Litleonids 〆

Litleonids 〆

☆  2021-07-01 18:33:10 
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  • No.33 by ユウキ  2021-07-12 22:49:36 



( ほとんど言い逃げのような形で目線を床へ落としてしまったすぐ後に、重ねていた手を握り返される感覚に今度はこちらが驚かされ、もう片方の手の下に落ちていた書類にくしゃりと皺を付けてしまう。きっと拙い言葉の内側を汲んで、こちらの伝えたかった意図を拾い上げてくれたんだろう。結局彼女の返答によって不安を拭われているのは自分の方で、それが悔しくて心地よくて、ただ俯いたままその言葉の続きを待っていると── )

──っ!!
( オダマキ博士の悲鳴が聞こえた直後、咄嗟に握られていた手をバッと勢いよく引っ込める。ハルカとのこんな状況を見られでもしたら、普段は穏やかなオダマキ博士だって黙っちゃいないかもしれない。それにしても先ほどの電話といい、見計らったかのような絶妙なタイミングの博士の割込みにはまたも助けられてしまった。……けれど、彼女が言いかけていた言葉のその先は気になって仕方がないし、それにもう少しだけ、あのまま握り合った手の温度を感じていたかったような。だから少し間が悪かったなんて、醜い我儘が頭を過ってしまう自分自身がみっともなく思えて恥ずかしい。そんな内心を誤魔化すようにうなじを掻きつつその場に立ち上がると、「アイタタタ……一体なんなんだ?」と身を起こしながら腹をさする博士の方へつかつかと歩み寄り、彼の目前に立って中腰に屈み )
……おはようございます博士、気分はどうですか?

「……ん……?おお……?……ああ!誰かと思えばユウキくんじゃないか!なんだ、見ないうちに大きくなったなぁ。……おや?なんだい、少し顔が赤いようだが──」

コホンッ!博士、オレのことは後でいいですから!……ほら、ハルカと一緒に帰って来たんですよ。
( 見たところ体調面に問題は無いようだが、どうやら先程はガーディたちとの追いかけっこに余程必死だったのか、彼が眠りにつく前に研究所を訪れたのが自分たちだとは気づいていなかったらしい。起き抜けのぼんやりした両目を数回瞬かせた後、博士は久々の再会に嬉々として顔を綻ばせてくれたが、頬に残る赤みを指摘されかけたところで、わざとらしい咳払いでその言葉を遮り。話を逸らすような形で彼が最も会いたかったであろう人物の方へ視線を誘導──床に座ったままの博士からハルカの姿が真っ直ぐ見えるよう、彼の前から少し体を横に避けて )


  • No.34 by ハルカ  2021-07-13 20:54:18 




「──おおお!!ハルカ!!!電話では時々連絡をとっていたが、まさかこんなに大きくなっているとは驚いたよ。本当に見違えたなぁ…!」

わわっ!?ちょっとお父さ…、~~っ…苦しいってば……!
( 彼に促され視線を向けた父と目が合う。3年ぶりに目の当たりにする娘の姿を捉えるや否や腹部の痛みもすっかり忘れてしまったのか、一息つく間もなく此方に駆け寄ってきた父により大きな胸の中にすっぽりと収められ、少し息苦しいほどに強く抱き締められてしまい。堪らず背中をぽすぽすと軽く叩きながら身を捩り訴えてみるが、なかなか離してもらえない。…一頻り再会を喜んだ後、悪びれる様子もなく笑いながらユウキと娘を交互に見遣り、「ハハハ!すまんすまん!おかえり、二人とも。」と、やっと解放してもらえば半ば呆れたように大きく息をついて )
……はぁ……、もう。お父さんったら全然変わってないんだから。──それはそうと、帰ってきたらお父さんがポケモンたちに追い回されてたからびっくりしたよ。

「ああ、そうだったそうだった!それでそのポケモンたちは?……気が付いたら寝てしまっていたようでね、あれから何があったのか覚えてないんだ。」

( 娘に指摘され、漸く自分がポケモンたちに追い回されていたことを思い出したらしい。おまけにキノガッサかマリルリ、もしくは両方のねむり効果のある技のとばっちりを受け眠らされていたこともまるで覚えていないようでキョトンとしており、そんな様子を見兼ねてひとつひとつ状況を説明していくことにし )
えっと、ポケモンたちを捕まえるために出したキノガッサとマリルリのねむり技が、お父さんにも当たっちゃったみたい。さっきの3匹はみんな無事に保護して、ボールはお父さんのデスクの上に置いておいたよ。


  • No.35 by ユウキ  2021-07-14 09:33:53 



「──そうだったか!いやあ本当に助かったよ、二人とも帰ったばかりで疲れているところすまなかったね。さっき電話でハルカと話した後、ここへ来たら驚かせようと思ってあの3匹をボールから出したんだが……まったくみんな元気が良すぎてね!部屋じゅう走り回るのを捕まえようとしてたら、いつの間にか私の方が追いかけられる側になっていたよ!」

( ハルカからの説明を受けて今の状況に理解が追いついたのか、件の騒動について経緯を語る博士。まさかあの状況自体が彼自ら招いたものだったとは思いもしなかったので、 今のあまり気に留めていない様子も含め、相変わらずな彼の様子になんだか気が抜けてしまう。眉を八の字に下げて笑いながら「こりゃサプライズ失敗かな」と肩をすくめる様子を見て、ふふっと抑えきれずに笑いを零し )
充分サプライズになったと思いますよ、博士。
……それにしても、3匹ともこの地方じゃ珍しいポケモンですよね。他の地方から送られてきたんですか?この辺りに生息してるってわけじゃないだろうし──

「それだよ、それなんだユウキくん!!!そう、まさにその話をしたくてキミたちを呼んだんだ!まあまあ、取り敢えずそこに掛けておくれ、長い話になるからね……──」

( ずっと気になっていた事を尋ねてみると、今度はこちらの言葉に被せる形で興奮気味に語りながら、両肩をガシッ掴んでくる博士。その迫力に圧されて、博士が説明に必要な資料を取りに忙しなく奥の部屋へ駆け込んで行くまでの一連の流れを、ぽかんと固まったまま見送ることに。先ほどハルカが予想した通り、彼の“大事な話”の内容とあのガーディたちの存在は、どうも大きく関係しているらしい。まずは博士の戻りを待つことにして、促された通り四人用テーブルの椅子の一つに座りつつ )
──さっきハルカが言ってた通りみたいだな。あの3匹と俺たちが呼ばれた理由に、なにか関係があるかもしれないっていう…、


  • No.36 by ハルカ  2021-07-14 20:17:28 




……まぁ、何事もなくてよかったよ。
( 研究中のトラブルかと思いきや、自身が良かれと思って蒔いた種だったとは…。あっけらかんと騒動の真相を語る父に拍子抜けしながらも、何一つ変わっていないその様子に懐かしさを感じ、思わず頬が綻ぶ。…それにあの騒動のおかげで図らずもユウキとの距離が少し縮まったように思えたし、ある意味サプライズは成功だったのかもしれない。心の中でこっそりと、父に感謝しておこう── )

( ユウキから投げ掛けられた疑問をきっかけに本題を進めるべく、嬉々として資料を取りに向かった博士の背中を彼と同様にぽかんと立ち尽くして見送っていたが、その間に辺りの片付けを終えたキノガッサとマリルリがトレーナーの元へと戻ってきていることに気が付けば、バッグから巾着袋を出して、さらにその中からカロス地方では馴染み深いポケモンのおやつ・ポフレ(リッチスイート)を掴み出す。そして一通り片付けをお手伝いしてくれたキノガッサとマリルリへのご褒美として、1つずつ手のひらに乗せてやり )
ふたりともお疲れさま、おかげですっかり片付いたよ。これはお礼のポフレね!はい、どうぞ。

( 受け取ったポフレを美味しそうに頬張るふたりの頭を優しく撫でてやった後、先に着席したユウキの隣の席に腰をおろし、博士が戻ってくるまでの間好き勝手に思案を巡らせ )
──まさか本当に関係があったなんてね。それに、わざわざあたしたちを呼び寄せてまで伝えたい話って……、何か手伝って欲しいことがあるのかな。お父さんや研究所の助手さんだけじゃ出来ないような何か……、


  • No.37 by ユウキ  2021-07-15 07:44:50 



うーん……、もしオレたちが何かしら博士を手伝うってことがあるとしたら、やっぱりコレだよな。
( ハルカの考察を受けて少し考えを巡らせた後、その結論としてポケットから取り出したのはポケモン図鑑──即ち、それの意味するところは“ポケモンの情報収集”。近頃はめっきり使用頻度が落ちていたそれを久しぶりに起動して、先程から顔にクリームを付けたままぴょんぴょことキノガッサの回りを跳ね回るマリルリ──ハルカに貰って初めて口にした甘いポフレが余程気に入ってしまったらしい──にレンズを合わせると、軽やかな電子音の後で『No.057 マリルリ みずうさぎポケモン』と画面に表示され、“みずうさぎ”が一体何なのかは知りもしないのに、何故かその学術分類が今の彼の姿に最もしっくりくるような気がする。博士が一体何を話すつもりなのか定かでない今は予想の範疇を出ないが、仮に何か依頼を受けることがあるとすれば、きっとこの図鑑に纏わる内容に違いないだろう。)


「いや~。お待たせ、お待たせ!はい、研究所にはこんなものしか無くてね……」

あっ、 ありがとうございます…、
( 慌ただしく戻ってきた博士は研究資料らしき書類の束を小脇に挟み、そうして無理矢理空けた両手で氷入りのミックスオレの入ったグラスを二つ持ってきてくれたらしい。並んで座る二人の前にそれらをコトンと置くと、向かい側の席について卓上で両手を組み、改めて二人の顔を交互に眺めてはニコッと微笑み )

「……こうして顔を見ただけでよくわかるよ。今日まで君たちがどんなにたくさんの経験を重ね、成長してここへ帰って来てくれたか。やっぱり、私がこの仕事を頼めるのはハルカ、そしてユウキくん、君たち二人を措いて他に居ないだろう。」

な…っ、何ですか急に改まって。全然話が見えないんですけど。
( 何やら仰々しい前置きに思わず身構えてしまう。それに、自分の中で第二の父のようにも感じているオダマキ博士からこうも真っ直ぐに評価されること自体純粋に照れ臭く、眉間に浅く皺を寄せつつ少々ぶっきらぼうな物言いで先を急かすと )

「ははは!すまない、ちょっと気分が盛り上がってしまったかな。……早速だが、本題に入らせて貰うよ。
あの3匹を見て驚いただろう。さっきユウキくんが言った通り、彼らはこの地方では野生の生息が確認されていなかったポケモンたちだ。──3年前まではね。
君たちがそれぞれ他の地方へ旅立ったすぐ後、少しずつ野生ポケモンの生息場所に変化が現れだした。今までその地域じゃ見かけなかったようなポケモンが、1匹2匹どころじゃなく群れでも発見されるようになったんだ。例えば…そうだな、ナマケロがカナシダトンネルよりも西側で多く見られるようになったり。研究の結果、間違いなくホウエン全体の生態系が変化していると結論づいたが……、それらの変化は、まだまだ序の口に過ぎなかった。」

( 手元の資料のうち数枚を卓上に並べながら進められていく博士の説明に耳を傾け、彼が最後に取り出したホウエン地方全体をうつした地図に目を落とす。紙面に描かれたその姿を見ただけで、旅の思い出と共に、どの場所でどんなポケモンたちと出会ったかが鮮明に思い出される。最早その記憶も役に立たないほど、この地方の生態系は変化している──突然告げられた事実にまったく現実味を持てないまま、おもむろに立ち上がってデスクの方へ歩いていく博士を目で追っていると、彼はガーディたちのボールが収まったボールボックスの蓋を開け、 )

「この3匹はね、なんとこの地方で見つかったタマゴから孵ったポケモンたちなんだ。これの意味するところがわかるかい?」


  • No.38 by ハルカ  2021-07-15 13:17:42 




( 彼につられて、自身もポケットの中からかなり使い込んだポケモン図鑑を取り出しまじまじと眺めてみる。以前の冒険で出会ったホウエン地方のポケモンは旅の思い出と共に全て記録され、心機一転向かったカロス地方のポケモンも記録されているとても大事なもの。彼の予想通り、このポケモン図鑑に関する依頼なのだとしたら、その内容は自ずと限られてくるだろう。だとすれば先程のあの3匹は一体……──程なくして博士が戻ってきた。向かいの席に腰かけた父は驚いたことに、先程の騒動を巻き起こしたうっかり面白おじさんの表情とは打って変わり、子供の頃から憧れた自慢の博士そのものの顔付きになっていて、その空気感に圧され此方もしっかり居住まいを正す。次に博士から切り出される話の内容を時折相槌をうちながら黙って聞いていたが、その内容には驚きとわくわくが詰まっていて、聞けば聞くほど興味深い。提示された資料と、博士が出来る範囲で調べた周辺に生息しているポケモンの分布図とを注意深く覗き込みつつ )
……3年前のルネの事件以来、少しずつ変化しつつあった分布がこの3年の間にまた変化してる…。ポケモンたちにとって住みやすい場所が、前よりも多くなってるのかなぁ。

( 博士の話は、“ホウエンに生息するポケモンの分布が変わりつつある”という結論だけに収まらず、新たな段階へと進められていく。興奮が隠しきれない様子で此方に向かって答えを求める博士に対し、おずおずと )
今までホウエンでは見られなかった種類のポケモンたちの生息も確認されたということ…?


  • No.39 by ユウキ  2021-07-16 23:26:52 



「その通り!他にもまだまだ例はあるんだが、こうしてタマゴが発見されたことが何よりの証拠だ。野生ポケモンの生息域に収まらず、その種類までもが大きく変わりつつある……、ふつう数十年、数百年、あるいは数千年単位の時間を要するレベルの変化、それがわずか3年の間に、このホウエン地方に限って起きているんだ。……どうだい、興味が沸いてきただろう。」

( 博士はハルカの的を得た回答にご満悦な様子で、3つ並ぶうち1つのボールを手に取ると、それを目の高さに掲げてみせながら楽しげに語り続ける。彼の話が全て真実であるなら、そしてその目まぐるしい変化のきっかけが“3年前”に隠されているとするならば、今しがたハルカが口にした“ルネの事件”然り、あまりに心当たりが有りすぎて、それらの出来事に深く関わった立場としてとても他人事とは思えない。しかしそんな使命感のような感情を抜きにしても、彼が告げる事実には強く興味を引かれてしまう。まさに今、このホウエンじゅうの至る所に、まだ見ぬたくさんのポケモンたちが息づいている──あの時103番道路から空を飛んで来た為に足を踏み入れることのなかった、あの101番道路の草むらにも。その事実を考えるだけで気持ちが昂り、堪らずポケモン図鑑を握ったままの片手に力が入る。 )
……………っ、

「それにしても、二人とも随分と察しが良いみたいだ。……忙しい君たちをわざわざ呼び寄せてまで、私がこんな話をしている理由…、もう分かってしまったかな。」

( ボールを元の位置に戻した後で、再び正面の座席に腰を下ろした博士は二人の手元のポケモン図鑑を眺めてそう話す。そして目線を上げた彼とばちりと目が合った瞬間、その言わんとする意味がわかった気がした。これまで博士によって語られたホウエンの変化に纏わる話、卓上に広げられた未完成の調査資料の数々、タマゴの状態で発見された移入種の野生ポケモン、──そして二人が持つポケモン図鑑。それら全ての要素が繋がって、彼が先ほど言っていた“仕事”の意味がはっきりと自分の中で明確になっていく。それは今この瞬間にも目まぐるしく変わっていくホウエン地方のポケモンたちの情報を集め、この図鑑に収めていくことだ。その答えに行き着いた直後、ガタンと椅子を倒しそうな勢いで立ち上がると、少しの迷いも感じさせない真っ直ぐ力の籠った声で )
──……行かせて下さい、博士。オレ…、もう一度、新しいホウエン地方をこの足で旅したい。博士が言う野生ポケモンの変化ってやつを、この目で見てみたい!


  • No.40 by ハルカ  2021-07-17 16:13:34 




( 此処までざっと話を聞き終えてみて、博士が自分たちに何を伝え、これから何を頼もうとしているのかをはっきりと理解し、今一度手元の図鑑に視線を落とす。…この図鑑に記録されていない新しいポケモンたち…、3年間で急激に変貌を遂げたらしいホウエン地方に現在、一体どれだけの数のポケモンが存在しているのかは分からないし、想像もつかないけれど、その存在をこの目で確かめに行きたい。──隣に並ぶユウキの様子をちらりと伺う。きっとユウキも博士が伝えたかった“大事な話”が何だったのかを理解したのだろう。そうして凛として立ち上がった彼の後に続いてテーブルにそっと手をついて立ち上がると、ぐいっと身を乗り出して )
あっ、あたしも……!まだ見たことのないポケモンに会いたい!

「ああ、君たちならそう言ってくれるだろうと思っていたよ!……野生のポケモンの数が増えているということは、それだけポケモンたちにとって住みやすい環境が整ってきたということだ。でもね、それが必ずしも、ひとや自然にとっても良い環境なのかというと、一概にそうとは言えないんだよ。だから君たちには、この3年間でバランスが大きく変化した世界をもう一度冒険してほしい。そして、ひととポケモンと自然とがどのようにして共存していけばいいのか、改めて考えてみて欲しいんだ。──未来を担う君たちに。」

( 二人の熱意に応えるように、いつになく真剣な博士から熱のこもった眼差しを向けられて思わず息を呑む。そして以前旅をしたホウエン地方とはまた異なる世界を冒険するドキドキやワクワク…、これから待ち受けているであろう新しい出会いに胸が高鳴り始めていた。──そうして話し込んでいるうちに夕暮れが迫っていたようで、研究所の窓から差し込む夕日の茜色が一層色濃くなり、ほんのりと3人を包み込んだ。キノガッサとマリルリもとっくにポフレを食べ終わり、それぞれのトレーナーの側に大人しく寄り添っている。らしくない雰囲気を打ち消すように笑ってみせながら博士は続けて )

「……なんてね!少々堅苦しくなってしまったが、まずは新しいポケモンたちとの出会いを楽しんで来るといい。そのために君たちを呼び寄せたんだから。──それでは早速、これまで以上にポケモンたちの記録が出来るよう、君たちの図鑑をパワーアップしてあげよう。」


  • No.41 by ユウキ  2021-07-18 13:57:03 



( 後に続いて博士の仕事を引き受けることを宣言したハルカの方をちらりと伺い見れば、きらきらと輝きに満ちたその瞳から、彼女も同じく新たな冒険の始まりに胸をときめかせているのだと分かって嬉しくなる。自分よりもトレーナー歴は少しだけ先輩で、昔から博士のフィールドワークを進んで手伝い、今やカロス地方の有名な博士の下でその研究を手伝う彼女のことだ、自分と同等かあるいはそれ以上に、この先に待ち受ける多くのポケモンたちとの出会いに心を踊らせているのだろう。3年前に歩んだ旅路の中でも見知らぬポケモンに初めて遭遇した瞬間の興奮と感動は何ものにも代え難く、またあの時と同じ気持ちを味わうことが出来るのなら、今度は一人ではなく、ハルカが隣でそれを分かち合ってくれたら──そんな事を考えていると、二人の前向きな返事を受けた博士が再び話を前に進め、この調査の本来の意義を一層真剣な表情で語ってくれたので、その言葉の重みを感じながらしっかりと心に留めた上で深く頷く。その後、博士が今回の旅に向けて図鑑を改良してくれると言うので、すっかり使い込んで傷だらけのそれを手渡すと、二人分の図鑑を預かった彼は研究所内の点灯をぱちぽち増やしながら奥の部屋へと姿を消して。 )
──あ、あのさハルカ。

( 再び二人だけ取り残された静かな室内で、心の準備もままならないうちに隣に座るハルカに声をかける。先程から考えていた希望を願い出るには、今を逃せばタイミングを失うような気がして、どうも焦ってしまったみたいだ。座ったまま彼女の方へ体ごと向き直り、気恥しさと緊張から時折目線を外しながらも、たどたどしく思いを伝えていき )
その…、今度の旅は、……オレと一緒に行ってくれないか。……うまく言えないけどさ、ハルカが居てくれたら、新しいポケモンたちとの出会いだってもっと楽しくなる気がして……、それにさっき博士が言ってた、人とポケモンとが一緒に生きていくための方法を探すってやつ。ハルカやキノガッサたちと一緒なら、オレ一人の頭で考えるよりもずっと良い答えを見つけられる気がするんだ。


  • No.42 by ハルカ  2021-07-18 22:49:37 




( 早速図鑑をパワーアップしてもらう為に一旦博士に図鑑を預け、研究所内に次々と明かりが灯っていくなか再び椅子に腰を落ち着けては、博士が戻ってくるのを待機することに。そこでふと喉の渇きを思い出すと、目の前に置かれた美味しそうなミックスオレの入ったグラスに手を伸ばし、それを両手で持ち上げて口元まで運び、ごくごくごく…っと一気にグラスの3分の1ほど流し込む。3年間お世話になったカロス地方には、残念ながら自販機が設置されておらずミックスオレを購入する機会が無かったので、久々に体内を駆け巡る懐かしい甘みに堪らず頬を綻ばせて )
ふー……、おいしっ!

──ん?
( 不意に名前を呼ばれ、グラスを持ったまま反射的にユウキの方へ顔を向けると、彼が改まった様子で何かを伝えようとしているのが見て取れ、此方もしっかり向き合うべく手にしていたグラスをテーブルの上に控え目に置いてから、くるっと体ごと彼に向けて座り直し膝同士を突き合わせる。そうして彼の話を受けとめる体勢を整えた後、続けられる内容は思いも寄らなくて、けれど願ってもみない申し出で。──以前ホウエン地方を冒険した時のこと。トレーナー歴でいえば自分のほうが先輩なのに、気が付いたらいつも彼には先を越されてばかりで、その背中を追っていくので精一杯だった。いつの間にかホウエンリーグを制覇するまでに強くなり、ホウエン地方だけでなく全世界を救っていた時には、ライバルとして誇らしい気持ちは勿論あるけれど、それでも何だか遠くへ行ってしまったような気がして寂しかった。だから3年前、彼との間にぽっかり空いた距離を詰めるために、そして自分にしか出来ないことを見つけるためにカロス地方に行ったんだ。……もう置いていかれないように、彼の隣で同じ景色をみたいから…──当然ユウキからの提案を断る理由などなく、大きくこくりと頷き )
……うん、一緒に行こっ!ホウエンリーグのチャンピオンと一緒なら怖いものなしだよ!
──それにね、さっきお父さんが起きちゃったから最後まで言えなかったんだけど……、あたし、ユウキくんともっと話したいなって思ったんだ。ジョウト地方はどんなところで、どんな修行をして、どんな人やポケモンたちに出会ったのか…、他にも聞きたいことがたくさんあるの。だからお父さんから話を聞いたあとはすぐにバイバイしちゃうのかなって思ってたから、誘ってくれてすっごく嬉しい……!


  • No.43 by ユウキ  2021-07-20 06:40:10 



──っ、良かった、ハルカがそう言ってくれて。
( いちかばちかくらいの心持ちで突きつけた提案だったにも係わらず、期待以上に肯定的な返答を貰えたことに心の底から安堵して、返事を待つ間つい詰まらせていた息をほうっと吐き出す。更に彼女が後に続けたのは先程博士が目を覚ます際に聴き逃した言葉の続きにあたるもので、その真っ直ぐ健気な思いを受け取って胸がいっぱいになり、自分も同じ気持ちを抱いていることを伝えることでそれに応えたく、今度はしっかり顔を上げて相手と向き合ってから )
オレもハルカに今まであったこと聞いて欲しいし、それに…ハルカのこともっと知りたいって思ってる。全部あまさず話すからさ、オレにも教えてくれよ。カロス地方のこと、そこで学んで得たもの、それから出会ったポケモンたちのこと。時間はたっぷりあるんだし、これからお互いたくさん話していけばいいよな。


( ──博士の説明を聞く間、そしてハルカとの会話の間に興奮やら緊張やらでカラカラに乾いてしまった喉を冷たいミックスオレで潤し、そうして暫し待っていると、預けたポケモン図鑑のアップデートを無事終えたらしい博士が部屋に戻って来て、 )

「お待ちどうさま、二人とも!さあ出来たぞ、この最新版のポケモン図鑑なら、これからの冒険にだって充分対応出来るはずだよ。……はは、私から提案したこととはいえ、なんだか不思議なものだなぁ。再びこうしてこの図鑑を君たちに渡して、冒険の旅に送り出すことになるなんて。」

ありがとうございます、博士。……うわっ、なんだこれ、中が真っ白になってる!
( 白いトレーに載せた二つの図鑑をそれぞれ持ち主に返却した後、感慨深そうに呟いた博士の言葉を少し照れくさく感じながら、受け取ったばかりの図鑑を早速起動してみる。すると、つい先程までは過去にその中に収めたポケモンたちでほとんど埋められていた筈の一覧が、今や半分以上隙間だらけの空欄状態に。衝撃的な光景を目にしてつい素直に驚いてしまうと、予想通りのリアクションを得られた為か彼は何故か満足気な表情を浮かべている。夢中でパネルを下へ下へとスライドしていけば、さっき見た時には確かにNo.57を採番されていたマリルリの登録番号が、No.184へと変更されている事に気づいてピタリと指を止め。)
あれ……? 博士、これ。マリルリの番号が変わってるみたいですけど。

「おっ、気がついたかい!そう、そっちの新しい番号は全地方共通の登録番号だから、つまり君たちは全国対応版のポケモン図鑑を手に入れたということになる。──さあ、今度はその図鑑を埋める為の冒険だ。……とは言っても、あまり気負わず、まずは君たち自身がポケモンたちとの出会いを楽しんでくるといい。」


  • No.44 by ハルカ  2021-07-21 13:34:42 




( “これからたくさん話していけばいい”……。残りのミックスオレを少しずつ飲みながら今しがたのユウキとの会話を頭の中で反芻しては、先の旅路が一層楽しいものになる予感がしてならず心が弾んで仕方ない。キノガッサもキノガッサで、久し振りに再会したばかりのマリルリともうじきお別れだと思っていたらしく、ついさっきまでは心なしか離れがたそうにしていたのだが、これからも暫く一緒に遊べると分かったからか、マリルリの回りを嬉しそうにくるくると小躍りしている。──それからちょうど、グラスの中身も氷を残して空になった頃合いに、図鑑をのせた白いトレーを持って博士が戻ってきた。早速アップデートされたばかりの図鑑を受け取って )
ありがとう、お父さん!

……すごい。まだ会ったことのないポケモンがこんなにいるんだ……!
( ユウキと同じように図鑑を起動させ、どのようにアップデートが施されたのか確認してみると、確かに埋めたはずの図鑑は空欄だらけになり、その分記録出来る容量が倍以上に増えていた。空白の数だけ、未だに知らないポケモンがホウエン地方にも世界中にも存在するという事実にときめきを覚えつつ、その他のアップデート内容としてデザインが見易くなっているだとか検索しやすくなっているだとかの細かい部分も一通り確認し終えては、図鑑の電源をそっと落としてバッグの大事なものポケットにしまいこみ )

「私からは以上、──あ、そうそう!もうひとつ伝えないといけないことがあったんだ。…実は今日、ハルカとユウキくんが久し振りに帰ってくるということで、我々とユウキくんのご家族とで一緒にバーベキューをしようということになってね。今頃センリさんや母さんたちが庭で食事の準備をしながら、君たちの帰りを待ちわびているだろうな。だから今日のところは寄り道せずに早く帰ること!私も研究所の戸締まりをしたらすぐに帰るからね。」

えっ!そうなの!?……キノガッサ戻って!またあとで出してあげるからね。
( 大人たちからのまさかのサプライズを知り目を丸くさせては、一刻も早くバーベキューに参加するべく一旦キノガッサをボールに戻す。そういえば外でエアームドと遊んでいるオンバーンもボールに戻さないと…!空いたグラスの後片付けは父に任せるとして、徐々に薄暗くなりつつある外へ向かうため、すくっと席を立ち上がり )
──ユウキくん、早く行こっ!


  • No.45 by ユウキ  2021-07-21 16:49:13 



本当に!? 母さんってば電話じゃそんなこと一言も……、いや言ってたような言ってなかったような……。
( 受け取ったばかりの図鑑の変わりように夢中になって操作を続けていたが、博士から思いがけないサプライズイベントを告げられると、画面に釘付けだった目線をようやく持ち上げ驚きを表情で露わにして。しかしそれについて思い当たる節があるような気がして記憶を辿ると…、クチバの港から電話をかけた折、母が「早く帰って来なさいね、ユウキたちの為に色々と準備してるんだからっ!」と、かなり上機嫌で話していたのが思い出される。何故か“ユウキたち”と複数形だったのが引っかかっていたのだが、成程もう一人はハルカのことを指していたらしい。サプライズとして計画していたのだろうに相変わらず秘密を通すのが下手な人だな…となんだか力が抜けてしまうのと同時に、大人たちの温かな心遣いは素直に嬉しく、先程のオダマキ博士とハルカの微笑ましい再会の場面に触発されてか、柄にもなく自分も早く両親に会いたくなってきてしまった。電源を落とした図鑑をいそいそとバッグに押し込んで、マリルリをボールに戻してからハルカに続いて席を立ち )
そうだな、待たせ過ぎないうちに行こうか。──それじゃ博士、オレたち先に行って待ってます。図鑑ありがとうございました!

( ペコッと軽く頭を下げて博士に挨拶を済ませた後、ハルカと連れ立って研究所の外に出れば、空を飛び回って遊び疲れたらしいエアームドとオンバーンが丁度地上に降り羽休めをしているところで。)

エアームド、疲れたならボールの中で……、なんだ、戻りたくないのか? ……安心しろよ、今度の旅はハルカも一緒なんだ。だからオンバーンにもまたすぐ会えるよ。
( どうやら2匹はこの短時間一緒に空を飛んだことで、すっかり打ち解けて仲良くなっていたらしい。ボールを取り出せばエアームドは別れ難そうにオンバーンの方をちらちらと見て、ボールに戻るのを嫌がる素振りを見せるので、その気持ちを汲み取り優しく言い聞かせながら頭を撫でてやる。すると彼は嬉しそうに翼を大きく羽ばたかせ、オンバーンの方へ挨拶するように一度鳴いてみせた後、自らくちばしの先でカチッとボタンを押してボールの中へと戻っていき。まったく感謝しろよな…、と心の内で独りごちつつ、エアームドの収まったボールをベルトのホルダーにセットして )


  • No.46 by ハルカ  2021-07-21 22:05:15 




お父さん、またあとでね!──
( 研究所の戸締りをする為に居残るという父に軽く手を振ってから外に出ると、既に地上に降りて仲良く休憩していたらしいエアームドとオンバーンの姿が。端から見てもすっかり仲良しにみえる彼女たちの元へと小走りで近寄って )
おまたせ、オンバーン!エアームドとたくさん遊べた?

……ふふ、そっか。お友達が出来て良かったね。──だいじょーぶっ、またすぐに会えるよ!だからオンバーンも一緒に家に帰ろう?
( たくさん遊べて楽しかった、彼と仲良くなったの、とでも伝えようとしているようで穏やかに微笑みながら優しく一鳴きするオンバーン。彼女とは彼女がオンバットの頃から一緒に過ごしているので、その表情や仕草からなんとなく何を言いたいのか読み取れるようになっており、エアームドからなかなか離れない様子から気持ちを察しては安心させようと声を掛けつつ、その背中をふんわりと撫でてみる。ユウキによって先に説得されたエアームドがオンバーンへ挨拶(?)をした後、一足早く自主的にボールへと戻っていくのを見て、ようやくオンバーンも納得したのか大人しくボールへと収まり一安心。そして突然思い付いたとばかりに、徐にユウキの方を向くと悪戯っぽく笑いつつ )
……ね、どっちが早く家に着くか勝負しようよ!よーい、どんっ!

( ──夕日が沈み、空気の澄んだ空にちらほら星が輝いているのが見え始める。ユウキにかけっこ勝負を申し込むのが早いか、彼の返答を聞くより先に家族たちが待つバーベキュー会場へ向かって勢いよく駆け出して )



(/お疲れ様です、いつもとても楽しくやり取りさせていただいております。毎回丁寧な描写を回されるので大変勉強になりますし、また、ここまで上手くリードしてくださりありがとうございました。無事に二人で冒険へ繰り出せそうで良かったです……!

そろそろきりがいいかなと思いまして、次の展開のご相談をさせていただきたく馳せ参じました。このあとは恐らく、家族合同でバーベキューして、それぞれの実家で一晩休んで、この二人のことなので翌日すぐにでも冒険に行きそうだなと思うのですが、バーベキュー場面はカットして翌日の朝に旅立つ場面から始めましょうか?
それからハルカちゃんの手持ちポケモンについて、5体までは目星をつけたのですが、あと1匹がなかなか思い付かず…。そこでいずれどこかで仲間を増やすか、困ったときに前回の旅パのメンバーに助けてもらうためにも一時的に空けておこうかなと考えているのですが、いかがでしょう…?
お手数ですが、ご回答のほどよろしくお願いいたします!)


  • No.47 by ユウキ  2021-07-22 07:49:32 



──あっ、おい待てって!
( エアームドに続きオンバーンの方もボールへ無事収まったのを見届けて、さて帰路へ着こうかとハルカに声をかけるより早く彼女から駆けっこの勝負を申し込まれると、返事をする間もなくスタートの合図が切られて先を行かれてしまい。慌てて呼び止める声も虚しく家の灯りの方へ駆けていくハルカを見ていると、なんだか子供の頃に返ったような気持ちになり、負けじと自分もその背を追いかけ走り出す。まだ薄明るい宵口の星空の中、チラッと煌めいて落ちていく流れ星が、ひとつ目の端に映った気がした。 )



(/お疲れ様です。背後としてはお久し振りでございます!こちらこそいつも1633様の可愛らしいハルカちゃんに癒されつつ、そしてナイスアシストに助けられつつ楽しく進めさせていただいております。寧ろリードしていただいた場面の方が多い気がしているくらいです……!

展開のご相談について、こちらも丁度そろそろかなと思っていたところでしたので、お声掛けいただけて助かりました!バーベキューのシーンは回想でも補完出来そうですので、ちょっと惜しいですがカットでも宜しいかと思います。多分やりだしたら楽しくなるのが目に見えていて、現実時間でもう1週間くらいミシロに留まってしまいそうなので……(笑) (個人的にはそれも全然アリなのですが!)
次シーンはご提案いただいた翌朝の旅立ち場面からとさせていただきたいです。前回先行をお願いしたので、今回はこちらから始めてしまってもよろしいでしょうか?
ハルカちゃんの手持ちについて、ご提案下さった通り1枠空けておいていただいて全く問題ないです。手持ちについては旅の途中で適宜メンバー交代しても良いかもしれませんね。せっかくなら新しい仲間も後々入れてみたいので、ユウキくんの方も同じく1枠残しておこうかと思います!)


  • No.48 by ハルカ  2021-07-22 23:38:27 




( 後ろにユウキの存在を感じながら、幼い頃から走り慣れた研究所から家までの道のりを、余所見することもなく夢中になって駆けていく。カロス地方から此処ミシロまで長旅だったはずなのにあまり疲れを感じないのは、久々に触れたホウエン地方の大地に癒されているからだろうか。それともこれからの冒険のことを考えて興奮が収まらないからだろうか。サプライズのバーベキューが楽しみだからかもしれない。──…懐かしい茶色屋根の家が二軒仲良く建ち並び、温かく迎えてくれているような優しい灯りが近付いてきた。家はもう、すぐそこに── )



(/次のシーン及び手持ちについて、承知いたしました!
お酒を飲んでほろ酔い気分のパパたちが、昔はああだったこうだった…って盛り上がってる描写を回したりしてたら、現実時間1週間以上バーベキューしてしまいそうです…。(笑)
例えばなんですけど、旅の途中でキャンプしたり、のんびり釣りをしたり、ポケモンの群れに遭遇したり、ショッピングに付き合ってもらったり、チャンピオンのユウキくんモテそうなのでハルカちゃんヤキモチやきそうだなとか(妄想)、他にも各街ならではの名物を巡りつつ、ちょこちょこ寄り道したいなあと思っているのですが、長くなりそうですねホウエンの旅編……!
それではお言葉に甘えさせてきただきますね。先行よろしくお願いいたします!)


  • No.49 by ユウキ  2021-07-23 08:48:01 



──……っよし!行こうぜみんな、今日からまたよろしくな。
( ユウキとハルカの3年ぶりの帰省を祝した家族合同バーベキューから一夜明け、迎えた翌朝は天候に恵まれ、一片の雲すら見当たらない眩しいほどの日本晴れ。新たな旅の幕開けにはうってつけだ。開け放した自室の窓から朝の澄んだ空気をめっぱい吸い込んでから、ボールホルダーに並ぶ今回の旅の仲間となる5匹に向かって語りかける。鏡の前で身形を整え、バッグを背負って、母が用意してくれていた新品のスニーカーを履けば準備オーケー。玄関先で両親に見送られ、昨晩ハルカと交わした約束の時間…より少し早く、101番道路の少し手前、ミシロタウンの入口に立って彼女の到着を待ち )



(/先行譲っていただきありがとうございます!早速翌朝のシーンから始めさせていただきました。
そして締めのロルありがとうございました!わ~っなんだかもう、研究所からお家までの情景が浮かんできて、ミシロタウンBGMが聴こえてきそうでジンときちゃいました……エモい……!
もちろんです、沢山寄り道しながら色々とイベントも挟んでいきましょう!巡りたいスポットや会いたいキャラがいすぎて、おっしゃる通り長い旅になりそうです……!そんな長期戦の予感が否めないホウエン旅編ですが、ハルカちゃん&1633様と一緒に楽しみ尽くしていきたい気持ちでいっぱいですので、どうか可能な限りお付き合いいただけましたら幸いでございます。 )


  • No.50 by ハルカ  2021-07-24 08:47:35 




──……それじゃ、いってきまーすっ!
( いつもよりだいぶ早い時間に起床したはずなのに、朝食が美味しすぎておかわりしてしまったり、寝癖がなかなか治らなかったり、頭のリボンの位置に納得がいくまでに思いのほか時間が掛かってしまう等のアクシデントに見舞われて、気が付けばユウキとの待ち合わせの時間が無情にも刻々と迫っていた。ようやく身嗜みを整え終えると、昨晩のうちに準備しておいたバッグの中身と手持ちポケモンのコンディションを今一度確認してから、ぱたぱたと急いで階段を駆け降り玄関へ向かう。そうして慌てて家を出ていく娘の背中を見送りながら、「折角帰ってきたんだから、もう少しゆっくりしていけばいいのに…。ほんと、誰に似たのかしらね」と呆れている母の気持ちなど全く知らずに、少し暑いくらいの陽気のなかを元気よく駆け抜けていき )

( ──ミシロの空気が心地よく、舗装されていない道がしっくり足に馴染む。カロス地方ではミアレシティを研究活動の拠点としていたけれど、やはり自分には田舎街のほうが体に合っている…そんなことを考えながら待ち合わせ場所に向かっていると、101番道路の少し手前で佇んでいる彼の姿を発見。焦って腕時計を確認してみれば約束の時間の2分前で。急いで側へ駆け寄りながら声を掛け )
おはよう、ユウキくん!…ごめんね、待った…?



(/こちらこそ場面転換ありがとうございました。とても爽やかな旅の始まりにわくわくしています!
今後ともよろしくお願いいたします。そしてホウエン旅編のあとの他地方観光編もぜひ…!
それでは、こちらは一旦引っ込みますね。また何か思い付いたり、気になることがあったら、ご相談させていただきたいと思います!)


  • No.51 by ユウキ  2021-07-24 22:57:35 



──ハルカ! おはよう、いやオレもさっき来たばっかり。……あっ、ちょっと待って。そのまま動かないで……、
( ハルカの到着を待つ少しの時間をマルチナビのニュースを眺めて過ごし、そのうち名前を呼ぶ声が聞こえると画面に落としていた目線を上げ、こちらへ駆けてくるハルカの姿を捉えれば自ずと笑顔に。挨拶を返しながらマルチナビをポケットへ押し込んで、ふと何か思いついた様に声を上げると、後ろへ一歩、二歩、三歩と下がって、正面に立つハルカとその肩越しに見えるミシロの町並みを視界に収め。──3年前の一連の事件を通して、未だ現実味を持てないくらい多くのものを命を賭して守ったけれど、きっとその中で最も価値のあるものが今目の前にある光景なんだろうな、と、我ながら呆れるほど独り善がりな想いを心の内でこっそり呟く。一度は終止符を打ったこの地方を巡る見果てぬ旅をこうして再び始めることができること、それも当時はライバルとして道を競い合った友が、今度は共に歩む仲間として隣に居てくれる事実に胸の奥から込み上げる感慨を噛み締めて、しかしあまり長く見詰めすぎては変に思われるかもしれないので、そうなる前にと程よく切り上げて顔の前で片手を振り )
ごめん、なんでもないんだ。もういいよ。

( そして気づけば今の三歩分によってハルカを置いて自分の身体だけが101番道路側にある状態に。どうせなら一緒に踏み出せば良かったのかもしれない。その代わりといっては何だし、こんなのちょっとクサいかもしれない…と懸念しつつも、思いついた勢いで軽く汗ばんだ右手をズボンで一度拭ってから、すっと前に差し出して )
行こうハルカ、ここからオレたちの新しい旅だ。



(/他地方観光編も既に楽しみでたまらないです……!こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします、ふたりの青春あったかく見守っていきましょう。
同じくこちらもここで一旦引かせていただきますね。と最後に一点だけ追記を……、この後コトキタウン方面に向かっていく間に野生ポケモンを何匹か登場させたいと考えているのですが、出現する野生ポケモンの種類については「あのポケモンこのあたりに住んでいそうだな」くらいの感覚で、どんどん色んな子を登場させていただいて大丈夫です。(辻褄はあとで合わせていきましょう!))


  • No.52 by ハルカ  2021-07-25 20:32:47 




ほんとに?良かったあ…、……??
( 突然掛けられた静止の声に即座に反応しては、何事だろうかと不思議に思いながらも言われたままその場でぴたりと立ち止まり、ユウキの様子を窺い見る。それから一歩、また一歩と後方に下がって此方との距離を取ったかと思えば謎めいた視線を寄越す彼の、その不可解な行動の真意がまるで判らず、頭の中には疑問符が浮かぶばかり。そのうち得心がいったらしい彼により短い沈黙が打ち破られ、なんでもなかったと告げられるものの何だか腑に落ちない。──あっ、もしかして寝癖がついたままだった…!?──咄嗟にそんな疑念が過ったので、慌てて今朝起きた時にはくりんと大きな円を描いていた前髪にそっと触れ確認してみるものの、やはり毛先はきれいに整っていて )

──!……うん!……せーのっ、
( 結局今の間に彼が何を見て、何を思ったのかは分からず終いだが、此方に向かって差し伸べられた手の意図はしっかり理解した。…ちょっと照れくさい気もするけれど彼の手をぎゅっと握り返し、ミシロから101番道路の境目をぴょんっと飛び越え、これから始まる冒険の新たな一歩を踏み出して )


( ──風がそよそよと道端の木々の葉や小花を揺らしている。物心ついた時にはフィールドワークに行く父にくっついてコトキ付近までならよく回っていたし、初めてホウエンを旅した時にもきっちり生態調査をしたので、この辺に生息しているポケモンに関しては調べ尽くしたものと自負していた。しかし生態系が変化した現在のホウエン、今やどんなポケモンが姿を現すのか想像もつかない。…木の枝の上で葉っぱをもしゃもしゃ頬張るケムッソの食事風景を自前のカメラでぱしゃりと撮影しつつ )
ケムッソは相変わらずこの辺りにも生息してるみたいだけど、他にはどんなポケモンたちが住んでるんだろうね。


  • No.53 by ユウキ  2021-07-26 07:14:16 



( いざ101番道路へと歩み出したは良いものの、元来ミシロタウンを訪れる足が少ない為か、この近辺の道にさほど整備された形跡は無く、昨日カイナシティからの帰路で感じたほど昔と変わった印象は受けない。ケムッソがのんびりした動作で好物の葉を食む姿も見慣れたもので、新鮮さよりも懐かしさを感じながらハルカが撮影した写真を後ろから覗き込み )
へえ、よく撮れてる。この辺りは森に近いから、むしポケモンたちにとったら結局一番住みやすい場所なのかもしれないな。

( 大自然に恵まれたホウエン地方の中でも、トウカの森を内含する南西部は特に草木の密集した場所が多く、むしタイプやくさタイプのポケモンにとってはこの地を離れる理由が無いのかもしれない。そうすると自ずと天敵のとりポケモンも一定数生息しているはずだし、スバメあたりもそのうち顔を出しそうなものだ。)

ってことは、このあたりの生態系はもしかしてあんまり……、──っ!
( 大きく変化はしていないのかも……そう予想を述べようとしたところ、すぐ真後ろからバサハサッと何かが羽ばたく音がして、驚いて振り向くと飛び立って行ったのは茶色と黄白色の翼を持つとりポケモン。サイズはスバメと同等程度──見間違いが無ければ、恐らくあれはことりポケモンのポッポだろう。一瞬の出来事に図鑑を開く隙もなく、翼を広げて北の空へと飛んでいく一羽を呆然と見送り )
………ハルカ、今の見た?


  • No.54 by ハルカ  2021-07-26 19:06:04 




!?………今のって……、ポッポ…?
( 撮影した画像をカメラ背面の画像モニターでチェックしていると、何かが羽ばたく音がして反射的に顔を上げる。そこで視界に飛び込んできたのは、今までホウエン地方では見かけたことのなかったとりポケモン・ポッポの空を舞う姿。…突然訪れた新しいポケモンとの出会いに感動するあまり、カメラの照準を合わせることも忘れてそのままポッポが飛び去っていくのを見送った後、彼の方を向いて、見た見た!とばかりにこくこく頷き )

( ──ガサガサッ!ガサガサッ!──続けざまに背後から聞こえてきた妙な音に反応して音のした方を向くと、さっき飛び出していったポッポの後を追うようにして別のポッポがまた1羽、空へと向かっていく…。そして今のように不意を突かれて新たに出会ったポケモンたちの記録をし損ねることがないように、急いでバッグから図鑑を取り出すと予め起動させておいて、今ポッポたちが飛び出してきた葉っぱが豊かに生い茂る木の上方辺りに視線を向け )
確かあの辺から……、

( もしかして、もしかするかも。彼らがこの辺りに生息しているかもしれないという可能性を考え、確固たる証拠を探り当てるべく音を立てないように配慮しながらそーっと木の下へ近付いて、上方を見上げてみる。すると木の上の方の太い枝に、それはあった。…ポケモンの巣だろうか、細い枝の寄せ集めを見付けては興奮しながら、しかし小声でユウキを呼び )
………!!ユウキくん、あれ!


  • No.55 by ユウキ  2021-07-27 23:21:34 



( 続いて飛んでいく2羽目のポッポも見送って、林の向こうに見えなくなるまで目で追い続けていると、気づいた時には隣に立っていたはずのハルカの姿が無く、振り返ればポッポたちが飛び出してきた辺りの木の下で何かを探している様子。どうやらそこで発見があったらしく、小声で呼ばれたので自分も大きな物音を立てないよう気をつけてゆっくりその木下に近づき、額の上に手を翳して彼女の指し示す先を仰ぎ見ると…、そこには紛れもなくとりポケモンの巣らしい形状が。それを見た瞬間、思わず声を上げそうになって開きかけた口を手で押え、声量は控えめに、しかし興奮を滲ませた声で )
!! あれって……、ポッポの巣、だよな?

( それが確かであれば彼らがここに生息していることを裏付ける証として充分だろう。巣を見上げたまま目を離せずにいると、その中から1羽のポッポがひょこりと小さな頭を覗かせ、きょろきょろと何度も周囲を見回してからぎこちなく翼を広げようとする様子が見えて。今度こそ機を逃すまいと図鑑を掲げて記録を取ると、巣が乗っている木の樹冠よりも高い位置をピジョンが円を描くように飛び回っているのが見え、咄嗟にそちらにも図鑑を向ける。──親鳥だろうか、まるでポッポたちを見守っているように見える。続けてピジョンの記録も図鑑にしっかりと収めた後、巣の端から目一杯広げた両翼を羽ばたかせ今にも飛び立とうとするポッポを見守り )
……すごいな、ちょうど巣立つところだったんだ。


  • No.56 by ハルカ  2021-07-29 13:35:48 




( 今まさに飛び立とうとしているポッポ、そして子供らの巣立ちを温かく見守るピジョンに図鑑を向け記録をとった後、夢中になってカメラのシャッターを何度か押し貴重な巣立ちの場面を画像に収める。そうしているうちに皆無事に巣立つことが出来たようで、これから飛ぶ練習や餌の捕り方でも学んだりするのだろうか、待ちきれずに先に飛び立っていったらしい雛鳥たちの後を親鳥が急いで追い掛けていく。そのまま北の空へと飛んでいき、その姿が小さくなるまで大きく手を振りながら見送って )
早速すごい場面に遭遇しちゃったね!前にこの辺りの調査をしたときには、ピジョンもポッポも見掛けなかったのに…………ん?あの子は……、

( 何の気なしに向けた視線の先に、またもやこの辺では見掛けたことのなかったポケモンが1匹。くるりと大きな葉っぱに身を包み、とことこと目の前を横切っていくのは恐らくさいほうポケモンのクルミル。早速図鑑をかざして記録をとるが、何処と無く心細そうに辺りをきょろきょろ見渡しては何かを捜しているようにも見受けられるクルミルの様子が妙に気にかかり首を傾げて )
どうしたんだろう?なんだか様子がおかしいような…。お母さんとはぐれちゃったのかな?


  • No.57 by ユウキ  2021-07-31 11:58:49 



ああ、まさか巣まで見つけられるなんてな! ……? どうした?
──このポケモンって…、クルミル、だっけ。
( 出端からこれほど貴重な体験に恵まれるなんて、この旅は幸先が良さそうだ。次々と飛び立つポッポたちを最後の一羽まで見送り、続いて何か見つけたらしいハルカの声につられてその視線の先を追うと…、そこには足元を歩いていく一匹のクルミル、実物は初めて見る。クルミルの様子に違和感を感じたらしいハルカの発言によって自分もよくよくその表情を観察してみると、確かにどこか不安げで、ひょっとすると本当に迷子なのかもしれない。しかし──クルミルの進化後の姿はたしかクルマユにハハコモリ、何れも葉を身に纏って植物に擬態する習性のあるポケモンだ。周囲を見渡して豊かに生い茂る草木を見ると、無事にこの子の親を見つけられるだろうかと心が折れそうになる。それでも、不安気にキュイキュイと鳴き声をあげるクルミルと、その様子を心配そうに見つめるハルカを見ていると、やはりなんとかしてあげたい気持ちに駆られ )
探してあげようか、こいつの親。たぶん近くには居るはずだしさ。

待ってろよクルミル、すぐ見つけてきて……ん? クルミルが体に巻いてるこの葉っぱ…、なんとなくオレンの葉に似てないか……?
( クルミルの隣に屈んで怯えさせないようそっとその頭を撫でていると、頭と体を包む葉の、先端の尖った楕円形にどこか見覚えがあり、記憶を辿ればおそらくそれはオレンの実が成る木の葉であり。図鑑をかざして確認してみると、成程クルミルは植物の葉で自らの服を作るポケモンらしい。そして子供にはハハコモリが服を作ってあげることもあるのだとか。それならオレンの実が成っている木を探せば、その付近で親を見つけられるかも、と予想を立てて )
取り敢えずこの辺のオレンの木を探そうか、もしかするとその近くに居るかも!


  • No.58 by ハルカ  2021-08-01 20:16:11 




言われてみれば確かに似てるかも……。それなら、──出てきて、ペロリーム!
( 同じようにクルミルの側に屈んで指摘された葉っぱの形に注目してみると、確かに記憶にあるオレンの木の葉っぱに似ているような気がする。彼の立てた予想になるほどと感心しては、それならばと、バッグのポケットから手探りで手持ちポケモンのボールを1つ取り、──選出したのは、オンバーン同様カロス地方で仲良くなったホイップポケモン・ペロリーム。彼女の嗅覚はひとの1億倍以上あるとされており、わずかな匂いでも嗅ぎ分けることが出来るので、今回の場合もきっと力になってくれるに違いない )
あのね、この子と同じ匂いのする場所を探して欲しいんだけど…。

( トレーナーからの頼みを聞きこくりと頷いた後、早速クルミルの体に鼻先を寄せて目を閉じ、真剣な様子でくんくんと匂いを嗅ぎ始めるペロリーム。一頻り匂いを嗅ぎ終えると、次いで空中に漂う匂いへと集中し始める。…そうして、ひとには嗅ぎ分けられない、空中に漂う微かなオレンの香りを掴めたのだろうか、とっとこと何処かへ向かって歩き始めた彼女の後を着いていく為に、クルミルを両腕で優しく抱っこして )
あっちから同じ匂いがするみたい。とりあえず行ってみよっ!


  • No.59 by ユウキ  2021-08-02 22:50:21 



えっ、匂いで場所が分かるのか…?
( ボールから繰り出されたハルカのペロリームがクルミルの纏う葉の匂いを嗅いだ後、鼻をひくつかせながら迷うことなくある方向へ歩いて行く、その一連の動作を物珍しげに観察して。この辺りにオレンの香りが漂っているのだろうか、と自分も真似して空気の匂いをすんすん嗅いでみるけれど、爽やかな青葉の香りが鼻腔をくすぐるばかりでまるで判りそうにない。クルミルを腕に抱くハルカの横に並びしばらくその後を追っていくと…、林の中の少し開けた場所に、たくさんの瑞々しい青い実をつけた一本の木が現れ )
──! あった、オレンの木だ!すごいや、でかしたぞペロリーム!

( まさか本当に葉の匂いだけで目当ての木を見つけてしまうなんて。その特技を以て手助けしてくれたペロリームの頭をわしゃっと一撫でしてから、オレンの木の前へと駆けて行き、一枚摘んだ葉の形状がクルミルの服と同じものであることを確かめて )
……うん、やっぱりクルミルの着てるその服、オレンの葉っぱで間違いな──うわあっ!! むぐ、んぐぐ……っ、なんなんだ一体……、って、ケムッソ……?

( 確認した結果をハルカに報告するべく振り返ろうとした矢先、突然ペトッ!と顔の真上に何物かが落下。びったりと顔にひっつくそれを慌ててひっぺがしてみると、その正体はケムッソ……に違いないのだが、よく見てみるとその体はクルミルと同様、葉で拵えられた服に包まれている。いつもと違うケムッソの様子を不思議に思いながらも、思いたあたる可能性といえばただ一点ばかりで、その大きな真っ黒い瞳と見つめあいながらポツリと )
この服、もしかしてハハコモリが……?


  • No.60 by ハルカ  2021-08-04 19:06:19 




──!!
ありがと、さっすがペロリーム!
( 空気中に漂う匂いだけを頼りにずんずん先へ進んでいくペロリームを信じ、ユウキと一緒にその後ろを着いて暫く歩いていると開けた場所に辿り着いた。そこでクルミルの親や仲間を見付ける手掛かりになるかもしれないオレンの木が自生しているのを発見しては、思わずぱあっと表情を明るくさせながら側にいるペロリームに笑いかける。自身のトレーナーとユウキに手柄を褒められたペロリームは、えっへん!このくらい朝飯前よ、とでも言うように短い手を自身の腰に当て胸を張る仕草で応えてみせて )

きゃっ!?…びっくりしたあ……、なんだかクルミルみたいなケムッソだね。
( 突然ユウキの顔面に落ちてきた何かに驚きの声をあげながらびくっと肩を跳ねさせて、ひっぺがす様子を眺めてみれば……その正体はクルミルみたいな装いのケムッソで。彼の抱えるケムッソの隣にクルミルを並べて交互に観察してみると、どことなく服の作りの特徴が同じような気もする。すると、先程まで浮かない表情をしていたクルミルもケムッソの身に付けている服を見て、きゅいきゅいとどこか嬉しそうな鳴き声を出してみせた── )
あなたのお母さんが近くに居るといいんだけど、……あっ!

( オレンの木が僅かに揺れ、葉がカサカサッと擦れる音がしたかと思えば、木の上から勢いよく飛び出してきた1つの影。そうして自作の葉っぱで作った洋服をひらひらさせながら優雅に地面に着地したのは、こそだてポケモンのハハコモリ。迷子になっていた自身の子供の鳴き声を聞き付けたのだろう、クルミルの姿を見付けるなり心配そうな様子で傍に寄ってくる。そしてクルミルも母の姿が視界に入るなり、すっぽり収まっていた腕の中からぴょんっと抜け出してハハコモリに飛び付き、甘えたように身を擦り寄せて )


  • No.61 by ユウキ  2021-08-07 08:35:01 



わっ、……ハハコモリ!やっぱりここに居たんだ。クルミル、ちゃんと母さんに会えて良かったな。
( ようやく会えた母親に抱かれ嬉しそうに鳴くクルミルと、細長い両腕で抱えた我が子を穏やかな眼差しで見つめ、歌うような鳴き声で何かを言い聞かせるハハコモリ。無事に再会を果たした母子2匹のあたたかな光景を一安心しながら眺めていると、ふとハハコモリが何かを気にする様子でこちらに顔を向けて、じーっ…と見つめるその視線の先は、ハルカの足元にちょこんと立っているペロリーム。興味津々といった様子でまじまじと観察するような眼差しを注ぐと、まだ甘え足りない様子のクルミルを一旦傍らの切株の上に下ろしてから、自身の葉っぱの服の合わせ目の辺りをごそごそと探り、取り出したのは大きな一枚の葉で作られた頭巾のようなもの。何をするのかと思えばそれでペロリームの頭をすっぽり包み込み、器用に顎紐(?)をきゅっと蝶蝶結びにすると、クルミルやケムッソと同じ装いに。 )
へえ、クルミルとおそろいだな。似合ってるよペロリーム。

( ハハコモリは手製の頭巾を被せたペロリームを見て穏やかに微笑み、自分の子を愛でるようにその頭を撫でると、もう満足がいったらしく再びクルミルを抱き上げて。そして胸の辺りに手を当てこちらにお礼を述べるかのような一鳴きの後、くるりと背を向け、葉の裾をひらひら揺らしながら茂みの奥の方へと帰っていく。 )

じゃあな、もうはぐれるなよー!……おっと図鑑、図鑑っ!
( そんな親子を見送りつつ、忘れかけていた図鑑の記録を思い出し、ハハコモリの姿が見えなくなる前にその背にレンズを向ける。──図鑑の説明によれば、こそだてポケモンのハハコモリは幼いポケモンを見ると服を作ってあげる習性があるとのこと。先程のハハコモリはよっぽど服を作るのが好きなのか、はたまた母性本能がひと一倍強いのか、おそらく自分の子ども以外のポケモンたちにも手製の服を配り歩いているのだろう。……しかし先程から片腕に抱いたままのケムッソは、そんなことはお構い無しといった様子で、その服に使われている葉っぱをもしゃもしゃと頬張ってしまっており )
あー、おまえなぁ……。まあ、ケムッソからしてみれば葉っぱは葉っぱなのかな……。


  • No.62 by ハルカ  2021-08-09 13:15:42 




──ユウキくんの推理が当たったね!無事に会えて良かったあ。……ペロリームったらクルミルみたいになっちゃって。
( 彼と並んでハハコモリのデータを図鑑に収めた後、住み処へと帰っていく母子の背中を微笑ましく思いながら見送っていたが、暫くしてその姿は完全に森の奥へと消え見えなくなった。そしてその間にもケムッソは自分の服を食べ終え、ペロリームの葉っぱ頭巾まで狙っている様子。そのことに気が付いた彼女は、ケムッソを抱いている彼から距離をとっていて。ハハコモリに自分まで子供扱いされたことに対しては少しだけ不服そうだったけれど、それとこれとは別とばかりに。 )

( ──バッサバッサ、バッサバッサ…!──羽ばたき音がどんどん大きく聞こえ始める。まるで背後から此方に向かって何かが近付いてくるような。何の音…?とゆるく振り返った瞬間、その何かが自身の隣をシュッと通り抜けていく。その勢いで辺りに砂埃がぶわっと舞い上がり一気に視界を失っては、突然のことに驚きながらもぎゅっと目を閉じ、咄嗟に片手で口元を抑えて砂埃を吸わないように気を付けつつ、状況が落ち着くまでやり過ごす。…すぐに煙は収まり、ゆっくり目を開けてみると── )
!!あれっ、ペロリームがいない……っ!

( 先程まで確かに隣にいたはずのペロリームの姿が忽然と消えている。かと思えば上の方から悲痛な鳴き声が聞こえてきたのでパッとそちらに視線を向けてみると、細長い首に細長いくちばし、赤い鶏冠を兼ね備え、巨大な翼で激しく羽ばたくとりポケモンの姿がそこにあって。そのポケモンの足に掴まれて、辛そうな表情のペロリームも。……あのポケモンは知っている、オニドリルだ。葉っぱの頭巾を被ったペロリームをクルミルと勘違いしたのだろうか、彼女を掴んだまま飛び去っていこうとしていて )
えっ、ウソ待って待って!


  • No.63 by ユウキ  2021-08-10 21:51:57 



まだ食べ足りないのか?食いしん坊な奴だなぁ、ほら。……えっ、…うわっ!?
( 既に食べ終えた自身の服の葉だけでは飽き足らずに、今度はペロリームの頭巾にまで狙いを定めるケムッソに呆れ顔で苦笑しつつ、警戒モードの彼女から意識を逸らさせようと、その体を豊かに葉をつけたオレンの木の枝の上に乗せてやる。その直後、大きな羽ばたき音が聞こえたかと思えば、突如吹き抜けた一陣の風と舞い上がる砂埃に反射的に目を瞑り )

──けホッ…、なんだ今の……?
( 風がおさまるまでの数秒間を待ってから、軽く吸い込んでしまった砂煙に咳き込みつつ目を開く。ペロリームの姿が無いのだと言うハルカの慌てた声を聞いて自分も周囲を見回すが、先程まで近くに居たはずの小さな彼女はどこにも見えなくて。上方から届いた悲鳴のような鳴き声に、“まさか”と思いながらそちらを仰ぎ見ると──既に地上からだいぶ離れてしまってはいるが、上空に確かに見えたのは、今まさに飛び去って行こうとするオニドリル、そしてその脚に身体を掴まれたペロリームの姿で。 )
…!! まずい、早く追いかけよう!!

出てこいエアームド!あのオニドリルに追いついてくれ!
( ハルカに一声かけるとすぐにボールからエアームドを出し、その背中に飛び乗ってオニドリルの追跡を命じる。返事の代わりにバサリと大きく翼を広げたエアームドは、地面から飛び立つと自慢の高速飛行でぐんぐんスピードを上げていき、あっという間にオニドリルを攻撃圏内に収めるまで距離を詰め。すると追跡者の存在に気がついたらしいオニドリルは、獲物の横取りを狙われていると思ったのだろうか、その場で旋回すると“ドリルくちばし”を仕掛けて来たので、それを寸でのところで躱してこちらも旋回、正面から相手と向き合う形に。)
ッ、と、ぎりぎりセーフ…!

──ペロリーム!頭ひっこめてじっとしとけよ!…頼んだぞエアームド、“はがねのつばさ”!
( ペロリームを巻き込んでしまう危険性が伴う以上、できれば戦闘は避けたかったけれど、こちらに敵意を向けている野生ポケモンが相手となれば防戦一方では埒が明かない。攻撃技を命じるとエアームドはオニドリルの身体目掛けて硬い翼を打ち付け、野生なりに戦い慣れしているのか、今の一撃で自らが不利だと悟ったらしいオニドリルは、この場から逃げ出そうと片脚に掴んだペロリームをぱっと手放し。しかし解放された彼女を掴もうと伸ばした手は、その小さな体に届く僅か手前で空を切り── )
っく、やばっ……!


  • No.64 by ハルカ  2021-08-12 18:39:40 




うん……っ、……お願いオンバーン!ペロリームのところまで連れていって!
( 上空へと連れ去られたペロリームはオニドリルの足に掴まれ宙ぶらりんの状態になりながらも、悔しそうにジタバタともがいて悪あがき。そうして何とか脱出を試みようとしているのを地上でハラハラしながら見守っていたがどうにも危なっかしく、狼狽するばかりで。…しかし彼から掛けられた一声でハッと冷静さを取り戻すと、慌ててボールからオンバーンを出してその背に乗り指示を出す。オンバーンはボールから出た瞬間、視界に飛び込んできた光景を目の当たりにして直ぐ様状況を把握したようで、エアームドの後に続いてふわっと空へ舞い上がるとオニドリルの追跡に加わって )

オンバーン、オニドリルの下に回って!
( 凄いスピードで先を飛んでいくユウキとエアームドのコンビを信じ、オニドリルが彼らに気をとられているうちに自分たちはペロリームを奪還する作戦でいこうと考え、空中で繰り広げられている戦闘の邪魔にならないように下の方をぐるぐると飛び回って隙が出来るまで待機する。その渦中にいるペロリームは助けが来たことにホッとするのも束の間、戦闘モードに入ったオニドリルに怯えきり、ぷるぷる震えながら両手で顔を覆い隠していて。──そして、エアームドの強力な“はがねのつばさ”をくらって面食らったらしいオニドリルが戦意を失い、勝負は決まった。それと同時に彼女は宙に放り出されて… )

──ッおっとっと……!……怖かっただろうに、よく頑張ったね。
( 手で顔を覆い隠したまま上からひゅー…っと落ちてくるペロリームの真下に瞬時に移動して、彼女を両腕でしっかり受け止めると、その小さな体をぎゅーっと抱き締めてやり )


  • No.65 by ユウキ  2021-08-14 11:45:53 



ハルカ…! …よかったぁ……。
( 痛恨のミスに一瞬ひやりとしたけれど、自身がオニドリルと対面している間オンバーンと共に下方で待機してくれていたらしいハルカが、落ちていったペロリームを無事に受け止めたところを確認して一安心。はぁーっと胸の奥からたっぷり安堵の息を吐いて、エアームドの背の上で体勢を整えつつ、尻尾を巻いて逃げ飛んで行くオニドリルの後姿を眺める。今回は突然の出来事で図鑑に記録を収める余裕こそ無かったけれど、オニドリルもこの近隣に生息しているのであれば、この林のどこかに先程のポッポたちのように彼らの巣もあるのかもしれない。程なくして次なる獲物を見つけたのか、オニドリルが少し離れた林の中に再び降りて行ったのを見送ってから、エアームドに命じてハルカたちのすぐ横に並ぶよう高度を下げていき )

ごめんなペロリーム、危ない目にあわせちゃったな。……とくにケガは無さそうだけど…、念のためポケモンセンターで看てもらおうか。
( ハルカの手助けがあったからこそ結果的に助けられたものの、救出の為とはいえ危険な目にあわせてしまったことに変わりはないので、まずはそれを謝りつつペロリームの様子を伺い見る。不幸中の幸いか彼女が直接攻撃を被ることはなかったので、ざっと見たところ目立った外傷は無さそうではあるものの、念には念をとの考えからポケモンセンターへ立ち寄ることを提案。丁度下方にはコトキタウンの入口が見えており、その先にある赤い屋根をちらりと見下ろして )


  • No.66 by ハルカ  2021-08-16 20:49:38 




……オニドリルも何処かへ行っちゃったみたい。だからもう大丈夫。
( オニドリルのけたたましい鳴き声と、慌てたような羽音が徐々に遠ざかっていき、すぐに聞こえなくなった。戦闘時間こそ短かったが、その間にもエアームドとの力の差を理解して素直に認めたのだろうか、潔く引き下がってくれたようだ。何より逃がした獲物を深追いするタイプの個体でなくて本当に良かった。──腕の中にすっぽり収まった彼女の小さな背中を、安心させるように撫でながら優しく声を掛けてやる。するとトレーナーの声にぴくりと反応を示して漸く顔から両手を離し、辺りの状況をきょろきょろ確認するペロリーム。いつの間にか自分を連れ去った犯人の姿もなく、危険が去ったのを認識しては無事に生還したことに心からホッとしたようで、ヒシッとしがみついてきた。その後、戦闘を終え自分たちの居るところまで下りてきてくれたユウキとエアームドの方を向き )
ううん、二人ともペロリームを助けてくれてありがとう!あたしだけだったら大変なことになってたかも…。

( ペロリームも葉っぱ頭巾を被ったまま、ぺこりと頭を下げて感謝の気持ちを伝えている。彼らが居なかったら救出が遅れていたかもしれない、己の未熟さをひしひしと思い知らされた。それにしても何か事が起こってもすぐに行動できるのがユウキの凄さだ、自分はいつも後手に回ってしまう。一緒に旅が出来るこの機会に見習わないと……かつて燃やしたライバル心を再び燃やして、そう密かに心に誓った── )

うん、そうする。──あのポケモンセンターまでお願い!
( 見たところ外傷は無いが、荒っぽいオニドリルの足に掴まれた上にあれだけ振り回されていたのだ、何があるか分からない。念のためにポケモンセンターに寄ろうという彼からの優しい気遣いにこくこく頷くと、オンバーンに指示を出してゆっくり下降していき、ポケモンセンターの入り口前の開けた場所に着地。ペロリームを抱えたままオンバーンをボールに戻して )


  • No.67 by ユウキ  2021-08-20 12:26:15 



いや、オレのほうこそハルカたちが来てくれて助かったよ。ありがとな、オンバーンも。
( ハルカの腕に抱かれて少しずつ落ち着きを取り戻してきたらしいペロリームが、ペコッと自分たちに向かってお辞儀で感謝の気持ちを伝えてくれたので、少しこそばゆい気持ちになって指で頬を掻き。しかし実際のところペロリームをこうして無事に救出することが叶ったのは、彼女たちの助力があってこそ。今回の一件に一役かってくれたオンバーンにも感謝を伝えると、彼女は飛行の姿勢から僅かに頭を持ち上げて、微笑むように優しく目を細めてくれた。迷子クルミルの母親捜索ではペロリームに、今度はオンバーンにも助けられ、まだ出会って間も無い2匹をとても頼もしく感じる。もちろん、そのトレーナーであるハルカには元よりそれ以上に強い信頼を置いているけれど、欲を言えば自分がもっとかっこいいところを見せたかったんだけどな、と、先程の一件を振り返ってこっそり胸の内に呟いて。──ポッポたち一家の巣立ちや世話好きなハハコモリの親子、お腹を空かせて狩に励むオニドリルなど、さほど長くはない道すがらに新たなポケモンたちとの様々な出会いがあった101番道路を離れて、ハルカたちと並んでポケモンセンターの前に着地。エアームドをボールに戻してから、早速目の前の自動ドアを潜って中に入ろうとすると、 )
わっ、と…!

( 入り際、同時に「ありがとうございましたーっ!!」と快活な声をポケモンセンターの中へ投げながら数人の少年少女が飛び出してきたため、危うくぶつかりそうになって身体を横に避ける。大きなカバンを背負って元気よく駆けて行く彼らは、おそらく新米トレーナーだろうか。そんな彼らに昔旅立ったばかりの頃の自身を重ねて懐かしさを感じながら、屋内へと足を踏み入れれば、ポケモンセンター内は混雑とまではいかずともかなり賑わっている様子。この3年のうちに空港が建設されたり、近くの道路が整備された為だろうか、コトキタウンの町全体の様相は変わらずとも、昔よりも人が増えて賑やかになった印象を受ける。旅行客や地方外から来たと思わしきトレーナーも多いようだ。そんな感想を抱きつつ奥へ進んでいき )

「お疲れ様です!ポケモンセンターへようこそ」

ポケモンの治療お願いします。こっちのペロリームなんですけど…、
( にこやかに挨拶してくれる受付のお姉さんにカウンター越しに声をかけ、ハルカに抱かれるペロリームの顔にかかった葉っぱ頭巾をぴらりと捲りつつ、治療を依頼して )



(/お世話になっております。101番道路からコトキタウンへ場所を移しましたので、先の展開のご相談をしておくのに丁度いい頃合かと思いお声掛けさせていただきました。まだまだ短い旅路ではありますが、ここまで大変楽しく展開を広げてくださりありがとうございます!4匹目の手持ちペロリームちゃん、すごくハルカちゃんに似合っていて成程なあと思いました。ぜひともコンテストに出ていただきたい…!
そして近頃お返事が遅くなりがちで申し訳ございません…。少々私生活が立て込んでいまして、おそらく来週いっぱい、長くなれば来月中頃までこのような状態が続いてしまうかと思われます…。落ち着き次第また以前のペースに戻していけるかと思いますので、勿論1633様もご無理のない範囲で、今後ともお付き合いいただけましたら幸いです。
さて、今後の展開についてですが、せっかくコトキタウンを訪れましたので、この町で一つイベントを起こしたいと考えております。ご希望の展開、登場させたいキャラクターなどございますでしょうか?特に無ければそれでも構いませんので、ご回答のほどお願いいたします!)


  • No.68 by ハルカ  2021-08-22 18:57:57 




!わわっ…、
( 自動ドアをくぐる直前、自分たちと入れ違いにポケモンセンターから勢いよく飛び出して来た新米トレーナーとおぼしき数名の子供たち。彼らとぶつかってしまわないように慌てて身を翻し道を譲っては、ああだこうだと互いに自分の夢を語り合いながら先へと駆けていくあの子たちの姿につい見とれてしまう。期待に満ち溢れキラキラと輝く瞳、うきうきと弾む足取り……その姿はかつての自分を見ているようで何だか懐かしく思う。これから始まる彼らだけの冒険が素敵なものになればいいなと、ひっそり微笑んで見送ってから、彼に続いてポケモンセンターの中へと足を踏み入れては真っ先に受付へと向かい )

ミシロタウンから此処に来る途中でこの子、野生のオニドリルに捕まってしまって…。見たところ怪我はしてなさそうなんですけど、念のためによろしくお願いします。
( これまでの事情を簡単に説明しながら抱えていたペロリームを受付台の上にちょんと乗せ、バッグから彼女のボールを取り出すとそちらはトレーの上に置き、合わせてお姉さんに受け渡してぺこりと頭を下げてお願いし )

「わかりました、お預かりいたします。少しお待ちくださいね。」

( お姉さんは穏やかな笑顔でそう言うと、ボールの乗ったトレーと一緒にペロリームをキャスター付きのカートの上に乗せて運び、奥の部屋へと向かったようだった。別れ際、ペロリームが小さく手を振ってきたので此方からも振り返し、扉が閉まりきるまで彼女の姿を見送る。センター内にそこそこトレーナーが集まっているのをみると、ペロリームが診てもらえるまでに少しだけ時間が掛かりそうだけれど。 )



(/お声掛けありがとうございます、コトキタウンまでの旅お疲れ様でございました!ゲームの中だと数秒で通り過ぎてしまう101番道路で、細かな物語が紡げてとても楽しかったです。こちらこそありがとうございます!
コンテストいいですね!ハルカちゃんは初対面だと思うんですけど、ルチアちゃんにも会いたいです。
レス頻度に関してはお気になさらなくて大丈夫ですよ。こちらこそ今月に入ってなかなか時間がとれず、お返事が遅くなりがちで申し訳ございませんでした。こちらは落ち着きましたので、orasを再プレイしつつユウキくんとやりたいことなどを考えたりしてお待ちしますので、お手透きの際にお相手頂けるだけで十分でございます。ゆるく長く続けたいなあと思っております、よろしくお願いいたします……!
これからの展開についてですが、ポケセンでペロリームを診てもらっている間、ユウキくんとハルカちゃんで1対1のバトルをするのはどうかなと考えてみました。新米トレーナーたちの描写をいれてくださったので、いつの間にか彼らに見学されてたりして。ジュカインとバシャーモを久々に会わせたいなと思ったり…。バトル自体はユウキくんに勝っていただく流れで、いかがでしょう…?
そもそもゲーム中のポケセンでは♪チャンチャンチャカチャンッ!(伝われ)で全回復すると思うんですけど、ちょっぴりリアリティー出した方がいいかなどうかなと悩んだ挙げ句、上記ロルの流れにしたのですが大丈夫でしょうか…?問題ありましたら描写訂正いたしますので、1585様のご意見もぜひお聞かせくださいませ!)


  • No.69 by ユウキ  2021-08-24 23:51:36 



「どうぞ、こちら受付番号です。1時間後くらいにお戻りいただければ、お預かりしたポケモンをお返しできるかと思います。」

( ペロリームを奥の部屋へと運び終え、再びカウンターに戻って来たお姉さんから受付番号の書かれた小さな紙を差し出され、それを受け取り紙面を確認する。そこに書かれた番号は67番だけど、ちらりと見上げたカウンターの上、電光表示機に並ぶ“診察・治療中”の対象は52番から55番。お姉さんの話によれば、この後ペロリームに順番が回って治療が完了するまでに、だいたい1時間近くかかる見込みらしい。待合室の混雑具合からしても、確かにそれくらいの時間はかかりそうだ。 )

わかりました、何かあったらここにかけてください。よろしくお願いします。
( 急な連絡が必要になった時のためにと予めポケナビの番号を書きおいて手渡せば、「恐れ入ります。お待ちしております」とお辞儀をして見送ってくれるお姉さんに、こちらもぺこりと軽く頭を下げつつカウンターを離れて。さて、一旦外に出て時間を潰そうかと踵を返したところ、ふと目にとまったのはカウンター横に設置されたポケモンセンター備え付けのパソコン。預かりシステム利用時や、手持ちのポケモンを手放す際の手続きなど、様々な用途で使用されるトレーナー用のパソコンだ。研究所のパソコンに接続すれば直接図鑑のデータを博士に確認して貰うことも出来たはずだが、まだ報告を上げるには資料が物足りない気がするし…と一瞬迷ううち、そういえば、と思いついた提案を隣のハルカに投げかけてみて )
なあハルカ、さっき草むらで写真撮ってたろ。博士に送ってあげたら喜ぶんじゃないか?



(/コンテストパート、ライブ会場のある町を訪れた際にぜひお願いします!初対面のルチアちゃんに熱烈スカウトされ、あれよあれよと出場する流れになってしまうのがもう目に浮かんでしまいます…絶対かわいい…!
レス頻度に関しましてご理解いただき、また温かいお言葉をありがとうございます。本当にいつも楽しくお返事を読ませていただいていまして、すぐにレスを繋ぎたい気持ちでいっぱいなのですが、それが叶わずとてももどかしく思っています…。今後も様々な都合でレス頻度にムラが出てしまうこと多々かと思われますが、お言葉通りゆるく長く関係を続けていただけましたら本当に幸いでございます!
そして今後の展開についてご提案をありがとうございます!わーっ!1対1バトルの流れ嬉しすぎます…!!ぜひぜひお願いいしたいです。外に出ましたらそちらの方向で進めさせていただきますね。と、その前に道中ハルカちゃんがたくさんポケモンスナップしてくれていたので、オダマキ博士へ報告がてらデータを送ってみるのはどうかなと思いまして、上記描写を挟んでみました。
またポケセン描写につきまして、こちらとしても♪チャンチャンチャカチャンッ!(伝わりました!)ではなくリアリティのある描写の方がいろいろと展開に結びつけやすいので、今回の感じで今後もお願いしたいです。お気遣いいただきありがとうございます! )


  • No.70 by ハルカ  2021-08-25 21:39:05 




( お姉さんから説明を受けた後、彼が受け取った紙を横から覗き込んで診察番号を確認してから、頭上の電光表示機に並んだ番号と見比べてみる。すると、やはりペロリームが診察してもらえるのは当分先になりそうだった。…それにしても、内装は然程大変わりはしていないものの、以前訪れた時には全く混雑することもなく、それこそ田舎町の診療所のような雰囲気ですぐに治療してもらえたコトキのポケモンセンターも、人々の出入りが増えたらしい今では都会のものと同じ受付システムが導入されていて何だか慣れない。自然豊かなホウエン地方の牧歌的な風景を一目見たいと訪れる旅行客の数が年々増えていると父から聞いていたが、想像よりも発展していたようだ。──ナースキャップを被ったハピナス(助手のポケモンだろうか)が治療の為に訪れているポケモンたちのお世話をてきぱきこなしている様子を眺めながら待ち時間に何をしようか考えていると、ユウキから思わず声を掛けられて。そこで思い出したように両手をぱんっと合わせては提案に乗り )
あっ、確かに!時間もあるし、送っとこう。

( 早速カウンター横にあるトレーナー用のパソコンに歩み寄ると電源をオンに。そして立ち上がるまでの間にカメラの中から画像データの詰まったメモリーカードを抜き取り、パソコンが起動するとそれを差し込んで、自分のアカウントを呼び出してからデータを読み込ませる。研究所のパソコン宛のメールに、101番道路で撮影した画像を数点添付しつつ )
お父さんのことだからフィールドワークに出てたりして、いつ気付くか分かんないけど…、



(/そして例の衣装を押し付けられるんですね。(笑)初めはユウキくんとルチアちゃんの親しげな雰囲気に、一方的にもやもやしそうですが、最終的にはルチアちゃんと仲良くなっていそうです。
そう仰っていただけてとても嬉しいです!お互い無理のないように楽しむのを前提として、今後とも一緒に、ユウキくんとハルカちゃんの友達以上恋人未満な関係を見守りながら旅を続けていければと思います。
やったーっ、ありがとうございます!それでもし良ければ、ハルカちゃんからバトルに誘いたいのですがよろしいでしょうか…?ライバルから勝負をしかけて主人公に負けるという従来の流れに則った(?)バトルをやりたいなあと考えておりまして。
ハルカちゃんのことを勝手にカメラ好き女子に仕立てあげてしまいましたが、それを活かす流れを作ってくださりありがとうございます!それから描写の件も承知しました。この他にも、ゲーム内では簡単な表現がされている部分の中にリアリティが欲しいなと感じたところがありましたら、またこのような感じで描写致しますね。)


  • No.71 by ユウキ  2021-08-29 10:47:13 



( ハルカが手馴れた操作でパソコンを起動して、画像を選別しながらメールを作成していく様子を隣から眺める。被写体が動き回る野生ポケモンであるから、連続で撮影された写真の中にはブレの激しいものもあれば、奇跡的なベストショットを収めているものも。こうして実際にポケモンたちが活動する様子を写真に残す方が、図鑑のデータよりもぐっと実態に近づける気がするし、博士も満足してくれるに違いない。 )

……オフラインになってるし、本当にフィールドワークかも。送っとけば気づいたときに返信くれるんじゃないかな。
( アカウント起動中、オンライン状態の時には名前の横に在籍状態が表示される仕組みになっているのだが、見たところ今は研究所のパソコンは起動されていないようだ。恐らくハルカの予想通りフィールドワークに出掛けてしまっているのだろう。出掛けたさきでまたポチエナにでも追われていなければいいけれど……なんて昨日研究所を訪れた際の出来事を思い返しつつ、待っている間の手持ち無沙汰を紛らわそうと、ふとパソコンの傍らに置かれたハルカのカメラを手に取る。それをくるくるひっくり返して一通り観察してから、持ち主に差し出して )
それにしても、よくカメラなんて持ってたな。それも結構良いやつ。自分の?



(/例の衣装も恥ずかしがりながら着て欲しいです(笑)もやもやハルカちゃん可愛すぎる…!そのうち徐々にハルカちゃんに男性ファンが付くようになって、今度はユウキくんがヤキモチ妬く番になるだろうなあと思いました!
そう言っていただけることで本当に救われています…!今週がかなり山場だったのですが、今後は少しずつ落ち着いてくるかと思います。一週間以上とか、長めにお返事が遅れる際はなるべく事前にご連絡するようにしますね。どうぞ今後とも引き続きよろしくお願いします。
ハルカちゃんからのバトルのお誘い、まさに本編ライバル戦のトレースで大変胸アツです…!それでは今回はお言葉に甘えてお任せさせていただきますね。
写真撮影というとても素敵なアドリブを入れて下さったので、今後の展開でもぜひ応用させていただきたいです。旅を終える頃には思い出のたくさん詰まったアルバムが出来上がればいいなと思ってます!描写についてもご承諾いただきありがとうございます。ゲーム上のシステム的な面を好き勝手に解釈入れつつ現実に落とし込む感じ(?)が結構好きなので、時々やりすぎてしまうところがあるかもしれないのですが、分かりづらい部分がありましたら都度教えてくださいませ…!
それでは他に擦り合わせの必要なところが無ければ、こちら下がらせていただこうかと思うのですが、他に何か確認しておきたい事などございますでしょうか? )


  • No.72 by ハルカ  2021-09-01 17:43:35 




( 画像を添付したメールに《 件名:101番道路にて 本文:早速新しいポケモンに会えました 》と簡単な文章を添えて、ピカチュウ型のマウスで[送信]ボタンをクリック。すると、送信中を意味するペリッパーのアイコンが何処かへ飛んでいくモーションが流れ、──無事送信が完了した。研究室を不在にしがちな父のこと、いつこのメールに気が付くかは分からないが、また次にパソコンに触れる機会があればその時にでも確認してみよう。…それからデータの空き容量を確保する為に、あまりにもブレが酷いものは削除しておく。逆にブレが味になっていると感じるものは残しつつ…。すぐに作業を終えるとパソコンの電源を落とし、忘れないようにメモリーカードを抜き取って、彼から差し出されたカメラを受け取りながら )
えへへ…、うん。ちょっとしたアルバイトをしてお金を貯めて買ったんだ。

……カロス地方のジムリーダーで、ポケモン専門の写真家でもあるビオラさんっていう人に、むしポケモンについて話を聞くために会いに行ったことがあるんだけど、その時に見せてもらったビオラさんの作品がすっっごく素敵だったから、あたしも写真撮ってみたいなあって思って…。アルバイトは、ビオラさんのお姉さんがジャーナリストをしてるんだけど、研究の合間にそのお手伝いをさせてもらったの。
( 当時カロスでビオラの写真を見た瞬間、ポケモンたちやその世界の美しさに深く感銘を受けたことを思い出し、瞳をきらきらと輝かせながらユウキに事の経緯を説明しては、思い入れの深い大事なカメラを一撫で。そしてメモリーカードを再び差し込み、首から紐を下げてカメラを身につけると彼に向き直って )
──待っててくれてありがとう、ユウキくん。
それでもし良かったら、ペロリームの診察が終わるまで結構時間あるし、久しぶりにコトキを見て回るのなんて、どうかな…?



(/なんて可愛らしい展開!互いにモヤってる2人、尊いです。
ご丁寧にありがとうございます。こちらも長い間お返事が遅れそうなときには、予めご連絡差し上げますね。
ご了承いただきありがとうございます、次レスあたりで早速バトルを申し込ませていただきますね!!!!このあと時間潰しのお散歩を名目に外に出ましたら、自由に利用可のバトルフィールドを見つける流れにしたく思います。あああバトル楽しみ過ぎます……!
いいですね、アルバム。何処か景色のいいところでユウキくんとハルカちゃんと、2人並んで写真を撮って欲しいところ……!
システム面でもうひとつ、ゲームだと四次元ポケット仕様の彼らのバッグにも、少し現実味を持たせたいなあと考えております。自転車は持ち運び難しそうですしサイクリングロード付近でレンタルするとか、コンテストの衣装やその他かさ張りそうなものは、荷物預かりサービスだったり宅配サービス的なものがあることにして(ご都合主義)それを利用するとか。こちらも今後、好き勝手な解釈を好きに盛り込んでいきそうなのですが、こうしたほうが良いと感じるところ等ありましたら都度アドバイスをいただいて、意見を擦り合わせていければと思います。
この他には今のところ何も思い付かないので、こちらも同じく一旦引っ込みますね。また何か思い付きましたら飛び出して参ります。それでは引き続き、よろしくお願いいたします。)


  • No.73 by ユウキ  2021-09-06 09:26:47 



えっ、研究所の手伝いの他にアルバイトまでやってたのか?なんていうか…やっぱりすごいなハルカは……。
( メールの送信後、データ整理など一通りの作業が完了するのを見届けた後、手渡したカメラを受け取ったハルカがそれを入手するに至った経緯を話してくれたのだが、その内容に驚きを隠せずつい聞き返す形に。カロス地方のポケモン研究家であるプラターヌ博士の下で研究の手伝いをしているとは聞いていたが、それに事足らずまさかアルバイトまで掛け持っていたなんて。自分の知らない3年間のうちに、立派に社会経験まで積んでいた彼女の成長ぶりに改めて感心すると共に、瞳を輝かせて嬉しそうにカロス地方の思い出を語るハルカを見ていると、なんだかつられてこちらまで嬉しくなってきて、彼女が心奪われたと言うジムリーダー・ビオラの作品とやらにも興味を引かれ )
そんなに良い写真なら俺もいつか見てみたいな。そのビオラさんって人とも戦ってみたいし!

( とはいえ、やはりその人物が“ジムリーダー”だと聞けば関心が向いてしまうのはポケモンバトルの方。まだ踏んだことの無いカロスの地に思いを馳せつつ、いつか本当に訪れることができたなら、その時もまた──なんてぼんやり考えているうちに、ハルカの身支度が整ったようだ。コトキの町を見て回ろうという彼女の提案に乗ることにして、一つ頷くとパソコンの前を離れて再び出口へ足を向けつつ )
うん、賛成。そういえば、ハルカは昨日コトキから帰ってきたんだっけ。オレ、新しくなった空港の方ってまだ行ったことなくってさ、案内してくれよ。



(/わーい!この後のバトルも、今後先々の展開もすごくすごく楽しみです!!写真に収めつつ思い出をたくさん作っていきましょうね!諸々承知いたしました、それではこちらも一旦下がらせていただきますね。※折り返し不要です! )


  • No.74 by ハルカ  2021-09-08 23:12:37 




ユウキくんとビオラさんのバトル、あたしも見てみたい!迫力ありそうだし、いい画が撮れそうだもん。
( ポケモンバトルが大好きで、ホウエンチャンピオンの座に上り詰める程の実力もあるユウキのことだから、そう遠くない未来にその“いつか”を実現することだろう。…この旅が終わったら。じっとしていられない性分の彼ならば、新天地を求めてきっとまた旅に出るはず。今は行動を共にしているけれど、その時はまた──なんて、この旅だってまだ始まったばかりだというのに、一瞬寂しさを感じそうになり慌てて思考を変える。そうして元気に受け答え、いつもと変わらない笑顔を添えて )
もちろんっ!… それじゃあまずは空港に向かって、しゅっぱーつ!

──?昨日は気付かなかったけど、あんなところにバトルフィールドが出来てる。
( ポケモンセンターを後にして、空港に向かって足を伸ばす。昨日は到着してすぐに思い出の池へと向かったこともあり、コトキ内をゆっくり見て回らなかったので新鮮な気分だ。──空港へ向かう途中、新設されたフリーのバトルフィールドだろうか、見慣れないスペースが視界に飛び込んできた。現在は人通りも少なく、ポケモンバトルも行われていない様子である。…そこでふと、まだ修行帰りのユウキと手合わせしていないことを思い出すと、彼のほうを見遣って無邪気な笑顔を浮かべ、この機会にと1つ提案を持ち掛けて )
そうだ!……ねっ、ユウキくん。久しぶりにしようよ、ポケモンバトル。
ジョウトとカントーを旅して、ユウキくんが何を感じたのか、どれだけ強くなったのか、あたしに教えて欲しい!1対1の真剣勝負で…!


  • No.75 by ユウキ  2021-09-12 10:44:32 



( ハルカと連れ立ってポケモンセンターを出てから、新設されたばかりの空港の方へと歩を進めていく。その道すがら、横を駆け抜けて行った小さなトレーナーたちが「最初のジムバッジを手に入れたら、また勝負しようぜ」「次は負けないからな!」などと会話する声がすれ違いざまに聞こえてきて、どこかでポケモンバトルをしてきたところだろうかと予想する。彼らはきっとこれから何度も勝負を繰り返して、勝って負けて引き分けて、互いに切磋琢磨しながら成長していくんだろう。自分も彼らと同じ駆け出しの頃、幸運にもそういう相手に恵まれていた。──一度目は博士から貰ったばかりのキモリと一緒に、103番道路で初めてのバトル。二度目はジムバッジを2つ手に入れて一人旅にも慣れてきた頃、110番道路で。三度目は天気研究所の騒動の後に、そして四度目は旅の終盤、ミナモシティを訪れた時だったか。あの頃には既に、大きな事件に深く関わりすぎて後へ引き返すことが出来なくなっていたから、勝負の後で一度ミシロへ帰るのだと笑って去って行った彼女をなんとなく遠くに感じてしまって、恐らくこれが最後の勝負になるんだろうとどこか寂しさを覚えたものだった。だから尚更、そんな予想を覆して、リーグ優勝後に103番道路で交えた一戦は自身の中で特別なものとなっている。そして、それが本当の最後の勝負となり、こうしていつの間にか3年もの年月が経過してしまった。多分この先もずっと、あの頃の様にライバルとして正面からポバトルをすることはないんだろうな──そんなふうにぼんやりと考えながら歩いていると、隣でハルカが何か気になるものを発見したらしく、少しだけ俯きかけていた顔を上げてその視線の先を追うと… )
……本当だ、それも結構ちゃんとしてるやつ。前はあんなの無かったのにな。

( 彼女が見つけのはどうやらポケモンバトル用のバトルフィールドで、リーグ規定の公式戦で使用されるコートと同等程度の広さはあるようだ。見たところ飛行場の滑走路脇の余ったスペースを活用して作られたものらしい。あの少年たちも、もしかするとつい先程までここでバトルをしていたのかもしれない。自分が旅をしていた頃にも同じものがあったらよかったのに。今の世代のトレーナーたちを少し羨ましく感じながらも、歩を止めずそのまま前を通り過ぎようとすると、ハルカから思いがけない提案をが飛んできて、耳を疑いつつ顔をそちらへ向け )
………っ、ハルカ……。

( 驚きのあまり、きょとんとした表情で固まったまま数秒。しかし最初にバトルに誘ってくれた時と変わらない彼女のその無邪気な笑顔を見ているうちに、勝手に諦めてしまっていた先程までの自分がどうしようもなく馬鹿馬鹿しく思えてきて。胸の奥からきゅーっと込み上げる嬉しさを噛み締めたのち、一つ頷いてから真っ直ぐに向き合い )
──……ああ。バトルしようハルカ!
オレ、全部教えるからさ、ハルカも全力でぶつけてきてくれとかよ。カロスでどんなにポケモンのことをたくさん知って、そして強くなったのか、この勝負で教えてくれ。


  • No.76 by ハルカ  2021-09-17 00:27:37 




(/いつもお相手いただきありがとうございます。ご連絡差し上げるのが遅くなりましたが、取り急ぎ背後のみ失礼致します……!
今週に入ってからというもの、落ち着いてお返事を考える時間がとれずに大変お待たせしております。ゲームしながら待ってるぜ、なんて悠長なことを言っておきながら寧ろお待たせすることになってしまって申し訳ございません……!
土日にはお返し出来ますので、もう暫くの間お待ちいただけますでしょうか。本当に申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。)


  • No.77 by ユウキ  2021-09-17 21:57:45 



(/こんばんは。こちらこそいつも大変お世話になっております。また、お忙しいところわざわざご連絡いただきありがとうございます!
なんとなく今週はお忙しいのだろうなとお察ししておりました…!こちらとしてはもう全然、お時間にゆとりのある時にお返事いただくだけで充分ですので、どうかお気になさないで下さい。などと言っている自分の方がいつもお待たせしてしまっている身ですので、偉そうなことを言えた義理ではないのですが…!
本当に少しでも長くお付き合いいただけたらいいなと常日頃思っておりまして(めちゃくちゃ重くてすみません…)、だからこそご無理をさせてしまうのはまったく本意ではありませんし、その時々の一番楽なペースでお返事いただけたらと思います。気長にお待ちしていますね!)


  • No.78 by ハルカ  2021-09-19 10:02:05 




うん!……カロスで過ごした3年間で得た知識や経験。それから更に強くなったあたしたちのキズナ、見せてあげる!
( 突然ポケモン勝負を仕掛けても、彼ならきっと応えてくれると信じていた。以前の旅でも行く先々で彼の姿を見掛けては、互いの成長報告を兼ねていきなりポケモン勝負を挑んだりしたものだが、その時も躊躇うことなく絶対に申し出を受けてくれたからだ。昔からあまりポケモンバトルが得意ではない自分が彼に勝った試しはたったの1度もないし、負けたのが悔しくて雨に紛れて泣いたこともあったけれど、それでも彼とのバトルは毎回心が踊った。……そして今もまた。久し振りに行うユウキとのバトル。他ならないライバルは、他地方での修行を重ね、以前にも増して強くなっていることだろう。かといって此方も身のある3年を過ごしてきたのだ、実力差があろうともそう易々と負けるつもりはない。自分の中でピリピリと、何かが張り詰めていくのを感じていた。 )

( 見晴らしのいい滑走路近くの、クレイが利用されたバトルコート内に足を踏み入れ、真新しいフィールドに目を張りながらセンターサークルを目指してずんずん進んでいくと、ところどころ凸凹している箇所が目につく。まるでちょっと前までバトルが行われていたかのような有り様だ。もしかしたら此処に来る途中ですれ違った駆け出しトレーナーたちが刻んだ戦いの跡かもしれない。──さあ、次は自分たちの番。1対1の勝負でユウキを相手に選出するとしたら彼女しかいないと、バッグから一番付き合いの長い大事な相棒の入ったボールを取り出す。そして気合いは十分といった面持ちで思いっきり振りかぶり )
出番だよ、バシャーモっ!

( そうして開かれたボールの中から待ってましたとばかりに威勢良く飛び出してきたのは、トレーナーになって初めてパートナーになったアチャモの最終進化系、もうかポケモンのバシャーモ。軽やかな身のこなしで地に足をつけた彼女は、ボールの中で会話を聞いていたのか全て理解しているようで、バトルに備える為に辺りをぴょんぴょん飛び跳ねたり体を伸ばしたりして早速アップを始めた。その毛並みは普段から手入れをしている甲斐もあって艶々だ。腕に着けているメガバングルにそっと触れ、ユウキがポケモンを繰り出すのを心待ちにし )



(/連絡がかなり遅れた上、更にお待たせしてしまったにも関わらず、寛大なご対応とお優しいお言葉をありがとうございます。本当にありがとうございます……!こちらこそどうか出来るだけ長く太く(?)お付き合いいただきたいと考えております。今後ともよろしくお願いいたします!※此方への返信は不要ですので読み飛ばしてくださいませ!)


  • No.79 by ユウキ  2021-09-21 11:37:34 



( 最早その機会は無いかもしれないと諦めていたハルカとのバトル、遠い地で積み重ねた3年間分の経験値のぶつけ合いに、胸が弾まない訳がない。新設されて間もなく、それでいてしっかりと使い込まれた形跡も残されたフィールドを歩きながら、途中爪先でその表面をトントンと蹴って状態を確かめておく。センターサークルを挟んで対面すれば、バトル前特有の心地よい緊張感と高揚感に満たされて、ゆるやかに脈拍数を上げる心臓を宥めるように胸に拳をトンッと当てる。それから真っ直ぐにハルカと視線を交わした時、サアッと強い風が吹いてフィールド周りの芝生が一斉に揺れ、往来を行く人々の声が遠のく感覚がした。先行して繰り出されたのは、予想通り彼女の一番の相棒であるバシャーモ。ハルカと共にカロスを旅してきた彼女は間違いなく昔よりも成長していて、逞しさに加え凛とした雰囲気をも感じさせる。──さて続いてこちらの番と、ベルトのホルダーから迷わず選びとったそのボールは、早く外へ出してくれと言わんばかりに内側からカタカタと揺れ、どうやら先に出されたバシャーモの気配を感じ取っているらしい。そのやる気に応えるようにギュッと強くボールを握ってから、振りかぶって勢いをつけ前へ投げ出し )
──行ってこい、ジュカイン!

( ハルカにとってのバシャーモ同様、最初のパートナーであり今でも一番の相棒である、みつりんポケモンのジュカイン。1対1のバトルと聞いた時から、この舞台に相応しいのは彼しかいないと決めていた。高い位置でボールから飛び出たジュカインは地面へ軽やかな着地を決めると、両腕を広げて気合いの籠った一鳴きの後、対面するバシャーモを鋭い眼光で見据えている。それから肩越しにチラリとこちらを振り向いた彼と一度アイコンタクトを取ってから、目線をもう一度対面の彼女へと向け、片手を上げて合図を送り )
こっちはいつでも良いぜ!


  • No.80 by ハルカ  2021-09-27 19:42:08 




( 久し振りに顔を合わせたジュカインは、まだ場に繰り出されただけだというのに他を圧倒するようなオーラを漂わせている。以前にも増して自信と威厳に溢れ、王者の貫禄さえ身に付けているようにみえた。バシャーモも、彼女にとってのライバルである彼を一目見るなりその成長を感じたらしく、緊張からか背中の羽毛が少し逆立ってきているのが分かる。そんなバシャーモを落ち着かせるために、また同じように緊張している自分に言い聞かせるように、相棒の背中に優しく声を掛けて )
……大丈夫。あたしたちだって、前よりずっと強くなってるんだから。ユウキくんとジュカインに見せようよ、あたしたちの全力……!

それじゃいくよっ!………メガシンカ!
( ジュカインをしっかり見据えたまま小さくこくりと頷いたバシャーモは、トレーナーからの声掛けにより心を決めたようだった。ユウキとジュカインも既に準備は整っているようで此方に向かって合図が送られてくる。此方からも対面に向かってぶんぶん手を振って反応を返し、それから大きく深呼吸をした後、覚悟を決めてメガバングルを装着している腕を空に向かって高々と掲げた。その途端、キーストーンから真っ白な光が溢れ出し、バシャーモが首から下げているメガストーンと共鳴して眩い光が彼女を包み込んでいく…──進化に次ぐ進化。光から解放されたバシャーモはメガバシャーモに姿を変えていた。 )

先手必勝!バシャーモ、“でんこうせっか”!
( 力のみの真っ向勝負で挑んだところで力業が通用する相手でないことは、これまで幾度と戦ってきたライバルだからこそよく知っているつもりだ。そこで先手を仕掛けようと判断し、初手の技には先制が出来るものを選んで待機中のバシャーモに指示を出す。トレーナーから指示を受けるなり自慢の脚力を活かして力強く地面を蹴り上げたバシャーモは、堂々たる様で構えているジュカイン目掛けて物凄い早さで突っ込んでいき、その身を相手に叩き込もうと一気に距離を縮めていって )


  • No.81 by ユウキ  2021-10-05 12:15:01 



(/お久しぶりでございます。お返事を返せないまま気がつけば一週間経ってしまっており、急ぎご連絡に参上した次第です…!先週から今週にかけて身の回りが少々立て込んでしまい、時間が取れずにおりました…。本来ならもっと早くにご連絡差し上げるべきだったのですが、ずるずると後回しにしてしまった結果こんなに遅れてしまうことになり、本当に申し訳ありません。今週末にはお返事できる予定ですので、もう暫しお待ちいただければ幸いでございます。(私事ですが今週さえ乗り切ればもう少し余裕ができる予定です…!)取り急ぎご連絡のみ失礼いたしました。)


  • No.82 by ハルカ  2021-10-06 23:43:30 




(/こんばんは、お久しぶりです。お忙しいなかご丁寧に連絡くださりありがとうございます!こちらこそなかなか納得のいく文面が思い付かずに前回レスでまたもお待たせしてしまっておりますし(後だし謝罪になりますが本当に申し訳ありません…!)、またこの時期は何かと忙しかったりしますし、どうかお気になさらないでください。こちらは全然大丈夫ですので…!
バトルの展開など想像しながらのんびりとお待ちしておりますね!)


  • No.83 by ユウキ  2021-10-10 11:30:33 



来るぞ、受け止めろジュカイン!!
( ポケモンとの強固な絆が発生条件となる特殊な強化形態、“メガシンカ”。本気で戦うと宣言した以上、彼女なら初手からそれを使用するだろうことは予想できていた。試合開始直後、メガシンカを遂げたバシャーモが最初に繰り出した技は、確実に先攻を取れる“でんこうせっか”。ジュカインが苦手とする炎技では無いのを良いことに、その力を測る目的のもと敢えて直接受けに行かせる。バシャーモお得意の足技を交差させた2本の腕で受け止め、数秒の押し合いの末どうにか倒れずに払い除けたジュカインは、しかしその場で踏ん張りきれず後ろへ2、3歩よろめいた。純粋な攻撃力を犠牲に素早さを重視した速攻技にも関わらず、確かに重たい一撃。メガシンカによる単純な増強だけがその理由でないことは分かる。元よりその気はないけれど、やはり侮れない。そう感じたのはどうやら相棒も同じらしい、己の持てる力全てを以てライバルに挑みたいと、その横顔が言っている。 )

わかってるさジュカイン、オレも同じ気持ちだ。本気で行こうぜ!……メガシンカ!!
( 彼の熱い闘志に応え、顔の高さに掲げた左手首のメガバングル、その中央に輝くキーストーンに指を添えれば、それに呼応してジュカインの首元のメガストーンから青白い光が放たれる。──進化を凌ぐ進化。光が散った後、立ちのぼる砂煙の中から針葉樹のような大きな尾をバサリと振り下ろし、より鋭利で逞しい姿へと変貌したジュカイン、否、メガジュカインが姿を現して。 )

しっかり狙っていけよ、“ドラゴンクロー”!!
( バシャーモは機敏な身のこなしの出来るポケモンだが、その点においてはジュカインとて劣るつもりは無い。加えて通常時よりも格段にスピードが上がっているメガジュカインの今ならば、どれだけすばしっこい彼女の動きにも充分対応出来るはず。早速最初の一撃をあてに行きたいところだが、相性の悪いくさタイプの技を選んだ場合、確実に弱点に打ち込まなければ攻撃としてほとんど意味を成さないだろう。まずは様子を見るつもりで、多少ポイントがずれても確実にダメージを与えられるドラゴンタイプの技を選択。指示を下せば今度はジュカインがバシャーモの方へと真っ直ぐに向かい、その鋭い爪を振りかざし )


(/長い間お待たせしてしまってにも関わらず、いつもながら温かいお言葉をくださり本当に恐縮です。ご報告申し上げた通り身の回りが落ち着いてきましたので、今後は少しづつペースを上げていけるかと思います!自分自身ポケモンバトルがとてつもなく弱いので、展開におかしな点などありましたら随時ご指摘いただければ幸いです…!引き続きよろしくお願いいたします。※折り返しお気遣いなくです。 )


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