――華を愛でる獣は散るか?【 ダークファンタジー / 群像劇 】

――華を愛でる獣は散るか?【 ダークファンタジー / 群像劇 】

賢者アークエット  2019-07-16 19:33:40 
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【  人の子よ 人の子よ
   ルーンをその身に宿す騎士よ
   私の唄を聴くならば
   目も眩むほど稠密な
   力をお前に与えてやろう


   さぁ永劫の裏切り者よ
   星を踏み越え 地上に堕ちて
   気高く剛毅に地獄を嗤え


   ノスフェラトゥの慟哭
   ニーズヘッグの咆哮
   血の濁流の渦巻く今宵
   有象無象の命よ踊れ  】



____夢の中で唄うこの声を聴いた時、何故か涙が止まらなかった。
その日から私は“秘奥”に覚醒し、ルーンの騎士たる資格を得た。
>嗚呼、黎明の七騎士、人の英雄よ。
私もあなたがたと同じ、闘争と抵抗の宿命を背負うのですね____



>閲覧感謝
>スレ成分の配合はシリアス×人間と魔の間に生まれる情と葛藤×織り成される群像劇
>戦闘より若干交流重視
>大陸を蹂躙する魔族と戦いながら、それぞれの“目的”を果たす王道ファンタジースレ
>合図があるまでレス禁止




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  • No.41 by 賢者アークエット  2019-07-20 10:37:34 




【 電磁のハニー、『 下弦の騎士ヴィンセント 』 / アマニ旧市街 】


それが人様にモノ頼む態度ぉ?ママの躾が悪かったのかなぁ

( 困ったように態とらしく眉をハの字に曲げながら、アレクサンドラの動きを見詰める。背後より忍び寄る植物の秘奥に気付けなかったのは、謀らずとも彼女が見事に陽動の役割を果たしていたからだろう。“ママ”という単語をわざわざ引っ張り出して詰る様な言葉を投げたのは、果たして故意か否か。 )

__ッ!

( 右手にて拳を握り、人差し指と中指、中指と薬指の間に一枚ずつ挟み込んだチャクラムにてアレクサンドラの剣を受け、弾き返す。否、この表現には少々語弊がある。雷火の騎士は違和感を感じるだろう、剣とチャクラムが接触した手応えが無い、と。余裕たっぷりな女の微笑も束の間、直前で背後に迫った“指”に気付けば、反射的に身を翻すように軽やかなステップで距離を取る。しかし3本の内1本の指が左腕に引っ掛かり、あれよあれよと左腕は秘奥の蔦に絡め捕られ。手にしたチャクラムで残り2本は切り落としたものの、これで自由に動くことは能わず )

…しかもまた助太刀ぃ?女の子相手に3対1ってさぁ、騎士道精神が聞いて呆れなぁい?

( しかしそれでも、軽口を紡ぐ声音はこの状況には不似合いな程緩慢で。にぃんまりと崩れぬ微笑みは、3対1でも勝てる自信があるのか、はたまた何か思惑があるのか、或いは諦観が故の自暴自棄か。此方から攻撃行動に出ることはせず、視線はこの場に駆け付けた3人ではなく、青銅の鎧に身を包んだ男へと注いで。ロットに声を掛けられたその騎士は、自身の不甲斐なさかそれとも本当に限界なのか、呼び掛けに応えることなくがくりと膝をつき顔を隠すように項垂れて )


【 ほう、全員が①を選んだか。ハニーから少しでも情報を得られるか如何かは、君達1人1人の行動や言動に全て懸かっている。因みに②を選んだ場合、とあるアイテムをマリアから譲り受ける予定であった。それでは今後も、残酷で仄暗くそれでも愛に溢れたこの世界を、存分に楽しんでくれたまえ。 / 返信不要 】


  • No.42 by 柳緑の騎士オズワルド  2019-07-20 14:09:17 


【 柳緑の騎士オズワルド / アマニ旧市街 】

─気付いたか、お見事。だが悪いな嬢ちゃん、ここは折れてもらうぜ。なァに、ちょっとオジサン達とお話してくれりゃあ良いだけよ、直ぐに済む。

( ─かかった。思わずにまぁと口角を上げ、対象がむやみに動く様子がないと分かれば、手袋をベルトに引っ掛け余裕の足取りで重役出勤。自分の他に応援に駆け付けた両名を改めて見遣る。女性の方の、非番だったらしいと分かる洒落た格好に勝手に同情を抱きつつも、どちらも腕のある騎士だと分かると優勢を悟ったように三下の口調で尋問の真似事を。先を剪定された2本は力なく地面にだらりと垂らしておく、隙をついて足や腹を絡め取るための布石として。駄目押しとばかりに彼女の左腕に巻き付けた蔦を締めつけ、肩の近くのそこから枝を分岐させる。ささくれのように尖った先端は彼女の首を狙っていて )



  • No.43 by 賢者アークエット  2019-07-20 14:34:40 



【 電磁のハニー / アマニ旧市街 】


げろげろぉ。そのジョリ髭剃り落としてから出直してきてくれなぁい?

( ゆるりゆるり、かぶりを振りながら自由な右手を眉間へ添える。あくまで口調は軽々しく、きちんと身形を整えれば今よりずいぶんと男に磨きがかかるであろう柳緑の騎士を見据え。締め付けられた肩の痛みに抵抗は諦めたのか、懐からぼとぼとと得物であるチャクラムを地面へ落として )

強引なのもキライじゃないけど、先ずはディナーでしょお普通。

( むぅ、と唇を尖らせ不服を隠そうともせず、瞬く間に発動させたのは自身の秘奥。地に落ちた3つのチャクラムは、それ自身が意思を持つかのように浮遊し、風切り音が発生するほど高速回転する刃と化して、 肩から頸動脈を狙い伸びる全ての枝を切り落とす。コントロールを微塵でも誤れば自分で自分の首を掻っ切る行為だが、この窮地で焦ることなく秘奥を使いこなすのだから、この生意気な女も相当の実力者なのだろうか。それとも、余裕の原因は他にあるのか )

最初のデートに友達連れて来るって、オジサマ結構地雷な感じぃ?

( 問題は左腕を締め上げる植物。首を狙う枝と比較して随分太く、一太刀で切り落とすことは出来ないだろう。ならば数を重ねるまで、3つのチャクラムを手に触れることなく自在に操りながら何度も何度も往復させて指の植物を切り裂いていく。もう直ぐ自由になれそうだ、だがよもや先程切り落とした二つの指がまだ使い物になるとは毛頭思っていない様子で )


  • No.44 by 雷火の騎士アレクサンドラ  2019-07-20 14:39:30 

【 アレクサンドラ / アマニ旧市街 】

うふふ、お母様の躾は完璧よ。なかなか素直にお話して下さらない方々には、力で示すのが一番だもの。貴女方だってそうでしょ?それとも、とびきり優しくして差し上げたら貴女はお礼に教えて下さるのかしら?
(ママ、との単語に暗く淀んだ紫水晶の瞳を見開き、奥底に仄かな光を宿らせる。偶然かもしれない。しかしそうでは無かったら?明確な解は得られずとも、黒雲の隙間から僅かに漏れ出す希望の光。愉快そうに赤い唇は自然と弧を描き。人間を容易く蹂躙し、命乞いにと進んで本人から情報を吐いたとて、楽しげにその命を踏みにじる母の背中を見て育ってきたが故に、歪んだ思考の欠片を滲ませ。相手も自分と同類だろうと一方的に決めつけては、次々と言葉を並べ立て)

っ……?(距離を詰める事に成功したならば、剣を振りきる。しかし刃同士が衝突する感覚は無く、すり抜けはしないものの攻撃が防がれた事実だけが残り。相手の秘奥が関係しているのだろうか。次いで地面が盛り上がり、地表へと飛び出した植物の太い蔦。自分は狙われなかった事から、他の騎士が到着したのか。青銅の騎士の側に立つもう一人は秘奥を発動した気配が無ければ別にもう一人この場にて姿を隠していると予想。剣を構え直し、動きを一部封じられた女を真っ直ぐ見据え)

生憎とそんな崇高な精神は私、持ち合わせていないの。勝ちたいのなら、本当に叶えたい望みがあるなら手段なんて選んでられないわ。……ってあら、余所見なんて悲しい。あちらの殿方の方が気になるのかしら?でも貴女の相手は私よ。さぁ、次こそは貴女の真っ赤な血を魅せて頂戴!
(周りに倒れ伏す屍達。チャクラム一つでそれを作り上げたとは考えにくい。何を隠しているのか不明瞭な不敵な笑みと、攻撃してくれとばかりに余裕たっぷりな態度。例え罠だとしても自分は攻めるのみ。批難するような軽口に痛む心は無く、この身に宿るのは例え他者を傷付けたとしても前へと突き進む苛烈な精神だと答えようか。青銅の騎士に注がれる視線。敵の戦いを見ていたならば、注意の一つでも此方側に呼び掛けてくれてもいいはずだが。痛みにより意識の喪失か、何か仕掛けられたか。気にはするが今は目の前に集中しようと身を引き締め。姿を現したオズワルドにチラリと視線を送り騎士だと確認してから、両手で柄を握り【秘奥を発動/1】瞳と同色の紫電がバチバチと音を奏で、剣身に纏う。地肌や金属に剣が触れたカ所から電流が流れ、運が悪ければ麻痺、または感電の追加効果をもたらすだろう。そして次に狙うは、機動力を削ぐ為に足を。左腕は蔦に捕らえられている今ならば、右手に握られた武器でも低い位置への攻撃は防ぎづらいと考えたからで。地面を蹴り開いていた距離を縮めれば、相手の左背面側より左足の太腿に狙いを定め、稲妻の走る剣で左下から右上へと斬り上げるように攻撃しようか)

  • No.45 by 雷火の騎士アレクサンドラ  2019-07-20 14:50:09 

(/すみません、手直ししておりましたら主様の投稿とすれ違い投下してしまいまして、一部可笑しいロルとなってしまいました。動きに違和感のある部分は無視して下さいませ…!/返信不要)

  • No.46 by 賢者アークエット  2019-07-20 16:04:53 



【 電磁のハニー / アマニ旧市街 】


やだぁ、なんか物騒なコト言ってるぅ。

( くすくす、くすくすと綻ぶように短く小さく笑い声を立てる。成程この世界で心を荒ませ歪んでしまった者の一人か、とアレクサンドラの凄絶な生い立ちを知らぬがゆえに安直な結論に至り。この身を焼かんと血に飢えた火花を飛び散らせる様を見れば、初めて恐怖に僅かに身が竦む思いだ。けれど余裕綽々の態度はあくまで崩さない。自分の死期が近づいていることを悟ったのであれば尚更、無様な姿は見せたくない。 )

( 剣を一閃する音、次いで絶叫。 )

( 勢いよく切断され宙を舞った左脚は、オズワルドの眼前へと落下した。太腿の断面からはおびただしい量の血がぼたぼたと流れ落ち、地面に血溜まりを作ってゆく。文字通り燃え盛る様な激痛に集中力を乱され、もう秘奥を行使することなど到底出来る状態ではなく、がくりと残る右膝を折って地面に倒れ伏し )

アハハ、はぁ……。あなたみたいな綺麗な子に、殺されるなんてラッキーかもね__、

( 急激に大量の血を失い、それに伴って急速に意識に霞がかかってゆく。それでも最後まで軽口を叩き、何かを求めるかのように地面に添って前方に腕を伸ばし )

ねぇ、ご主人様ぁ…?ハニー、あなたのお役に立てましたよねえ…?

( ぽろぽろと真珠の如く流れ落ちる涙。痛みの所為か、それとも己の務めを全う出来た達成感か。高温迸る雷の力で傷口を焼かれ、止血などされて延命させられてしまえばそれこそ最悪のケースだ。話す事など何もない、ゆえに最後の精神力を振り絞り、最も手近にあったチャクラムを磁力の秘奥でこちらへ引き寄せ、凶悪な切れ味を誇るそれで自らの頸動脈を切断。瞼は開かれたまま、成人にも至らぬまま若きナハトは自身の幕を下ろした )

   ↓

【 下弦の騎士ヴィンセント / アマニ旧市街 → 第二要塞都市ソルブランカ 】


( 目の前で赤色をまき散らし、事切れた女を眺めていたが、思わず居た堪れなくなって視線を逸らす。相手が魔族ならまだしも、同じ人間であるのに殺し合わなければならないとは。しかし感傷に浸っている場合ではない、轟々と地響きを引き連れてこちらへ迫ってくるのは、謎の黒い濃霧。それらが呑み込んだ箇所に生えていた木々や草花は瞬く間に枯れ果て、果ては横たわる屍の肉も一瞬のうちに分解され、骸骨がゴロゴロと転がる。あれは、まずい。立ち上がり逃げなければと思い下肢に力を込めるも、先の戦闘で片方を折られていたらしく激痛に眉を歪め )

__ッ、逃げろルーン!私の事は良い、あの霧に呑まれるな!

( 助けてくれ、と叫びかけた言葉をぐっと呑み込んだ理由は一体。走って逃げなければすぐに追い付かれてしまう程急速に迫る黒い霧、確かに歩けぬ成人男性を担いでいる場合ではなさそうだ。 )


【諸君、非常に重要な情報を休息所(下記参照)に追記した。確認した旨を次レスで伝えてくれたまえ。次の移動先は第二要塞都市ソルブランカで頼む、きっと第二のマリアが門を開けて待っているだろう。下弦の騎士を助けるか見殺しにするかは自由だ、必要であれば問答無用で担ぎ上げても構わない。それから雷火の騎士よ、どうか気にしないでくれたまえ。次回からはすれ違いを防ぐため、レス投下前にF5で更新をかけ、確認して貰えると助かる。また、見易さを考慮し、【 名前 / 現在地 】やロルの上下にも空白を入れてくれたまえ。】

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▼ 世界観・概要 ▼(>1
▼ 重要用語 ▼(>2
▼ ルール ▼(>3
▼ 募集一覧 ▼(>36
▼ PFシート、PF例 ▼(>5>6
▼ 追記 ▼(>7
▼ 重要NPC ▼(>13

>休息所:羊皮紙、ラム酒、蝋燭と剣戟【https://www.saychat.jp/bbs/thread/649434/

*********************************


  • No.47 by 柳緑の騎士オズワルド  2019-07-20 17:01:47 



【 柳緑の騎士オズワルド / アマニ旧市街 → 第二要塞都市ソルブランカ 】

慌ててたんだ、これくらいは大目に見ちゃくれねぇか。……おい、待て!

( 成人しているかどうかも怪しい娘の見目への批難はやけに鋭さがある。敵だというのに苦笑しながら空いた右手で後ろ頭を掻き。金属がぶつかる音をたてて得物を放棄した様子には片眉上げ、されど次の瞬間宙を舞い彼女の首を狙って勢いよく回り出したそれに自決を警戒。あくまで脅しであった鋭利な枝を、チャクラムから彼女の首を守るように仰け反らせる。あえなくそれらは切り取られてしまったが、杞憂だったと分かれば安堵の息を吐いて。 )

なっ、は──

( 薔薇の花弁が、否、椿が落ちるように、赤い塊が降って顔を汚す。今しがたもう一本の枝で捉えようとした若い女性の脚が目の前にあった。力なくくずおれる姿に息が詰まる。騎士として戦場に出ている以上、人の死に目に合うのは珍しくないものの、血の気が引いて動けなかったのは、その死に様が嘗ての記憶に重なったからか。呆然としている内に先程まで警戒していたはずの自殺すら許してしまい、チッと行儀悪く舌打ちを零す。 )


……っ糞、畜生、どいつもこいつも、くッだらねぇ死ぬ覚悟ばかり一丁前に!手荒だが勘弁しろ、その情けねえ面姉君に引っぱたかれるまで死ぬんじゃねぇぞ、このあほんだら!!お前らも早く、走れ!!

( 残りも少ないだろう体力を振り絞った叫びは、受け入れ難い事実から目を逸らした一人の騎士を現実に引き戻した。ナハトの少女の左腕に絡めたままだった樹木ごと5本の枝を一度消失させ、元の木の腕に戻すと、インナーを突き破って肩甲骨の下の辺りから太い豆の木を2本生やす。今となっては貴重な時間を態々割いて、胴体から離れた首の見開いた目を素手で閉じさせた。近くにいる断折の騎士に注意しつつ、豆の木2本で下弦の騎士を確りと抱え、そのまま都市の方向へ走り出し。 )


  • No.48 by 柳緑の騎士オズワルド  2019-07-20 17:14:39 


(/休息所の情報を確認した旨の記載を忘れておりました、無駄に消費してしまって申し訳ございません。/返信不要)

  • No.49 by 断折の騎士ロット・ルアヴァーニャ  2019-07-20 18:10:27 


【断折の騎士ロット/アマニ旧市街 → 第二要塞都市ソルブランカ 】

む、戦闘を任せきりにさせてしまったな。すまない。それと、彼は俺に任せてくれないか?俺の秘奥ならば余り速度を落とさずに都市まで届けられる筈だ。
(近づいてきた柳緑の騎士に、下弦の騎士の相手に気を取られ、戦闘に参加出来なかった事を詫びると、抱え上げられた下弦の騎士と共に走り出す。そして下弦の騎士を抱える豆の木を下から支え、柳力の騎士と並走する。戦闘に参加出来なかった代わりにという訳では無いが、応援に来て何もしなかった事を引け目に感じているのは確かで。自分に出来る事と言えば、全員が無事に逃げられる可能性を高める事だけ。足はしっかりと動かしつつも、柳力の騎士に頼み)
(/遅くなってしまい申し訳有りません。休息所の情報は、しっかりと確認致しました)

  • No.50 by 賢者アークエット  2019-07-20 18:18:50 



【 マリア=レギナ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】


( __何、この胸騒ぎは。無意識の内に自身の胸元の服をぎゅうと握り締めていた。守護騎士団に宥められながらも門前まで足を運んでしまったのは、一秒でも早く弟の無事な姿を見たいから。地平線へ目を凝らせば、関所の辺りに何やら黒い霧が見えた。あれは何、と目を凝らしていれば此方へ全速力で駆けてくる騎士達の姿。 )

__!

( 思わず身を乗り出し、こうしてはいられないと見張り台を降りる。厳かな音を立てて両側に開かれる門、その一線を越えることは特別な許可が無ければ叶わない。マリアたる自分がどれだけ重要な存在かは不本意ながら理解している、だからこそ門のギリギリまで進み出れば両腕を伸ばし )

ヴィンセント、オズワルド…!__カサンドラとロットも無事で良かった…っ

( 愛する弟を担いでくれていたのは、見覚えのある騎士。それでも彼より先に弟の名を呼んでしまったことを悔いる余裕などなく、彼の逞しい秘奥に支えられた弟の首に腕を回し、鎧に頬擦りを。次いで帰還する応援に駆けつけてくれた騎士達の姿に、喜びや安堵、そして心配でくしゃくしゃになった表情を向ける。 )

怪我してるのね、ヴィンセント。先ずは治癒を、オズワルドへの御礼はその後よ。__……?

( 傷を直接見たわけではない。けれど、五体満足なら誰かに抱えられることなく、自分の足で帰ってくる筈だ。ゆえに怪我をしていると判断し、それがどこにあるのかを探ろうと先ずは弟のヘルムを着脱した。最も怖い頭部への傷を確認する為の行為だったが、露わになった弟の両目は、灰色で。 )

あなた、誰……?

( マリアが言い終わるが早いか、傍に仕えていた守護騎士が悲痛な声で制止を叫んだその瞬間に、仮称ヴィンセントはマリアの手首を掴み、文字通り消えた。瞬間移動だ。マリアを失うことは、要塞都市を一つ落とされるのと同義__誰しもが理解している事 )


  ↓

【 亀裂の魔・テウダ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】


( 数秒置いて、門と関所の間、その中間地点よりやや関所側に、マリアを抱えた青銅の鎧に身を包む何者かが現れた。一度に長距離は移動出来ないのだろうか。門前から彼等への距離は、全力で駆けて分ほどの筈。まだ、間に合う__しかし。それを阻むように上空から降り立ったのは、3m程の体躯を持つ二足歩行の魔。見た目は若々しい青年然としているが、肌は灰褐色、瞳は黄緑に輝く。背中には2枚の蝙蝠のような翼、色は毒々しい紫。細長い尻尾の先は、翼と同色の体毛に覆われている。 )

…案外ガバガバなんスねぇ。まさかこんなに上手くいくとは思わなかったっスよ

( 流暢な若者言葉を扱うその様子に、油断してはならない。彼は間違いなく魔族、人を屠り蹂躙する為に誕生した強靭な種族。ゆらゆら自在に背後で揺れる尻尾、それをぶわりと大きく振るって地面を一度だけぶっ叩く。すると、瞬く間に地面は揺れ、一体の地面に亀裂が発生してゆく。否、亀裂などと生易しいものではない。これはもはや地割れと呼んで差し支えない、このままではマリアと仮称ヴィンセントを追う事が叶わなくなる。この魔の横を擦り抜け、素通りさせてくれるほど、隙も慈悲も無いだろう )

つーわけで。諦めて巣ン中引っ込んどいてくれっと、オレ的には楽なんスけど。

( にこり、爽やかに笑う姿は不気味さすら感じさせる。空恐ろしい程の魔の存在感が、人々の肌を打つ )


【 というわけで、魔との初遭遇だ。戦うも良し、問答出来るように交渉するも良し。断折の騎士よ、此方こそペースが速く申し訳ない。物語の流れを停滞させない為にも、全体が同じ絡みの中にいる時は私が返せる時に返している。今後ストーリーが完全に分岐し、群像劇の色が濃くなれば君のペースに合わせることが出来るだろう。今回は例によって、柳緑の騎士が男を抱えたまま帰還した、という流れにさせて貰った。活躍の場は今後無限に存在する、君が伸び伸びと躍動するシーンを見られるのを楽しみにしている。確認の報告も有難う。 】


  • No.51 by 雷火の騎士アレクサンドラ  2019-07-20 19:24:59 

【 アレクサンドラ / アマニ旧市街 → 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】

嗚呼、素敵……!

( 両手に握る柄を通し感じる、骨諸共肉を断ち切る確かな手応え。少女の足が宙を舞い、鮮血の雫が大地に降り注ぐ。その光景に頬を赤らめ、この場に不釣り合いな恍惚とした表情を浮かべ感嘆のため息を一つ。そして真っ赤な絨毯に横たわる少女に視線を落とし )

さあ、お話を__なっ!待って!

( 彼女が眠りにつく前に情報を。そう思い上機嫌に一歩踏み出した所で、遅かった。主人。きっと彼女にとって大事な人物の為なのだろう。何も語らず自ら終わりを迎えたならば、勝負には勝ったものの、相手の方が一枚上手だったと言わざるを得ない。その場で俯き、下唇をギリと噛み締め悔しさから表情を歪め )

次はもっとうまくやらなくちゃ……っ、何よ、アレ……!
そんなの言われなくても分かってるわ、私に指図しないで頂戴!

( 自分よりも年下の、人間の一生をこの手で終えさせてしまった罪への意識は無く。折角の手掛かりを台無しにしてしまった事への反省のみ、口から零れ落ち。続いて大地を揺らす地響きが聞こえれば、直ぐ様顔を持ち上げ。新たな危機を告げる青銅の騎士の言葉に視線の先を辿り、絶句。あれは何だ。どこからやって来たのか。闇が、迫っていた。命を奪い、肉を喰らい貪欲なまでに全てを呑みこまんとする勢いに流石に恐怖を抱いては、急いで剣に滴る血を払い鞘へと収め。青銅の騎士を助けるつもりは自分には無かったが、植物を扱う男性が彼を引き受け周囲へ飛ばす声には、焦りからかつい噛みつくような物言いにて言葉を返し。ああ、鎧を今着て居なくて良かった。都市側へと踵を返し、遠くの前方に見える門を目指し、文字通り命がけで駆けて行き )

( 無事門前まで辿り着き、後ろを振り返る。あの霧はここまで追ってはこないだろうか。そうして再び前を向いたならば、マリアと呼ばれる人間にとって守護神とも呼べる少女の姿が消えた瞬間だった。うろたえる周囲の声。混乱はさらに続く。騎士のような人影が遠くに見え、それを追おうとするの者達を阻むように新たな敵の出現。 魔族。人知を超えた圧倒的な暴力を見せつけるかのように、易とも簡単に大地を割ってみせる様には、お見事と言いたげに憧憬の眼差しを密かに注ぎ ) 

ふ、ふふふ。ナハトに魔族の何方かの来訪。しかも騎士達の命や守りの要も奪われるだなんて、今日は人類にとって最悪な日ね。私はまだ死にたくないから、見逃して貰えると嬉しいのだけれど……ねえ、無意味な邪魔をしない代わりに教えてもらえないかしら。この襲撃に【遊戯の魔】は関わっているのかしら?

( 一つ、二つ、三つ。指折り数え怒涛の異常事態を他人事のように、周りから見れば気でも触れたかのようにクスクスと可笑しそうに笑みを零し。鞘から漏れ出す稲妻。まだ秘奥の効果が剣には継続してはいるものの、目の前の彼には勝てるビジョンが一切見えてこない。手を出した所で今の自分では犬死にだ。それ故に敵対する気は無いと両手を上げ白旗を振り、一歩後ろへと引き下がり。マリアより優先すべきは母の情報の入手。生存しているのかさえ確信を持てない事に、せめてそれだけでもと、ピリピリと肌を刺すこのような空気の中でさえ母の痕跡を追い求め。少し遠回りな言い回しにて魔族へ問いを投げかけ )

( / 申し訳ありません、すれ違いについて今後は起こさないように気を付けて参ります。また見易いように空白の使用、瘴気について、かしこまりました!当方も返信を貯めてしまい、結果長々とすみません。また娘は目的的に、後者を選ばせて頂きました。では背後は失礼致します…! )

  • No.52 by 柳緑の騎士オズワルド  2019-07-20 19:53:01 



【 柳緑の騎士オズワルド / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】

礼なんか要りませんよ、アンタに受けた恩に比べりゃ、こんなもの。

( 秘奥によって支えていた身体をマリアの元に預け、そっと木を霧散させる。実際にかかった負担は秘奥発現による魔力くらいで、自分はただ枝に彼を引っ掛けて逃げるために走っていただけである。感動の再会に水を刺すのも、と後退したのが悪かったのだろうか、黒い霧への緊張を一時的に緩めてその疲れをはあ、と呼気に乗せて吐き出した次の瞬間に、彼らの姿は掻き消えてしまっていた )

……マジかよ、なんてこった…

( 彼はマリアの弟ではなかった。だとすれば、マリアを危険に晒したのは間違いなく自分の責任だ。自分はまた、恩を仇で返したのだ。凍てつくような寒気が背をなぞった。顔をこれでもかと青くしながら精神的な負荷から上がる息を抑えつける。落ち着け、深呼吸しろ。戒めのように左手を口許に宛てがい、人間の肌には程遠い肌触りを頬に知覚させた。心を落ち着けるための少しの間を置いて、その巨体に向き直る )


( これは、一介の騎士が相手どれる魔ではないだろう。尾の一振で大地を割るなど尋常ではない。雷火の騎士が選んだと思われた交渉の手は賢明と言えたが、それはマリアを取り返すためではないようだった。ならば自分が、彼女に魔が集中している隙をついてマリアを取り返すしかない。ブーツの底から地へと根を伸ばし、マリアが囚われている場所まで巡らせようと試みた。この大地全てに根を下ろす訳ではないから、明日にまで響くことはないと思いたいが、もしなし得たなら少なくとも今日中は秘奥が使えなくなるだろう。会話が途切れないうちに、できた割れ目にかかるかかからないかくらいの位置にまで根を伸ばして )


  • No.53 by 断折の騎士ロット・ルアヴァーニャ  2019-07-20 22:44:49 


【断折の騎士ロット/第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】

なんだアイツは、デカイな。俺の力で太刀打ち出来るとは思えない…が、だからと言って何もせずに見守る理由にはならないな。それに、ここで逃げているようでは、彼女に振り向いて貰える筈も無い。
(然程驚いた様子も無く、突然現れた魔を眺める。当然焦りは感じている。なんせマリアが連れ去られたのだから、それが普通だ。しかし、あの魔と交戦する事にはなんの迷いも無かった。恐怖も焦りも確かに有るが、それを一々表に出していては時間の無駄だ。マリアの身に何が起こるか分からない以上、早急に対処する必要がある。静かに息を吐き、現状を確認し、覚悟を固める。そしてゆっくりと歩き出すと、もう一つ、戦う理由を口にする。ここで逃げては、ロットの心を奪って行ったあの魔に、彼女に笑われてしまう。そう思い、心を強く持つ。決意の言葉を口にし終えると、両の剣を抜き放ち、秘奥を使い脚力を強化し、オズワルドの張った根を避けながら。巨大な魔へと駆けて行き)

  • No.54 by 賢者アークエット  2019-07-21 06:17:53 




【 亀裂の魔・テウダ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】


…聴こえなかったんスかぁ?とっととすっ込ンどけって言__、

( 手の爪は黒く長く鋭い、それで鼓膜を傷付けてしまわないよう器用に小指の爪で自身の耳の穴をほじくる動作を見せる。ヒトを敵とも思わないその様子、どうやら警戒に値するほどの実力を持つ騎士がこの場にいるとは考えていないらしい。ふと投げかけられた饒舌な言葉に、心底鬱陶しそうにその声の主アレクサンドラへと視線を向ければ、僅かに目を瞠って )

お前、チェリーが飼ってたっつうヒトの子スか。うぁスゲー、まだ生きてたんスねぇ。…教えてやっても良いんスけど、オレ今お仕事中っつーか。あの髭の騎士倒せたら、ご褒美に教えてあげるっスよ

( 何かを思い出したかのように、ぽん、と手槌を打つ。ついで掌の底の部分をくっつけたまま、ぱちぱちぱちと乾いた拍手を贈ろう。チェッタリントンを略称で呼ぶ辺り、彼女と何かしら関わりのある魔なのだろうか。ちろり、地面に伸びる根を楽し気な視線で見遣れば、その秘奥の根源であるオズワルドを顎をしゃくって示して。無論、アレクサンドラの手を借りずともこの場にいる騎士全員を殺戮する事など造作も無い。それでも協力を仰ぐような真似をして見せた理由は、他でもない" 面白いものが見れそうだから "。遊戯の魔と似通った思考回路を隠そうともせず、ヒュ、と音を立てて伸びた尾で再度地面を叩けば、またしても軽い地割れが起こり、それと連動して根も分断されてゆく。こうしている間にも、マリアと仮称ヴィンセントは少しずつ関所側へと遠ざかっていっており )

…はァ。居るんスよねぇ、どの時代にも__活きが良いだけで最初に死んじまうヤツ

( 実力差は歴然、それでもロットの闘志は萎えるところを知らないらしい。気怠く溜息を吐き、相手を指差すようにそっと腕をもたげる。その行動の意味は標的捕捉、言うなればロックオン。何の前触れもなく魔力を指先に集結させ、中距離にて放ったのは不可視の亀裂の力。衝撃波となってロットを襲うそれは、触れたもの全てに深い亀裂を走らせる力。身体に当たれば、骨が露呈するほど肉が裂け、防ごうと刃や盾を掲げればもれなくそれが罅割れる代物 )


【雷火の騎士アレクサンドラへの選択肢:
 ∟①亀裂の魔の提案を受け入れ柳緑の騎士を攻撃
 ∟②亀裂の魔の提案を拒絶し、柳緑の騎士を攻撃する意思を見せない】


  • No.55 by 雷火の騎士アレクサンドラ  2019-07-21 10:28:10 

【 雷火の騎士アレクサンドラ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】

あら、勇ましい

( その根底にある何が、彼をそうまで突き動かすのか。騎士としての正義感?はたまた違う感情だろうか。有象無象な非力な人間が、いくら集まったとしても一騎当千の絶対的強者には叶うはずが無い。それなのに、冷静な表情とはうらはらに瞳に熱く猛る炎のような闘志を燃やし、単身挑む断折の騎士。正直理解出来ないと、しかし興味深そうにその後ろ姿に視線を送り。その流れでオズワルドの姿を確認。その場に立ち、じっと動きを見せない彼。草臥れた容貌の彼もまた、まだ諦めていないと、機会を伺っているようにその瞳に光を失った様子は見られない。不思議だ。そして魔族が再び口を開けば視線を戻し )

……!!

( 告げられた解に、全身に衝撃が走る。チェリー、チェッタリントン。その名前を聞くだけで泣きたくなってしまうくらいに懐かしく、甘く響く音。その通りだと、彼女は自分の母なのだと声高く答えたい気持ちはぐっと堪える。ここには他者の目がある。魔族が嘘をついていた可能性、自分が失敗した時、断折が魔を退ける、または魔が撤退した後この場に残された場合、周囲へと例え苦しくとも言い訳を出来る余地を残す為、子である事には触れず。もう一撃、威嚇かまたは人知れず攻撃を防ぐ為か。大地が割られたのを目にしてから、稲妻が走る長剣に手を掛け引き抜き両手で握りしめ、オズワルドをゆっくりと見据え )

そこの髭のおじ様。貴方に恨みは無いのだけれど、会いたくて会いたくて会えない、私の……唯一の家族と再会を果たす為に、踏み台になって頂戴!

( 母に会いたい。森に囲まれた小屋の中、小さな世界で母と暮らせるだけで自分は満たされていたのに。母の行方が知れず外に出てしまったのが、いけなかったのか。漸く見つけた僅かな手掛かり。母の居ない広い世界、拠り所を失い寂しさに押し潰されそうな心の一部を吐露し、一直線に駆け出す。マリアの側に居た守護騎士の邪魔がもし入ったとしても構わない。戦闘経験は相手に分があるだろうが、例え植物で攻撃を防がれたとしても。雷火の二つ名の通り、剣に纏う力で落雷を受けた木のように切り裂き、燃え上がらせてみせる。そんな算段のもと、もし妨害を受けず距離を詰める事に成功したならば、正面から剣で左から右へと勢い良く胴体を狙った一撃を繰り出そうか )

【 選択 】
∟①( 亀裂の魔の提案を受け入れ柳緑の騎士を攻撃 )

  • No.56 by 柳緑の騎士オズワルド  2019-07-21 12:05:10 


【 柳緑の騎士オズワルド / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】

うげえ、バレてら……はあ。こーさんこーさん、マリア様があんまり恋しかったもんでな、つい手がでちまっただけよ。

( 隠密作戦の要である雷火の騎士と魔の会話には当然耳を傾けており、その中に自分の存在が登場すると引き攣った笑みを浮かべる。両手を上げ、敵意はないことを示すように、しゅるしゅるとその根を足裏へ退却させようとした所で無惨にも引き裂かれたそれ。目的は地面を割ることで根の分断など副産物だと言われた方がまだ納得できる威力に一周して乾いた笑い声を漏らす。実力差は勿論だが、その相性の悪さといったらない。マリアの奪還に諦めの影が差したところで、呼びかける声に向き直った。悲痛な声。事情を知らぬとも、周囲の忌避と謗りを買ってでも果たしたい目的があることくらいは分かる。物言わず切り掛からなかったのは彼女も騎士の端くれということか。ならば、自分も礼を尽くさなくては。 )

…はあぁ、とんだ厄日だ。ここで頑張ったって一銭にもならねぇどころか、マリア様誘拐の件で良くて減給か、悪けりゃ謹慎、最悪刑罰!割に合わん、本当に、はは、割に合わん仕事だ。

( 目の端に、勇猛果敢に強大な敵に挑む騎士が映る。誰が見ても無謀だと判断するその行為に、浅慮に過ぎると冷静に批難する一方で、励まされている自分がいた。両足を強く踏みしめて、彼女が距離を詰める間に草木も生えぬ不毛の地を秘奥で耕していく。満たしていく。明日は大人しくベッドの上の置物になろう。今日がなければ明日は来ないのだから。忘れない内に、様子を伺って警戒態勢を取っているだろう守護騎士たちへ、下がっていろとハンドサインを送っておいた。彼女が自分の元に辿り着く前に当然、地面が隆起し茶色く太い幹が3本連なって出現する。同時に彼女の背後で細めのものが無数に吹き出した。目前のそれらが凄惨な傷跡を残しながら黒く焦がされるのを見届けながらその威力に竦み上がるも、秘奥を操る手は止めずに、背後から彼女の四肢、胴体、頭、あらゆる部分を絡めとるために猛スピードで向かわせて )



  • No.57 by 雷火の騎士アレクサンドラ  2019-07-21 14:01:59 

【 雷火の騎士アレクサンドラ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】?

まぁ、こんな時に未来の心配だなんて余裕なのね!

( 自分の攻撃を待ち構えているかのように微動だにせず、割りに合わないと乾いた笑みを浮かべる相手。疑問には思うが構うものか。盾のように地面から出現した太い幹に剣が受け止められては、斬り倒すまではいかないものの黒く焼け焦げ、燃えるそれに舌打ちを一つ。幹を迂回し向こう側に居るであろう相手の元へ向かわなければ、と前方に注意ばかり注いでいたからだろう。背後から風を切るように何かが迫る音が聞こえ )

っ……素晴らしい力ね。でもまだ、まだっ、終わらない……っ!
( ナハトの動きを捕らえた瞬間を思い出す。痛みにより秘奥が使えなくなる前に、反応が遅れた中で最善を模索し。効果の切れた長剣を手放し【秘奥を発動/2】負傷しても構わない左手に紫雷を宿らせる。そこで喉を、頭を、腹部を、足を、腕を。ギリギリと締め付け動きを封じる蔦が枷の如く全身に絡み付く。そんな状況でも、母への執念から自傷を覚悟で反撃を企てる。雷を纏ったからとは言え生身の体。しかし自身の体が、皮膚が焼けるのも厭わず、左手に巻き付く蔦に電流を流し込み炎上させ。焼かれる痛みと締め付ける蔦に苦しく喘ぎながらも、蔦を伝って炎が瞬く間に走り、地中から繋がる根本へ、相手の足へと襲いかからせようとし )

  • No.58 by 賢者アークエット  2019-07-21 14:29:05 



【 亀裂の魔・テウダ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】

おっ、根性あるっスねぇ。チェリーの調教の賜物って事スか

( いくら心は遊戯の魔の傍にあるとはいえ、同じ人間、しかも同じ釜の飯を食った仲間の騎士を躊躇わず攻撃する意思を見せたアレクサンドラの姿に、ヒュゥと口笛を吹いてみせる。文字通り我が身を焦がし、何を犠牲にしても遊戯の魔を追い求める姿に興味深そうに視線を注ぐ。その戦いがどう転ぶか、どちらが勝つにしても見物だ。高みの見物と洒落込もうではないか、とあろうことか戦場のど真ん中で胡坐をかく。座しているこの姿勢でも、断折の騎士と十分に渡り合えるという不遜な自信が成せる業か )


  ↓

【 堅牢の騎士・セドリック / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】


んヌぅぅぅうううン!!!

( 突如門前の荒野に響き渡るのは、腹の底から押し出す様な、そして押し殺す様な野太い雄叫び。その声の主は第二守護騎士団が長、己の持てる秘奥の力を最大限に発揮する。門前から関所まで、直線距離にして5kmほど。その一帯を四角形に取り囲むように、半透明な"牢"を形成してゆく。牢の内部に居るのは今門前に居る自分も含めた全ての騎士、亀裂の魔、そしてマリアと仮称ヴィンセント。この壁を突破するのは容易ではなく、ゆえにマリアが連れ去られるのを防ぐ大いな時間稼ぎとなる。 )

貴…様等ァ、突撃ィィィ!決してマリア様を奪われるでないぞォオ!!

( 自身の背後に控える守護騎士達へ檄を飛ばす。己の秘奥の弱点をカバーする為、いつもならば己の周りに数人残しておく部下すらも全て突撃へ向かわせたのは、騎士の母数が多ければその分誰かがマリアの元へ辿り着く可能性が高いと考えたから。それが無謀な策だとしても、諦めるなどという甘えた考えは一かけらとて頭になく )

オズワルドォ!貴様の尻は貴様で拭ぇイ!

( 大規模な秘奥を発動させていることから、額や頬には冷や汗が滲む。それでも、マリアを敬するオズワルドに声を掛けずにいられなかったのは、彼がのらりくらり飄々と生きているように見えても、誰よりも責任感が強く情に篤い者であると知っていたから。アレクサンドラが彼に襲い掛かった理由は解らないが、自身の秘奥が亀裂の魔に破られない内にマリアを追えと叫び )

ロットォ!良い斬り込み天晴れじゃア!退くな、負けるな、死ぬなよオ!!

( 一目散に亀裂の魔へと駆けていく、ロットの姿を誰が無謀と罵れよう。実力差が歴然だからこそ、勇猛果敢に挑むことは誰にでも出来ることでは無い。だからこそ、彼の行動に心からの賛辞と激励を贈り )

カサンドラァ!操られておるのか、えぇイ手の掛かる奴じゃのオ!後で引っ叩いて正気に戻してやるわィ、暴れるなら矛先は奴に向けイ!!

( 彼女が、彼女の意思でオズワルドを襲うなんて。そんな事態は毛頭想定しない、何故ならば信じているから。彼女は、我々人類の味方であると。それを一笑に付されようとも、己は信じ続ける。彼女はいずれ目を覚まし、人類の為にその秘奥を振るってくれるのだと。誰かに操られている、その仮定が今後彼女の本音を隠す言い訳に都合よく使われたとしても。 )


  ↓

【 亀裂の魔・テウダ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】


あー…マジかぁ、怠っりィ。引っ込ンどけっつったのに、逆に湧き出てくるとか無いっスわぁ。

( 依然として悠々と胡坐をかいたまま、ちらりと自身の後方を見遣る。案の定、堅牢の騎士が発現させた秘奥の壁に阻まれ、関所を突破し遠くへ逃げることが出来ていない様子。非力な人間め、と舌打ちを零し )

…あの爺殺せばお仕事完了、って事で良いっスかね、もう。

( 先程ロットへ向けたのと同じ要領で、今度はやや長距離に居る堅牢の騎士を指差す。長い距離を飛ぶ亀裂の衝撃波を放つには溜めが必要なのだろうか、指先を向けたまま時間を掛けて魔力をそこへ集約させていき )


【 お知らせ:亀裂の魔、堅牢の騎士についての情報を休息所にアップ 】


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▼ 世界観・概要 ▼(>1
▼ 重要用語 ▼(>2
▼ ルール ▼(>3
▼ 募集一覧 ▼(>36
▼ PFシート、PF例 ▼(>5>6
▼ 追記 ▼(>7
▼ 重要NPC ▼(>13

>休息所:羊皮紙、ラム酒、蝋燭と剣戟【https://www.saychat.jp/bbs/thread/649434/

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  • No.59 by 柳緑の騎士オズワルド  2019-07-21 16:09:00 


【 柳緑の騎士オズワルド / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】

っ、なんて子だ…!くそ、嫁入り前の肌に傷をつけるのは、本意じゃねんだが…

( 肉の焼き爛れるにおいがした。何が焼けているかなど明白だろう。引火して炎の伝う1本の蔦に繋がる根を他の枝で器用に引き抜いて放り投げる。捕えられ、浮き上がっている彼女の真下から茨を生やし、左足の蔦の巻き付きに沿うように這わせた。清楚なロングスカートをぼろぼろに食い破ったそれは、身動ぎ一つでその柔肌に食い込むだろう )

あんの熱血ジジイめ、来られんならもっと早く来いってんだ!__ふん、置き土産だ、くらいやがれデカブツ!!

( 飛んできた叱責にぶつくさと文句を垂れながら、遂に両手を地について根の範囲を加速度的に拡大させる。地中を駆けるそれは件の魔族が作った割れ目を遂に乗り越え、彼の下に辿り着くことだろう。もし気付かれなければ、亀裂の魔を中心に直径7メートルの円上、突如として10本の樹木が、彼を阻み害さんと盛大に音をたてて立ちのぼるはずだ )

恩に着るぜ、セドの爺さん!…悪いな嬢ちゃん、しばらくはここでゆっくりしててくれよ

( 言うが早いか、四肢に繋がる無数の根を根性でぶちぶちと引きちぎる。巨木の方には魔力を惜しみなく注ぎ込んだためそれなりの時間動きを止めないだろうが、雷火の騎士の方は徐々に緩み、時を置かず消えてしまうだろう。この場を去るまでの時間稼ぎができればそれでいいので問題はない。両者の返事も聞かずに、秘奥の使用で消耗した体力を振り絞って弾丸のように飛び出していき )

  • No.60 by 雷火の騎士アレクサンドラ  2019-07-21 17:00:37 

【 雷火の騎士アレクサンドラ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】

っ、ぐぁ……っ!! お、母……様っ……!

( 相討ち、または重症を負わせようと自身の体を対価にした反撃もどうやら防がれてしまったようだ。これが幾多の戦場を駆け、生き延びてきた経験の差か。黒焦げた幹の向こう側から聞こえる声から、事態を察し。追撃とばかりに新たな蔦が出現。左足を捕らえ、逃れようとクモの巣に引っ掛かった羽虫のように全身でもがこうとするが、それがむしろ事態を悪化させ、さらに締め付けが強まり。左足の肌に鋭い刺が食い込み血が流れ、ボロボロになった緑色のスカートがそれを吸収し滲み、変色してゆく。もう一度別の蔦を燃やしても結果は同じだろう。助けて、と母を求め呼びかける声が、虚しく響く。自分は負け、母の手掛かりはまたもや得られなかった。悔しさと恋しさと苦しみと、様々な感情が渦を巻き、宙吊りのまま瞳から大粒の涙がポタポタと大地を濡らし )

( 愉快そうな魔族の声、守護騎士の団長の叱咤。それ等が鼓膜に届いても、敗北が、母探しの振り出しからの精神的衝撃により右から左へと流れてゆく。やがて時間と共に効力を失い、蔦が霧散すれば足元から地面に落下。左足の負傷から着地に失敗。左手は火傷により皮膚は爛れ、拘束されていた蔦の跡が全身に赤く刻まれ、左足にもうまく力が入らない。これ以上の戦闘の続行、オズワルドの追跡、魔族を援護する事も全て不可能だろう。その場に倒れ伏したまま、まだ意識は保っていれば浅い呼吸を繰り返し。遠ざかって行く柳緑の騎士の大きな背を、恨め気に見送り )

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