吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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(相手も吸血鬼の存在に気が付いたのであろう事は直ぐに分かった。自分が相手に視線を向けた事にも気付かれたのだろう、“忘れ物”をしたという相手の言葉を聞き自分を気遣ってくれているのだろうと思いつつ。本来、本当に自分がハンターであったのなら、此処で別れて相手を一人にする事はせずに一緒にいくべきだという事はわかる。任務に追われて疲れいる相手を1人で行かせるよりも、複数で行った方が圧倒的に危険度を下げる事が出来るはずで。しかしその思考以上に、今まさに吸血を行なっているヴァンパイアの元に足を向ける事を避けたいという気持ちが強く、相手の言葉を素直に受け入れる事にして。)
──分かった、気を付けて。…それじゃあ、また。
(せめて気をつけて、とだけ言葉を掛けて相手と別れると、明るい月明かりの下を歩いて家へと戻って。また明日、と言わなかったのは、満月を迎える翌晩にいつもの様にBarに向かえる自信が無かったから。そのままカーテンを閉めて月の光を遮断し布団に潜り込むと、相手は大丈夫だっただろうかとぼんやりと考えつつ眠りに落ちて。)
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