日ノ本に残花 〆

日ノ本に残花 〆

梔  2019-05-10 21:27:49 
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  • No.1 by 榊 誠  2019-05-11 02:26:26 


(/個室の作成と移動有難うございます。押し付けるかたちになってしまったので申し訳ありません…。早速ですが、前回の返信を此方にさせていただきました。茉莉花さんの台詞ですが私が方言を全く扱えていなく、背後さまの素敵な文才とキャラ設定を台無しにしていてすみません。それ以前に梔さんとの会話でも訛って喋らせて大丈夫だったでしょうか…?今後も不自然で見苦しい点が多々出てくると思いますがご容赦くださいませ…。また現時点でお考えになっている設定などありましたら教えて頂けると嬉しいです。
そして改めまして、こんな駄文愚息な私と引き続きお相手して頂けること心から感謝感激しております。個室だからと言って返信頻度も気にせず、個室だからこそ無理なくゆっくりまったり進めていけたらと思っております。ちなみに自分はロルや設定などにも苦手は特にないのでその辺りも気にせずに進めてくださいませ。背後さまももし何かあれば遠慮なく何でもご意見、ご指摘くださればと思います。)




>>梔

(携帯を手に取り、自分を呼ぶ茉莉花の声に反応して瞳が交わったとき、その瞳がどことなく儚さに揺れている気がした。茉莉花の目的もその思慕も想像付かずにどうしたのかと聞こうとした瞬間、ガラッと開かれる店の扉。そして酷く焦った様子の梔の登場に驚くあまり何のことを聞かれているのか分らず目を瞬かせて「…えっと…、うん、大丈夫だけど…。そんなに急いでどうしたの?」と状況が飲み込めず戸惑いの色を見せ。まさかアジトで何かあったのか、と先ほどの不在着信を確認するもそれは先刻の酒屋からで緊急ではない模様。まだ息を乱す相手を心配げに見ながら店主に水を頼んでそのコップを相手に差し出し「とりあえずこれ飲んで。…落ち着いたらでいいから、話してごらん。」と優しい声色で。その様子を黙って見ていた茉莉花。ついさっき垣間見せた儚さは消え失せクツクツと喉を鳴らして笑いだし『随分けったいなお出ましかと思うたら実の兄は空気扱いかい。…それにしてもこないな細腕で右腕が務まるのかねぇ。』と榊との間に割ってはいってきた弟の腕を指先でつんつん突いてからかいの笑みを浮かべて。)

  • No.2 by 梔  2019-05-14 07:45:28 



(/こちらこそ勝手に先走ってしまった形になり申し訳ありません…!センスや技術等々、まだまだ不完全ではありますが、何卒よろしくお願いします。茉莉花については全然問題ありません、寧ろ使っていただいてありがとうございます!自分も感覚で訛りを喋らせてますし、背後様の方言は台無しどころかとても魅力的です。
また、ロルを見返したところ茉莉花についての情報が分かりづらくて申し訳ありません!茉莉花の設定は[次期右腕の予定だったが、任務中の怪我がきっかけで戦場に立つことができなくなってしまう。ヤマトから抜けた理由も戦えなくなったから。しかし、他国で手術をし、クライムに戻ってきた。]、[現在はどの組にも所属していないが、元ヤマト所属ということで他のマフィアからヤマトの情報を売れば、見返りとして金とそのマフィアの重役の座をやると持ちかけられている。]このように考えております。
もしよろしければ背後様の考えている設定や、過去設定などございましたら教えていただけたら、と思います。毎度ながら遅くなって申し訳ありません!)


>>榊

(よかった。兄に背を向けたまま彼の全身を観察して傷の類は無いことに一旦安心して、小さく息を吐く。いくら兄といえど、まさか人目のあるところで彼に危害を加えることがないだろうと思っていたが念には念を、だ。兄が彼に好意を持っていることや、【美味しいところを持っていく】ことに長けた点を考えると彼に何かするつもりなのは間違いないだろう。仮にも自分と同じ影に生きていた者。油断はままならない。と、考えていた矢先に差し出されたコップに彼の優しさが垣間見える。喜んで彼の細指からそれを受け取るも「…そがにほたえたちいかんぜ、兄貴。」と彼に伝える感謝の言葉より先に口から出てきたのは兄への返答。返答というにはいささか小さな声ではあったものの兄にはばっちり聞こえたらしく『おぉ、怖。そがに尖らんでもええんとちゃう?坊も困りはるやろ?』とからかいの笑みはそのままに椅子から立ち上がり、彼の背後へ回り込む。『坊、今日は話せて良かった。ありがとう。』彼の両肩に手を乗せ、じっとりと指を肩から前へ移動させながら耳元でそう呟き、弟が不機嫌そうに眉間にしわを寄せるのを楽しむ。『…やっぱり誠は誠やんな。そのまま…綺麗な坊のまま、変わらんといてや。』彼の頭をぽん、と手のひらで撫でると過去の榊を思い出す。疑心暗鬼で単独行動になりがちだった幼いあの日でも、彼の目の奥の光は絶えず輝いていた。それは今も同じ。今の己では正面からは受け止めきれない眩い光。自分はこの光を扱える、手の中に収めることができると先刻までは自惚れていたが、それは間違いだったようだ。彼の光は彼にしか扱えない。「…兄貴、しわい。」茉莉花の思考はその一言と、榊と自分の間に割って入った梔の腕によって遮られた。梔の腕はそのまま榊の体を梔の方に引き寄せて「…何しに来たがぜ。榊さんに何もしてないろうにゃ?」と少し苛立ちを滲ませながら忍ばせた暗器を手繰り寄せながら対面し。)

  • No.3 by 榊 誠  2019-05-16 11:51:22 


(/茉莉花さんについての設定有難うございます!梔さんに続く魅力溢れるキャラにすでに惚れ惚れしております。いまのところ榊から見た茉莉花さんや兄弟の印象ですが…

茉莉花→過去に同じ部隊についていたこともありその強さや技量を慕っている。敵対視もしていないし親しくありたいと思うが未だ一線は引いている。ただ歳上であることやその魅惑から甘えてもいいかな…と思うことはある。
兄弟→ギスギスはしているが根本は仲が良いと思っている。

のように考えています。また、今回梔さんの愛刀を盗んだのは茉莉花さん…と考えていいのでしょうか?
いまのところ3パターンくらい浮かんでいて
①茉莉花ではない全く別の人
②茉莉花が他のマフィアに売るために盗んだ。
③茉莉花が盗んだが、実は別の誰かが盗もうとしているのを知って誰かが盗んで弟の愛刀が駄目になるよりも自分が先に盗むほうが良い。→ただで返すのは面白くないので何かしら目論んでいる。

とかなりぼんやーりとですが考えています。あまり設定に縛られてもロルが書きにくくなると思いますし上記のはスルーして頂いても大丈夫ですが、大軸だけでももしこうしていきたい…と考えている設定がありましたらそのように進めたいので教えていただけると嬉しいです。
またこちらも返信遅くなりすみません…。絡みづらい部分などは適当に省いて場面転換もしてしまって大丈夫です!)


____

(目の前で繰り広げられる兄弟のやりとり、険悪とはまではいかなくとも角のたったそれを肴にのんびり最後の酒を流し込む。彼の、梔から成される普段聞かない言の葉はやはり美しい。より素に近い彼を見られた気がして新鮮な気持ちになりずっと見聞していたいなんて思っていると茉莉花が席を立ち肩に乗せられる手。耳元に掛かる吐息と頭を撫でられる感覚はあまり慣れていなく小さく身を竦めるも嫌な気はしない。今の立場になってから“坊”と変わらず歳下扱いしてくれるのは正直嬉しかった。ただ自分が“綺麗”とも“優しい”とも到底思えず相槌を打ち微笑みながらも心中複雑な気持ちでいて。と不意に近くなった梔との距離と触れる部分からじわりと伝わる彼のピリピリした気におやと思う。流石に店内で暗器を振るう真似は彼もしないだろうが、そろそろ兄弟の戯れに終止符を打とうと茉莉花が答えるよりも前に口を開いて「梔、君のお兄さんは飲みに付き合ってくれていただけだよ。…久しぶりの再会なんだからそんな怖い顔しないの。」と自分の体の前にある手を軽く握ってから立ち上がると向き合って、彼の胸中など知りもしないで整った目元を指でやんわり撫で。自分の背後でその様子をニタニタ笑って見る茉莉花には気付かずに丁度区切りもついたところだし、梔も訳あって駆けつけてきたはず。二人分の勘定にやや上乗せした額を店主に払って礼を言い「さて、話の続きは外に出てからにしようか。」と梔の肩を軽く押して少しばかり肌寒い外へと出て。二人よりやや先を行き茉莉花との別れ道に来たところで立ち止まり茉莉花を見て「今日は良い酒が飲めたよ。…こっちには暫くいるんだよね?近い内に梔には休みを取らせるから兄弟水入らずで過ごすと良いよ。」『ほら有難いね。俺も可愛い弟とゆっくり話しとう思ってたんよ。なあ?』と榊の余計な気遣いも茉莉花は嫌な顔はせずに梔の体を無理矢理引き寄せて肩を組みつつ空いている手で先程弟が触れていた暗器の部分を死角で服の上からさわりと撫でて態とらしい笑みをうっすら浮かべ。)

  • No.4 by 梔  2019-05-18 13:56:25 


(/そんな嬉しい言葉をいただけるなんて感激です!ありがとうございます!一旦引っ込みますが、都合のいいモブ程度にいつでもお好きに使ってくださいませ!兄弟仲についても某トムとジ●リーのように扱ってくださればと…!短刀についてはどうしようかな、程度に考えていたのですが、背後様の『ただで返すのは面白くない』という設定がとても魅力的で、是非この路線でいきたいと考えておりますが、よろしいでしょうか…!大軸としては、
・情報を買いたがっている組織とヤマトの間で茉莉花が揺れる
・何かヤマトにピンチが迫る
・改心した茉莉花が武器を返し、逆に相手組織の情報を教える
ざっくりとこんな感じでゆったりと進めていけたらと考えております…!勿論臨機応変に対応しつつ、その時その時を楽しく盛り上げられるのが一番ですので、楽しくお話し出来たらと思います。またお見苦しい点や直して欲しい点等ございましたら何でもお申し付けくださいませ!)

>>榊

(トゲトゲした気持ちも彼の心地よい声と柔らかな手のひらに溶かされ、我ながら単純だと思いつつ暗器を戻す。心の中では大人気なかったな、と反省するが、ニヤニヤと彼の背中越しに笑う兄にまた渋い顔をして。しばらく外を歩いたが、分かれ道に差し掛かると、別れ際の二人の会話に少しだけ嫉妬心を滲ませる。彼の、繊細な指がお猪口に注がれた透明な液体を嚥下する仕草、酒に強い彼が少しだけ?にさす赤…悶々とそんなことを考えていたためか、反応が遅れ、兄のうっすらと浮かべた笑みに動きを止める。先ほどの暗器がバレていたか、と苦虫を噛んだような顔で。「そうですね。可愛いお兄ちゃんがそう言うなら…!」と自らも態とらしい笑みで「可愛いお兄ちゃん」の所だけ憎たらしげに発音し、榊からの死角で兄の脇腹をつねる。茉莉花は茉莉花で笑顔を貼り付けたまま、これまた死角で弟の後髪を引っ張り『坊、またお会いしましょね。しばらくはこの辺りでウロウロしてますさかい、何があれば呼んで。坊の為なら何でもしまっせ。』と言うが早いか弟から離れ、彼の真っ黒に染まった指感触の良い前髪を軽くかきあげて、その下に隠されたきめ細かい額の肌に唇を落とす。勿論それを見た梔は豆鉄砲を食らった鳩の様な顔をして、茉莉花に向かってやや威力を弱めたローキックを繰り出すも、余裕でそれを避けた茉莉花はハハハ、とからかいの笑い声を残したまま夜の闇に消え。
アジトへの帰路に着いた二人の間に微妙な空気が流れると、相手に正対して「…兄貴が…いえ、我々兄弟がすみません…。何事もありませんでしたか?」と小声で謝罪を。殺気に対する反応速度には自信があるが、まさかあんな行動をとるとは…自分の想定の甘さ、兄に出し抜かれたと言う事実と、彼への過度なスキンシップを思い出し、悔しくて下唇を噛む。やらなくてはならない課題はまだまだ山積みな上、兄がちょっかいを出してくる。自分へのちょっかいなら幼少の時から慣れているのでまだしも、彼へのちょっかいとなると話は別だ。兄は独特な雰囲気でハニートラップもできる人タラシ…榊さん程の人がそんなものになびく筈がない、と思う反面、先ほど見た兄の奇行の様なことがあれば、と悩みが悶々と心の中で膨れ上がる。こんなに自分は独占欲が強かったのか、と今更ながら再確認すると不甲斐なさから俯いて。)

  • No.5 by 榊 誠  2019-05-19 18:38:53 


(/兄弟仲について了解しました!そして大軸についてわかりやすいまとめ有難うございます。今回、『ただで返すのは面白くない』を本文(梔さんを試す形)にさせて頂きました。このあと茉莉花に話を持ちかけていた組織が情報が手に入らないのに痺れを切らすか、または茉莉花にけしかけられるかして、ヤマトの下っ端くん辺りを人質に取るかアジトに襲撃させようかぼんやりぼんやり考えています。勿論成り行きで脱線したり変更したりは大歓迎ですので、背後様も考えている設定ややりたい展開などありましたら自由に盛り込んでいってくださいね。いつもあやふやな展開にお付き合い頂き有難うございます。背後はこの辺で失礼します。何もないようでしたら此方は蹴って頂いて構いません!)



>>梔

(二人となった帰路、突然の茉莉花からの口付けにその衝撃からまだ立ち直り切れず、額に手を当てたままぼんやりしていて。茉莉花のスキンシップの多さは前々からなのだが口付けは初めて。変に頭の中に茉莉花の表情が残って離れない。これが所謂彼の持つ技なら女も男も簡単に落ちるだろう。組織が彼を失ったのは相当な損失だったのかもしれないとやや脱線した思考を巡らせていると相手の謝罪が聞こえ、はたとそちらを見て。何やら気を揉んでいる様子を不思議に思いつつ「何も無かったよ…?普通に呑んで話してただけ。でも君たち兄弟は似てるよね。茉莉花にも疲れてないかって心配されたから。俺そんなに疲れてるように見えるのかな。」と呑気に笑い、別れ際の兄弟のやり取りを思い出してはまた楽しげに目元を緩ませる。しかし相手の雰囲気がやや沈んでいるのを見受けると俯く顔をあげさせるために片頬に触れてそっと顔を覗く。月明かり差す紫眼の水面に映る長い睫毛の陰影が美しく彼の憂いを帯びた表情がそれをより一層際立たせている。そんな彼の表情に見惚れながら頬に触れる手をさわりと滑らせ「…何か、考え事?さっきも急いで来てくれたみたいだし、何かあるなら言ってごらん?」と決して強制することはない優しい声色で話しかけて彼を見詰めて。その時、梔の通信機器がブウウと通知音を鳴らす。それは梔のお忍びの部下からのメールで【愛刀の件ですが、スラム街でそれらしき物を見たという者がいました。それが榊さんが元々居住していた場所らしく───、失礼ですが榊さんに怪しい動きはありませんでしたか?】と。勿論スラム街の情報はデマ。茉莉花が梔の榊への忠誠心をはかるために適当に人を金で買って流した出鱈目で。)

  • No.6 by 梔  2019-05-20 06:43:43 


>>榊

(彼の緩んだ目元は今宵の空に浮かぶ緩やかな上弦の月の様。しかし、その穏やかな目元には、最近の戦闘や問題の影響か、少し疲れが滲み無意識のうちに手を伸ばしそうになる。「左様ですか…?…いえ!決してそんなこと…は…。」兄と似ている、そう口にするのはごく僅かな人間のみ。その中には彼も含まれており、内心兄と似ている、と言われるのが少しだけ嬉しいのは恥ずかしいので秘密だ。しかし、次いだ彼の質問には吃ってしまう。彼の目元は優しく、穏やかだがその奥には鋭く、物事を的確に見据える冷静な叡智の瞳があり、その下に続く肌は健康的で女性とは違う美しさを持っている。口元は常に柔らかく、キッ、と結ばれる時は勇ましく、また、厳かな雰囲気を身に纏う。背筋の伸びた姿勢正しい彼の立ち姿も合わせて考えても、彼の外観からは疲れた要素は認められない容姿である。そう答えようとするも、先程手を伸ばそうとした、彼に似つかわしくない目元の隈が目に入ると、出しかけた言葉も尻すぼみになってしまう。「…貴方の容姿はいつでも洗練されており、疲れは感じさせません。…しかし、最近の事案が続いたこともあり、目元に隈が…。」そう言いつつ今度こそ手を伸ばしたが、彼の母に到達する前に彼の手が自分の頬に触れる。「…兄は、何も言わずに出て行き、何も言わずに帰ってきました。それが怪しいと思い、榊さんに何か危害を加えるのではないかと…すみません、失礼します。」彼からの問いに答える途中、携帯が鳴る音に反応し、一言ことわりを入れてから確認する。メールの意味が一瞬分からず二度読み返し、小さく溜息を吐いて。この部下からの情報であれば間違いないだろうが、まさか榊さんがそんなことをするだろうか。【ありがとう。こちらに異変は無し。引き続きアジト内の警戒に当たれ。以上。】簡潔にそう返信を送ると彼に向き直り、その瞳を見やる。…自分にはどうしても、彼を疑うことはできない。かと言って…「…すみません、榊さん。急用ができまして…。アジトまであと少しですが、自分、離れさせていただきます。」愛刀のことは口にせず、そう言うが早いか夜の闇に紛れる。彼のことは心配だが、アジトまでは後少し…今は愛刀の情報を確かめ、彼の疑いを晴らすのが先だろう。スラムへの道のりを目立たぬように辿りながらそう考えて)

  • No.7 by 榊 誠  2019-05-20 17:13:16 


>>梔

(急用、と行って立ち去って行った相手の方角を暫し凝視したあと、逆方向のアジトへと足を向ける。急用とは一体何だろうか、気にはなるが彼にも抱えるものや事情があるだろう。元々あまり人を詮索しないできたが彼のこととなるとつい知りたくなってしまう。いけないな…と自戒しながら目元にそっと触れては今日はもう大人しく寝ようと。そしてその通り、アジトに着いた後は寝支度を手早く済ませて彼のことを気にかけつつも床について。
一方スラム、綺麗な中心街とかけ離れたそこは街灯もなく夜となれば真っ暗闇に近い。瓦礫と街で出たゴミ置きと化しているため鼻につく異臭が立ち込めており、瓦礫の中にはまだ使える銃器や戦闘具なんかも紛れている。その奥に居住区がありトタンや材木、レンガなどで作った小さな家が立ち並んでいて。そんな極貧の僻地で暮らす人々は一日の食料を確保するのに必死だ。衣食住の為ならどんなに手を汚しても構わない人間が殆ど。だから茉莉花が、流した“デマ”をより信憑性の高いものにするためにスラムの人間を買ってコマにすることは簡単だった。そのコマの中の一人の18になる青年は、茉莉花に『恐らく近い内梔が来るだろう』と言われていたため小屋で普段どおり生活しつつ外の様子を気にしていて。そしてその青年の妹が丁度外にあるトイレに行っており闇夜に慣れた目で数十メートル離れた場所にいる相手を見つける。妹はまだ5歳で事情は何も知らなかったが綺麗な格好をしている相手を見るやいなや警戒心も何もなくそちらに走っていき正面に来ると小さな両手で器を作って無言で相手の前に突き出し、無垢な瞳でまっすぐ相手を見つめ乞食をして。)

  • No.8 by 梔  2019-05-22 10:07:12 


>>榊

(彼が床についたことを確認し、その部屋の前に護衛として2人の部下がつく。一方は彼、榊の部下であり、もう一方は自分、梔のお抱え部下…どちらも自分の指示で配置したものである。裏切り、茉莉花…彼の周りには危険が多すぎる。更に不安要素としてはストーカーの男だって甘く見てはならない。此処はクライム、狂信的な一般人だってそこらかしこにうようよいるのだ。本当は自分が彼の横に立ち、守るべきなのだろう、と悔しいが、そこに彼の寝顔が見てみたいという我欲が混ざるのも否定できない。彼は安眠できているのだろうか?真黒に輝く真珠のような瞳が、ふくらとした瞼の中に隠れ、美しく長いまつ毛がその縁取りをする様子を見ないと心配になってしまうのだ。
そんなことを考えながらスラムの中を歩いていると、悪い足場にもかかわらず素早い動きをする者を察知し、暗器に手をかけるも、それが正面に立つ少女だと分かるとその手を離して。「…1人か?」今まで何度かスラムに来たことがあり、その度にこの手の物乞いは経験した事がある。大体は気にしていなかったし、何とも思わなかったが、彼女の目を見た途端、彼の目を思い出してしまった。無垢とは、ぬくぬくとした箱の中で無知なまま育つ瞳に宿るものではなく、全てを目にしてもなお純潔である姿勢の先に宿るもの。その光はどんなに汚れた場所であろうと、濁る事なく煌々と光を閉ざさない。彼の瞳に宿るものと通ずるものを目にすると、無意識のうちに絆され、上記の質問を投げかけつつ何かあっただろうか、とポケットを探り。その内、ふと指先に触れた箱を取り出すとそれは夕飯用に、と構えていた固形栄養食であり、彼女の掌の上で掲げ「…この辺りで二振りの短刀か、どちらかの人を見なかったか?」と逆の手で榊と茉莉花の写真を見せて問いかけ)

  • No.9 by 榊 誠  2019-05-23 00:13:18 


>>梔


(自分の眠りは育った環境もあって浅い。と言ってもこの界隈で生きる人間ならいつ何時何が起きても対応出来るよう、よっぽど安寧が保障されない限り熟睡することはないだろうが。そのためほんの少し、微かに感じたドアの向こうの気配に気付きうっすら目を開け、反射的に枕の下に忍ばせてある短刀に手が伸びる。しかし、誰かまでは分からないが敵ではないと分かると再び襲ってくる睡魔。どうやらあの兄弟の見解は正しかったらしい。疲労からくる眠気に抗えずに短刀から手を離し瞼を閉じると静かに寝息を立て始め。ドアの外では梔の部下が現状報告として電子機器で梔に榊が眠りにつき、アジト内でも異常がない旨の報告をしていて。
少女は相手のポケットから出てきた箱に釘付け、目を大きくして掌に乗るのを待つもその前に聞かれた問いに、弱冠5歳にしてそれが交換条件なのだと悟って写真に視線を落とす。そして二枚の写真を見比べて小さな口を開きどちらかの写真を指差そうとした時だった、さっと少女の背後からその小さな手を包み込む手が。少女の兄である青年だ。青年は相手をじっと見据えながら少女を守るように自身の背後に隠すと写真を見て、またすぐに相手をじとりと睨み『…誠なら最近ここには来てねえよ。でもあっちに住んでるオヤジが誠から良いもん貰ったとかで金にしてたのは見た。あんたの言う短刀かどうかは知らねえけどな。…そっちの男は知らねえ奴だ。』と暗闇の中にある“オヤジ”の小屋がある方向を指差しながら淀みなく話し、最後に茉莉花の写真を顎でしゃくる。青年は榊と面識があり、それは榊が定期的にスラムに訪れる中で施しを受けるなどして持ったもの。青年は榊を知っていることを隠さなかったし最近榊が来ていないのも本当だが、後に続く文言は茉莉花本人に吹き込まれた嘘。ただこの手の嘘は吐き慣れていたため、表情にも声にも一切ブレはなく。『で、教えたんだからそれ寄越せよ。…いや情報分上乗せだ。金、持ってんだろ?』と相手の手の内にある箱をチラと見て臆することのない瞳で相手を見据えて片手を突き出す。その瞳は鋭いながら背後にいる少女を守り生きるのに懸命な瞳で。)


(/前半ロル(榊)はスルーして頂いても大丈夫です!脇役だけの絡みになってすみません…。蹴り可です。)


  • No.10 by 梔  2019-05-25 02:27:16 


>>榊

押し売りは悪徳商法だと教わらなかったのか?坊主。(じろり、と嫌な視線がこちらを鋭く射ることを感じると、つい癖で自然と青年に向ける視線は此方も鋭く、冷たく、また、声も低くなり、全身で威圧する。この青年も守りたい者の為に何だってやる覚悟の目を持った者だ、決して油断はできない。「…自分が聞きたかったのは来たかどうかだけだが…それも充分に役に立つ情報だ。感謝する。」もののついで、と青年の首を締めようと伸びそうになった自分の手を止めて腕組をするのは、唐突に目の前の青年と彼とが重なったからだ。彼も時を経るまではこんな感じだったのだろうか?幼くも強く、揺らがぬ瞳と信念。そう考えると先程までの冷たい威嚇も穏やかになり、その片手に箱を乗せる。その回答の半分が嘘だとは思わずに。ところで、上乗せされた分の金、と言われたが慌てて出てきたため殆ど金は持っておらず、少し困った顔をしてから青年の手のひらの上に箱と僅かばかりの所持金を置いて「悪いがこれ以上は手持ちがない。」と一言断りを。
その後、青年に指さされた『オヤジ』の小屋へ向かうと夜中で返事があるかどうかは迷ったものの、その小屋のドアと思われる板を何度かノックし、返事を待つ間に周りを観察する。周りには穴の空いた鍋や、銃器、誰かの偶像等ありとあらゆるものが落ちているものの、当然その中には自分の探すものは無い。次第に気が立ってきたのか、ノックの回数が2桁を超えた頃に暗器を携え、慎重に中へ侵入してこの小屋の持ち主を探し。)

  • No.11 by 榊 誠  2019-05-26 01:53:33 


>>梔

(青年は『オヤジ』の家に入っていく相手を確認すると張り詰めていた緊張の糸が解け、そっと息を吐き出す。一瞬感じた殺意、未だヒヤリとする首元に手を当てて『さっきのお兄ちゃん格好良かったね。』と無邪気に笑う妹の声に目を細めその頭を撫でると自分たちの小屋へと。室内へ入る間際、ちらっと相手の入った小屋へと暗い瞳を向けパタンと静かに扉を閉ざし。
一方、『オヤジ』の小屋、家主である男は46歳で此処一帯では重鎮。この廃れた場所で長く暮らしているとは思えない鍛えられた体躯に優れた身のこなしを併せ持ち、榊に窃盗やら戦闘のノウハウを教えた男でもある。榊とは特段仲が良い訳でもなく、教えを説く代わりに榊が得た手柄を山分けするあくまで利害の一致の上での関係だった。だから今回茉莉花に話を持ちかけられたときも榊に迷惑が掛かるかもしれないと承知の上で話に乗った。そして梔が小屋の扉を叩く頃、男は既に部屋の奥で寝ていて、最初のノック音で目覚めるも面倒臭さから無視をする。しかし何度も叩かれて部屋にまで侵入されては放おっておくわけにもいかずに暗闇の中でノソリと起き上がり、侵入者、梔の気配を探って。この時、気配だけでは茉莉花から聞いていた男が梔とは分らず、兎に角無法者を取っちめてやろうくらいの気持ちで暗闇の中、気配を消すと短刀を片手に相手の背後を取って『おい、てめぇ勝手に入ってくるとはなにもんだ。』と低く凄み羽交い締めにしようとして。)

  • No.12 by 梔  2019-05-26 19:52:05 


>>榊

(早く、精密。そして何より静か。『オヤジ』であろう人物の初めの印象はそれだった。暗闇には人より慣れている自信があったが、相手が背後に回った事が分かったのは低い声が聞こえてからのこと。本当にこの人物はこの住処の住民だろうか?『勝手に入ってくる』という言葉がその意味通りだとすればここは彼の住処なのだろう。しかし、それにしては良い体つき…否、ここに似つかわしくないーーー例えばそう、軍隊かどこかの基地で煙草をふかしていそうなーー程の非常に良く鍛えられた肉体と技量の持ち主。羽交い締めしようと接近した腕とその動作の素早さから逃れようと、咄嗟に前方へ転がり距離を取るが、逃げ道は相手の後ろ側へ。さて、どうしたものか。金も無く、取引出来そうなものは持っていない…おまけに手持ちの武器は暗器を数種類のみ。愛刀も無しに目の前の相手と一戦交えるのは地の利も相成り不利。スラムの者を装うか?いや、服装でバレる。相手との距離をジリジリと取りながら必死に脳みそをせっついていると、ふと相手が手にしている短刀が目に入る。『酒盗』でも『酔鯨』でも無いが、確かに見覚えのあるそれ。一体どこで見たというのだろう。『手汚い盗人め。五体満足で帰れると思うなよ。』とその短刀が振るわれ、自身の持つ苦無の刃がぶつかった瞬間、記憶がフラッシュバックする。この短刀の持ち主はーーー
『いやー、思ったより時間がかかってますわ。俺も危ない橋渡るんは慎重なりますさかい、そげな無茶は呑めませんなぁ?ほな、また連絡待ちよります。』同時刻、クライム中心街のとあるボロアパートの屋上。ブツっ、と半ば強制的に電話を切った茉莉花はふぅ、と口内の煙を吐き出し、また左手のタバコから補給する。先程の電話の主は自分にヤマトの情報を売れ、と持ちかけてきた輩。勿論最初は金と役職が貰えるなんて割のいい話に乗ろうとしていたが、ヤマトのリーダー…榊に会ってしまったのがまずかった。もう一度あの中に、あの穏やかの陽の光のような非日常の中に戻りたい気持ちが芽生えている。そして、彼の右腕として居たい、という我欲も。まぁ残念な事にその座は実の弟に取られているのだが…と手元にある弟の双剣を弄びながら思考を巡らせ、ボソリと独り言を煙とともに吐き出す。)
…ま、俺の短刀上乗せで欲しがったのは痛かったけど…それに見合った働きをしてくれよ?『オヤジ』さん。


(/最近返信ムラが酷くてすみません!そして榊さんと全然絡めていないことも申し訳ないです…!ご質問が遅くなってしまい申し訳ないのですが、今回、また魅力的なキャラのオヤジさんが登場され、梔はその存在を知らなかった体で進めておりますが大丈夫でしょうか…!ふと気になったもので…!既に何らかの理由で知っていた設定の方が都合よろしければ今からでも何とか修正致しますので!その他にも何か関連付けたりした方がいいことや、知っておいた方がいいことがございましたら、お時間のある時にでも教えていただけたら本望です!特にございませんでしたらこちら、蹴ってくだい!いつもありがとうございます!)

  • No.13 by 榊 誠  2019-05-27 13:18:51 


>>梔

(暗い小屋にキンッと響く金属音、男は苦無の奥に鋭く光る冷艶な紫眼を見てふとつい先日見た男、茉莉花の姿が重なる。この暗闇の中でもブレることのない鮮やかで鋭敏な暗器使い、そして纏う空気。一見異なる二人だが交わる武器から伝わるものは似ているように感じた。そして気付く。目の前の男が茉莉花の話していた弟、自分が騙すべき対象なのだと。となれば真っ向から対峙している場合ではない。というより長期戦になれば確実に此方が不利になる。事実、今自分は押されている。流石生まれながらヤマトに属する人間というべきか、爪先の動きまで研ぎ澄まされ無駄な動きがない。さらに容姿端麗とくればあのヘラヘラ野郎(榊)の右腕には勿体無すぎる。相手の攻撃を躱しながらそんなことを考え頃合いを見ると逃げ口を塞ぎつつ相手と距離を取って短剣をくるりと持ち直して『中々やるなぁ色男君。このままどっちかぶっ倒れるまで一戦交えるのも一興だが、お前もなんの目的もなしに侵入したわけじゃないんだろ?色男君の腕利きの良さに免じて話しくらい聞いてやるよ。』と調子の良いことを言ってニタリと下品な笑みを浮かべながら舐めるような視線で相手を見て。
一方、茉莉花から情報を得ようとした組織、一方的に電話を切られた主格の男は苛立たしげに路地裏にあったゴミ箱を蹴り飛ばし、クソッと悪態吐き爪を噛む。此方が下に出て不足のない餌をちらつかせてやったというのに茉莉花は一向に情報を持ってこない。弄ばれているのではないのかという態度。主格の男も、またその下につく者たちも痺れを切らしていた。茉莉花の情報ばかりに頼ってはいられない。自分たちで行動を起こすしかないと決断したとき、恰も好しかな目先の居酒屋からヤマトの幹部と下っ端の2人が出てきた。休暇中なのだろう、二人とも軽装な上に泥酔気味。男はすぐに部下達を呼びつけるとその二人の身柄を拘束し、ヤマト宛に部下の命と引き換えに多額の身代金とヤマトの保有する領土を要求する脅迫状を翌日届くよう送りつけて。)



(/榊は放っておいて全然大丈夫ですよ!そのように話を進めたのは此方ですし、今でも充分過ぎるくらい楽しませて貰ってます!! むしろ脇役だらけになって此方が申し訳ないです…。
オヤジさんですが、私も知らない設定のつもりで書いていたので梔さんはオヤジさんの存在を知らない設定で大丈夫です。オヤジさんは、梔さんのことは茉莉花から聞いた情報程度に知っているくらいに考えて頂ければと思います。そして今回、ロル中に少しだけオヤジさんと梔さんが応戦していて、勝手に梔さんが動いている描写を書いてしまいましたが大丈夫だったでしょうか…。もし不都合があれば訂正しますし、今後気をつけるので何かあれば仰ってくださいね!オヤジさんは煮るなり焼くなり自由に使ってやってくださいませ。
また知っておいて欲しい点、というよりこうしようかなーと考えている話の筋ですが、オヤジさんが吐く嘘として、街で偶々榊と再会→金に困ってると相談を持ちかける→榊が梔さんの愛刀を提供→受け取って闇市に売却済み、売人には既に話を通して口裏合わせ済みと大まかに考えております。時間の流れ的にはかなり無理がありますがその辺りは目を瞑っていただけると…。勿論思いつきで書いた展開なので変更は大歓迎です!こちらも何も無ければ蹴り可です!此方こそいつも本当にありがとうございます。)

  • No.14 by 梔  2019-05-30 15:49:33 


>>榊

(相手が短刀を止め、放った言葉に感じた違和感。目の前のオヤジが出した提案に怪しいと思いつつも、その怪しい確信がつけず「…二振りの短刀を探しに来た。あんたのとこに来たらしいが、知らないか?」と素直に答える。舐められるような視線には慣れていなかったが、それよりも、この場にいるオヤジが何故茉莉花の短刀を持っているのか、という疑問が強かった。勿論、確信がないうちに情報を晒すような真似はできない為、胸の奥底に仕舞っておくことしか出来ない…今の所は。『はは、何だ、そんな事か?確かに二振りセットの短刀なら榊から貰ったぞ。すぐ売り払ったがな!おかげでえらく儲けたぜ。』オヤジはその問を聞くと、待ってましたとばかりに残りの脳内の嘘をなぞる。流石はこの辺り一帯の重鎮というだけはあり、武術だけならず話術もお手の物。すらすらと読まれる嘘だと微塵にも思わせない。冷静にその話を聞いていた中で榊の名が出てくると思わず動揺して瞳を揺らす。そんな事は嘘だ、榊さんを信じる、という自分の中に、僅かに芽吹いた、冷静に物事を見ろ、と主張する忍としての自分、わずかな疑念。彼が自分の刀を売ったというのか?その可能性があるだけ、と捉えるべきだ。しかし、彼のあの優しい瞳を思い出すと、到底信じられない。信じたくない。それを無理矢理振り払うと「…あんたと榊さんの間柄は何だ?随分と親しいようだが…」少しの間、頭を冷まそうと本題と離れた、しかし気になっていたことを問い。)

  • No.15 by 榊 誠  2019-05-31 21:57:54 


>>梔

(オヤジは榊の名が出た時に相手の瞳がほんの微かに揺らいだのを見逃さなかった。しかし油断は出来ない。少しの攻防を交えただけでも相手の戦闘レベルは侮れないと悟り、洞察力もかなりのものと伺えた。正直、マフィアのいざこざは興味無かったが報酬を既に得ている以上、それなりの仕事をせねばと問われた問いにフンと鼻で笑うと内ポケットからジッポーを取り出し扉横のランプに火を灯す。ランプはジーと音を立ててジトリと室内を薄暗く照らし、それによってより鮮明に見えた梔の秀麗な瞳にオヤジは薄く笑み零し『アイツは俺の子分みたいなもんだった。いや金づるってのが近いな。』と喉で笑うと自身が榊に手解きしたことやその見返りに報酬を得ていたことを話して、『俺はアイツが此処に来た小童のころから知ってるが、そんときからヘラヘラしてていけ好かねぇ野郎だった。親に捨てられたってのにケロッとしてやがるし、つい昨日まで仲良く同じ釜の飯を食ってたやつが死んでもいつも通り盗みに出かけられるようなやつだった。あー、でも待てよ。一回だけキレてたときあったな。』いつだったかなァと短剣を片手で回しながら白々しい演技を挟んで『あー、そうだ。アイツが可愛がってた妹分がマフィアの連中の紛争に巻き込まれて殺されたときだよ。相当マフィアを恨んでたから俺はてっきりヤマト入りを断ると思ってんだけどな。ボスにまでなっちまうんだからほんと何考えてんのか分かんねぇよ。』とケラケラ笑い饒舌に話す内容は全て真実。マフィアに恨みを抱いていた、その真実さえ話せれば茉莉花の命じた“榊に疑念を抱かせる”条件を満たしているだろうとオヤジは相手の反応を伺いニヤリと口端を上げて。『んで、他に聞きたいことはあるか?…ま、これ以上聞くってならそれなりのものは頂くけどよ。』と一歩二歩と相手に近づいていき距離を詰めると相手の顎先を指で摘んで堅い親指の腹で顎下を撫でて厭な笑みを浮かべて。)

  • No.16 by 梔  2019-05-31 22:53:03 


>>榊

(最初こそ聞こえた『金づる』という単語に密かに眉を寄せるような余裕があったが、その後に紐解かれる彼の過去に徐々に呑まれていく。確かに相手の腕前は本物だ。彼の流れる様な剣技、常に冷静、且的確な観察眼、優しさの中に息を潜め、一瞬の間に標的を喰らう決断力…相手の手解きを受けた後に彼流の伸びが見られるが、その根本となるものを授けたというのは本当の様だ。ランプの灯は徐々に自分の心を表すように、ゆらりと揺れ、相手の口元を照らす。相手の言うことは吟味しなくてはならないが、嘘をついているようではなさそうだ。以前少しだけ聞いた話とも合う。「…恨んでいた、…か。」僅かな明かりにも反射する短刀を眺めつつ、噛み締めるように言葉を反復する。一層灯が揺れた。確かに、思い返すと彼は争いを仕掛ける時に市街地や人が多い場所を選ぶことは無く、街の人に迷惑をかけないよう口を酸っぱくしていたっけな。ぼんやりと壁に伸びるランプの影に、妹分が亡くなった時の彼の心情が溶けだしているように見える。彼は守ってくれる存在のない中、やっと見つけた大切な存在が何の理由もなく失われてしまった。その時の絶望は、恨みは如何程のものだったのだろう?きっと、マフィアである自分には一生分からない。「…無い、離せ。」一気に脳味噌の血管内にドライアイスでも放り込まれたかのような不快感が視線を下げさせ、何時の間にか相手の接近を許してしまっていた。軽くその手を払い退け、そのままの勢いで相手の脇を抜けて出口に手をかける。相手の事はどうするか。今の話のかぎり、偶然とはいえ金づるとして今でも彼の事を利用するような真似をする相手の事だ。十分な警戒は必要だが、情報筋は多く持っておきたい…1度振り向いてもう一度相手の手元に光る短刀がやはり兄のものに間違いないと確信を持つと、今は泳がせるべきと判断して無言で…一応会釈はしてから闇夜に溶けて。
次に空が明るんだ時、仕掛けられた歯車は急速に回り始める。アジトに届いた一通の手紙。宛先も送り主も全く書かれていない封筒は、通常の郵便ルートを通っていないことを鮮明に表し、それが日常と非日常の境目であることを封を開ける前から窺わせるシロモノ。それをポストから取り出した下っ端は、クルクルと封筒を回してみて、誰宛なのかは中を見ればわかるだろう、と封を破った。中には三つ折りにされた便箋が1枚。その山折りを開く前に、封筒の中に同封されていた写真が足元に落ちる。それは、寝起きの下っ端の目覚ましには些か強烈過ぎた。それには昨日捕らえられた幹部と下っ端が拘束され、こめかみに銃口を押し当てられている様子が印刷されており、それは慌てた下っ端により、すぐに頭領である榊へと届けられるだろう。)

  • No.17 by 榊 誠  2019-06-01 10:54:44 


>>梔

(朝、彼の気遣いもあって充分な睡眠がとれたおかげか体調は好調。朝の身支度を済ませて彼が多端に動いていることなど知りもせず、本日のスケジュールを大まかに頭の中でさらう。と、穏やかな朝には似つかわしくない、けたたましいノック音が部屋に響くと共に下っ端くんの『ボス、いらっしゃいますか?』と酷く焦った声が聞こえ。嫌な予感がした。昨夜彼が言っていた急用と関係あるのだろうかと勘ぐりながら扉を開けると下っ端くんが泣きそうな顔で例の封筒を渡してくる。封筒を開く前に下っ端くんの頭を撫でて落ち着かせ、微かに緊張で強張る指先で封筒の中身を見るとすっと冷たく目を細め。──汚い、下衆なやり方、だが己を動かすには最も効果的なやり口だ。ご丁寧に脅迫状の最後には“反撃の動きがあれば部下の命はない”とまで。瞳の奥が憎悪に染まり封筒を持つ手に力が籠もるも『ボ、ボス…。』と震える下っ端くんの声に我に返ると小さく謝り常の微笑みを浮かべて、梔に現状を報告し可能であれば一度アジトへ足を向けるよう伝えてほしいと指示をして。人質の安否を考えればすぐにでも救助に向かいたいところ。正直、金やら領土はくれてやりたいがボスとして、組織として示しをつけるにはそういう訳にはいかない。一瞬…、すごくどうでもいいと考えてすぐその邪念を捨てると再び封筒に目を落とす。敵の正体は不明瞭。落ち合う場所は指定されているものの恐らくそこは廃墟で敵アジトではない。金だけでなく領土まで要求するとなれば他国の可能性も出てきて戦力は未知数。事前の対策が練れないとなると幾分か此方が不利。また、人数は指定されていないが大人数で行けばそれだけで“反撃”とみなされ人質の身に危険が及ぶだろう。となれば落ち合う場に向かうのは2,3人で戦力のある者。だとすれば彼、梔の力は欲しい。あとは保険として気付かれぬよう近隣にいくつか部隊を忍ばせるか。思考を巡らせつつ数人の部下に声をかけて対策に備えるよう命じると自分は執務室に向かい、落ち合い場周辺を含む地図を扉を背にしたテーブルに広げて位置の確認をしていて。)

  • No.18 by 梔  2019-06-03 15:42:53 


>>榊

(携帯電話特有の機械的な受信音を3コールない内に出る。いつもは穏やかで有名な下っ端の焦った声から、何か異常事態が発生したのだと直感し、それは簡単に説明される封筒の情報を聞けば当たっていたのだと眉を顰める。急いでアジトへ戻りたいのは当然だが、困ったことに、スラムを出て直ぐに知り合いの質屋を手当たり次第に回っていた所で、少しアジトに帰るには時間がかかりそうだ。その事を下っ端に告げ、中心街の建物の屋根を伝って最短の道をアジトまで駆け戻り。
一方、時を同じくして茉莉花にも電話が入る。相手は勿論ヤマトの幹部達を人質に取ったグループで『俺達がいつまでも尻込みしてるとでも思ったか?考えが甘ちゃんだったな。俺達はもう行動を始める。お前もどちらに着くか早めに決めることだ。』とやや興奮した様子の喋りで一方的に電話を切る。しかし、当の本人の茉莉花はそれに煽られるような真似はせず、一度ヤマトに現存している旧友に連絡を取り、現状を把握すると冷静に向こうのグループの状況を思い出す。相手グループは人数も多く、同じような手法で他の領地を所持しているマフィアや他の武力団体にも脅しをかけている。後後は日本のマフィアとしてヤマトにとって変わろうなどと画策しているグループであり、若さ故の焦りが玉に瑕だが、それを除けばそれなりに大きな規模の武器、人員が揃っている。今自分が相手のグループに流した情報は無いが、多分自分のような情報筋は何人か雇っているはずだろう。そう考えるならば、ヤマトの主戦力くらいは分かっているだろう。そのグループが弟の短剣を盗み出す前に自分が盗み出せたのはいいものの…。兎に角、不味い状況になった。ヤマトには分が悪すぎる。自分はどうすべきか、とあれこれ考えていたが、あの夜の弟と榊…特に榊のあの美しい黒い瞳を思い出すと、答えはもう決まっているようなもの。それからは、梔の短刀を適当なカバンに詰めてヤマトのアジトへと足を向かわせる。歓迎はあまりされないだろうな、と思うと少しだけ足が重くなったが。
彼此はあったものの、アジトへ兄弟が着いたのはほぼ同時。茉莉花を見た梔は嫌な顔をしたが、『今は喧嘩しとる場合ちゃうやろ。はよ行くで。』といつものおちゃらけた様子とは違う雰囲気に充てられると黙って二人揃って榊の待つ執務室の扉をノックして)

(/毎度の事ながら亀更新で申し訳ありません!モブ(茉莉花)が出張ってますが、文が散らかりすぎて鬱陶しい等不備ございましたら御手数ですが、ご指摘お願いします…!また、文章力がないのでだんだん何が描きたいのか自分でも分からなくなってきてしまい…簡単に言うと、今回のロルで
○梔の武器はまだ手元になく、代替品としてナイフ二本を所持。
○茉莉花はヤマト側につくが、短刀はまだ返さない。素早くは動けないが、その場から動かない狙撃手としての武力はまだ持ち合わせている。
という状況になったという感じです…!他に分からないことや、不備等ございましたらお手数ながらお声がけ頂けると嬉しい限りです!特に何もございませんでしたら、蹴って頂いて大丈夫です!)

  • No.19 by 榊 誠  2019-06-04 15:33:25 


>>梔

(部屋に響くノック音、地図に目を向けたまま「入って。」と声をかけて扉が開くのと同時にゆっくり振り返っては、予想とは異なる人物がまず目に止まり小さく目を見開く。そしてその後ろに予想の人物、梔を見てはやや安堵するも、それも束の間。彼の表情には明らかな疲弊があった。上手く隠せてはいるがいつも研ぎ澄まされた凛とした佇まいが僅かに揺らいで見えて、思わずすぐに声をかけそうになる。しかし、今は…と茉莉花に視線を戻し状況が状況なだけに訝しみ警戒しつつも、今起きている動乱を悟られぬよう穏やかに笑んで「…昨日ぶりだね。どうしたの?」と率直な問いかけを。すると茉莉花はふっと笑み『風の噂でちぃと気になること聞いてな。坊が困ってるんやないかと思うて。…こいつとはさっきそこでばったり会うてな?』と梔の背中をボンッと叩き、一枚の紙をはらりと出してきて。それは相手グループの情報が書かれた紙。どうやら全て既知の様子に疑念を抱きつつも二人へ近づき紙を受け取って目を通す。細かな情報は敵の主軸や動向が備に把握でき、相手グループの名もここ最近良く耳に入るものでいくつか手に持つ情報と合致する。信憑性は高いように思えた、が、いくら茉莉花が元ヤマトで仲間だったとはいえこんなリスキーな真似をただでするだろうか。相手グループのような汚い取り引きをするような男ではないと分かっているが、何か意図するものがあるのではと。金銭にでも困っているのだろうかと少し心配しつつ怪訝そうに顔を上げ「…それで、どうして此れを?」と。茉莉花は此方の様子に無理もないと小さく笑って『深い意味なんてあらへんよ。坊と…可愛い弟の助けになりたかっただけや。……にしてもその可愛い弟はこんな時間までどこほっつき歩いてたん?なんや疲れてるみたいやけど。』肩を竦めて目を細めると梔に目を向け、何故弟がこんなにも疲弊しているのか知っていながら、何も存ぜぬ素振りで弟いじりを始め梔の頬を突きながらニッと笑い。梔の顔色は自分も気になっていたため、自分も知りたく心配げに彼の瞳を見つめ答えを待って。)

  • No.20 by 梔  2019-06-05 20:28:58 


>>榊

(紙切れ一枚と、その上に踊る僅かな文字を目で追えばあとの推測は彼持ち前の切れ味鋭い大脳が処理してくれる。訝しげな表情は暗に彼が情報を咀嚼し得たことを表し、茉莉花はその聡明な目に光が宿る度に思う。彼ほど理解力と理性を持ち合わせた逸材は簡単に存在し得ない。そして、それを所持するものがその力を、采配を振るうにあたって逃れることの出来ない、心の孤独感も。それが自分を惹き付ける実態なのだろうか。彼の瞳にフッ、と映る孤独感を埋めてやりたい、と加護欲を唆られるのだ。「兄貴、喋れんき止めとうせ。」びしびし、と頬に何度か加わる指突きに弟の梔は嫌な顔をしてそう切り上げようとするものの、兄の体越しに彼の姿を見た。特にその表情に目を奪われた。常ならば猛く燃える彼の闘志が目に映るが、今は零れ落ちそうな不安がその瞳を薄く覆っている。「…俺、は……いえ、自分は…」何といえばいいのだろう?『貴方が自分の短刀を盗んだと思っていました。』?いや、彼は盗んでいないと信じていた。…本当に?否、信じきれなかったからこそ、質屋を回っていたのではないか?そんな思考が口を閉ざしかける。「…自分の『酔鯨』及び『酒盗』が所在不明となり、探しておりました。…榊さんも疑いの対象とみなし、報告はしておりませんでした。…榊さんに疑いの目を向けたことが、何を表すかは承知しております。真に、申し訳ございません。」が、彼の瞳を曇らせてしまったのが自分であると分かった瞬間、罪悪感とも、改悟ともとれぬ気持ちに襲われ、腰に装備していた代替品のナイフを目の前に置き、その場に正座する。未だ武器は見つからず、何者の仕業かはわからないが、それでもやはり彼ではないと、彼の目を正面から見て確信を持ち、全てを話す。忍とは主に使えるもの…いや、それ以前に自分は梔として、彼をやはり信じるのだ。しかし、微かであれ、疑いを持ったことは禁忌を侵したも同然であり、その場で深く頭を下げる。所謂土下座だが、それでも彼の綺麗な目から今は逃れたかった。彼の双眸に自分の考えていた浅ましいことが全て出てきてしまいそうで、彼のことを疑ってしまった、その事の方が恥ずかしかった。『はは、ええ様やん。』リノリウムに額を添わせる弟を見るには些か明るすぎる声でその兄が笑う。『…坊。坊はえらいコイツのこと信用してくれてはるみたいで、正直嬉しいわ。おおきに。でも、よう見てみ?今聞いた話も含めてコイツのこと、ほんまに信用できる?』最初こそさも楽しげであったが、言葉を発するにつれ、目は、口は、笑みを失って。)

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