検索 2022-07-09 20:46:55 |
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っと、…ありがとう、フィリップ。俺もお前が生まれてきて、出会って今もこうして一緒に居てくれてよかった。…ずっと一緒にいてくれ
(ドライバーがなくとも相手と息を合わせるなんて造作もないことだ、掛け声と共に左半分のロウソクを消せば二人で全ての火を消すことが出来て今日はそんな小さな成功すら愛おしくて嬉しい。その感情は顔に出ていたようでこちらを見る相手の顔にも無邪気な笑みが浮かんでお祝いの言葉を向けられればぎゅっと強く胸を掴まれた。この世で一番愛する恋人から特別な言葉を向けられる嬉しさは格別で息の仕方を忘れるように固まっていれば相手がこちらへ飛び込んできて慌てて抱き留める。強く抱き締められれば息をつくと共にじんわりと幸せは広がって、ここに居るのを肯定されるような言葉を向けられれば大切なものに大切だと想いを伝えるようにこちらからもぎゅっと強く抱き締めて互いの頬をくっつけた。また相手の傍から離れ難くなってしまったが煌めくケーキと香り立つコーヒーを放っておくわけにはいかない、「誕生日ケーキ食うか」と浮ついた声で言えば軽く口付けを送ってからそっと離れる。部屋の電気を付けてキッチンからナイフを持ってくるとフルーツケーキを二つに切り分けた。上に乗っていたチョコプレートは相手の方へと乗せるとフォークを手に取ると早く食べようと相手に目配せし)
ああ、もちろん。 …いいのかい?
(相手に溢れる感情のまま抱き着くとしっかりと受け止められて、更に腕が回ってきて強く抱きしめられる。何か一つでもボタンを掛け違えていればきっと出会う事の無かったと思えば今こうして一緒に誕生日を迎えられることが何よりも嬉しい。そして頬をくっつけたまま自分の存在を認めて受け入れてくれる言葉を聞けば体から力が抜けて軽く擦り寄った。そうして抱きしめ合っていたが相手からケーキの事に触れられるとこくりと頷いて準備を再開する。明かりをつけて相手がケーキを半分にするがそれでもいつも食べるカットケーキよりも多くてその上にはこんもりとフルーツが乗って美味しそうだ。避けられていたチョコプレートが切り分けられた自分のケーキに乗せられると目を見開き窺うように視線を向けるがその目を子供みたいに輝かせる。特別なケーキになれば口元は緩んだまま「いただきます」と手を合わせてから一口分をとりわけ口に運ぶ。ふわふわのスポンジ生地にちょうどいい甘さの生クリーム、そしてみずみずしいフルーツの食感が重なってその味に口角があがる。すぐに相手を見れば「幸せの味だ」と嬉しそうに感想を告げて)
初めての誕生日なんだしプレゼント追加だ。……、…そうみたいだな
(二つに分けても十分大きいケーキにこれはお返しが大変そうだと内心楽しげに思いながらチョコプレートを相手にそのまま渡す、相手は驚いたようだったが途端にその瞳は無邪気な輝きを見せてそれだけでお釣りが出るくらいにはチョコを渡して良かったと思えてしまう。相手に合わせて「いただきます」と口にするがその顔は相変わらず子供のように煌めいていてつい視線が離せなくなってしまう、そのまま最初の一口を食べるのを見守れば咀嚼したあとにすぐその口角は上がった。直ぐ様相手の瞳がこちらへ向けばまた胸が暖かくなる、このケーキの喜びをいの一番に自分へ知らせてくれたのが何よりも嬉しい。弾む心のまま何の断りもなく顔を寄せれば今しがたケーキを食べたばかりの口に軽く口付ける、ケーキの甘さを纏った相手の唇はより特別なものになっていてこちらも相手の瞳を見つめながら幸せそうに、しかし少し悪戯っぽく笑みを浮かべていた。甘さが広がる空間でこちらもケーキをひとかけらフォークですくうと口に運ぶ、程よい甘さにフルーツの瑞々しさがよくあっていて「色んなフルーツが楽しめていいな」と感想を口にしていて)
ん、今日はケーキだけじゃなくて君も甘いみたいだ。…翔太郎、あーん
(相手からチョコプレートもプレゼントの一つだと言われると自然と口元に笑みが浮かぶ。当たり前のように与えられる特別がうれしくて弾む気持ちのままケーキを口にした。その感想をすぐに相手に共有すると何も言わないまま顔が近づいてきて唇が重なる、一瞬驚くもその意図を理解すればこちらも緩く笑って相手の態度が特段甘やかしモードなのを揶揄い交じりに指摘した。大好きな恋人と一緒に過ごす時間は何よりも贅沢で相手がケーキを食べる様子をつい目で追って何も気取ることなく食べる姿にまた些細な幸せをかみしめる。だが相手と一緒に居ればもっと近づいて特別なものが欲しくなって自分のフォークで主役とも呼べるいちごの乗った部分をすくうと相手の名前を呼びそのまま目の前に差し出して)
なんせ特別な日だからな。…ん、……甘酸っぱくて美味いな…、……
(二人の特別な指輪を揃えて初めての特別な日を二人で祝う、そんな中で何よりも愛しい相手が喜びに浸って笑顔を煌めかせていればこちらにも幸せは積もって止まなくていつも以上に特別な時を過ごしたくなってしまう。普段甘いなんて言われれば即座に反論するところだが今日は別だ、互いの相棒が生まれた日を、恋人が隣に居てくれる事を、今日はお祝いしたい。ケーキに舌鼓を打っていれば相手は一際輝くいちごをすくい上げこちらに差し出してくる、ケーキの主役とも言えるそれが自分に与えられる特別さ、贔屓されている嬉しさ、甘やかされているこそばゆさ、全てが綯い交ぜになって口元を緩ませると体を少し乗り出して差し出されたものを口に含む。柔らかなスポンジと生クリームに甘酸っぱいいちごは良く合って思わず目を細めながら咀嚼する、今はその幸せを直ぐに共有したくなって再び体を乗り出すと相手にまた軽く口付けた。甘酸っぱさを唇に乗せて離れると何かいわれる前に今度はこちらがメロンがのった部分をすくい上げ相手に差し出す、「お前の色だからな」と上機嫌に言いながらその顔をじっと見つめていて)
…、あーん。…ん、美味しい。
(普段なら甘いと言えば即反論されただろうが今日はいつにも増して表情も態度も甘々だ。それが自分の前だからということが分かりきっていれば心は弾んでイチゴの乗ったケーキを差し出す。それを嬉しそうに食べて貰えるとこちらもふわりと笑みが浮かんで自分がケーキを食べた時と同じくらい、寧ろそれ以上に満たされていく。すると相手が近づいてきてまた軽く唇が重なる、今日何度目かのキスにすっかり慣れて自然と受け入れつつ何か揶揄う言葉を投げかけようとしたところでメロンの乗った部分をすくいあげ目の前に差し出されると一旦言及は諦め、口を開けてフォークの先の甘味を口に含む。メロンの濃厚な甘さとケーキ部分の相性はピッタリで咀嚼しながら口角をあげて感想を述べた。相手から貰った物をじっくりと味わってからコーヒーを口にすると適度な苦みがケーキとマッチして思わず至福の息を零した。「コーヒーともバッチリ合う」と自画自賛しながらもう一口飲むと「君も飲んでみたまえ」と得意げに促し期待の眼差しで見つめていて)
それなら何よりだ。……今日はこれを飲まなきゃケーキが完成しないからな
(浮かされるままに何度も口付けを送ってそれを誤魔化すようにメロンが乗ったケーキをお返しとして差し出す、ケーキを口に含むと相手はまた口角を上げ幸せそうな顔を浮かべていて、そんな顔を見るだけでも甘くて幸せな心地が胸を満たした。そのままコーヒーを飲む姿までジッと見つめてしまって至福の息を吐く姿にこちらも幸せが募る、そこで声を掛けられると相手に夢中になりすぎてまだコーヒーを口にしていないことにようやく気がついた。期待たっぷりな眼差しに思わず笑みを浮かべながらカップを手に取るとコーヒーを一口飲む、芳しい香りが鼻を通り抜け程よい苦味は甘いフルーツケーキと良く調和している。思わず「美味いな」と呟くもその味が何よりこちらの好みにバッチリであるのに気がつくと照れ臭そうにまた笑って「俺が大好きな味だ」と飾らない感想を口にする。相手が自分のために入れてくれたコーヒーをもっと楽しみたいがケーキと一緒でなければその美味さは最大限引き立たない。となれば必要なのはケーキの方で一旦椅子を降りて二人の椅子をピタリとくっ付けて、くっつきながら座り直せば相手の方へ向き「フィリップ、もっとコーヒー飲みてぇからもう一回ケーキ食いてぇ」と強請って相手の方へ口を開けて)
君の為に入れた一杯だからね、リクエスト通りだろう? …しかたないなぁ
(特別丁寧に入れたコーヒーはその手間の分いつもより美味しく感じられて息が零れる。そしてその一杯を相手にも飲んでほしくて期待を込めた目で見つめると相手は笑みを浮かべながらカップに口をつけた。自信はあるもののドキドキしながらその様子を見守っていると素直な感想が呟かれ、さらには大好きな味と言われれば一気に気分は上がって得意げな顔で答えていた。誕生日に見合う贈り物になったようで一段落していると相手が一旦椅子から降りたかと思えばこちらにくっつけてきて動きを止める。ケーキを食べるのには不便な、だけどすぐそばに恋人の存在を感じられる距離感となると相手と目が合う。そんな状態でケーキを強請られるとつい声にも甘さが乗ってキウイフルーツとクリームがたっぷり乗った所をフォークで切り分けて乗せる。わざとゆっくり、見せつけるように相手の口元に運ぶと「美味しいかい?」と楽し気に問いかけて)
あぁ、間違いなく最高の一杯だ。…ん、…
(こちらのリクエスト通り自分のためにいれられたこの世界で一番美味いコーヒーに浸っていたがもっと相手が入れてくれたこれを一番最高の状態で味わいたくて広い事務所の中で窮屈に身を寄せ合う。そしてケーキをねだれば言葉はツンとして、しかし声色はたっぷり甘さを含んでいて自分の願いが叶えられる予感に口元は緩みっぱなしになってしまう。その甘さはフォークの上にも現れていて相手を示す色を宿したキウイにこんもりと生クリームが盛られていればその分相手に想われているのだと実感できて余計に口は締まりが無くなってずっと上機嫌に口角をあげてしまう。すくわれたケーキを見ていたがなかなかこちらにはやってこずチラチラと相手の方を見てタイミングを伺う、ようやくフォークが差し出されれば口を開けて一口でケーキを食べた。勢いがあまって口端にクリームが着いたのにも気付かず咀嚼する、しかし本番はこれからで口の中が落ち着いてから相手が入れてくれた最高のコーヒーを飲んだ。調和の取れた甘さの中に溶けゆくような苦味が口元に広がって先程よりも一層コーヒーが美味しく感じる。自分の為に入れられたコーヒーを最大限に味わうとホッと至福の息が出て相手にピタリと寄り添うと「最高に美味い…ありがとな、フィリップ」とその味に浸りながら礼を言って)
どういたしまして。ここまで喜んで貰えると入れた甲斐があるものだね。
(こんもりと乗った生クリームとキウイフルーツの部分をすくってゆっくりと差し出すと相手の視線を感じて、それにまた笑みを零しながらフォークを差し入れた。一口で食べた相手の口端にはクリームがついてしまっていてその自分しか見ることのできない緩い姿に優越感を覚えつつあえて指摘しないでいると味わうようにコーヒーに口を付けるのを見守る。わかりやすく表情が緩んで味わっているのが分かればこちらまで嬉しくなって寄り添ってきた相手に手を伸ばすとその頭を優しくなでる。きっかけこそ些細なものだったがここまで喜んでもらえるのなら極めた甲斐があるというものだろう。沢山の幸せに包まれながらケーキとコーヒーをゆっくりと、二人の時間をかみしめるように食べていく。時折食べさせ合ったり軽い口づけを交わしたりと甘い時間を過ごしていればあっという間に最後の一口になってしまってまとめてフォークの上にのせると「あーん」とまた口の前に差し出して)
ん、……、…最後まで美味かった
(相手から差し出されたケーキと相手が入れてくれた特別なコーヒーを存分に味わう間、背伸びもカッコつけもしないただの左.翔.太.郎のままで甘い時間を過ごす。礼を言えば軽く頭が撫でられてさらにふわふわとした甘くて浮ついた幸せは加速して「へへ、…」と相手にしか見せない幼い笑い声を漏らしていた。ピタリとくっついたまま何度も二人にしか許されない甘いやり取りを重ねていればあっという間に誕生日ケーキはなくなってしまう。相手の皿に残った最後のひと口すらこちらに差し出されると幸せを滲ませた笑みを浮かべてそれを口に含んだ。生クリームの優しい甘みと柔らかなスポンジ部分を味わい、特別なコーヒーを飲めば最後まで至福の時間は続いて一息つきながらその幸せに揺蕩う。こちらも最後のひと口を纏め最後まで残しておいたぶどうを乗せると「今日この後はフィリップと二人だけの時間にしてぇな」と心のままに希望を伝えながら相手の方へと差し出して)
ん、元よりそのつもりだよ。…ごちそうさまでした、今まで食べたケーキの中で一番美味しかったね
(最後の一口分を相手に差し出すと柔らかな笑みを浮かべて何の遠慮もなく口にするのを見れば満足げな笑みを見せる。そして当たり前のように相手の最後の一口分がすくわれて相手の色と同じブドウが乗せられると幸せそうに目を細めながら顔を近づけフォークの先を口にする。蕩けそうなくらい美味しいその味と幸せを噛みしめるように十分に味わうとフォークを置いて、その代わりに相手にくっつく。初めての誕生日ケーキは今まで経験した中で一番美味しかった、その理由はもう分かりきっていて相手に身を寄せたまま顔だけ相手の方を向けると緩く抱き着いて「最高のプレゼントだ」と弾む声で告げながらまた軽く口づけを交わして)
同感だ…、……お前が喜んでくれたなら俺も幸せだ
(こちらの願いを伝えればそれは当たり前のように受け入れられて、その当たり前が今は何よりも幸せに感じる。ここにいて良いのだと思える。差し出したケーキが相手の口に吸い込まれていくのを眺めて美味そうに咀嚼する姿をずっと眺めていた。やがて相手はこちらへとくっついてこちらもフォークを置いて右隣から伝わる恋人の体温に浸る、特別なケーキが今までで一番美味しかったのはきっと最高のお揃いを互いの指に宿したからだろう。相手が緩く抱きついてくればこちらからも腕を回して軽く抱き寄せる、上機嫌な声にはこちらの胸まで弾んで簡単に恋人の幸せが伝播した。そのまま軽く口付けを受ければ途端に表情はまた緩んで飾らない笑顔を浮かべる。相手の頬へと手を添える、薬指に携えた指輪を柔らかな頬に当てながら「誕生日はいいもんだろ?」と全く関心を示していなかったのを思い起こして揶揄うように言ったあと再び唇を重ねて)
…ああ、是非来年も、その次もずっと先もこうやってお祝いしたいくらい特別な日になった。
(溢れる想いは言葉だけでは足りなくて相手を抱き寄せて軽く口づければそこは不思議と甘い気がしてまた頬が緩む。こうやってなんてことがないことでも幸せを感じるようになったのは相手とここから新たな一歩を踏み始めたからだ、頬に手を添えられるとまた肌とは違う質感を感じるがさっきとは違って相手の体温が馴染んでいてほんのり暖かい。そこに無意識に擦り寄っていると相手から近づいてきて唇が重なれば暫し目を閉じて身を委ねていた。それから少ししてゆっくりと瞼を開いて離れると柔らかな笑みを見せて相手の問いかけに肯定を示す。またぎゅっと相手を抱きしめ「誕生日も、運命も、指輪もぜんぶお揃いだ」と上機嫌に呟き、指輪のついた左手で髪を優しく撫で始める。「翔太郎」と名前を呼ぶとまた愛おしい気持ちが溢れてこめかみや頬に軽くキスを落として)
俺も、来年も再来年も、その次も、何回でもお前と今日を祝いてぇ……俺達、二人で一人だからな。……、…フィリップ…
(指輪を付けた手を相手の頬に添えればそこに相手が擦り寄ってきて愛おしさは増していく、今日何度目か分からないキスをすれば相も変わらず幸せは胸に華やいだ。柔らかな笑みのままこの先ずっと相棒の生まれた記念日を祝うことを望まれればこちらも口元を綻ばせて同じことを望む、相棒に、そして恋人に隣に居てくれてありがとうを伝える日なんて何度来たって幸せだ。強く抱き締められればお揃いがまたひとつ増えた事を共に喜んで自分達にしか相応しくない言葉を口にする、全てを半分こにして等しくお揃いに出来るのはこの世に相手しかいない。不意に相手の手が伸びてきて指輪のついた手で髪を撫でられる、いつもの柔らかな感触の中に今までにない感触のものがある事に心が震えるほど嬉しくて思わず相手を抱き締める腕に力が籠った。感極まった所に名前を呼ばれればまた心は舞い上がって柔らかな口付けが振ってくれば擽ったそうに目を細め表情を綻ばせて相手を見つめる。この幸せを象徴するような心地がもっと欲しくなれば「左手でもっと撫でて欲しい」と願いを伝えて続きを促すように愛おしさのまま今度はこちらから頬や目尻にキスを落として)
ああ、そうだね。…ふふ、了解した。
(何度だって恋人だけの特別なキスを交わすと胸に幸せが満ちてそのぬくもりを求めるようにすり寄って抱きしめる。今日という日付は今回で終わりではなくこれからさっきもずっと一緒にいるならばこれからも何度もやってくるのだ。二人の時間を積み重ねていく予感にまた心が擽られながらいつものフレーズを聞けば楽しそうにうなずく。背負っているものもこれからの未来も半分こでともに歩んでいく大切な存在をもっと愛でたくてその頭を撫で始めると相手から更に強く抱き着かれた。完全に心を許していることがわかる仕草に優越感を抱いていたが細まった目がこちらを向いてもっと撫でるように求められるとぱちりと瞬きした後破顔して了承の返事をする。軽く抱き寄せ、こちらに身を預けさせるとその頭を優しく左手をメインに撫で続ける。時折髪を緩く指の間を通したりすると指輪の段差の部分に引っ掛かったりして、その存在を感じながら相手も嬉しそうなのが見えれば手は止めずに「これで撫でられるの、好きかい?」と問いかけて)
…あぁ、好きだ。お前が俺と同じ指輪してるんだって実感できる。俺がお前のもので、お前が俺のものだって…嬉しくなる
(二人だけにしか使えない自分達を示すフレーズを口にすれば相手からは楽しそうな声が聞こえてくる、大切なものも記念日も毎日も運命も、全てが半分こでお揃いの今、もはや相手は自分の半身、もしくはそれ以上の存在でなくては生きていけないこの世で一番大切なものだ。そんな人にその人にしか許されない目一杯甘やかされる行為を望めば相手はまた嬉しそうに笑ってつられてこちらの顔も綻んでしまう。抱き寄せられると相手に預ける体重を少し増やして首筋に顔を埋めた。相手の左手がこちらの頭を撫でる、暖かで柔らかな手の中で優しく相手の体温が移った金属が当たればその度に幸せは溢れて、時折指輪と髪が絡まると相手との繋がりがまたひとつ増えた気がして背中に回す手でそこにある服を掴んだ。相手に問いかけられれば首元に埋まったまま軽く頷く、今は気取ることなんて出来なくて心に浮かんだままの言葉をいつもより少し拙い語彙で伝えて、結局は小っ恥ずかしくてなって誤魔化すように傍にある首筋にキスを落とす。頭を撫でられ溢れた幸せを相手に少しでも返すように戯れ啄むように首に口付けていく、時折悪戯心が働いて唇の先で食むような仕草も混じえていると「このまま溶けてフィリップとひとつになっちまいそう」と浮かれた事を口にして)
…そっか、僕も新しいお揃いで君と特別なつながりが持てて嬉しい。…ん、君とならそれも悪くないかもしれない。
(相手を軽く抱き寄せてその存在を感じながら頭を撫でるとおとなしく身を預けられて縋るように服がつかまれるのが分かる。普段よりも甘えているように見えれば優しく何度もその頭を撫でながら言葉でもそれを聞きたくて問いかけてみれば少し拙く素直な返事がされまた笑みが零れる。当然のように零される独占欲やお揃いに喜ぶ気持ちが愛おしくて仕方ない。首筋に次々に落とされるキスがくすぐったくて軽く身動ぎしながらこちらも撫でた場所に重ね掛けするように髪にキスを落とした。相手は街の誰にだって優しいがこうやって特別なつながりを持てるのは自分だけだ、明日からそれをアピールできると思えばまた胸は満たされていく中触れる唇で肌を擽られると笑い声ととも小さく声を零す。そして浮かれたような甘い言葉が聞こえてくればありえないとわかっていながらそうありたいと願ってしまえばこつんと頭同士をくっつけ柔らかな口調で同意しながら軽くすり寄る。全身で相手を感じながら「好きだよ、翔太郎」と溢れる気持ちを口にして)
へへ、…髪にキスされんのも嬉しい……俺も、フィリップの事が世界で一番大切で、好きだ
(こちらからキスを送ればそれ以上に頭は撫でられて口付けも追加されれば胸は喜びに擽られて思わず首元に擦り寄る、髪にあたる相手の唇は手のひらとはまた違う柔らかさを持っていて、相手から与えられる様々な感触を全て享受出来るのもきっとこの世で自分しかいない。首に口付ける度に擽ったそうにする相手が愛おしい、浮かれた言葉さえあっさり受け入れられてしまえばふわふわとした幸せは増すばかりで脳内は相手の事だけで満たされていく。体勢が変わって額同士がくっつけばこの瞳に映るのは愛しい人しかいない、擦り寄る感覚にまた笑みを零すと溢れるままに胸にある変わらない気持ちを伝える。指輪を渡す時はあれほど緊張したのに不思議なものだ。想いは溢れて止まらなくて、柔らかな体温に包まれ浮かされるままに相手に口付ける。ずっとくっついて互いの体温を交換するうちに溶けてひとつになりたいという浮かれた願いは膨れてしまって間近で相手の瞳を見つめると「フィリップ…もっとお前に近づきたい」とまた願いを口にすればそこを開けるのを促すように舌先で唇の間をなぞって)
ならそれもお揃いだ。…翔太郎、ん……
(溶けてしまいたいと願うならそれを少しでも叶えようと体勢を変えて額同士をくっつけてしまう。今日は朝からずっと浮かれていて、それが咎められることなく寧ろ甘やかされていれば助長していくばかりだ。軽くすり寄って思いを伝えれば相手からも同じかそれ以上の言葉が返ってきてそれすらお揃いと称すると小さく笑った。そうしてくっついていれば自然とまた距離が縮まって唇が触れ合う。すこし離れる間も視線は相手に捕らわれたままで更に近づくことを望まれると目を細め名前を呼ぶ。更に舌先が唇を擽るとぴくっと小さく肩を跳ねさせるも求められるまま口を開いて自らも舌をのぞかせる。下唇を舐めてちゅ、とわざとらしいリップ音を鳴らすと頭を撫でていた手を背中に回して軽く抱き寄せながら求めるようにキスを続けて)
ん、…へへ、……フィリップ……ほんとに溶け合っちまいそうなくらい、幸せだ
(同じ想いを口にすればそれらは全てお揃いとなって二人の特別となる。互いの境界線さえ無くしたくてさらに近づくようオネダリをすれば柔らかな声で名前が呼ばれる、その声は同じく柔らかく鼓膜を揺らして浮遊感のある幸せを増長していった。舌先で擽る悪戯に相手は反応を示して楽しげに笑っていれば、お返しとばかりに下唇が舐められて高い音が鳴り体も心も擽ったくてまた幼く笑う。手が背中に回って抱き寄せられれば思わず預ける体重を増やして唇を重ねる、相手の唇を食むように動かして開かれたそこから溢れた唾液が互いの唇を艶めかせた。時折吸い付けば戯れるような高い音は響いて幸せに口角を上げながら互いの体温を交換するキスを続ける、やがて極僅かに唇を離せば相変わらず浮かれた言葉を口にして先程相手がしてくれたように指輪を宿す左手で相手の頭を撫でると「最期まで一緒だからな、フィリップ」とまた変わらぬ誓いを立てて再び唇を重ねて)
(/お世話になっております!そろそろ区切りかと思いましてお声がけさせていただきました。大台に向けての記念日なお話でしたが検索くんと、検索様と、最高の形で記念を迎えられて本当に本当に良かったです。大台とお話をリンクさせることは全く考えていなかったので提案していただいて本当にありがとうございました。二人のお互いへの想いが溢れて何度も誓いを立てて全部をお揃いにして半分こにする二人が本当に愛おしくて、今後何かあった時もこの日のことを思い出すんだろうなと思えるお話になりました。今回もありがとうございました!
この後の展開ですがいかがしましょうか?このままもう少し二人の時間を取ってもいいですし、ここで二人の絆を深めるようなお話が出来ましたのでカ.オ.ワを絡めた通常回なお話、せっかく話題に出たので時間軸をずらして初めて二人が互いの相棒で探偵になった日をやってもいいかな、なんて思っておりました。どの方向性のお話でもいいかなと思うのですが検索様のご希望はいかがでしょう?)
…ん、ああずっと君の側にいる
(相手と一緒に居れば体温も高まって本当に溶け合ってしまう程くっついて唇を重ねる。唇に吸い付いたり軽くすり合わせたりと更に踏み込んで相手を感じる為のキスを続けていた。唇がお互いの唾液で艶めいて隙間が無いほどくっついて相手の体温や感覚に浸る。やがて僅かにだけ相手が離れて行けば目を細めてじっと相手を見つめる。甘く気持ちがこもった言葉とともに優しく頭を撫でられると相手の指にはまったお揃いの指輪の存在を強く感じることが出来てふにゃりと笑うと軽く擦り寄る。きっと何年経って同じ記念日を過ごしたとしてもこの気持ちは変わらない。改めて誓うように傍にいると告げると今日何度かの触れる恋人の温もりに身を預けて)
(/こちらこそお世話になっております。指輪の話が何度かあった時から記念日か何かの節目に二人としての記念日も作りたいなと思っていましたので今回の様な話ができてとても良かったです。お互いの気持ちを再確認しながらありのままの想いを伝え合う二人が可愛くて愛おしくて背後共々特別な時間となりました。宝石も調べるうちに二人にピッタリな物が見つかってそのまま採用して頂いて嬉しい限りです。、最高の記念日として大切なお話が出来て良かったです、今回もありがとうございました。
色々あげて頂いてありがとうございます、せっかくですのでお互いの相棒になった日の話をやるのいいですね!!歯車がかみ合い始めた日で今に繋がる予感を感じさせるようなお話してみたいです! こちらのイメージとしてはそれまで探偵君が世話をしながら一人で日常的な依頼を引き受けこなす、師匠を頼ってやってきた依頼人のド.ー.パ.ン.ト絡みの依頼を引きうけ、なかなか手掛かりがつかめない中検索が地.球.の.本.棚を使う事を気まぐれに提案してそこから何となく協力するようになって…みたいな流れなのですが探偵様のイメージするものや希望等はありますか?)
(/一旦こちらだけで失礼します。
指輪に埋め込む宝石はエクストリームに合わせて白色がいいかな、くらいで思っていたのですが、あんなに二人にピッタリな宝石があるとは!と背後でめちゃくちゃ感動してました。二人のために調べて探して下さったのがもうめちゃくちゃ嬉しいです……やり取りの中でまた指輪のお話が出てくるのを楽しみにしています。
それではお互いが相棒になった日にいたしましょう!この記念日のやりとりをしている中で絶対にいつかやりたいと思っていたのでこの流れのままやっちゃいましょう。そして大まかな流れ考えていただいてありがとうございます!ぜひぜひこちらも今の二人に繋がるお話にしたいので、そちらに加えて、になるんですが…確か当初はドライバーにメ,モ,リ.ブ.レ.イ.ク機能がなくて犯人を殺すしかなく探偵が犯人を追い詰めきれない、みたいな設定があったと思うので、ずっと探偵として煮え切らない事しかできなかったところにこのタイミングで検索くんがメ.モ.リ,ブ.レ.イ.ク機能を追加してダブルとして戦う覚悟も決まる、みたいなのを入れてみるのもいかがでしょうか?おやっさんを頼っての依頼を無碍にできず、でも調べていくうちにメモリの関与が見受けられて八方塞がりになったところに気まぐれに検索くんが該当メモリを検索して…みたいな流れでどうでしょう?)
(あのすべてが変わった夜から数か月ほど、連れてこられた場所は探偵事務所と呼ばれる場所で地下には情報を扱い身を隠すにはうってつけの広い空間が広がっていた。一緒にあの場所から逃げて来た左.翔.太.郎は毎日こちらに食事を持ってきてはしょっちゅう外に出ている。探偵、という仕事をしているようで良く怪我をしたり落胆したりしているようだが特に興味もなかった。今日も『お前はここに居ろ』と言われたガレージにこもって自由にしている間事務所ではノック音が響いて)
(/是非そんな感じにしましょう。何故躊躇するのか分からないといった様子だった検索が探偵君の意志を尊重してメ.モ.リ,ブ.レ.イ.クの仕組みを作ることを提案するような歩み寄りが出来そうで楽しみです。また時間がありそうなら相棒やダブルとなった記念で普段付けているネックレスや指輪を買ったみたいなエピソードがあっても良いかな、などと考えています。変わっていく部分のやりとりメインで他の所はサクサクと進めていけたら、と思っておりますのでよろしくお願いいたします。)
___……、ゴホッ!まっず………っ、はい、
(事務所の秘密の扉の先に住人が増えてから、そしておやっさんを失ってから、数ヶ月たったある日、いつも通りの時間に事務所にやってくればついいつもの癖で「おはよう」と声が出て空中にそれが霧散していく。ある程度片付けはしたものの事務所にはおやっさんの痕跡がまだ多く残っていて湧き上がってくる感情をゆっくりと息を吐きながら沈めていった。弱音を吐いている場合ではない、のだが実際状況はあまり良くない。探偵事務所は続けていてなんとか依頼はこなしているがあるものが関わる仕事だけはひとつも解決したことがない。内ポケットの中でそれが胸板にあたって視線を揺らす、ガ.イ.ア.メ.モ.リが関わる依頼だけは最後まで依頼人の涙を拭うことが出来ていない。その理由はあのドライバーにあって、でもおやっさんはスカルでその業を背負っていて、そうやって考え始めれば考えはぐるぐる巡るだけでまとまらなくなっていく。思考を落ち着けようとおやっさんが残した豆でコーヒーをいれてみるが一口飲んだだけでむせてしまった。思わずため息をついた瞬間に扉がノックされて依頼人が来たのだと弾けるように体が動き出す、コーヒーカップを適当な所において扉へと向かった。扉の向こうにいたのは大学の博士課程で学んでいる男性だった。開口一番聞いた『鳴.海,荘,吉さんはいますか?!』という声が鼓膜を痛い程揺らす。どうやらおやっさんを頼って来たようで小さい頃に助けられた経験があるらしい。自分と似たような境遇に胸が痛むのを抑えながらおやっさんが事務所を空けていることお自分が担当することを説明し依頼内容を聞く。夜、化け物、怪我と物騒なワードが並ぶ話を一通り聞いたあとに一度依頼人とは別れた。苦い顔をしていたが放っておくわけにはいかない。早速調査を、と思ったが昼時が近いことに気がつけばチラリとガレージへの扉の方をみる。朝食を食べているかも怪しい可能性が過ぎれば軽くため息をついて買ってきておいたサンドイッチを皿に出し帽子を引っ掛けている隠し扉をゆっくりと開けた。薄暗いガレージを見下ろしながら「フィリップ、起きてるか?」と声を掛けながら螺旋階段を降りていって)
(/自分で決断しなかった初めて検索くんが歩み寄る感じですね。相棒になってネックレスを送るのもめちゃくちゃいいですね!それが後々に結婚指輪に繋がるのもいいですし、ぜひ最後あたりにそんな話も入れましょう。つい長くかいてしまいましたが単独行動時はどんどん飛ばしてまだすれ違ってぎこちない二人のやりとりも楽しめればと思います。今回もよろしくお願いします!/こちら蹴りで大丈夫です!)
クロムの含有量によって発色の違いを示して……
(いつの日か相手が着替えと称して渡してきた服の中で一番過ごしやすかったTシャツとロングパーカーに袖を通し、着替え終えるといつものようにホワイトボードに向かう。メモリの実験やあの場所での研究をしなくなった分、起きている間は知識の探求をするのがほとんどだった。ここでの生活は知らないことが多い。昨日知った【宝石】というワードを大きく書いた横に本で得た情報を頭の中を整理するようにぎっしりと文字を書いていく。途中何か話しかけられた気がするが今はこちらの方が忙しい、テーブルの上には用意された朝食はきれいにそのまま残されていて脱いだ服もソファーに脱ぎっぱなしだ。ぶつぶつと独り言をつぶやきながら手を動かしていれば扉が開いたことも声がかかっていることにも一切気づかずに更に線を引いて追加の情報をホワイトボードをはみ出しそうな勢いで記入していて)
やっぱ食べて、あぶねっ!!壁に書くのは止めろって言ってんだろ!
(期待していたわけではないが呼びかけてみても返事はない、いつもの定位置が如くホワイトボードに向かってこちらに背を向けていれば相変わらずな様子に長いため息が出た。あの夜に連れ帰った相手は出会った時の印象のまま紛うことなき変な奴で、ついでにここで暮らしているうちに知的好奇心の塊であることを知った。問題はその度が過ぎていることで放っておけばこの通り食事さえ取ろうとしない。ボードに向かって何やらブツブツ言っている相手の背後に近づき小言を口にしようとするがその手がボードからはみ出そうとしているのを見た瞬間に声を挙げた。慌ててマーカーを持つ手を掴んで止めると思わず怒鳴ってしまう、先日文字がボードからはみ出した時はどれだけ苦労したか。そのままマーカーを没収すると「今日も食べてねぇじゃねぇか!また倒れんぞこの検索バカ!とりあえず食え!」とまた叫んで皿のサンドイッチを鷲掴むと相手の口にねじ込もうとし)
…なんだ、君か。これが終わったら食べるつもりで…、っ
(相手がすぐ後ろまでやってきても気づく事がなく得た知識を整理しようと手を動かしてホワイトボードをはみ出して壁に書き込もうとする。その瞬間手首に握られ止められると急な仕草に体が引っ張られその異常に漸く意識が外に向く。その原因が相手だと分かれば怒鳴るのとは対照的に静かな目と声で存在を認識する。あの夜に出会った男でその情報は当日に閲覧済みだ。何かと自分を気にしているようだが以前もこうやって書くのを止められた。マーカーを没収されてしまうと不服そうな目を向けその反論を口にしようとするがその前に続けざまに叫ばれて言葉が止まる。活動するためには栄養摂取が必要なのは理解している、それが数時間ずれようとさほど大きな影響は出ないはずでそのことを淡々と伝えようとするが相手はまた別のサンドイッチを掴むとこちらの口元に押し付けてくる。強引な態度に眉をひそめつつ仕方なく口を開くとサンドイッチの端の方を齧る。そのまま咀嚼すると漸く空腹を自覚してはまたもう一口食べてみて)
きっちり腹減ってんじゃねぇか……ほら、食う時はちゃんと座れ
(間一髪で壁に文字を書くのを阻止すると相手は明らかに不服そうな顔をするがこのまま放っておけば手に届く全ての壁が文字で埋めつくされてしまうだろう、そんな光景考えたくもない。これから長い時間事務所を空けるのを考えれば今飯を食わせておくべきだろうとまだ何やら良いだけな口にサンドイッチをねじ込む、相手はやはり不服そうだったが一口、また一口と齧り付くのを見れば思わずため息をついた。食欲よりも知識欲が勝つまではギリギリ理解できるが相手の場合は本当に全てを忘れるのだから厄介だ。ペンを持っていた手にサンドイッチを握らせ立ったままでは行儀が悪いだろうと相手をソファの方へ誘導する、しかしそこにはそこで脱ぎ捨てられた服があってまた小言が出そうになるのを数秒かけて何とか飲み込んだ。脱ぎっぱなしの服を端に寄せてとりあえず相手を座らせるとぐちゃぐちゃのままの服をたたみ始めて「俺は今から依頼のために捜査に出る。事務所の扉は閉めとくが、誰か来ても絶対にガレージから出るんじゃねぇぞ」とこれからの自分の予定を共有し、ついでに釘を刺しておいて)
……、…ああ。…さっきから声の強張りと視線の迷いが多い。緊張状態の反応だね
(半ば強引にサンドイッチをねじ込まれ仕方なく一口齧ると体が空腹なのを思い出してお腹が鳴る。更に一口食べて咀嚼を繰り返していれば相手が持っていたサンドイッチを握らされて促されるままソファーの元に向かう。脱ぎ捨てた服が片付けられてスペースの出来たソファーに座り、仕方なく手元のサンドイッチを大人しく食べていると相手から今からの予定が共有される。この場所から出てはいけないことは初めてこの事務所に来た時から散々言い聞かせられている。あの場所とさほど変わらない暮らしをしながら相手の声掛けに頷いていたがふと何かに気付いて動きを止めるとじっと相手を見つめる。普段との違いを見つけるように観察して淡々と相手の様子を分析するように呟くがそれっきり興味を失くしてまたサンドイッチを食べる行為に戻って)
なんだよ……なッ、…、……うるせぇ!適当な事言ってんじゃねぇよ、ったく…あとで朝飯分も食っとけよ
(帰ってきて相手が空腹で倒れていた時はなかなか肝を冷やしたもので二度とあんな経験はしたくない、人が死ぬところを見るなんて、懲り懲りなのだ。散らかったままだった服をたたみ終えた所で相手がこちらを見つめていることに気がつく、怪訝そうな顔をして視線を返していれば図星をつかれてしまって固まってしまった。正確には相手の言うことに覚えがありすぎて反論できなかった。まだ依頼人の話を聞いただけだがその話には異形の存在がチラついている、今一番因縁の深いものが関わっている可能性があると言うことで、それは即ち『また解決出来ない依頼』かもしれないと言うことだ。痛いところを突かれて上手く言い返せないでいるとじわりと弱気な心が顔を出す、またメモリの力に飲まれた人と対峙しなければならないかもしれないと、共に変身する相手に打ち明けてしまいそうになる。しかし視線を向けた相手は既にこちらを見ていなくて瞬間言葉は引っ込むと全てを振り払うように叫んでいた。きっと解決の糸口があるはずだ、その為に今は動くしかない。相手に食事を怠らないように再び釘を刺しながらドンッと音を立て乱暴に朝食分の皿を目の前に置くと「行ってくる」と声をかけてガレージを出て捜査へと出かけていき)
そうやって声を荒げるのも要素の一つだ。…ああ。
(相手をじっと見つめると怪訝な表情を向けられるがそれも気にせず緊張状態であることを指摘すればわかりやすく相手は固まる。反応を見る限り本人も自覚があるようで予測が正解だったと分かれば興味もなくなってサンドイッチを食べることに意識を戻す。すると大げさに声をあげて叫んでいて更に露骨な反応を淡々と指摘していた。相手は探偵としてこの街でヒトダスケをしているらしいがそれについて深く聞いたことも実際に何をしているのかも知らない。おおかた鳴.海.荘.吉の真似でもしているのだろう。そうしていると相手は朝食分だと思われる皿を乱暴に目の前に置いてからガレージを去っていく。まったく理論的ではない相手の行動を読むのは難しい、ちらりとそちらを向いて短く返事だけすれば食事に意識を戻した。気づかないだけで空腹だったようでサンドイッチと朝食の分まで食べてしまうとまたホワイトボードに向かって検索結果を書き始めて)
(事務所を出て風の街へと繰り出す、今日は頭に乗る帽子が一段と重い気がした。依頼人から聞いた話はこうだ、依頼人の元に脅迫状が届いており『今すぐ大学を辞めて田舎に引っ越せ。さもなくば全てを引き裂く』という内容だった。最初は不気味に思うだけだったが一週間前に大学の同僚が何者かに襲われたという。そこから友達、同じ研究室の仲間、研究室の教授と段々関係性が近いものが狙われ、この流れで行くと次は親かもしれないと思い至った依頼人は警察だけでなくこの街の探偵を、本来ならばおやっさんを尋ねたようだった。被害者が多い分情報は多い、襲われた人と現場を順に回っていけば出てきた情報は『暗い夜道で襲われた』『傷口は全て鋭利なもので切られている』『現場にも同様の傷がある』『暗闇の中で爪のようなものが光った』『目が合ったが人間ではない化け物のものだった』『体の表面がギラついていた』などなどだ。一通りの調査を終えて一旦事務所へと帰ってくる、無意識に「ただいま」と口にしてまた声は宙へ霧散した。集めた情報を纏めたノートを机の上に放り投げ、一緒に現場で拾った異様な大きさの鱗もそこへ置く。ここまでの証言を聞けばどう考えても犯人は人間じゃない、正確には人間の姿をしていない、といったところか。しかし状況証拠だけでこの情報を裏付けるものはひとつもないし、予感が正しければ、つまりメ.モ,リ,犯罪であれば、犯人に罪を数えさせることは出来ないかもしれない。どうすべきか答えは出ずぼんやりとしながらドリッパーに入れたコーヒー豆の上にお湯を注ぐ、ドボドボと一箇所にただお湯を入れたあと答えの出ない答えを探して延々と考えながらコーヒーを飲むがただ渋いだけの液体にまた咳き込んで「まっず…」とひとり呟いていて)
……、…これは鱗?…これはド.ー.パ.ン.トの犯行だろうね、それもかなり上位ランクのメモリだ
(検索が一段落して喉の渇きを感じて階段を登り事務所スペースにやってくるとそこの明かりがついていてここに来てすぐに知ったコーヒーの香りが漂っていた。奥の方に目をやれば相手がコーヒーを淹れているようで外も大分日が落ちている。自らも水分補給しようと特に声をかけることなくキッチンに向かおうとするがその前に机の上にきらり光るものを見つけてふらふらと近づく。手に取ってみればぎらぎらと輝く鱗のようだが魚や爬虫類のものとは違ってかなり大きい。目に好奇心を宿して観察していれば傍に手書きのノートを見つけ、手に取って読み込んでいく。証言の内容はあきらかに人間の犯行ではないのは明らかだが被害者との関係性を見る限り意志があるのは間違いない。そしてその特徴に覚えがあればちらりと相手の方を見てあの夜以降、二人の間でほとんど話題に上がる事の無かったワードを口にする。犯行回数とその間隔が段々短くなっているのを踏まえると「これだけ頻繁にメモリを使用していれば大分毒素が溜まっている頃だ、そろそろ自我を失って暴走状態に入ってもおかしくない」と淡々と犯人の分析をして)
っ、フィリップ。…ンなこた分かってる。つーか勝手に見ん、…おい待て
(不味いコーヒーにむせ込んでいるといつの間にか相手がガレージから上がってきていたようで声をかけられ漸くその存在に気がつく。相手がこちらの探偵業に興味を持った事など無かったがいつの間にかその手元には捜査のノートと鱗があってまた驚いた。捜査状況が悪いのもあって淡々とした分析も今は耳が痛い、意識を逸らしていたがこの捜査状況で相手も考えつくことは同じらしい。この依頼の裏にはメモリを使用したド.ー.パ.ン,トがいる。だが、そう考えるのは容易いが調査内容と合致するド.ー.パ.ン.トがいるのかなんて調べようがないのだ。犯人が危険な状態であるのは重々承知で思わず語気が鋭くなる、これまでのメ.モ,リ,犯罪者は毒素に蝕まれて自我を失っていくのを何度も見た。ダブルに変身し一度は力で押さえ込んでも結局は毒素に負けて悲惨な運命を辿ってしまう。メモリを無力化するのはメモリごと犯人の息の根を止めるしかなく、そんな手段は絶対に取りたくない。過去の苦々しい経験を思い出していたが相手の発言の中で気になるものがありハッと顔を上げる、不味いコーヒーが入ったコップを置いて相手に近づくと「お前、この犯人がどんなメモリ使ってんのか分かるのか?」と問いかけて)
…? ガ.イ.ア.メ.モ.リは僕を通して地球から引き出した記憶を利用した道具だ。だから地.球.の.本.棚に入って幾つかの要素で絞り込んでいけばどんなメモリが使われたか特定は可能だろうね。
(今回がド.ー.パ.ン.トによる犯行だと話を纏めていると相手から鋭い声が返ってくる。だがそれも気にせずに資料と鱗を交互に見つめ何やら考え込むように唇を指先で撫でていたが何かが近づいてくる気配がして顔を上げる。コップを置いた相手が真剣な顔で問いかけられると当たり前のことを言うようにメモリの成り立ちを説明する。そういえば詳しく自分と地球との繋がりを離していなかった。源が同じであることとメモリの特徴さえ分かっていれば使用したメモリの詳細やどんな能力を持っているかを知ることが出来ると告げる。そして相手が書いた捜査のノートにはそのための条件もある程度揃っているように見えると視線を相手に戻して気付けば「試してみるかい?」と問いかけていて)
あ……そうか、お前メモリを作ってたって!地.球.の.本.棚ってのを使えば何のメモリを使ってんのかお前なら分かるのか
(こちらの集めた情報だけでさらりとメモリが上位ランクだと断言した相手の言葉にメモリの特定が出来るか問えばさも当たり前のように可能だと答えが返ってくる。あの夜から今までがむしゃらで気づかなかったが思えば相手はメモリを作っていた張本人でおやっさんからこの地球の記憶を全て保有していると聞かされていた。言葉として聞いてはいたが相手の能力を探偵業の捜査に活かせるとは全く思い至ってなくて思わず頭に手をやる、きっとおやっさんなら相手がここに来て落ち着けば直ぐに捜査協力をお願いしていただろう。自分の不甲斐なさを反省していれば相手の視線がこちらに向いてメモリの特定を試すか聞かれて動きを止めてしまう、自分の知識欲を満たす以外に行動を起こすなんて、しかもそれが今まで露ほども興味を示さなかった探偵業だなんて、正直意外だった。「それはありがてぇけど、」と言葉を挟んでから相手を見つめる、別に疑っている訳では無いが何が相手の興味を動かしたのか気になって「なんで急にやる気でたんだよ」とストレートに問いかけて)
…なんで、…君がその仕事をしているのは鳴.海.荘.吉があの夜命を落としたからだろう? そしてその原因は僕にもある。…なら、君に協力して鳴.海.荘.吉のしていたことをすれば僕の罪も償えるかもしれない。
(自らの持つ本棚でメモリの特定をすることを持ち掛けると相手は何故か頭に手をやっている。どうやらあの場所に閉じ込めてまで組織が欲しがっていた自分の持つ能力のことをすっかり忘れていたらしい。問いかけの返答を待っていると相手と目が合って興味を持った理由を聞かれる。だが気付いた時には特定すると申し出ていた。それが何故かと言われて自分でもその理由を探るように口元に手をやって思考を巡らせる。そして再度相手と目を合わせるとあの夜の話を持ち出す。自分を拘束から解放して目の前で亡くなった相手の師匠で、自分の名前をつけた人。彼はあの時自分の罪は決断しなかったことだと言っていた。もしもあの時別の行動をしていたら結果は変わっていたかもしれない。そして同時に自分のしてきた事が人の命を奪うことで、人の死が誰かに深い悲しみを生み出すことも知った。ならば彼のやってきた探偵という仕事をこなせば、ド.ー.パ.ン.トを止めることが出来れば何かが変わるかもしれない。淡々と、だけど意志のあるような声でそれを告げると「君はどうだい」と珍しく問いかけて)
、お前……それがお前の決断で罪の数え方ってことか。……俺はあの夜おやっさんからこの街の探偵を託された。おやっさんみたいに人知れず泣いてる人の涙を拭いてぇ。それにこの街の探偵として涙を拭い続ける事が俺があの夜犯した罪を数える事になんなら、俺は風.都,の探偵であり続ける
(問いかけはしたものの返事は『気紛れ』だとか『メモリに興味があるから』だとかそこら辺を予想していた。しかし開口一番におやっさんの名前が出てくれば目を見開く、そしてあの夜の事に触れられれば瞳を揺らした。その後も淡々と理由が語られていくがいつもの興味の失せた冷たい声でも興奮気味に早口で捲し立てる知識の暴走特急でも、どちらでもない今まで聞いたことのないような相手の確固たる意志を感じる声で手を貸す理由が告げられた。おやっさんの言葉は、あの夜のことは、確かに相手を変えていたのだと漸く気がつく。そして今度はこちら側が問いかけられる、相手がこちらに興味を示すのも珍しいが、あの夜からずっと忙しなくてきちんとこの問いかけに向き合う時間はなかったかもしれない。軽く息を吐いてから真っ直ぐと相手を見つめ問いかけに答えていく、少し前までただ憧れるだけだった探偵という称号、自分の想いだけが乗っていたその言葉に今はおやっさんの意志と自分の罪が乗っかっている。探偵とは自分のやりたいことでやるべき事なのだ。あの夜から事務所のことと相手の世話とでバタバタしていたがようやく相手と向き合えた気がする、改めて自分の心を言葉にしてみれば「どうやら俺もお前も罪を数える方法は同じみてぇだな」と小さく笑って手を差し出す、そして「協力してくれるか?」と改めて願い出て)
…ああ、目指すものが一緒なら協力したほうが早い。君のやり方に相乗りすることにしよう。
(あの夜の話をすれば相手は目を見開き、動揺に瞳を揺らす。思えばこうしてあの時のことを、これからのことを向き合うのは初めてでじっと伺うように見つめながら問いかけると相手は小さく息を吐いて思いを告げていく。相手のいう探偵に今までとは違う意味合いが乗ったように感じられると目の前に手を差し出されて目を瞬かせる。その後協力を持ちかけられるとその手と相手の顔を交互に見てから見よう見まねですぐそばまで手を伸ばしてみる。お互いに未熟で罪を背負っているなら協力したほうがいい。真反対だがいいやつだと彼に紹介された相手の顔をじっと見ながらまた相乗り、というワードを口にすると少しだけ口角を釣り上げた。そしていつもの本を開き「さっきの説明通り、地.球.の.本.棚で本を絞るにはキーワードが必要だ。能力の特徴や条件みたいなものを君の方で選んで読み上げてくれ」と告げると早速目を閉じて手を開くことで本棚にアクセスして)
あぁ、今度は俺の探偵って仕事に相乗りしてくれ。……単語で絞り込んで目的の情報を得るってことか、ほんとに検索みたいだな。ならキーワードは…
(あの夜を共に乗り越え数度ダブルに変身したことはあったが漸く正面から相手と向き合えた気がする。改めて協力を申し出て手を出すが相手は同じく手を出すだけだ、目を瞬かせるも常識がすっかり抜け落ちているのを思い出せばまた軽く笑ってその手を握っていた。そしてあの夜に言われた言葉を再び伝えられればまた少し目を開いた後に同じく口角を上げる。あの時は土壇場で言われるがままだったが今は違う、同じ罪を背負った者同士、同じやり方で罪を数えるために相乗りするのだ。少し調子づいた声で相手と同じ言葉を繰り返すと握手した手を離して動向を見守る。メモリの特定方法を説明しながら相手はいつもガレージでしているように目を閉じて両手を広げる、これが地.球,の,本.棚に入っている状態なのだろう。メモリを特定するためのキーワード、それは今しがた足で稼いできた情報の中にあるはずだ。チラリと調査ノートを見てから視線を戻すと「爪」と一つ目のワードを出す。そして物的証拠として手に入れたものから「二つ目は鱗」とキーワードを追加する。そしてキーワードを考えるうちに情報が整理されて鱗を見つけた場所を思い出せば「三つ目は水辺だ。鱗はマンホールに挟まってたんだが関係者が襲われた現場には必ずマンホールがあった。きっと下水道を使って移動してたから犯人は突然現れて突然消えてたんだ」と犯人の動向を絞り込んでいき)
≪水辺≫……ビンゴだ、左.翔.太.郎。犯人はクロコダイルのメモリを使っている。獰猛な性能で強靭な顎と爪を持っていてその鱗も刃物のように鋭く進化している。そして君の言う通り下水道を通って移動しているようだけど、逆に長時間水辺から離れると動きが鈍るようだ。短時間の犯行を繰り返しているのはこれが理由だろうね
(地.球.の.本.棚の中に入れば緑色の光が溢れ目の前に無数の本棚が現れる。普段はここで興味の沸いたワードを思うがまま調べているが今は違って相手に絞り込む為のキーワードを託す。本棚の外から相手の声が聞こえてきて順番に言われていくワードを入力すれば本棚は大きく動いてその数が減っていく。そして三つ目のワードを入力すると一気に数は減って一冊の本に絞られる。それを持って現実に戻ってくると最初の数ページを読み込みながら当たりだと告げる。自分だけに見える本からメモリの情報を読み上げ、相手の調べた調査ノートの出来事と結びつけていけば段々とその犯行方法や理由が見えてくる。いつもの癖でホワイトボードに情報を書き込もうとしてマーカーの類が無いのに気付くと適当な紙をその辺から引っ張ってきて裏にすらすらと文字を書いていく。そして簡単にこの街の下水道と主要の施設を図式していき「今日の深夜にここの配管の点検工事が行われるらしい、だからここを避けて動くなら次に現れるならここだろう」と数か所にバッテンしてから大学近くの道をペンでとんとんと示して)
ほんとか?!…すげぇ、でかしたぞフィリップ!…大学近くが次の現場になんなら狙われてるのは依頼人自身ってことか?確か明日デカい学会で発表があるから遅くまで大学にいるって言ってたが…なんつーか、狙いすましたようなタイミングだな。配管の点検があるなら普通今日の犯行は避けるだろうが、依頼人が今日大学に遅くまでいるって分かってんなら絶好のチャンスだ。……
(相手にキーワードを伝えれば【ビンゴ】という言葉が伝えられ思わず声をあげる、相手は目を開いて手に持っている真っ白な本を読んでいて相変わらず奇妙な光景ではあるがそこに書かれているであろう文字が読まれていけば調査内容と面白いくらいに一致していた。さらに相手は紙を手元に引き寄せて何やら地図を書き込んでいく、それは下水道の経路図で段々と地図になり大学近くにだけ潜伏できる場所を特定すれば思わず顔を明るくして相手の肩をよくやったと叩いた。犯人は依頼人の周囲の人から危害を加えていったがどうやら遂に本人に手を出す気らしい、脅迫文には依頼人の全てを引き裂くと書いてあったが依頼者本人とその栄光さえ切りさこうとしているのだろう。だがふとそこでまた思考が巡る、下水道の点検日だなんてリスクがある日に普通は犯行を行いたいとは思わない、しかし依頼人の動向さえ分かってさえいれば今日の夜は絶好のチャンスになるのだ。このまま夜を待って依頼人を護衛していればきっと犯人と相対することができる、しかしそれは依頼人を囮にするのと同じで犯行を未然に防ぎたいところだ。再び相手に目を向ければ「お前はこの地球の記憶にアクセスできんだよな?なら、依頼人と同じ研究室に所属してて似たような内容の研究してる奴って調べたりできんのか?」と問いかけて)
メモリの衝動性という点でも狙う可能性は高いだろう。…そこまで条件が絞れているなら簡単だ。
(こちらの結果を伝えると相手の顔はぱっと明るくなって肩を何故か叩かれる。慣れないスキンシップに若干戸惑いを浮かべながら相手の言葉を肯定するように補足を添える。総合的に考えて今日の夜に依頼人自身を狙う可能性が高い。するとなにやら考えていた相手がこちらを向いて次の検索先を提示して来れば得意げな顔でこくり頷く。また地.球.の.本.棚の中に入り依頼人の所属している研究室について絞り込むとこちらは対象がハッキリしている分すぐに結果が出た。かなり高度な研究をしているようだがその中で興味深い記述を見つけるとまた現実に戻ってきて一人の男の名前を紙に記す。そして相手の方を見れば「今は所属している人にはそのような人物はいなかったけど半年前依頼人の所属している研究室からデータの改ざんや剽窃に近い不正行為を行って停学処分を受けた人物がいる。この男は後に自主退学したそうだけどその時に扱っていたテーマが依頼人のものとほぼ同じだ」と説明を続けて)
退学して半年なら明日に学会がある事も手続きにかこつけて研究室に潜り込んで依頼人の動向も探れる、そいつがメモリを使ってる可能性が高い。よしっ!今から会いに行きゃメモリを使う前に止められ…
(あらゆる点が重なって自らの考えを裏付けるために再び検索を頼めばまたもあっさりと該当の人物が炙り出される。相手の情報からすると犯人は依頼人の成果を横取りしていたのかもしれない、自分の不正が暴かれ搾取していた人間が華々しく表舞台に出ようとしているならば逆恨みで全てを引き裂こうとする可能性は十分にある。相手が名前を書き込んだ紙を手に取ると興奮気味にこちらの推理を語る、これだけの情報があればこの男を探し出すのは容易だろう。今まではほとんどの場合犯人がメモリを使って暴れだした後にしか対応が出来なかったが、これならばメモリを使われる前に接触出来るかもしれない。思わずガッツポーズをして早速男を探し出そうとその場をかけ出すが直ぐにその足は止まる、もしメモリを使うのを止められなかったらと考えがよぎったのだ。この男が犯人だとすれば既にメモリの毒素にやられてまともではなくなっているはず、そんな相手からメモリを奪うことなんてできるのだろうか、奪ったとしてそれで犯人は罪を数えられるのだろうか。迷うように足を止めるがそれを振り切るように頭を振れば「メモリを使われる前に無理やり押さえ込めば良いだろ」と自分に言い聞かせるように言えば帽子を手に取ろうとして)
…? …ちょっと待ちたまえ。
(メモリを使っているであろう人物を絞り込んで名前を書き込むと相手は興奮気味に推理を語っていく。まだ状況証拠ではあるが待ち構えるには十分な材料だろう。ガッツポーズをしたかと思えば気合いたっぷりに動き出そうとしていたがすぐにその動作が止まって首を傾げる。暫し沈黙の後に投げやりな言葉が聞こえてくるが生身でド.ー,パ.ン.トと対峙する可能性を思えばかなり危険な手段だ。少し考えてから相手に止まるように伝えると一旦ガレージへと降りる。それから少ししてクモの形をしたデバイスとメモリのようなものを持って戻ってくると相手の前に差し出す。検索のために開発と調整を進めていた物だ。相手に視線を向け「下にあった設計図と材料を元に作ったガジェットのようなものだ。超合金のワイヤーを射出したり、追跡の為のレーダーがついている」とその性能を説明しながら相手の手を取ると手首に装着して)
ん?なんだよ?___…ガジェット?腕時計じゃねぇのか、だぁっ?!
(メモリを使われれば犯人を倒す、つまり息の根を止めなければ暴走を止められなくなる。追い詰めて逃がしてもメモリの毒素にやられた犯人は必ずまた何か手を汚して最終的にはメモリの毒素にやられて救えずにいた。今はまだ犯人を止められることを信じて動くしかない、覚悟を決めて事務所を出ようとするがその前に相手に呼び止められた。ガレージへと引っ込んだ相手をその場で待っていれば帰ってきたその手には見慣れぬ機械のようなものがあった。されるがまま手首に装着されるがどうみても時計にしか見えず怪訝そうな顔をしながらガジェットを様々な角度から見ていたが、不意に腕をのばしたタイミングでワイヤーが突然発射され思わず声をあげる。飛んでいったワイヤーはガレージの扉に引っかかっていた帽子を掴んで巻き取られた勢いで帽子が手の中に飛び込んできて思わず「おぉ!すげぇ!お前こんなのも作れんのかよ!」と感嘆の声をあげると先程の真剣な顔は吹き飛んで「なんだよこれ!探偵の七つ道具みてぇだ!」とすっかり興奮しながら腕のガジェットを指さし)
まだ実際に使用テストはしてないけど今みたいにものを引き寄せたり何かを捕縛したり、緊急時の退避方法だったりと十分に使えるはずだ。
(ガレージからつい先日完成させたガジェットを持ってくれば相手は怪訝な顔で観察する。傍から見れば少し配色が派手な腕時計にしか見えないが特定の動作をするとワイヤーが発射されてハッドを捉えた。そのまま相手の手元に戻ってくればどういう用途なのか分かったようで感嘆と興奮気味な声が聞こえてくれば得意げに口角が釣り上がる。一般的なものよりかなり頑丈な合金を使ったワイヤーなためちょっとやそっとじゃちぎれたりはしない。その活用方法を提示し、さらに他のモードについても軽く説明してレクチャーをすると改めて相手を見つめて「協力する以上君が危険に巻き込まれて死なれるのは困る。僕たちはある意味一心同体だからね」と言いながら変身した時にドライバーが現れる自分の腹部に手を添えその理由を告げて)
これがありゃ今回こそ上手くいはず……なんだよ心配してんのか?まさかお前からそんなこと言われるとは思わなかったぜ。まぁ、でも…ありがとな。今回はお前が相乗りしてんだ、絶対に依頼を成功させなきゃな
(最初こそ半信半疑だったがワイヤーを目にすることで漸くこの時計の意義を理解する、興奮するこちらに相手はまた得意げに笑みを浮かべていてイヤミが抜ければこんな表情もするのかとそれにも少し驚いた。一通りのレクチャーを受ければ躊躇した心はすっかりなくなり成功への期待が高まってくる、自信を取り戻した顔で相手を見たところで目が合い、予想外の言葉を言われればまた目を瞬かせた。興味を持ったこと以外には徹底的に関与しなかったのにまさか他人を思うことを言うなんて。それも効率だなんだ言うのかもしれないが今の言葉がこちらにとって嬉しいものだったのは確かだ。だが不意打ちでそんなことを言われるのは照れくさくて少々茶化した口調で返事をすれば先程相手が手を添えた腹部をトントンと軽く叩いて「じゃあ言ってくる。ドライバーを使わねぇのが理想だが……万が一の時は頼んだぜ、相棒」と声をかければ返事を聞く前に事務所を飛び出していき)
…、相棒。……、
(興奮する相手に授けた理由を明かせばその目は瞬いて驚いたような反応を見せる。身一つであの場所から飛び出して戸籍もない状態の自分が頼れるのは相手だけだ。相手を亡くしてしまえば他に匿ってくれる人を探すのも難しいだろう。そんな損得勘定以上の物が芽生えている事には無自覚なままじっと相手を見つめていると相手は茶化したようにこちらを叩く。そして先ほどよりも調子よく声がかかって事務所を飛び出していくが【相棒】というワードが引っかかると相手が居なくなった事務所でぽつりと呟いた。今までド.ー.パ.ン.トと対峙した時相手は倒しきることが出来なかった。その葛藤は意識越しに伝わってきてその時は何故街を守りたいと言いながら既に危害を加えている怪物を倒さないのかと理解に苦しんでいたがこの数か月で相手が本気でメモリの使用者にすら救いたいと思う程のお人好しなのは伝わってきた。そんな相手と共に動くなら何が必要か、考え込んでから一つの推測が立つと本を持ってガレージに降りていき)
こんなとこで何してんだ?お前はもう退学したんだろ?
(あの夜から今日までずっとやれるだけのことはやってきたつもりだったが常に水面ギリギリに顔を出してもがいている状態だった。だが今日は違う、相乗りしてくれる人間がいて新しいガジェットがあって死なないようにと心配してくれる人がいて随分と息がしやすい。おやっさんに習って思わず相棒と呼んでしまったことに今更恥ずかしくなりながら依頼人の大学へと急いだ。調査の中で研究室の面々とは既に顔見知りで相手が見つけ出した名前の紙を見せれば直ぐに顔が割れる、大方の所在を教えてもらって急いでそちらに向かおうとしたがその道中で例の男を発見した。そこはまさに相手が今日犯人が潜伏するであろうと示したポイントだった、夜に向けて下見にでも来たのだろう。背後から男に話しかければ慌てた様子で男が振り返る、こちらの態度を見て何かを確信したのか『俺が何処にいようと勝手だろうが!』と叫びながらメモリを取り出す。メモリを起動しようとするが素早くワイヤーを発射すると男の手からメモリが弾き出された。メモリが地面へ落ちればどちらも一斉に走り出す、先に男を落とそうと拳を振るったが興奮状態の男はそんな不意打ちにも対応してきて取っ組み合いになった。遠くへ吹き飛んだメモリに再びワイヤーを発射しようとするが伸ばした腕に拳をくらい弾き飛ばされてしまう。その隙に男はメモリを拾い嫌な笑みを浮かべると自らの手のひらへと突き刺した。途端に男の体はクロコダイルを模した怪物のそれへと変化する、異形を前に咄嗟にドライバーを腰に宛てがい相手と意識を繋げるがこうなってはもう息の根を止めるしか手段はない。思わず「くそ!」と悪態を着きながらワイヤーを発射するが爪で弾かれてしまいこちらに向けて振り下ろされた爪を咄嗟に地面へ転がって避けて)
どうやら良いタイミングだったようだね。変身するよ、左.翔.太.郎。
(頭に浮かんだ構想が実用できるのか、ホワイトボードに溢れる考えと計算を書きなぐっていく。そして結論が出て満足げにマーカーにキャップをした所で腰にド.ラ.イ.バ.ーが現れて意識を共有する。そこから今相手が先ほど指定したポイントを訪れてあの男と対峙したところ、本棚で調べた通りクロコダイルのメモリを使用した事と現在の状況を把握すれば早速今の理論が検証できる機会ににやりと笑って言葉を返す。ワイヤーが弾かれて地面を転がって何とか避けたタイミングで変身を持ち掛けると疾風のメモリを起動してドライバーに装填する。相手の切札のメモリを差し込んで左右に開くと現実の体からは意識が抜け、相手と一つとなった。怪物となった男は計画を邪魔されてかかなり気が立っていて再び爪を振り下ろしてくる、一歩下がって避けるもすかさず強靭な顎でこちらに食らいついてきて地面に転がって攻撃を回避する。上位のメモリだけあって力勝負では難しそうで「あの攻撃を受けぬよう中距離戦で行こう」と声をかけるとメモリを赤と銀に変えてシャフトで距離を取りながら攻撃を叩き込んで)
え、…あ?……あぁ、行くぜフィリップ!
(なんとか変身せずガジェットだけで乗り切れないかと思ったが流石に歯が立たないらしい、焦りを覚えていればドライバー越しに相手の考えが流れ込んでくる。これまで実現出来なかったことができるかもしれない可能性に一瞬動きを止めるがその後頭に流れ込んできたホワイトボードに連なる数式は理解できず思わず間抜けな声が出た。しかし理解はできなくても今意識が繋がる相棒がひとつの可能性を示してくれている、ならば体もこの先行く道も同じである一心同体の相手に賭けるのが筋だろう。動きを合わせて二本のメモリを装填してダブルへと変身する、近接では不利と判断した相手は赤と銀へとメモリを変えた。炎を纏ったシャフトで距離を取りながら攻撃を加えれば形勢が逆転する、お熱い炎で怪物の皮膚に纏っていた水分が蒸発していき動きが鈍くなれば「おらぁ!」と気合いの乗った声で重い一撃を食らわせ怪物を地面に転がした。この後今までは怪物を消し去るしかなかった、だが相手の脳内には新たな手段がある。怪物から目を離さないまま「ここからどうすりゃいいんだフィリップ!?」と相棒にこの先を託して)
理論上体内のメモリ回路だけを破壊することが出来れば力の供給は止まって姿が元に戻る。そのためには的確に一か所をおなじだけの出力で叩くことが必要なのだけど…行けるかい、左,翔,太,郎?
(水辺から離れると動きが鈍くなるなら強制的に乾かすまでだと距離を保ちながら炎を纏ったシャフトを振って表面の水分を蒸発させる。狙い通り怪物は悲痛な声をあげて動きを鈍らせると相手が更に重い一撃を食らわせて怪物を地面に転がす。今まではここで相手が決めきれずに逃がしてしまうところだが既に頭に浮かんだ方法は相手にも共有されているようで手短にその理論と方法を伝える。全体に強いエネルギーをぶつければ使用者ごと消し去ってしまうがメモリから解放するには人とのメモリの接続部分を断ち切ってしまえばいい。だがそれには的確に一か所を狙い撃つ必要があり、二人で動くダブルでは同時に叩かなければそれを可能にする出力は出ない。右肩下の狙い撃つ場所を見ながらシャフトを構えると覚悟を問うように名前を呼んで)
……やらなきゃあいつに罪を数えさせられねぇならやるしかねぇ。それに今の俺とお前なら…二人で一人の俺達ならやれる!決めるぞ、フィリップ!
(脳内に流れ込んできたメモリだけを壊すその方法を問えば相手から手短に説明がされる。今まで何度か相手と共に変身をして戦闘を重ねてきたが支障が出ないように同じ動きをしているだけだった。だがそれでは足りなかったのだと相手と共に右肩下を真っ直ぐ見つめる、真に二人で息を合わせて全力でかつ均等に一点を狙わなければならない。昨日までの相手とならばそんなことできるはずがないと鼻で笑ったのだろうが今は違う、こちらから悪魔と自称する相手に乗って、相手から同じ罪を償うためにこちらへと乗って、互いに相棒と相乗りしているのだ。相手が言った一心同体という言葉が頭に過ぎる、だが自分達はそれ以上でいてよりシンプルにひとところにいる。それを二人で一人と称してこちらからも強く名前を呼べばシャフトを強く握り炎を惑わせ怪物の元に走り出した。全力の力を込めて、しかし今までで一番強く相手を感じ僅かな呼吸すら合わせながら容赦の無い渾身の一撃を相手と共に一箇所へと叩き込んで)
っ、ああ。 せーの!
(ただ力任せに振るうのではなく息を合わせて攻撃を加えるのだと説明し、狙いを共有すると隣から強い意気込みが感じられるようになる。あの時のような土壇場ではなく、自らの意思で共に動くことを決意していれば【二人で一人】【俺たち】と言われて目を瞬かせる。今までの態度とは違う、真っ直ぐな信頼のようなものを感じれば初めてのそれに一瞬固まるも強く名前を呼れ、応えるように固くシャフトを握り直す。そして走り出して距離を詰めると無意識に相手が呼吸が揃う。息を吸って大きく振りかぶってから迷いなくその1箇所に攻撃を叩き込むとパキッと何かが壊れるような音と確かな手応えを覚えた。吹き飛ばされた怪物は更に地面を転がって行く、そしてその姿は狙い通り人間のものに戻り、掌からメモリが排出される。地面に落ちた途端甲高い音を立ててメモリが粉々に砕け散るの見れば「どうやら狙い通り元に戻ったようだね」と得意げに告げて)
…、っしゃあッ!!やったぜフィリップ!メモリだけ破壊できた!お前の読み通りだ!!
(今まで相手に感じたことのない感情が、相手となら成し遂げられるという高揚感が胸の中に高まっていく、その信頼は自然と言葉になってその言葉を受けた相手からはまた感じたことのない何か熱い気持ちが閃光のように一瞬、しかし確実に爆ぜて伝わってきた。相手の声に合わせて渾身の一撃を叩き込む、確かな手応えを感じると同時に何かが壊れる音が聞こえた。地面に転がる怪物を固唾を飲んで見守っていたがその姿が人間に戻りメモリが飛び出して砕け散ると呆気に取られてしまう、相手の得意げな言葉を聞いてようやく上手くいったのだと確信した。思わず変身中であるのを忘れて左手だけで拳を突き上げる、興奮のまま相手の労をねぎらいたかったが二人で一人の姿では難しそうだ。気を失った犯人を警察に引き渡す必要があるのも思い出せば「俺は後処理やってくる。だから事務所で待ってててくれ、相棒」と声をかければドライバーを閉じた。未だ犯人を止められることが出来た興奮がおさまらいままジンさんに連絡するとその後の処理に対応して)
分かった、…待っているよ。
(確かな手応えと共に的確にメモリ回路の部分を叩けば人間の姿に戻った男からメモリが飛び出して砕け散る。上手くいったと告げると隣から興奮が湧き上がって行くのがわかって左手を突き上げるのを感じれば呆れたようなそれでいて少し口角を上げながら息を吐いた。一方的に声が掛かって後処理をすると伝えられるといつもの様に淡々と答えていたがドライバーが閉じて意識が切断されるとぽつりと零した。【相棒】という言葉がリフレインする中、乱れる気持ちを落ち着かせるようにマーカーを手に取り、今回の事件のまとめをホワイトボードに記していき)
___ただいま。待たせたなフィリップ
(ドライバーを閉じて意識を一旦切ると早速ジンさんへと連絡する。未だ興奮は覚めやらなくて現場検証にきたジンさんにダブルのことを言ってしまいそうになったがなんとかメモリを使われる前に拳で黙らせたと昔からの流儀を使ったことにしておいた。怪訝な顔をしていたジンさんだったが『いつもより顔色がいい、こいつなら治療できるかもしれんな』と呟いたのを聞けばこっそりと口角を上げていた。現場検証も終わり帰宅の許可が出れば依頼人に犯人が捕まったことを伝える。明日の学会に向けてエールを送り電話を切ってから早速事務所に向かう、その途中でふととある店が目に入れば浮かされるままに少しだけ寄り道をすることにした。事務所に帰ってくれば帽子を仕舞ってすぐにガレージへの扉を開ける、相手に声を掛けながら螺旋階段を足早に降りてグレーチングを進んだ。今回の事件を纏められたホワイトボードをみれば相変わらずの様子に笑いつつ左に立てば「やったなフィリップ。お前のおかげで今回の依頼無事に解決できた。ありがとな」と礼を言いつつ隣を見て)
…、僕が協力できる部分に手を貸しただけだよ。ともに動くなら犯人の命までは奪いたくないという君の流儀に従うべきだろう?
(一度消したホワイトボードに今回の事件とメモリの内容を一気に記していく。動機は逆恨みという単純なものだったがあのクラスのメモリを手に入れている辺り相当深いものだったのだろう。更に続いて今回のド.ー.パン.ト化を解除してメモリだけを排出・破壊できる仮説が実現可能だったと実証できたことを踏まえればドライバーなどを調整すればこのトドメの刺し方を標準化できるかもしれない。そのための方法を今回の件から考え込んでいれば背後から声が聞こえた。振り返れば帰ってきた相手の姿があってそれを見ればまたホワイトボードに顔を戻す、隣に並んだ相手に礼を言われるがこういうことには慣れてなくて文字を書きながら淡々とやるべきことをしただけだと告げる。役割を果たしただけだと何処か他人事のような、今回の倒し方も相手のやり方に合わせたのだと言葉を続けていて)
俺の探偵って仕事に相乗りしたんだったよな。そういやそういう話だった。…お前に頼みがあるんだ、フィリップ
(ガレージに降りて声をかければ一度は顔がこちらに向くものの直ぐにその視線はホワイトボードに戻る、相変わらずな態度だがいつもとは違って興味が無いという言葉で切り捨てられることはない。あくまでも今回の成果を他人事を貫きたいようだがこちらにはそれが照れ隠しに見えた。慣れない行動をした事に対するむず痒さか戸惑いか、いずれにせよ素直に初の成果を喜ぶ可愛げがないのはこの短い付き合いでも知っている。ここはハードボイルドな男らしく、そして探偵の先輩として、少し茶化すような言い方をしながら労いの代わりに軽く肩を叩いていた。軽く息を吐く、あの夜から始まってずっともがいてしかし最低限にすらたどり着けなくておやっさんに顔向けが出来なかった。しかし今日初めてこの街の涙を拭うことができた、一人ではなく二人で挑んだことで。改まった口調になると相手の方に体を向ける、そしてその瞳を真っ直ぐ見つめると「これからもダブルだけじゃなくて、俺の相棒として相乗りしてくれねぇか?」と願い出て)
頼み…?…相棒として、というのはどういうことだい?
(やるべきことを果たしただけだと淡々と言葉を返しても相手が引くことはなく、むしろ慣れた様子でこちらの肩を叩いてくる。だがそのしぐさが嫌という訳ではなくて向けられる信頼のようなものをどう受け止めていいかわからないでいた。そうしていると相手が息を吐いてから体ごとこちらに向け、少し纏う空気が変わる。ホワイトボードに書き込みが終わったタイミングで名前を呼ばれながら頼みと聞けば動きを一瞬固めて、顔を相手の方に向ける。まっすぐな目がこちらを見つめていて無意識に背筋を伸ばしながら続く言葉を待っていると妙なことを言われて目を瞬かせる。今回の使命は鳴.海.宗.吉の跡を継いだダブルとしての側面が大きい、だが相手が最近口にするようになった相棒というワードとともに願われるとその意図を深く知りたくてじっと伺うように、確かめるような口調でその真意を問いかけて)
今日みたいに俺と一緒にこの事務所に来る依頼とか街の人の困り事とかを解決して欲しい。今日お前が一緒に捜査してくれたおかげで俺一人じゃ調べられなかったことも、出来なかったことも全部出来たんだ。…俺一人じゃ、探偵には足りねぇ。ほんとはまだ帽子に相応しくねぇんだ。でもお前となら、おやっさんみたいにこの街の涙を拭える。お前と二人ならこの街の探偵ができる。俺も、お前も、あの夜の罪を償い続けなきゃならねぇ。なら、俺と一緒におやっさんの意志を継いで探偵になってくれねぇか?
(真剣な声色で声をかければ相手の顔がこちらへと向く、そんな動作だってここに来たばかりにはなかった反応だ。あの夜に軽くあしらわれたのを思えば随分な変化だろう。こちらが投げかけた言葉の意味を問われると一拍間を置いてから口を開く。ひとりではまるで上手くいかなかった事が相手とならば全てが上手く噛み合って歯車が回り始めたのだ、それに相手から今日聞いた言葉の数々を今日限りのものにしたくない。真剣な顔をしていたがふと表情を崩すと「俺達は一心同体なんだろ?そういう相手をハードボイルドな探偵は相棒って呼ぶんだよ」と相手の言葉を引用しながらニヒルな笑みを浮かべ)
二人で、この街の探偵……。…今までの君の行動がハードボイルドだったかはともかく、一緒に過ごしていくなら探偵という側面も共有するのは悪くないね。
(相手の言葉の意図を探るように問いかけると相手がまた一呼吸置いてから語り出す。その内容は今日と同じように探偵業をして欲しいというものだった。だが単に自分の能力を利用したい、といったものではなくて共に並び立つことを望むような中身だ。今まで相手だけがこなしていたことを2人でやっていく、鳴.海.荘.吉の意思を継ぐのだとそのワードを噛み締めるように呟いていれば今まで真剣だった顔がくずれていつものかっこつけの姿が現れる。いままでの言動から一切ハードボイルドらしさは感じられないことを指摘しつつ相手の言葉を噛み締めるように考え小さく頷く。そして改めて相手を見ると「ならば今日から僕も君と同じ探偵で、相棒だ」とハッキリとした口調で告げて)
一言余計なんだよ!ったく……なら、これからよろしく頼むぜ、相棒
(探偵としてもダブルとしても相乗りするこの形ならおやっさんにも出来なかった方法で依頼人の涙を拭い犯人に罪を数えさせる事ができる、何よりも相手が罪を償いたいと思っているのならその思いを昇華させたい。二人で探偵をすることを持ちかければ相手はこちらの言葉をゆっくり咀嚼するように繰り返す、相棒という最高にかっこいい存在になるならばとクールにその意味を伝えてみたがハードボイルドの単語はさらりと流されてしまって思わずツッコミをいれていた。だが相手はこちらの提案に乗ってくれるらしい、小さく頷いた相手はこちらへと向いて自らが探偵で相棒であると宣言した。その表情は見た事のないほど意志を宿していて決断する男の顔だった。胸に熱いものが湧いて自然と口角があがる、先程戸惑っていたのを思い出して自ら相手の手を取るとしっかりと握って握手をして、ふと内ポケットのものを思い出すと「そういや今日の礼にと思って買ったんだが、探偵兼相棒記念ってことにするか」と長方形の箱を取り出すと相手へ差し出して)
ああ。…記念?……、開けて良いのかい?
(一度きりではなくこれからずっと探偵としてもダブルとしても共にあることを願われると何と呼んでいいか分からない感情が昂るのが分かる。クールに持ち掛けてくる相手に指摘すればハードボイルドらしからぬツッコミが入るがやはりこうやって喜怒哀楽をハッキリと示す姿は第一印象から変わって興味深く好ましい物だと思う。こちらから今日から新しく始まる関係を宣言すれば相手は口角をあげてこちらの手を取る。人に触れることなど滅多に無くて生きている生物特有の温かさを感じると視線はその手の方に移って無意識にこちらも軽く握り返していた。そうしていると相手が内ポケットから長方形の箱を取り出し、差し出してきてまた僅かに首を傾げる。今まで見たことのない類の箱で表には相手が普段愛用しているブランドのロゴが刻まれている。手を伸ばして箱を受け取りその質感や外形を観察してみれば上下に開く構造なのが分かった。こうやって生活に必要な食べ物や衣類を渡される機会は殆ど無ければ安易に開けて良い物かも分からず、瞳に戸惑いと興味を宿しながら相手と箱を交互に見比べてから問いかけて)
…そういやこういうのお前に渡すの初めてだな。もちろんだ、俺からお前への、その…贈り物だから、もうお前のもんだ
(大方の常識が抜け落ちた相手にとって握手も知らない行為のようだが相手は握った二人の手に視線を向けてそこを軽く握り返している、この手に籠った感謝や信頼やこれからよろしくやら、様々な思いが籠っている事が言葉以外の形で伝わった気がする。その喜びを今度は形として相手に贈ることにして化粧箱を相手へと渡す、中身が気になって直ぐ様開けるかと思ったが一番最初に箱の構造を確かめ始めて思わず笑ってしまった。しかし直後顔が上がって戸惑いと興味を宿した表情が向くと目を瞬かせる、これまで見てきたのは無関心か好奇心に目を輝かせるかの表情だったが今までで一番複雑な感情を浮かべているかもしれない。真っさらな相手には贈り物というもの自体が初めてなのだ、それに何処となく嬉しさを覚えてしかし小っ恥ずかしさも湧き上がって落ち着かない口調になってしまう。なんとか視線を向ければ見え隠れする好奇心を後押しするように小さく笑みを向けて「お前の頭の中にはこの地球の全部が入ってんだろ?ならそれがピッタリだと思ってな」と中に眠る地球儀のペンダントを選んだ理由を口にしながら目で箱を開けるように促して)
僕のモノ…、…!…綺麗だ…
(温もりを宿した手を一旦離して手渡された箱を受け取る、見た目を確認してから開ける許可を求めると何処か落ち着きのないぎこちない口調で肯定がされる。今までは消耗品や元々この場所の物を借りたりしていて思えば自分の物と言えるのは普段持っている本くらいだ。贈り物、そして自分だけの物だという特別な響きに熱を持って同じ言葉を繰り返す。紹介を受けて促されるまま箱を開けると中には地球儀を模したペンダントが収められていて目を見開いた。照明の下で自分と繋がっている地球が煌めいているように見えると惹かれるように中から品を取り出して更によく観察しようと試みる。海を表す水色に銀色の地上が映えて見つめる瞳に静かに光を宿しながら見つめていれば自然と思った感想が零れた。惹かれるような視線を向けていたがふとペンダントであることを思い出すと早速自分でつけてみようとする、だが初めてでは上手くチェーンの金具部分を首の後ろで留めることが出来なくて暫し苦戦してから相手に近づくとペンダントを差し出し「…つけてくれ」とお願いして)
お前にピッタリだって言っただろ?…任せとけよ、相棒
(相手は化粧箱を手に小さく呟きを零す、それは今までのどの言葉よりも感情が滲んでいて同時にプレゼントを喜ぶ子供のようにも思えてまだ中身を開けていないのにこちらも嬉しくなってしまう。箱が開かれて中から地球儀を宿したペンダントが現れれば相手の視線はそこへと吸い込まれた。興味を宿した時の激しい輝きとは違う魅入られたような表情、まるでペンダントの煌めきが相手の瞳に宿ったように静かに揺れていて言葉以上に相手の感情が湧き上がっているのが見て取れた。そして今まで決して聞くことのなかった類の感想が伝えられればこちらもまた胸が暖かくなってその感情が声に滲んでしまった。あの夜悪魔とさえ思った相手が贈り物を受け取ってくれたことも、それを喜んでくれていることも嬉しい。やがて相手はペンダントを身につけようとして、早速つけてくれる嬉しさで胸は弾んでいたがなかなか上手く付けられず最終的にこちらへとペンダントが差し出される。頼ってくれたことも嬉しくて調子よくまた『相棒』と口にしながら背後へ回れば髪が絡まないよう気をつけながらペンダントを付けた。正面に戻ってくれば「俺の見立て通りめちゃくちゃ似合ってんな」と照れ隠しに自画自賛していて)
…ああ、気に入った。……ありがとう、左,翔,太,郎
(自分のために考えてくれた贈り物、今まで見た何よりも輝いて見えて魅入られてしまう。それを身に着けようとして上手くいかなくて相手に任せると調子よく相棒なんて言葉が返ってくる。背中を任せて後ろで留め具をつけてもらうと地球儀を模した飾りが胸の上あたりに来て自分の動きに合わせて揺れる。ペンダントなんてしたことがないのにやけにしっくりきてまるで最初からここにあったような心地さえする。正面に戻ってきた相手が自画自賛するのを聞けば視線をそちらに向けじっと相手を見つめる。時間からして依頼が解決してすべてが片付いたときにこれを購入したのだろう、それにこのブランドの物がこの事務所の経営状況ではやすやすと買えるものでないことも知っている。相棒、という言葉がまた胸に響くとペンダントの飾りを軽く握りながらわずかに笑みを浮かべた。そして心が動くままに相手に一歩近づくといつの日か感謝を伝えるときに使うのだと教えてもらった言葉を思い出して礼を伝えて)
…っ、……え、あーいや…それは俺からの感謝の気持ちだからこっちが礼を言いてぇくらいってか……
(何か贈り物をと考えときに真っ先に浮かんだのがこの地球儀のペンダントだった、お気に入りのブランドのラインナップの中で自分では手を出しづらいと思っていたデザインで購入を見送っていたが、地球と深く関わりがあるという意味でも風のように揺れるという意味でもこのペンダントは相手にもってこいの品だろう。小っ恥ずかしさを誤魔化していれば相手がこっちをジッと見つめてくる、何か言いたいのだろうかとこちらも見つめていれば相手の顔に小さく笑みが浮かんで思わず目を見開いた。嫌味でも含みがあるものでも好奇心を爆発させているでもない、ただ純粋な笑みなんて初めて見た。こちらからの贈り物を大事に握って微笑むその姿は胸の知らない所が知らない跳ね方をした気がした。そのまま相手が一歩近づけば体が勝手に跳ねて一瞬反応が遅れる、続け様に正しい意味でありがとうを言われるのも滅多に無いことでまともな返事も出来なかった。しどろもどろの口調に軽く頭を振ると「つーか、いつまで俺の事フルネームで呼ぶんだよ。翔太郎だけでいいだろ、相棒なんだし」とツッコミの体を保つことで口調を立て直して)
一緒に依頼を解決したのなら立場は対等だろう? …確かにそれもそうだね。 ならば…翔太郎、
(初めて貰った贈り物に自然と口元が緩んで小さく笑みを浮かべると相手が固まったように見えた。だがそれも気にせずに1歩踏み出して礼を言うと何故かいつものキザな仕草ではなくしどろもどろなくちょで返答がされて首を傾げる。二人で依頼をこなしたのならお互いにやるべきことを果たしたということで対等なはずだ。だから贈り物を貰ったことにこちらが感謝することはあれど贈った相手が礼を言うことはないはずだが恐らく遠慮と呼ばれるものなのだろう。そんなすいそくを立てながらいつもより1歩近付いた相棒の距離で相手を見つめていたが呼び方について指摘されると目を瞬かせる。出会った時からその人物の固有名詞であるフルネームで呼んでいたが一般的には苗字か名前のどちらかで呼ぶことが多いらしい。特に今のままでも支障はないが相棒というワードを聞けば変えるのもありかもしれない。指先で唇をなぞり軽く悩んでからその提案を受けいれ、相手をじっと見ると初めて下の名前だけで呼んだ。初めての経験を確かめるようにもう一度「翔太郎」名前を呼ぶと「…こう呼べば良いのかい?」と相棒を問いかけて)
…、……っ、…ンな何回も呼ぶなよ!これからいくらでも呼ぶ機会あんだから
(知らない心地に半分戸惑いつつ調子を取り戻す目的で呼び方へ話題を移す、フルネームは他人に興味が薄い相手らしい呼び方でいい加減慣れたいたところもあったがもう他人ではなくなったのだから呼び方だって相棒らしいものにしたっていいだろう。相手もこちらの言い分に納得したようで再び顔が上がって目が合う、一瞬それだけの時間が流れて直後視線を交わしながら名前を呼ばれるとまた知らない所が跳ねた気がした。動揺しているうちに不意打ちでもう一度名前を呼ばれれば胸の奥が締め付けられるような感覚に陥って上手く息が出来なくなる、名前の呼び方を確かめるように問う姿にも胸が押さえつけられた気がして息が苦しくなった。体が酸素を欲しているのを思い出して漸く口を開くが飛び出してくる言葉はツッコミの体裁を保ったものでぶっきらぼうな口調になってしまう。今日一日で相手の知らない考えや表情に多く触れたせいかどうにもいつもの調子が出ない、首の後ろに手をやると「まぁなんだ、これからよろしくな」と場を誤魔化すに改めて言って)
君が呼べって言ったのになんで怒っているんだい。 ああ、これから相棒としてもよろしく、翔太郎。
(呼び名を改めるように言われ、納得した上で相手の目を見ながら名前を呼んでみれば相手の瞳が揺れる。さらに続けて読んでこれでいいかと確かめてみれば相手は何とも言えない顔をしてからぶっきらぼうな返事がされて目を瞬かせる。自分からこの名前で呼んでくれと言ったはずなのになぜか動揺していてその理由に思い当たる節もなければ理解不能といった顔で疑問を口にした。だがこれまでのやり取りの中で似たようなことは何回もあった。嫌がってはいないように見えればこのままで良いだろうと呼び名はこのままにしておく。場を改めるようにこれからの話をされると今日からまた何かが変わっていく予感にまた軽く口角を上げて、先ほどの相手の真似をして目の前に手を差し出してみて)
加減ってもんがあんだよ……あぁ。俺がお前の相棒でお前が俺の相棒だ
(知らない感覚が次々に湧き上がってこのままではどうにかなってしまいそうな気がして結果叫んで無理やり場をリセットすることにした。相手はいつもの調子で怪訝そうな顔をしているが今に限っては相手の方が正しい、自分でも何故どうにもならなくなっているのか分からないのだから。適当な言い訳をしていれば今度は相手から手が差し出される、さっきまで握手することすら知らなかったのに目覚しい変化にこれから先の鳴.海.探.偵.事.務.所に期待しか湧かなかった。こちらからも手を差し出しその手を取るとしっかりと握りながらハードボイルドな探偵らしくクールな笑みを浮かべる、これまで人の心が分からないと思っていた存在だったが相手は間違いなく信頼のおける自分の相棒だ。また胸に熱いものが湧き上がると「今日から俺達は二人で一人の探偵だ、フィリップ」とその熱さを滲ませるように宣言して)
(/お世話になっております!そろそろ区切りかと思いましてお声掛けさせていただきました。記念日を受けての相棒になる日なお話でしたが、随所で『これから』に繋がる描写や場面を入れ込むことが出来てめちゃくちゃ熱い話ができてとても楽しかったです!まだ噛み合っていない二人が地.球.の.本.棚でメモリを検索するところから面白いくらい足並みが揃っていくのがとてもワクワクして、本編でも描写されていない二人で探偵になる所ができてめちゃくちゃいい補完のお話になったと思います。最後のどんどん感情が出てくる検索くんもとっても可愛らしく久しぶりに初心な探偵も出来て楽しかったです!今回もありがとうございました。
この後ですがどの方面のお話でも楽しそうかなと思って迷っているのですが、検索様のご希望などありますか?)
(/お世話になっております。丁度キリも良さそうなので一旦こちらだけでお返事させていただきます。始まりの夜が0とするなら0が1になるような新たな一歩を踏み出す話でしたが久しぶりに無機質な検索を動かしつつ未来を予感させるような描写がたくさんできてとても楽しかったです。現在ならば調査についていく所をスルーしたりおかえりと言えないのは歯痒くもあったのですがその分今の距離感を実感するような良い話でした。ペンダントと呼び名の件は是非ともやりたいなと思っていたので上手く組み込んで頂けて嬉しかったです。ちょっぴり兆しの見える探偵君も可愛らしく今を知っているからこそわくわくする過去辺でした、今回もありがとうございます!
次のお話ですが時系列や世界線の違う話、記念日のお話などが続いたので今の二人の話がしたいと思いまして前々から話している忘年会に参加する話、夜何となく眠れなくて夜更かしする話、今度は探偵君が体調を崩す日など色々浮かんだのですがこの中で気になる物や他にやりたい事があれば教えてください!)
__ん?よぉ、どうした?……今日?…あぁ、大丈夫だ。俺も参加で頼む
(二人の特別な記念日を初めて祝い暫く経って左手の薬指にある指輪が馴染んできた頃、相変わらず左手で何かを持つ度に存在を主張するそれに口元を緩めながら今日も事務所での時を過ごしていた。今日は特に依頼もなく街の見回りも一通り終えて今は相手がいれてくれたコーヒーを飲んで一息ついているところだ。今日は依頼もなく終わりそうだと思っていた矢先に電話の着信通知音がポケットから鳴り響く、ス.タ,ッ,グ.フ,ォ,ンを取り出し電話に出ればスピーカーの向こうにいるのはウ,ォ.ッ,チ.ャ.マ.ンだった。どうやらジンさんとマッキーの警察組も今日は平和な一日だったらしく夜は二人揃って非番で一番予定が空きづらい二人が揃っているならと今晩忘年会を開くことになったらしい。急なお誘いだがこのまま依頼人が来ないなら今晩は予定もなくて参加の返事をした。店の場所と時間を聞けば電話を切って相手の方へ振り向くと「悪いフィリップ、今日忘年会行くことになった。酒の席だからお前は留守番しててくれ」と電話の内容を伝えて)
(/それでは時期的にもちょうどいいですし前から挙がっていました忘年会のお話にいたしましょう!他二つのお話もぜひ後々やらせていただきたいです。せっかく指輪つけた後ですし、指輪について追求されて最初は躱してたのにお酒が入って普段はガードが固いのにいろいろ喋りそうになったり検索くんがいる前で惚気たりしてしまう探偵とかぜひやってみたいです…!ふんわりと始めておきしたのでいつも以上に緩めなお話ぜひ楽しみましょう!今回もよろしくお願いします。/こちら何も無ければ蹴りで大丈夫です!)
忘年会? …いや、今回はついていくよ。誰かさんのことだからまた酔い潰れて帰ってきそうだし
(左手の薬指にはまった指輪はふとした時に存在を示して今も本を持つ手を飾っている。今日は大きな依頼もなくこのままならば事務処理で1日を終えることになりそうだ。そうしていると相手に着信が入って応対する声が聞こえてきた。少しして相手から電話の内容を伝えられるとそこから行先のワードを拾いあげた。相手が席の席にいくのはそう多くないがすぐに思い出したのは以前迎えに行った時の陽気な様子だ、そこまでアルコールに強くないのに関わらず調子に乗って飲み過ぎる性格なのを思い出すと本を閉じながら首を振って自らも参加を表名する。そのときのことを揶揄うような言葉を添えると「僕だってこの街の探偵なら参加しても良いだろう?」と逃げ道を塞ぎにかかって)
な、流石に同じことは……待て。言いてぇことは分かるけど、その…
(今夜の予定を伝えて別行動することを伝えたが間髪入れずに断られてしまい言葉を詰まらせてしまう、直ぐ様二の轍は踏まないと言い返そうとするが以前しっかりと酔ってしまった時と同じメンバーで状況もほぼ同じとなれば大丈夫とは全く言えず語気が萎んでしまう。追い討ちをかけるように参加資格を主張されれば益々言い返せなくなってしまった。一年の労を労うのが忘年会ならば当然相手にも参加する権利はある、確かにあのメンツで相手がいないのはおかしい。いっそ女子高生二人にも声をかけて盛大にやった方がいいのだろうが問題はまだある。相手の左手にはまる指輪をチラリと見ると「指輪どうすんだよ。流石に同じ席で同じ指輪してたらバレんだろ。…外してくしかねぇか」と今度は自分の左手の薬指を見て)
別に僕は見られても構わないけど…なら僕が外して行こうか。君の方が接する機会が多いのだからいつものままの方が自然だ。
(前回の件で全くその心配はないとは言いきれないようで言葉を詰まらせる相手にさらに参加資格を主張してみれば語気は弱まって代わりにこちらの口角があがっていく。監視という意味でも相手が普段いる輪に入りたいという意味でも参加は叶いそうだ。だがそれとは別に少し言いにくそうな態度で指輪に視線が注がれると僅かに首を傾げる。他人にどう思われようと構わないがハードボイルドを気にする相手には問題なのだろう。少し考えてどちらかが外すならば自分ではないかと申し出る。あの日からそこそこ経って外回り中なども付けていたなら既に見た人も多いだろう。それに対して自分が顔を合わせたのは事務所に遊びに来た数人で印象も薄いはずだ。指輪を外して欲しくないという思惑があるのはさておき理論的にその理由を語ると自らの指輪に手をかけて)
俺達の関係は周りに秘密だって言っただろ?…そうか?まだ誰にも指輪のこと言われてねぇけど……まぁ、そうするか
(酒の席の話でいえば失敗した話しか出てこず相手の思惑通りになってしまっているが反論の余地は全くない、この状態の相手がもう引かないことも分かっていれば忘年会に連れてくのはよしとして次に出てくるのは指輪の問題だった。長時間二人が揃っている状態で同じ指輪をつけていればマッキーだって揃いの指輪をしている事に気がつくだろう。指輪を外そうとするが代わりに相手が外すと言い始めて動きを止める、未だ誰にも指輪の話を振られないあたり案外気づかれていないのかもしれないが今日会う面々は既に指輪をした状態で会っているメンツだ。対して相手はまだ指輪をした状態で顔を合わせていない、今後のことを考えてもここは相手が指輪を外すのが良さそうだ。しかし指輪に手が掛かるのを見ればようやく馴染んだそれが無くなるのは少々寂しい気がして「待ってろ」と声をかけてデスクの方へ向かう。小物類が入った引き出しを開けると暫く漁ったあと長めのチェーンを取り出し戻ってきて「これに指輪通して服の下に入れてりゃバレないだろ」と暗に指輪を身につけていて欲しいことを伝えながらチェーンを差し出し)
ん? ……確かにこれなら身に付けつつその存在を隠せそうだ。
(こちらの理屈を説明して相手はそのままでいるべきだと主張すれば通じたようでそのような方針になる。お揃いをアピール出来ないが仕方ないと指輪を外そうとすると待ったがかかって動きを止める。デスクを漁るのを見届け戻ってきた相手の手元には長めのチェーンがあってそこ用途を説明されると小さく笑みを浮かべた。早速受け取ったチェーンに指輪を通して後ろで留め具を引っ掛けると指輪が元々付けているペンダントと共に胸上で揺れる。手になくともその存在を感じるようになれば二人だけの秘密を隠しているようで自然と口元も緩む。お店に着いてから服の中に入れようと出したままでその指輪を見つめていたが相手の方を見ると「じゃあ準備が出来たら行こうか」と初めての忘年会という行事に声を弾ませて声をかけて)
よし、行くか。一応言っとくが絶対酒飲むんじゃねぇぞ
(二人の関係は隠しておきたいが相手がお揃いの指輪を持っていないのは寂しくてチェーンを手渡す、本来はこちらが日常的にこの作戦を使う予定だったが相手にオネダリされた以上は左手から外すことなんてできない。相手は早速チェーンに指輪を通して首から下げる、元々首から下げているペンダントと並んで指輪が揺れた。そういえばあのペンダントも二人の記念日には欠かせない贈り物だったことを懐かしく思いながらそれでバッチリだと頷いていた。相手から声がかかれば事務所の片付けをしつつ途中ウ.ォ.ッ.チ.ャ.マ.ンに相手が参加することを伝える、向こうも考えることは同じようで女子高生二人も呼ぶことにしたようだ。片付けも終えるとちょうど良い時間になり相手に声をかければ帽子を手に取り被る、二人して事務所を出れば看板を【CLOSE】にして移動を始めた。店は恒例行事とあって前回と同じ場所だ、薄らと暗くなり始めた空の中、目的地へたどり着くと既に大半のメンツが揃っていて相手の方をチラリと見て指輪が隠れているのを確認してから「悪い、待たせたか?」と声をかけながら輪に近づいて)
分かってるよ。…久しぶり。ああ、前回みたいに酔い潰れた所を迎えに行くなら隣で見張っていようと思ってね
(事務所を締めて目的地に向かう最中お酒について釘を刺されると呆れたような態度で頷く。興味はあるが今日は相手を見張るためにもいつも通りに居た方が良いだろう。やがて目的地と見慣れたメンツが店前で話し込んでいるのが見えれば指輪を服の中に隠す。少しひんやりとした冷たさを感じながら輪に混ざると最近見慣れない顔ぶれもいて軽く手を振りながら話しかける。こういう場に顔を出すのは初めてでその理由を聞かれてると前回の様子を弄るように告げる。するとみんなの視線が、主にウ.ォ.ッ.チ.ャ.マ.ンとサ.ン.タ.ち.ゃ.んが相手に注がれて「確かに前の翔ちゃんはなかなか凄かったもんね~」と揶揄うような笑みを向けていた。その話に女子高生二人が食いついたりもしていたが大体人が揃ったということで中に入る。居酒屋の存在は知っていても中に入るのは初めてで騒がしい雰囲気にきょろきょろしながら各々が席を決め座り始めると自分も相手の右隣に座る。最初のドリンクの注文が促されるとメニュー表を見ながら「僕は普通に烏龍茶にして…君は何にするんだい?」と話を振って)
変なこと思い出すなよ!……そうだな、いっつも適当に頼んでっから…
(念の為釘を刺せば相手からは呆れた声で返事がされる、今日は監視のために来ているのだから当然だと言わんばかりの態度に普段はこちらが相手の監視役なのにと不満気な顔をしていた。やがて目的の店が近づき指輪が相手の服の下に隠れたのも確認していつものメンツに合流する、軽い挨拶のあと当然話題は相手が参加する話題になり、その理由がサラリと語られると思わずツッコミを入れようとした。しかしその前に周囲の目線はこちらへと向いて言葉は引っ込む、みんな言いたいことは同じと言うことだろう。なんとか叫んで場を誤魔化しつつ食いついてくる女子高生二人を牽制して店内へと移動した。大テーブルに各々座っていったがちゃっかり相手がいつもの右隣をキープしていれば思わず口元がニヤけそうになる。先ずはドリンクを頼む時間となり相手に注文を問われるが特にこだわりはなく、というよりアルコールが入っていれば途中でいつも何を頼んでいるのか分からなくなるせいで好みもなくメニュー表を見て悩んでいた。やがて店員がやって来て注文を問われるとジンさんが『俺ビール』と口火を切ってウ.ォ.ッ,チ,ャ,マ.ンも『ボキもビール』と続く。こういう時は流れに乗っておくもので「じゃあ俺も」と手を挙げて)
へぇ…こんな飲み物があるのか。なら僕もこのシンデレラというやつにしよう
(各々が大テーブルに座ると最初のドリンクを頼む時間となる。相手にメニュー表を見せながら聞けばこだわりがないと聞き、恐らく普段周りに流されて注文していると分かれば僅かに眉が寄る。別々の種類のアルコールを一緒に摂取したからあんなに酔っていたのではないかと疑惑が浮かびながら店員がやってくると大人組のほとんどはビールを注文していく。自分も適当な烏龍茶を頼もうとしたがふと同じ未成年枠の女子高生二人の方を向けば何やらメニュー表の隅を見て悩んでいて自分も覗き込んでみる。そこにはノンアルコールの物を繰り合わせたカクテル、モクテルのメニューがあって初めて知るワードに興味を示す。『皆が飲むならさ私達もお酒っぽいもの飲みたいよねー』と話すエリザベスと頷くクイーンに自分も同意して構成する内容が一番心惹かれた名前を読み上げ、店員に注文する。それから軽い近状を離しながら待っていれば次々と頼んだドリンクが運ばれて来て相手の前にはビールが、そして自分や二人の前におしゃれなグラスに綺麗なオレンジ色をしたモクテルが運ばれて来て普段とは違う飲み物に静かに目を輝かせていて)
これならこの場に合いそうだな。…任せとけ。今年も世話になったな!今日は一年分の疲れを吹っ飛ばしてやろうぜ!乾杯!
(大人組の注文が決まっていくなか女子高生二人は何やらメニュー表を眺めていて様子を伺う、二人が選んだのはノンアルコールのモクテルだった。どうやら聞きなれないワードだったらしく相手の好奇心センサーが反応したのがその表情から分かる、暫くしてビールと共にオシャレなグラスが運ばれてきて三人の前へと置かれた。随分可愛い名前に少し揶揄ってやろうかとも思ったがモクテルを前に目を静かに輝かせる姿に小さく笑みを浮かべる、大騒ぎしないあたり成長したと言えるのか感動で魅入っているのか、いずれにしろ可愛らしい表情に軽く声を掛けるだけにしておいた。この顔を独占できないのは忘年会の悪いところかもしれない。そんな事を考えていれば全員にドリンクが行き渡って『じゃあ翔ちゃん開幕よろしく!』とウ,ォ.ッ.チ,ャ.マ.ンから音頭を任される、クールに笑って見せれば多少の野次の中グラスを手に立ち上がる。いつもよりテンションをあげた口調で音頭を取ればグラスを差し出し各々のグラスが小気味よい音と共に軽くぶつかった。いつもならばこの勢いのままビールに口を付けるところだが視界に隣に座る相手が映ると大人しく座ってほんの少しだけビールを口にする、その様子にジンさんは目敏く気づいて『フィリップが来た効果が出てるみたいだな』と早速言われてしまい「うるせ」と返していて)
乾杯ー!!…いつもは違うのかい?
(単なるソフトドリンクではなくこの場に相応しいお酒っぽいドリンクが目の前に運ばれてくれば特別感は増してつい口元も緩む。相手の声掛けに頷いていると全員にドリンクが行き渡って相手に音頭が任される。何かと中心人物である相手がグラスを片手に立ち上がってそれらしい事を言い、乾杯の合図が出るとグラスを差し出して他の人と良い音を鳴らし合う。特別な空気にわくわくしながらそのまま軽く一口モクテルを飲んでみればフルーティーな酸味と甘みが感じられて満足そうにそれを味わっていた。音頭を取った相手も隣に座りなおしてビールを口にしていたがそれに対して刃.野.刑事が普段と違うのだと言えばつい気になってそのことに食いつく。するとその隣にいた真.倉.刑事が相手を指さしては「一番弱いくせに調子に乗ってグビグビ飲んでるもんな」と普段よりも少し声を大きめに絡んでいて今との違いを知れば「へぇ…」と楽しそうに目を細めながら様子伺って)
っ、余計なこと言うんじゃねぇ!だいたい!一番弱いのはマッキーだろ!カシスオレンジ持ってるやつに言われたくねぇよ!!
(乾杯の後にアルコールを抑えるため控えめにビールを飲めば早々にジンさんに見つかってしまい、さらには相手が食いついてしまった。止める間もなくマッキーが茶々をいれてきてカチンと来て動きを止める。相手を連れてきて早々に格好のつかないことを言われるとは不服だ、しかもそれを言ったのがマッキーとなれば余計に不本意で思わず声を挙げる。酒が強いとは言わないが少なくとも今低アルコールの酒を手に持っている男に言われたくはない。こちらの反撃にマッキーもピクリと眉を動かして『なんだと探偵!飲めもしないのにビール頼んでカッコつけやがって!』「飲めるから頼んでんだよ!」と押収が始まれば『今日は始まるのが早いな』とジンさんが呑気に枝豆を食べていた。睨み合いが激化すれば『は!飲めるもんなら飲んでみろ!』と煽られてしまい、ここで引くほど男は廃れていなくて「マッキーより俺の方が強いって証明してやるよ」とあいて気取った声で言えばグラスを口につけ一気に傾けようとして)
ちょっと、何早速言い争ってるんだい。 な、翔太郎!!
(普段の様子を聞いたはずが真倉刑事がちょっかいをかけ始めて相手が声をあげる。確かに彼の手にはカクテルがあるが別に飲み会は酒の強さを争うような場ではないだろう。だが2人の争いはいつものようにヒートアップしていくばかりで仲裁しようと口を挟むが全く聞いてくれる様子はない。話のきっかけを作った刃.野,刑事は呑気に枝豆を摘んでいて止める様子が無ければ自分が何とかしようとするも真倉刑事が更に煽り、それに煽られる形でグラスに口をつけるのを見れば一気に焦りが募って名前を叫びながら手首を押さえる。酒に弱い相手が一気飲みなどすれば不味いのは明らかで何とか半分程の量のところで無理やり傾きを直させ、ビールのグラスを強引に奪い取って一時没収すると「そうやって見栄を張って沢山飲むから潰れてしまうんだろう」と心配と呆れ混じりの声をかけながら様子伺って)
、あっ!おい!!あんなこと言われて黙ってられねぇだろ、…
(男が弱いだなんて不名誉な烙印を押されるのは我慢ならない、言われっぱなしも癪でさらに相手がマッキーとなれば引っ込むことなんて出来なかった。グラスを傾け一気に中身を流し込んでいくが途中手首を掴まれ動きを止められる、無理やり口からグラスは離れていきグラスその物さえ手から取り上げられれば漸く飲むのを中断してきたのが相手だとわかって隣へと叫んだ。呆れた口調に直ぐ様言い返すがその声に心配も滲んでいるのも分かれば言葉の勢いは衰えていく、バツの悪そうな顔をすれば「分かった。一気に飲まねぇようにする」と告げた。それをみたマッキーはまだ『あー!逃げたな探偵!』と叫んでいるがついにジンさんに頭を叩かれて『お前も似たようなもんだろ』と言われて今度はあちらで言い合いが始まっていた。マッキーとの睨み合いは終わったがビールを一気に飲んだ分今更体温がグッとあがってくるのが分かる、確かに一度に量を飲みすぎたかもしれない。警察二人を横目にサ.ン,タ.ち,ゃ.んがニヤニヤとこちらを見ると『今日はフィリップくんのおかげでキス魔にならずにすみそうだ』とまた揶揄われれば「余計なお世話だ!」とまた叫んで相手の手元にあるビールを回収しようとして)
君が何であんなに酔っぱらっていたのか分かった気がするよ。ほら、ビールの前に飲み過ぎたんだから水を飲みたまえ
(グラスを半ば無理やり没収すれば相変わらずの様子で言い返されるがじっとその顔を見つめていればその勢いは衰えていく。そしてぽつりこちらのいうことを聞くと聞けば安堵の息をついた。傍らでは真.倉.刑.事たちが騒いでいるが恐らく前回も同じように意地を張り合って一気飲みでもしたのだろう。呆れ半分に呟きつつ自分の席に座り直すとその隣のサ.ン,タ.ち,ゃ.んが相手を揶揄ってくる。それに反抗するようにこちらが回収したビールを取り戻そうとして居れば少し遠くに置いてから代わりに席に置いてあるお冷のグラスを持たせて飲むように促す。しっかりと管理していれば今度は反対側からくすくすと笑い声が聞こえてきて『翔ちゃんが世話焼かれてるー!』『フィリップ君が今日来てくれてよかったね、翔ちゃん』とエリザベスとクイーンがにやにやしていた。忘年会中はずっとこの調子だろうと思えば「今日は僕が監視役兼保護者役だ」と周りに宣言しつつ空きっ腹では余計アルコールが回ると相手の皿におつまみを幾つか取り分けて置き)
な、……うるせぇ!それにどう考えても俺がフィリップの保護者役、だ…
(さっきからずっと揶揄われっぱなしでこれでは型なしだ、相手からビールを取り戻そうとするもグラスはさらに遠くへいって代わりに水を渡されれば手際の良さに言葉を詰まらせてしまう。唖然としていると今度は女子高生二人が笑い始めて相手もちゃっかりそれに乗っかっていればまたも叫ぶこととなった。この状況はどうみても大人の集まりについてきている未成年でこちらが保護者で相手が被保護者だ、ついでに女子高生二人もそれにあたるはずなのだがその三人からすっかり揶揄われてしまっている。反論するもののその間に相手がおつまみを何種類か取り分けて目の前に置いてくれる、間髪入れずに世話を焼かれてしまえばまたも呆気にとられてしまって女子高生二人はまたクスクス笑いながら『ぜっっったいにフィリップくんが保護者だよ?』『翔ちゃん飲む前にちゃんと食べなー』と煽り半分なことを言われて「お前らな…」と何も言い返すことが出来なかった。その様子を遠くから見ていたウ.ォ.ッ.チ.ャ.マ.ンが今度はニヤニヤし始めて『隣にいるフィリップくんがこんなしっかりしてたら彼女さんは大変だねぇ』と唐突に言われて「は?」と内容が理解できずに聞き返す。相変わらずニヤニヤ顔を向けられながら『ボキが気づいてないと思った?ゆ・び・わ』と左手を指さされると不意打ちの指摘に固まってしまって)
ふふ、確かに揶揄いたくなる気持ちもわかるね。…、
(連続でお酒を煽ってしまわないようにグラスを取り上げて水を飲ませ、ついでにおつまみを何種類か取り分けてやれば相手は呆気に取られたように固まる。それに対して二人がくすくす笑いながら煽っていて何も言い返せないような様にこちらまで笑い声を零した。この賑やかな場所で素直に反応を示す相手は確かに揶揄い甲斐のある人物なのだろう。相手がちゃんと間に飲食するのを確認すればしれっとビールのグラスを元の場所に戻し、自分も目の前の唐揚げなどを取って食事を進める。そうしているとウ.ォ.ッ.チ.ャ.マ.ンが【彼女】というワードを口にしていて一瞬びくっとして動きを固めた。そして指輪のことを指摘されると自分との関係を他に彼女がいると捉えていると認識して少し肩の力が抜けるが他に周りにいた人たちも『そういえば最近その指輪を見るようになったな』『探偵!いつの間に彼女なんか』とここぞとばかりに相手の周辺に集まってくる。目ざとい彼らに自分の方の指輪を外していてよかったと思いつつふと視線を逸らした先に事情を知っている女子高生二人がにやっと笑っていた、見透かすような視線と共に『そこの指にしてるってことはラブラブじゃんー」と煽られるとアルコールを摂取していないのに熱くなる頬をさりげなく手が隠して)
気づいてたのかよ!っ、…そういう関係になったら、その…揃えたいだろ
(先程からずっと揶揄われっぱなしだが遂には相手まで笑い出せばまた文句を飛ばそうとする、しかしその前にウ.ォ.ッ.チ,ャ.マ.ンから指輪のことを指摘されれば別の意味で固まってしまった。どうやらマッキー以外はだいたい指輪に気づいていたようで『今日はそれのこと聞くために集まったんだからー』と楽しげに言われてしまいまたも叫ぶ事態になってしまった。つまり指輪には気づいていたがこの忘年会で話のネタにするためわざと声をかけなかったという事だろう。相変わらず情報屋もジンさんも侮れないものだ。まさか揃いの指輪の持ち主が隣の相手だとは思っていないだろうが、この中でも当然女子高生二人はその意味に気づいていてこちらではなく相手の方へ視線を向けて囃し立ててくる。何やら視界の端で相手が頬に手を添えていてその顔を見るのに興味はあるが今視線を向ければ更なる情報を与えてしまいそうでなんとか目線を向けずに返事をするも今度は他のメンツからやいやい囃し立てられてしまってますます相手の方を見れなくなってしまう。まだ追求は終わらないようで『お相手は例の留学中の彼女?』と問われ「そうだ」と当たらずも遠からずの返事をする、それ以上を期待する目を避けるようにビールを飲んでいれば視界の端で顔を見合わせるのが見えてサ,ン,タ,ち,ゃ,んがトイレなのか席を立つ、直ぐにウ.ォ,ッ.チ.ャ,マ,ンが手招きすると『翔ちゃんちょっと相談』と言われ、そう言われれば行かないわけにも行かずビールを持って相手の隣から移動して)
…?…まあ、想像の通りだよ。…僕のは、ここにある
(指輪のことには気づいているであろうとは思ったが今回の主題ともいわれる扱いをされていれば視線を逸らす。明らかに気づいている二人の楽しそうな顔を見ればなおさらでモクテルを飲んで誤魔化そうとするが上手くできている気がしない。周りはだんだんはやし立てていて更に相手の言葉を聞けば遠回しに自分のことを言われているようなもので落ち着かない。だがサ,ン,タ,ち,ゃ,んが席を立ちウ.ォ,ッ.チ.ャ,マ,ンが手招きして相手が離れていけば席は一旦落ち着きを見せて安堵の息をついた。ぐちぐち文句を言う真.倉.刑.事となにやら語りだした刃.野.刑事などもいる中今度はエリザベスが『フィリップ君ちょっと集合!』と呼ばれ相手達とは反対側の席の端に移動する。三人で固まるとこそこそ声で『あれって二人でお揃いの指輪でしょ?もしかして記念日とか?』とか次々質問される。この二人には隠しきれそうにもなく小声で答えて普段はないもう一つのチェーンを指で引っ掛けて見せると二人は『きゃー!』と隠し切れない黄色い声をあげて『ついに翔ちゃんもそういうことやったんだ』と楽しそうに話していて)
…、……だから言わねぇって。おい、ほんとに相談なんてあんのか?
(ウ,ォ,ッ,チ,ャ,マ,ンに呼ばれ空いたサ.ン,タ.ち.ゃ.んの席に座る、相談のはずだったが暫く指輪の色味や形をマジマジと観察されのらりくらりと交わしていた。サ.ン.タ,ち.ゃ.んが帰ってきて相手との間に座ったタイミングでテーブルの反対側から女子高生二人のテンション高めな声が聞こえてくる。自分達の関係を知っているあの二人のことだ、相手が指輪を見せたのだろう。お揃いでそれなりにきちんとした指輪であればただの贈り物ではない特別な意味がそこにあるのを読み取るのは情報屋なら容易だ、それはウ.ォ.ッ.チ.ャ.マ.ンも同様で『ねー彼女と何処で会ったのよー』ときいてくるがきっちりと突っぱねていた。訝しげな目を向ければ漸く相談事の方の話が始まって、それも風.都.の美女の話だったが、いつもより砕けた調子で話しながら飲み食いをしていく。いつの間にかグラスは残り少なくなってサ.ン,タ,ち,ゃ,んから『俺のオススメ今から頼むけどみんなも頼む?』と振られて「じゃあ俺も」と乗っかることにすれば中身を一気に飲んでグラスを空にした。そうやって二人のペースに合わせて飲んでいれば相手の離れた所で話をしているうちに飲み進めていく。気がつけば『翔ちゃんも頼むー?』という呼び掛けに「たのむー」と口元も口調もゆるゆるにしながら返事をするほどになっていて)
それで…って、アレ完全に出来上がってないかい? ちょっと声掛けてくる。
(自分達の関係を知っていれば話題に上がっている彼女が自分であることは明らかで楽しそうに更に問いかけがされる。はしゃぐ彼女達とこの場の空気感に釣られて必要以上に経緯や最近のことを零してしまいながら話し込んでいた。そうして一通り話の区切りがついたタイミングでふと相手の方を見ればいつもの3人組と呼べる彼らが固まっていた。そこには何回か変えられたようなグラスが並んでいて今入っていたお酒もかなりのハイペースで飲んでいる。極めつけに普段は人前では聞かせないようなゆるゆるした口調で返事をしていれば話を一旦遮って相手を指さす。それを見た2人は『翔ちゃんいつの間に完全に酔ってるね』『もうちょっと危なそう』と同意を示してくれる。小さく息を吐いてから2人に断りの言葉をかけ席を立つとお冷を持って相手の傍にしゃがむ。そこに並んだものを見るに2人のペースに合わせて飲んでいるようで「反応が面白くて一緒に飲ませてるだろう」と二人にちょっと小言を並べつつ相手には
「翔太郎、一旦これ飲んで」と優しく声をかけながらお冷のグラス差し出して
ん……?あ、フィリップ!どこいってたんだよお前ー
(二人と話して盛り上がりオススメと言われた酒を飲むうちにすっかり正気を保てる量以上のアルコールを摂取してしまって脳内はほわほわしてポカポカしてふわふわしている。相手に小言を言われた二人は『そんなことないよねぇ?』『ねぇ?』と言いながら悪い顔を浮かべていた。またグラスを手に取ろうとするが声をかけられて惹きよせられるような感覚のままに声の方に顔を向ける。差し出されたグラスを受け取ってぼんやりしていたが漸く傍にしゃがんでいるのが大好きな相手だと気がついた。途端に気分は華やかになって水をテーブルに置いてしゃがむ相手にそのまま抱きつく、相手の体温と匂いを間近に感じてニコニコと幸せそうな笑みを浮かべた。こちらが完全に酔っているのを確認したウ.ォ.ッ,チ,ャ,マ,ンはキラリと目を光らせ『翔ちゃんいつもより酔ってるねぇ』と楽しげに言った後『そんなにフィリップくんに抱き着いたら彼女に怒られるんじゃないの?』と話題を指輪の彼女に戻してきた。先程までは適当にかわせていたがアルコールが回りきった頭はすっかりノーガードになって「大丈夫だって。なーフィリップ?」と抱き着いたままゆるゆるの笑みを向け至近距離で相手の方を見つめ)
翔太郎…?わ、相当飲ませただろうこれは…。
(傍に近づけばいつもとは全く違う事がすぐに分かる。悪い顔でとぼける二人を他所にお冷を差し出すと相手は受け取ってはくれるものの何処かぼんやりとしている、声を掛けるとやっとこちらに焦点があったようで名前を呼びながらこちらに抱き着いてくればいきなりの事に声をあげてしまう。一切周りなど見えてないのか幸せそうな笑みを浮かべる姿を見れば相当酔っているのが分かってその主犯であろう二人をじとっとした目で見つめる。離れていた時間はそう長くないはずだが二人に乗せられて相当飲んでしまったのだろう。関係を隠している手前介抱という形で自然になる範囲で相手の体を支えていたがウ.ォ.ッ,チ,ャ,マ,ンが楽し気に彼女の話題を振ってくれば思わず体を固めた。彼らに説明した内容では自分ではない恋人がいることになっている、幾ら相棒とはいえ距離感が近いと思われるのではないかと若干眉を寄せていたが相手は全く気にすることなくますます距離を詰めてきて顔に熱が増すのが分かる。イエスともノーとも答えず「顔が近いよ」とだけ言ってさりげなく顔を離して健全な距離を取る。甘やかしたくなる気持ちをぐっと堪えて「そもそも翔太郎はパーソナルスペースが近い方だからね」と即興で思いついたそれらしい理屈をこねながらさりげなく背中を支えて)
おい……当たり前だろ?いっつも傍に居てくれるし俺の事一番に理解してくれるし、俺が一番信頼出来る奴だ。絶対に一生離さねぇ
(自分がどういう状況か全く理解出来ないまま相手の体温に浸っていたのに相手からは顔を離されてしまってむすっと思いっきり不満げな顔を浮かべる、サ,ン,タ.ち.ゃ,ん,が位置をズレて相手の座る位置を空けている間にこちらがパーソナルスペースが狭いのだと説明がされる。二人は一瞬考える顔をして『そうだったかなー?』と口にしているが、背中に添えられた手に気がついてそれを辿るようにして体を傾け相手に凭ると数秒こちらの姿を見つめてから『そうだったかも』と思い直したようだった。完全に酔っているこちらを見てまだ情報を引き出せると踏んだのかウ.ォ,ッ,チ,ャ,マ,ンはニヤケ顔のまま『パーソナルスペース近すぎると彼女さん嫌がるんじゃないのぉ?』とまた質問がされるが即座に「全然」と首を振る、すかさずサ.ン.タ.ち.ゃ.んが『そりゃお互い相当好き同士だな』と囃し立てれば、さらりと好きという言葉を肯定しながら返事をした。新たな情報に二人はまた『おぉー!』『おアツいねー!』と盛り上がっていてその間に相手の方に軽く擦り寄っていて)
…っ、……何言ってるんだい、
(流石にこの距離はまずいと顔を離すと不満げな表情を見せてくるが相棒としては不自然な距離だ。空けて貰った席に移動するのをきっかけに少し距離を取るがそれでも近い距離を何とかパーソナルスペースという言葉で誤魔化す。普段からフランク寄りで親しみ深いのだから大きくは間違えていないだろう。だがそれだけでは二人にとっては物足りないようで追撃の手を緩めないでいると相手は即答の返事をしていてさらに恥ずかしがる様子もなくさらりと強い感情を打ち明けていればまた動きを止めてしまう。彼女という体を取っているが他人に自分への想いを発表されたのとほぼ同じで嬉しさや恥ずかしさなどが一気にこみ上げてくれば視線は大きく迷わせて無意識に相手の服を握る。顔も薄ら熱を帯びて赤くなっているのを感じるが二人に注目していれば下手に視線を集めないように黙って落ち着くのを待つしかない。心臓が煩くなっていく中、さらに二人が盛り上がって相手も擦り寄ってくれば戯れを装って頭同士をこつんとくっつけ相手にだけ聞こえる声で文句をつけた。そしてあてつけとアピールのように「君のせいで僕まで酔っ払ってしまいそうだ」とめちゃくちゃな文句を続けると相手の為に持ってきたお冷の半分ほどを一気に飲んで強制的に冷やしてからそのままグラスを差し出して)
ん?何がだ?……別に普通じゃねぇか?
(自分が口走った事を全く自覚できないまま相手に寄りかかっていれば額がこつんと重なる、いつも二人きりでやる時のそれにふわふわと幸せは浮かんできて顔を更に近づけようとするがその前に何やら文句らしき言葉が聞こえてきた。しかし今の何が悪いか分からず緩く開かれた目を瞬かせていた。直後突然相手が声をあげると水を一気に飲んでグラスがこちらに差し出される、訳の分からないまま受け取るととりあえずグラスに口を付けて水を飲む。ふわふわした思考が若干落ち着いた気がしたがグラスを置いたタイミングでエリザベスが『間接キスじゃん』とボソリと呟く、その言葉を皮切りに『ほんとだ!』『浮気だ!』『翔ちゃんの裏切り者!』と野次が飛ぶ、女子高生二人だけは相手の方を見ていたが。しかし普段相手と何かを分け合うのが当たり前すぎて、その当たり前を隠さなければならないのが頭から抜けていれば言葉の冒頭に【恋人とするのは】が抜けた状態で返事をする。結果誰とでも構わないという意味に取られたのかさらに野次は大きくなって『彼女が嫉妬しちまうだろ』とジンさんが揶揄ってくる。上手く回らない頭では文脈に沿う返事を考えることも出来ず嫉妬というワードだけ拾いあげると「そうなんだよな。誰かが隣にいるだけでちょっと不機嫌になるし、強引に会話に入ってくるし、張り合うし。でも、困らせたり悲しませてぇわけじゃねぇんだけど、嫉妬してるのめちゃくちゃ可愛いんだ」とまたさらりと告白すればあまりの内容だったのか場が一瞬静まった後に大盛り上がりをみせて)
っ、だから君は…! それにそんなことしてないだろう…
(何とか体を冷やそうとして水を一気飲みしてから相手に差し出すと素直にそれに口をつける。その様子を安堵して見守っていたが今度はそれを間接キスと騒ぎ立てられて目を瞬かせる、相棒としてならこれくらい気にしないのだと伝えたいのにその前に相手はきょとんとしてからごくごく当然のことのように返事をし始めてつよくなった野次に余計頭を抱えることになった。それだけにとどまらず嫉妬というワードから明らかな惚気でしかないエピソードを語りだすとぶわっと顔に熱を持って相手の肩をつかんで止めにかかるも傍からすれば止める理由が気づけば手はそのままに視線を迷わせてから相手の肩にぐりぐりと額を押し付ける。『あれ、フィリップ君も酔った?』などの声も耳から耳に素通りで赤くなっているであろう頬を隠しながら相手にだけ聞こえる声で先ほどの話を言い返して)
…ッ、…悪ぃ、こういうの始めてだから雰囲気酔いしちまったみたいだ
(思っていることをそのまま口にしただけなのだが周囲は大いに盛り上がって『くそ!惚気るな!!』だとか『彼女さん翔ちゃんにそこまで言わせるほど可愛いんだー』だとかやいやい声が聞こえてそれをぼんやりと聞いていれば突然肩を掴まれてそこで漸く相手の方を見る。そこには顔を真っ赤にした相手がいて目を見開く、羞恥を覚えて必死になっている相手は何よりも愛おしくて、そしてこの場にいる誰にもこの可愛らしい顔を見せたくない。独占欲が酔いを遥かに凌駕すると意識はいくらかハッキリとする、こちらの肩に額を押し付ける姿に小さく笑いながら周囲に相手の顔を見せないように腕を背中に回し宥めるようにポンポンと優しく叩いた。こちらが正気をある程度取り戻したのをみればウ.ォ,ッ.チ,ャ,マ,ンからの追求は止まる、さすが情報屋、攻め時は弁えているらしい。注目がある程度分散する中相手が文句を付けるのが聞こえる、それにまた胸をくすぐられアルコールが回って悪戯心が加速すれば耳元に口を近づけると「そうか?だいたいあってるだろ?それに最後のだけは絶対に譲れねぇな」と囁くように言って)
…っ、……君って本当に酒癖悪いよ。
(相手が語る内容はすべて本心でありのままを語っていると分かるからこそ顔の赤みはなかなか引いて行かない。不自然さよりもこの顔を晒したくなくて相手の肩に額を押し付けると相手が小さく笑うのがわかる。背中をぽんぽんと撫でられると相手の説明した雰囲気酔いというワードをいいことに軽く身を預け気持ちを落ち着かせようとする、相手が少し酔いが収まってこれ以上は情報を引き出せないと判断したのか最近の街の噂話に話題が移って相手への注目は減るのを感じれば肩の力を抜くように息を吐いたが不意に耳元で文句について反論されるとぴくっと小さく肩が跳ねてまた顔が赤くなっていくのを感じる。普段なら人前ではこんなことはしないだろう、そもそも先ほどの発言も相手が酔いでガードが緩くなったからこその発言であることを思い直すとわずかに顔だけあげて近い距離で相手をじーっと訴えるように見つめる、そして相手の言う通り全部間違っていると断言できなければぽつりとすべて相手の酒癖のせいにしてしまう。いまだほんのり赤い顔で仕返しにその頬をつんつんつつきながら「考えていることが全部駄々洩れになってる」とさらに文句付けて)
かもな。…仕方ねぇだろ、全部俺の本心だ
(酔いに任せて悪戯に耳元で囁けば相手の肩がまたピクリと揺れる、その小さな反応さえ可愛くてニヤけるのを抑えるのに必死だった。介抱するフリを続けながら背中を摩っていれば相手の顔が上がる、未だ薄らと赤い顔にまた胸の内を擽られながら文句を捻り出す相手に惚けるような返事をした。いつもより思考が浮いていたのは二人の関係がバレなければとりあえずはいいだろう。それに、この体裁の方が恥ずかしがる相手を見れて正直嬉しい。仕返しのつもりなのか頬をつつかれるが赤い顔のままでは可愛い仕草にしかならない、正気はいくらか取り戻してもアルコールは回っていて近い距離を保ったまま「このまま二人っきりになりたくなっちまうな」と心に浮かんだままを言葉として口にしてしまう。二人の空間に酔ってしまいそうになるがその前に『フィリップくん顔赤いしほんとに酔ってるみたいだねぇ、大丈夫?』とサ.ン,タ.ち.ゃ.んから声を掛けられてしまった。途端にこの顔を他人に見られたのかと嫉妬が浮かんで相手の後頭部に手を添えると再び肩口に顔を引き寄せる、「酒の匂いにやられちまったのかもな。まだこいつも子供ってことだ」と適当に答えながらグラスを掴んで飲むのを再開しつつ会話を弾ませながらその顔色が落ち着くまで周囲の目から相手を隠していて)
…それはまた後で、だ。…子供じゃない、
(顔をあげてじーっと相手を見てみるが怯むどころかずっと楽しそうにしている。飲みすぎると気持ち悪くなるらしいが今が酩酊感もあってちょうどいい気分なのかもしれない。今だ羞恥が残る中、その頬をつついていればこのまま二人きりであることを望まれて目を瞬かせてからぽつりそれに同意するように呟く。もしもここが二人の空間ならば今頃もっとくっついて違う仕草をしていただろう。楽しい忘年会なのに早く終わって二人になりたい気持ちも高まっていたが不意に隣り合うサ.ン,タ.ち.ゃ.んに声をかけられるとほぼ同時に後頭部を引き寄せられ肩に顔を乗せることになる。数拍ほど置いてその意図を理解すれば思わず小さく笑い声を零して、だがその後にしっかりと子供の部分は反論しておいた。軽く酔っている自分とそれを介抱する相手だと認識したのか放っておく判断をしたようで他のみんなの話声が少し遠くで聞こえてくる。相手のぬくもりを感じながらそれを聞くのは心地よくて目を閉じて暫しその空間を感じていた。ほどほど経って顔の熱も収まってくれば顔をあげる、一方で相手の頬はアルコールでほんのり赤い気がして「いるもこんな感じなのかい?」と問いかけ)
ん?まぁいつもこんな感じじゃねぇか?
(酒の回った頭では本音を隠しておくことも出来ず思わずそのままを呟いてしまう、すると相手からも同意する呟きが聞こえてきてアルコールのせいではないふわふわとした幸せが胸に浮かんでいた。未だ赤い相手の顔を周囲から隠しながら会話の輪に入っていたがやがて落ち着きを取り戻したのか相手が顔をあける、少々寂しい気持ちもありつつ座り直して自然とまた酒を口にしていれば相手から質問が飛んできた。相手と女子高生二人がいること以外は案外いつも通りで当たり障りない返事をしていたがウ.ォ.ッ.チ,ャ.マ,ン,がすかさず『そうー?翔ちゃんいつもより酔ってないよー』と不満げな様子で口を挟んでくる。「いつもこんなもんだろ」と反論するも『そんなことないでしょーそれに昔はもっと街の美女の話とかしてくれたのに』と余計な一言をいいだして一瞬顔が引き攣って)
街の美女の話…、詳しく聞いていいかい?
(顔をあげて元の席に座りなおせばひとまずはいつも通りとなる。相手も平然とお酒を口にしていたがふとした疑問が沸いて自分が参加していないときの普段はどんな感じなのかと問いかけると当たり障りのない返事がされるがそれを訂正するようにウ.ォ.ッ.チ,ャ.マ,ン,が口をはさむ。今でもそれなりに酔っているように見えるのに、と二人のやり取りを聞いていたが【美女】というワードを聞けばすぐに反応を示して証言を求めるように彼の横に並ぶ。するとウ.ォ.ッ.チ,ャ.マ,ン,は内緒話をするように『翔ちゃんがもっと酔った時にはどこどこで証言を聞いた美人のお姉さんが良い匂いしたとか足が綺麗とか何かそんなこと言ってたのに、最近は言わなくなったよねぇ』と教えてくれる。酔った時に本音が零れるというならば過去のことにも関わらず気分はあまりよくなくてちらり相手の方を見れば「へぇ…」と言葉零して)
あ、ちょ、バカ待て!……それは、ほら!こいつのブログのネタ提供してるだけってか…
(酒の席での会話と言えども普段と特に大差ないだろうと思っていたがどうやらウ,ォ,ッ,チ.ャ.マ,ンにとっては違うようで、しかもその内容が相手に聞かせられないものであれば思いっきり動揺してしまう。しかも相手はその一言を聞き逃さず止める間もなく移動してしまった。内緒話のような声色だがその内容はきっちりこちらにも聞こえていて過去確かに自分が発言した言葉であれば下手に反論も出来なくなってしまった。なんとか理由を捻り出すものの『依頼に来たお嬢さんの手を取ってエスコートしたとかお茶に誘ったけど玉砕したとかブログに関係ない話もしてたでしょ』と追撃されてしまい更に体を固めてしまう。しどろもどろしていれば『まぁ、そんだけ今の彼女に惚れてんだろ』とジンさんがフォローしてくれればすかさず「そう!そうだよ!」と無自覚にまた惚気けたが酒の入ったウ.ォ,ッ,チ,ャ.マ.ンはこちらの肩を掴んで『そんなのボキ寂しいよぉーもっと美女の話しようよー』と体を揺さぶられてしまった。いくらか意識を取り戻していたのに無理やり脳が揺らされると一気に酩酊状態へ逆戻りする。世界がくるくる回る中、先程のジンさんの言葉が聞き捨てならないのかマッキーが『さっきからノロケやがって!どうせ探偵からの一方通行だろ!』と同じく酩酊状態のまま叫ぶ、まともではない状態ではマッキーの言葉に反論する思考さえ溶けていて言葉をそのまま受け取ってしまえば「え、…」と力の抜けた声を出した後不安げに眉を下げていて)
へぇ…確かに翔太郎ならしそうだね。…、…その、僕から見た感想だけど、その彼女も相当翔太郎に惚れていると思うよ
(相手の性格上付き合う前の行動ではあるだろうがやはり他の美人にデレデレしていると聞けば面白くない。その感情はつい相槌やその後の声にも乗ってしまって普遍的な言葉にも含みが出てしまった。それを誤魔化すようにモクテルを口にしていたが刃.野.刑事のフォローに相手が全力で乗っかって少し気持ちが落ち着く。だがいち抜けしたような状態の相手をウ.ォ,ッ,チ,ャ.マ.ンが揺さぶり、更に真.倉.刑.事が野次のようなものを飛ばせば先ほどまでの調子はどこへやら、力の抜けた声が出て思わず顔を向ける。そこには不安げに眉を下げた相手が居て今の言葉を真に受けているのが分かればフォローを入れようとするのも自分達の関係を隠している事を思い出してブレーキがかかる。だがそれを咎めるように少し遠く離れた席の女子高生二人から熱い視線で刺されて視線が揺れる。他の人の前で自らの気持ちを明かすのと同等であればまた羞恥が表に出そうになりながらも彼女という体で同程度の想いだと説明するとエリザベス達が寄ってきて『フィリップ君が言うならマジっぽいよね』『すっごいラブラブじゃん』と本当の意味が分かりながら煽ってくれば「あくまで彼女から聞いた言葉だけど」と無意味な言い訳をして)
…………そうか。……そっか
(普段ならば即座に否定出来る言葉も思考が抜け落ちた頭では丸ごと受け取ってしまって自分からの一方通行なのかもしれないと勝手に思い込んでしまう、表情からダダ漏れなのはさておき弱気な言葉は口にしたくないというギリギリのプライドが残って黙っていたが相手が何やら前置きをしてから話し始める。相手の言葉を聞くも最初は【彼女】という知らない人の話をしていて目を何度も瞬かせる、しかし女子高生二人が相手を揶揄っているうちに少しずつその彼女と愛しい相手がイコールで繋がって、今の言葉が紛れもなく恋人の言葉だと随分時間をかけて理解すれば小さく呟く。次にゆっくりと相手も間違いなく惚れているのだと宣言されたことが、つまりは互いに矢印が向いていることが嬉しくなれば全く締まりのない緩い笑みを浮かべて今度は子供っぽく笑みを浮かべると噛み締めるように呟いた。ラブラブという言葉にまた嬉しさを全面に出した笑みを浮かべるとマッキーは面白くなさそうに不貞腐れる、一方で女子高生二人はウ.ォ.ッ,チ,ャ.マ.ンを押しのけ相手の両隣を陣取ると逃がさないように肩に手をかけて『私もっと彼女さんの話聞きたーい』『ねー、彼女さんは翔ちゃんの何処が好きって言ってたの?知ってるよね?』と確信を持って更に質問すると楽しげな二人分の視線が相手へ降り注いで)
…えっ、それは知らないことは、ないけど…
(彼女という前置きをしてから相手の心配する頃は無いと伝えたがその言葉にも感情が乗った気がして公開告白している気分だ。視界の端で相手の寂しそうだった表情が晴れてゆるい笑みが浮かんだのは良かったがさらに二人からは煽りが飛んできて、更には自分の両隣を陣取るように挟まれて逃げられないようにされると困惑の声をあげる。この二人は既に自分のことだと分かっているはずだが、寧ろそれを踏まえて楽し気に彼女のことを聞いてきて予想もしない事に曖昧な答えをしてしまう。知らない、と更に嘘をつけなくて興味津々な目を向けられると「…いつも自分のことを考えてくれていて少し子供っぽい所も真面目かと思えばかっこつけてしまうような所も色んな表情を素直に見せてくれる所が好き、らしいよ」と溢れる想いを口にすれば最後に取ってつけたように伝聞形で誤魔化しながら伝えて)
…………そりゃ、嬉しい……俺も、何時でも俺の傍に居てくれるのが嬉しいし、自分の事よりも俺の事心配してくれて愛されてると思うし、一緒に何やっても楽しくて思い出になるし、俺が迷ってたら絶対に背中押してくれて頼りになるし、可愛い顔で笑ってくれると俺まで幸せになるし、直球で好きって言ってくれるし、あいつにだけは甘えられ
(愛しい人から想われる幸せに浸っていると相手は女子高生二人に囲われさらに質問を浴びていて更に何かを言おうとする相手をジッと見つめる。やがて相手が自分のことを語るが酒にやられた狭い視界でも両脇に見知った二人がいるのがみえていて、人がいる前で堂々と自分の好ましいところを語る相手にアルコール由縁以上に頬を赤くなるのを感じた。思わず目を泳がせていると『だってー翔ちゃん?どう?』とクイーンから話を向けられて、こちらに注目が向けば余計に恥ずかしくなって頬を掻きながら何とか一言返事をした。しかし一度喋ってしまえば途端に相手に貰った想いの分だけ幸せになって口を緩めて嬉しそうに笑う。直ぐに貰った分を返したくて相手の好きなところをこちらも上げていく。思考能力を失った頭は思いついたままを全て喋ってしまって、相手の好きな所など無数に浮かんでくればそれを全部口に出していた。最初はひとつ言う度に囃し立てていた女子高生二人も途中から恥ずかしくなってきたのか助けを求めるように相手の方をみる。ついには相手の前でしか見せない姿のことを口走りそうになった時、ガタンッと派手な音の後に『いつまでノロケてんだ!!』とマッキーのツッコミという名の一撃が頭を襲った。相手がマッキーとなればたちまち怒りは頂点に達して「ってぇな!!何すんだよマッキー!」と叫べば『お前のノロケなんか聞きたかないんだよ!』と反論され酔ったもの同士ブレーキも失っていれば「ンだとっ?!」『やんのか探偵!!』と互いに胸倉を掴み合う事態に発展して)
……っ、言い過ぎだ、
(あくまで彼女が、と言う形を撮っているのにこうした形で想いを明かすのは恥ずかしい。何とかその形を保って言い終えたのにクイーンが相手に話を振って嬉しいと言う回答を聞けば頬に熱がまた集まる。だがそれだけではなく、相手が想いを溢れさせるようにこちらの好きな部分を次々にあげていけば初めは嬉しかったものの段々と羞恥と困惑が湧いてきて動けなくなる、女子高生二人からも助けを求められるもどうすることも出来ず小さな声でぽつりと文句を口にした。そして更に踏み込もうとしたところで真.倉.刑.事が鋭いツッコミを頭に食らわせて案の定取っ組み合いが始まる。話のきっかけは真.倉.刑.事の一言のはずだったが相当惚気られたのが効いたらしい。酒が入ってブレーキの効かなくなった2人を見れば幾らか羞恥も収まって女子高生二人の間から立ち上がると「はいはい、そこまでにしたまえ」と相手と真.倉,刑.事の間に割って入って)
あ、おいっ!まだ言い足りねぇのに!
(相手の好きなところをあげていたのにそれを中断れたことと単純にマッキーに絡まれた事に判断能力を失った頭は直ぐに手が出てお互い掴み合いになる、しばらく言い合いと軽い小競り合いが続きすぐ隣でジンさんが『いつも通りになってきたなー』とまた呑気に枝豆を食べていた。互いに言葉を投げつけあっていたが相手が割って入ってきて声をあげる、せっかく想いを返していたのにそれを邪魔した罪は重いだろう。相手と同じタイミングで『そろそろ店の迷惑だ』とジンさんがマッキーの首根っこ掴んでその場から引き剥がされた。残ったのは二人だけになって少し離れていただけなのに漸くいつもの体温が戻ってくれば途端に気持ちは落ち着く、せっかく今近くにいるのにこの後相手が自分以外の隣にいくのも許せなくて近い距離のまま「…俺の隣戻ってこいよ」と小さく言うもその言葉と同時に腰に両腕を回して相手を捕まえてしまえば相手が離れていかないようにギュッと腕に力を込めて)
それは後から聞くから。…ん、随分と酔った君の監視役をしないといけないからね
(最初と同じくつかみ合いの喧嘩を始めるがそろそろといった所で二人の間に割り込んで声をかけると抗議の声があがる。真.倉.刑.事や刃.野.刑事に首根っこを掴んで引き剥がされていくのを見れば似た者同士だと言いたくなるが口にすれば更に騒ぐのが目に見えていれば宥める言葉をかけて相手を落ち着かせる。普段は聞けないような事を聞けて満足したのか各々飲むのを再開しはじめているが相手は近い距離を保っている。きょとんとしていれば相手の両腕が回されて甘えたような小さな声が聞こえてくればどくんと鼓動が高まった。更に腕に力が籠って明らかに相棒の距離ではなくなったのにそれを解きたくなくて他の人の目を盗んで軽くその頭を撫でるとくすくす笑いながら肯定の返事をする。軽く体を支えながら卓の端っこに二人で座り直すと「…結構酔っているだろう?」と問いかけて)
ん、……酔ってねぇし
(酒の席で移動があるのは頭の隅では分かっているもののもう相手が誰かの隣にいるのを離れた場所から眺めたくはない、今は周囲の目よりも心のままに行動していて相手がどこにもいかないように抱き着いた。暖かな体が一瞬より暖かくなったのを感じて更に離れがたくなっていると軽く頭を撫でられる、途端に胸には幸せが広がって肩に頬を乗せて軽く擦り寄っていた。端の席に座り直すも腕を解く気はない、前回キス魔であるのを目撃したせいか、あるいは先程【彼女】に対して大惚気したせいか、周囲の面々はこの距離であろうともうツッコんでこない。こちらを気遣うように問いかけられるが僅かに残ったプライドで反射的にその言葉を否定する。しかし先程頭を撫でられたことですっかり甘えたいスイッチが入ってしまった、流石にその姿は相手以外に見られたくないのと見せたくないのとで我慢するも一呼吸する間に限界がきて「フィリップと二人になれるなら酔ってるってことにしてもいい」とポツリと呟けば欲求を発散するようにグリグリと頭を相手に押し付けて)
ならこの後の二次会は君の介抱のためにパスしようか
(端の方の席に座り直してもその腕が解かれることはなくてずっとこちらに体重がかけられている。様子を伺うように酔いの具合を聞いてみれば現状と全く釣り合わない返事がされてまた小さく笑った。もうそういう物と受け止めているのか他の人たちは移動したときにだけちらっと視線を向けていたが今はすっかり違う話題で盛り上がっている。ちょっとだけ二人の空間が出来た所でぽつりと何とも可愛らしい呟きが聞こえ、さらにぐりぐりと頭を押し付けられると口元は緩んでまた手を伸ばしてその頭を撫でる。この状態が既に酔っているのだがそれを隠すプライドよりも自分と一緒に居られる方が重要だと考えてくれているのが何より心を満たして仕方ない。毎年この後は酔った勢いでカラオケか二軒目に行くのが通例らしいがこの酔った相手を独占したい方に気持ちが傾いていればこそこそ話のように二人で抜け出すことを提案してまたするりと髪を撫でて)
……あくまでもフリだからな……今はフィリップと二人でいてぇ
(何時もならば二次会は率先して参加する方だが一度頭を撫でられて相手との時間に気持ちが傾いてしまえばもう天秤は元には戻らない、少しでも愛しい恋人の心地を感じようと頭を擦りつければまたそこを撫でられて幸せな心地に今日一番締まりのない笑みを浮かべた。内緒話をするように抜け出す事を持ち出されると大勢の輪から特別な距離に戻る優越感が胸を擽る、更にひと房の髪がその手で撫でられる動きはまるで悪いことをするよう誘うようで胸がドクンッと強く鼓動した。アルコールだけではない熱さが顔に登ってきて今度はそれを隠すように相手の肩に額を押し付けていると『そろそろ時間だし出よっか』とウ.ォ,ッ,チ,ャ.マ,ンから声がかかる。各々が支度を始めるなか自然といつも通り次はカラオケだなんだと二次会の話になるが『翔ちゃん達はどうする?』と話を振られる。判断能力の無くなった脳でとりあえず軽く手をあげれば『あちゃーもしかしてもうダウンしてる?』と相手へと問いかけて)
・…ああ、大分潰れかけてるみたいだ。 明日も仕事があるし僕たちは先に帰らせて貰おうかな。
(本来なら相手も参加するはずの二次会を抜け出すことを提案しながらその髪を撫でると更に相手が溶けたように見える。更に肩に額を押し付けてくる相手に小さく笑っていると主催のウ.ォ,ッ,チ,ャ.マ,ンから声が掛かる。各々支度をして立ち去ろうとしながら次の行先の相談をしていて相手を支えて立ち上がった所でこちらにもお声がかかるがその答えはもう決まっている。相手を支えるように軽く腰を抱くと相手の様子を見ながらこくり頷く、そして探偵業の話を持ち出すと『これ以上酔ったらまたキス魔になりそうだもんねぇ』と笑いながら返答がされた。他の人も同じ意見のようで1次会で抜ける空気になる中「翔太郎もそれで良いだろう?」と同意を求めて)
おぅ……悪い、また今度な
(酔いが回りきった頭では相手のことしか考えられずまともな返事すらできない、支えられながら立ち上がった後も右手でぎゅっと相手の服を握り離れないようにしていた。その後も支えるように腰に腕が回されて鈍った頭でこれなら離れなくて良いのだと都合の良い解釈をする、こちらからも肩に腕を回せば介護されるという名目で堂々と密着することができた。その間に相手がウ.ォ,ッ.チ.ャ.マ.ンに返事をして揶揄う言葉が飛んでくるが正直今すぐにでも相手にキスしてしまいたい、我慢出来ているのは二人きりで抜け出した後相手との時間が待っているからだ。相手に同意を求められればギリギリ動く思考でそれなりな返事をし軽く手を振る、ひとりで立っていないのを見た面々はこちらが相当酔っていると判断したようで『フィリップくん翔ちゃんのことよろしくねー』といつかのように相手に託すことにしたようだった。見送りを済ませたあと「帰るか」と声をかけて歩き出す、相変わらず支えられるという体でくっついたまま帰路を歩いていった。やがて二人の家へたどり着いて「ただいまー」と緩い声を出しながら玄関をくぐる、扉が閉まれば靴も脱がないうちに肩に腕を回した状態からくるりと体を回転させてそのまま抱き着いた。恋人しか許されない距離で見つめると「フィリップ、おかえり」と嬉しさを滲ませながら言えばいてもたってもいられずぎゅっと腕に力を込めると顔を寄せて口付けて)
ただいま、っ…ただいま、翔太郎…ん……
(相手に話を振ると緩い動きで彼らに手を振り返す。演技にしてはかなりこちらに身を預けていて実際に相当酔っているのは間違いないだろう。二次会に行く皆を「ああ、任せてくれ」と仕草だけで送り出したところで相手から声がかかるとこくりと頷いた。それから酔っぱらいを連れ帰るという形でくっついたまま人通りのある道を歩いて行き二人の家に着く。鍵を開けて相手に続いて玄関をくぐるが扉を閉じて鍵をかけたタイミングで相手が体を回転させ遠慮なく抱き着いてくれば軽く目を見開く。先ほどの居酒屋での距離をあっという間に飛ばしてすぐにでも触れそうな距離で声をかけられるとこちらも緩く笑って二回目のただいまを口にする。さらに言葉を続ける前に回された腕に力がこもって顔が近づいてくると素直にその口づけを受け入れる。焦らされた分そのぬくもりと質感はつよく感じられて腰に添えていた手を背中に回しなおして軽く抱き着くと暫く唇を重ねた。普段よりもアルコールの味の唇を味わってそっと顔を離すと「やっと二人きりだね」と悪戯っぽく告げて)
……あぁ、やっと俺だけのフィリップだ
(くっつくのは我慢出来ていなかったが口付けは頬さえ我慢していたのだ、家に帰って二人きりになったその瞬間に唇を重ねた。外から帰ってきたばかりの互いの唇は冷えていたが直ぐに体温を交換させて温もりが馴染んでくる、輪郭をよりハッキリと感じる所からゆっくり互いが溶け合うように感触が変わっていけば、境界が無くなっていく心地に幸せとアルコールとで頭はクラクラと揺れた。そっと唇が離れて至近距離で相手を見つめていれば悪戯っぽい声が聞こえてくる、飲み会を抜け出すなんて二人だけの秘密を抱えるような特別な行為にいやでも胸は高鳴って相手の悪戯な笑みが更に心音を早くする。あらゆるネジが緩まった表情で子供っぽく笑うと漸く相手が隣からいなくならないことを噛み締めるように呟いて、直後羞恥が湧いてくると口をもごもごさせて視線を揺らすと誤魔化すように鼻先に軽く口付けた。もう相手とは離れたくないのだがいつまでも玄関で厚着している訳にもいかず眉を下げて寂しそうな顔をすると「フィリップと離れたくねぇけど、帽子しまわなきゃダメだよな…」と呟く、しかしふといい考えが浮かんでパッと顔を明るくさせると正面から抱き着いていたところから移動して後ろへと回り再び抱き着くと「これで離れなくていいな」と上機嫌に言ってそのまま移動しようと急かすように相手を後ろから押して)
…ふふ、確かにそれはナイスアイデアだ。
(長い口づけから唇を少しだけ離して見つめ合い、二人きりだと告げると相手の頬が更に赤らんでそれから幼い笑みが浮かんだ。さっきまでも隣にいたというのに独占欲を滲ませる相手に口元が緩むのを感じて、それに羞恥を覚えてもごもごと視線を揺らし誤魔化すように口づける相手にまた笑い声が零れた。アルコールを飲んだ相手はいつもより表情豊かで、それでいて全体的に緩い。こちらに抱き着いたまま眉を下げたかと思えばほんの少しでも離れることに寂しそうに呟いて、そしてすぐぱっと顔を明るくするとこちらの背後に回ってきた。その何とも可愛らしい仕草に気付けば更に愛おしさが湧いて甘やかすようにその方法を褒めると押されるまま靴を脱いで部屋の中に入った。壁で相手のハットを外して金具にかけ、クローゼットの前でお互いの上着を脱いだ。そして酔いの回った相手を気遣いつつ更にくっつけるようにベッドの側に向かうと先に腰掛けてから「翔太郎」と相手を手招いて)
…フィリップっ!…もう二人っきりだからフィリップに甘えていいんだよな?
(玄関からリビングまでの僅かな合間さえ離れたくなくて良い考えが浮かんだとばかりに背後から抱き着いてそのまま進もうとする、何時もならば一言入りそうなことも受け入れられて更に褒められればパァっと胸は華やいで「だろ?」と得意げに言いながら相手の側頭部に擦り寄っていた。靴を脱ぎ帽子を脱がせて貰ってクローゼット前で上着を脱げばもうやるべき事は終わった。酒の回る体はずっと小さく左右に揺れていたが相手がベッドへ腰掛けて名前を呼ばれるとふにゃりとゆるゆるの笑みを嬉しさを滲ませ浮かべて名前を呼びながらほぼ飛び込むようにして相手へと抱きついた。アルコールのせいでいつもより暖かい体を密着させるが相手の体温は冷たいどころか柔らかく暖かで肩に頬を擦り寄せながら相手の方を見つめる、忘年会の席でなんとかギリギリ我慢した分と目の前で相手が隣から離れていた分だけ傍にいたい気持ちは膨らんでふわふわの思考ではさらにその思いは拡大していく。それは自分が制御できる範囲を超えていて、思いを我慢するブレーキもとうに壊れていれば体を少し起こして間近で視線を交え「なんか、すげぇ…フィリップに甘えたい」と小さな声で伝えて)
っと、彼らが今の君の姿を見たらきっと驚くだろうね。…、良いよ、好きなだけ甘えたまえ
(安定する場所に腰掛けて相手を招くと緩み切った笑みで感情を爆発させながら飛び込むように抱き着かれてそれを受け止めて背中に腕を回す。上着一枚分薄くなると相手の肌がアルコールで火照って暖かなのがよく伝わってきて腕に力を込めながらそのぬくもりに浸る。普段からハーフボイルドだとからかわれているがここまで蕩けた姿を見られるのは自分だけだろう。特別な優越感を擽られて口角をあげつつ抱きしめていれば擦り寄っていた相手の視線がこちらを向く。そして至近距離でお願いがされると湧きあがる幸せに目を細めて承諾の返事をするとこちらから軽く口づけを落とす。そしてまた少しだけ離れるとその目を見つめながら優しく頭を撫で始めた。普段より理性の糸が緩んだ相手が自分を求めてくれるのが嬉しくて大切なものを愛でるようにゆっくりと、時折指の間で髪をとくようにしながら撫でて背中に回した片方の腕でもこちらに引き寄せ身を預けさせて)
……へへ、…二人きりの時だけの特権だ
(相手に飛びつけば直ぐ様背中に腕を回されて二人の体はより近づく、玄関でのキスと同じくこちらの体は火照っているはずなのに相手の体温は柔らかく暖かで抱き着いているうちにゆっくりと二人の体温が馴染んでいくのを感じる。こうやって甘えるのも甘えたいのもこの世で相手ただ一人だ、膨らんだ気持ちを口にすれば相手は嬉しそうに目が細くなって受け入れられる幸せにこちらの口角も上がっていた。視線が交わったまま愛しい人の手がこちらへ伸びて頭を撫でられる、途端に柔らかな心地が頭の頂点から全身に広がって力を抜くように息を吐いた。アルコールで僅かに赤い顔のまま相手がこちらを撫でる様子を見つめればその表情からもこちらに対する想いが伝わってくるようで胸がポカポカと暖かい、幸せに浸るように目はトロンと緩まってしまう。相手に抱き寄せられるままくっついて身を預ける、より体温を感じて緩まった頭は酒の席と同じく思ったままを全て言葉にしてしまって「フィリップに撫でられるの、俺の大好きな人から大切にされてるって分かって好きだ…手も暖かくて柔けぇし、好きだって伝えられてるみてぇ」と相手に甘やかされる幸せに浸っていて)
手のひらから僕の気持ちが伝わっているみたいだね。…僕がこういうことをするのは君だけだよ。
(相手の願いを受け入れてその頭を優しくなで始めるとその体から力が抜けていくのが分かる。幼い笑みが零れてとろんと緩まった瞳がこちらを向けば何とも可愛らしくて手は撫で続けながら視線を合わせた。先ほどと同じく理性もゆるゆるなのか普段よりも芯のない声で感想が伝えられるとこちらも小さく笑みを零す。酔いが回って素直なのもあるが今ならばドライバーがなくともお互いの気持ちは十分に伝わってきて何を考えているかさえわかる気がする。さらに想いを伝えるために優しく何度も手を動かして撫でながらこうやって愛でるのは相手だけなのだと楽しそうに告げる。そうしていれば忘年会の最中に言われた嬉しくも恥ずかしい言葉を思い出すと二人きりなのを良いことに顔を寄せじっと相手を見つめながら「僕も君のことが世界一好きだし、離すつもりは無いよ」と微笑んで見せ)
……俺だけの特権だ
(頭を撫でられ愛でられる幸せを教授していれば相手から今まさに考えていたことを伝えられ照れの混じった笑みを浮かべ大きく頷く、優しい手つき撫でてくれることも、時折そこを整えるように、あるいは愛でるように、髪の間に指が通って行くことも、全てが一番愛しい人からの大好きのメッセージだ。撫でられる心地に揺蕩っていれば自分だけの特別なのだと伝えられて誰よりも愛されていることが嬉しくて幸せで堪らない、また幼い笑みを溢れさせながら拙い口調でどこか自慢げに返事をしていた。想いを溢れさせれば相手の顔が近づいてくる、吸い寄せられるようなその瞳を見つめれば知り合いがいる前では決して言えなかった言葉が伝えられた。それは幸福も喜びも独占欲も優越感も、あらゆる感情を溢れさせる言葉で、相手によってこの上なく胸が満たされるのを感じれば感情の抑制が効かないせいで何故か薄ら瞳に膜が張る。その後幸せいっぱいに笑みを浮かべ「フィリップ」と名前を呼び暫く見つめる。こちらから送っても良いのだが今は相手に甘やかされたい、胸板に手を添えてそこの布を軽く握ると「キスしてほしい」とねだって)
…なんだい、翔太郎。……ん、
(頭を優しく撫でながらあの時には決して言えなかった本心の返事をすれば幼く笑っていた相手に届いたのが見てわかる。その瞳に薄ら涙の膜が張ったのが悲しい訳でなく嬉し涙であることもすぐに分かると頬に手を添えゆるゆるとそこを撫でた。これだけ感情を昂らせるのもそれだけお互いがお互いに大切な存在だからだろう。そして幸せたっぷりな表情で名前を呼ばれると自然と笑みが浮かんで名前を呼び返しながら大切な恋人を見つめた。すると相手が胸部の服を掴んでから素直な口調でキスをねだられ視線を揺らす。自分から出来るのにこちらに主導権を委ねてきていることに満たされるものを感じながら頬を撫でていた手を相手の顎下に添え軽く固定して顔を寄せる。そのまま唇を重ねると暖かな温もりを感じながら背中に添えたままの手はやさしくそこを撫でていて
…、……
(感情が溢れすぎて決壊を起こしそうになれば愛しい人の手が頬へと添えられる、柔らかく撫でられれば途端に胸は安らぎに満たされて膜を張ったままの瞳で相手を見つめた。そのままキスをねだれば相手の瞳が揺れる、その仕草からも何を感じているかはよく分かって同じもので胸が満たされるのを感じた。やがて顎下に手を添えられて唇が重なる、玄関でしたのとは違って最初から二人の体温は近く直ぐに馴染んで二人の境界が溶けて無くなっていくようだった。背中に添えられた手でそこが撫でられると柔らかい温かさが広がって唇を重ねたまま口角をあげる、相手に甘やかされる幸せに身を委ねながら想いを伝えるように、そしてそこがより馴染むように緩慢な動きで唇を動かして互いの柔らかな部分を擦り合わせた。相手に包まれ繋がるのを感じながら胸部の服を握っていたがその手に何か硬いものがあたる、それが自分達が特別であるのを示す指輪なのにすぐ思い当たれば唇は重ねたまま服の上から指輪を持ってまだ冷たいそれを心臓の位置へと押し当てる。二人の特別な存在を心の髄に改めて知らせるようにしながら境界線を馴染ませるキスを続けていて)
……、しあわせだ。
(相手の顎下に手を添えてそのまま唇を重なる、特別な箇所を触れ合わせながら背中を撫でると相手が微笑むのが分かってまた心が和らぐ。ゆっくりと唇を擦り合わせてそのぬくもりを感じていると服を握っていた相手の手とは違う硬い物が服越しに触れる。それがずっと首から下げていた指輪だと気付くと一瞬動きを止めるが相手が肌に押し当てるのを感じると小さく笑みが零れる。これももう隠す必要は無い。じんわりと指輪に熱を移しながらキスを続けていたがほんの少しだけ唇を離すとまた相手を見つめる。他の誰よりも、何よりも大切な存在がそばにいて全てを委ねてくれていることを実感すれば目を細めて噛みしめるように想いを零した。それからこつんと額を合わせてくっつきながら服の中からチェーンごと指輪を出してきて見えるようにすると相手が胸板を服を握っている分二つの指輪が並ぶようになって「君のこの指輪もしっかりアピール出来たね」と何処か満足そうに呟き)
……俺も、すげぇしあわせ…
(唇を擦り合わせ境界線を馴染ませ無くし二人にしか許されないことをしながら二人の特別な指輪を相手の胸板に押し付ける、それが何なのか理解した途端に重ねた唇は弧を描いてこちらも釣られるように口角を上げた。唇が僅かに離れれば間近にいる相手を見つめる、やがてその目は細くなって噛み締めるよう想いを伝えられるとその幸せは直ぐにこちらにも伝搬してまたふにゃりと笑みを浮かべて同じく緩くなった口調で同じ思いを口にする。額を重ねてそこの体温が交わるのを感じていれば掴んでいた指輪がすり抜けて服の外へと出てくる、人前では決して見せなかったお揃いが並べばまた幸せは溢れ出して幸福を纏わせた息を吐いた。満足そうにする相手にまた額をグリグリ押し付ければ「ちゃんと俺には世界でいちばん大切な人がいるっていえてただろ?」と数々の惚気けも成果であると主張して褒められるのを待つように期待の瞳を向けていて)
ちょっとアピールし過ぎだった気がするけど…、君にああやって言って貰えるのは嬉しいものだね。
(キスを終えても相手から離れる気にはなれなくて至近距離のまま想いを告げると相手からも緩くなった声で同じ思いだと告げられる。その感想に口元は緩んでいく一方でお揃いの指輪が揃うとまたその特別感に浸る。重ねた額を押し付けながらあの忘年会の駄々洩れだった惚気を自慢げに主張されると思わず冷静なツッコミをしてしまう。だが羞恥を感じたことを除けばあんなに堂々と自分への想いや大切にしていることを語っていた事への嬉しさや優越感が滲み出てきて照れ交じりにこくり頷く。そしてそれを褒めるように手を伸ばしてまた緩く相手の頭を撫でてそっとおでこに口付けを落とす。勘の良い彼らなら今回の事で自分達の関係に気付いた可能性だってあるがそうだとしてもきっと悪いようにはしないだろう。良い仲間に囲まれている幸せを?みしめつつ相手を思うがまま愛でていて「また忘年会とかそういった類の会があったら参加しようかな。君を連れ帰る役目もあるし」と次の機会への参加を口にして)
ん、…へへ、……フィリップがよろこんでんならそれでいい……そうだな、ああいうのは大人数の方がいいし。……でも、
(あれだけ自分には大切な人がいるのだと言い放ったのだから指輪と相まって効果は抜群だろう、褒められるのを期待して見つめていたが最初に冷静なツッコミをされて一瞬目を瞬かせ固まる。しかし直後に照れ笑いしながら嬉しさを滲ませるのをみればまた直ぐに胸は暖かく華やいでいく、期待した通り頭を撫でられれば途端に暖かで浮遊感のある幸せに包まれその手に擦り寄って、額に口付けが落ちれば擽ったくて幸せで幼い笑い声を溢れさせた。相手に愛でられながら恋人の体温とアルコールとで溶けそうな目のまま返事をする、今日あの場にいたのは誰もが欠かせない仲間で当然そこには相手もいるべきだ。だが先程のことを思い出せばポツリと呟いて視線を俯かせる、暫く惑った後に再び相手を見つめれば「…誰か他の奴のとこにいっても、ちゃんと俺の隣の席に帰ってくるって約束してくれるか?」と問いかけた。この街の住民として皆と仲良くして欲しいが本当は何時でも隣にいて欲しい。約束を問いかけながらも相手の隣を手放したくない気持ちが膨らんでしまえば繋ぎ止めるように預ける体重を少しずつ増やしていき多少不安の過ぎる目で相手をジッと見つめていて)
…翔太郎?…何かで一時的に誰かと一緒に行動することがあっても、僕の居場所はここだ。絶対に君のそばに帰ってくる。
(額に口づけて相手への思いを溢れさせながら次の機会への意欲を見せると相手からも同意の返事がされる。彼らは自分を受け入れてくれて自然と輪の中に入れてくれる。事務所の中だけでなく、この街にもちゃんと居場所が出来た気がして騒がしくもあったが共に過ごす時間は悪くない気分だ。色んな意味で満たされて満足していたが相手が視線を俯かせてしまうと気になって顔を覗き込むようにして名前を呼ぶ。暫く無言が続いた後、こちらに顔が向くとぽつりと不安の滲んだ声と表情で問いかけられて一瞬目を瞬かせた。そして先ほど戻ってこいと甘えた声で願われたのを思い出すとさらに預けられるようになった体重をしっかりと支え、その目をじっと見つめながら自分のいるべき場所は間違いなくこの場所だと告げる。その思いを十分に伝えるように何度も頭を撫でてから芯のある声で強く約束をして)
……ほんと、どうしようもねぇくらいにフィリップのこと好きだ…何時でも俺はフィリップのかえってくる場所だからな。今度の会もいっしよにいこうぜ
(制御の効かない思考ではちょっとした事でさえ不安になってしまう、しかし相手への想いは膨らんでいくばかりだ。想いは行動に現れて余計な体重をかけていたがそれさえしっかりと支えられ目を瞬かせて相手の瞳を見つめる、そこで茶化さず真っ直ぐに、安心させるように頭を撫でられながら、自分こそが帰るべき場所なのだと告げられば大きく瞳を揺らした。誠実な言葉は降って湧いた不安を瞬く間にかき消して代わりにどうしようもない幸せと優越感とが溢れ出して止まらない。過剰に凭れかかるのを止めるとまた頭を柔らかな手が撫でる、自然と溢れ出したのはただ純粋な好意の言葉だった。きっと次にあんな酒の席をする時も今日のメンバーで集まるに違いない、拗ねることはあっても不安になることはないだろう。次の機会に思いを馳せるのも良いがこの暖かで幸せな気持ちをもっと膨らませたくなって胸板に置いていた手を相手の首裏に回して軽く引き寄せると「でも今はフィリップのことだけ考えてぇな」とひとつ願いを口にすれば今度はこちらから顔を寄せて再び唇を重ねて)
僕も好きだよ。ああ、……ん、
(普段より素直で、だからこそ芽生えた不安を取り除くように頭を撫でながらそばに居ると誓うと相手の瞳が大きく揺れる。幸せそうに笑う姿を見ながら手を動かしていれば好意の言葉が告げられてこちらも同じ熱量で同じ言葉を返す。他の人が居る場所でも2人きりでも思うことは変わらない、何があっても帰ってくるのがここだと分かっていれば大きく揺らぐこともないのだから。次の回の誘いに期待は高まって微笑みながら頷いていると胸に添えてあった手が首後ろに回って軽く引き寄せられる。さらに顔が近付いて至近距離で願いを伝えられ、そのまま唇が重なると口角をあげながら目を閉じ、それを受け入れた。何度も重ねてお互いの体温を交換していればその場所も同じ温度で何とも心地良い。体から力が抜けて更に相手を感じたくなると軽く相手を抱き寄せてキスをしたままベッドに寝転がる。目を開け悪戯っぽい笑みを見せながら腕に力を込めてさらに長くキスを続けて)
………、……っ、…
(こちらから好意の言葉を送れば相手からも同じ言葉が返ってくる、まるで共鳴するような響きに視界も脳内も愛しい恋人一色に染まっていく。そうなればもっと相手だけを感じる時間が欲しくなって今度は自ら唇を重ねた。唇を重ねたまま抱き寄せられると相手に導かれるままベッドへと横たわる、この短い時間さえも唇を離さないようにする相手が愛おしくて同時に愛されているのだと感じて口角をあげる。こちらに向けられた悪戯っぽい笑みを見れば同じ事を考えているのだと分かって、愛おしさが華やげば背中に腕を回してぎゅっと強く抱き締めた。より二人が馴染むようにまた唇を擦り合わせていたがもっと境界線を無くすキスがしたい欲望が湧き上がってくる、それを相手に伝えようとするがその為には重なる唇を離さなくてはならなくて、この心地を手放したくなければなんとも悩ましくて眉を下げる。アルコールにやられた思考は正常な思考順路を辿れなくて一拍置いて良いことを思いつくと唇を重ねたまま相手を呼ぶよう背中をぽんぽんと叩く、目線を交えたところで数秒期待するような或いはねだるような瞳でジッと見つめたあと不意に唇の間を舌先で擽って熱が見え隠れする瞳で再び見つめて)
………、…っ、…
(二人でベッドに沈み込んでその身体を抱きしめながらキスを続ける。相手からも腕に力が籠ってさらにくっつきながら唇を擦り合わせるうなキスを続けていたが不意に背中をぽんぽんと叩かれて細めていた瞳で相手の顔を捉える。何処か悩ましげだった表情から期待するような熱のこもったような目を向けられるとぞくっと背筋が震えた。そして予告もなしに舌先が唇の間を擽るとその感触に小さく肩を跳ねさせた。覚えのある舌の感触と普段よりも高い熱はその先を連想させるには十分で瞳を分かりやすく揺らすと背中に回していた手を後頭部に添える。それから相手の唇を食むような仕草でキスを続け、やがて舌先をのばすとそのまま軽く舐めてその部位を濡らした。じっくりと焦らすように愛でてから唇の隙間をまたなぞり、薄く開いたタイミングで割って入って内側をなぞると小さく水音が弾けて)
……、…ぁ…っ、……ん、ッ……
(もっと深いキスを望む言葉の代わりに視線と仕草でオネダリをすれば相手の肩が跳ねて今度はこちらが悪戯っぽく笑う、見つめる瞳は激しく揺れて求めるものが同じであることにアルコールとは違う熱が体の中で渦巻いた。後頭部に手が添えられれば口元を緩めて再び互いの唇を馴染ませていれば今度は相手の舌先がこちらの唇を濡らして違う感触にピクリと体が跳ねる。いよいよかと思うが舌先は中々境界線を超えて来ない、この先を知っている体は期待が募って心音は早くなりアルコールが更に熱を煽ってくる。愛でられているのに焦らされる矛盾にクラクラと頭は揺れて、急かすように熱くなった体を押し付け背中の服を握った。呼吸は荒くなり酸素を欲してキスの合間に息継ぎをするため僅かに口を開く、その隙を狙っていたように舌が中へ侵入してくれば今度は派手に体が跳ねた。口内で水音が爆ぜれば同時に理性が弾けた気がしてクラりと脳内が揺れる。相手の舌を迎え入れるようにこちらの舌を絡ませるが焦らされ判断能力の落ちた体は加減を知らなくて、酒でいつもより熱い舌を激しく動かせば水音は更に大きくなり絶えず辺りに響くようになって)
…っ、はぁ……、ん……
(少々焦らすように軽く触れるだけのキスを繰り返していれば相手から更にくっついてきて背中の服が握られる。まだ軽いキスの範疇であるのに相手が呼吸を荒くして息継ぎのために口を開いたタイミングで舌を侵入させるとその体が分かりやすく跳ねて悪戯に目を細める。そのまま内側をなぞって自分の存在を知らしめていれば相手の舌が伸びてきて絡み合う。すでに熱持っていたのか最初から激しく舌を絡みあうようになればその分水音が大きく響いて思わず熱い息を吐いた。ぐらりと脳内が揺れると相手への気持ちは大きくなってこちらも大げさに舌を動かしたり軽く吸い付いたりすれば更に音が響くようになって暫しお互いを求めるように深いキスを続ける。その間後頭部に添えていた手を少しずらして支えながらも伸ばした指先で耳のふちをゆっくりとなぞる。さらに相手を求めるように緩く相手を足に自らの足を絡めて触れる箇所を増やしてその体温を求めながらキスを続けて)
ん、…あッ、!…ふ、…あ……ン、………はッ、…
(深いキスを交わし相手一色だった脳内はその色をより濃くしていく、積極的に舌を動かせば熱い吐息が肌を掠めてその熱さにゾクリと芯が疼いた。絡み合う舌の動きは更に激しくなってどちらのものとも分からない唾液を掻き混ぜながら淫らな音を節操なく響かせる、吸い付く音と共に自分のものが相手に取り込まれれば言いようのない悦びが脳を痺れさせた。息をするのも忘れて時折熱い吐息を混ぜながらキスを続けていたが不意に相手の指が耳の縁へと伸びてそこを緩慢な動きでなぞられる、普段触れられることのない場所への刺激にアルコールで血の巡りが良くなりすぎている体は過剰に反応してしまって高い喘ぎ声が溢れ出た。しかし深いキスは続いていて、そしてこの混じり合うキスを終わらせたくなくて、自ら舌を絡めるのを続ける。足が絡まりこちらからもそこを押し付ければさらに熱は高まって僅かな刺激のはずなのにビクッと何度も細かく震えて絶えず喘ぎながら深いキスを続けて)
(/大変お世話になっております。とてもとても良いところなのですが明日の昼まで忙しくてお返事が出来そうにないです、ご連絡が遅くなって申し訳ありません。年末年始になって普段以上に返信が不定期になってお待たせしてしまうことが増えてしまうのですが、把握のほどよろしくお願いします。)
(/お世話になっております。お返事のタイミングについて承知いたしました!こちらも年末年始は顔を出せる機会が減ってお互い様になるかと思われますのでお気になさらず。とってもいい所ですので無理せずゆっくりいつも通り背後優先でいきましょう。ゆったりお待ちしております!/こちら蹴りで大丈夫です!)
……んん、……ぁ、…は、…しょうたろう、
(深く相手を求めるように舌を動かして絡ませていればお互いの唾液も混ざりあって溶け合っていく。するりと耳の縁をなぞるとそれだけで相手は高い声をあげてその反応の良さに小さく笑みを浮かべた。ゆっくりと熱を保つように指を動かしながら足を絡ませると相手が細かく震えたのがわかる。それでも離れる気がなく更に舌を絡ませてきていればぞくりとまた全身の熱が上がって小さく息を零しながらも舌を絡ませ、指も愛でるように相手の耳の形をなぞり時折穴の縁をなぞり爪で引っ掻いたりして別の刺激を送った。相手と多くくっついたまま時間の感覚が分からなくなるほど長くキスを続けていたが口端から唾液が溢れそうになるとそれを舐めとってから少しだけ離れる。零れた息は熱く相手の名前を呼びながら熱でとろりと蕩けた目を向けていて)
…ふ、ァ… はッ…ふぃ、り…ぷ……
(舌を絡め合うキスで脳内までも掻き混ぜられて思考が溶けていく中、耳への刺激に簡単に啼いてしまって、しかしそれで相手が笑みを浮かべるのが分かる。相手が喜んでくれることならば自分にとっても幸せで、刺激の度に息継ぎと喘ぎ声の混じったものを吐き出して深く交わっていた、口内に溜まる唾液を処理することも出来なくなった頃に口端を舌がなぞってまた上擦った声が出る、唇が離れていけばコクンと喉を鳴らして口内のものを飲み込んだ。至近距離で見つめる相手の瞳は熱で蕩けていて昂る姿にゾクリと腹底が揺れる、同じくらい蕩けた瞳を向け荒い息のままこちらも名前を呼んだ。愛しい人の熱をもっと受け取りたくて、そしてもっと愛でられたくて、耳に添えられた手を取ってゆっくり下へ導く。そしてまだ体を覆うシャツを封じているネクタイをその手に握らせると「このしたも、…さわってほしい」と恋人にそこを暴かれ愛でられることを願って)
…いいよ、…ん、熱いね……
(そっと唇を離してじっと相手を見つめると口内に溜まっていたものを飲み込んでいてその光景にぞくっと背筋が震える、その目は熱で蕩けていてただ自分が求められているのだと分かれば気持ちは高ぶっていくばかりだ。不意に耳に添えられた手を取られると軽く目を見開くがされるがまま託しているとネクタイへと導かれる。そして控えめに、だけど素直におねだりがされると大きく瞳が揺れる。更に深いところまで望まれていることが分かってまた一つ熱があがった気がしてその温度は吐く息にも乗った。性急に暴いてしまいたくなる気持ちをぐっとこらえ、ささやくような声で承諾すると導かれた手でゆっくりとそのネクタイを解く。見せつけるように、その首の拘束を外してしまうとそのままシャツのボタンに手をかけ何個か外していく。アルコールと違う何かで赤く熱持った肌が露出するようになればそこに顔を埋め軽く頬ずりしては揶揄うように感想を呟く。そして気まぐれにその箇所に舌を這わせ、軽く甘噛みしたりして愛で始め)
……、……ン……は、……あッ、…ンんッ!…それ、すき…きもちい
(もっと恋人にしか許されない深い所を愛でて欲しくてさらにオネダリを重ねれば相手の瞳が揺れて昂っているのが良くわかる、直後肌を撫でた遥かに熱い吐息にそれだけで少し体が跳ねてしまった。ジッと熱と期待が揺らぐ瞳を向けるが昂りに反して相手の動きは緩慢でまた焦らされてしまう、心音がドクドクと再度高まりネクタイがシャツと擦れて発した僅かな音にも熱い吐息を吐き出した。漸くボタンが外されて布に覆われていた素肌が顕になる、滾って蕩けている体はアルコールの影響以上に真っ赤に染まっていて思わず目を泳がせた。しかしそこに頬擦りされれば相手に愛でられている柔らかな感触にまた一気に幸せが心を埋めつくし体の力が抜ける。その中で頬とは違う感触が肌を這うとピクリとまた跳ねる、味見されているような行為にこれから愛しい人に喰われるのだと錯覚すればどうにも体は悦んでしまう。直後肌に硬い歯が軽く食い込めば一際高く甘く啼いて一瞬襲った鋭い刺激が甘い痺れへ変わっていく、拙い口調で心のままを伝えると手を添える部分の布をぎゅっと掴んで「…もっと」と蕩ける声でねだって)
…これ? …しょうたろ、…ン、……
(焦らすようにゆっくりとシャツのボタンを外して晒された肌に顔を埋めると相手の体から力が抜ける。そして舌を這わせてそこを軽く濡らして歯を軽く宛てがうとそれだけで甘く高い声が上がって、その動きを抑えるようにまたぎゅっと抱き締める。拙い声で好きだと言われると脳はくらくらと揺れてもっと相手の望むものを与えたくて何度か場所を変えて甘噛みを繰り返す。既に肌は赤くて瞳も声も蕩けてしまっている相手が愛おしくて、もっと乱したくて甘噛みやリップ音を鳴らすキスをしながら足をさらに絡ませて相手の身体を固定する。その状態で囁くように名前を呼ぶと首の根元辺りにまた顔を埋めてキスを送る。そして相手を抱きしめたまま不意にその箇所に歯を立てて、予告無しに強く噛み付いてみて)
……、…あ、…ッ、ンッ…い゛、ぁ…ハ……ふぃ、りっぷ……は、ァ……ッ!、あ゛ぁあッ!!
(もともとアルコールで高まっていた体温が相手に愛でられる事で明確な熱へと代わり、血の巡り過ぎた体は些細な刺激でさえ簡単に反応し喘いでしまう。硬い歯が当たって体は跳ねるのにそれを押さえつけるように抱き締められれば嬉しいのに快楽を逃がしきれなくて切ない。問いかけにコクリと頷けば赤く染まる胸板に何度も相手の歯が掠めその度に鋭い刺激が甘い痺れに変わって脳内が揺さぶられていく、その間にずっと啼き続けていることは認識出来なかった。愛撫するような刺激に体を跳ねさせたくても動けずさらに足まで深く絡みつき体を捩ることもできない。快楽を逃がせないのに甘噛みだけでは物足りなくなってきて脳内をぐちゃぐちゃに掻き乱されながら呼応するように名前を呼んだ。首の根元にキスが降ってきて熱い吐息を吐く、力を抜いた直後突如今日一番の強い快楽が押し寄せると相手の腕の中で強く体を震えさせて甘く高く啼いた。身動ぎひとつも許されず強い刺激を全て注ぎ込まれれば目の前がバチバチと白く明滅する、生理的な涙を一筋流しながら腕にも足にも強く力を込めて縋るように抱き着くしかできなくて)
ン、…は、ぁ……翔太郎、好きだよ、…ん、
(腕でも足でも相手を閉じ込めて動けないようにしてから首筋を愛でていると喘ぎながら名前を呼ばれる。その声に求めるような色が乗っていればぐっと胸が掴まれた気がして熱い息が零れた。そして欲が煽られるままにその首の根元を強く噛み付くと今日一番の高く甘い声で啼いて跳ねようとする体を押さえ込んで全ての刺激を注ぎ込んだ。瞳から零れる涙も美しくてその噛み跡をくっきりと刻み込むように何度もそこに歯を食い込ませた。やがて鮮明に赤く跡を残すことが出来れば満足そうに口端は吊り上がりその様子を見ながら熱い息が零れた。熱の乗った甘い声で何度も相手への好意を口にしてはまた少しずらした場所に歯を立て噛み付いて執拗に跡をつけようとした。2つ目もしっかりと所有痕を残すことが出来れば自分だけのものに出来た実感に支配欲も満たされてゆっくりと離れて目を細めながら相手見つめ)
(/お話の途中ですが次のお返事が年を跨ぎそうでしたので年末のご挨拶をと。今年も大変大変お世話になりました。5年目と10000レス目という大きな節目を探偵様と迎えることができ、更にIFや時系列の異なる話をしたりと日々のやり取りの積み重ねを感じる一年でした。今年1年楽しくやり取りさせていただいたのも探偵様が相手だからです、本当にありがとうございました。そして来年も色々変化はあると思いますが引き続きよろしくお願いします。)
あ゛ッ、ッ…い゛、…ン゛んッ!…は、…はァ…ふぃ、り…あぁぁ゛ッ!!すきッ、…あ゛ッ!…お、れも…ん゛、…すき、あ゛あッ!
(今日一番の刺激を注ぎ込まれた後もそれだけでは終わらなくて同じ場所に何度も歯が食い込むと鋭い刺激と甘い痺れが交互に襲いきて脳内がまた熱くぐちゃぐちゃに掻き乱される、心身共に深く相手のモノだと刻みつけられて熱暴走で蕩けた顔で恋人をみれば満足そうな笑みが浮かんでいて熱い吐息と共に好意の言葉を受ければまた脳内が揺さぶられた。相手が喜んでくれるなら幸せでこちらも相手から与えられるものなら全てが幸せだ。涙を浮かべ蕩ける瞳と開きっぱなしで濡れて艷めく口を晒していれば再び距離は近づいて予告無しに首筋に強く鋭い刺激が注がれる。身動きできず全ての快楽を享受して体をビクつかせながら喘ぎ声の合間にこちらも好意の言葉を口にしていた。やがて首から相手が離れていく、硬いものが無くなり刺激がなくなれば切なげに上擦った声がまた溢れた。愛しい恋人によってドロドロに溶かされた思考はもうまともに動いていなくて、しかしそれ以上を知っている体はより欲に従順で、惚けた瞳で「だいすき、…」と口にしながら下腹部の熱の中心をグッと相手に押し付けて)
(/あけましておめでとうございます!また検索様と新しい年を迎えられたこと、こうやってご挨拶を交わせること、とても嬉しく思います。これだけ長くやり取りさせていただいてもまだまだやりたいことが溢れていて、繰り返しになってしまいますが二人の物語をもっと紡ぎたいと思えるのはお相手が検索様だからこそです。お互いの楽しいことをやれば自然と二人が楽しいことになると思いますので今年も好きに楽しんでまいりましょう!今年もよろしくお願いします。)
は…ッあ、…しょうたろう、 残りもぜんぶ、僕の物にして良いかい?
(甘く鳴いて蕩けるような反応の相手に構わずさらにもう一つ首筋に噛み付くと更に大きな声があがる。抱きしめて全ての刺激を送り込んで、痛みだけではないものを感じ取って反応を示す相手に口端をあげた。ゆっくりと離れると切なげな声が上がって蕩けきった瞳がこちらを向いてまた満足げに興奮を隠しきれない息を吐く。そのまま見つめていたが拙くも素直な好意の言葉と共に下腹部を押し付けられるとその分かりやすい熱に声を上げて悩ましげに眉を寄せる。火傷しそうな熱に一気に理性にヒビが入って荒く呼吸しながらとろとろと熱が揺れる瞳で相手を見つめながら名前を呼んだ。目の前の大切な人に自分の思いを伝えたい、そして自分だけの物にしたいという欲望が湧き上がって脳が支配されると絡めていた足を少しだけ解き、相手の体を押して覆い被さる。そのまま体重をかけ相手の耳に顔を寄せから独占欲と執着の滲んた言葉をかけると熱もった体に手を伸ばして)
(/あけましておめでとうございます。探偵様とまた新しい年を刻めること嬉しく思っております、今年もどうぞ宜しくお願いいたします。
そして上記の方も良い区切りかと思いましたのでお声がけさせていただきした。飲み会という他の人たちもいる場所ですが開始早々お酒を飲んで酔ってしまう探偵君やその勢いで堂々と惚気ける姿など珍しい姿が沢山見られてとてもにやにやする時間でした。普段以上に探偵君が表情豊かでそれにつられて検索も惚気たり秘密も会話も出来ましたし、こっそり切り上げてその後の2人きりの甘い時間が過ごせて充実した時間でした。今回もありがとうございます!
次のお話ですがいかがいたしますか。IFかカオワ関係の話でも良いですし今度は探偵君が振り回される話、季節ネタでお正月でも良いかなと思っているのですが探偵様のご希望はございますか?)
…へへ、…ふぃり、ぷ……あッ、…おれのぜんぶ、…ンッ、ぁ…ふぃりっぷの、んン…ものにして、
(自らのおねだりを言葉にすら余裕も無くて一番滾る場所を押し付ければ相手からも上擦った声が漏れ出して頭がクラクラと揺れる、相手の同じ場所も同じくらいの熱を持っていて擦れ合うそこにまた甘い声が溢れた。目線が交わると熱を宿し欲情を隠さない瞳にゾクリと体が悦んで震える、同じ目を相手に向けながら望むことが同じであるのにまた幼い笑みを漏らして呼応するように拙い口調で名前を呼ぶ。拘束が僅かに外れて体を押されるとベッドに体が沈んで相手を見上げた。そのまま熱い体が覆いかぶさって色の乗った声で囁かれればそれだけで軽く体は跳ねて甘く啼いてしまう、更に深く甘く愛でられる予感にいつもより遥かに我慢の効かない体は二人が離れていかないように足でぎゅっと相手の体を掴まえて、腰を揺らして互いの下腹部を擦り合わせながら最後のオネダリを口にするとそのまま二人で深い熱に堕ちていった)
(/こちらもここらへんかと思いましたので上は一旦ここで区切りとしましょう!
せっかくお酒を飲むのでめいっぱい好き勝手やらせていただきましたが、イレギュラーズとのわいわいした雰囲気もできつつその中でバレバレながらもバレないように想いを通わせる二人が大変可愛らしくてとても楽しかったです。その後二人になってからは二人だけの時にしか見られない甘い時間も堪能できてこちらも大変充実した時間となりました。今回もありがとうございました!
この後ですが普段の二人の騒がしい感じができればいいなと思っておりまして、事件も絡めるなら海賊の世界にいくカオワなお話、今度は二人でわいわいするなら季節ネタも絡めてお正月関連で暴走する検索くんに探偵が振り回される話がいいかなと思いました。検索様はいかがでしょう?)
(/一旦こちらだけで失礼します。せっかく年越しのタイミングでお話が終わったところですしお正月の話はいかがでしょうか。あけおめと言い合ったり朝起きたら検索がお雑煮作っていたり書き初めをしたいと準備したりと振り回すネタは色々あるのですがやってみたいことはありますか?年越しのタイミングからでも良いのですが少々冗長にもなりそうな予感もあって悩み所ではあるのでメインでやりたい事があればサクサクとやっても良いかなと思っております )
……ん、…
(アルコール混じりにたっぷりと相手に愛でられながら熱に堕ちた日から一週間ほど、 翌朝から女子高生二人を始め飲みの席にいた面々には散々弄られはしたがそれよりも話題は年末へと流れていってボロを出す事なく事なきを得ていた。その後事務所と家の掃除を終え大晦日は家で相手と年越しそばを食べてゆっくりと過ごし、カウントダウンを一緒に唱えて二人で新たな年を迎えた。そこから一眠りして朝を迎えればいつも通りの時間に意識が浮上してくる、まだ微睡みを漂いながら小さく声を漏らすと腕の中の温もりを探すようにもぞもぞと体を動かして)
(/悩みどころではありますが現実の時間軸に合わせて夜中に一緒に年越しをした後、朝に目が覚めるところから始めるのはいかがでしょう。正月の雰囲気の方に焦点をあてていきたいなと!せっかくならお正月のいろいろでバタバタできればと思いましてお雑煮と書き初めなお話はぜひやらせていただきたいです。いれられそうであればさくっと初詣にいくのもありかなと思います。そこら辺は雰囲気と長さで調整させていただければと。お正月を迎えてやりたいこといっぱいになってる検索くんにぜひ振り回されたいなと。ひとまずそれっぽく初めておきますのでいつも通り好きに乗っかって下さい!/何も無ければこちら蹴りで大丈夫です!)
……こんなものかな、
(二人で特別な一夜を過ごした日から1週間ほど、街はクリスマスから年末の空気へと変わりそれにならって事務所や家も大掃除や仕事納めに追われていた。共に24時の新年のカウントダウンを見届けて最初の挨拶も程々に眠りについたが今日はちょっとした計画があって普段よりも早い時間に目を覚ます。いつものように相手の腕の中に収まっていたが寝返りをうつタイミングでこっそり抜け出して台所に向かう。せっかくなら相手を驚かせたくて物音をたてないように具材を切っていく。昨日紙に写したメモを見ながら人参や鶏肉、などたべやすい大きさにしてから鍋を2つ取り出してきてこの地域の味らしい出汁と醤油ベースのすまし汁で煮る関東風と所長から教えてもらった白味噌ベースのものを作っていく。ワクワクしながら煮ていれば相手が起きてることにも気付かず部屋には良い匂いが漂い始めて)
…フィリップ?……おはようフィリップ、もう起きてたのか?何して…
(暫く相手の温もりを探して手を動かしていたがいよいよそこに何も無い事に気がつけば目を開ける、隣にやはり相手はいなくて、しかしベッドにまで優しくて美味そうな匂いが漂ってきていた。空腹を刺激されてベッドから抜け出せば香りのもとであるキッチンへ向かう、そこには既に起き出し何やら調理している相手の姿があった。ひとまず朝の挨拶をしていれば出汁のいい香りが鼻腔を擽って思わず大きく呼吸する。元旦から何をしているのだろうかと手元を覗いた矢先、目に飛び込んできたのは二つの鍋で言葉を途切れさせる。二人ならば鍋ひとつで十分なはずだがどちらにも具が入っているのをみるにどちらも食べる気なのだろう。なんとなく嫌な予感を覚えながら「なんで鍋が二つあんだ?」と何やら上機嫌な相手に恐る恐る問いかけてみて)
おはよう、翔太郎。 よく聞いてくれたね、正月に良く食べられているお雑煮という食べ物は地域によって味付けや具材が大きく変わるらしい。せっかく正月の機会だしちょっと食べ比べしようと思ってアキちゃんにレシピを聞いてまずは関東と関西を作ってみたんだ
(それぞれも完成に近付き上機嫌に鍋の様子を見ていると背後から足音が聞こえてそちらを向く、まだ起きたてなのか若干寝惚けた様子の相手にいつも通りに朝の挨拶をしていたが相手の視線が鍋に落ちて言葉が途切れる。そして鍋のことに聞かれるときらんと目を輝かせてから二種類のお雑煮について興奮気味に語り出す、所長が帰省する前に聞いた情報を元に地.球.の.本,棚で調べて関西で良く作られているとされるお雑煮を作ってみたのだ。自慢げにその説明をしながら一旦、鍋の一つを退けて丸餅を茹でて角餅をオーブントースターで焼き始める。その雑煮を作るために出来た材料の残りは視界に入らず「あとはあんこ餅を入れる地域とかくるみダレをつける地域もあるみたいで…」と楽しそうに不穏なことを口にしていて)
お前…まさか正月から暴走特急になるとはな……待て待て待てっ!お前どんだけ雑煮食わせる気だよ!今の時点で既に腹いっぱいになりそうなのにこれ以上増やすな!!
(正直半分くらいは予想がついていたが二つの鍋の意味を聞いてみれば案の定検索結果を試していたようで思わず天を見やる、呆れたように呟くがよくよく考えれば正月なんて特殊な行事は相手の知的好奇心を刺激するのにピッタリなものだろう。その中でも同じ名前ながら様々な味付けや具材がある雑煮はさぞ相手にとって面白いものに違いない、おおかた所長あたりが関西風の雑煮について口を滑らせたのだろう。夜通し検索しなかったのは成長かもしれないが手元のメモらしきものを見る限り代わりに前もっての下調べは十分と言ったところか。気が遠くなり掛けていたところにさらに新たな食材の名前が聞こえてきて思わず相手の肩を掴む、既に相手が用意している雑煮だけでも二人分にしてはかなり多い。特に餅が入ることを考えれば今ある分で十二分だ。これ以上食べるものが増えれば腹が膨れすぎて元旦から動けなくなってしまう、それを避けるべく「元旦の街見に行けなくなるのは困るだろ?」と誘導するように問いかけて)
なんでだい、まだ全然検証が……確かにそれもそうだね。 なら次の機会に回そう。
(お雑煮の新たな一面と可能性は好奇心を刺激するにはピッタリでワクワクしながら相手への説明と調理を進める。今は代表的な二種類を作ってみたが他にも特徴的なお雑煮への興味を見せていると相手に肩を掴まれて制止されると露骨に不満そうな顔を見せる。あんなに沢山の種類があるのに全てを確かめないと気が済まないと文句を口にしていたが元日の街と聞けば目を瞬かせる。お雑煮も魅力的だが元日の街は今日しかない、少し悩んでからそちらに魅力を感じると納得するように頷いてひとまずは後回しにすることに決める。そこでちょうどお餅も焼き上がり良い感じになれば興味はお雑煮に戻って「最後の仕上げをするから顔でも洗って食卓につきたまえ」と促して2つの器にそれぞれ盛り付けを始めて)
危ねぇ……なら仕上げは任せたぜ
(ガレージでも勘弁願いたいが家中をお雑煮だらけにされてはたまらない、食べても食べても終わらない雑煮を想像するだけで正月なのに地獄絵図だ。制止すると相手は明らかに不満げだったが何とか誘導は成功したようで頷く姿を見れば思わず小さく呟く、次の機会というのが明日でないことを祈りつつ再び作業を見守っていれば餅が良い具合に焼けていて思わず感嘆の声をあげた。そのまま朝の支度をするよう促されるとここはお言葉に甘えることにして洗面所へと向かう、サッと顔を洗って軽く髪を整えてからリビングへ戻り軽くテーブルを整えキッチンに少しだけよると箸を取ってきてテーブルへとセットした。あとは相手に任せようと椅子に座る、鍋二つに思わずツッコんでしまったが相手が自分より早く起きてお雑煮を作ってくれていたことに遅れて幸せを感じるとニヤける口元を無理やり結びながらどこかソワソワした様子で相手を待っていて)
…お待たせ。こっちが関東のお雑煮で、これがアキちゃんの住む関西のお雑煮だ。
(ひとまずは今作った分だけに留めることに納得すると相手を送り出して最後の仕上げに取り掛かる。この量なら朝食と昼ご飯も少し兼ねそうで沢山盛っても良さそうだがせっかくなら見栄えも大事にしたくてそれぞれに焼き餅と茹でた餅を入れてから野菜などが綺麗に見えるように慎重に盛り付けた。納得いく仕上がりになるとお盆に合計4つのお雑煮を乗せてテーブルへと運ぶ、相手が用意してくれた箸の前に得意げに中身の説明をしながら並べると自分も席に着いた。妙な表情をしている相手に少し首を傾げるも餅の形から具材、汁まで違うお雑煮が並んでいれば達成感と違いを比べるのにワクワクしていて「早速食べ比べてみよう」と声を掛けると箸を手に取って)
おぉ…こっちは見慣れてっけど、関西のは全然見た目が違ぇな。…よし、じゃあいただきます
(テーブルでワクワクを抑えながら待っていれば相手が四つのお椀を運んできてテーブルに並べる、二種類のお雑煮は見た目は全く違うがどちらも良い香りを漂わせていてゆっくりと呼吸して出汁や味噌の香りを取り込むとまた感嘆の声を漏らした。関東のものは当然見慣れていて相手とも食べたことがあるが関西のものはこちらも初めてで人の事を言えないくらいに興味を示す、全く違う料理なのに名前が同じなのはやはり不思議だ。声を掛けられれば相手の方へ目を向ける、どうやら検証するのが待ちきれないらしくその顔は煌めいていて、小さく笑いながらこちらも箸を取ると手を合わせた。まずはと食べ慣れた関東のお雑煮を手に取り一口啜る、優しく透き通った出汁に焼かれた餅の香ばしい香りも相まってホッと息をついてから「すげぇ美味いな」と感想を口にし)
いただきます。…うん、この前食べたやつに近い味だね。出汁の味と餅の焼き目が良く合ってる。
(二人で向かい合って席に着くと相手も興味を示したように碗の中を覗き込んでいる。あんな事を言っていたがやはり気になるようで自分と同じであることに小さく笑みを零した。早速食べるように誘い、相手に続いて手を合わせると同じように関東のお雑煮を手に取って一口啜る。1口大に切っていた鶏もも肉も口にすればしっかりと火が通っていてジューシーで以前食べたお雑煮の味の再現が出来ていれば満足そうに頷く。表面のかりっとした餅を齧るとびよーんと伸びて久しぶりの食感に分析するように呟いていた。続いて関西のお椀に手を伸ばして一口啜ってみると目を瞬かせて「結構まろやかな味なんだね」と驚きの声をあげながら食べ進めて)
あぁ、毎年食ってる味だ。……だな、白味噌が入ってんだよな?口当たりもとろとろしてるし甘めな味付けで、茹でた餅も滑らかだな
(慣れ親しんだ見た目のお雑煮を食べれば味も慣れ親しんだもので体の力を抜くように息を吐く、一緒に食べた時に見た目や味を覚えていてくれたようでその想いに温かさを感じながら満足気な顔を眺めていた。良く焼いたお餅は良く伸びるらしく、真面目な分析と合わない絵面にまた小さく笑みを浮かべていた。ある程度慣れ親しんだお雑煮を食べたところで相手が関西風の方へ手を伸ばすとこちらも同じお椀を手にする、一口啜ってみれば舌触りや味はまるで違って相手と共に目を瞬かせた。味噌汁とはまた違い白味噌はまろやかでより口当たりも良く人参を始め具材を食べてみればしっかりと白味噌の風味がする。見た目だけでなく味もまるで違ってそれに関心しながら餅を口にするがツルツルの餅は同じく直ぐに切れず、箸と口の間でびよーんと伸びていて)
ああ、京都が発祥のようで関東に比べて餅も含めて具材が丸いのが特徴だね。…ふふ、茹でているからよく伸びるみたいだ。
(どうやら相手にも同じ味だと分かる仕上がりになったようでこれからも作るかもしれないことを考えればしっかりと頭に今回のレシピを入れておく。今度は一緒に関西のお雑煮に手を伸ばして食べていると関東とは違う味に目を見合わせた。使っている材料が違うのだから当たり前なのだが全く違う風味に驚きつつ相手の問いかけに頷き、関西のお雑煮の特徴を説明しながらその味をまた噛みしめるように口をつけた。場所が違うだけでここまで食文化が違うのも面白くてご機嫌に食べ比べをしていたがふと相手の方を見れば餅が上手く切れなくて箸と口の間で伸びていてつい笑い声を零す。焼いた切り餅と違って茹でている分柔らかくて餅の特性が全面に出ている場面でありながら面白い姿にくすくすと笑いながら良いことを思いつくと端に置いていたバ.ッ.ド.シ.ョ.ッ.トに手を伸ばす、そして予告しないまま相手にカメラを向けるとその姿を写真に収めて「新年1発目として良い写真だ」と満足げに微笑んで)
ん、…んん!!…おい、勝手に撮るなよ!…せっかくお前がこんだけ用意してくれてんだから、こっちを撮るべきだろ
(例年とは違うお雑煮を味わいながらなかなか切れない餅と格闘しているとシャッター音が聞こえて思わず音の方を見る、そこにはカメラを構えた相手がいて餅を咥えたまま文句を叫んでいた。漸く箸で餅を切ることが出来ると咀嚼もそこそこに餅を飲み込み改めて文句を付ける、まさか今年初めての写真があんな不甲斐ないものになってしまうとは。このままでは引き下がれないがもう不意打ちの写真を狙う事は難しいだろう、となれば巻き込むのが一番手っ取り早くて、それにいつか写真を見返した時に自分しか写っていないのは味気ない。一旦お椀を置くと椅子を持ち上げて向かい合って座っていたところから相手の隣へと椅子を移動させる。せっかく二種類ものお雑煮があって、さらに相手が初めて作ってくれお雑煮だ、そういう意味でもこれらを記録しておいた方がいいだろう。椅子に座り相手が持つバ.ッ.ド.シ.ョ.ッ,ト.を手に取るとライブモードにして宙に浮かべる、こちらは関東のお雑煮を持って二人の前に二種類のお椀を並べた。そして再び餅へ齧り付いてびよーんと伸ばすと相手をチラリとみやり「ん、」と同じようにするよう促して)
だってまさしくシャッターチャンスだっただろう。お雑煮を、かい?…なるほど、なら僕も…
(またとない瞬間を写真に収めて満足そうにしていれば相手は何やら叫ぶも餅を食べていると何も聞こえない。少したって咀嚼して飲み込んでから文句をつけられるもこっちは全く気にすることなく、寧ろ自慢げにその写真を見せる。不意打ちのなんとも正月らしい写真が撮れたと思うのだが相手はお椀を置いてから椅子ごと自分の隣にやってくる。そしてお雑煮について言われるとキョトンとはするもライブモードになったバ.ッ.ド.シ.ョ.ッ,ト.と再び関東のお雑煮を持って口元と箸の間でお餅を伸ばしてアイコンタクトを受ければその意図を理解して口端を吊り上げる。早速関西のお雑煮のお椀を手にして中央部の伸びる所がメインになるように噛り付いて箸を遠ざけると相手と同じようにお餅が目立つ構図になった。身を寄せて相手と若干くっついてカメラの方を見てから合図を出してシャッターを切る、バ.ッ.ド.シ.ョ.ッ,トを呼び寄せて写真を確認するとお雑煮を片手にお餅を伸ばしている二人が映っていて「正月らしい写真だね」と笑みを零しながら相手を見て)
ん、…あぁ、いい写真じゃねぇか
(不甲斐ない瞬間を収められ文句を言うこちらに対して相手はかなり上機嫌だ、見せられた写真にも「もっとかっこいい時に撮れよ」とブツブツ文句を付けていた。見返して恥ずかしくなる写真よりも相手と思い出を共有するような、記念に残るような写真を撮りたい、隣に座ってカメラをセットし先程と同じく餅を伸ばせば意図は伝わったようだ。楽しそうに釣り上がる口にこちらも釣られて口角を上げていれば相手も口と箸の間で餅を伸ばす、目線をカメラに向ければ互いの肩が触れ合って恋人の距離でシャッターが切られた。バ.ッ.ド,シ,ョ,ッ.ト.が呼び寄せられる間に餅を飲み込んで相手と共に写真を覗き込む、そこには二種類のお雑煮と餅を伸ばして食べる二人の姿が映っていて今朝の風景を凝縮したような一枚にふわりと胸は暖かくなって同意するように頷いていた。これならば二人で写真を見返した時に初めて雑煮を作ってたくれた日としても思い出せそうだ。手に持った関東のお雑煮を食べ進めながら「それがあるならさっきのは消していいだろ?」と一枚目を無かったことにしようとして)
ちゃんとお雑煮の中身も映っているしお気に入りにしておこう。それとこれとは話が別だ。さっきのも大事な正月の写真だろう?
(お互いの肩を触れ合わせてくっついたまま伸びる餅を見せるように写真を撮る。切り取れた写真を見ればお互いにくっついてお雑煮を食べる二人の姿が映っていて何とも正月らしい光景に自然と口元は緩んだ。器を傾けたおかげで二種類のお雑煮の中身もちゃんと写真に映っていて今日作った成果もちゃんと記録として残りそうだ。間違って消してしまわないように複製を別のところに移してしっかりと保存しておく。その作業をしている間にしれっと先ほどの一枚を消すように促してくる相手にぴしっと反対を表明して先ほどのやつも保存するべき写真だと告げる。様々な食材とお餅が入っているお雑煮はそれだけで腹を満たすもので食べ比べしながら食べ進めながら「今日は何をしようか」と問いかけて)
俺しか写ってねぇのに…そうだな、とりあえず軽く街を見回りがてらに挨拶回りして初詣にでもいくか
(二人で撮った写真は餅を伸ばすポーズをしているから良いものの一枚目は完全に不意打ちでハードボイルドには相応しくない写真だ、同じ構図で撮っているのなら消して良いかもしれないと声を掛けるがあえなく却下されてしまいぶつくさとまた文句を口にする。逆の立場ならばこちらも写真を保存するだろうことはさておき、お雑煮を食べ進めていればこれからの予定を聞かれた。正月に働くものでもないが挨拶に行くならどの道街を回ることになるのだから浮かれすぎた連中がいないか軽く目を光らせておくに越したことはないだろう、その後は願掛けも兼ねて初詣だ。話の流れのまま「お前はやりてぇことないのか?」と問いかけるも今まさに二種類の雑煮が、そして本来はもっと大量の雑煮が作られる予定だったことを思い出して好奇心を刺激するような質問をしてしまったことに遅れて気がつくとまずいことをしたと表情に出したまま固まり)
良いね、正月の街も見て回らなければ! なんでもいいのかい?なら書き初めとか羽子板と呼ばれる遊びも体験したいね、あとは神社でおみくじというものも引いてみたい。それと…
(お雑煮を食べながら今日の予定を聞けば挨拶回りという名のパトロールと初詣が提案される。事務所に引きこもることが多かったのもあって正月の街はあまり見たことなくて、早起きしてスッキリした頭ならば色んな所を見るのも楽しそうだ。賛成を示しながら会話を続けていればこちらに話を振られて一瞬目を瞬かせてからぱっと表情を明るくして問いかける。だがその回答が来る前に食い気味で興味のあることを並べている、お雑煮を調べる際に正月の文化については一通り検索済みだ。中でも興味の沸いたワードを一気にまくし立てていたがちょうど一つ、今からも出来る文化を思い出すと体を相手の方に向けてから「お正月にはお年玉というものが貰えるのだろう?」と期待の目を向けながら尋ねて)
あ、待っ……ったく、どっかの所長みたいにちゃっかりしやがって。こういう時だけ子供だな
(話の流れでうっかり相手にやりたいことの話題を振ってしまう、案の定相手はこちらが問いかけに答える前に次々に候補を出してきて言葉を失ってしまった。どうやら元旦をゆっくり過ごすという選択肢はないらしい。だがどうにも目を輝かせ顔を明るくさせて生き生きとする姿をみればやっぱり家でゆっくりしようとは言い出せない、惚れた弱みを感じていると隣の相手がこちらへと体を向けてきて目を瞬かせた。直後お年玉を強請られれば呆れ半分に笑いながら、しかし期待を煌めかせる目にニヤケそうになりながら、自分の感情を誤魔化すように揶揄いつつ相手の頬をつついた。まだ年末を迎える前の帰省直前にお年玉の先払いを要求してきた所長に比べれば可愛いものかと思いつつ一度席を立つとクローゼットに用意しておいたポチ袋を手に戻ってきて「ほらよ、縁日で使ってもいいけどほどほどにな」と相変わらず子供扱いしながらお年玉を差し出し)
普段子供扱いされるのだからこういう時には利用するべきだろう。っ! ありがとう、これがお年玉…!
(相手の質問に答える形でやりたいことを並べ、そのひとつであるお年玉をねだると相手は目を瞬かせてそれからにやけそうな顔で微笑んでこちらの頬をつついてきた。先日の忘年会でも未成年だと言って酒から遠ざけたり子供扱いするのだからその分をこういった機会に回収したって良いだろう。得意げにその理論を立てつつ相手が席を立つとどこかへと向かう、帰ってきたその手には小さな封筒のようなものを持っていて事前に準備していたことに少々?驚く。そして目の前に差し出されると手を伸ばして大切なものを触るように両手で受け取りお礼を言った。小さめのポチ袋の裏側にはしっかりと【フィリップ】と名前が書かれていて表や裏を何度もひっくり返したりして観察する。普段も所長から給料と称して幾らかは自分に使うように貰ってはいるが手元のお金はまた違う特別感を覚える。初詣には露店もあるようで相手の言う通り夏祭りのようにそこで使うのも良さそうだ。大切にポチ袋を持ちながら「じゃあ早速使いに行かなくては!」と声を弾ませて)
そうだな。お前が作ってくれたお雑煮で腹いっぱいだし、運動がてら出掛けるか。…雑煮使ってくれてありがとな、美味かった
(いつもは子供扱いすると不満げにしているがお年玉を貰える今に限っては違うらしい、得意げな相手にまた口角があがるのを感じながら用意していたお年玉を差し出した。途端に相手の顔はさらに明るさが一段増して興奮気味にポチ袋を観察している、いの一番に金額を確認した所長とはこういう所で違うらしい。大切にポチ袋を抱える姿に用意しておいて良かったと心から思いながら出掛ける誘いには頷いて同意した。二つ分のお雑煮を堪能してお陰様で朝から満腹だ、このまま家に籠ったままでは間違いなく体がなまってしまうだろう。椅子から立ち上がる前に相手の方へと手を伸ばして頭を撫でる、そして元旦の朝から雑煮を用意してくれたことに礼を伝えた。山盛り作る気だったのはさておき、自分より先に起きて用意してくれていたのだから。立ち上がり際に頬に軽く口付けを落として逃げるように立ち上がると空になったお椀をキッチンへと持っていく、調理器具含めて綺麗にしてしまえばリビングへ戻ってきて着替えを始めた。いつも通りの格好に上着を羽織れば「よし、行くか」と声をかけて玄関をくぐって)
…相変わらず寒いね。
(お年玉をもらってご機嫌になりこのまま外に出掛けようと提案すると前向きな返事がされる。二種類のお雑煮の入っていた器を片付けようとするがその前に頭に手が伸びてきてそこを優しく撫でられると素直にそれを受け入れ目を細める。そしてお礼を言われると昨日から準備していたことを労われたような気がして緩く微笑み「なら良かった」と安堵の気持ちを口にした。直後頬にキスが落とされると自分が作って貰ったものを褒められるくすぐったさとさりげない好意の証に胸は弾んで上機嫌のまま自らも器を流しに持って行った。お皿などを片付けて着替えなどの出掛ける支度を済ませると相手から声がかかる。天気予報の気温を思い出して首にマフラーも巻くと相手に続いて外に出た。外は予想通り寒くて吐く息も白い、厚着しているからと言い訳をしていつもよりも半歩くっついて歩き始めた。パトロールもかねて街の中心の方に向かってみればお正月飾りが置いてあったり店には【初売りセール】や【福袋販売】の文字が並ぶ。昼ということもあってクリスマスとは違う様子にキョロキョロしながら「なんか街全体がちょっとしたお祭りみたいだ」と感想を口にして)
ここんとこで一気に冷え込んだからな。…まぁ実質祭りみたいなもんだ。新しい年になって初売りだったり初日の出だったり初夢だったり、なんでも特別になっちまうし
(家から外へ出てみれば一気に冷たい風が体に纏わりついてきて思わず身を縮める、その代わりに白い息を吐きながらいつもより少し近い距離で相手と並べば時折擦れる腕が暖かった。ひとまず繁華街へと向かえば既に開いている店もあってなかなかの賑わいをみせている、中には既に福袋が完売している店もあって朝から大騒ぎだったに違いない。相手は物珍しげに周囲を見回していて祭りのようだという言葉には肯定の返事をした。目の前で展開される福袋やセールもそうだが一年の区切りを向かえ何もかもが特別になる正月は皆が何処と無く浮かれていて浮世離れした空間という意味では祭りに相応しいものだろう。繁華街を歩きながら手が空いてそうな顔見知りには挨拶をしながら進んでいく、目的地である神社の方向へ歩きながら「初詣とか福袋とか、正月だけの特別なもんも多いしな」と付け足して)
今年初めてと聞けば何でも特別に感じるんだろうね、ならこうして歩くのも新年初デートだ。
(一緒に大通りを歩いて周りを見てみれば賑やかな街の姿に呟きを零す。以前なら単に暦が変わっただけだと冷めた目を向けていただろうが今は気持ちを新たにして大切な人と初めてを経験する嬉しさや幸せを知っている。相手が並べたワードのどれにも初めてという要素が入っていれば浮かれたような文化に楽し気に理解を示しつつ相手の方を見れば自分達にとっての今年初めてを弾む声で告げる。そうして歩きながら顔見知りに合えば新年の挨拶をして街の空気を味わいながら神社の方向に向かう。初詣と聞けば思い出されるのは温泉街で行った初めての神社でその時期はとっくに春も過ぎていたが相手の方を見れば「今年はちゃんとこの時期に行くことが出来るね」と楽しそうに笑う。そうして進んでいれば既に神社の入り口の鳥居の前から既に参拝の長い列が見えてきて「凄い行列だ」なんて言いながらさらに進んでいき)
あぁ、正真正銘の初詣だな。…元旦だしみんな考えることは同じだな
(浮かれ気味の街を歩いていれば相手からも同じく浮かれた事を言われて軽く笑ってしまう、新年で区切りをつけてからと言われれば確かにこれは初デートだ。恋人としか出来ない新年初めてを家で逃したことに気がついて後で大切に取っておこうと思いつつ、温泉街での初詣の話には頷いて応える。あの時は随分と時期外れで相手にとって初めての経験を共有したものだが今回はこの初詣の空気こそ相手にとっての初めてになるだろう。神社の近くにやってくれば既に長蛇の列だったがやはり誰もが浮かれていて温泉街での空気とはまた別物だ。列の左右には既に縁日が並んでいて賑やかな空間を進み列へと並ぶ、列は長いが時折前へと進んでいてこの分なら程なくして賽銭箱までたどり着けそうだ。ゆっくりと列は進んでやがて手水舎が見えてくる、初詣をするからには当然手を清める必要があるがあそこに流れているのはお湯ではない。順番が回ってくれば「気合い入れなきゃならねぇみたいだな」と呟く、服が濡れないよう軽く袖をまくってから柄杓を手に取り掬った水を手にかけるが予想以上のそれに「冷たっ!」と思わず叫んでしまって)
こんなに人がたくさんいる神社もはじめてだ。…つめたっ、冬の水はちょっと苦行だね…
(神社の境内に入っていくと左右に縁日が並んでいてすでに中は人も沢山いて随分とにぎやかだ。本来の正月の初詣の空気に胸も弾んでわくわくしながら列に並ぶ。人が前に進んでいくと相手と列に並んで待っていたが手水舎が見えてくると一瞬身構える。この気温で外にある水の温度を思えば躊躇われてしまうがちゃんと初詣に行くなら避けては通れないものだ。相手に続いて軽く袖をまくって柄杓から水をすくってかけるが同じくその冷たさに声をあげる。急ぎでどちらの手にもかけてから水分を払ってハンカチで拭って済ませるも今ので一気に手が冷えてしまった。思わずその冷たさについて愚痴っぽく呟いてしまいつつ暖を取る方法を探すように視線を迷わせると相手の上着のポケットに手を突っ込む、「ここあったかい…」と呟きながらもう少しだけくっついてみて)
これも初詣の為の試練ってとこだな。…、…まぁ…風凌げるしな
(神社に入るため必要なこととはいえ真冬の水を外で浴びるとなれば当然その冷たさは別格だ、こちらと並ぶ相手も同じく声を上げていて二人してバタバタと忙しなく手を清めた。神様からの有難いご利益もこの試練を乗り越えてこそだろうが冷たいものは冷たい、愚痴っぽく言う相手にこちらも少々げんなりしたような言い方で返事をしていた。濡れた手に風があたれば一層寒く直ぐにハンカチで手を拭う、それでも指先まで一気に冷えてしまえば慌てて上着の中に手を突っ込んだ。するともうひとつポケットの中に手が入ってきて相手の方を見る、気を抜くように呟く姿に胸の奥が擽ったくて暖かくなるのを感じれば僅かに目を泳がせた。前後に人は並んでいるがそれぞれの会話に夢中でこちらに目が向くことはない、それにこれくらいなら戯れの範疇で済ませられるだろう。まだ冷たいお互いの手をポケットの中で繋ぐ、最初こそ冷たかったがだんだんと互いの体温で温められてポケットの中は暖かくなっていく。ゆっくりと列を進みながら一番体温が必要な場所を温めるため誰にも見られない場所で指を絡めて繋ぎ直して)
…!
(冷たい手を自分の上着ではなく相手のポケットに突っ込むとそれに便乗してもう少し距離を詰める。相手の方を見れば少し戸惑うように目が泳ぐもポケットの中で触れ合っていた手が軽く繋がれるとお互いにまだ冷たいはずなのに不思議と暖かく感じて緩く微笑みながら軽く握り返した。列を進んでいく内に触れ合う手は温もりを分け合って本来の暖かさを取り戻していく、拝殿が見えてきたタイミングで不意にポケットにあった手が指を絡めるように繋ぎ直されると思わず相手の方を見る。繋いでいる所を隠しているとはいえ周囲に沢山人は居ていつみられてもおかしくない場所だ。だが同時に周囲と同じように相手と繋がっている幸せを感じてしまえばずっとにやけてしまっている口元をマフラーに埋めて隠したりしながらその手を強く握り返した。そうして二人で暖を取っていたが列が進んでいくと参拝の順番が近づいてくる。早く列が進んで欲しかったのに今はこのままでいたいと思うようになっていて視線を一瞬迷わせると「…あとでまたしていいかい?」と小声で問いかけて)
…あぁ、もちろんだ
(一気に冷えてしまった手のひらに相手の体温は覿面に効いて感じ慣れた体温が最高に心地良い、指先まで温めようと指を絡ませれば隣の相手がこちらを向いた気配がして誤魔化すように前を向き続ける。こんなにも人がいるところで手を繋ぐなんて本来ルール違反だがポケットの中なら手の甲を触れ合わせていようと指を絡ませて繋いでいようと周囲からみれば同じだろう。やがて絡まった手が強く握り返されてチラリと隣を見る、そこには口元を隠すためかマフラーに埋もれた相手がいて可愛らしい姿に思わず口元がニヤけてしまいそうだった。視線を上にあげて何とか表情に出ないよう耐えながら列を進んでいく、そろそろ順番でいよいよ手を離さなければならなくなった時に相手の顔が寄って小声でお願いを問いかけられれば、とうとう我慢出来なくなって口元に嬉しさを滲ませながら返事した。いつの間にか暖を取るためではなく相手と共有するために手を繋ぎたくなっていたようだ。名残惜しくもそっと手を離して代わりに財布を取り出す、賽銭用の小銭を取り出しながら「参拝の仕方は覚えてるか?」と問いかけながら小銭を差し出し)
覚えているよ、既に願い事もちゃんと決めている。
(いよいよ順番が来てしまって控えめにまた後から再開することをお願いするとその口元が嬉しそうに緩んで承諾の返事がされる。冷たいからと理由をつける必要もなく受け入れられたことにまた胸は弾み、名残惜しくはあるがゆっくりと手を解いてポケットからも出した。あと数組となった所で参拝の仕方を尋ねられると得意げな顔で完璧だと告げる。自分達の番がやってくると受け取った小銭を賽銭箱に入れてから以前教えて貰った通り二礼二拍手を行う。手を合わせて目を閉じると【今年も事務所の三人が怪我をせずにこの街を守れますように】そして【翔太郎とずっと一緒に居られますように】と願いを込めてお祈りをした。最後にもう一度深いお辞儀をすると列からはける、相手が終わるのを待って顔を合わせると「ちゃんとお願いできたかい?」と楽しそうに尋ねて)
………あぁ、バッチリだ。たっぷり一年分願っといたぜ
(温泉街の神社に行ったのもそこそこ前だったが参拝の仕方はしっかり覚えているらしく自信満々な顔には「なら問題なさそうだな」と小さく笑いながら答える、やがて自分達の番になれば賽銭箱の前に立って小銭を中へと入れた。相手に教えた通りの作法のあと手を合わせて目を閉じる、【鳴.海.探,偵.事,務.所の全員が怪我なく健やかに過ごせますように】だとか【この街ができる限り平穏でありますように】だとか【おやっさんみたいなハードボイルドな男になれますように】だとか願い事と決意半々のことを心の中でいくつか唱えたあと最後に【フィリップとずっと一緒にいられますように】と一番強い願いを唱えてから目を開けて一礼して列をはけた。どうやら相手の方が先に終わっていたようで楽しそうな声にこちらも頷いて口角をあげる。今年も心新たに、しかし願うことは同じだ。無事初詣を済ませたところで社務所の方を見ればそこにも少し列が出来ている、正月といえばの代表格であるそれを見つければ「そういやおみくじはやったことなかったよな?」と相手に視線を戻してから問いかけて)
だからあんなに長かったのか。…おみくじ? したことがないね。
(先に列からはけて相手を待っていると少し遅れてこちらにやってくる。その顔は何処か自慢げで一年分と聞けば一つだけではなく沢山のお願いをしていそうで揶揄うように声をかける。だがきっと一番強く願ったことはきっと二人とも同じだろう。参拝を終えて辺りを見てみれば違うところにも列を見つける。相手も同じ方を向いて気になるワードを聞いてくれば素直に頷いた。だがあの温泉街の神社でもお守りの隣でその単語を見た気がする。人がたくさんいるなら何か面白いものがあるかもしれないと「やってみよう!」と声をかけて早速相手の手を引いて最後尾に並ぶ。そこから前を見ていると皆妙な六角形の筒のようなものを引いてから隣の引き出しのようなものを開けているようだ。その光景を指さしながら「あれは何をしているんだい?」と問いかけ)
だよ、なッ?!ちょ、待てって!…あれは今年の運勢を占うもんだな。みんなが振ってる筒があるだろ?あそこから一本棒を取り出してその番号を巫女さんに伝えるんだ。そしたら今年の運勢が書かれたおみくじが貰えるって流れだ
(元旦の、そして初詣の定番のものを見つけて相手に問いかけてみればやはりまだ未経験のようだ。それならばと声をかける前に相手の好奇心が勝ったようで唐突に手を引かれて声をあげる、相変わらず興味のあるものにはまっしぐらだが叫ぶこちらの声もどうにも弾んでしまっている。そのまま列に並んでから改めて説明を求められると軽くおみくじについて解説する、今日の運勢だとか今月の運勢だとかテレビやラジオでよくやってはいるがその一番由緒正しいもの、といったところか。手間取らないように大まかな流れも説明していれば列はそこまで長くなく直ぐに自分達の番になる、まずは手本を見せるべきだろうとお金を収めて六角形の筒を手にした。横向きにして中のくじをよく混ぜたあと逆さまにして何度か振る、やがて一本の棒が出てきてその番号を巫女さんへと伝えた。おみくじを貰うが後で一緒に確認しようと中は見ないようにしてから「次はお前の番だ」と場所を譲って)
今年の運勢…、分かった。……じゃあ一緒に見てみよう
(おみくじの役割を相手に聞くと今年の運勢を占うためのものだと教えられる。大体の流れも聞けば方法は理解するものの棒を引くだけで将来のことが分かるなんていまいちピンとこない。未知の文化に好奇心とちょっとの迷いを見せていると相手が見本とばかりに筒を手に取る。軽くシャッフルしてから棒を出してその番号を伝えると長細い紙を貰ってきていた。そして順番が譲られると小さく頷いてから同じように六角形の筒を振って穴から棒を取り出す、その数字を伝えて同じように白い紙を受け取ると次の人に順番を譲るために一旦端にはけた。この紙に運勢が書かれていると思えば少々ドキドキして相手の方を見ると一緒に見ようと誘う。そして「せーの」の掛け声で紙を裏返して表面を見ると一番上に【中吉】と書かれていてつらつらと運勢や項目ごとの内容が書いてある。それを目で追いながら「身の回りの人に感謝を欠かさず信じて取り組めば思い叶う。苦難巻き込まれようとも本心偽らずに取り組むべし」と書いてある内容を読み上げる。良い内容に聞こえるが相手の方も気になって紙を覗き込んでみて)
よし、せーの!お、俺も中吉だ。…つまり今まで通りにしてりゃ問題ねぇってことか
(相手も無事におみくじを引ければ邪魔にならない位置へと移動して二人同時におみくじを開ける、いの一番に運勢を表す一言を探せば相手と同じ中吉で二人ともこの一年の運勢はそこそこ良さそうだ。相手が内容を読み上げるのを聞けば軽く笑みを浮かべてからポンポンとその頭を優しく撫でる、相手ならなにかよっぽどの事情がない限り身の回りの人への感謝は忘れないし嘘もつかないだろう。それで思いを叶えられるのなら相手にとっては間違いなく良い内容だ。続いて相手がこちらのおみくじを覗いてくると改めてその内容を読んでみる、順に目を通していけば「俺はっと…久しい間の苦しみや煩いも心正しく身を慎めば、縁者と共に乗り越え春の花咲くように運が栄える、か」と同じく内容を読み上げたあと相手と自分のおみくじを何度か交互に見て「同じ中吉なのに俺の方が内容厳しくねぇか?」と思わず口にして)
何とも抽象的な内容ではあるけど悪い運勢でなくてよかった。…久しい間の苦しみや煩いってのが気になるけど運が栄えるというのは君っぽくて良いと思うけどね。
(こちらの内容を読み上げると相手に頭をぽんぽんと撫でられる。どうやら中吉というのは良い方の部類のようで内容も条件付きとはいえ想いが叶うという良い内容だ。色々なことがあてはまりそうな抽象的な言い回しに思わず呟きを零しつつこれが今年の運勢というならば悪くない内容だろう。続いて相手の方を見てみるとこれまた身を慎めば運が栄えるという内容だ。どちらも困難に巻き込まれる前提の内容ではあるがこの街の探偵をしていればそういう機会は避け難い。二つのおみくじを交互に見て不平を口にする相手に思わず笑みを零しつつ後半の部分を指さして切札のメモリを持つ相棒らしい運勢だと楽しそうに告げる。その下にも幾つか項目があって「失物 辛抱強く探せば出る 旅行 良し。南方に吉有り…こんなものもあるんだね」と興味深そうに見ていく。その下には恋愛という項目があって「納まるべき場所に納まる…だってさ」とその部分を指さしながらちらり相手の方を見て)
ま、俺の方も最後には良い結果になるならそれでいいか。…、…まぁ…ある意味もう納まってるとこに納まってるけどな
(おみくじによれば残念ながら最初から最後まで万事順調とは言い難いようだがそれぞれ精進すれば良い結果に収まるということだろう、書かれている内容がこちらには相応しいと言われれば多少感じていた不平も和らいで前向きに受け止めることとした。そこから相手の視線はおみくじの下の方へと移る、仕事や勉学などなど細かい分野に渡って運勢が占われているが相手の目に留まったのは恋愛の項目だった。その内容は当然自分とのことだろう、相手をチラリと見遣れば向こうも同じタイミングでこちらを見て目線があう。納まるべき場所がどういう形かは分からないがある意味で今二人はある程度の所には納まっている、その証拠である左手にある指輪を見てから小っ恥ずかしくなって視線を自分のおみくじへと移した。同じく恋愛の項目を見てみれば「俺のは、かの人で間違いなし」と目に入ったままを読む、遅れてその意味を飲み込めばゆらりと視線は泳いで「…こっちも問題ねぇってことみてぇだ」と呟いて)
神様のお墨付きを頂いたみたいだね。…これはここに括り付けるのかい?
(悪い内容で無かったことに安堵しつつさらに下に書かれている内容を見ていく。恋愛の欄を見てその対象であろう相手を見れば偶然目が合ってそれから指輪と自分のおみくじへと視線が移っていけば分かりやすい反応に口元はニヤけた。追うように相手のおみくじを見てみるとこちらも現状維持のお告げが書いてあって目を細めた。先程はおみくじの内容に懐疑的でもあったのに今はそれを信じたくなっている。この場に相応しく神様の名前を引き出して声を弾ませていた。もう一度おみくじを見ていると視界の端で前におみくじを引いた人たちが端のおみくじ掛けと書かれた場所に紙を結びつけている。自分もそちらに近づいて行くと見様見真似でおみくじを折って紐の部分に結んでみて)
だな…結ぶ結ばないは自由だが悪いことが書いてある時には結んだ方が良いって言うな。俺達どっちも苦労前提の運勢だし俺も結んどくか
(互いのおみくじに書いてある内容は文言は違えど今の恋人と変わらずあり続けるという内容だ、神様に縋るような性格ではないが誰かから二人が同じところに納まると背中を押されているなら悪い気はしない。上機嫌な恋人の声に笑みを滲ませながら頷いていた。おみくじにまで照れている間に相手は次なる興味の対象を見つけたようで移動し始めてしまう、慌てて後ろを追えば見様見真似でおみくじを括り付けているところだった。必ず結ばなければならないということはないがこれも願掛けのひとつだ。お互い最終的な運は良いが苦難やら苦しみやらは当然一切訪れない方が望ましい、探偵をしていればそうもいかないこともあるが避けられる苦難は避けられる方がいい。こちらもおみくじを括ればこれで初詣も完了だ、相手の方をみれば「これでやらなきゃならねぇことは終わったが、他に行きたい場所あるか?」と問いかけて)
行きたいところ…、あそこで集まってるのはなんだろう。
(周りに倣っておみくじを結びに行くと必ずしも結ぶ必要がないと聞いて一瞬手が止まるも相手が結ぶと聞けばそのまま紐に括り付けた。周りに倣って手を合わせて待ち受ける苦難が無いか軽いことを祈る、相手も結び終えたのをみたところで次に行きたいところを聞かれると悩むように辺りを見渡す、すると境内から少し離れた所に人だかりが出来てきて思わず興味を示す。ここからではその全容がよく見えなくて「行ってみよう」と声をかけて返事を聞く前にそちらに向かった。神社に併設されている昔ながらの家屋は解放されていてブルーシートの敷かれた床の上に白い紙と黒く染まった筆みたいな物が置かれている。何をするのか分からず首を傾げていると関係者らしい人物が近付いてきて『良ければ新年に書き初めしてみませんか』と誘われまた未知の単語に目を瞬かせて)
そういや毎年ここで書き初めやってたな。書き初めってのは新年迎えて初めてやる習字のことだ。つっても、お前は習字も初めてか
(相手の直ぐ隣に自分のおみくじも括りつけて同じく手を合わせる、困難に立ち向かうのが探偵だがなるべく相手が苦しいのは避けていきたい。ここまで来れば相手に付き合おうと元旦という特別な日にやりたいことはないか問いかければ相手はまたしても人混みを見つけたようで直ぐにそちらへと移動を始めてしまう、相変わらずな様子に呆れ半分と愛しさ半分で笑みを浮かべながら後へと続いた。人混みの先にあったのは書き初めの会場のようで様々な年齢の人が各々筆を走らせている、一方で相手にとっては未知のものばかりのようで関係者に声を掛けられても目を瞬かせるだけだ。ひとまず解説を挟むがあの光景も初めてのものだろう、流石に事務所で習字をしたことはない。近場にいた家族がいる所を見るように目配せすると「ああやって筆の先に墨汁っつう黒い液を付けて紙に文字を書くんだ。今年の決意表明を書いたり好きな言葉を書きゃいい。書いたやつはしばらくこの神社とか商店街に飾られんだ」と更に解説を重ねた。ここまできて頷いて帰る相手ではないのは知っていて「やってみねぇか?」と誘ってみて)
習字、…へぇ、特別な方法で文字を書くのか。確かに皆色々な文字を書いているね。っ、やりたい!!
(未知の光景と言葉に迷っていると相手から解説が挟まる。新しいワードともにこれが新年ならではの行動であるのは理解できたが更に謎が出てきていると相手の目配せを受け、それに従って近くの家族を見ると筆を持って文字を書いているのが見えた。そこで習字の意味と何を書いているのかを教えて貰うと感心したように頷く。筆で書く分その跡が分かりやすく既に書いて乾燥しているらしい他の人の文字を見るだけでも随分と字体が違う。加えて相手の言う通り書いてある文字もバラバラで正月らしく謹賀新年と書いてあるものや今年の干支が書いてあるもの、自分の名前や好きな食べ物だと思わしき文字もあって見てるだけでも面白い。興味を持ってみていればそれを察したように相手から誘いの言葉がかかって好奇心の輝く目で参加の意志を示す。「君もやるだろう?」と当然のように誘うとそれを聞いていた関係者が『なら2人ともこちらにどうぞ』と中に案内してくれた。誰が来ても大丈夫なように既にセッティングしてあって手馴れた様子で筆などを準備してくれる。フェルトのような下敷きの上に薄い紙が乗せられて準備完了だと言われるも勝手が分からずまずは相手にならおうと「ここからどうすれば良いんだい?」と手本をねだって)
だと思ったぜ。…任せとけ。まずは筆先をこの硯って奴に入ってる黒い液、墨汁に付ける。本来は墨をすって墨汁を作ったりもするが今は出したのをそのままつかう事が多いな。で、この平らな所で余分な墨汁を落として、っと
(答えは分かってはいたが書き初めに誘ってみると相手は目を輝かせて参加の返事がされて思わず口元が緩まってしまう、相手からも誘いかけられれば「あぁ」と直ぐに承諾して関係者に誘導され半紙やら筆やらがセッティングされた場所に移動した。初めての相手は当然勝手が分からないようで手本をねだられればクールに笑って返事をした。とはいえこちらも書道なんて小学生以来だ、昔の記憶を何とか引っ張り出し喋りながら練習用として用意されていた半紙にひとまず例として【左】と書いてみる。「とめはねはらいを強調すると文字がかっこよくなんだ…」と呟きながら筆を動かす、しかし一画目の最後に力が入りすぎてしまい大きな黒い丸ができて、次のはらいは続けて書いたせいで線がカスカスになり、残りは調整してかけたものの最初の一画目の太さに対して小さくなってしまってなんともアンバランスな【左】が完成してしまった。一瞬無言で眺めたあと「まぁ、一画ずつ筆に適量墨汁つけて力まねぇようにするのがポイントだな。お前も一回練習した方が良いぞ」と練習はなかったことにしながら堂々とアドバイスして)
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