名無しさん 2023-10-18 21:42:16 |
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>>159様
「ごめんなさ……いえ、ありがとうございます」
躓きかけた女性の姿を見て、自分の話で気を逸らしてしまったかと謝罪の意味で頭を下げようとしたが、女性からきっと大丈夫と言われ、代わりにお礼の意味で頭を下げた。
エスカレーターを上りきり、少し歩いた所で女性が目当てのお店を示してくれた。自分にはまだよく見えないが、彼女の言う通りこのまま真っ直ぐ進めば辿り着く事ができるだろう。これでようやくプレゼントが買える、このプレゼントで両親に喜んで貰える。そういった未来予想図が脳内を駆け巡り、喜びのあまり我を忘れてその勢いのまま駆け出したが、数歩歩いた所で堪えた。一人で飛び出していくのは、ここまで折角案内してくれた女性を使い捨てたようになってしまう。そんな不義理はできない。
「あっ、ごめんなさい……最後まで一緒に行きましょう」
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