日ノ本に残花 〆

日ノ本に残花 〆

梔  2019-05-10 21:27:49 
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  • No.21 by 榊 誠  2019-06-06 23:01:01 


>>梔

(愚問だ、とまだ整理しきれない頭でそれだけははっきりと思う。彼を、梔を信用できるか、そんなもの聞かれるまでもない。予期せぬ彼の言動に停止していた思考が茉莉花の問いによって少しずつ動き始めると同時に心がすっと冷えていく。驚きで瞬かせていた双眸を細めて、茉莉花の問いに答えることもそちらを見ることも一切せずに平伏する彼をただ黙って見下ろし。…十秒後、カツンと靴音を立てて彼とのほんの数歩の距離を縮めると片膝をついて、「…梔、頭を上げて。」とやや低声で命ずる。彼が自ら顔を上げる前にその白い頬に手を添えて顎先に指を滑らせると上向かせ、焦がれてやまない紫眼が見えたとき、優しく慈しむような眼差しを向けて「君は、たまに馬鹿になるよね。俺がそんなことで君を咎めないのは君自身も分かってると思ったけど。…まあ流石にずっと疑われてたら寂しいくらいには思うけど結果信じてくれたんでしょ。なんの問題もないよ。それにすぐ報告しなかったのは君のことだから俺の体調を気遣ってのこともあるだろうし…。……ごめん、一人で辛い思いをさせたね。」眉尻を下げて顎に添えていた手で少しでも彼の心が晴れるようにと艷やかな髪をやんわり撫でる。きっと彼は自分の想像する以上に苦しんでいるはずだ。彼の親、そして先代から賜った大事な愛刀。思い入れも深いだろうそれらを失くした彼の心境は計り知れない。病み上がりの身体で朝まで奔走して…、やりきれない思いで優しく彼の髪を撫で続け、そう優しく接する裏側で己の心はざわりざわりと底冷えしていた。何も知らずに罪のない彼を追い込み此処までさせた己の愚鈍さと不甲斐なさに。そして、───「茉莉花、……何か知ってるね?」常の声、だが地を這う怒気と冷酷さを秘めた問い。瞳は一切笑っていない。目の前の彼にはその表情が見えているだろう。さらりと彼の髪を撫で終えながら立ち上がると、茉莉花の正面に立ち、最初に問われてから初めてその双眸と目を合わせ「…答えてくれるね。時間がないんだ。」と茉莉花の瞳を暗く射抜いたまま緩やかな微笑みを携えて。……此れは鎌掛け。茉莉花が何か知っているなんて確信はない。ただその声と弟に向ける態度からほんの些細な違和感を覚えただけ。何も無かったとしても茉莉花の弟に対する発言は許せないものがあった。茉莉花を見据えたまま答えを促すように僅かに首を傾け微笑みを深くして。)



(/度々すみません。背後が失礼します。今回ふと思ったのですが梔さんのご両親は存命なのでしょうか?本当にふと思っただけで何も考えていないので、ざっくりでいいですしまだ追々考えていくようでしたらそのように教えていただけたらと思います!)

  • No.22 by 梔  2019-06-07 23:27:52 


榊>>
(近付く靴音に身を強ばらせたものの、それも一瞬。諦めに近かった心境も、彼の細く、柔らかい指先が何を語るかを理解すると嘘のように解けていく。「…ありがとうございます…!」こんなにも信じてくれる彼を、どうして自分は疑ってしまったのだろう。あの、全てを優しく無言のうちに包んでくれる背を見た日を忘れてしまっていたのか?溢れ出た感情は留まるところを知らず、上手く言葉にすることが出来ず、ただ彼の優しい手を両手で包んでそう言うしか出来なかった。それは、言葉を失うほど嬉しかったということもあるが、3割ほどは彼の目が笑っていないことに気付いたからである。水面をピシャリと打ったように周りの空気を引き締める彼の声は、いつもと同じはずのもので、それが更に恐怖心を抱くもの。それは最早問い掛けというより、答えに近いもの。ぞくり、と兄弟は時同じくして背中をよく冷えた包丁で撫でられたような感覚に陥り、目の前にいる麗しく、慈愛を与えるような彼が確かにこの組の頭なのだと冷たい言葉に抉られた精神を持って知った。そして、梔はそれが美しいとも思った。
『…っ、』かち合った視線は音もなく此方へ向けられた警告。茉莉花はこれまで同じような状況を何度も体験してきたが、今回は格が違う。いつも通り笑って全部ネタばらしをするつもりだったが、作りなれた笑顔が浮かばず、足が地に着かないような感覚に悪酔いしそうだ。蛇に睨まれた蛙、蜘蛛糸に絡め取られた芋虫のように、ただ殺されるのを待つだけという感覚。それでも何とかようやくの思いで笑顔を浮かべて『…流石坊やなぁ。確かに知ってんで、あの二振り。』と白状しつつ鞄の中から『酒盗』と『酔鯨』を取り出して梔へ投げて渡す。『お察しの通り、俺が盗ってん。それ。一応理由があってんやけど、そんなこと今更言うたち信じてもらえんわな。そこの情報だけ信じてもろたらええよ。』ひら、と振る手は態とらしいが、正直にあの二振りを盗んだ理由を話しても今は信じてもらえないだろう。それに、この二人の間がこんなにも強いもので繋がっていたとは予想以上のいい事を知ることも出来た。ならば今回は情報だけ渡してあとは後方へ下がろう、と考えを巡らせていると、飛んできたのは弟の平手。ピシャン、と小気味よい音を立てて兄の右頬へ平手打ちをすると「…これは勝手に持ってった分ぞ。…昔っから兄貴はいっつもそうや。ようわからん、回りくどい、ごたごたした事ばっかりして…帰ってきたら、全部話してもらうきの。」とやや早口で捲したてる。そして榊に向き直り、深く頭を下げ「身内の問題に巻き込んでしまい、申し訳ございません…!…しかし、こんな兄ですが、今回の情報は嘘や出任せではないと思います。今回の相手との落ち合いには、これを使っても差し支えないかと。」と心からの謝罪と仕事の話を。兄弟喧嘩の延長のようなくだらないことで、兄がこの二振りを盗み出したことは到底考えにくいことではあり、彼の手を煩わせてしまった後悔は大きいが、今重要なことは相手チームへの勝利、人質の奪還。兄の心情は信じられないが、情報だけなら確かなものであろう。そう判断すると榊へ視線を向けて。)

(/いつもお付き合いいただきありがとうございます!両親についてはあまり考えていませんでしたが、とりあえず引退したか、既に死んでいるかのどちらかにしようかと思っています!榊さんについては妹分さん、オヤジさん、イチくん以外にスラムでの親睦のある人達は他にいらっしゃいますか?今すぐというわけでなく、ぼんやりこんな人とかいた感じ、これから増えるかもしれないけど深くは決まってない、というふうでも構いません、宜しければ教えていただけると幸いです!)

  • No.23 by 榊 誠  2019-06-09 01:11:54 


>>梔

(茉莉花は少しの焦燥を混じえながらも相変わらずの飄々とした態度、嬉しくないことだが予想は的中してしまい梔の前に投げ渡される二振りの愛刀にちらと目を向けながら落胆による嘆息を飲み込む。茉莉花も梔と同じく秀才、弟の愛刀を盗難したのにもそれなりの理由があるに違いはないが、結果梔は本来必要のない心労を負った。もしこれが楽しむためだけにやっていたのだとしたら自分は茉莉花を表面上は許せても胸中では許せず軽侮すらしえない。まだ胸奥でゆらゆら居座る冷えた感情は己の瞳を険しいものにしたが、ピシャンとキレよく響く梔の平手打ちにより一気に消失し、続く滔々たる物言いにパチリと目を瞬かせ。叩かれた本人はかなり不服げに頬を擦っていたが口出ししてくる様子はなく、それを横目に梔の謝罪に耳を傾けては今優先すべき事項と最善策を脳内で構築していき。「分かった。君の言葉を信じるよ、梔。策戦はこの情報を元に考える。…悪いけど君の短刀のことは追々、必ず時間は作るから。」彼が謝罪することなど何もない。彼だって兄の行動に混迷しているはずだ。にも関わらずそれを感じさせぬ整然さは此方の心をも冷静にさせる。先刻の瞳の奥に底冷えする光はすっかり鳴りを潜めて彼の視線に目を細めて答えて。そして今一度茉莉花に視線をちらとやり、この後の話を聞かれても構わないと判断するとペラと紙を持ち直して記載される情報を目で追って。情報はアジトの場所や構造、組織構成は勿論のこと相手組織が敵対するグループや裏取引についても記されており、「…これだけの情報があれば取り引きに応じなくてもこの情報を元に揺さぶりをかければ人質は解放して貰えそうだけど…逆上して交戦になる可能性もあるし備えは必要かな。既に近辺で目ぼしい建物はマークしてあるから其処に各部隊を隠伏、取り引き現場に向かうのは数名で……、」と梔の方を見て言葉を止める。できればその数名の部隊に梔を数にいれたいところ。だが彼は今本調子ではない。“贔屓目”で見れば彼を危険な場所に向かわせたくないのが本音。それでも、ここ最近は彼に“待機”ばかりを命じてきた。彼の腕は確か…、この界隈で生きていれば1日徹夜して戦闘を交えることも珍しくはない。それなりの訓練だって受けているはず。自分は彼の腕を信じているはずだ…と思考が一巡したところで彼の瞳をまっすぐに捉え直し「…梔、一緒に来てくれるね。」と可能かの確認ではなくあえて断定の言葉を選び目元を緩めて。)



(/こちらこそ纏まりない文にいつもお付き合い頂き感謝です。梔さんのご両親について了解しました。榊ですが親は生活が安定してからもうひとり子供を作り極々普通の生活を送っているくらいに考えています。また、スラムでは、今でも榊は定期的に通っている設定ですので、仲がいいとまではいかなくとも衣食住を手助けしてくれる人程度に認識されてます。昔から仲の人もいるにはいますがいまのところ深くは考えていません。本当ざっくりですみません。そして今回もう少し一味違う展開を考えてみたのですが思い浮かばず今までと似たような展開になってしまいすみません…。)

  • No.24 by 梔  2019-06-09 22:14:03 


>>榊

(自分たち兄弟のせいで余計な心労や、気苦労をかけてしまったのは、彼の表情を見ると分かる。氷よりも鋭く、雹よりも冷たい瞳は美しくも冷酷に伏せられていたが、今は温かみが宿っている。…彼の瞳にその色が宿っていることが悪い事だとは理解できども少しだけ、残念だと思う。彼の瞳を通してからの感情はどう彩られるのかを見たいと思ってしまう自分が心臓の片隅にいるが、そんなことを軽く頭を振って追い出せば彼がすぐさま立てた計画に耳をすませる。流石だ。どんな状況であれ何が大切なのかを適切に判断し、今まで集めた情報の中から有力なものを集め、的確な道を見つける。頭脳と経験が無ければ到底成し得ることのできないその技量に何度も驚いてきたが、やはり今回も驚いてしまう。そんなことを思いながら彼を見つめていると、ふと交わる視線。真っ直ぐに捉えられた瞳は自分のものではなくなったかのように動かせなくなる。自分の好きな麗黒の瞳。彼が此方を覗く時、此方も彼を覗くことができる、彼の美しい鏡。それが緩められた時、自分が必要とされているのだと自惚れが脳味噌を甘く支配する。「勿論です。何処であれ、貴方のお側に。」きっと、優しい彼のことだから、今の間は自分が戦闘に出られるかを考えてくれたのだろう。大丈夫、二振りはちゃんと自分の背中に戻ってきてくれたし、何より彼が…榊さんが、自分のことを信じてくれている。それだけで自分は何時でも、何回でも戦える。彼の為に。
その後は矢のように時が過ぎ、準備も慌ただしく進んだ。落ち合う廃墟を目の前にして、身を潜めている各部隊と最終確認を通信機器で行いながらその時を待つ。落ち合う場所に向かうのは彼と自分、そして戦闘経験も豊富な彼の部下が一人、計三人であり、無意識にすぐ隣に並んだ二人を見て、あることを思い出す。それは、アジトを出るときに茉莉花に言われた忠告。『梔、よう気ィつけときや。相手グループが欲しいのは領地と金や。せやけど相手グループの頭さんが欲しがってんのは「坊」やで。』そう投げかけられた言葉を信じられるか少し迷いはあったが、腐っても兄弟。滅多に見せない兄の真面目な視線を見ると、直感でそれが嘘ではないと分かる。その言葉の詳しい意味は聞けなかったが、嫌な予感がモヤモヤと肺を満たしそうになり、半ば自分に言い聞かせるように、聞こえていないであろう彼の背中に「榊さんは、何があっても自分がお守りします。」と小さく宣誓して。)

(/いえ、榊さんの背後様の文はいつも、読みやすいながらも魅力溢れる文で読むたびに惹かれております!こちらの両親についてはガバガバ設定なのでお好きに使っていただければと思います!榊さんの両親やスラムについての情報をありがとうございます!私も毎度捻りのない展開にしてしまい申し訳ありません…!今回の一件が落ち着きましたら次は違った展開を考えるよう努力いたしますので…!こちらの文蹴り可です!)

  • No.25 by 榊 誠  2019-06-10 11:44:51 


>>梔

(相手の的確な指示と纏めにより周囲の対処は万全、そうして訪れた廃墟の周りは閑散としており道を行く人影はなく、冷たい風が錆びた空き缶を攫っていくだけ。相手の小さな宣誓に気付くことはなく指定された廃墟の二階を目視してはアイコンタクトを送った後、廃墟一階の扉に手を掛けゆっくりと開く。劣化した蝶番がギギギと鈍い音を響かせ、恐らくこれだけで敵は此方の来訪に気付いただろう。一階はまだ日が昇る時間だと言うのに薄暗く廃墟というだけあって手付かず状態で雨漏りのせいか、各所の退廃が酷く床も所々穴あきがあり。一階に敵が潜んでいないことを確認しつつ奥にあるコンクリの階段へ進んでは二階へと。登りきったところで扉は一つだけ、気配からもこの奥に相手グループと人質がいることに間違いない。ドアノブに手をかけようとしたところで部下が『…自分が』と目配せしてきて此処は大人しく身を引くと部下によって開かれていく扉に緊張感を高める。少しずつ開かれる扉の隙間から見えてくる部屋奥はやはり薄暗い。そして扉が完全に開ききる前のことだった。隙間から僅かに見えた部屋奥に見える銃口、そして火薬が弾ける微かな閃光に気付くと咄嗟に部下の肩を横へと押しやる。重なるように銃声が鳴り響き銃弾が自分の顔横スレスレ、髪の毛を掠めるようにして通過し背後のコンクリの壁にめり込んで。『残念、当たらなかったかァ、おっとそこの僕、反撃はなしだぜ?』ヒヒヒと下品に笑う男、銃を打ち込んできた輩の顔は扉が自然と開ききったことで顕になる。赤髪で目付きの悪い男。その他に3人の男が居て、内一人が中央に置かれる椅子に縛られた人質に銃口を向けており、人質は何度か暴行を受けたのかぐったりしている。が、意識ははっきりしている様子で。先程の銃弾はご挨拶といったところだろう、部下が咄嗟に敵に向けて構えたピストルを下ろさせつつ赤髪の男に目を向けて。『お、分かってんじゃん。んで、約束のモンは持ってきたのか?』「悪いけど君たちのご要望の物は用意してないよ。」『んだと、コイツらがどうなっても良いってのか?』分かりやすく目くじらを立ててくる赤髪に溜息が零れそうになるのを緩い笑顔に変えて「…“青の狼牙”、“複製”……って言えば分かるかな?」と。此方の言葉にサッと顔を青くする相手のグループ。此方が出した2つのワードの1つは相手グループの要、主軸となっている裏取引相手の組織の隠名、もう1つはその裏取引組織を騙して契約している証拠となる言葉。つまり、この情報が漏洩すれば相手グループの基盤は大きく揺らぎ存在事態が危機に瀕するということ。金だ領地だとは言っていられないはず。赤髪は威勢は言いようだが多少は頭が回るようですぐに状況を理解したのか苦衷に表情を歪め隻手を上げると背後の男たちに人質を解放するような指示を与えて。人質の縄に手が伸びていくがまだ油断は出来ない。それは部下も梔も理解しているだろう。警戒を深めるよう無言で伝えながら男たちの動きに注視して。)

  • No.26 by 梔  2019-06-11 21:58:03 


>>榊

(廃墟に似合わない重い銃声が聞こえた、と思った矢先に彼の頬に赤い一筋の線が走る。なんて事を。彼の柔肌を傷付けるとは。めらりと燃え上がった怒りの炎は網膜へと飛び移り、暗器を投擲すべく太腿のホルスターに手をかけるも、毅然とした彼の部下へ対する牽制を目の端で捉えると自然とその行動を部下にならって止めて。彼への不意打ちと言い、下品な物言いと言い、怒りのボルテージがMAX値に到達しようかと言う時に彼が放った切り札。彼の動作はどれをとっても礼節に溢れ、彼を通して美しく彩られるものだが、今回の切り札を切った彼は格別だった。言葉一つで銃に勝る、その落ち着いた様子は不思議な魅力に目が眩みそうになるが、ここは仮にも戦場。言葉無き警告に従い、いつでも武器を出せるように体制を変えた途端、赤髪の男が口を開く。『…お前らが情報持ってるこたぁ十分分かったぜ?俺達は命綱を握られてらぁ…じゃあコッチも命綱を握らせてもらいたいわな?』そう言葉が発せられ、ジャコン、と3人の男のうち、縄を解いた男が人質の首に縄をかけ、いつでも締められるように構え、残りの2人が榊の両端にいる梔と部下に銃を構える。『テメェら、パターン2だ。…人質のこいつらは返してやるよ。ただし、代わりにお前が人質としてこっちに来い現ヤマト頭領、榊誠。』赤髪の男は男達に作戦の変更を告げるとにやり、と笑顔を浮かべて。駄目だ、コイツら半分ヤケを起こしている。死なば諸共とでも言いたいのか。収まっていた怒りがフツフツとまた混み上がってくる。我らが同胞を痛めつけ、今まさに目の前でさらなる害を加えようとし、この清廉潔白な人までもを汚い手段ばかり使うお前達に渡せだと?自然と視線に殺意が篭もり、すぐにでもその首を掻っ切りたい衝動にかられるが、首に縄をかけられた仲間を見ると歯ぎしりをせざるを得ず。)

  • No.27 by 榊 誠  2019-06-12 17:57:04 


>>梔

(ピリッと張り詰める空気、反して赤髪の男は此方の答えが分かっているか嘲笑を浮かべ早くしろとでも言うように人質の首を軽く締め上げさせ。人質の下っ端は呻き声を上げ恐怖で震え上がっているが、幹部の方は構うなと目で訴えてくる。銃口を向けられる梔も部下も充分反撃出来るだろうが、負傷した人質を庇いながらだと不利。此方の情報の脅しが効かないとなれば人質の人命を確実に救うには敵の要求の飲むのが是か。全く、己の命などヤマト頭領の肩書が無ければなんの価値もないだろうに…。敵が次に“ヤマト頭領”をダシに何を脅すかは何となしに予想できるが、ヤマトには己の身に余る優秀な部下が沢山いる。すぐ後ろにいる彼、梔もその一人。彼らがいれば自分が一度敵の手に落ちようと挽回してくれる、くらいには信頼している。その中に最悪自分はどうなってもいいと感傷が入り交じるも敵に向ける冷たい微笑みの下にひた隠して。「分かった。…ただしその子達を解放しなかった場合それなりの措置は取らせて貰うからね。」やや語気を強めて言うと、軽く振り返って梔と部下に安心させるように微笑みを向け、すぐ前に向き直っては自ら敵達の元へ歩み寄りその手を後手に拘束されて。赤髪の男は勝ち誇ったように鼻で笑うと人質の縄を解かせてその身を梔たちの方へ乱暴に投げ渡す。と、同時に催眠作用のある煙玉を部屋中央に投擲して『言っておくがテメェらが周囲に部隊を潜らせてんのは知ってんだ。チラとでも動いてみろ。コイツの首が飛ぶからな。』と立ち込める白煙の中、下劣な笑いを響かせて。男たちは中和薬でも事前に飲んでいたのだろう、意識も足元もしっかりしていると言うのに己の視界は急速に歪み体がゆらりと傾く。床に倒れる前に大柄の男に体を米俵のように抱えあげられ、あろうことかその男はそのまま二階の窓枠に足を引っ掛け飛び降りようとして。下には先刻までは無かった車が既に用意してあり、準備がいいんだな…と他人事のように思いつつ強い睡魔に抗えず意識を手放して。)

  • No.28 by 梔  2019-06-15 07:45:59 


>>榊

榊さんっ…!(縄の擦れる音が重々しく響く空間に身動きが取れない。どうすればこの状況を切り抜けられる?焦る頭では最悪の答えがグルグルと回って、息苦しさを覚える。いつもはずっと聞いていたいと思うはずの彼の声が、低く強くその最悪の答えを承諾してしまった。思わず彼の名が喉の奥からせり上がって掠れた音を成すが、その後の彼の微笑みが何を意味するかを理解し息を飲み、咄嗟に腕を伸ばすがその腕が掴んだのは投げやられた部下の体だった。彼が後ろ手に拘束され、大男に攫われる様子がコマ送りのようにやけにゆっくりと網膜に焼きついてジリジリと脳を焦がす。彼に下賎な視線を投げかけているだけでも腹わたが煮えくりかえりそうなのに、彼に一体何をしようと言うのか。いや、自分も彼に好意を寄せる男として彼が赤髪の男達に少なからずそういった目で見られているのだと直感して寒気がした。そんな視線も白煙に消されると、後を追おうとするが催眠作用に神経がやられて足が徐々に重くなり、その重さは次は瞼や体へと移動してゆく。しかし、彼を取り戻したいただ一心で無理やり足を動かし、何とか走り去る車に発信機を投げつけ、当てることが出来たことを確認すると意識はあっという間に地の底へ落ちて、車が走り去ったことに異変を感じた部隊がやってくるまでその場にいた部下も含めて眠ってしまって。
部隊が梔含め部下達を起こす頃、榊を攫った赤髪の男達は廃工場への移動を終了させており、ヤマトの追従が無いことを確認して榊を柱に縛り付ける。こちらの情報を持っていたのは致命的だったが、彼が手中にいれば人情に厚いヤマトは迂闊に手を出してこないだろう。首を挿げ替えるにもある程度の時間を要するはず、その間に立ち直せばいい、と考えが落ち着いた赤髪の男は、拘束され眠っている榊に視線を合わせるようにしゃがんでその顔を覗き込み、満足そうに笑んで『…用が済んだら飼い慣らしてもいいかもなァ?どう思うよ。』『アンタ前からヤマトの頭狙ってましたもんねー?』『目の前で領地奪って仲間二、三人殺っちゃえば飼いやすくなるでしょーよ。』等と非道な会話を部下達と交わす。元々金や領地を狙う目的だったが、副産物として榊を捉えたのは赤髪の男の自分勝手な欲のためでもあったのだ。その後、男達は見張り役を二人残して現状を確認する為に一度外へ出て)

  • No.29 by 榊 誠  2019-06-15 18:17:38 


>>梔

(薄っすらと浮上する意識、僅かな頭痛と倦怠感に小さく身を捩るも自由が効かない。すぐに縛られていることに気付き、どうやら武器も袖口に忍ばせている千本なども全て没収された様子に自力で拘束を解くのは難しそうだと理解して。薄暗い此処はアジトではないのか、随分錆びれた場所に2人の男。一人は先程自分を抱えた大男。体つきも勿論だが身丈がそれなりにある自分を抱えて二階から飛び降りて平然としていられるとは相当な体幹と屈強な身体の持ち主。もう一人の技量は未知数だがヤマトの部隊を振り切るだけの身のこなしは備わっているのだろう。そんな分析をしていると此方に気付いた大男が近づいてきて『やっとお目覚めか、気分はどうだァ?』「良くないって言ったら、この縄解いてくれるのかな?」『ア゛?エラく余裕だなァ、オマエ。』「まさか、これでも焦ってるよ。部下達にそれなりの迷惑は掛けてるわけだしね。」肩を竦めて答えつつ廃工場の天窓に目をやれば、日の傾きを見る。まだ夕暮れ前なところを見るとあれから数時間と言ったところか。部下達は…梔は無事だろうかと仲間たちの安否を気にかけながら、ゆらりと大男に視線を戻して「ねえ、君もこんなところでずっと見張りは退屈でしょ。…抵抗しないからさ、お互い納得のいくように話し合いで解決しないか君のボスに掛け合ってくれないかな?お酒でも飲みながらって。」なるべく大きな争いは避けたい。敵が実力者揃いなら尚更だ。それは相手グループも同じはず。話が通じる相手かどうかは現状を見ると微妙なところだが、今は出来るだけリスクを伴わない穏便な方法で済ませようと模索しては、場に似合わない優しい声色で語りかけると共にゆるとした微笑みを向けて。
一方廃墟近くの建物、揺すり起こしても目を覚まさない梔と他の仲間たちを近隣の安全な建物に移動させては、床に寝かせ毒物の混入や身体に異常がないか救護班が調べていて。他の部隊は梔がつけた発信機から榊の居所を割り出しているところ。それを横目に救護班として駆り出されていたイチは眠っている梔の頬をツンツンと指で突いていて。『コイツを眠らせる薬とか相当だよなぁ…。全然目ェ覚まさねぇし。てかやっぱ綺麗。…おーい、起きねぇとキスすっぞー。』と周りが緊張感漂わせる中、一人お気楽な調子で居て、キョロリと周囲の目が向いていないのを確認しては整った相手をジィと見つめ、そのマスクの下に隠される口元にゆっくりゆっくり顔を近づけていって。)

  • No.30 by 梔  2019-06-17 16:13:56 


>>榊

(彼の優しい声は敵味方問わず意識に甘く作用する。それは敵意や戦意を喪失させることも容易く、それは目の前の男にも違いはない。榊に微笑まれた途端、にまにまと笑みを浮かべ『仕方ねェなぁ。オマエはボスのお気に入りだし、声くらいはかけといてやるよ。』とあくまでも自分たちの方が立場が上だと勘違いしているらしく、いい気分で彼の言葉に従うそぶりを見せたかと思えばぐい、と榊の頬を掴み『その代わり、俺らにも見返りがなきゃな?』と。少しの間舐め回すかのように榊のことを眺めていたが、その手を離しケタケタと笑いながらそう言葉を残して赤髪の男に榊が目を覚ましたことを連絡し。その間、その倉庫内にはなかった1人の部下と榊のみであり。
一方、長年の修行の成果か、イチとの距離が縮まった途端閉じた瞼の奥でぼやけていた意識は現実に引き戻され、急に感じた人の気配にバチッ、と目を開く。最初に視界に入ったイチに多少驚いていたものの、次いで脳みそが思い出したのは攫われた彼のことで、すぐさまイチの肩を掴み起き上がりながら「イチ、榊さんは!?」と掠れた声でそう問い。『うぉ、びっくりしたー…起きてんのかよ。……はぁ、お前ならそう言うと思ったよ。ったく、居場所ならまだ解析中だ。まだこっち側に要求は来てないし、暗中模索真っ最中ってわけだ。』いきなり動き出した梔にイチも驚いたらしかったが、すぐにいつもの表情に戻り現状を教えてくれる。人質だった二人の部下は怪我があるものの命に別状はなく、毒物等も混入された形跡はなかったとのことだ。『なぁ、中で何があったんだよ。誠だけ姿がないから何と無く想像はつくけど…』『目標場所判明しました!ここから東北東に約20km先の廃墟密集地です!』『よし、よくやった!』バタバタと慌ただしくなる音を背景に、何があったかを聞こうとするイチの話を遮るのは場所の割り出しをしていた部下の一人で、その手元の機会には言葉通りのデータが映し出されている。「…今すぐ動ける者を連れて付近まで行こう。やられた分はちゃんと返さなくちゃな。」場所の情報が分かった、と細かにその言葉が届くと同時に近くに置かれていた武器を身に付ける。愛しい彼を攫ったことを、深く後悔させてやる。瞳の中にはそう深く、濁った怒りの感情をてらてらと燃やして。)

  • No.31 by 榊 誠  2019-06-18 19:01:43 


>>梔

(一人になった見張り、かと言って拘束されている以上逃げ出す術はなく大人しく赤髪の男が呼ばれて来るのを待つ。頬には触れられた不快感がまだ残っており、男たちから向けられる慣れない視線に内心嘆息を零していると、倉庫の扉が開き大男と共に赤髪の男が戻ってきて。『よォ、お目覚めか?話がしたいんだってなァ?』「出来ればこの縄を解いて貰ってゆっくり話したいんだけど…。」『それは聞けねェ願いだな。話ならこのままでも出来るだろ?』「…ヤマトは時期に此処を突き止める。一戦を交えることになれば君達に勝機はない。話し合いで譲歩するほうが君達にとっても良いと思うよ。」『この状況でエライ自信だな?で、話し合いか…、その必要はねェよ。さっきもっと良い方法を思いついたからよ。』ニッと不敵に笑む赤髪の男に背筋が凍てつくような危険を察知するもその揺らぎがいけなかった。此方の綻びに気付いた赤髪の男は一気に畳み掛けてきて『……“大蛇( オロチ )”って名前に聞き覚えあるよな。情報、欲しいんじゃないか?』と。その名を聞いた瞬間ピシリと表情が固まり、緩く持ち上がっていた口端が一文字に下がるも、それは一瞬のこと。すぐに口元に弧を描いて「…何を言い出すかと思えば。…今の俺には必要のない情報だよ。」肩を竦めて微笑むも、微かな声の震えや動揺を赤髪の男は見逃さず、はっと鼻で笑うと突如、掌で視界を覆ってきて、鼻と口元に布を充てがわれるとキツイ薬品の匂いを嗅がされて。ツンとした臭いが否応無しに鼻から脳内に抜けて浸透し、麻痺していく感覚。思考がぼやけて足下が浮つく中、男が耳元で囁く。『強がるなよ。オマエが“大蛇”の情報を嗅ぎ回ってるのは知ってんだ。……オマエが俺たちに付いて、オマエの部下共に余計な真似しねェよう牽制してくれれば情報をくれてやる。…オマエもヤマトなんて檻に縛られるよりも俺たちサイドについたほうが動きやすいだろ?…素直になれよ。』とまるで洗脳の一種のように男の声が脳内に響き、己の思考を侵食していく。きつく縫い合わせた布糸が、たった一つの綻びでバラバラに解けていく感覚は徐々に己からまともな思惟を奪っていき、重たい首を立てに振らせていて。視界が解かれ縄がほどかれても脳内は薄闇に飲まれたまま、己の長刀を渡されても鞘から刃が抜かれ男達に向けられることはなく、静かに腰に下げられて。
一方、倉庫に向かう一同、梔につく部下は念のためにと一つの錠剤を取り出して『相手グループは薬に長けている可能性があります。…また何かしら仕掛けてくるやもしれませんし、気休めかもしれませんが飲んでおいて損はないので。』と、自分自身も一口含みながら錠剤を差し出して。)



(/こんにちは、再び背後が失礼します。いつも行き当たりばったりな展開ですみません…。今回もかなりぶっ飛んでますので補足をいれに参上させて頂きました。
まず現時点の榊の状態ですが、弱みにつけこまれて薬で一種の催眠状態に掛かっており、一時的に男たちサイドについております。
そして弱み、榊の過去ですが…、榊が始めマフィア入りをした理由はただの興味本位と稼げそうという理由でしたが、後に可愛がっていた妹分がマフィアの紛争で死んだ時、その紛争で大きく関わっていた組織が“大蛇”だと知ります。ただ情報としては名前だけ。より情報を得やすくするためには本格的にマフィア入りをするのが得策だと踏み、始めは私心のためにヤマトを利用。でも長く居る内にヤマトとの仲間意識が強くなり、次第に私心は心の内側に留めておくように。ボスになった時点では殆ど吹っ切れてヤマトを第一に考えるようになりますが、今回その弱みにつけ込まれた形になります。
かなり私得でめちゃくちゃな展開になりますので、もし苦手や疑問点、此処は変えてほしいなどありましたらご指摘くださいませ。何もないようでしたら此方は蹴って大丈夫です!いつもお相手有難うございます。)

  • No.32 by 梔  2019-06-21 17:53:44 


>>榊

すまない、助かる。(部下から差し出された錠剤を受け取ると、他の者の視線がないことを確認して飲み込み、礼を述べ終わる前に足はもう目的へ向かって歩み始めており。早く、早く、一刻でも早く。こうしている間にも彼は危機に晒されているのだ。自分がもっとしっかりしていれば、じっとりとした汗が手足を伝うのにも似た不快な感覚につい思考も支配されかけるが頭をブン、と一度大きく横に振り、払いのける。今回は組の頭脳である彼の英明な作戦もないため、実力と運だけが頼みの綱である。無線用のインカムを耳につけ直すと部下が移動させてくれたのだろう、黒い普通乗用車に乗り込み…一瞬息が止まる。運転席でハンドルを握るのは兄の茉莉花だったからだ。『よう、忠告役に立たなかったみたいやんな?』「茉莉花…ッ!おまんは知っとたんやな…!俺を揶揄うのはまだ良いけんど、これはちったぁやりすぎじゃろがい…!」一触即発。梔の声は震え、目は憎しみで燃え、車内の空気は凍りつき、一緒に乗り込んだ部下達は俯く。『それについては悪かったと思ってる。もうちょっと分かりやすく伝えられなくてすまんな。実は…』茉莉花の声は自分が相手チームから誘われていた事、相手の情報の中で少し怪しいものがあった事を簡単に話し、それは慎重に街を走る車のBGM代わりのようだった。「…つまり、相手チームは榊さんの弱みとなる何かを持っている、と。」『せや。それが何かまでは分からんかったけんど、俺だってヤマトの忍長やってんや。何かきっかけさえあればそれも分かるはずや。』要するに榊を助けるために情報網としてヤマト側につくというのだ。『…信じられません』『…まぁ、そうなるわな。俺だってこんな状況では信じひんよ。』沈黙を保っていた部下の一人が素直に声を上げるも、近づいてきた相手チームの潜伏箇所…榊が囚われている建物が目前に近付きながら梔の出した答えは「…信じる。榊さんを助けられる希望が少しでも高くなるなら俺はそれに乗る。ただ、帰ったら覚えとけよクソ兄貴。」。
その後、すぐに部下の人数および作戦…と言っても自分と他数人の先発隊が突入し、交渉をする間に部下が建物を包囲、及びフラッシュバンを使用しての突撃。何かあったときのため、全員がインカムを装着し、逐一報告をする。その簡単な二つだ。組の者は皆頭の為に、と意気込んでおり、重火器を携えているものの、1番の目的は榊の奪還ということは当たり前で彼の皆何かあればすぐに攻撃を中止するよう指示済みである。茉莉花は相手に顔が知られているので前線に出さず、車の中で待機を、イチらは急患に対して素早く対応できるよう医療器具の積んだ車の中で同じく待機をさせており、それらを目視で確認を終えると数人の部下を引き連れて静かに、且つ急いで廃工場の扉の中へ突入して。

  • No.33 by 榊 誠  2019-06-22 01:21:44 


>>梔

(廃工場の扉が開かれるまで男たちは梔たちの気配に気付くことはなく、突入してきた梔たちに驚くもすぐに余裕の笑みを浮かべて。『おー、この場所が良く分かったな?流石ヤマトの優秀な部下ってところか。でも残念だったな。もう話は済んでんだよ。なァ、榊さんよ。』赤髪の男は馴れ馴れしく榊の肩に手を置くも、当の榊は嫌な顔一つしない。拘束も解かれ武器も返された今、隙を見て男達の意表を突き逃れることも可能だった。しかしその選択はせず、それどころか男達に気を許すように肩を並べており…。
梔たちの顔を見た瞬間、ピシリと針で刺されるような頭痛が襲い、己の置かれる状況に違和感を覚えるも、何処か意識は解離しておりすぐに違和感は闇に飲まれていく。見た目は外傷も無ければ視線が虚ろな訳でもない。男達に従わなければ…と植え付けられた催眠状態の中、しっかりと梔たちを捉えるその目と表情の中にいつもの微笑みはなく。『ほら、オマエから部下達に説明してやってくれよ。』嘲笑する赤髪の男の言葉に答えるように一歩前出ては梔達と対峙する形をとり、それはまるで男達を庇っているようにも見えて。「…梔、駆けつけてくれたのは良かったけど、この人の言うように話はもう済んでるんだ。…だから、もし周りに部隊を張らせているならすぐに撤退させてくれるかな。俺は一度詳しい話をつけるためにこの人達のアジトに同行するから君達ももう帰っていいよ。」と静かな声色で淡々と告げれば最後に小さく微笑む。その片手は腰に下げる刀に添えられており。微笑みはある、だが様子の違う榊に梔の隣にいた部下は戸惑いを隠せず『…ど、どういうことでしょう。…いかがしますか?』と焦燥に眉を寄せて小声で梔に耳打ちをして。赤髪の男はそんな事の成り行きを高みの見物でもするようにニヤニヤと見ていたが、このままヤマトの部下たちが大人しく撤退するだけでは面白くないと思い。どうせなら今催眠状態にある榊と部下達を対立させてその関係を揺るがす亀裂をいれたい。そう目論めば片手を上げて自分の部下の一人に背後から榊を攻撃する“フリ”をするよう命じ、自分自身も短剣を取り出す素振りをみせて。)

  • No.34 by 梔  2019-06-27 12:07:51 


榊>>

…榊さん?(赤い髪の男が馴れ馴れしく彼の肩に手を置き、話した内容に腹が立ち、武器を構えるもそれを振り払わない彼に思わず声が出る。彼の外見は特に何も変わったところは見当たらない。しかし、だからこそ感じる違和感は大きくなり、それが何かを探るも掴みきれないそれにぐっ、と横隔膜が凍るような不快感が腹からこみ上げてくる。そんな中告げられた本人の言葉に唖然としながらも、違和感が強まっていく感覚に唇を噛み、部下と榊に向かって「…それは承諾しかねます。どのような話か自分達に一度お話をいただきたいですし、何よりそのチームのアジトへ行くというなら尚更あなた一人では送り出せません。」 とはっきりと答える。彼が一人で決断することは多々あるが、それについて自分達に何も話をしないのはおかしい。それに、今の彼の目…いつもと変わらないはずのその瞳はここで彼を止めなければ彼がどこか遠く、手の届かない場所へ行ってしまうような気がして。自分の意思を譲るつもりはない、そのつもりで一度武器を降ろし、彼と対峙するようにかつ、部下達を守るように二歩ほど前に出るが、その途中、赤い髪の男が何やら指示を出すのを目の端で捉え。咄嗟に武器を構え直すとこちらの部下の一人の名を呼び、攻撃モーションに移った相手チームの部下への対応を伝え、自分は榊を庇うように腕を引き寄せてから赤い髪の男と対峙するように移動して)

(/大変長い間連絡できず、返信が遅れてしまい本当に申し訳ありません。今度から返信が遅れる場合には一言お伝え出来るようにしたいと思っております。これほど遅れてしまい、もういらっしゃらないかもしれませんが、もしよろしければまたお話していただけると嬉しく思います。)

  • No.35 by 榊 誠  2019-06-27 21:57:00 


>>梔

(流石は秀才な右腕、この緊迫した状況においてもボスである自分の言葉に惑わされず迅速に的確な判断を導き出す。凛然としたその姿は我が右腕として誇り高い…と常の自分なら彼を称賛しただろうが、今の自分は彼の言葉を、声を聞いても何も響かない。自分は確かにそこに居て意識もはっきりしているのに自分が自分でない感覚。そして、盤上が急速に動き出した瞬間、自分の体はほぼ無意識に動き出す。彼に腕を引かれやや前のめりになり庇われる形になるがその動きの中で袖口に忍ばせた千本を手に。キラリと光る千本を目にした瞬間、赤髪の男はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。──千本は己の手から離れるとまっすぐに敵、ではなく梔が指示して動いた部下の右肩、そして左足首に鈍い音を立てて突き刺さり、部下はグッと表情を歪め、そうする間に対峙した敵からの攻撃をもろに喰らいその体は床にガクリと崩れ落ちて。自分は“そんなもの”には目もくれずに、カツリと靴音を響かせ、赤髪の男と梔の間に割って入ると彼と向き合うように立つ。そしてニコリと冷たい微笑みを浮かべ「言い方が悪かったのかな。俺は帰れって言ったんだよ。命令の聞けない子はいらないよ。」言い終わると同時に表情を消して明確な敵意を相手に向けると、腰に下げる刀を引き抜き相手の左肩に向けて刃を斜めに振り落として。)


(/こんばんは。いえいえ、そんなお気になさらずに!リアルでも色々あるでしょうし、中々ロルを回せない時もあると思います。此方が早く返してしまっていても、どうかご自分のペースで余裕のある時にゆっくり回して頂ければと思います。此方の突拍子もないロルに返信いただけるだけでも幸せなので…!こちらこそ拙いロルと愚息ではありますが今後もお相手頂ければと思います!こちらは蹴り可です。)


  • No.36 by 梔  2019-06-30 18:40:54 


榊>>
(何が起こったのだ。目の端でキラリと光が反射したかと思えば後方から聞こえた音に、部下の制圧が完了したのだと疑いもなく視線を寄越すが、現実はその反対。あの部下は戦闘経験もあり、負けることはないと思っていたが…とまで思考回路が進んだ時、その部下の体に深々と刺さる千本に目が止まる。そんな、あの千本は。視線を戻すとその千本を鮮やかに扱うことのできる数少ない人物である彼が、赤髪の男と自分の間に立っていることに気付く。彼は赤髪の男に背を向け、こちらに冷たい笑みを称えており、何かの作戦かと抱えた淡い希望もそこで潰える。いつもであれば、心落ち着く穏やかな微笑みは姿を潜め、今はただどこまでも冷たく、氷をも貫く温度を静かに携えてこちらへ凍てつくような美しい双眸を向けていた。言葉を発そうと開いた口から出るはずの音は、冷たく張られた薄い氷が邪魔をしてただ喉にへばりつき、敵意と共に送られた言葉に飲み込むしかなかった。言い回しこそ彼らしく、優しさが含まれているが、その言葉の質は今までの彼のそれとは明確に違う。その違いは理解できど、彼が何と言ったのか理解する前に、部下に向かって言葉を絞り出す。何かがおかしい。それを明らかにする前に隊を下げなければ、このままではこの隊は彼を前に全滅するだろう。彼は知略に富み、広い人脈を持ち、人徳も得る…この隊の編成だけでなく、個々の戦癖、全てを理解し、対応できる力の持ち主だ。「…ぐぅ…っ、!…総員退却!一時撤退だ!」流石剣の名手、煌めく刃は空と左肩の肉を切り裂き血液を散らすが、自分は彼に…戦場に立つものとして失格だが、想いを馳せる彼に刃を向けることが、出来ない。見っともないが、反撃も抵抗もかなぐり捨て、倒れた部下を右手で抱えて撤退する部下へ放り投げると部下達の後を追わせないように立ちふさがり、彼と面と向かって形だけ短刀を構える。「…榊さん、何故ですか…っ!俺たちの、何がダメだったんですか!……どうか…どうか一緒に戻りましょう?誠さん…っ!」殆どの部下が撤退し、自分もこの場を離れるべきなのは理解しているが、彼の美しい瞳がいつもと変わらぬ色を映し瞬く瞬間を見ていると、いつもの様に淡く、優しい微笑みを称えて来てくれると何処かで信じている自分が、彼を置いて離れたくない自分がいる。最後の希望を込めて武器を持っていない左手を無理やり動かすと彼へ向けて)

  • No.37 by 榊 誠  2019-07-02 00:31:53 


>>梔

(本来、彼ならば確実に余裕を持って対処出来ただろう剣先、刃は無情にも彼の肩を斬り裂きその細やかな肌を傷付け、鮮血が彼の服をジワジワと朱く染め上げるも依然榊は顔色一つ変えずに愛しいはずの彼を冷ややかに見据える。それは普段殆ど取り乱すことのない、冷静で泰然自若な彼が心から叫び、訴えかけても変わらなかった。が、最後に、名前を“誠さん”と呼ばれた瞬間ズキンと海馬を直接揺さぶられるような痛みが脳内を貫き、僅かに表情を歪め空いた手で額を押さえる。彼の言葉に耳を傾け、応じなければならないと奥底に眠る自制心が微かに浮上し、彼に向ける剣先が下がるも、それは一瞬のこと。男の催眠の呪縛は強かった。痛みに耐え額を押さえたまま下げた剣先を再び彼に向けると、まるで煩わしいものを見る目で彼を見据えて「…しつこいよ。今君達と一緒に戻るつもりはない。」と冷たくはっきりと告げると同時に片足を踏み込み一気に彼との距離を詰めて再び刃を向け、───刹那、キンッと金属音が響きすぐに離れた場所に短剣がカランと音を立てて落ちる。榊は短剣を一瞥した後、己の刃を止めた主、梔の背後からこちらに近づいてくる人物を睨みつけて。『坊、そない怖い顔して…、冗談ならこんぐらいにしといたほうがええよ?』「…茉莉花。弟思いなのは買うけど今は邪魔かな。それにこれは冗談じゃない。…これ以上妨げになるようなら“傷物”でも容赦はしないよ。」と微かに口元に笑みを携え、彼の兄に蔑みの言葉をおくると刀を構え治す。茉莉花は困ったように笑いながら梔を背に残った短剣を握り込むも、フウと一息吐くと短剣を閉まって榊たちに背を向けて『ほら、行くで。』と梔の右腕を軽く掴みジトリと視線を向けてはこの場から去ることを促して。)

  • No.38 by 梔  2019-07-05 16:24:00 


榊>>

(彼の優しく、穏やかな表情の上に張った氷の膜。それがパキリ、と僅かにヒビが入り、温厚篤実なからの微笑みが一瞬露わになったような気がした。しかし、目を凝らすと見えたのは苦しむ彼の伏せられた瞳と、再び向けられた冷たい敵意。今までの敵から受けた殺意よりもずっと強く、深く、純粋なソレは先程よりも鋭く脊髄を突き刺す。間違いなく過去に彼が敵に向けていたソレだ。異変はあれど、彼の本質が変わった訳ではない…そう感じると目の前が真っ暗になったような感覚の後に響く金属音。兄のものだと気付くには少し時間がかかった。「…誠さん…俺は諦めんけん…っ!絶対に連れ帰るけんね!今じゃのうても、明日でも!明後日でも、絶対にあんたを連れて帰る!」兄の言葉に驚きと悔しさが一緒になって込み上げてきて、少しの間何も答えられなかった。それを癪に思った赤髪の男の部下が動き出そうとしたのが皮切りとなり、少しでも彼に届くよう、兄を軽く横へ押しのけ、口布を外してそう宣誓する。「…やから、そんな痛そうな顔せんといてください。貴方が傷つくのは、嫌です。」最後の言葉は口布を直し、地面へ煙幕を叩きつけながらの言葉になった。煙幕は一気に部屋の中を覆い、慌てた赤髪の男の部下達が換気をし終える僅かな隙に男2人を逃がすのに十分な量だった。『ハハッ、オマエに恐れをなして尻尾巻いて逃げてったなー!
この調子でこの後も頼むぜェ?榊サンよォ!』二人分人の少なくなった廃倉庫に最初に響いたのはそんな赤髪の男の言葉。続いてそれを笑う数人の声。余程赤髪の男は上機嫌なのか、馴れ馴れしく榊の肩を抱き、自分たちのアジトへ連れ戻ろうとそのまま外へ待機させている車まで歩こうとし)

  • No.39 by 榊 誠  2019-07-06 22:33:39 


>>梔

(廃倉庫内の煙が引き、兄弟の姿が消えたあとも頭から彼の表情と声が離れず頭痛も酷くなる。彼は公の場で素顔を晒すことがあっただろうか、自分に向けられた言葉も慣れないもののはずなのに心根を震撼させ、胸中の喧騒が鳴り止まず呼吸もしづらい。暗闇の中、先程掴みかけた何かが掴めそうで掴めない。なぜ自分は彼に刀を向けたのか。その必要はなかったはず。彼は敵ではないのだから…、「──くちな…」と彼の名が口から零れ落ちる前に、トンと肩を叩かれ赤髪の男の耳障りな声が再び脳裏に靄をかける。あと一歩で何かが掴めそうだったのにと軽く赤髪の男を見据えると男はククと喉で笑い『何か不満そうだな。さっきの兄ちゃんを切り損ねたからか?にしてもマスクの下もかなりの別嬪だったな。』と卑しく口端を上げる。その時、酷く居心地の悪い感情が腸を逆撫で無意識に刀を持つ手に力が入るもそれに気付いた男はすかさず榊の背に手をやり『そんな怖い顔するなって。俺たち“仲間”だろ?』と。“仲間”…こんな奴らが?と違和感を抱いたのは一瞬で、脳内の靄が濃くなると、そうかと納得してしまう。「…そうだね。」と短く返答し刀を鞘に収めると男達に続いて車に乗り込む。車は鈍いエンジン音と共に発進し、男達のアジトへと車体を滑らせて。
一方、救護班を待機させていた建物内、榊によって怪我をした部下は意識ははっきりしており既に治療済みで状況を仲間に報告するところ。その少し離れた場所でイチは険しい表情で梔の救護にあたっており、左肩に布を強く巻き付け止血すると痛み止めを打って応急処置を手際よく行っていて。『この場で出来るのはこの程度だ。後はアジトに戻ってから。…手の感覚はどうだ?』と梔の左手を握って顔を覗くも返答を聞く前に堪えていたものを吐き出すように顔を逸して舌打ちして。『誠のやつ、お前にこんな怪我させて何考えてんだよ。お前の兄貴の話じゃ様子が変だったらしいけど。』許せねぇと低く呻き苦衷に表情を歪ませる。自分の知っている榊なら仲間を裏切るはずがない。何か訳があるはずだと分かっていてもイチには想い人を傷付けた榊がどうしても許せなかった。だが今は榊よりも…と再び梔に視線を戻す。ヤマトの頭である榊が不在の今、組織の指揮をとるのは必然的に右腕である梔になる。彼の頭角と技量を持ってすればヤマトを統括し率いることは造作のないことで、部下も疑いなく彼に従うだろう。実際、想定外の事態さえ起きなければ彼の考えた廃倉庫に乗り込む手立ては完璧だったのだ。だが、連日続くトラブルで彼の体も精神も酷く消耗しているはずで、イチには彼の心身が気がかりでならず心配げに彼に視線を向けて『なぁ…、アイツのこと気にするなってのは無理な話だけどよ。今は自分のこと気にかけてやれよ。』といつになく真剣な瞳で、やや青白いように見える彼の頬へと空いた手を伸ばして。)


  • No.40 by 梔  2019-07-09 11:44:52 


>>榊

(命からがら逃げ出して、全員存命であることを確認できたのは別の拠点としていた建物の中で、イチの手当てを受けながらのことだった。彼はこの界隈で一二を争う部下思いでそれ故の育成能力は素晴らしく、イチ以外の救護班も他の負傷者に手当てを行なっている者の腕は確かだからこそみんな存命しているのだろう。そんな彼が部下達に刃を向けるとは未だに信じられず、先程の彼をただ思い出す。「ありがとう、イチ。問題ない、神経が無事だったからな。」軽く指を何度か握って確かめるとそう答えるが、続いた問いに目を伏せて先程の彼を思い出す。あれは薬や脅しとはまた違う、彼の意思が籠っているように見えたが、その中に何か…純粋な子供が両親の言うことを無条件に信じるような違和感があった。「…その件に関しては兄貴が動いてる。癪だが情報関係については兄貴の方が強いから。」それに、その為だけに此処に居られると言うのが正しいか。茉莉花は自分と同じく彼を慕い、敬い、恋慕を抱く…彼のために何かしたくてやきもきしているのだろう、ならばそれを上手く使う。恋敵なのだ、それくらいはいいだろう…等と考えていると伸ばされた手が視界に入り、不思議そうにそれを見やる。今にないほど真剣な表情を浮かべるイチに少し罪悪感を感じながら「すまない、イチ…お前には迷惑ばっかりかけるな。…でも、やっぱり榊さんを早く連れ戻さないと…コレより強い痛み止めはあるか?」と申し出る。確かに自分のコンディションは良くはない。しかし、彼は一騎当千の力を持ち、この世界でもトップを争う戦力、戦況把握と的確な指示を出す頭脳を持ち合わせ大いなる脅威となる。…しかもヤマトにとっては自分の手の内をほぼ知られている、つまりアキレス腱に包丁の刃を突き当てられているようなもの。実際、自分のように彼へ刃を向けることを躊躇う者も少なくはない。躊躇は刃を遅くし、続く仲間の足をも引っ張る…この状態を長く続かせても良いことはない。ならば先手を打つべきだろう「一度アジトへ帰還し、装備、体制を整えたのちに頭領奪還作戦に着手する。司令役の部下へそう伝えるともう一度イチへ向き直り「大丈夫だ、必ず榊さんを連れ戻すし、それまで俺は倒れない。」と少し笑み、アジトへ帰還する車に乗り込んで。
一方、赤髪の男達はアジトへ戻ると部下へ『榊誠への対応は客人としてもてなすように』と指示をしているらしく、丁寧に広場へ通される。それはそうだ。戦力として最強の欄に名前を連ねる男を手に入れ、嬉しくないはずがない。また、その彼は強さだけでなく、気品と美しさも兼ね揃えているのだから尚更である。その艶やかな黒髪から覗く烏の濡羽の如く光を受けて輝く瞳に捕らえられ、彼に好感を寄せない者はここには居ない。『まァ寛げよ、お前にはこれから働いてもらわなきゃならんからなぁ?ハハッ、必要なもんがあればそこの部下を使いな。服でも武器でも何なりとなぁ。』とだけ赤髪の男は伝えると適当な部下を顎でしゃくり榊の側へ付き添える。これはもちろん監視も兼ね、その部下の体には無線と小型カメラが仕掛けられており。それを確認すると本人達は違う部屋へと戻っていこうとし。)

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