人もをし、人もうらめし。(〆)

人もをし、人もうらめし。(〆)

匿名さん  2024-01-05 19:35:07 
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  • No.81 by 日向 静蘭  2024-01-28 07:41:10 


……そうね。分かったわ。

(──大袈裟だと思った。きっと、彼は口ではあぁ言っているが自分が寝静まった後にでも一人で片付けを済ませてしまうのだろう。それに、尊大な事を言うなとは思っていたが、赤子とまで言われるとは思っていなかったので少しばかり面食らった気分になる。おまけに風邪を引いた自分は産まれた直後らしかった。自分の傷だって、外気に触れ、鮮血はもう止まっていると言うのに。そんなに繊細でも脆くもないと言い返そうかと思ったが、きっと彼にとって、人間とはそれほど脆い印象が強く残っているのだろう。そう考えると短く、素直に返事をしておく。
長年生きていて、沢山の者を看取ってきたのだとしたら、彼の遠回しに向けられる優しさが何処と無く切なく感じられる。やはり、彼は人間が好きなのだろう。まぁ、大袈裟だと思うのに変わりは無いが。
「戻っているわ」と更に一言付け加えると、またも何かを倒してしまわないように慎重に歩きながら社務所を後にする。

本殿に戻ったあと、ふと、思い出したように鞄の中を探ると、シンプルな黒の手帳型ケースに収まったスマホを取り出す。ケースの内側に備わっているカード入れには、ICカードが入っており、これらを見ると一気に現実に戻ったような気分になる。
なんとなく今まで手にしていなかったが、単純に機能しているのか気になって電源ボタンを点けてみる。
暫くすると、綺麗な海と浜辺の写真が映し出される。遠くに何人かの後ろ姿が写っているその画面を眺めると、幾つか着信が来ていたらしい通知にも視線を移し小さく笑う。恐らく職場から何度も連絡が来たのだろう。開いて見ようかと思ったが、何故かこの画面を表示する他操作ができなかった。
静かにケースを閉じると、何となく手にしたまま布団の中へと潜り、枕元にスマホを置いておく。此処では持っていても仕方ないはずだし…、彼に見せたら喜ぶだろうか、なんて考えながらも目を閉じる。)

  • No.82 by イナリ  2024-01-28 12:54:09 

(彼女が社務所を後にするとガラクタの山を見て大きく溜息を吐く。自分はこの山を妖術などを使って越えていたから問題なかったが、彼女に指摘されると確かに些か多すぎる。普段なら妖術を用いて一瞬で、この山を消すことが出来るのだがイナリには彼女の言葉が気になっていた。面白いものがたくさんあってつい──イナリにしてみればここにあるものなど取るに足らないものばかりだが、彼女は興味津々という様子だった。自分の所有物はもう誰の目にも止まらず朽ちていくとばかり思っていたから、イナリもそのつもりでここに放っておいたので、彼女の言葉は実は嬉しかった。彼女がこの神社から居なくなる時、ここで見たもの聞いたものを外で後世まで伝えてくれるだろうか。そんな淡い期待を抱いてしまうと身体は勝手に散乱した資料を掻き集めていた。村人の日記、武将の将軍への報告書、戦地へ行く者の最期の恋文。そしてイナリの日記など。数々の資料を掻き集めると丁寧に積み重ね、何個かの山にする。今度は倒れてもすぐに修復できる程度の大きさに。彼女が手にしていた冊子は懐に仕舞う。きっと持っていれば役に立つから。残りの物は全て残しておけないから選別する必要がある。ふと外に出てみると東の空が白み始めていた。久しぶりに徹夜をした。イナリは二日三日眠らなくても問題ないが、やることがないのでいつも人間と同じように眠る。何だか普段と違うことをして新鮮で少し気分が良い。社務所に戻るとガラクタを山を漁り、彼女が興味を惹かれそうなものを選別する。そうして作業を終わらせると、要らない物は妖術で一瞬で消してしまった。すっかり綺麗になり足の踏み場が十分にある社務所を見て満足そうに頷くと外へ出て本殿へ。既に太陽は昇っていた。彼女を一瞥すると枕元に置いてある手帳のようなものが気になったが、勝手に触ると顰蹙を買うと思い、彼女が起きるまでは何もしないでおく。その内起きるだろうと、社務所から持ってきた冊子を取り出して読み返す)

  • No.83 by 日向 静蘭  2024-01-28 13:50:40 


──…あら、おはよう。イナリ様。
……それ、社務所にあったもの?

( 熱もすっかり引き、今度は嫌な夢を見ることも無くすやすやと眠っていたが、突然ぱちりと目を開けてゆっくりと寝返りを打ってみる。外からは暖かそうな光が差しており、太陽もとっくに昇っているようだった。そして、上半身を起こしてやや寝癖がついてごちゃついた髪の毛を撫で付けながら彼の姿を確認し、とりあえず挨拶の言葉を。ついでに彼が持っている冊子に目が止まれば、やっぱり大掃除したのかしら、と思いつつ質問を。
枕元に置いてあったスマホを再度手にして画面を開いてみるが、自分が社に封じられた瞬間らしき時刻から表示が止まったままで、もはや本来の使い所を失った其れをまた枕元の位置に戻しておく。)

…今って何時ぐらいなのかしら。起こしてくれても良かったのに。

( 彼は寝ずにずっと冊子を読みふけっていたのだろうかと首を傾げる。朝食を作るといいながら呑気に眠りこけてしまった事に少し罪悪感を感じながら上記を述べると、のんびりとした動作で立ち上がり乱れた布団を整え始める。)

  • No.84 by イナリ  2024-01-28 14:52:05 

…ん、起きたか。
お主が手にしていたからの。社務所を綺麗にするついでに持ってきた

(冊子を作った人間たちの顔を浮かべながら、よくも適当を書いてくれたな、なんて抗議を内心でしていると隣から声が聞こえてきた。チラと目を移すと彼女が起きていたので質問に答える。寝起きの彼女は寝癖も付いていて人間だから当たり前なのだろうが、それが普段の言動とのギャップで面白い。ふっ、と小さく笑うとやはり彼女の傍の手帳に興味がいくが、冊子を閉じて台の上に置く)

今は辰の刻…いや、8時じゃ。さして遅くもない。我は寛大じゃからな。人間がどれ程眠ろうと寛大な心で待っていてやることができるのじゃ

(大嘘だった。本当は冊子に書かれていることに腹を立てていた。冊子には社務所の地図や神社の情報が乗っている、いわば神社のパンフレットのようなものなのだが、イナリについて言及した章に『油揚げ一つで何でも叶える』と記されていた。まるでこれではイナリが安い妖みたいではないか。そんなことに腹を立てていて寛大の「か」の字もなかった。彼女には悟られぬように相変わらず恩着せがましい口調で言うと、さっと立ち上がる。彼女が朝食を作ってくれると言っていたことを思い出したのだ。体調次第ではどうしようかとも思っていたが、見た所彼女の身体に不調は見られない。顔色も良いし何より魘されることなく眠っていたから)

  • No.85 by 日向 静蘭  2024-01-28 15:13:50 


…そう。なら良かったわ。朝食作りの約束は守れそうね。
……あぁ、その冊子、後でまた私にも見せて貰えないかしら。この神社のことが書いてあるんでしょう?

(まださほど遅くない時刻だと知って安堵しつつ、彼が冊子を台に置く様子を見て、後で見せて欲しいと言っておく。社務所で見つけた時は地図らしき頁しか眺めていないし、もっとよく読めばこの神社の事や彼のことについて何か記載されているかもしれない、と興味を示しているらしい。古いものに違いはなかったが、簡単に見かけた感じ自分でも十分に読めそうなものではあったし、良いだろうか、と首を傾げてみて。

首を傾げた際に落ちてきた髪の毛をまたかきあげると、朝食を作る上で邪魔になるな、なんて考えが頭に浮かぶ。髪を伸ばすのは好きだが実際に鬱陶しい事も多いため、念の為いつも持ち歩いているものがあった。
最後に布団を畳みながら枕元に置いていたスマホを持ち上げ鞄の近くへ戻すついでに、今度はヘアゴムと髪留めを取り出す。
寝癖のついた髪をせっせと手櫛である程度整えると、高い位置で1つに結い上げ、更にそれを団子状にする。また、7:3で分けていた前髪部分の髪も垂れてこないように、形を整えながら髪留めを使って耳元で固定させた。)

  • No.86 by イナリ  2024-01-28 17:11:55 

…ああ。勿論好きなだけ読むが良いぞ

(私にも読ませて、なんて言われて断るのも怪しまれるために素直に頷く。先程の頁を見られたら実に都合が悪い。後で筆で消しておこう。隠蔽工作の段取りを考えていると彼女が髪を結ぶ光景が目に入った。瞬間、イナリの身体は金縛りに遭ったように動けなくなった。長く艶やかな黒髪も着物と合っていたが、団子状にまとめられた髪型もよく似合っていた。美しい──彼女の着物姿を見た時に思ったことを再び今度は強く感じた。イナリは女子の髪型なんて気にしたことがなかった。そもそも人間の容姿なんて何でも良いと思っていた。しかし彼女を見ていると容姿を気にしてしまう。何故だ。イナリにもようやく人間のような美的な感覚が備わって来たのだろうか。それにしては違和感がある感情が胸に生まれる。ハッと我に返るといつまでも彼女を見つめている訳にもいかないので、硬直を誤魔化すように告げる)

…社務所に参るぞ

(一言だけ告げるとスタスタと社務所へ向かう。やはり妖とはいえ睡眠は取るべきなのだろうか。人間を美しいなどと自分は寝不足故に疲れているのかもしれない。そんなことを思いながら社務所の扉を開けると、我ながら綺麗に整頓できたと鼻を鳴らす。こんなに広かったのか。土間の台所まで余裕を持って歩いて行かれるようになったおかげで無駄に妖術を使わずに済む)

  • No.87 by 日向 静蘭  2024-01-28 17:54:57 

(髪を結い終わるのと同時に顔を上げ、好きに読むといいと言ってくれた事へ短く感謝の言葉を述べるが、ふと彼からの視線を感じて再度首を傾げた。何か顔に着いているのだろうかと軽く頬に触れてみるが、原因は分からないまま。足早に社務所へ向かう相手を慌てて追いかけていく。)

…すごい。あれを一晩で片付けたのね。

(社務所の中を覗いた途端、驚いたように声を洩らす。あれだけの荷物があったのに一晩にして見違えるように綺麗になっていた。…やはり自分に片付けを手伝わせる気はなかったか、と思いつつも、一人でここまで片付けを済ませてしまった所には感心する。よくよく考えれば妖術なんかを使ったのかもしれないが、これで大分自分も身動きが取れやすくなったし、自由に土間へと出入りできる。
綺麗になった社務所を隅々まで見渡しつつ土間へとたどり着けば、彼に教えて貰っていた料理用の壺を見つけて中身を確認する。調味料や食材などは確かに十分置かれており、保存食用に加工されている魚や寝かされた野菜や香草なんかもあった。
何を作ろうかと頭の中で考えつつ、小袖を捲りながら問いかける。)

ここにあった物や食材は、お供え物なの?

  • No.88 by イナリ  2024-01-28 18:42:47 

資料などは一切合切残した。好きに読むと良い。いくらか使えそうな物も残した。それも好きに使え。

(資料や捨てずに残した物は社務所の隅に置いてある。そこを指差しながら好きにしろと伝える。とは言ったものの、資料の中でも自分の日記などはあまり目を通さないで欲しいものだが。それでも歴史的な記述も存在するのできっと興味は惹かれるだろうと思い、やむなく残したのだが。
料理用の壺を覗いている彼女を後ろから眺めながら、この女子は何を作ってくれるのかと密かに期待する。自分で作った料理などは飽きてしまっていたので、他人が──しかも現代を生きる人間が──作るものは一体どんなものなのかと興味があった。イナリは現代人の食事情には全く疎かった。以前人里に降りた際に「ふぁーすとふーど」と呼ばれるものがあったことは記憶しているが、それが何なのかはいまいち分からなかった)

いや、供物は終戦の時を最後に一切されておらん。魚は我がこの辺りの川で捕った。香草は山に自生しておる。野菜や米だけは街まで行って買っているがの。

(以前は野菜すら自給自足していたのだが、最近は天候も不安定で、この辺りで作物を育てるのは──しかもイナリは現代的な方法を知らないので尚更──困難だった。そこで野菜や米などは街に繰り出して手に入れることにした。だがイナリが街に行く度に人間社会は急激に変化している。まるで此方が化かされているのでは無いかと疑う位に、文明の発達は恐ろしく早い。以前図書館で読んだ本には「ぐろーばる化」という術を用いて文明の発達が進んだと書いてあった。いつか街でその術を体得しなくては。イナリは街に出る度にビクビクしながらもそんなことを考えているのだった)

  • No.89 by イナリ  2024-01-31 20:00:54 

(/上げです!)

  • No.90 by 日向 静蘭  2024-01-31 20:31:52 


( 彼が使えそうな資料は残しておいたと聞いて、表情に出はしないが意外に思った。てっきり全て要らないだろうと処分してしまったかと思っていたからきちんも分別されていたのは嬉しかった。昨夜軽く覗いただけでも歴史的価値がありそうな書物もあったし、時間がある時に読みたいと考えていたので「嬉しいわ」と簡潔ながらも率直な気持ちを述べて。
魚や野菜、小壺に入った味噌など、使いたい食材や食器具なんかをせっせと準備しながら、これらは自給自足や彼の買出しで揃えられているのだと知り、これまた意外そうにちらりと視線をやる。供物がされていない事は現代の神社離れなどを考えれば確かに納得が行くが、まさか妖自身が人里に降りているなんて考えてもみなかった。)

…貴方も街まで降りるのね。
そういえば前の事だけれど、自動精算機の前で困っている人を見たことがあるの。印象的に若そうだったから不思議だったのよね…。もしかして、その人も人間じゃなかったのかしら。

(鍋に水を汲み火元に置けば、包丁とまな板を見つけ出して野菜を切り出す。そうしながら、ふと2年ほど前の出来事を思い出す。仕事で疲れきったままスーパーで買出しをしに行くと、自動精算機の前で固まったまま動かない男性がいた。あまり覚えていないし、その人の顔もロクに見てはいないけれど、彼のように高身長で同い年ぐらいだったような気がする。
不審に思いながらも操作方法を教えてあげたのだが、その時は疲れていたし、教えた後に自分もさっさと帰ってしまったから…親切にした割には自分の印象もあまり良くなかったかも、と今更ながら思い返す。あの時の男性は元気にしているのだろうか…。)

  • No.91 by イナリ  2024-02-01 19:00:10 

…じどうせいさんき…? ……あ、ああ。アレか。まあ……環境に適応出来ぬ者は居るからの。我とは違って…。

(彼女の発言でピンときた。我はこの女子と会ったことがある──。忘れたくて蓋をしていた記憶が悉に蘇る。あれは数ヶ月ぶりに買い出しに行った日。いつも以上の人混みに酔いながら、時々変化が解けて尻尾が見えそうになりながら、必死で歩きスーパーまで行った日。普段買っているものを手早くカゴに入れ、脇目も振らずレジへと一直線に進んだ。そこで問題が起きた。品物をレジへと通し、いつものように金銭を払おうとした際、店員は「お会計は1番の精算機です」と自動精算機を指さして言った。今までそんなものなかったでは無いか。聞きなれぬ言葉に見慣れない機械。イナリは立ち尽くすより他なかった。かつて人間たちが自分たちの知識や説明などが及ばない領域に対して、それを超自然的現象として扱ったように、イナリにとって機械は人間が生み出した妖怪のように思える。イナリには永遠に理解できない構造で作られているから。呆然と立ち尽くしていた時、一人の女性が操作方法を教えてきた。突然のことに戸惑い、言葉を探している内に女性はさっさと行ってしまったので礼を言うことも叶わなかった。あの時の女性が目の前にいる彼女なのだ。まさかの再会に目を丸くするも平静を装うと、ぎこちなく応答する)

…にしても。そんな瑣末事をよく覚えているものじゃのう。お主、存外ヒマなのじゃな。さっさと忘却の彼方へやってしまえば良いものを。

(二、三回指を擦り合わせると人差し指の先にライターの火程度の大きさの火が灯る。それを火元へ近付けると、あっという間に火の加減が変わった。彼女が料理を作っている内に米を炊こうと釜に米を入れ二、三回水洗いし、竈にセットする。薪を放り込みながら少しばかりの抗議を。いつ彼女が自分だったことに気付くか分かったもんじゃない。彼女のことだからクスリと笑うか、それとも気にしない旨の発言をするか、などするのだろうが、どちらにしても知られたくない。これは尊厳の問題なのだ。自動精算機ごときに良いようにされる九尾の狐。そんな風に思われては沽券に関わる。竈に先程と同じように火を付け、強火で釜の様子を見ながらイナリは自分のプライドを何とか守る方法を考えていた)

  • No.92 by 日向 静蘭  2024-02-01 21:27:40 


(要するに“早く忘れてしまえ”と言われながら、フフ、と小さく笑うと肩を竦める。確かに、そんな些細な出来事、普通なら意識せずとも自然と忘れていくだろうが、男性の姿は不明瞭ながらも、その時の情景や心境は明確に覚えているのだから不思議なものだ。
彼が灯してくれた火元を有難く思いながら、先程水を張っていた鍋に昆布を沈めておく。ゆっくりと沸騰を待つ間に魚の切り身へ下味をつけながら、うーん、と僅かに思考を巡らせたあと口を開いた。)

…忘れたくはないわ。あの人の事、なんだか好きなの。
確かに不審だったけれど、後から考えたらなんだか可笑しくって。私も初めての店で精算機を触る時は少し戸惑うなーとか、ちゃんと顔を見たら良かったかな、笑顔で話せばよかったな、とか、お店で人を助けるの久しぶりだったな、とか色々とね。
……あの時、本当に疲れていたのに、不思議とリラックスしたのを思い出したわ。

(今でこそ自動精算機が主流だが、普及し始めた頃は自分も勿論戸惑ったし、店によっても精算機のタイプが違ったりする。そんな時の自分の姿と重ねてみたり、立ち尽くす男性と無愛想に手を貸す自分の姿を客観視したらなんとも滑稽で。非常に単純な事だが、たったそれだけでその日の夜は少しだけ気持ちが楽になった。今思えば、それほどつまらない日常が常態化していたのだと思う。
『好き』というのも勿論恋愛がどうこういう話では無いが、いっその事一目惚れでもしていればもっと忘れられない出来事だっただろうか。とにかく、なんの変哲もない出来事のようで妙に印象深かったあの人とは──なんとなくに過ぎないし目の前に本人がいるなんて考えてもいないので言えることだが──楽しくお話して仲良くなれるような気がする。)

  • No.93 by イナリ  2024-02-02 19:00:05 

(「好き」という言葉が聞こえると動揺して思わず火の威力を強めてしまう。慌てて火の威力を元に戻しながら、そのニュアンスが恋愛的な含みがないものだと自分に言い聞かせ冷静を装い、彼女の言葉に耳を傾ける。そんな些細なことでリラックスしたのか──喉まで出かかった言葉を飲み込む。彼女の表情もしっかり見ていなかったが、恐らく此処に初めて来た時のような疲れきった表情をしていたのだろう。そんな些細なことでも彼女の癒しになったのだとしたら正直悪くない気分だ。それに自分もあの時ばかりは大いに助けられたから。あの後は神社に帰るなりいつも以上に変化術で体力を使ったので死んだように眠ったのだ。あともう少し変化している時間が長かったらきっと途中で解けてしまっていただろう)

仮にじゃ。その者が…人間では無い存在だとする。我のように人間社会に溶け込んでいる妖じゃ。
…だとしてもお主は『なんだか好き』だと言えるのか?

(なぜこんな質問をしたのか自分でも分からない。ただイナリの中に彼女に対して心境の変化があった。この変化の末に抱いた感情をなんと言うのかイナリは知らない。二年越しの恩人である彼女にこんな質問をするのもどうかと思ったが何故か質問しなければならない義務感のようなものがあった。ピンと立っている耳はいつも以上にピクピクと小さく動き、彼女からの答えを欲している。そうやって待っている間にもイナリは釜に視線をやっていて、彼女の方を向こうともしない)

  • No.94 by 日向 静蘭  2024-02-02 21:59:11 

(ふつふつと鍋の水が湯だって来たのを確認すると鍋の中から昆布を取り出そうとする。しかし、その刹那火力がいきなり上がるものだから肩をびくりと跳ねさせつつ、ちらりと彼の方を見る。下らない話で怒らせたのかと思ったがどうやらそういう訳では無さそうで、不思議に思いながら次は鰹の薄身を投入して。
次に準備を終えた魚の切り身を焼き始めながら、彼の仮話に耳を傾けて少しの間考える。魚の皮がぱちぱちと焼けていく音を聞きながら一度手を洗い、置かれていた手拭いで手を拭くとゆっくりと口を開く。)

…どうかしら。
寿命も違えば妖術も使えて、私とは比較にならないぐらい存在価値があるんだもの。…妖と知っていて好意を抱くなんて烏滸がましいのではないかしら。
───でも、想いを胸に秘めるぐらいは、するかもしれないわね。例え許されない事だとしても、口に出さなければ同じでしょう?

( そう言って再度ちらりと相手の顔を見ると小さく笑い、そのまま火元に視線を戻す。
“愛がほしい”と彼に願ったほど、自分が愛に疎く縁がない事はとっくに分かっているし、それ故かそもそも自分が誰かに好意を抱いていいのかも分からない。ただでさえ同じ人間相手にそんなことを考えるのに、妖相手なんて勿論気が引けるのは確かだ。
でも其れは、妖が恐ろしいから、同族じゃないから、という理由ではなく、口から述べたように自分にそんな価値がない、不釣り合いだも思っているからだ。
ただ、不毛な想いだと自分自身よく分かっている分、それをわざわざ曝け出そうなんて思わない訳で、自分の中にその思いを仕舞っておくぐらいは許して欲しいと思う。)

…まぁ、小難しいことは置いといて簡単に言ってしまうのなら、妖だろうと人間だろうと関係はないわね。好きなものは好きよ。

  • No.95 by イナリ  2024-02-03 19:07:51 

…好きならば口に出せば良いものを。

(苛立ったように呟くと釜を開けて予定より早く炊けた米を確認するために釜の蓋を開ける。一連の動作は普段と変わりない落ち着いたものだが、表情は不快感を隠そうともしない。「私とは比較にならないくらい存在価値がある」。彼女の言葉はイナリを苛立たせるには十分すぎる力を持っていた。なぜ、自分の価値を安易に断ずるのか。なぜ、好意を烏滸がましいと言うのか。言いたいことは山ほどあったが、敢えて口にしなかった。その考えを我が直々に変えてやる。二度と存在価値云々などという妄言を吐かせない。そんな企みがイナリにはあったからだ)

米は炊けた。一々本殿へ配膳するのも面倒じゃ。ここで食おう。我は皿を探してるでな。

(先程までの苛立ちが嘘のように上機嫌に告げると、夜通し整理したガラクタ達に目を移す。こういうこともあろうかと和食器類は残してあったのだ。茶碗になりそうなものや、おかずを乗せれそうな大きさの食器を適当に見繕う。中には金継ぎされたものや、伝統的な手法で作られた希少なものもあったが、イナリはそういうことは全く気にしなかった。使われるためにあるのだから使えば良い。ただ値打ちばかりが上がって鑑賞用にされるなぞ本来の用途からすれば、食器が可哀想だ。選んだ食器達は彼女の近くへ置いておく。土間から上がると社務所の奥へ進み、卓袱台を持ってきて真ん中に置く。これで食事処は完成した。綺麗になった社務所で久しぶりの食事。しかも同席する人間がいる。この事実だけがイナリを上機嫌にさせている理由だった)

  • No.96 by 日向 静蘭  2024-02-03 20:23:01 


…そう、簡単にはいかないものよ。

( なんだか苛ついている彼の言葉を聞きながら肩を竦めると、焼き魚の具合を見ながら、鰹を掬い取り出汁のとれた鍋へ野菜を投入し、小壺の味噌を溶き入れる。
恐らく、彼は自分自身を無下にするような考え方が嫌いなのだろうか。しかし、自信に満ち溢れている彼と自分とでは自己肯定感に酷く差があり、他人に受け入れて貰おうなんて思ってもいないのだから、自分としてはこれが当たり前になっていた。
美味しそうなお米の香りに思わず腹の虫が鳴りそうになりながら、食器等を準備する背中をちらっと見る。不機嫌なのかと思ったら何やら上機嫌になったり、コロコロと表情が変わるので見ていて飽きないな、なんて考えつつ、見つけてきてくれた食器を受け取る。見たこともないような上質な和食器達を静かに眺めながらお米をよそい、魚を一切れずつ分ける。)

イナリ様のお口に合えば良いのだけど…。
私、料理はよくするけど、誰かに食べてもらったことってないから。

(茶碗とおかずを乗せた平皿なんかをちゃぶ台の上に並べながら、眉尻を下げて少し不安そうに呟く。偉そうに朝食は作ると言ったが、今更ながら口に合わなかったらどうしようか…。
最後に箸と具沢山の味噌汁をよそって配膳を済ませると「とりあえず…食べましょうか」と未だ不安そうにしつつもゆっくりとした動作で腰を下ろした。)

  • No.97 by イナリ  2024-02-04 09:05:40 

案ずるな。口に合わんでも腹には入れる。

(不安そうな彼女を他所に言い放つと椀を片手に味噌汁を一啜りする。ピクンと耳が真っ直ぐに立つと、椀を置いて箸を取る。焼き魚に箸を付けると身を一口食べる。今度は尻尾がぴくんと立つ。白米や魚、味噌汁をテンポよく口に入れながら、イナリの尻尾は左右に揺れる。ただの味噌汁。ただの焼き魚。何のことは無い。だのに何故こんなにも美味なのか。イナリは上述の言葉を後悔した。いくらだって腹に入る気がした。イナリは妖として生を受け以来、様々なものを口にしてきたが、料理で感動をしたことがなかった。別に不味い訳では無い。大抵は美味だった。しかし美味であっても感動はしなかった。イナリが食べ物でこれ程の反応を示したのは、昨日の飴玉とこの朝食だけだ)

お主…かくの如く美味なものをいつも作っておるのか? 何故この才能を活かさない? 我は斯様に美味なもの食ったことがないぞ!

(まるで幼少に戻ったように節操なく尻尾を動かしながら熱弁する。破顔しながら料理を口に運ぶ様は、傍から見れば子供のように映り威厳なんて微塵もないだろう。ただ今のイナリは体面や外聞などというものが瑣末事に思える程、彼女の料理に熱中していた。そんなこんなであっという間に朝食を平らげてしまうと、満足そうに小さく一礼する。恐らく後々になって自分の振る舞いを後悔することになるのだろうが、今はそんな将来のことなど考えもせず、只々朝食の感動の余韻に浸っていた)

  • No.98 by 日向 静蘭  2024-02-04 11:29:40 


(手を合わせて恐る恐る味噌汁から口にする。ごくりと一口飲むと──良かった、いつもと同じ味だわ──と安堵する。が、自分のいつも通りが彼にとって美味しいかどうかは分からないな、とちらりと向かいに座る姿に目をやるが、左右に揺れる尻尾と当然熱弁を繰り広げる彼の姿に呆気に取られ、茶碗を持ったまま固まっていた。
不味くても食べてくれるのは嬉しいが、どうせならば美味しいと思ってもらいたいとそう考えていただけに、予想以上に喜んでくれた姿に此方も嬉しそうに目を細めて、少しばかり照れが混じったように笑う。)

…フフッ、褒め方も大袈裟よ。だけど、良かったわ、喜んで貰えて。
良ければまた作らせて貰えないかしら?買い出しも行きましょう。材料が色々あれば、イナリ様が食べたことのない料理もきっと作れるわ。

( やっとのこと箸を動かして朝食をゆっくり口に運びながら、こんなに喜んで貰えるならまた作りたいと感じる。誰かが自分のした事で喜んでくれるのは久しく無かったが、やはり気持ちが晴れるものだ。もし、彼と共に買い出しへ出掛けても良いのなら、あれを買って、これを買って…と頭の中で次は何を作ろうかと吟味する。その表情はいつにも増して楽しそうに映るが、きっと本人は気が付いていない事だろう。
暫くして此方も朝食を平らげれば、手を合わせて挨拶し、空になった食器を重ねて後片付けをしようと腰を上げた。)

  • No.99 by イナリ  2024-02-04 14:14:51 

真か?!
…では暫くしたら出発しよう。今日買い出しが必要なのじゃ。随行するが良い。それと片付けは任せた。少しやることがあってな

(また料理を作ってくれると聞いて一瞬再び破顔するが、すぐに咳払いしていつもの威厳ある表情──だと本人は勝手に思っている──に戻る。彼女の料理が食べられると思うだけで口角が上がりそうになるが、それよりも前にやるべき事を思い出し、後片付けは任せさっさと本殿へ向かう。朝食の感動で忘れそうだったが、例の冊子を改竄しなければならない。本殿へ入ると彼女が後を付いて来ていないことを確認し、筆を片手に冊子を開く。頁をパラパラとめくっては自分にとって都合の悪い記述を片っ端から黒塗りしていく。ここも。ここも。それからここも。一通り黒塗りを済ませると冊子を閉じて筆を置く。これで良い。満足そうに呟くと立ち上がり彼女の許へ戻ろうとした時、彼女の鞄の近くに置いてあった黒手帳が気になった。枕元にも置いてあったし、大事なものなのだろうか。勝手に触ると顰蹙を買うと思い無視していたが、当の本人は社務所で後片付けをしている。見られて困るようなものを此処に置いておく方が悪い。咎められたらそう言えば良いか、なんて言い訳を考えながら、手帳を手に取り開いてみる──中には何も書かれていなかった。それどころか紙ですらない。四角い鏡のような物体がそこにはあった。内側には何やら模様のある札が納められている。新手の鏡だろうか。何も映ってない画面に反射している自分を見てそう考えたが、ふとボタンがあるのが気になった。何の気なしにボタンを押してみると、いきなり画面が明るくなった。いきなり画面が点くものだからうっかり落としそうになる。映し出されたのは海と浜辺の風景だった。よく目を凝らしてみると人間の後ろ姿も確認できた。綺麗な風景には似つかわしくないフォントで時刻が表示されている。現在の時刻からは大きくズレているため、きっと彼女がここを訪れた時刻のまま止まっているのだろう。携帯電話を知らない訳では無いが、イナリの認識はガラケーで止まっているため、今手に持っている四角い端末が携帯電話だとは夢にも思わなかった。好奇心を掻き立てられ、スマホを持ったまま社務所に戻ると、スマホを彼女の前に突き出しながら口を開く)

こ、これはなんじゃ? 新手の時計か何かか?

  • No.100 by 日向 静蘭  2024-02-04 14:54:33 


…えぇ、分かったわ。

(話を聞くと素直に頷き、やることがあるからと社務所を後にする背を見送れば、特に気にする素振りもなく洗い物を進めていく。それにしても、また作ると言った時に見せた彼の表情がなんだか可愛くて──そんなこと言ったら絶対怒るので面と向かって言えないが──思わずまたフフと笑みが溢れる。それに、不味くても腹にいれる、と彼はさも当たり前のように言っていたが、やはり彼は優しいと思う。
そんな事を心中で考えているとあっという間に洗い物を済ませてしまい、濡れた手を拭って自分も社務所へ向かおうかとしていた時、彼が戻ってきたかと思えば自分のスマホを突き出され、あぁ、と特に怒ったりせず静かに受け取った。)

…携帯電話よ。今は“スマートフォン”って言って、“スマホ”と略されているわね。
時間も表示されるから時計とも言えるし、地図もあるし、メモも出来るし、インターネットも使えるしゲームも出来るし、本も読める…これ1台でなんでも出来る便利なものよ。
まぁ、ここではこの画面しか表示できないみたいだけど。

( 新手の時計、と言われてもあながち間違ってはいないが、その他色々な機能があると手短に説明すると、画面をスクロールして見せる。届いていた通知の画面と時計の表示が切り替わるが、背景の写真は変わらないままで、やはりホーム画面への切り替えはできないらしかった。
日付や時間もそのままだが、買い出しに出る時にまた表示が変わったりするのだろうかと肩を竦めて思考しながら「見るのは初めて? 」と聞いてみて。)

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