夜が明けるその前に (〆.)

夜が明けるその前に (〆.)

吸血鬼  2021-03-16 10:45:12 
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夜の闇に紛れて人の生き血を啜る“ヴァンパイア”と、夜の安寧を守るべく彼等を狩る特務機関の一員“ヴァンパイアハンター”。

決して相容れる事のない2人が出逢い、惹かれ合う。


〆.

 

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  • No.63 by Theodore Glory  2021-03-22 18:20:14 


すまない、起こしたか・・・?

(隣から少し寝ぼけたような声とコートの擦れた音が聞こえ、顔を相手に向ける。どこかぼうっとした視線にまだ眠気が覚めていないのだろうかと考え、心地のいい眠りを妨げてしまったことを謝罪する。自分に視線が向き、それが頬にある絆創膏に動いたかと思えば指でそこを撫でられ一瞬息が詰まった。絆創膏越しであっても傷を触られればピリッとした痛みが走っていたのだが、それよりも優しげな、でも何かを求めて傷を触ろうとするタッチに驚いてしまっていた。指が離れ労りの言葉をかけられるがこれは自分の慢心であり、自業自得なのだと伝え。また、いつ昨日のことを謝ろうかタイミングを伺いつつ、今しかないのではと考え顔を俯かせながら昨日逃げるように帰ってしまったことを謝罪し)

良いんだ。これは隠れてた吸血鬼を見逃した自分の責任だし・・・問題はないんだ。
それで、その・・・クラウス、昨日はごめん・・・。

  • No.64 by Claus Burton  2021-03-22 19:08:58 



…吸血鬼の前で血を流すと暴走する奴も居る。ハンターでも喰われる事があるから、テオも気を付けて。

(自然に目が覚めたのだと相手の言葉には首を振りつつ、此方に視線を向ける相手を見つめて。怪我を負わずに吸血鬼を狩るのは至難の業だろうが、理性の制御が効かない若い個体などは特に血の匂いに暴走して襲いかかって来る可能性が高い。怪我を負ったハンターが被害に遭うケースも拠点内では多々報告されている筈で。自分の注意不足だと言う相手に、分かっているだろうとは思いながらも注意を促したのは、彼の身を案じての事。それと同時に、其処等にのさばっている吸血鬼に彼が喰われるのは嫌だという、独占欲にも似た感情も僅かにあっただろうか。顔を俯かせ、申し訳なさそうな謝罪を受けると彼を見つめて数回瞬きをする。忙しなく帰った事を気にしているのだろうが、不快な言葉を突き付けられた訳でもない。気分を害するような事は無かったと少し笑うと、少し前に彼がしたように、何処かしおらしい相手の髪をくしゃりと撫ぜて。)

──気にしなくて良いのに。君が謝る事は何も無いよ、気分も害してない。

  • No.65 by Theodore Glory  2021-03-22 19:55:13 



(自分を慰めてくれる言葉と優しい手つきにじんわりと胸が暖かくなる。普段なら同性の男に頭を撫でられれば子ども扱いされていると不快な気分になっていただろうが、相手に撫でられると嬉しい気持ちが溢れもっと撫でて欲しいとも思えてきた。すると視界が歪み、鼻の頭がツンッと痛み始め、泣きそうになっているのか、俺が?と困惑する。実は心の奥であんな行動を取ってしまい嫌われていないか、不快になっていないかと不安になっていたのだが、本人はそのことに気づいていない。相手から嫌われていないことを受け取れば僅かに震えた声で安心したことを伝え)

・・・そっ、か・・・それなら、良かった・・・。

(泣きそうになっていることを悟られないよう注意しながら、数回瞬きをして視界を元に戻し、カクテルを1口飲んで喉を潤わせる。自分の中に隠していた固い何かを溶かされていくような気持ちを感じ、また自分の中でなにか小さい暖かな何が芽を出したような気持ちにもなっていた。それを隠すように話題を怪我を負ったことに対することに変えようと、まだ自分が今よりも荒れていた時のことを思い出して。婚約者を殺されてまもなく自分の身も顧みず吸血鬼を狩っていれば当然危険にも晒されていたため、当時教官とも呼べる先輩ハンターに危険なことに巻き込まれる度殴られ、蹴られ、投げ飛ばされ吸血鬼に負わされるよりも酷い怪我になったことを記憶から浮かばせる。その先輩ハンターは未だ前線で活躍していることをこの前聞いたことを思い出し、自分の身を心配してくれたことに感謝を伝えつつ、死んだ魚のような目で注意していることを話し)

ありがとう。・・・怪我の方は、まだ成り立ての頃に痛いほど味わってるから注意してる、ぞ・・・。

  • No.66 by Claus Burton  2021-03-22 21:11:33 



…テオは辛い経験を幾つも乗り越えて、此処に居るんだね。

(彼が涙を堪えていた事には、熱を浮かべた今は気づく事はなかった。軽めのカクテルを、とマスターに頼めば程なくしてベリーニが差し出され、それを手元に引き寄せる。婚約者を失い大きな喪失感を絶望を抱えた相手は、時に辛い思いをしながらもハンターとして吸血鬼の前に立ち続けている訳で、その事に素直な尊敬の念を抱いた。一方で彼とこのBarで時間を共にするほどに、楽しく心穏やかな時間と引き換えに、自分自身は破滅へと向かっている気がしてしまうのは、気の所為では無いはずで。吸血鬼として長く生きていくには、人間との接触を極力減らすことが重要だとは分かっていた。人間に思い入れを持ち過ぎるべきではない事も。分かった上でこの逢瀬を続けているのだから、この短期間で随分と脇が甘くなった様だと思いながらカクテルをひと口口に含んで。自分が吸血鬼だと知ったら、彼はどんな反応を見せるのだろうか。満月が近い夜、酒を煽っても消えない渇きを喉元に感じたまま、ぼんやりと考えて。)

  • No.67 by Theodore Glory  2021-03-22 21:53:11 


そうでも無い。仇を取るためにここまで来てるようなものだから・・・自分で逃げ道を塞いでるだけなんだ。

(自分をどこか絵物語の勇者のように言うが、それは違うと首を振る。そんな我慢強い訳でも努力家でも無く、ただただ復讐のために他の道を捨て自分には茨道しか残さないようにしてきただけだった。どこかで心が折れても逃げられないよう、"婚約者を殺した吸血鬼を殺す"という目標だけを持ち過去の自分の全てを犠牲にしていた。それを説明していればしんみりしてしまった・・・と少し申し訳なくなり、どうにか重い空気を物色しようと考えながらカクテルを飲む。しかし2日連続の激務で思いのほか疲労感が溜まり思考はまとまらずどうしようかと相手の顔を見れば、ぼんやりとした様子でいて、さっきも眠っていたし彼も疲れが溜まっているのだろうと判断すればお互い早めに切り上げよう、と声をかけ)

クラウスも疲れてるみたいだし、今日はここで切り上げるか?歩くのが辛いなら近くまで送るぞ。

  • No.68 by Claus Burton  2021-03-22 22:50:03 



(愛しい人を殺した吸血鬼の対する憎悪だけが彼の原動力になっているのだと、その言葉を聞いて改めて実感する。こうして隣り合って毎晩飲んでいる自分達は、決してお互いに手を取り合えない対極の立場に居る事を思い知らされるようで、ついそんな暗い現実に思考を奪われてしまい。相手に声を掛けられた事で再び我に帰ると、相手の提案には同意を示して頷いた。疲れも溜まっているし酒も少し飲み過ぎた、今日は早めに休むのが得策だろう。普段はどちらかが先に店を後にして別れる所だが、偶には2人で帰るのも良いだろう。マスターに会計を頼み帰り支度を始めながら、酔い覚ましも兼ねて少し歩きたい気分でもあり。)

──そうだね、途中まで一緒に帰ろうか。

  • No.69 by Theodore Glory  2021-03-23 00:39:36 



(自分の提案に同意して貰えたことを確認すると「あぁ」と頷き会計をして身支度を整える。相手の行動をみながら、ふらつきや体のどこかを庇っている様子がないことを確認すると肩を貸して歩く程ではないな、と安心する。酔っ払っている様子はなかったが、どこかを庇っているようだったら支えながら歩こうと考えていたので良かったと思う。相手の足取りは思いのほかしっかりしていて、二人一緒にBarから出れば暗い裏路地を抜けるとネオンが輝く大通りに出る。夜も遅い時間になっていたが騒ぐ人は多く、吸血鬼の恐怖などは少しも感じさせずに楽しそうに過ごしているこの時間を守っているのだと思えばなんだか嬉しく思うが、そんな輝きの中にも人の欲望が見え隠れし、人は欲深いなと考えてしまう。)

・・・月の光が強いな・・・もうすぐ満月か・・・。

(ふと足元を照らす月の光が強いことに気が付き、上を見上げれば満月になりきらない月が光り輝いている。吸血鬼が満月の夜には活発になることを思い出し、昨日今日の激しい動きはそれか、と判断するとそれを口に出す。しかし、月が輝く美しさに目を奪われているのも事実で、少し見惚れながら相手にもうすぐ満月であることを伝えて)

  • No.70 by Claus Burton  2021-03-23 10:52:50 



(アルコールの熱は体内に留まったままだったが、もともと酒に強い事もあり足元が覚束なくなる事は無かった。相手と共に歩いた路地裏、少し冷えた夜の空気は上質なコートを着ていても肌に多少の寒さを感じさせるもの。やがて賑やかな通りへと出ると、その明るさにほんの少し目を細めて。暗く静かな場所で、目撃者もなく行われる吸血鬼の狩りへの恐怖から逃れつつ夜を楽しめるようにと作り上げられた明るい夜の町。ネオンに彩られたこの場所は安全だと信じきっているのだろう、吸血鬼の脅威などなかったかのように恐怖とは無縁の楽しそうな姿を眺めつつ相手と並んで歩いて。)

…そうだね、雲が無いから一層綺麗に見える。

(相手の言葉に促される様に空を見上げると、煌々と輝く大きな月。その眩しさに僅かに目を細めつつ、満月が近い事を感じて頷きながら。明るい月を瞳に映していると喉の渇きが酷くなり心拍数が上がる様な気がする、この妙な高揚感に突き動かされてしまうのが満月の夜なのだろう。血で身体を満たしたい、この渇きを癒したいという欲が身体の中に渦巻く様で、少しして月から目を逸らして。
賑やかな大通りを過ぎた頃、突然咽せ返るような血の匂いがした。近くに吸血鬼がいる、と察したのと同時にこの時ばかりは彼が隣に居ることを悔やんだ。1人で有れば足を止める事もなかっただろう。彼と共に討伐に立ち会っても自分が同族だと気付かれる可能性もある、それを彼の前で指摘されでもしたら。その上濃い血の匂いは今はあまり嗅ぎたくない。近くに吸血鬼が潜んでいる事に気付いて居るだろうかと、相手に一瞬視線を向けて。)

  • No.71 by Theodore Glory  2021-03-23 18:22:51 



(あの月の欠け方から明日ぐらいが満月だろうと推測し、激務が3日連続になることを頭の中で考える。それでも相手と夜に会えることを思えばその気力も湧いてきてなんてことも無いだろうとも思えてきた。相手と歩く今の楽しい気分を悟られないよう歩いていれば一瞬視線を感じたあと鼻につく、生臭い血の匂いがふわりと漂ってきた。なるほど今の視線はこの事か、と察すればそう遠くはない場所で行われているだろう行為に向かおうとポケットに入っている愛銃をさりげなく確認する。そこで、疲労が溜まっている相手に向かわせる訳には行かないだろうと判断すれば顔を相手へと向け、態とらしく眉を下げて申し訳なさそうな表情を向けるとこの場から離れる言い訳を口にして)

すまない、忘れ物をした。取りに帰るから、名残惜しいがここでお別れだな。

(勿論、忘れ物はしていない。相手と分けれるのは本当に名残惜しいが討伐しない訳には行かないだろうと考え、このまま匂いのする方へ向かえば気配も感じ取れるだろうと、ま先は違う方向へと向けて何時でも歩き出せるようにしておく。また忘れ物を理由にしておけば相手もすんなり帰宅できるだろうと考えた上で伝え)

  • No.72 by Claus Burton  2021-03-23 19:23:31 



(相手も吸血鬼の存在に気が付いたのであろう事は直ぐに分かった。自分が相手に視線を向けた事にも気付かれたのだろう、“忘れ物”をしたという相手の言葉を聞き自分を気遣ってくれているのだろうと思いつつ。本来、本当に自分がハンターであったのなら、此処で別れて相手を一人にする事はせずに一緒にいくべきだという事はわかる。任務に追われて疲れいる相手を1人で行かせるよりも、複数で行った方が圧倒的に危険度を下げる事が出来るはずで。しかしその思考以上に、今まさに吸血を行なっているヴァンパイアの元に足を向ける事を避けたいという気持ちが強く、相手の言葉を素直に受け入れる事にして。)

──分かった、気を付けて。…それじゃあ、また。

(せめて気をつけて、とだけ言葉を掛けて相手と別れると、明るい月明かりの下を歩いて家へと戻って。また明日、と言わなかったのは、満月を迎える翌晩にいつもの様にBarに向かえる自信が無かったから。そのままカーテンを閉めて月の光を遮断し布団に潜り込むと、相手は大丈夫だっただろうかとぼんやりと考えつつ眠りに落ちて。)


  • No.73 by Theodore Glory  2021-03-23 19:55:48 



あぁ、またな。おやすみ。

(想像通り素直に別れられたことに少し驚きつつ、それだけ疲れているのだろうと別れの挨拶をして後ろ姿に軽く手を振る。相手に背を向けて歩き出すと、せっかくの時間を遮られたことに深く苛立ちげにため息を零しポケットから愛銃を取りだし利き手に持つと反対の手で弾丸を確認し安全装置を外しておく。最初は血の匂いをたどって行ったが次第に吸血鬼の気配を感じ取るとより暗い裏路地へと入っていく。しばらく歩くと品のない液体を啜る音が聞こえてきて、腕がだらりと下がった人影とそれを抱きしめるような体勢で首筋に顔を埋める人影を確認する。)

こんばんは、今夜は月が綺麗だな。

(にこ、と憎悪を隠した作った笑みでそう声をかけると吸血鬼は口の端から血を零しながら自分を見た。あぁ、本当にイライラする。過酷な任務後に追加で吸血鬼を討伐しなければならないこと、相手との楽しい時間を邪魔されたこと、そして吸血されていた被害者の女性の髪が赤毛であったこと、その全てに苛立ち、被害者である吸血鬼に憎悪を向けると銃口を合わせ発砲する。パァンッと乾いた発砲音がその場に響いた。
翌日、拠点に赴くと任務外で討伐した吸血鬼のことを報告する。報告が終わり簡単な事務連絡を聞くと今夜は満月なので普段よりも気をつけるようにと注意を受けるも頭の中では昨日の被害者が婚約者と同じ赤毛であったことを思い出して激情に駆られてしまっていたことを少し反省していた。職員からの注意に適当に相槌をうって流せば家に帰り、日中は体力の温存のために睡眠を取ったり銃の手入れをしていると昨日、無事相手も帰れただろうかと考えることもあって。夕方、東側エリアに行くため身支度を整え街へ出る。街の灯りが灯る頃該当のエリアにつけば物陰で吸血鬼たちが活動し始めるのが見えて走り出し、任務を開始して)

  • No.74 by Claus Burton  2021-03-23 21:22:05 



(日中も動く気が起きずにベッドに潜り込んだまま、微睡んでは目を覚ましてという事を何度も繰り返しているうちに日が沈み。やがて月が空に輝き始めた頃には昨晩から感じていた渇きは抗いようのない強いものになっていて。漸く起き出して煙草を一本吸うと、少ししてコートを羽織り外へ出る。夜にも関わらず地面に影が落ちるほどの明るい月、今夜は他の吸血鬼達も本能のままに狩りを行い、ハンターも殺気だって居る事だろう。
そんな事を思いながらも渇きを満たすべく足を伸ばしたのは、Barのある中央ではなく東側のエリア。早く血を口にしたくて堪らず、店の女性だろうか、声を掛けてきた女性に微笑みかけその腰へと腕を回すと思わせぶりな言葉を並べて自然な動作で路地裏へと誘う。そのまま暗がりで耳元に口付けを落とすと、次の瞬間には首筋に顔を埋めるようにして鋭い牙を突き立てて。)


  • No.75 by Theodore Glory  2021-03-23 22:04:40 



(どれほど時間が経ったであろうか。血の匂いに誘われ、人の叫び声に誘導され、吸血鬼の気配を追いかけ休む間もなく走り回る。吸血され失血死し倒れている遺体を何体も見かけたが、せめて祈りをと思うまもなく顔をゆがめて捨ててていくことしか出来ていない。吸血鬼のまだ若い個体なら理性を放棄しこちらにも血を求めて向かってくるため軌道が読みやすく、討伐もしやすいが長年生きていたり理性がまだ残っている個体は手や足を使って攻撃をしてくることがあったりし時間がかかってしまった。先程討伐した個体は自分にのしかかり吸血しようとしたたため下から発砲したが、流れ出た血が頭やコートにかかってしまい不快な思いをしている。ぐい、と顔にかかった吸血鬼の血をコートの袖で拭っていれば攻撃を受けた腕が痛み「っとに・・・くそっ・・・」と悪態をつく。また路地裏を歩いていれば吸血鬼が女性を吸血している場面に出くわし銃口を向ける。月の光もあまり届かなく相手の姿はぼんやりとしか見えないが、スレンダーな男だと輪郭から判断し紅く光る目を睨みつけながら声をかけ)

おい、いい加減にしろよ。何人目だ?

  • No.76 by Claus Burton  2021-03-23 22:39:50 



──…

(既に事切れた女性の首筋に噛み付いて血を啜って居れば不意に聞こえた声と此方に銃を向ける音。聞き慣れた、それでいて普段とは違い苛立ちを露わにした低い声に顔を上げると月の光に照らされた彼の姿があった。紅く染まった眸で、月を背負ったその姿をじっと見つめる。まさか此処で遭遇するとは思わなかったものの、此方は暗がりになっていて相手からは自分の姿までは見えていない筈。なによりも恐れていた事の筈なのに、声さえ上げなければ自分だと気付かれる事はないだろうと妙に冷静な自分がいて、血の滴る口元を手で拭うと徐に女性を抱き支えていた手を離して。満月の晩であっても理性を失ってはおらず、反撃をするよりも自分だと気付かれる事なくこの場を離れる方が得策だと考えた結果のこと。支えを失ったその身体は地面に崩れ、彼がそれに気を取られた一瞬を突き、素早く路地の奥の暗がりへと身を溶け込ませるとその場を離れて。しかし渇きはまだ満たされてはいない。この姿ではコートを着ていても意味を成さないため、別の場所で早々に獲物を捕まえようと暗い路地裏を歩きながら西へと足を進めて。)

  • No.77 by Theodore Glory  2021-03-23 23:48:49 



あっ、てめぇ・・・っ、くそ!

(どうやら睨みつけている相手は理性が保たれているようでこちらに向かってくる気配はないが、警戒は崩さず上か、真正面からか、攻撃を仕掛けてくるであろう方向にも気を配る。だが聞こえてきたのは重い物が落ちる、ドサッという音。その物音が吸血鬼が女性を抱き支えていた手を離し地面に女性が倒れ伏した音だと認識すると一瞬そちらに気を取られてしまい、視線がそちらに向かったのをいい事に吸血鬼は身を翻し闇の中へ消えてしまった。追いかけようにも細い路地裏と行く手を遮るように倒れ伏した遺体に遅れをとって気配を見失ってしまった。消えたその姿と気配に苛立ちの言葉をぶつけると、恐怖に染まった表情のまま事切れている被害者のそばにしゃがみ、目をそっと閉じてやる。任務をしていく中で助けられる命もあるにはあるが、こうして間に合わず命を奪われてしまうことが多いこの仕事にやり切れない思いも感じていた。
それからも暗い夜道を走り回り吸血鬼を討伐していれば日が跨いで少し時間が経ち、他のハンターと交代の時間がやってきた。特務機関に所属している医師に怪我の治療をしてもらい、コートを交換し、他の数名のハンターと共に車に乗って中央エリアへと帰還する。車内は無言で誰も疲労が滲んでおり、怪我もそう少なくはなかった。中央エリアにつき、適度な場所で降りるとゆっくりとした足取りでBarへと向かう道すがら、彼は今夜もBarに居るのだろうかと期待して)

  • No.78 by Claus Burton  2021-03-24 00:54:25 


──っ、!

(西側エリアでも先程と同じ手法で若い女性を路地裏に誘い込み、渇きを癒すべく血を啜って。ようやく激しい吸血衝動が落ち着いた頃、不意に聞こえた足音と共に、此方が反応するよりも早く響いた銃声。その銃弾が肩を掠め肉を抉る痛みに声を上げて顔を上げれば、相手よりも年配のハンターの姿があり。普段であればここまで吸血中にハンターに遭遇する事はないのだが、吸血鬼の習性に合わせて満月の夜には特別な態勢が敷かれているのだろうか、いつもより階級の高いハンターも任務に出ている様子でもある。幸いにもこの路地裏も、自分の姿は暗がりになって見えていない筈。続けざまに追ってくる発砲音を背後に聞きながら、再び闇に紛れるようにしてその場を後にすると、そのまま人目を避けて家へと戻り。
身体に纏わりついた血の匂いを落とすべくシャワーを浴び終え、時計を見れば普段であればBarを出る時間帯。相手は今日も店に来ただろうかと考えつつ、先程向けられた憎悪の滲んだ瞳を思い出す。あの時月が自分の姿を照らしていたら、彼はどんな反応をしたのだろうか。思ったよりも肩を抉った傷が深く自分で処置を施すと、その日は店に顔を出す事はなく翌日を迎えて。衝動も嘘の様に落ち着いて居て、夜になり汚れを落としたコートを羽織りBarへと向かうと2日ぶりにカウンターへと腰を下ろして。)

  • No.79 by Theodore Glory  2021-03-24 06:30:54 


(その日、相手はBarには訪れなかった。遠方で任務に当たっているのか、怪我を負って来られないのか、はたまた気分では無いのか・・・。閉店間際までカウンターの椅子に座り弱めのカクテルを飲んで時間を過ごしてはいたが、最終的にはマスターに帰宅を促されチップを多めに払ってBarを後にした。家に帰ってから考えるのはBarに現れなかった相手のことで、相手にも事情があるだろうに一日に会えなかっただけで寂しさを感じながらシャワーを浴びる。明日は会えるだろうかという淡い期待を持ちながら布団に入って眠りについた。
次の日、目覚めてから拠点へ赴き昨夜討伐した吸血鬼らについて報告をする。満月の日は被害者の数が多いため聖堂に寝かされているが、その中に若いハンターの遺体もあることを目に入れると、せめて来世ではこんな目に遭わないよう祈りを捧げて拠点を出た。満月の次の日は吸血鬼たちも衝動が抑えられ被害の数は少ないため簡単に見回ってからBarに行く。ドアを開けるとカウンターに相手の姿を見つけ、無事な姿にほっと微笑むと声をかけてから隣に座って)

こんばんは、クラウス。昨日はお疲れ様。

  • No.80 by Claus Burton  2021-03-24 17:37:42 



──テオ、お疲れさま。

(一杯目のカクテルを半分ほど飲んだ頃、ドアベルの音が響き入口に目を向ける。扉を開けて店に入ってきた相手が、此方に優しい微笑みを向けた事に安堵している自分が居た。昨晩路地裏で彼と対峙したあの時、彼から自分の姿は見えていなかった筈なのに、もしかしたら今夜もまた憎悪の滲んだ眸を向けられるかもしれないという思いが何処かにあった。僅かな安堵を胸に、此方に歩み寄ってきた相手に声を掛けると微笑み返して。右手にはいつものように煙草を持っていたものの、怪我を負った肩の痛みのせいで腕を動かすのは普段よりも億劫で。立て続けに任務を遂行していた相手も怪我は無かっただろうか、満月だったことを考えると暴走してハンターを喰らおうと襲いかかってきた個体も居たかもしれない。隣に腰を下ろした相手と目を合わせると首を傾げつつ尋ねて。)

…昨日は大変だったね、怪我はない?

  • No.81 by Theodore Glory  2021-03-24 19:11:45 



骨折とか酷い怪我はないが・・・走りっぱなりで足が痛かったり、腕が痛いのは少しあるかな・・・。

(相手の言葉に1つ頷くと自分の怪我の度合いを伝える。包帯を巻くようなものはなく、頭をぶつけたり噛みつかれたり等もなかったが攻撃を受けたり銃を乱射した腕は重く、足も筋肉痛のように痛み、歩くだけでも疲れてしまう・・・とため息を零して。銃を扱って数年だが未だ発射の反動に身体が慣れないことがあり、手首を軽く回して痛みがないことを確認すると今日は甘いカクテルを飲みたくなってスクリュードライバーと軽食を頼み。そこで相手は怪我は大丈夫なのだろうかと問いかけ)

クラウスは怪我、ないのか?

  • No.82 by Claus Burton  2021-03-24 20:17:53 


この所忙しそうだったからね、暫くはゆっくり出来ると良いけど…

(連日任務に追われ忙しそうにしていた相手を思えば、銃を扱う腕や脚に疲労が溜まって当然だろうと頷いて、暫くはゆっくり身体を休められれば良いと。彼らの任務を増やしているのは自分たちの行動によるものなのだから、彼の身を案じるのも可笑しな話ではあったが、怪我が無いと聞き安堵している自分も居た。自分の怪我を聞かれると、どう答えるか一瞬思案したものの少し困った様に笑って。)

──肩を、少し。反撃された時に爪で抉られただけだから、それ程酷い怪我じゃないよ。

(傷痕を見られる様なことがあれば、それが吸血鬼の爪によるものではなく銃創だという事は拳銃を扱う相手には直ぐに気付かれてしまうだろう。しかし既に包帯を巻いて処置を終えているため、吸血鬼に反撃された時に負った怪我だと言うことにしておこう。ハンターに怪我を負わされたのは久しぶりの事、気が緩んでいるのかもしれないと思いつつ、煙を吐き出して。)

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