☆ 2021-07-01 18:33:10 |
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うーん……、もしオレたちが何かしら博士を手伝うってことがあるとしたら、やっぱりコレだよな。
( ハルカの考察を受けて少し考えを巡らせた後、その結論としてポケットから取り出したのはポケモン図鑑──即ち、それの意味するところは“ポケモンの情報収集”。近頃はめっきり使用頻度が落ちていたそれを久しぶりに起動して、先程から顔にクリームを付けたままぴょんぴょことキノガッサの回りを跳ね回るマリルリ──ハルカに貰って初めて口にした甘いポフレが余程気に入ってしまったらしい──にレンズを合わせると、軽やかな電子音の後で『No.057 マリルリ みずうさぎポケモン』と画面に表示され、“みずうさぎ”が一体何なのかは知りもしないのに、何故かその学術分類が今の彼の姿に最もしっくりくるような気がする。博士が一体何を話すつもりなのか定かでない今は予想の範疇を出ないが、仮に何か依頼を受けることがあるとすれば、きっとこの図鑑に纏わる内容に違いないだろう。)
「いや~。お待たせ、お待たせ!はい、研究所にはこんなものしか無くてね……」
あっ、 ありがとうございます…、
( 慌ただしく戻ってきた博士は研究資料らしき書類の束を小脇に挟み、そうして無理矢理空けた両手で氷入りのミックスオレの入ったグラスを二つ持ってきてくれたらしい。並んで座る二人の前にそれらをコトンと置くと、向かい側の席について卓上で両手を組み、改めて二人の顔を交互に眺めてはニコッと微笑み )
「……こうして顔を見ただけでよくわかるよ。今日まで君たちがどんなにたくさんの経験を重ね、成長してここへ帰って来てくれたか。やっぱり、私がこの仕事を頼めるのはハルカ、そしてユウキくん、君たち二人を措いて他に居ないだろう。」
な…っ、何ですか急に改まって。全然話が見えないんですけど。
( 何やら仰々しい前置きに思わず身構えてしまう。それに、自分の中で第二の父のようにも感じているオダマキ博士からこうも真っ直ぐに評価されること自体純粋に照れ臭く、眉間に浅く皺を寄せつつ少々ぶっきらぼうな物言いで先を急かすと )
「ははは!すまない、ちょっと気分が盛り上がってしまったかな。……早速だが、本題に入らせて貰うよ。
あの3匹を見て驚いただろう。さっきユウキくんが言った通り、彼らはこの地方では野生の生息が確認されていなかったポケモンたちだ。──3年前まではね。
君たちがそれぞれ他の地方へ旅立ったすぐ後、少しずつ野生ポケモンの生息場所に変化が現れだした。今までその地域じゃ見かけなかったようなポケモンが、1匹2匹どころじゃなく群れでも発見されるようになったんだ。例えば…そうだな、ナマケロがカナシダトンネルよりも西側で多く見られるようになったり。研究の結果、間違いなくホウエン全体の生態系が変化していると結論づいたが……、それらの変化は、まだまだ序の口に過ぎなかった。」
( 手元の資料のうち数枚を卓上に並べながら進められていく博士の説明に耳を傾け、彼が最後に取り出したホウエン地方全体をうつした地図に目を落とす。紙面に描かれたその姿を見ただけで、旅の思い出と共に、どの場所でどんなポケモンたちと出会ったかが鮮明に思い出される。最早その記憶も役に立たないほど、この地方の生態系は変化している──突然告げられた事実にまったく現実味を持てないまま、おもむろに立ち上がってデスクの方へ歩いていく博士を目で追っていると、彼はガーディたちのボールが収まったボールボックスの蓋を開け、 )
「この3匹はね、なんとこの地方で見つかったタマゴから孵ったポケモンたちなんだ。これの意味するところがわかるかい?」
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