賢者アークエット 2019-07-16 19:33:40 |
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【 柳緑の騎士オズワルド / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】
うげえ、バレてら……はあ。こーさんこーさん、マリア様があんまり恋しかったもんでな、つい手がでちまっただけよ。
( 隠密作戦の要である雷火の騎士と魔の会話には当然耳を傾けており、その中に自分の存在が登場すると引き攣った笑みを浮かべる。両手を上げ、敵意はないことを示すように、しゅるしゅるとその根を足裏へ退却させようとした所で無惨にも引き裂かれたそれ。目的は地面を割ることで根の分断など副産物だと言われた方がまだ納得できる威力に一周して乾いた笑い声を漏らす。実力差は勿論だが、その相性の悪さといったらない。マリアの奪還に諦めの影が差したところで、呼びかける声に向き直った。悲痛な声。事情を知らぬとも、周囲の忌避と謗りを買ってでも果たしたい目的があることくらいは分かる。物言わず切り掛からなかったのは彼女も騎士の端くれということか。ならば、自分も礼を尽くさなくては。 )
…はあぁ、とんだ厄日だ。ここで頑張ったって一銭にもならねぇどころか、マリア様誘拐の件で良くて減給か、悪けりゃ謹慎、最悪刑罰!割に合わん、本当に、はは、割に合わん仕事だ。
( 目の端に、勇猛果敢に強大な敵に挑む騎士が映る。誰が見ても無謀だと判断するその行為に、浅慮に過ぎると冷静に批難する一方で、励まされている自分がいた。両足を強く踏みしめて、彼女が距離を詰める間に草木も生えぬ不毛の地を秘奥で耕していく。満たしていく。明日は大人しくベッドの上の置物になろう。今日がなければ明日は来ないのだから。忘れない内に、様子を伺って警戒態勢を取っているだろう守護騎士たちへ、下がっていろとハンドサインを送っておいた。彼女が自分の元に辿り着く前に当然、地面が隆起し茶色く太い幹が3本連なって出現する。同時に彼女の背後で細めのものが無数に吹き出した。目前のそれらが凄惨な傷跡を残しながら黒く焦がされるのを見届けながらその威力に竦み上がるも、秘奥を操る手は止めずに、背後から彼女の四肢、胴体、頭、あらゆる部分を絡めとるために猛スピードで向かわせて )
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