名無しさん 2023-10-18 21:42:16 |
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>>165様
「はい、行きましょうか!」
かけられた優しい言葉と笑顔に、こちらも柔らかな笑顔とご機嫌な返事で返す。不慮の事故で落としてしまわないようにトートバッグを両手で持ちながら女性の隣に着いた。
それにしても本当に良かった。元からお金は必要以上は使わない質であり、それに加えて依頼で稼げていたから買えるかどうかは全く気にしていなかったものの、迷ったせいで購入以前の問題だった。しかし、この女性のおかげでちゃんとお店までたどり着き、買うことができた。きっと彼女がいなければ、一生……は流石に言い過ぎだとしても、かなり長い間彷徨う事になっていただろう。
「本当に、ありがとうございます。あなたが……あっ」
そういえばまだこのお互いに名前を知らない関係だったと思い出した。たまたま今日ここで助けてもらっただけだからそれはそうなのだが、ここまでお世話になった相手に名乗らないのも失礼だろう。自分だけでも名乗っておくのが礼儀だ。
「そういえば、自己紹介とかってしてませんでしたよね。私はレアリゼ。レアリゼ・アンダーセンです」
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