匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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…ん、起きたか。
お主が手にしていたからの。社務所を綺麗にするついでに持ってきた
(冊子を作った人間たちの顔を浮かべながら、よくも適当を書いてくれたな、なんて抗議を内心でしていると隣から声が聞こえてきた。チラと目を移すと彼女が起きていたので質問に答える。寝起きの彼女は寝癖も付いていて人間だから当たり前なのだろうが、それが普段の言動とのギャップで面白い。ふっ、と小さく笑うとやはり彼女の傍の手帳に興味がいくが、冊子を閉じて台の上に置く)
今は辰の刻…いや、8時じゃ。さして遅くもない。我は寛大じゃからな。人間がどれ程眠ろうと寛大な心で待っていてやることができるのじゃ
(大嘘だった。本当は冊子に書かれていることに腹を立てていた。冊子には社務所の地図や神社の情報が乗っている、いわば神社のパンフレットのようなものなのだが、イナリについて言及した章に『油揚げ一つで何でも叶える』と記されていた。まるでこれではイナリが安い妖みたいではないか。そんなことに腹を立てていて寛大の「か」の字もなかった。彼女には悟られぬように相変わらず恩着せがましい口調で言うと、さっと立ち上がる。彼女が朝食を作ってくれると言っていたことを思い出したのだ。体調次第ではどうしようかとも思っていたが、見た所彼女の身体に不調は見られない。顔色も良いし何より魘されることなく眠っていたから)
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