検索 2022-07-09 20:46:55 |
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、お前……それがお前の決断で罪の数え方ってことか。……俺はあの夜おやっさんからこの街の探偵を託された。おやっさんみたいに人知れず泣いてる人の涙を拭いてぇ。それにこの街の探偵として涙を拭い続ける事が俺があの夜犯した罪を数える事になんなら、俺は風.都,の探偵であり続ける
(問いかけはしたものの返事は『気紛れ』だとか『メモリに興味があるから』だとかそこら辺を予想していた。しかし開口一番におやっさんの名前が出てくれば目を見開く、そしてあの夜の事に触れられれば瞳を揺らした。その後も淡々と理由が語られていくがいつもの興味の失せた冷たい声でも興奮気味に早口で捲し立てる知識の暴走特急でも、どちらでもない今まで聞いたことのないような相手の確固たる意志を感じる声で手を貸す理由が告げられた。おやっさんの言葉は、あの夜のことは、確かに相手を変えていたのだと漸く気がつく。そして今度はこちら側が問いかけられる、相手がこちらに興味を示すのも珍しいが、あの夜からずっと忙しなくてきちんとこの問いかけに向き合う時間はなかったかもしれない。軽く息を吐いてから真っ直ぐと相手を見つめ問いかけに答えていく、少し前までただ憧れるだけだった探偵という称号、自分の想いだけが乗っていたその言葉に今はおやっさんの意志と自分の罪が乗っかっている。探偵とは自分のやりたいことでやるべき事なのだ。あの夜から事務所のことと相手の世話とでバタバタしていたがようやく相手と向き合えた気がする、改めて自分の心を言葉にしてみれば「どうやら俺もお前も罪を数える方法は同じみてぇだな」と小さく笑って手を差し出す、そして「協力してくれるか?」と改めて願い出て)
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