☆ 2021-07-01 18:33:10 |
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わっ、……ハハコモリ!やっぱりここに居たんだ。クルミル、ちゃんと母さんに会えて良かったな。
( ようやく会えた母親に抱かれ嬉しそうに鳴くクルミルと、細長い両腕で抱えた我が子を穏やかな眼差しで見つめ、歌うような鳴き声で何かを言い聞かせるハハコモリ。無事に再会を果たした母子2匹のあたたかな光景を一安心しながら眺めていると、ふとハハコモリが何かを気にする様子でこちらに顔を向けて、じーっ…と見つめるその視線の先は、ハルカの足元にちょこんと立っているペロリーム。興味津々といった様子でまじまじと観察するような眼差しを注ぐと、まだ甘え足りない様子のクルミルを一旦傍らの切株の上に下ろしてから、自身の葉っぱの服の合わせ目の辺りをごそごそと探り、取り出したのは大きな一枚の葉で作られた頭巾のようなもの。何をするのかと思えばそれでペロリームの頭をすっぽり包み込み、器用に顎紐(?)をきゅっと蝶蝶結びにすると、クルミルやケムッソと同じ装いに。 )
へえ、クルミルとおそろいだな。似合ってるよペロリーム。
( ハハコモリは手製の頭巾を被せたペロリームを見て穏やかに微笑み、自分の子を愛でるようにその頭を撫でると、もう満足がいったらしく再びクルミルを抱き上げて。そして胸の辺りに手を当てこちらにお礼を述べるかのような一鳴きの後、くるりと背を向け、葉の裾をひらひら揺らしながら茂みの奥の方へと帰っていく。 )
じゃあな、もうはぐれるなよー!……おっと図鑑、図鑑っ!
( そんな親子を見送りつつ、忘れかけていた図鑑の記録を思い出し、ハハコモリの姿が見えなくなる前にその背にレンズを向ける。──図鑑の説明によれば、こそだてポケモンのハハコモリは幼いポケモンを見ると服を作ってあげる習性があるとのこと。先程のハハコモリはよっぽど服を作るのが好きなのか、はたまた母性本能がひと一倍強いのか、おそらく自分の子ども以外のポケモンたちにも手製の服を配り歩いているのだろう。……しかし先程から片腕に抱いたままのケムッソは、そんなことはお構い無しといった様子で、その服に使われている葉っぱをもしゃもしゃと頬張ってしまっており )
あー、おまえなぁ……。まあ、ケムッソからしてみれば葉っぱは葉っぱなのかな……。
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