――華を愛でる獣は散るか?【 ダークファンタジー / 群像劇 】

――華を愛でる獣は散るか?【 ダークファンタジー / 群像劇 】

賢者アークエット  2019-07-16 19:33:40 
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【  人の子よ 人の子よ
   ルーンをその身に宿す騎士よ
   私の唄を聴くならば
   目も眩むほど稠密な
   力をお前に与えてやろう


   さぁ永劫の裏切り者よ
   星を踏み越え 地上に堕ちて
   気高く剛毅に地獄を嗤え


   ノスフェラトゥの慟哭
   ニーズヘッグの咆哮
   血の濁流の渦巻く今宵
   有象無象の命よ踊れ  】



____夢の中で唄うこの声を聴いた時、何故か涙が止まらなかった。
その日から私は“秘奥”に覚醒し、ルーンの騎士たる資格を得た。
>嗚呼、黎明の七騎士、人の英雄よ。
私もあなたがたと同じ、闘争と抵抗の宿命を背負うのですね____



>閲覧感謝
>スレ成分の配合はシリアス×人間と魔の間に生まれる情と葛藤×織り成される群像劇
>戦闘より若干交流重視
>大陸を蹂躙する魔族と戦いながら、それぞれの“目的”を果たす王道ファンタジースレ
>合図があるまでレス禁止




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  • No.61 by 断折の騎士ロット・ルアヴァーニャ  2019-07-21 19:39:33 


【断折の騎士ロット/第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】

何が…ッ!?これは…まさか?
(突然腕を擡げる魔、指先は確と自分を捉えている。敵が何をしでかすか分からない以上、警戒するに越した事は無いと考えて左手に持ったソードブレイカーを自身の前に掲げる。次の瞬間、左手に衝撃が走ったかと思うと、衝撃を受け止めたソードブレイカーの中腹辺りに亀裂が走り、そのまま真っ二つに折れてしまった。何が起こったか理解が出来なかったが、すぐに自らが駆ける地面の横にある、あの魔が作り出した亀裂を思い出す。先程は叩きつけられた尻尾の衝撃で出来た物だと思っていたが、あの魔の秘奥により出来た物だったとすれば。今ソードブレイカーが折れた事も納得が行く。避ける事が可能かは分からないが、奴の指先が真っ直ぐ自分を向いていた事から、真っ直ぐ飛んで来るものと思われる。それならば、と左右に振れながら走って行き)

セド爺!避けろ!
(目の前の魔が再び腕を上た。自分と同じ攻撃をセド爺に向けて打ったように見える。届くとは訳も無いが、この声が誰かの耳に入り、それをセド爺に伝えてくれるかも知れない。それに、自分に激を飛ばしてくれた相手を見殺しにするかのような真似はしたくなかったのだ。走る足は止めないが、声の限りの叫び)

  • No.62 by 賢者アークエット  2019-07-21 20:29:03 




【 堅牢の騎士・セドリック / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】


ぐヌぅ……ッ!

( 5km四方の全体を囲む壁を出現させるなんて、無茶な話だ。それも最大出力を注いでいるならば尚更、回避行動など取れる道理もなく。ロットの叫ぶ口の動きが、やけにゆっくりとスローモーションを見ているように映る。次の瞬間、亀裂の魔の衝撃波は己の身に纏う鎧を粉々に砕き、その奥にある肉体までをも大きく切り裂いた。痛みを通り越して、熱い。噛み殺しきれなかった唸り声を上げ、両膝を地面につく。それでも両腕は前方に構えたまま、死の淵に立ちながらも最後の力を振り絞り秘奥は発動し続け )


  ↓

【 亀裂の魔・テウダ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】


アハハ、中々エコな秘奥っスねぇ。ヒトにお似合いっス

( 己を包囲する様に隆起しいきり立つ木々、それらに囲まれても脅威の色は一切感じられない。翼を広げれば、自身の周囲を球体状に囲むように亀裂の力を身に纏う。その状態で真上へ羽搏けば、亀裂の力に触れた大木を次々と粉々に。砕いた傍から再生していく辺り、柳緑の騎士による渾身の秘奥だったのだろう。だが、歴戦の魔の出力はその上をゆく )

うわ、マジか。呆気ないもんっスねぇ。おーい、ンなだらしない姿晒してっとチェリーに失望されるっスよー。

( 自身の提案を呑んだ雷火の騎士がどうなったのか、遥か上空で羽ばたきを繰り返しホバリングしながら見遣る。戦闘不能で地に伏す姿を見れば、苦笑いを浮かべながらぽりぽりと頬を掻き。いくら執念深いとは言え、きっともう立てないのだろう。それを承知で態と発破をかける様な真似をしつつ、飛来した先は堅牢の騎士・セドリックの眼前 )

  ↓

【 堅牢の騎士・セドリック / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】


ごふ…ッ

( 逆流する血潮は口から溢れ、見事な白髭を赤く染めてゆく。ザン、と音を立てて目の前に何かが降り立つ。睨むように視線を上げれば、そこには此方に向けて掌をかざす亀裂の魔。口内に残る血を舌で掬い取り、地へと吐き捨て大きく息を吸い )

__ルーンの騎士に幸あれィ!!

( 辞世の句を叫んだ次の瞬間、堅牢の騎士の身体は読んで字の如く真っ二つに。何かが蒸発する様な音を立てて、彼の秘奥が消えてゆく )


  ↓

【 マリア=レギナ / 第二要塞都市ソルブランカ- 関所 - 】


やめ…っ、離しなさいッこの…!ッう……、

( 青銅の鎧をまとう謎の男に抱えられたまま、じたばたと抵抗を試みるも鳩尾に重い一撃を喰らう。一瞬呼吸が出来なくなり、反射的に腹部を庇うように丸まり。それでも耳に届いたのは此方に迫る一つの足音。生理的な涙の滲む目でそちらを見れば、そこには柳緑の騎士の姿。 )

__オズワルド…ッ!

( 縋る様に名を呼び、謎の男の脇の隙間から手を伸ばしたその瞬間、再び瞬間移動の力が働き、二人は消えた。少なくとも目視できる場所には二人の姿は見えず、この場での追跡は無謀だろう )


  ↓  


【 亀裂の魔・テウダ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】


……期待外れっスねぇ。戦い方は教えてくんなかったんスか、チェリーは。

( 分断された堅牢の騎士の遺体を左手に鷲掴みにし、すたすたとアレクサンドラに歩み寄れば空いている右手で彼女の頭部をも鷲掴みにして持ち上げる。まじまじと顔を覗き込み、期待していたほど面白いショーが見られなかった不満をありありとぶつけ、ぱっと右手を開き地面に落っことして。次いで翼を広げ上空へ飛び立てば、手にしたセドリックの遺体の右半分をロット、左半分をオズワルドへと放り捨てるように投げ付け )

つーわけで、お疲れっスー。

( 命を簡単に摘み取り、その尊厳を冒涜した後とは思えぬ爽やかな笑みと声音で挨拶を残し、亀裂の魔は目にも留まらぬ速さで加速し飛び去った。西の、方角へ。 )


【 ルート選択:
  ∟①マリアを追跡すべく、亀裂の魔が飛び去った西の方角へと疾走
  ∟②マリアを追跡すべく西へ疾走するも、満身創痍の身が祟り仲間の騎士とはぐれ、倒れ伏す
  ∟③一旦第二要塞都市ソルブランカへ帰還 】


>断折の騎士

【 お知らせ:ロル内に記述がありましたが、魔族が扱う力は秘奥ではありません。あくまで秘奥はヒトの為の力です。その点も世界の謎に含まれる一部ですので、もし気になる様であれば今後の物語で探ってみて下さい。/ 返信不要 】


>雷火の騎士

【 お知らせ:何度も重箱の隅を楊枝でつつく様で申し訳ないのですが、見易さを考慮し上下空白を心掛けて頂けると助かります。/ 返信不要 】


  • No.63 by 雷火の騎士アレクサンドラ  2019-07-21 21:48:06 



【 雷火の騎士アレクサンドラ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】

失、望……っ

( 体力の消耗もあり、体が思うように動かない。遥か上空から響く魔族の声。お母様に失望される。そんな事になったら自分はどう生きていけばいいのか。弱く脆い、母とは異なる、ただの人の身である自分が憎い。涙を流し倒れるしか無い自分が、不甲斐無い。遠くから聞こえた、名高い騎士の最後の言葉。彼程経験を積み重ねた人間でさえ、魔族の前では敵わない。どれだけ己を鍛えれば、母の娘を名乗るのに相応しい力を手に入れられるのだろう。仕事を終え此方に近付いてくる魔族。自分の命もここで終わるのか )

っ……お、母様は……ぐぁっ!

( 母に戦いを教えて貰った事は無い。圧倒的なその背を自分はただ見詰め、憧れていただけの子供に過ぎない。あの時教えを乞うていれば、もっと己に力があれば、結末は変えられたのだろうか。今となっては終わってしまった話。頭部を掴まれ走る痛みに呻き、解放されたかと思えば再びの落下。今度は比較的まだ軽症の右半身を下にし、地面に転がるようにして衝撃を軽減させ受け身を取り。やがて魔が西へと去って行く。「 待、って……行かないで……! 」と右手を伸ばすが声も思いも願いも、何一つ届くはずも無く。視界にはただ青い空が広がるのみで )

( その後地面に右手を着きボロボロの体に力を込め、ゆっくりと立ちあがらせる。西の方角。西の悪魔、ナハトの集団。そこに手掛かりがあるかもしれない。だが今追ったとして何になる。弱いルーンの騎士が手土産も無く向かった所で、敵とみなされるだけ。マリアへの興味も薄い。故に今は怪我を癒し、それから今一度考えよう。マリアを失い、青銅騎士団や守護騎士団団長さえ欠けたこの都市を、再びナハトや魔族が襲い、邂逅の機会が訪れるかもしれない。他の人間達に今回の自分の行いを責められるかもしれないが、それも承知でよろよろとふらつきつつも足を動かし、門を潜った先にある都市へと戻る事を選択し )


【 ルート選択:
 
 ∟③一旦第二要塞都市ソルブランカへ帰還 】


  • No.64 by 断折の騎士ロット・ルアヴァーニャ  2019-07-21 23:03:49 

≪③≫

【断折の騎士ロット/第二要塞都市ソルブランカ】

なっ、せ、セド爺。くっ…
(突然目の前の魔が飛び去り、堅牢の騎士の方へと向かう。方向転換しそちらへ向かうも、全力で走っていたお陰で距離は遠い。額に汗を流しつつ、再び全力で走る。しかし、自分が到着するのを魔が待ってくれる筈もなく。堅牢の騎士は最後に一言だけ残し、二つ分断されてしまう。思わず立ち止まり、膝をつく。また何も出来なかったという自分の非力さと、堅牢の騎士が死んだ事に対する悲しみに襲われるロットの前に、魔が放り投げた堅牢の騎士の遺体の右半分が転がる。ハそれを見て気が付き、奴の飛んで行った方を見る。しかしそこに奴の姿は無い。続いて柳緑の騎士が追った筈のマリアを探そうとするが、それもまた見当たらない。がむしゃらに探しても見当たる筈が無く、また、見つけたとして疲弊しているところをやられるだけ。情報が伝わる事も無く、ただ犬死にするよりも、優先すべきは堅牢の騎士の埋葬に思えた。半分になった遺体を担ぐと、今度はとぼとぼとソルブランカへと歩き始めて)

  • No.65 by 柳緑の騎士オズワルド  2019-07-21 23:37:21 



【 柳緑の騎士・オズワルド / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - → 第二要塞都市ソルブランカ- 関所 - 】

っはあ、はあっ、──くそ、間に合わ、なかった…!

( もう誰もいなくなってしまった関所前で、膝に手をついて悔しげに地面を睨み付け。ぼたぼたぼた、と額から大玉の汗が落ちて荒野に染みを残す。遠目ながら、秘奥はあの弟君モドキが破壊したようではなく、発現が保てなかったように見えた。あの爺さんもとうとう老けたかね、と失敗や敗北の文字と彼を上手く結び付けられずに、結界が解けた理由を年齢のためだと断定し、なんとはなしにそちらを、つまり門側に振り返ったその瞬間 )

──は、あ?

( 脳が理解を拒絶した。乱暴な手つきで粗大ゴミのように放り投げられた“それ”はべちゃりと不快な音をたてて自分の衣服を血で汚していく。パンやケーキに真っ直ぐ刄を入れたときのように、凹凸のない、美しい人為的な平面があった。動揺と重さから間抜けにも尻から倒れ込む。ちょうど腹の上にある半球の、赤かピンクか黒か分からない断面をさらけ出したそれは──濁った目の、我らが第二守護騎士団団長その人だ。 )


( どれくらいそうしていただろうか。ふうぅと長い息を吐き出して、こちらに凭れる亡骸を助け起こしながら立ち上がる。陽射しを受けた葉の色をした双眸を一度閉じ、開くと、左腕を突き出して彼を巻きとった。関節の繋ぎ目にぴき、と小さな脈が浮かんだが構わずに伸ばし続ける。門前まで送り届ける頃には上腕が変色しているだろう )

…さて、と。ケツを拭きに行きますかね。

( もう騎士達が走り抜けてしまったあとの道を見やって、歩き出す。無謀なことは重々承知の上だ。ましてやこの後丸一日以上秘奥は使えず、体力も精神も底を尽きかけている。敵は強大、守りは脆弱。冷静に考えれば、戻って反撃の機を伺うのが最善なことくらい、猿でもわかる簡単なことだ。それでも…いや。あんな凄惨な死に方を見せ付けられて、冷静で居られる方が気が狂っているのだ。それに、何より、一体全体、どの面を下げてあの門を潜れというのか!今の自分があの要塞に戻ったところで、生むのは損失しかない。この情けない面で、マリアがいないことの象徴のように寝台の上の住人になり、人々の不安を煽ることしかできないなら、いっそ帰らないでいた方が良いだろう。吠えるようなあの辞世の句を聞けなかった自分にとって、最期の言葉になってしまった彼の言葉を思い出しながら、疲弊した身体で一歩、二歩、西へ。 )



【 ルート選択:
  ∟②マリアを追跡すべく西へ疾走するも、満身創痍の身が祟り仲間の騎士とはぐれ、倒れ伏す 】

  • No.66 by 賢者アークエット  2019-07-22 17:13:43 



>アレクサンドラ、ロット

(マリアが強奪され、亀裂の魔が襲来し、第二守護騎士団長が殉死した後、ソルブランカへ帰還する事を選んだ2人。オズワルドが門前へ送り届けた遺体の左半身は、舞踏の騎士セシルが受け取った。負傷していなかったロットは治療の必要性を認められず、反対にアレクサンドラは医務室送りとなった。__そして長い夜は明け、翌日。)


【 千里の騎士ガウェイン / 第二要塞都市ソルブランカ- 医務室 - → - 牢屋 - 】

>アレクサンドラ

__失礼する。

( 3度のノックの後に凛と張られた声、しかし喧しさはなく涼しげな声音。相手が寝ていて返事が出来ないケースを考慮し、断りを入れてから入室する。アレクサンドラが横たわるベッドの傍へと歩み寄る男は守護騎士団の鎧に身を包み、同色のヘルムを脇に抱えてじっと相手の瞳を見つめ )

君に反逆罪の容疑が掛かっている。審議が終わるまで牢屋に拘留させてもらう。抵抗しないでくれると嬉しいのだが

( 淡々と要件を告げる姿は冷徹そのものだが、けれど痛ましい相手の容態を眺める目は悲痛の色を灯す。蓋し視線を逸らすことはせず、真摯なまでに真っすぐ相手を見つめ続ける。強制連行するような真似は成るべくしたくない、故に相手が頷くのをじっと待つ。爛れた足が痛むようであれば、車椅子にて牢屋へ拘引するだろう。もし何らかの形で抵抗を受けるのであれば、満身創痍の相手を組み伏せるのは心が痛むが、致し方なく実力行使に出るだろう )


【 舞踏の騎士セシル / 第二要塞都市ソルブランカ- 墓所 - 】

>ロット

( 偉大なる堅牢の騎士、その葬列に加わる。ヒトの技術を凝らして綺麗に整えられたセドリックの死に顔は、意外にも無念に歪んではいなかった。それもこれもきっと、死して尚信じているからだろう。ルーンの騎士は、必ずや第二のマリアを取り返し、再びソルブランカへ希望を取り戻してくれるだろう、と。 )

っうぅ…、っく…

( その剛毅で矜持のある性格から人望厚かったセドリックの死に、人々は咽び泣いた。セシルもまた、彼の世話になった内の一人であり、双眸から止めどなく零れる涙を止める術など知らない。別件でソルブランカを留守にしていた自身は、昨晩遅くに帰還した。堅牢の騎士が死んだ、そう聞かされた時の衝撃は忘れられない。棺は立派な墓石の下に埋葬され、それを見届けた後も墓前から立ち去ることは出来ず。彼が第二のマリアを可愛がっていたことは知っていた。だからこそ、自分の手で彼女を取り戻せなくてさぞ無念だったろう。死ぬ間際の彼の気持ちなど、いくら慮っても足りるものではなく。__なら、自分に出来ることは何か。見知った仲の騎士であるロットと肩を並べつつも、そちらを見遣ることはなく涙で赤く腫れた目を真っすぐに墓標へと向け、しゃくり上げながら口を開く )

__探しに、行かなくちゃ。そうでしょ、ロットさん


【 ??? / アマニ旧市街周辺 】

>オズワルド

( 瘴気が通過した後は酷い有様だった。小動物はおろか草花や木々の類も全て枯れ果て、まさしく不毛の地と化していた。その惨状を嘆くかのように、天が啼泣するかの様に土砂降りの雨がオズワルドの身体を打つ。元より満身創痍、秘奥を発動して雨を凌ぐこともままならない彼の体温を、篠突く雨が急激に奪うだろう。限界を迎え道端にて倒れ伏すであろう柳緑の騎士、彼が意識を手放す前にその眼前に出現する影が一つ。物言わぬ相手は、唯々オズワルドを観察するかのように見下ろし )

【選択:現れた影の主は?
 ∟①黒鉄の鎧に身を包む中年の騎士
 ∟②幻影の如く揺らめくオーラに包まれた何者か】



  • No.67 by 雷火の騎士アレクサンドラ  2019-07-22 19:31:47 



【 雷火の騎士アレクサンドラ / 第二要塞都市ソルブランカ- 医務室 - → - 牢屋 - 】

>66 千里の騎士ガウェイン

( 何も見えない。否、眼前にはただただ底知れない闇が広がっていた。形あるものを、己自身の肉体さえ認識出来ない。これは夢なのだと気付いた。そしてあの唄を思い出す。人の子よ、そう呼び掛けられ秘奥の力に目覚めたあの日。力は与えられていた、でも敗北した。自分がもっと有効的に使えていたらと後悔が駆け巡る。そしてもっと強くならなくては、と先の見えない暗闇の中で決意を新たにさらに深く思考の世界に耽りかけたその時、響くノック音。夢から現実に急激に意識が引き戻され、重たい瞼をゆっくりと開き真っ白な天井を視界に映し )

( 男の声が紡ぐ、事務的な内容に静かに耳を傾ける。反逆の容疑。疑う余地もなく事実その通りなのだが、死者の国へと旅だったあの雄々しい騎士のように、弁解の余地を与えようとしてくれているのか。不穏分子は問答無用で切り捨ててしまえばいいのに。だが逃れる隙があるとすれば、喜ばしい。青銅騎士達を殺めたナハト撃退の貢献、魔族出現による異変行動。また戦力の減少によりルーンの騎士の需要。騎士の称号の剥奪は良いが、死刑か懲役を課せられたら脱獄を企てなければならないだろうか。ぼんやりとする頭を働かせ現状を整頓してから、上半身を起き上がらせ。此方を見据える眼差しと紫水晶の瞳を交差させ )

……かしこまりました。抵抗なんて滅相も御座いません。私は確かに、罪を犯してしまったのでしょう。理由はどうであれ、それは事実ですわ。ただ、後で服を着替えさせて頂けると嬉しいのですが、よろしいでしょうか?流石にこのままでは、一晩で風邪を引いてしまいますわ

( 現在自分の装備は患者の着る薄水色の病衣のみ。剣は傍らに無く、秘奥で今抵抗した所で旨味も無い。むしろ罪が重くなるだけ。故に従順に、素直に首を縦に揺らし。操られていた、という偽装も必要なら出来るよう言葉を慎重に選ぼう。これは、自分の弱さが招いた結果。反省よりも自戒の意味としての罪を認め。一度俯き、マリアが居れば出番の無かったであろう、包帯が巻かれた左手と左足を見る。グー、パーと動かしてみた手にはじんじんと未だ熱が残り、皮膚が突っ張るような感覚はあるが数日あれば跡も綺麗に消えるはず。軽く曲げた左足は歩く程度なら問題無し。体調の確認が済めばベッドから両足を下ろし、立ち上がり。どこか人として歪な精神は、快適とは言いがたいであろう牢屋へ、本人は至って冷静に、かつ真面目な表情で衣類の交換を希望しつつ、大人しく連行されて行くだろう )



  • No.68 by 賢者アークエット  2019-07-22 20:17:52 



【 千里の騎士ガウェイン / 第二要塞都市ソルブランカ- 牢屋 - 】

>アレクサンドラ(>67

( 相手の白々しい言葉に、眉が歪みそうになるのを大人の分別で堪える。結果いつも通りの無表情が維持されたわけだが、後ろ手に隠した右手の拳はぎりぎりと握り締められ、怒りから震えていた。自分は、あの場に居たのだ。堅牢の騎士セドリックが秘奥の準備をしている間、つまり彼より先に出陣していた。故に、アレクサンドラがオズワルドへ向かって高らかに叫んだ裏切りの口上も確とこの耳で聴いていた。相手が亀裂の魔と何を交渉したのかまでは聞き及べなかったが、それでも反逆罪を十二分に犯していることは百も承知の上だった。彼女がオズワルドへ刃を向けなければ、マリアは奪われていなかったかもしれない。そして、我が敬愛すべき団長も、命までは落としていなかったかもしれない。そう思えば、余計に相手の態度が腹立たしかった。己が上手く立ち回っていれば、彼を死なせずに済んだかもしれない。そんな自責も怒りを助長した。何が"理由はどうあれそれは事実"だ、何が"このままでは風邪を引く"だ。そう叫んで胸倉を掴み、殴り倒してやりたい獰猛な憤怒を並外れた理性で抑えつける。女子供に手を上げる事は騎士道に反する。その上、セドリックは最期の最後まで態度で示したのだ。アレクサンドラを信じるのだと。故に、背後の拳を解き )

__……来い。

( 低い、とても低い声でそれだけを言い放つ。相手に手錠を掛ければその鎖を握り医務室を出る。牢屋へ向かう道すがら、中庭を通った。あの時戦場に居て、且つ生き残った守護騎士は、アレクサンドラの姿を見るなり口々に罵声を浴びせた。操作されていたという偽装など無意味だと、思い知らされざるを得ないだろう。ある重々しい鉄扉を潜り、地下へ通ずる階段へ差し掛かっても、地上からの罵詈雑言が止むことはなかった。罪を犯す者の殆どは既にナハトの一団に加わっているため、現在の牢に囚人はアレクサンドラ一人だけ。立ち並ぶ牢獄の真ん中へ相手を誘導し、大人しく檻の中へ入ったのを確認すれば厳重に施錠し。立ち去ろうと踵を返し二、三歩と進むが、ぴたりと足を止める。そちら側へ振り返ることは無く静かに口を開き )

如何なる事情があるにせよ、貴様が仕出かした事はヒトの世では重罪だ。貴様が罪を罪とも思わぬ冷血な蛇であるなら、何故おめおめとソルブランカへ帰還した。こうなる事が想定出来ない程、浅慮ではないだろう

( 反逆容疑を告げた時と同じ、淡々とした声音。蛇、との単語で比喩したのは偶然か。背を向けたままでも警戒は怠らないが、此処は只の牢屋ではない。秘奥持ちの囚人を収監することも想定したうえで、秘奥の力を霧散し掻き消す術式が賢者アークエットによって組み込まれている。どんなに微かな出力でも、秘奥を出現させた時点で看守やガウェインへと感知される仕組みも備わっている。それを相手に事前に伝えないのは無論故意であり、脱獄しようと秘奥を発動させた時点で反逆罪は成立、相手を処刑する大義名分をその場で得られる。まだ未熟な己に、あの堅牢の騎士の様に愚直に強烈に、雷火の騎士を信じることは出来るだろうか。それはこの問いへの返答に懸かっている )


  • No.69 by 柳緑の騎士オズワルド  2019-07-22 22:13:00 



【 柳緑の騎士オズワルド / アマニ旧市街周辺 】

>???(>66

っはは、かみさまが、ないてらぁ……。

( 人間と魔の抗争により、元より豊かな地ではなかった。それでも、廃墟の隅には小さな白い花が生えていたし、どこからかやってきた強い種が根付いて群生する草木があった。そこに住む虫たちがいた。時折蛇や兎を見掛けた。隆盛の兆しがちゃんとある場所だった。それが、たった数時間で。とことんまで無機的に変貌したその場所を前のめりになりながら通り抜け、通り抜け、力尽きた。フッと糸が切れたマリオネットのように顔から崩れ落ちる。寒さを感じないほど冷えきった身体に降り掛かる雨はただ肌を打つ。謗りにも、慰めにも思えた。─『雨って、本当はかみさまの涙なんだって!』─幼馴染の能天気な言葉も強ち間違っていないのかもしれない。このまま大泣きして、再び命を吹き込む慈雨になって── )

……?

( ぼやぼやした思考から自分を引き戻したのは、黒い影。甲冑と思わしき金属製のすね当てが目に入る。見上げる元気もないまま、ただ黒く光る鎧をぼんやりと見つめ )



【選択:現れた影の主は?
 ∟①黒鉄の鎧に身を包む中年の騎士 】

  • No.70 by 雷火の騎士アレクサンドラ  2019-07-22 22:27:48 




【 雷火の騎士アレクサンドラ / 第二要塞都市ソルブランカ- 牢屋 - 】

> 千里の騎士ガウェイン ( >68 )

( 相手の表情は変わらない。けれどその瞳は静かに燃え、同時に失った者達への悲しみと悔しさの一片が見えた気がした。けれどそれだけ。氷のような声で仕事を果たす目の前の騎士。その気高い志で、心の奥底に押し込めた深い憤りを、悲痛な思いを察する能力に欠けた人間は。手首に触れる手錠の重みを感じながら、鉄の擦れる鎖の音を響かれその後ろを歩き出す。日の差す中庭にて向けられる言葉の刃。周囲の反応を知り、漸く言い逃れは難しそうであるとの事実に気がつく。しかし自分がもう一人の騎士に襲い掛らなかっただけで、あの強大な存在に本当に勝てたのだろうか。結果は同じだったのでは。マリアを守る為に集められた、自分よりも経験も力も優れているであろう精鋭とて力及ばずだったではないか。内心では思う所はあるが言葉には出さず、前を向いたまま黙々と先へと進む。地下へ辿りついても聞こえる声に、元気です事。と良心の痛みよりもズレた感想を抱き、がらんどうの、貸切状態の牢獄の中へ。頬を撫でる冷気。鍵の掛けられ、自由の失われた檻の中。薄暗い此処は先程見た夢の世界に少し似ている気がする。去って行き背を見送ろうと赤髪を揺らし振り返れば、投げ掛けられた問い )

蛇……ふふ、素敵な響き。__私には、帰るべき場所が見つからないからですわ。ただそれだけの理由です。では、御機嫌よう

( 蛇。その単語に大きく瞳を見開き、哀愁を帯びた笑みを微かに口元に浮かべる。嗚呼、本当に自分も、あの美しい母のような蛇になれたらいいのに。でもきっと己は蛙の子。井の中の蛙。小さな世界から誤って飛び出してしまい、広い世界での生き方が分からないまま、此処まで来てしまった。どこかの森に確かに存在していた、あの小屋に帰りたい。母の側が、唯一自分の居場所だと言うのに。痛む体を引きずって外に出たとして、一体どこへ向かえば会えるのだろう。事情の知らぬ相手は、叶わぬ思いを秘めたこの答えをどう受け止めるのか。きっとこのまま去ってゆくであろう背に別れの挨拶を告げ、空でスカートの裾を掴み、左足を斜め後ろに下げ膝を曲げカーテシー。脱獄を企てようと息巻いていた勢いは、胸に燻ぶる思いにより今は静まってしまった。そう言えば結局着替えられなかった。壁に凭れるようにして座ったならば、暖を取る為に己を抱きしめるようにして縮こまり、また一休みをしよう考えながら、牢の奥へ歩き出し )

  • No.71 by 賢者アークエット  2019-07-22 22:49:27 



【 灼熱の騎士クライヴ / アマニ旧市街周辺 → 黒鉄騎士団第三拠点 】

>オズワルド(>69

( カシャリ、音を立ててアーネットのバイザーを指で押し上げ視界を広げる。まじまじと眺めたその相手は、紛れもない柳緑の騎士オズワルド。…否、あの頃は騎士を名乗っていなかっただろう。懐かしい、懐古の感傷に浸る間もなく再びざわめきを引き連れて姿を現したのは、忌々しい瘴気 )

チッ、どうせ抱えて逃げるなら小柄なカワイ子ちゃんが良かったぜ

( 好色な軽口に聞き覚えがあるだろう。今は亡き慈愛の老人と、目の前で命を散らせた幼馴染と共に歩んだあの日々を。文句たらたらな言葉の割には、思いがけぬ再会への喜びや興奮が抑えられず無意識に口調が弾む。細長い相手とは対照的と言える、ガッシリと筋骨隆々の己の肉体。鍛えておいて良かったと心から思いつつ、オズワルドを抱え上げ瘴気から逃れる様に走る。そのまま近くに控えていた愛馬に飛び乗り、手綱を操り荒野を疾駆した。 )

( __がやがやと賑やかな喧噪の中、きっと貴方は目を覚ますだろう。広くはないが暖かく、活気溢れる笑い声と微かな酒の匂い。ここはアマニ旧市街から北東へ進んだ地点、黒鉄騎士団が遠征時に立ち寄る第三拠点のログハウス。木の皮を編んで作られた簡素なマットレスの上、魔獣のものであろう毛皮が毛布代わりに相手の身体にかけられていた。 )

嘘じゃねぇって、ポールがやけに騒ぐんで偵察の足ィ延ばしたらコイツが倒れてたんだ。あと1分、嫌30秒遅けりゃ今頃骨だけになっちまってら。今でも骨に皮張っ付けて歩いてるようなもんだがよォ!

( げらげらと剛毅な声を上げて笑う姿は、相手と同年代の男。燃え盛る様な赤毛の短髪に、左目を縦断するように額から頬にかけて刃に切り裂かれたような傷跡。きっと、記憶に残っているだろう。空っぽになった木製のジョッキを自身の傍らへ置くついでに身を捻って振り返り、自身の背後に寝かせているオズワルドの顔を見て )

__お。お目覚めかよ、相棒!


【 お知らせ:見易さを考慮し、一旦レスを投下します。雷火の騎士へのレスはこの後すぐに投下する予定です。少々お待ちください。 】


  • No.72 by 賢者アークエット  2019-07-22 23:20:43 



【 千里の騎士ガウェイン / 第二要塞都市ソルブランカ- 牢屋 - 】

>アレクサンドラ(>70

( 彼女を誰もいない牢獄に収監したその晩。未だ判決は下されない。審議の余地もないだろうが、噂によればこの大陸における著名人がそれに参加しているらしい。その人物が話をややこしくしているのだろうか__。千里の騎士は騎士団の宿舎にて、いくら反逆者相手とはいえ大人げない対応をしてしまったか、と秘かに反省の念に駆られていた。相手が男であれば、あんな仕打ちでは生ぬるい程だ。けれど相手が女だというだけで、冷たく凛と研ぎ澄ませた冷徹な心が揺らいでしまうのは、自身が持つ生来の甘さか。短く溜息を吐き、寝台から腰を上げた。自身が問うた理由、彼女の答えを再び回想する。他に居場所が無いと、語った声が無性に物寂しそうだったのが印象的だった。しかし、それは人に刃を向けて良い理由にはならない。けれど、幼い頃の自身と重なる何かが、相手を只の囚人と冷酷に扱えない要因なのだろうか。 )

__地下牢は冷えるだろう。

( 跫音を響かせ地下へ通ずる階段を下りる。月光すら差し込まぬ暗闇の中、己の持つカンテラだけがその周囲のみをぼんやり照らし出す。相手の牢の前まで来れば足を止め、屈みながら几帳面に畳まれた男物の衣服と毛布を檻の前に置く。使え、とも拾え、とも言わず、ただ置くだけ。それを受け取るか否かは相手の自由だ。男物じゃないの、なんて文句を言われた日には流石にいい加減にしろと怒髪天に達してしまうだろうが、特に反応や見返りを求めて行った行為でもない。故にそのまま立ち上がれば踵を返し )


【 お知らせ:千里の騎士ガウェイン、灼熱の騎士クライヴの情報を休息所にアップ 】


*********************************

▼ 世界観・概要 ▼(>1
▼ 重要用語 ▼(>2
▼ ルール ▼(>3
▼ 募集一覧 ▼(>36
▼ PFシート、PF例 ▼(>5>6
▼ 追記 ▼(>7
▼ 重要NPC ▼(>13

>休息所:羊皮紙、ラム酒、蝋燭と剣戟【https://www.saychat.jp/bbs/thread/649434/

*********************************


  • No.73 by 断折の騎士ロット・ルアヴァーニャ  2019-07-22 23:54:27 


【断折の騎士ロット/第二要塞都市ソルブランカ- 墓所 - 】

(自らの目の前で死した堅牢の騎士。その葬儀に参列し、墓石の前で手を合わせる。悲しみに暮れ、喪失感が心を襲ったが、閉ざした瞼の下から涙が溢れる事は無かった。涙を流すよりも先に、雄々しく散った堅牢の騎士の意思を継がなければ、という気持ちが湧き上がってきたからだ。ならばすべき事は決まっている。万全の準備を整え、マリアを追う。態々連れ去ったという事は、マリアがまだ生きている可能性は高い。それを提案すべく、隣でセド爺を見送るセシルに意識を向ける。目元を腫らし、涙を流す彼女の心中は、想像に難く無い。声を掛けるべきか迷うロットに、セシルの方から声が掛かる。彼女も自分と同じ事を考えていたのだ。彼女が口にした言葉に迷う事なく頷き、力強く返す)
勿論だ。絶対に、マリアを取り返し、セド爺の意志を継ぐ。

  • No.74 by 雷火の騎士アレクサンドラ  2019-07-23 02:11:19 




【 雷火の騎士アレクサンドラ / 第二要塞都市ソルブランカ- 牢屋 - 】

> 千里の騎士ガウェイン ( >72 )

( パチリ。瞼が自然と持ち上がり目が覚めた。今は何時だろう?時間や太陽、月からも隔離され真っ暗闇が広がる牢獄。壁に寄りかかる背や、臀部から伝わる床の冷たさ。思わずブルリと肩を震わせ、両の手で左右の二の腕を上下に擦り体を暖める。自分以外誰も居ない世界。静か過ぎて少し不安を覚えるが、とても落ち着く。集団の中で家族が側に居ない引け目も、友人と言う存在の不在による孤独を感じる事も無い。小屋の中で一人、母の帰りはいつだろうかと楽しみにしていた、幸せだった一時をふと思い出し、穏やかな表情を浮かべ。乱れた赤髪を手櫛で整え、首より前に後ろ髪を流し、一本に束ねた三つ編みを編み込み直す。そろそろ来る頃合いだろうと覚悟を決め )

っ……あら、その声。また貴方にお会いするとは思ってもいませんでしたわ。……まぁ、それにわざわざ、囚人の私なんぞの為に、ゆったりと着やすいお洋服を用意して下さって感謝致します。お陰で風邪を引くのは回避出来そうですわ。有り難く使用させて頂きます

( 静寂を破る一人の足音。来たのか、と視線を檻の方へと向けたならば、暗闇に慣れた瞳には強烈に輝いて映るカンテラの灯り。うっ、と顔をしかめ光を遮るように顔の前に右手を翳し。だが最近聞き覚えのあったその声に、パチパチと驚いたように瞬きを繰り返す。次いで何かが置かれる音。灯りから視線を反らした先、罪人相手ならもっと粗末に扱ってもいいものの、彼の人となりを現すかのように丁寧に畳まれた、要求し一度は却下されたはずの衣類と、追加で毛布の差し入れ。右手を下ろし、左足に負担を掛けないよう立ち上がれば受け取るべく近寄り。両膝を床に着き、シンプルな麻の上着を手に取り広げれば、明らかにサイズの大きい男物。だが172はある身長故に、小さくて困るより寒さを凌げるなら、何でも構わない。人によっては嫌味にも聞こえてしまいそうな口振りにて、感謝の意を示し。その場で着替える等と淑女としてあるまじき行為はせず、頂いた毛布だけ早速肩に羽織る。一枚あるだけで外気から守られる感覚に、ほっと息を吐き出す。とそこで、これで用は済んだとばかりに、足早に退室して行こうとする背に目を向け )

……? 失礼ですが、刑を伝えに来たのでは無くて? 私てっきりそうなのだとばかりと思っていたのですが、もしやまだ決まってはいらっしゃらないので? 上は何を考えているのかしら

( 必要最低限の食事の配膳以外に、次誰か来る時。それは死刑宣告の時と予想していたのだが、どうやらそうでは無いらしい。マリアを失った守護騎士と言えど、治安維持等他に仕事が立て込んでいたならば引き留めてしまう事にはなるが、疑問をぶつけずには要られない。自分の生死に関わるから、と言うのもあるが相手や中庭の騎士の様子から、審判を下すなら早々に決定してしまった方が良いはずだ。ずるずると引き伸ばせば、それだけ兵の中で不満が溜まる。苛立つ兵の様子を見た民間人は、さらなる不安と混乱を胸に抱く事だろう。外の情報を得るには目の前の、名の知れぬ騎士から聞き出す他に無い。素直に答えてくれるかは彼次第だが )


  • No.75 by 柳緑の騎士オズワルド  2019-07-23 20:05:37 



【 柳緑の騎士オズワルド / 黒鉄騎士団第三拠点 】

( 真っ先に樹皮から染み出した樹液の匂いがした。右手にごわついた毛の感覚。人の声、酒の匂い。寒さ。無意識的に毛布を手繰り寄せて、ゆっくり目蓋をあげる。じわじわと合う焦点が煩わしく何度か瞬きをし、のそりと上体起こし。武勇伝でも話しているのか、一等大きな声で笑っている赤髪の男の後ろ姿が目に入った。どうやら道中で力尽き、拾われたらしい所までを理解 )

__っ、…ふへ、随分でっかくなってんじゃねぇか。誰かと思ったぜ。

( 相手がこちらを振り向いた瞬間、呼吸が止まった。その衝撃は今自分を苛むはずの一切のしがらみを吹き飛ばして、厚い目蓋をいっぱいに押し上げて情けなく間抜けな面を晒し、__隠しきれない喜色が溢れ出す。生きていた、クライヴが生きていた!赤く染まる鼻先、眉間に皺を寄せて噛むように笑う。鼻腔を突くつんとした痛みに泣いてしまわないように十全を期す。言いたいことは沢山あるはずなのに、上手く出てこない言葉を繋ぎ合わせる。声は震えていないだろうか )


  • No.76 by 賢者アークエット  2019-07-24 14:52:46 



【 舞踏の騎士セシル / 第二要塞都市ソルブランカ- 墓所 - 】

>ロット(>73

……!うんっ( 頼もしい返答に、思わず相手の横顔へ視線を遣り、目を瞠る。口許に浮かんだのは、マリア奪回という難題へ共に立ち向かう同志がいる、という心強さで零れた笑み。第二要塞都市の現状は酷いものだ。青銅騎士団は半壊、守護騎士団長は殉死、第二のマリアは敵の手中に在る。今までに類を見ない惨状だろう。しかし諦めない、堅牢の騎士が最期までそうであった様に。 )

もたもたしてたらマリア様が酷い目に逢わされちゃうかもしれない。私、準備してくるね!1時間後に出発する!

( 慌ただしく自身の小屋へ駆け戻っていく。彼女は知らない、ロットの真の目的はマリア奪回ではなく、恋焦がれる黒翼の魔との再会であると。 )

【選択:
  ∟①舞踏の騎士セシルと共に出動(準備を終え要塞都市の門で待つセシルに声をかける描写)
  ∟②青銅騎士団へ協力を仰ぎに本部へ直談判(本部の門を叩き要件を告げる旨を描写)
  ∟③第二守護騎士団へ協力を仰ぎに本部へ直談判( 同上 )
  ∟④単身で出動、関所を超えアマニ旧市街周辺へ向かう】

【 お知らせ:他参加者様と分かれ単独行動となりましたので、次レスから「>宛名(>レス№)」を追加してください 】


  • No.77 by 賢者アークエット  2019-07-24 15:28:27 



【 千里の騎士ガウェイン / 第二要塞都市ソルブランカ- 牢屋 - → - 礼拝堂 - 】

>アレクサンドラ(>74

( 予想していたよりもずっと饒舌な相手の反応に、やはり反省や懺悔など期待するだけ無駄か、と僅かに眉を顰め。それに伴い翡翠色の瞳が僅かに灯りを反射し煌めいて。囚人と徒に問答するつもりはなく、立ち去りながら背中で相手の言葉を聞く。問いを投げられれば律儀に足を止め、振り返ることはなく背筋を伸ばし )

知ってどうなる。貴様に出来るのは此処で判決を待つ事、只それだけだ

( 冷たく言い放つ事が出来たのは、相手の姿を視界に入れていないからか、それとも地下牢の陰鬱とした空気に誘因されたからか。ともあれ、大陸や人類にとって重大な意味を持つ人物が来訪していることなど、犯罪者におめおめと教えるものではない。それに伴い、刑罰の決定が遅れている理由にも、触れる事すらなくぴしゃりと会話を終わらせる。カンテラの灯りと共に足音は遠ざかり、鉄扉の閉じられる音を最後に再び静寂が訪れた。 )

( __翌日の昼下がり。拘引の為牢屋に訪れたのは千里の騎士ではなく、守護騎士の鎧を纏った別の男であった。相手の手首に再び拘束をかけて牢屋を出る。向かった先は意外にも礼拝堂だった。そこで待ち構えていたのは、かの千里の騎士と元老院の代表者、そして垂れ幕の向こうに人影のみ伺うことが出来る謎の人物。元老院の老人はゆっくりと口を開き )

雷火の騎士アレクサンドラ。お前には己の未来を二者択一する権利が与えられた。一つ、今この場で死を以て大罪を贖う。二つ、監視役と共に第二のマリア奪還を遂行する。尚、これに失敗し敗走した時、お前の意思に関係なく雷電の秘奥を剥奪する。

( 皺くちゃの口許は灰色の鬚に隠されており、しゃがれていてもよく通る声で相手に残された二つの道標が告げられる。直接的な死の道を選ぶか、死する可能性の大いにある道を選ぶか、だ。マリア奪回に従事する振りをして逃亡する事も叶わぬ、そんな絡繰りが既に完全構築されていると容易に推測できる断定的な言葉。マリア奪回に失敗しながらもまだ生き永らえていたとして、秘奥を剥奪されれば生きていく事は出来ないだろう。三つの要塞都市全てに指名手配が敷かれるため帰還する事は出来ず、秘奥も使えぬ只の女を迎え入れるナハトの一団も存在しない。となれば道端で瘴気に呑まれるか、手慰みに名も無き魔に引き裂かれるのが成れの果てだろう )

__選びたまえ。


【選択:
  ∟①死刑宣告を受け入れる
  ∟②マリア奪還へ従事する】

  • No.78 by 賢者アークエット  2019-07-24 17:10:32 



【 灼熱の騎士クライヴ / 黒鉄騎士団第三拠点 】

>オズワルド(>75

てめぇは相ッ変わらずのモヤシ野郎だなァオズワルド!

( まさに感慨無量、それを隠そうとしない表情や声音に、此方も様々な思いが胸に去来する。ゴツゴツとした拳を掲げては相手に向けてそれを突き出す、それはかつての日々に何度も交わした合言葉代わりの挨拶。拳と拳がぶつかったならば腕を引っ込め、相手に向き直るように胡坐をかき直し )

まさか数年越しの再会がこんな形になるなんてなぁ。何だってあんな所で野垂れてたんだ?

( 今までの相手の来歴も気になるが、それよりも何が原因でああして死の淵に寝そべっていたのかが最大の疑問。ストレートにそれを投げつつ、じぃと瞳を見つめる。電磁のハニーや堅牢の騎士の血で汚れた衣服は取り替えられ、変色した腕にも申し訳程度の包帯が巻かれていることに気付くだろうか )


  • No.79 by 雷火の騎士アレクサンドラ  2019-07-24 19:21:18 




【 雷火の騎士アレクサンドラ / 第二要塞都市ソルブランカ- 牢屋 - → - 礼拝堂 - 】

> 千里の騎士ガウェイン、元老院代表者 ( >77 )

あら、残念。ではお気をつけて、さようなら騎士様

( 拒絶するように言い放たれる言葉。あわよくば、とは考えていたがとりつく島も無く完全に秘匿されてしまえば、それ以上今の自分が打てる手は無い。持ち上げた肩を態とらしく大きく落とし、もう生きて会うことは無いであろうその背を見送り。再び静寂が訪れた牢獄にて、遠慮無く病衣から男物の麻の上着とズボンに着替える。審判の下るその時、最後の抵抗を可能とする為。僅かでも体力を回復させるべく、毛布にくるまり一人、夜を明かし )

( 翌日。再びの来訪。その時が来たのだと大人しく拘束され、守護騎士の後ろを歩く。進むにつれ、礼拝堂に向かっているのだと気付いた。だが目の前の騎士に疑問を投げた所で答えは返ってこないだろうと、そのまま神聖な場へ足を踏み入れ中へ。遠目でしか見た事の無い元老院の姿、この場に居ると言う事は相手は地位の高い存在だったのだと今にして気付いた、千里の騎士、そして垂れ幕の奥から感じる存在感を放つ何者かの視線。やがて告げられた自分の判決 )

……寛大なお心に感謝致します。私雷火の騎士アレクサンドラは、マリア様の奪還に尽力し、必ずや生きて、この地にお連れする事をこの場にて誓わせて頂きますわ

( 正直、まだ希望があるのは意外だった。猫の手も借りたいような状況なのだろうか。目の前に提示された二つの選択肢。母に会えず永久の別れなんてまっぴら御免だ。故に後者を選ぶしか無い。秘奥の剥奪、そんな事が可能なのかと今知った。さらに無力な人間と成り果てたその先は、絶望しか無い。失敗は許されない状況。監視の目があるならば、戦場での情報収集は不可能。だが、まだ芽はある。暗く澱んだ瞳に闘志を燃やし、ジャラリと手枷の音を響かせ。その場にて片膝を立て、頭を垂れ誓いの言葉を紡ぐ。前回、チャクラムを扱うナハトには自決を許してしまったが、今度は逃がさない。情報を吐かせるのは彼等に任せよう。自分は敵を殺さず生かし、一人でも生け捕りにしてみせる。空っぽのあの牢獄を敵で満たし、溢れ返らせてでも、母を知る者が現れるその日まで。母の元にいつか帰る為に、戦い続ける。新たな決意を胸に、命令に従う意を示し )

選択:
  ∟②マリア奪還へ従事する 】



  • No.80 by 柳緑の騎士オズワルド  2019-07-24 20:05:26 



【 柳緑の騎士オズワルド / 黒鉄騎士団第三拠点 】

>クライヴ(>78)

んだってェ?色男の間違いだろォがよお!

( わははと大口を開けて笑って相手にやや大きさの劣る右の拳を伸ばしてごつんとぶつけると、本当に在りし日に戻ったようで。相手が向き直るのに合わせてこちらも投げ出しっぱなしだった両足を組むも、寒さが残っているのか毛皮は引っ掛けたままに。一度視線を外したために気付いたのだろう、血と泥塗れではない清潔な衣服を摘んで軽く引く )

何でって、そりゃあ…、っそうだ、のんびりしてる場合じゃねんだ、マリア様が__

( 問いかけに今までの経緯を思い返す。ナハトの少女、巨大な魔、セドリック、マリア。はっとして、強い意志を宿した目で焦ったように立ち上がろうと膝を立て、……ぐぎゅるるるる。腹の虫の声が盛大にログハウスに響いた。緊迫感が一気に霧散する、ただただ格好がつかなかった。立つのか座るのか、どっちつかずな体勢のまま固まって自身の腹を見て )

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