梔 2019-05-10 21:27:49 |
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>>梔
(茉莉花は少しの焦燥を混じえながらも相変わらずの飄々とした態度、嬉しくないことだが予想は的中してしまい梔の前に投げ渡される二振りの愛刀にちらと目を向けながら落胆による嘆息を飲み込む。茉莉花も梔と同じく秀才、弟の愛刀を盗難したのにもそれなりの理由があるに違いはないが、結果梔は本来必要のない心労を負った。もしこれが楽しむためだけにやっていたのだとしたら自分は茉莉花を表面上は許せても胸中では許せず軽侮すらしえない。まだ胸奥でゆらゆら居座る冷えた感情は己の瞳を険しいものにしたが、ピシャンとキレよく響く梔の平手打ちにより一気に消失し、続く滔々たる物言いにパチリと目を瞬かせ。叩かれた本人はかなり不服げに頬を擦っていたが口出ししてくる様子はなく、それを横目に梔の謝罪に耳を傾けては今優先すべき事項と最善策を脳内で構築していき。「分かった。君の言葉を信じるよ、梔。策戦はこの情報を元に考える。…悪いけど君の短刀のことは追々、必ず時間は作るから。」彼が謝罪することなど何もない。彼だって兄の行動に混迷しているはずだ。にも関わらずそれを感じさせぬ整然さは此方の心をも冷静にさせる。先刻の瞳の奥に底冷えする光はすっかり鳴りを潜めて彼の視線に目を細めて答えて。そして今一度茉莉花に視線をちらとやり、この後の話を聞かれても構わないと判断するとペラと紙を持ち直して記載される情報を目で追って。情報はアジトの場所や構造、組織構成は勿論のこと相手組織が敵対するグループや裏取引についても記されており、「…これだけの情報があれば取り引きに応じなくてもこの情報を元に揺さぶりをかければ人質は解放して貰えそうだけど…逆上して交戦になる可能性もあるし備えは必要かな。既に近辺で目ぼしい建物はマークしてあるから其処に各部隊を隠伏、取り引き現場に向かうのは数名で……、」と梔の方を見て言葉を止める。できればその数名の部隊に梔を数にいれたいところ。だが彼は今本調子ではない。“贔屓目”で見れば彼を危険な場所に向かわせたくないのが本音。それでも、ここ最近は彼に“待機”ばかりを命じてきた。彼の腕は確か…、この界隈で生きていれば1日徹夜して戦闘を交えることも珍しくはない。それなりの訓練だって受けているはず。自分は彼の腕を信じているはずだ…と思考が一巡したところで彼の瞳をまっすぐに捉え直し「…梔、一緒に来てくれるね。」と可能かの確認ではなくあえて断定の言葉を選び目元を緩めて。)
(/こちらこそ纏まりない文にいつもお付き合い頂き感謝です。梔さんのご両親について了解しました。榊ですが親は生活が安定してからもうひとり子供を作り極々普通の生活を送っているくらいに考えています。また、スラムでは、今でも榊は定期的に通っている設定ですので、仲がいいとまではいかなくとも衣食住を手助けしてくれる人程度に認識されてます。昔から仲の人もいるにはいますがいまのところ深くは考えていません。本当ざっくりですみません。そして今回もう少し一味違う展開を考えてみたのですが思い浮かばず今までと似たような展開になってしまいすみません…。)
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