名無しさん 2023-10-18 21:42:16 |
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>>196様
「そうなんですね……分かりました。名残惜しいですが、ここでお別れですね。今日は色々ありがとうございました。楽しかったです、とっても」
名残惜しいのも、楽しかったのも、全部心からの言葉だ。今日という日はとても楽しくて、素敵な時間で、きっと良い思い出になるだろうと思っている。だからこそ、明日から彼女とどこかで敵同士として相対するかもしれない事が辛い。敵として会ってしまえばもう斃すしかなくなってしまうだろうし、戦闘で昂ってしまった自分の心は、こんなに優しい彼女を“音と臭いを消すための道具”としてその他有象無象と同列に扱ってしまうだろうから。
そのまま手を振って去ろうとしたが、彼女の言葉を聞いてその場で立ち尽くした。こんなに、こんなに心が揺さぶられたのは随分久し振りだ。今日の関係はこのまま終わって、元に戻ることなど無いと思っていたのに。また今日のように彼女と仲良くできるかもしれないなんて、なんと嬉しいことだろうか。今日は自己紹介程度で終わったが、次はお互いに何が好きとか、得意なこととか、面白かったこととか、色んな事を話し合いたい。連絡先も交換して、SNSとかで話してみたい。喫茶店で一息つくだけじゃなくて、一緒にご飯も食べてみたい。そんな欲望が一気に噴き出してきた。所詮幻想で叶うことはないかもしれないが、楽しい夢が見れて可能性が生まれただけでも十分だ。最後にこんな嬉しいことを言ってくれた女性に心の中で感謝し、とびきりの笑顔で返事を返した。
「──はい!また一緒にお話しましょう!」
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