吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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(自分を慰めてくれる言葉と優しい手つきにじんわりと胸が暖かくなる。普段なら同性の男に頭を撫でられれば子ども扱いされていると不快な気分になっていただろうが、相手に撫でられると嬉しい気持ちが溢れもっと撫でて欲しいとも思えてきた。すると視界が歪み、鼻の頭がツンッと痛み始め、泣きそうになっているのか、俺が?と困惑する。実は心の奥であんな行動を取ってしまい嫌われていないか、不快になっていないかと不安になっていたのだが、本人はそのことに気づいていない。相手から嫌われていないことを受け取れば僅かに震えた声で安心したことを伝え)
・・・そっ、か・・・それなら、良かった・・・。
(泣きそうになっていることを悟られないよう注意しながら、数回瞬きをして視界を元に戻し、カクテルを1口飲んで喉を潤わせる。自分の中に隠していた固い何かを溶かされていくような気持ちを感じ、また自分の中でなにか小さい暖かな何が芽を出したような気持ちにもなっていた。それを隠すように話題を怪我を負ったことに対することに変えようと、まだ自分が今よりも荒れていた時のことを思い出して。婚約者を殺されてまもなく自分の身も顧みず吸血鬼を狩っていれば当然危険にも晒されていたため、当時教官とも呼べる先輩ハンターに危険なことに巻き込まれる度殴られ、蹴られ、投げ飛ばされ吸血鬼に負わされるよりも酷い怪我になったことを記憶から浮かばせる。その先輩ハンターは未だ前線で活躍していることをこの前聞いたことを思い出し、自分の身を心配してくれたことに感謝を伝えつつ、死んだ魚のような目で注意していることを話し)
ありがとう。・・・怪我の方は、まだ成り立ての頃に痛いほど味わってるから注意してる、ぞ・・・。
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