂正です!)
>>227様
指切りを交わし、さらに自己紹介をすることでどんどん笑顔になっていく姿を見て、こちらも嬉しい気持ちになる。やはり子供は笑顔でいてくれた方が良い。辛い雰囲気になるよりは、明るく楽しい雰囲気の方がお互いにとっても良いだろう。
「ほう、母親だけとな……」
この様子だと本当に何も知らない、聞かされていないようだ。果たして今ここでこの子に真実を伝えるべきか迷った。実は兄がいるのだと、その兄はずっとアンタを気にかけていたのだと。この兄妹が一方的な関係のまま終わってしまうのはあまりにも悲しく、真実を告げるべきだと一人の老人としての自分は言う。しかし、その兄がユニコーンという荒事ばかりの危険な組織に所属している以上、その存在を知ってしまえば争いに巻き込まれる可能性が格段に上昇してしまうから絶対に伝えるな、とユニコーンのリーダーとしての自分は言っている。どちらの言うことも正しく、一体どうすべきかと思考を巡らせた。
結局結論は出ず、あまり黙り込んでいると心配されてしまうかもしれないので、ひとまず質問に答える事にした。
「あたしは独り身さ。きょうだいも夫もいない。だけど寂しいと感じた事は一度もない。親との思い出は、ずっとあたしの心の中で生きてるからね。アンタも、親孝行はできるだけしておきな。後で公開しても遅いからね」
>>228様
「お父さんと、お母さんに……?」
今、何と言った。聞き間違いでなければ、両親の頭を撃つ。そう聞こえた。これは罰だと彼女は言った。罰と言うなら、私はいくら傷付けても痛め付けても構わない。だけどお父さんとお母さんだけは。私みたいなクズにも沢山の愛をくれたお父さんとお母さんだけは、絶対に傷付けさせない。
その時、久しく抱いていなかった感情が沸き上がった。怒りだ。今の自分を客観的に見れば他の人を殺すのはいいのに自分の両親は駄目だと言うのは二重規範だと指摘されるだろう。しかしながら、ヒエラルキーの最上位である両親と、どうでもいい最底辺や一段下の友人とでは扱いが違うのは当然、なんら矛盾など存在しないと心の底から考えていたのだ。
「そんなこと許さなあっっがぁッッッ!!」
すぐさま立ち上がり、怒りに任せて鋸を振ろうとして、再び轟音。威勢のいい声は悲鳴に変わり、血を撒き散らしながら衝撃で左に一回転しまた膝を着いた。先が失くなった左腕からはどくどくと血が流れ出し、焼け付くような激しい痛みが左腕から伝わってきた。しかし、この痛みと血の匂いが、自分を感情のままに動く獣から思考のもとに動く人間へと引き戻した。ゆっくりと立ち上がり、深紅色の右眼と治りかけで白目まで真っ赤に染まった左眼で友人を見据える。彼女は強い。武器も強力で判断も早い。先程のように、物理的に傷を付けるだけではすぐに冷静になって対処される。ならば言葉で惑わすしかない。そして二度と両親を脅かすことのないよう、二度と銃を撃てないような体にしなければならない。
少しの沈黙の後、狂ったように笑いだした。その狂気的な笑い声とは対称に、右手で回転鋸の持ち手を折り畳み始めた。片手で畳むのはやはり無理があるのか、何度か回転する刃で自分の体や足を傷付けたがそんなことは気にも留めなかった。
「ふふ……ふふふふ……あはははは……あっはははははははははははははッッ!!!!……エレナさん、さっきあなたは私のお父さんとお母さんを撃つと、そう言いましたよね。どうしてですか?それが罰だからですか?罰なら私一人を痛め付ければいいですよね。どうして何の罪もない私のお父さんとお母さんを巻き込む必要があるんですか?……その答えは簡単です。エレナさん、あなたは私と同じ、理由を付けて人を傷付けたい人間だからですよッ!」
この言葉自体に意味は無いわけではないが、重要なのは友人がどういう人間だとかではなく、この言葉を聞いて動揺なり怒りなりで少しでも判断が鈍ってくれることだ。少しでも言葉に気を取られてくれれば、今度こそ腕を切り落とせるかもしれない。
床を蹴って友人のもとへ駆け出し、折り畳んだことで取り回しの良くなった回転鋸を振り下ろす。狙いは銃を持つ腕だった。
(/訂正の件、了解しました!)
>>231 レアリゼ様
恐らく「許さない」、と発言しかけたレアリゼの腕を撃ち抜き、エレナはさらに苛立ちを覚えた。許したくないのはこっちだとなぜ分からないのだろうか。
「次は…、どこに撃とうかしら」
鳴り響く悲鳴に表情をさらに強張らせ、銃の側面のレバーを引く。空薬莢が排出されて床に転がる。これをあと何度繰り返せばこのおぞましい化け物が積み上げてきた罪に匹敵する罰になるのだろう。3発か?10発か? そんな事を考えながらポーチの中を探る。先ほど床に弾を落としてしまったせいで残りは4発しか残っていない。元より狙撃1発で任務を終えるエレナは普段から100発も200発も弾薬を持ち歩かない。とても、非常に残念だがこの4発で決着をつける必要があるらしい。
だが、弾を受けてのたうち回ることしかできないと考えていたレアリゼはあろうことか会話を持ちかけてきた。そしてその内容は、エレナの装填動作を止めるのに十分な役割を果たした。
「あなたの狂気に気付けなかった。あなたの凶行を止めなかった。それが罪じゃなきゃ…!」
しかしエレナが言い終わる前にレアリゼが動き始めた。振り下ろされる回転鋸を前に、本能的に装填のために銃を持っている左腕で防御体勢をとりながら必死に体を捻って刃から逃れようとするが、避けきれずに回転する刃が左腕の肉を抉った。
「…っ!! ぁあ…ぁ!」
右腕を軽くなぞっただけの先程に比べて遥かに強烈な激痛が左腕に走り、緊急回避で地面を転がりながらうめき声を上げる。追撃されないように素早くレアリゼに背を向けた状態でなんとか膝立ちになり、だらりと垂れ下がった左手でなんとか握っている銃に弾を押し込み、レバーを引く。背を向けた状態なためレアリゼが別の場所を見ていればエレナが装填を終える姿を見れなかったかもしれない。
>>232様
切断を狙った一撃だったが、さすがの判断力、回避行動を取られてしまった。だが当初の目的通り動きを鈍らせることは出来たようで、腕に大きな裂傷を作ることには成功した。あの傷の深さなら動かすこともやっとのはず。さらに手にしていた銃は1発ごとに装填が必要で、その装填にも時間がかかる代物。近接武器のナイフは既に弾き飛ばしている。何か撹乱などで時間をかけても、持久戦になればなるほど再生能力を持つ自分が有利。つまりこの戦いの主導権は自分が握っている、自分が圧倒的優位に立っている。友人は背を向けているので何をしているかは分からないが、大した抵抗はできないだろう。そうした驕りが、“装填を完了させた動作”を“苦し紛れの抵抗の準備”と誤認させた。つまり今、友人が既に銃を撃てる状態に入っているとは思いもしていなかった。
自分が優位に立ったと思って余裕が出来た為か、回避鋸のスイッチを切ってまた会話を始めた。今度の会話には、隙を突く意図は一切含まれていなかった。
「もしかしたら誤解されているかもしれないので、訂正しておきましょう。私のお父さんとお母さんは、本当に良い人なんですよ。薄汚い孤児のガキだった私を拾って育ててくれた、まさに聖人といっても過言ではないくらい良い人なんです。そんな二人に、実は私がどうしようもないクズだって言える訳がないですよね。だから全部隠してるんです。キメラだってことも、狂っていることも、何人もの人を傷付けたことも。
私が一人暮らししているのだって、私が救いようのない人間だって知られたくなかったからだし、何より争い事に巻き込みたくなかったからなんですよ。狂気に気付けなかった?それはそうですよ、両親の前では徹底して狂っている事を隠していましたから。凶行を止めなかった?当然です。だってそもそもお父さんとお母さんは知らないんです。私がキメラとして活動して、多くの人を傷付けていることを。知らないのなら止めようがないでしょう?」
はぁ、と一息吐き、回避鋸の持ち手ごと右腕を胸に当てた。
「だから、悪いのは全部私なんです。身勝手な理由で他人を平気で傷付けられるような、救えないクズみたいな私が悪いんです。私が悪い。悪いのは私。全部私が悪い……」
ずっとネガティブな思考に浸っていたからか、また虫が煩い羽音を立てながら周囲を飛び交うようになり、廃棄物や汚泥が混じったドブの底のような、不衛生で反吐が出る臭いが漂い始めた。ああ、そうだ。私が悪いのは正しい、だけど本当に悪いのはこいつらなんだ。この虫けら共が、このゴミ未満の臭いが、いつまでもいつまでも付きまとっているから。こいつらを潰す。こいつらを潰せば全部元通りだ。こいつらさえいなければ。
正常な思考能力は、もう残っていなかった。
「うあああぁぁっぁぁぁああああっっ!!!」
狂ったように何度も回転鋸を自分に叩き付ける。一撃、また一撃と自傷する度に、鮮血が舞った。その姿は、一ヶ月前喫茶店で見せた奇行を彷彿とさせるものだった。
>>233 レアリゼ様
レアリゼの言葉に、エレナは背を向けたまま唇を噛み締めた。レアリゼの言っていることは正しい。あの時たまたま周囲に居たキメラの存在に気付けなかったのはむしろ自分自身だ。こいつらの凶行を止めれなかったのは自分自身だ。そのせいでエレナは家族を失ったのだ。故に「知らなかった」では罪は正当化されない。今でも心を抉り続ける後悔こそがその証拠だ。
「そう…、でもごめんなさい。私だって何も悪くない両親をあなた達キメラに殺された。もう取り返せないなら、同じ痛みを知ってもらうしかないの。恨むなら自分を恨みなさい、化け物…!」
そう言い放ち、エレナはなんとか立ち上がって振り返り、右手でレアリゼにとっては「弾が入っていないはず」の銃を向けた。が、またもやレアリゼは自傷行為を始めた。エレナはひとつ疑問を感じた。発現者の能力は、その個人の願いに関連したものが発現する。となるとレアリゼの能力はよく分からない。怪我を治したいと願ってあんな再生能力が発現したのであれば納得がいくが、レアリゼはむしろ自分を傷つけている。
「あなた、何を願ったの…?」
引き金に指を置き、エレナは問いかけた。この引き金を引くと、レアリゼの頭部目掛けて弾丸が発射され、恐らく彼女は死ぬ。いくら再生能力があろうとも、脳をこの威力で貫かれたら再生の余地もなく即死だ。そして、それと同時にエレナの右肩もとてつもない負担を受け、痛みに耐えながら動かす事はできたとしても次の発射はない。本来ならば両手で反動を制御するこの銃だが、だらりと垂れ下がって血が滴り落ちる左腕ではそうはいかない。
>>234様
「ぅらぁいッッ!!」
何度も鋸を叩き付けた事で既に千切れかかっていた左腕に、さらに強く力を込めて鋸を振り下ろす。当然耐えられる訳もなく、手首まで再生していた筈の左腕は肘から下が切り落とされてしまった。だがこれでひとまずは落ち着いた。音は遠のき、臭いも薄くなった。大きな溜め息のあと、肩を上下させて深呼吸する。傷は時間をかければ治るが、疲労までは治せない。先程のを沈めるのに体力を使いすぎてしまった。次の行動に支障が出そうだが、友人は既に手負いで銃も撃てないはず。今は何をしているのかと、のっそりとした動作で顔を上げて友人を見やった。
銃口が、自分の頭に向けられていた。何を馬鹿な。あれには弾が入っていないはず……いや、まさか、本当に入っているのか、あの腕で装填を済ませたというのか。本当に装填されているなら、確実に頭を撃ち抜かれる。そうなれば即死は必至だ。先程までは自分が優位だと思っていたのに、いつの間にか逆転されていた。ふふ、と自嘲の笑みがこぼれた。
じっと銃口を見つめていたが、予期していなかった問いかけに真顔になる。何を願ったか、か。ただ音と臭いを消し去りたいと言えばそれだけで済む話ではあるが、何故だろう、今は身の上から話したい気分だった。
「……私、元々はスラムの生まれなんです。暴力や略奪は日常茶飯事で、残飯がご馳走になるくらい食べるものもないような酷い場所でしたよ。その日その日を生きるのもやっとで、食べるものもないから文字通り泥水を啜って生きてきました。そんな環境だから当然体なんて洗えなくて、汚れたらそのまま。だから私の体は次第に常に虫が集るような、汚れまみれで悪臭を放つ不衛生な体になっていました。……その時の、私の周囲をずっと飛び交う不愉快な虫の音
羽音と、体中にこびりついた汚泥と廃棄物と下水道のドブが混じったような臭いが、ずっと私の中に残ってるんですよ。聞こえる筈のない音、臭う筈のない臭いが、ふとしたときに現れるんです。勿論病院にも行きましたよ?お父さんとお母さんには内緒で。だけど治りませんでした。結局幻聴と幻嗅は骨の髄まで染み付いたまま……」
息継ぎのためまた深く深呼吸する。そして、回転鋸を腹部に当てて一気に横に引く。鋭い刃が服ごと皮膚を切り裂き、鮮血が舞った。
「でもひとつだけ、この忌々しい音と臭いから逃れる手段があったんです。それは傷付け合うこと。スラム時代は暴力を振るわれることも振るうこともよくありました……何度死にかけたことか。だけど痛みによる悲鳴が虫の羽音をかき消して、むせ返るような血の匂いがドブみたいな臭いを誤魔化してくれたんです。
病院でも治せなかった音と臭い、その苦しみから解放してくれるのは悲鳴と血だけ。だから私は願ったんです。臭い匂いと苛立つ虫の羽音を消し去りたいから、長く長く傷付け合える力が欲しいと。その結果、手に入れたのがこの力なんです」
切り裂いた腹部の血を、手で乱雑に拭き取った。まだ血の痕が残っているので分かりづらいが、傷口は既に塞がっていた。
「あなたの言う通り、私は化け物です。人と傷付け合うことでしか生きられない化け物。生まれるべきではなかった化け物、それが私なんです。……あなたも、そんな化け物を放っておくわけにはいかないでしょう?」
鋸を落とすようにしてその場に捨てた。がしゃん、と大きな金属音が周囲に響き渡った。
「ひとつ、約束してほしいことがあります。私のことは好きにしてくれて構いません。でもその代わり、私のお父さんとお母さんには危害を加えないと誓ってくれませんか。……もし約束を受けない、あるいは破るというのなら、あなたを殺します。例え私が死んでも、あなたを殺します……」
>>235 レアリゼ様
腕を落としても腹を裂いても死なない化け物が愛する家族のことを話している。気持ちが悪い、とエレナは感じた。彼女が話した経緯があろうとも、化け物のくせに、キメラのくせに家族を守ろうとする彼女がとても気持ち悪かった。エレナから問いかけていながらも、レアリゼが話している最中に引き金を引いてやろうとも思った。しかし、結果エレナはレアリゼが武器を投げ捨てるまで引き金を引けなかった。なぜならエレナは心の片隅でレアリゼの事を可哀想だと感じてしまったからだ。
「何…それ…? これじゃまるで私が……」
思わず口から声が漏れ、それを自分で認識した途端に思わず銃を取り落としそうになった。自分はどうなっても構わないが、家族を殺されるのは嫌だ。それはあの時エレナが思った事と全く同じで、エレナの両親を殺害したキメラを根絶やしにするつもりが、いつの間にかエレナがあの時のキメラと同じ立場になっている。
そんな事はあってはならない。だがエレナはキメラを根絶やしにしなければならない。となるとエレナに取れる選択肢はひとつだけだ。
「…ええ、あなたの言う通りになるのは心の底から嫌だけど、家族を守りたいあなたの頼みだけは…、受けてあげるわ」
静かにそう告げ、エレナは引き金を引いた。狙いはレアリゼの頭部。轟音が鳴り響き、片手では反動を制御しきれずにエレナは銃から手を離し、銃が宙を舞う。しかし、片手で撃ったからか、弾丸はエレナの腹部を目掛けて飛んで行く。撃った瞬間に手応えでそれを悟ったエレナは目を見開き、自分の右手を注視して声を上げる。
「…外した……!! また、私は外したっ…!?」
>224 ティオさん(インフルでダウンしておりました・・・申し訳ない)
「……よりにもよってなんでこんなところに探しに来たのよ? 北エリアがいくらキメラが潜んでる可能性が高いからって、アンタが行動できなくなってりゃ世話ないわ」
しょぼくれた様子で吹雪で濡れた盾や装備品を拭いている相手を見ながら呆れたように北以外で探したほうが効率的には良くなるだろうと話す。
「アンタの格好も問題ね、雪を舐めすぎだわ……まだここに早いこと辿り着けたから良かったけどそのまま外歩いてたらアンタ野垂れ死んでたわよ?」
明らかに吹雪の中を歩く格好とは思えないティオの格好に更にダメ出しを入れつつ、店員が運んできたハーブティーを一口飲むと仕事か何かでとても疲れているのか大きなため息混じりの吐息で大いにリラックスした様子を見せる。
>>236様
「ありがとう、ございます……」
胸に手を当てて安堵の表情を浮かべる。本当に自分勝手で虫の良い願いだと思っている。だけど、受け入れてくれた。やはり彼女は良い人だ。少ししかお話できなかったけど、友人になれて良かったと心の底から感じた。
目を閉じて最期の時を待つ。脳裏に浮かぶのは、やはり両親の姿。自分のようなろくでなしにも沢山の愛をくれた、愛しい両親。その恩は結局返せなかったけれど、二人の娘でいることができて幸せだった。願わくば、自分の事など忘れて幸せに生きてほしい。
「さようなら。お父さん、お母さん」
そして、一発の銃声が響いた──
…………目を開ければ、無機質な天井が見えた。どうやら仰向けに倒れているようだ。それにしてもこの天井、知らない天井……ではない。ずっと戦っていた、あの空き店舗の天井だ。まさかまだ生きているのか?いやそんな筈はない。確かに頭を撃たれた筈、と右手で顔や頭の隅々まで触れて、そこで初めてどこにも傷が無い事に気付いた。うそ、と小さく声を漏らしながら上体を起こせば、腹部に穴が空いているのが見えた。まさか、外れたというのか。それとも敢えて外したのか……。
「ぁあ……頭じゃなくていいんですか、エレナさん……?これくらいでは私、死にませんよ……?」
>>237 アナスターシャ様
(/大丈夫ですよ! インフル流行ってますし急に寒くなってきたのでお大事にしてください!)
「みんな北には来たがらないからな。そんな中で俺がキメラを見つけ出してとっ捕まえたら一気に勇者になれるだろ? そう仲間に言われて来たんだよ。…いやー、あいつらもたまにはいい事言うもんだぜ」
ティオにとっては素晴らしい作戦だった仲間からの提案だが、要は上手く言いくるめられただけでその本質はただ誰も行きたくない北エリアの巡回を押し付けられただけである。ティオがある意味グリフォンの中で名が知れているのはこの扱いやすさが大きく起因しているのだろう。
得意げに話していたティオだが、軍服の女性の指摘には苦虫を潰したような表情を浮かべる。
「それは…、あ、ほらこれ。最悪こいつで暖を取れるからな!」
思いついたように盾を見せびらかせ、スイッチを入れると盾が紅く輝き、みるみるその表面の温度が上昇していく。暖かい店内でも女性にほのかにその暖かさが伝わるほどの温度を持つその盾は、銃器を主に扱う彼女の目にはもしかしたらかなり珍しいものに見えるかもしれない。
>>238 レアリゼ様
「撃ったわよ…、私の狙撃は外れない…。なのに……!」
消え入りそうな声でレアリゼの言葉に答え、膝から崩れ落ちて座り込む。その後ろで、硬い音を立てて手元から離れた銃が床に落ちる。視界の隅にきらりと外の光を反射する何かを見つけて視線をやると、先ほど取り落としたナイフを発見する。そのナイフを手に取ってレアリゼにトドメを刺すか、背後に落ちた銃を拾って弾を装填して今度こそレアリゼの頭部を撃ち抜くか。いずれの選択をしたとしても恐らくレアリゼの回復は追いつかないだろう。
だが、エレナの体は動いてくれない。代わりに一筋の涙がエレナの頬を伝い、床を濡らす。相当の覚悟を決めて引き金を引いたのを皮切りに緊張の糸が切れてしまったのだ。
「なんであなたが…、キメラなのよ……」
大事な局面で再び銃撃を外したショックを始めとした様々な感情で頭の中がぐちゃぐちゃになりそうになる中、エレナはレアリゼに問いかけた。その問いが全く持って意味もなければ答えも無い内容である事は重々承知しているが、問わずにはいられなかった。もうそこには落ち着いた優しい女性も、復讐に燃えるユニコーンの姿もなく、ただ非常な現実に打ちひしがれるあの時のエレナの姿が何も変わらずそこに存在していた。
>>240様
「エレナさん……」
狙撃は外れない。となると、彼女は確かに頭を撃ち抜くつもりで撃ったのだ。それが外れた。何故。片手で撃ったからか、それとも
(私に、情があったから……なのかな)
流石にそんな筈はない……彼女は自分ことをちゃんと化け物だって否定してくれたし、自分を撃つ約束だってしてくれた。そんな彼女が、まさかそんな。しかし彼女の頬を伝うものを見たとき……何故キメラなのかと問われた時……ひどく胸が締め付けられた。今まで散々感じてきた物理的な痛みとは違う、言い様の無い痛みだった。
震える手で胸の部分の服を握り締める。そして、絞り出すような、震えた声で話し始めた。
「お父さんとお母さんに、いっぱい恩返ししたいと思って……でも学生の身分だとそんなにお金が貰えなくて……。それで、仕事を探してたら、キメラの仕事を見つけて……。お金がいっぱい貰えて、しかも“傷付け合う”ことが主軸のお仕事だから……。恩返しの為のお金が貰えて、私の苦しみを抑えられることもできて、私にピッタリだと、思って……」
力なく下ろした右手が、不意に右足のホルスターに触れた。そうだ、拳銃はもうひとつあった。彼女はもう、おそらく撃てない……。なら、自分で引き金を引こう。両親を見逃す代わりに、自分は好きにして良い。そういう約束を交わして、彼女は自分を殺す選択をしたのだ。その選択を、果たすべきだ。
ゆっくりとホルスターから拳銃を引き抜き、その銃口をこめかみに押し当てた。
>239 ティオさん
「……まぁ、アンタがそれで大丈夫なら良いんだけど」
相手の雪に対する策として提示した盾のヒーターを見ると更に頭を抱えるほど呆れ返る。確かに発熱によって高い温度を確保するのは重要だが、そこに保温性が無ければ焼け石に水だろうと考えた。だが先程出会ったばかりの人間を心配するところに彼女の優しさが出ているだろう。
(/妹に感染されまして……() あと新キャラの制作を考えております!)
>>241 レアリゼ様
レアリゼの震え声を聞きながら、エレナは視線を落とし、拳を握りしめて床に叩きつける。エレナにとってキメラとは、他人を傷つけ、命を奪うことに喜びを感じ、自分だけが幸せならばそれで良く、残虐で非道な人々だと思っていた。だが、レアリゼはエレナが思い描いていたキメラの像に当てはまる部分こそあるが、そこを除けば家族思いの少女でしか無い。
そしてそれはレアリゼに限ったことでは無いのだろう。これまでエレナが撃ち抜いたキメラ達の中にも、死を悲しんでくれる誰かが居たのかもしれない。そんな事実を知ってしまった以上、エレナは果たしてこれまで通り淡々と任務をこなせるのだろうか。
「違う…! もう…、それ以上喋ら…、な、何してるの!?」
ふと顔を上げると、こめかみに銃を当てるレアリゼの姿が目に飛び込んできた。まさか、ここで死ぬつもりなのではなかろうか。
エレナは咄嗟に先ほど見つけていたナイフに飛びつき、投擲する。必死さのあまり無様な格好での投擲となってしまった上、勢い余ってエレナは床に倒れ込んでしまうが、ナイフは真っ直ぐレアリゼの持つ拳銃目掛けて飛んで行く。
「勝手に死ぬなんて…、認めないわ! あなたの命は私が握って無いといけないの!」
>>242 アナスターシャ様
「そう言うことだ。こいつがあれば俺は大丈夫。だから安心してくれよな!」
軍服の女性が内心呆れ返っているであろう事を察する事ができなかったティオは、盾の温度が上がり切らない内にスイッチを切る。そして早くも温度が下がり始めているミルクティーを口に含みながら女性の姿をまじまじと眺める。キメラかもしれない、といった疑いはすでに頭の中から消え去っており、今度はキメラでないのであれば何者なのだろう、と疑問が浮かび上がった。
分からない事があれば素直に聞くのが1番手っ取り早い。そう判断したティオは、ミルクティーのカップをテーブルに置き、女性の軍服のバッジを指差しながら問いかける。
「アンタ、そういえば何者なんだ? 変な服装してるけど…」
(/家族内での感染はどうしようも無いですからねぇ…。とにかく暖かくしてください~
新しいキャラクターについても承知いたしました! 固まり次第で構わないのでキャラシートお願いします!)
>>243様
引き金を引こうとしたその瞬間、投擲された鋭い刃が拳銃に命中した。それば拳銃を弾くには十分な衝撃を与えたようで、手元から弾き飛ばされた拳銃が回転しながら床を滑っていった。
「うそ、どうして……」
何が起こったのかを理解すると同時に、呆然とした表情で彼女を見つめる。無茶な姿勢で投擲したのか倒れこんでしまっており、その顔色を窺うことはできなかった。
自分は化け物だ。平気で人を傷付けられるし命すら奪うこともある。彼女もそこはよく分かっているはず。先程の銃撃は結果的に外れ、生かされた形になったとはいえ、死んだ方がいいことには変わりない。だから死のうと思ったのに、何故。
そのような疑問は、続く彼女の言葉によって氷解した。新しく生えかけようとしている左の前腕を強く握りながら、僅かに笑みを浮かべて話し始める。
「……そうでしたね。“お父さんとお母さんには手を出さない代わりに、私のことは好きにしていい”、そういう約束でしたよね。なのにその私が勝手に死のうとするなんて……ごめんなさい」
未だに腹の傷が塞がっておらず、立ち上がるのが難しいので、代わりに右手と左の前腕を使って這うようにして倒れこんだ彼女のもとへ移動し、その体を起こす際の一助になれるように右手を差し伸べた。
「……もう、自殺しようとは思ってません。私の命は……もうエレナさんだけのものですから」
>>245 レアリゼ様
倒れ込んだのを最後に意識が朦朧とし始めたエレナの耳に流れ込んできたのは何かが這いずるような音。ナイフの投擲は成功し、レアリゼは生きているらしい。またもや彼女の命を奪うチャンスを見逃した、いや、今回に至っては救い出してしまったのだ。彼女は言っていた。腹を撃った程度では死なないと。
「…あぁ、これが私の終わり……」
自分でも訳のわからない事を言いながらレアリゼの自殺を止めてしまった。きっと彼女はここまで追い詰めた自分をここで逃すような判断はしないだろう。でも、正義だと思ってやっていた事によって多くの人を悲しませてきたと思えばこれが相応しい最期かもしれない。
だが、顔を上げてまず目に入ったのは差し伸ばされた腕。そして彼女の言葉に、エレナは小さく微笑んだ。
「そうね…、あなたは私が殺す。……だから…」
エレナはゆっくりと自分の血で汚れた右腕を伸ばしてレアリゼの手を掴み、震える足で立ち上がる。痛みを堪えながらポーチの中を探り、スモークグレネードを取り出してピンを外し、空中に放り投げる。スモークグレネードの効果は絶大で、炸裂した瞬間部屋中に煙が充満し、すぐにレアリゼの姿が見えなくなった。
「これだけ長い時間派手にやってたら、きっと他の誰かが乱入しかねない。一度逃げなさい。…でも、次あなたがこんな事をしてる所を見つけたら、その時は次こそあなたの頭を撃ち抜くわ」
>244 ティオさん
「……ただの元軍人よ……別に面白い話でもなんでも無いわ」
相手が自分の出自に興味を示した瞬間少しどう説明したら良いか?という表情を浮かべるが、すぐに目を伏せて適当な調子で『元軍人』とだけ答える。
>スレ主様 新キャラできました!
○名前 焔凍 白夜(もとう しらよ)
○年齢 不明
○性別 不明(中性的)
○見た目 黒色が混ざった白のおかっぱ頭が特徴的な中性的人物。 非常に整った顔立ちをしており美しい和人形のような印象を受ける。服装は純白に雪の模様が入った着物に黒を基に美しい赤い梅の花が記された袈裟に似た羽織りをしている。足は一本下駄に白い足袋。非常に小柄で身長は153cmの小柄で未成年にも見える。
○性格 穏やかで冷戦沈着な知識人であり風情のある美しい景色に内面も外面も似合う大和撫子的人物。しかし、戦闘では冷静沈着で残酷な面と烈火の如く激しく荒々しく激情的になる面の両方を持つ。自分の長である『アナスターシャ』への忠誠心は凄まじいほど高く、**と言われれば死に、赤子であっても殺せと命じられれば殺すほどの盲信っぷり。
○夢 『主を守る力が欲しい』
○能力 『黒凍&白焔』
◯能力詳細 まず『黒凍』は、黒く透き通った氷で周囲一帯を氷漬けにしたり、つららで相手を撃ち抜いたり、ピンポイントで相手の部位を凍り付けたりが出来る能力。その技量は凄まじく、凍結具合、範囲、形などを自由に操作できる。細かい武器の生成も可能となる。凍結させること無く操作すると周囲一帯を吹雪吹き荒れる極寒の地に変えることも出来る。
そして『白焔』は、黒凍とは違い純白の炎を扱う力である。広範囲の焼尽やピンポイントでの高熱光線、触れることで相手を火だるまにしたりなどの効果を持つ。それに加えて元々の高い体術を炎でブーストすることも可能である。
そしてこれら二つを合わせて使うことで空気の膨張や全てを凍てつかせる炎という矛盾を再現することも出来る。
○派閥 ユニコーン
○武器 能力に最適化された三節棍を扱い、片方には冷気、片方には熱気をまとわせて攻撃する金属の武器。
○背景 かつて戦災孤児としてアナスターシャに拾われた和人であり、現在は妄信的にアナスターシャを慕う戦闘要員かつ料理人。和食を作るのが非常に得意でありその腕前は銀座の板前顔負けレベル。洋食や中華も作れる。
戦闘能力は能力も相まって非常に高く戦闘中のIQもとても高い。それに加えて圧倒的な合気の腕前を持ちその技術を用いた搦手と正面戦闘どちらも得意とする。
しかし遠距離にはある程度しか対応できず、範囲の高い能力も持ってはいるものの遠距離の個人などというピンポイントは距離が遠ければ遠いほど難しい。
ユニコーンにはアナスターシャが居るものの自分から活動することはない。しかし、戦闘の講習などは行っており能力の高い練度を買われたことからそういった能力の使用講座も行う。
>248
名前 蜘渡 權翔 (クモワタリ ケント)
○年齢 26歳
○性別 男
○見た目 黒髪のみだれ髪で糸目に近い細目で瞳は赤。上下黒のスーツに赤のカッターシャツを中に着て、蜘蛛の巣柄の黒と白を基調としたネクタイを付けている。靴は黒の革靴で、腰にはウエストバッグを付け、肩には刀袋を背負っている。身長180cm
○性格 荒々しかったり、ニコニコしていたり、目的のためなら手段を選ばず自己中心的な面が見えたりと掴みどころがない。だが冷徹という訳でも無く人情に厚いところを見せることも。
○夢 何にも支配されず逆に支配すること
○能力1 蜘蛛の糸
力を込めた体の箇所から糸を放つことができる。放つ糸の強度、粘度、硬度、形状等を自分で思考し設定することが可能。
能力2 蜘蛛 使役(シャドウ)
体調3cmから2mの蜘蛛を小型で最大5体、中型で最大2体、大型で最大1体召喚、使役することができる。蜘蛛とは視覚共有が可能でまた毒を持つものと持たないものの2種類存在している。
○派閥 ユニコーン(元キメラ)
○武器 高電圧スタンガン ハンドガン 刀 (スタンガン、ハンドガンは使い捨てに近く、敵から奪った戦利品をよく使っている。刀だけは大切。)
○背景 元キメラの現ユニコーン所属の男。5年ほど前にキメラを辞め、その理由は組織の活動と目的、金持ちの態度が気にいらなかったから。
積極的にキメラを潰しているのは過去の免罪符とかでは無く、自分の夢であり野望を叶えるためには邪魔だからであり、正直。邪魔であればグリフォンの者も消しかけているのは確か。そのせいもあってか一部では懸賞金をかけられたりしている。
キメラ所属の人間とは大なり小なり関わりはあったが裏切り行為に及んでいるため、大体は彼を恨んだり、蔑んだりしているものが多い。
グリフォンに対しては特に敵対はしていないが、シャドウを差別する偽善者だと軽蔑している。
元々能力は蜘蛛の糸だけであったが、キメラを辞める1年前ほどに蜘蛛の使役が発現しシャドウ持ちとなった。
貧民街の出身であり、幼少期はとある神父に世話になったのがきっかけでその恩返しなのか貧民街の子供達に服やお菓子を買ってあげたりしている。
○その他 戦闘狂に見えて普通に対話は可能であるため、初見の人にはよく驚かれる。
任務やキメラ潰しをしていない時は刀の手入れをしている。キメラ潰しで得た武器の戦利品は他のユニコーンの仲間や無所属の人間に売っている。
(/歓迎ありがとうございます!設定投下しましたので確認及び指摘等々よろしくお願いします)
>>249
(/確認いたしました! 問題ございません。
どのような戦いを繰り広げてくれるのかとても楽しみです!
現在少し忙しく、アナスターシャさんへのロル返はもうしばしお待ちください……)
>>250
(/作成ありがとうございます!
戦うスーツキャラは大好物なので既にワクワクが止まりません!
問題ございませんので絡みたい方にお声掛けいただくか、分からない点などございましたら遠慮なく聞いてください!)
>>247様
差し伸べた手を、彼女は掴んでくれた。その手からは彼女の流した……いや、自分が流させた血の感触と、温かな体温が感じられた。彼女を起こし終えた後、右手の掌を見つめる。自分の流した血と彼女の流した血が混じりあって、黒くなりつつあった。ふと顔を上げれば、そこには彼女が何かを取り出して上に放り投げる姿があった。何だろうと思ってその投げられた物体を見上げれば、それは炸裂音と共に周囲に煙を撒き散らした。一体これは、という疑問は彼女の言葉によって即座に解消された。彼女は、自分を見逃すというのだ。何度も殺そうとした筈の相手を、生きてはいけない筈の化け物を。
「……やっぱり、良い人……ですね。エレナさん」
自分は他人と傷付け合うことでしか生きられない存在。生きているだけで、周囲の人に危害を加える文字通りの害悪。そんな自分を、見逃すと。何度も何度も感じていた事だが、彼女は……やっぱり良い人だ。そんな良い人に、“あの時の判断が間違っていた”などと後悔させる訳にはいかない。だから誰かを傷付ける行為とは、距離を置かなければ……。今まで身勝手な理由で散々他人を傷付けた癖に、今更中断するなんて随分と虫の良い行為であることは自覚している。しかし積み重ねてきた罪の清算は彼女がしてくれる。自分が出来ることは、清算が行われるその日まで彼女に後悔の念を抱かせないことだ。
「ごめんなさい、一つだけ頼みがあります。もし私を殺す時が来たなら……ただ頭を撃ち抜くのではなく、あなたの思う最も残虐な方法で私に苦痛を与えてください。今まで積み重ねてきた罪に対する罰を、私に刻み付けてください……」
それだけ言い残すと、彼女に言われた通り小走りでこの場から逃げ出した。
>ALL
北エリア
某日、裏路地にて、巨大な蜘蛛の巣に張り付けになった…というよりしたキメラ派閥の構成員3人を滑稽と感じながら嫌な笑顔をして見つめる男が1人。
「…あなた方も金に目が眩んでも、喧嘩を売る相手を間違えない方がいいですよ。まぁ口も聞けないですし、言ってももう遅いでしょうけど。」
その男は張り付けになったキメラ派閥の構成員達に向けて嫌味口調の舐めた態度で忠告するが、もう遅いでしょうとその人間達を舐めるように見つめながら語りかけた。
キメラ派閥の構成員が何故こうなってしまったかと言うと、10分ほど前。懸賞金目当てに權翔を襲ったキメラ派閥の構成員達だったが、健闘も虚しくかすり傷1つ負わせれないまま、蜘蛛の巣で張り付けになってしまい今の状態へとなった。
「ここで誰にも見つからず凍え死ぬか、ユニコーンもしくはグリフォンに見つかり捕えられるか…金に眩んだ者としては良い末路です。あ、キメラは助けには来ませんよ、あそこはあなた方構成員を1つの駒としか考えていないので。…それでは良い終末を。」
話を戻して、張り付けのキメラ構成員達の武器を奪取しながら、口が聞けないとわかっているのにも関わらず、キメラ派閥の構成員達の予想されるこれからの末路について何処か面白そうに語りかけ、武器の奪取が終わると、嫌な笑顔で一言皮肉混じりの言葉をかけて、その場を立ち去ろうとした。
(/確認ありがとうございます、まだどのような方がいるか分からないので、とりあえずALL文を投げさせていただきました、遠慮なく絡んでください!)
>蜘渡さん
北エリア
全てが凍りつきそうなほどの氷点下が当たり前な街『北エリア』その一角の路地裏にて雁字搦めにされて動けないキメラと呼ばれる危険勢力の構成員達とユニコーンと呼ばれる組織の一員『蜘渡 權翔』。
雁字搦めにされ悶える蛾のような格好のキメラの構成員三人に一通り憎たらしい口調で皮肉を吐いた蜘渡はその場を立ち去ろうとする……が、その背後で激しく何かが焼き尽くされる音と眩い光がが路地裏を満たす。そして肉の焼ける匂いが後から漂っていく。
白夜「……処理は確実になさってください、權翔様。キメラに手心は不要……行先が『死』しか無いとしても一縷の望みすら与えてはいけません。」
緩やかで優しくも凪いだ冷酷な声と一本下駄の軽々とした音を鳴らしつつゆっくりと蜘渡の背後から近づいてくる。その人物は口調から先程まで蜘蛛の糸に雁字搦めにされていた男たちを容赦なく殺害したようだ。
(/絡み失礼します
>255
「…!はぁ…キメラを誘き出すための囮としての利用価値も見出してはいたのですが…妙なものが引っかかりましたねぇ…」
眩い光と焼ける音と温度に新手が来たと期待して振り向く…が、それが組織の同僚だと一気に気を落としてため息をついて、呆れながらキメラの構成員達を放置していた真の理由を語り、嫌そうな表情で白夜を「妙なもの」と言い表し、待機させていたであろう小型の蜘蛛を回収する。
「全く…危うくあなたの炎のせいで私の蜘蛛たちが焼かれ死ぬところでしたよ。…それで、ここへは何をしに?忠犬であるあなたが、飼い主でもない私にお説教をしに来た訳でもないでしょう?」
無関心なのか白夜の話には聞く耳持たないの様子で回収した蜘蛛を指で撫でながら逆に自分の蜘蛛が焼死するところだったと表面だけの笑顔を浮かべながら文句を言う。だが、白夜が自分のためにわざわざ死体処理の指導のためだけにここへ来たのかと疑問に感じ、白夜を次は「忠犬」と表して問いかけた。
(/絡んでくださりありがとうございます!)
>256
白夜「蜘蛛などいくらでも居るでしょう。それにキメラに斯様な囮に掛かるほどの『情』は持ち合わせておりませんよ……それなりの地位を築いている構成員ならまだしも、これらのような末端の末端などは。」
死体処理も兼ねているのか、先程焼き焦がした構成員だったものを一瞥することも無く冷凍して足で細かい粒になるまでに砕きつつ、蜘渡の『忠犬』という言葉に然程気にしていないのか無視しつつ話を続ける。
>>218おばあさん
(交わされた約束。指切りに満足そうに微笑んだ後、言葉を濁す老女を見て何かしらの事情があるのだろうと察するとそれ以上に言葉を続けることはせず、老女が自分の自己紹介にどう思っていたかなど露知らず、次いで自己紹介されると嬉しそうにパンと手を叩いて見せた)
「アデルさん!ニナ覚えたよ!えへへ、よろしくね!わぁ、それすごく素敵!ニナの好きなものはママ!世界一大好き!アデルさんは?」
(/遅くなりましたっ!認識把握しました。ではその流れに乗っていきます。
あと、メリークリスマスです)
>>249 アナスターシャ様
「軍人……?」
女性の言葉に、ティオは難しそうな表情を浮かべる。軍人という存在を知らないわけでは無いのだが、この街では鍛え上げられた屈強な兵士よりも夢を持って能力を発現させた少女の方が何倍も強い。そのため街の外からどこかの軍隊が攻め込んで来ることは無いし、街の中でも争い事のほとんどは発現者によってなされる。故に軍人という存在はこの街ではかなり珍しいのだ。
「へぇー、軍人! 軍人なんて初めて見たぜ。なんか特殊な武器とか技とかが使えるのか?」
女性が発した元軍人の「元」は聞き逃したわけでは無いのだが、初めて見る軍人の存在に目を輝かせるティオの頭からは既に抜け落ちている様子だ。
>>247 レアリゼ様
「残虐な殺し方…ね…」
エレナが呟いた時には既にレアリゼの気配は周囲から消えていた。徐々に薄まりつつある煙の中をよろりよろりと歩を進め、記憶を頼りに手から離れてしまった銃を探す。いくら目が良くとも、透視ができるわけでは無いため直接的に視界を潰されるとどうしようもないのだ。
そして銃を拾い上げたエレナは小さく嗚咽を漏らす。
「私はっ…! これから…、どうすればいいのよ……!」
ああ言ったものの、おそらくエレナはレアリゼを殺せないだろう。例え今ここで両親が蘇って「レアリゼを殺せ」と命じたとしても。ならば全てのキメラとこうして仲良くなるか? それも無理だ。今回の戦闘でキメラに対しての憎悪は一切変わっていないし、今回痛み分けで済んだのもまぐれだ。こんな事を繰り返していたらあっという間に地獄行きだろう。
そしてレアリゼ以外のキメラなら躊躇せずに引き金を引けるかと言われればそれもまた違う。エレナは復讐を果たしたいだけであって、いたずらに命を奪いたいわけでは無い。しかし復讐と命を奪う事がイコールとなってしまっている事に気付いてしまった以上、これからエレナは何もできずに湧き上がる復讐心を抑え続けるだけの生活を送らなければならない。
「あなたならどうしますか、…リーダー……」
ユニコーンのリーダーである老婆の顔を思い浮かべながら、エレナは建物を出る。そこから数日間エレナの姿を見たものはいない。
>257
「使役する蜘蛛には少なからずとも愛情を与えねば。貴方も飼い主から代わりはいくらでもいると言われて見捨てられるのは嫌でしょう?それと同じです。」
蜘蛛を無げに扱うような発言をする白夜に対して、自身の蜘蛛対する接し方を語り、まだ白夜を忠犬扱いしながら、飼い主から嫌われるのは嫌だろうと皮肉混じりに言う。
「まぁそんなことは百も承知です。私としては地位のある者だろうと無い者だろうと引っかかれば、囮と一緒に狩ろうと考えていたので。それに彼はどの地位であれ自分の利益のためなら同族など関係ない…そうまるで死体に群がるゴキブリのようなもの。例え末端の人間で死体であろうとキメラにはまだ利用価値がある…そう期待して囮として仕掛けていたのですが…まぁ結果どころかその前に一掃されてしまったので今となっては無意味です。」
白夜の話に一言返すと地位あるなし関係なく狩っていたと言い、囮をはっていた理由についての付け足しとして、自身が持っていた期待とキメラの動機についての考察を淡々と話していく。がその結果に関して語る際はその意図も分からずに爆破されたこと…もしくは蜘蛛を無下に扱われたことに関して根に持っているのか分からないが先程の淡々と語っていたのとは打って変わって、まるで白夜のせいで台無しとでも言っているように残念そうに言った。
>259
アナスターシャ「・・・・・・戦争屋って言うのは何もアンタが考えてるみたく正面から相手と殺し合う奴らだけじゃない。」
アナスターシャ「軍人は『対人間』のエキスパート、そして特に『総力戦』に強いのよ。 特殊な力とは言えないかもだけれど、こと『殺し』における能力は持ってるつもりよ、特にこの街に来てからは対能力者についてもね」
元軍人としてなにか特殊な力があるのかと聞かれると、先程までの気怠げな雰囲気から一転して『殺しに慣れた人物』恐らくは軍人としての冷たい瞳を浮かべて淡々と話す。
彼女曰く、手から炎が出せようが時間を止められようが『意識外からの狙撃』や『綿密に組まれた計画からの毒殺』などそういった『対人戦』のスキルをこの街で『対能力者』のスキルへと昇華させていると言う。
>261
白夜「・・・・・・まぁ、確かに死体に群がる畜生は何時の世も常に有るものでしょう、丁度其方の『屑』のような・・・・・・ね?」
絶対零度にて凍らせたキメラの死体を粗方細かく砕き終わったのか、ゆっくりと高めの漆塗りの一本下駄を鳴らしながら蜘渡に近づいていく、そして横を通り過ぎると蜘渡の丁度背後の部分に掌を軽く撫でるように動かす。
すると、突然何も無い空間に火花が散り霜に覆われたミイラのような状態の人物が現れる。
白夜「背後には御気を附けを・・・・・・能力者でなくとも、最近はキメラも潤沢な装備を揃えて居ります。『光学迷彩』と言うのも視野に入れなければ成りませんね。」
恐らくは『光学迷彩』を利用したステルス機能を利用して蜘渡を背後からどうこうする予定だったのだろう。然し、其れを僅かな空間の視界の揺らぎを見逃さなかった白夜によって阻止され、暗殺を試みた恐らくキメラの構成員は『超高音』と『超低音』を一瞬にして複数回行き来させられ体内の水分を全て奪われた、所謂『フリーズドライ』にされて絶命している。
白夜は凪いだ口調をそのままにゆったりとした足取りで路地を抜けようと歩いてく。
>259
アナスターシャ「・・・・・・戦争屋って言うのは何もアンタが考えてるみたく正面から相手と殺し合う奴らだけじゃない。」
アナスターシャ「軍人は『対人間』のエキスパート、そして特に『総力戦』に強いのよ。 特殊な力とは言えないかもだけれど、こと『殺し』における能力は持ってるつもりよ、特にこの街に来てからは対能力者についてもね」
元軍人としてなにか特殊な力があるのかと聞かれると、先程までの気怠げな雰囲気から一転して『殺しに慣れた人物』恐らくは軍人としての冷たい瞳を浮かべて淡々と話す。
彼女曰く、手から炎が出せようが時間を止められようが『意識外からの狙撃』や『綿密に組まれた計画からの毒殺』などそういった『対人戦』のスキルをこの街で『対能力者』のスキルへと昇華させていると言う。
>261
白夜「・・・・・・まぁ、確かに死体に群がる畜生は何時の世も常に有るものでしょう、丁度其方の『屑』のような・・・・・・ね?」
絶対零度にて凍らせたキメラの死体を粗方細かく砕き終わったのか、ゆっくりと高めの漆塗りの一本下駄を鳴らしながら蜘渡に近づいていく、そして横を通り過ぎると蜘渡の丁度背後の部分に掌を軽く撫でるように動かす。
すると、突然何も無い空間に火花が散り霜に覆われたミイラのような状態の人物が現れる。
白夜「背後には御気を附けを・・・・・・能力者でなくとも、最近はキメラも潤沢な装備を揃えて居ります。『光学迷彩』と言うのも視野に入れなければ成りませんね。」
恐らくは『光学迷彩』を利用したステルス機能を利用して蜘渡を背後からどうこうする予定だったのだろう。然し、其れを僅かな空間の視界の揺らぎを見逃さなかった白夜によって阻止され、暗殺を試みた恐らくキメラの構成員は『超高音』と『超低音』を一瞬にして複数回行き来させられ体内の水分を全て奪われた、所謂『フリーズドライ』にされて絶命している。
白夜は凪いだ口調をそのままにゆったりとした足取りで路地を抜けようと歩いてく。
>259
アナスターシャ「・・・・・・戦争屋って言うのは何もアンタが考えてるみたく正面から相手と殺し合う奴らだけじゃない。」
アナスターシャ「軍人は『対人間』のエキスパート、そして特に『総力戦』に強いのよ。 特殊な力とは言えないかもだけれど、こと『殺し』における能力は持ってるつもりよ、特にこの街に来てからは対能力者についてもね」
元軍人としてなにか特殊な力があるのかと聞かれると、先程までの気怠げな雰囲気から一転して『殺しに慣れた人物』恐らくは軍人としての冷たい瞳を浮かべて淡々と話す。
彼女曰く、手から炎が出せようが時間を止められようが『意識外からの狙撃』や『綿密に組まれた計画からの毒殺』などそういった『対人戦』のスキルをこの街で『対能力者』のスキルへと昇華させていると言う。
>261
白夜「・・・・・・まぁ、確かに死体に群がる畜生は何時の世も常に有るものでしょう、丁度其方の『屑』のような・・・・・・ね?」
絶対零度にて凍らせたキメラの死体を粗方細かく砕き終わったのか、ゆっくりと高めの漆塗りの一本下駄を鳴らしながら蜘渡に近づいていく、そして横を通り過ぎると蜘渡の丁度背後の部分に掌を軽く撫でるように動かす。
すると、突然何も無い空間に火花が散り霜に覆われたミイラのような状態の人物が現れる。
白夜「背後には御気を附けを・・・・・・能力者でなくとも、最近はキメラも潤沢な装備を揃えて居ります。『光学迷彩』と言うのも視野に入れなければ成りませんね。」
恐らくは『光学迷彩』を利用したステルス機能を利用して蜘渡を背後からどうこうする予定だったのだろう。然し、其れを僅かな空間の視界の揺らぎを見逃さなかった白夜によって阻止され、暗殺を試みた恐らくキメラの構成員は『超高音』と『超低音』を一瞬にして複数回行き来させられ体内の水分を全て奪われた、所謂『フリーズドライ』にされて絶命している。
白夜は凪いだ口調をそのままにゆったりとした足取りで路地を抜けようと歩いてく。
>>258様
母親が一番好き。この言葉だけで、この子の家庭環境がよく分かる。きっと大切に愛情を持って育てられてきた、良い家庭なのだろう。だからこそ真実を伝えるべきか迷った。ほぼ偏愛とはいえこの子の兄の愛は紛れもない本物で、こんなに妹の事を愛している兄の存在を知らないまま終わってしまうのは哀しい。だから真実を告げるべきかもしれないが、しかし兄がユニコーンという荒事の多い組織にいると知ってしまえばこの子が争いに巻き込まれてしまう可能性が高くなる。特にこの子は優しい子だから、戦っている姿を見てしまえば間違いなく首を突っ込んでしまうだろう。そうして万が一この子の幸せな家庭が潰えてしまうことになれば、それこそ本当に終わりだ。
しばし悩んだ末、今は真実を伏せる事に決めた。何も二つしか選択肢が無い訳ではないし、今この場ですぐ決断せねばならない訳ではないのだ。あまり黙り込んでいると心配されてしまうかもしれないので、ひとまず質問に答えた。
「あたしかい?あたしの好きなものは……そうだね、笑顔が好きさ。誰かが笑顔でいてくれれば、あたしも嬉しくなるのさ。アンタの言葉を借りるなら、“笑顔でハッピー”が一番だよ」
(/返信遅れて申し訳ないです!3日遅れですがメリークリスマスです!!)
>>260様
あの後、武器も荷物も回収せずに衝動のまま飛び出してしまったので、ボロボロの服を着替えることも血塗れの体を洗うことも出来なかった。普通なら夜の暗さが全てを覆って隠してくれるが、不幸なことにここは夜でも明かりが絶えない南エリア。闇を照らし夜間でも活動する為に大量に設置された人工の光は、自分の血濡れの姿もそれに付随する罪も白日の下に晒けだしてしまう。誰かに見つかって、捕まる訳にはいかない。自分の命はもう彼女のもの、それ以外の人間に奪わせる訳にはいかないのだ。人の目を掻い潜る為、人通りの少ない裏路地に入り込み、ゴミ置場に身を潜め、下水道の排水に文字通り潜り込んで、自分の部屋がある西エリアを目指した。大通りを避ける為に大きく迂回し、人の気配を感じる度に物陰に隠れ……そうして結局西エリアの自室に辿り着いたのは数日が経ってからだった。
…
……
今、自分の手には新しい回転鋸が握られている。裏商人から購入した新品だ。
自分のような化け物でも、見逃すという選択をとってくれた彼女。そんな良い人の彼女に、“見逃す選択をとったのが間違いだった”という後悔をさせたくなかった。だから出来るだけ音と臭いを我慢するように──即ち、傷付け合いたい衝動を抑えるようにしていた。でも、駄目だった。傷付け合わないということは、あの不愉快な虫の羽音と、体中にこびりついた汚泥と廃棄物と下水道のドブが混じったような臭いが絶え間なく襲いかかるということ。そんな状態ではまともな生活すらままならず、誰かを無意識に傷付けてしまう事を恐れて部屋から一歩も出られなくなった。どんなに自分を傷付けても、それだけでは音と臭いを消し去ることはできなかった。結局耐えきれなくなって、傷付け合う為の道具──回転鋸を買ってしまったのだ。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
鋸を胸に抱きながら、謝罪の言葉を繰り返した。果たしてそれは、誰に向けられたものなのか、自分でもよく分からなかった。
(/返信遅れてごめんなさい!!
今回の絡みは一旦ここで終了、という認識で大丈夫ですか?)
>>262 アナスターシャ様
流石のティオでもこの街で戦うグリフォンなだけあり、軍服の女性の雰囲気の変化を感じ取った。そして彼女の口から語られた対能力者の殺しの技術。キメラ以外でそんなものを持ち合わせている集団はひとつしかない。ティオはポン、と手を打ち、問いかける。
「アンタ、ユニコーンってやつか」
ティオは名声を手にして勇者になりたいと考えているためグリフォンとして活動しているが、金や名声関係なくとにかくキメラを潰す事を目的とした団体。規模は小さいためそこに所属する人物を見た事は無かったが、話には何度か聞いた事があったのだ。
そしてそれは、ティオが探しているキメラについての情報を持っていないという話が真実である事を意味していた。キメラを潰したいのであれば、その情報を隠す必要が無いためである。
(/返信遅れました。申し訳ございません…。
そんなバグがあるんですね…。私は問題ございません!)
>>267 レアリゼ様
(/そうですね、一旦はここで絡み終了で問題ございません。素敵な戦闘ありがとうございました!
豹変っぷりが凄くて圧倒されちゃいました!w)
>>266アデルさん
「わぁ!アデルさんもニナと同じなんだね!一緒で嬉しい!」
(老女からの返答にキラキラと目を輝かせながら嬉しそうに笑顔を浮かべて胸元で両手を軽く拳を作って上下に小さく揺らした。車椅子でなければこの場でぴょんぴょんと飛び跳ねていたところだ。老女のことをたくさん知りたいという欲がフツフツと湧き上がってきて、次の質問をどんなものにしようかと「うーん」と考え込んでから、ふと何かを閃いたかのように顔を上げると、再び笑みを浮かべて)
「アデルさん。さっき見せてくれた手品以外でニナにもできそうなやつある?ニナ得意なことが全然なくて作りたいんだ」
>>269様
(こちらこそありがとうございました!レアリゼの二面性は特に力を入れてた所なので嬉しいです!
エレナ様の、最初は罰を与える復讐者として、最後には復讐心と命をみだりに奪うことの間で揺れる姿がとても魅力的でした!)
>>270様
「では少しだけ待っとくれ。簡単な手品を紹介しようじゃないか」
袖の中に手を入れ、少ししてから引き抜く。その手には、プラスチックのケースに入れられたトランプの束が入っていた。ケースを開け、トランプの束を取り出すと、扇状に広げて差し出した。
「まずは一度、手品を見てみるのが早いだろう。この中から一枚引いて、その数字と種類を覚えるんだ。覚え終わったら、そのままあたしに返しとくれ」
手品を教えるだけなら、披露までする必要はない。だがそうしなかったのは、最初から説明するよりも、実際に体験してみる方が分かりやすいと思ったからだ。それから手品の種明かしを行えば、直感的に理解しやすいだろう。……勿論そう思っているのは本当だが、本音はただ手品を披露したかったのだ。先程も跳び跳ねそうなくらいの喜びを見せたこの子を、もっと喜ばせたかった。
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