夜が明けるその前に　（〆.）

(安静期間のうちは家で怪我の治療の仕方についての本を読んでいた。そう重い怪我の仕方は実践を交えてないと難しいものもあったがすぐにでも使えそうな治療方法は覚えることが出来た。こんなにも1日自由に過ごすのは久々で好きなものを食べたり外に出かけたり、とても楽しく過ごすことができ、リフレッシュすることが出来た。
安静期間が終わると昼前から拠点へ行き怪我の具合を見られ、まぁ良いだろうと許可が下りてから任務を確認する。といっても最初はパトロールや簡単な討伐任務だけ回されるようで睨んでくる職員の目が痛い･･･それをわざと無視しつつ、コートを受け取り着直せば、スイッチが入ったような気分になった。夕方は任務通りパトロールに出かけ、路地裏を確認する。暴走する吸血鬼の事件は減ってきたが気は抜けず視線を鋭くさせて辺りを見回していると、荒い呼吸で地面に座り込んでいる人影を見つけジッと見つめ)

･･････クラウス？

(よく見るとハンターのコートに、輝くブロンドの髪。横顔からでも分かる端正な顔立ちに相手の名前を呼び急いで近づくと、相手のそばに膝をつき姿勢を低くすると肩を軽く叩いて名前を呼び、意識を確認して)

──テオ、…

（怪我をした脇腹を抑えたまま呼吸を整える事に意識を集中させ、目を伏せたまま路地裏に座り込んでどれくらい経っただろうか。意識ははっきりしていたものの時間が経つに連れて痛みが強くなり動けずにいて、相手はもうBarで待っているかもしれないとぼんやり考えて。不意にその相手の声が降ってきて、目を開く。目の前には膝を突いた相手の姿、頭に浮かべていた彼の姿が目の前にあるため、一瞬出血のせいで幻覚でも見ているのだろうかと思ったものの、肩を叩かれそれが現実の事だと理解すれば、相手の名前を呼んで。この状況で見つけてくれたのが彼とは、何と幸運なのだろうか。脇腹を抑える手にはぬるりとした気持ちの悪い感覚、情けのない姿に困ったような微笑を浮かべて。）

腹、怪我してるんだな。どうだろう･･･立てるか？立てないなら背負うが･･･。

(相手の手が腹部を押さえていることで相手はそこを怪我しているのだろうと推測する。血の匂いも強いので打ち身やかすり傷程度では無いのだろうと考えて、腹部を押える相手の手の上に自分の手を乗せて圧迫させる。もう片方の手で自分のコートのボタン外せば雑に脱げば1度押さえていた手を退かしコートを、傷口に当てればより強い力で圧迫し、止血しようとする。じわじわとコートに血が染みていく感覚に嫌な気分になりながら相手の顔を見、意識を飛ばさないよう問いかけて)


(ぐあぁああ！！すみませんすみません！昨日確か流れは"Barで会う日を約束したものの当日店に来ず、心配して街にでたテオがクラウスを見つけて介抱"ということでしたのにすっかり頭からすっぽ抜けていました･･･！折角考えて頂いたのに取り入れず申し訳ありませんんん！！

また返答の方もせずすみません･･･！打ったと思っていたのにやっておらず･･･本当にすみません･･･。(↓>142の返答です)
分かりました！今のところモブキャラはオークション会場で登場するかな、と考えておりますので、主様も動かしたいモブキャラがいましたらバンバン動かしちゃって下さい！)

──テオも怪我をしてるのに、…背中痛まない、？

（立ち上がるのも今は辛かったが、一昨日の相手の怪我を思い返せば背中を強く打っていたし相手も決して軽傷ではなかったため甘えるのも申し訳ない気がして。少し落ち着くまでもう少しここで身体をじっとさせていれば、家に帰る道のりを歩く事は出来るようになるだろう。脇腹を押さえていた手を外されると相手から傷口を圧迫される痛みに小さく呻き声を漏らしたものの、そのお陰で少しずつ出血量は少なくなっている様子。相手が来てくれた安堵感に、目の前にしゃがみ込む相手の肩口に額を押し付けるようにして相手にもたれ掛かると、ぽつりと言葉を溢して。）

……テオが来てくれて、すごく安心した。



（いえいえいえ、お気になさらず！！！！Barに行く前の道のりで見つけてくれたものと思っておりますので何も問題ありません！約束を取り付けただけでも2人にとっては大きな一歩だと思うので！
モブの件も了解です、随時ストーリーを良い感じにしてくれそうな立場の人がいれば動かしていきますね！）

俺はもう治ったし、痛くないから大丈夫だ。･･･少し我慢しろよ。

(俺の事より自分のことを心配しろよ。お前の方が重症だろ。自分ののことを心配してくれていることに少し嬉しさを感じつつ、己のことを後回しにする気安さに少し怒りが湧いてしまう。だがそれが彼の性分なのだろうと思えばぐっと堪えて、自分の傷はもう平気であると伝える。ある程度血が止まってきたことに安心してきたが、ここでずっと止血している訳にも行かず、ズボンからベルトを抜き取るとコートの上から体ごと一緒に括り、一声かけてからキュッと締め付けコートがずり落ちないようし。これで移動しやすくなって一息ついていれば、相手の体が自分にもたれかかって安心したことを伝えてきたので近くなった頭に頬を寄せ血が着いていない方の手でそっと頭を撫でて会えたことへの喜びを伝え)

俺も、一番最初に見つけられて良かった･･･。


(そうですか！？良かったです！今後気をつけますね！！
はい、よろしくお願いします！！)

…ごめん、ありがとう。

（自分は大丈夫だと告げる相手の言葉は少しぶっきらぼうなもので、そこに自分を心配する思いを感じて少し微笑むと素直に礼を述べて。背中に負ぶわれると動かされたことで痛みに眉を顰めたものの身体を固定されるとすぐに楽になり、相手の肩口に顔を埋めて。優しく髪を撫でられ、ほっと安心した気持ちになるのと同時に相手の香りを普段よりも濃く感じて、その首筋に噛み付きたい衝動も浮かび上がる。当然そんなことが出来るはずもなく、相手の体温とゆっくりと揺れる振動に多少眠気を誘われては目を伏せて。痛みは未だ強かったが、血は止まったようでシャツを湿らせる不快感は無くなっていて。）

どういたしまして。

(相手を背負い傷に触れないよう注意して、かつ足早に夜道を歩きながらお礼への返答をする。相手の呼吸で髪が揺れ、擽ったく感じるがそれで相手が生きていることも確認できているので我慢しながら帰っている。時々、ずり落ちそうになるのをなるべく振動を与えないよう背負い直せば自宅へとたどり着き、ベルトを外して相手をベッドへ寝かせると、眠たそうにしている雰囲気に気づき寝ても良いが･･･と一声かける。恐らく眠った方が痛みも緩和できて相手にとっても楽だろうと考え、救急箱を取りに行き、手当の準備をして戻ると眠りを誘うように優しく頭を撫でて。)

眠かったら寝ててもいいぞ。その代わり服はこっちで脱がすから裸見られても文句は言うなよ。

──…ふふ、何それ。

（程なくして相手の家に着きベッドに寝かされると、頭を撫でて眠りを促す相手に釣られるように微笑んで。裸を見られても文句を言うな、という相手の言葉が可笑しくて思わず笑ってしまいながら、眠ってしまった方が楽だろうとは思いつつもまだ相手と話していたくて目を閉じる事はなく大人しく横になっていて。身体を弾が貫通した訳ではなく脇腹を抉った程度のため回復までそれほど時間を要するような重い怪我ではないだろうと思いつつ、手当の準備をする相手の様子をぼんやりと眺めながら、この前相手が心配したように自分も相手のベッドを血で汚してしまったら、と思うと心配で。）

テオのベッド、汚しちゃったらごめん、

はは、だって治療する時は服脱がせなきゃならないだろ？

(相手の笑いにつられ自分もくすくす笑う。ベッドの近くに机と椅子をよせ、机の上に濡らしたタオル、救急箱を置くと箱の中から消毒液とガーゼ、軟膏、包帯を取り出す。傷口に当てていたコートを退かし相手のコートやワイシャツの前を広げて傷口を確認すると、椅子に座りながら濡れタオルでぽんぽんと撫でるように血を拭い取りながらベッドを汚してしまうと心配そうにする相手に、構わないと告げて。自分も私生活で汚してしまうことは多いし、汚れても落ちればまた使えると考えているため特に気にしている様子はないようで)

ベッドは別に汚しても構わない。汚れるとしてもシーツくらいだし、汚れたら洗うか捨てるかするしな･･･俺だって疲れてる時はシャワー浴びないで汚れたまま寝ることあるから、汚れても気にしないぞ。

（それはそうだけど、と笑いつつ服を捲られると大人しくして。優しい手付きでも濡れタオルで傷口を拭われると鋭い痛みが走り思わず眉根を寄せつつも、相手の自分を気遣うような言葉には安堵の表情を浮かべて。自分が気にしなくて良いように配慮してくれる所には、やはり相手の優しさを感じて。処置をして貰いながら、脇腹を抉ったのは吸血鬼の爪ではなくハンターの扱う拳銃の銃弾なのだと口にしつつ、少し気が抜けて居たのだろうかと溜息を吐いて。）

──…吸血鬼に反撃された訳じゃなくて、他のハンターの流れ弾を食らったんだ。僕があまり周りを見ていなかったのも悪いと思うんだけど、

あー、銃弾だとくらいやすいんだよな･･･俺も経験あるし。お互いに距離考えておかないと怪我するから気をつけろよ。

(綺麗になった傷口を消毒し、軟膏を塗ってからガーゼをテープで固定する。相手の反撃された訳ではなく味方の流れ弾をくらってしまったという事実に、吸血鬼に傷つけられて訳ではないことに安心しつつ、自分も過去に身に覚えがあることに納得する。まだ歳若いハンターだったのだろう。慣れていないと発砲の反動や重さで標準がぶれてしまうことがあり、互いに注意しないと危ないことを伝え。また、ガーゼの上に包帯を巻こうと考えると体勢を少し変えて欲しいと声掛けし)

次は包帯巻くから背中浮かすか、体起こすかしてもらってもいいか？

…そうだよね、気を引き締めないと。

（消毒液が傷口に沁みて唇を噛んでいたものの、軟膏を塗られてガーゼを当てられるとだいぶ痛みも楽になり小さく息を吐いて。相手の言う通りだと頷きつつ、撃たれるまでハンターの気配にも気付かなかった事を思い返して。気が緩んで居たのだろうか、吸血鬼としてハンターに狙われているのは変わりようのない事実なのだから、以前と変わらず周囲を警戒しなければと思いながら相手の言葉に返事を返して。包帯を巻くために体勢を変えて欲しいと声掛けされると、相手の言う通りにベッドに手をつき、傷口に負担をかけないようにゆっくりと起き上がり相手が処置をしやすいように体勢を整えて。）

ん、ありがとう、これで良い？

あぁ、大丈夫だ。

(相手の体が起こされ包帯を巻こうと手にしたが、先に背中拭いておくかと考え先程使ったタオルではない替えの濡れタオルを手に取って包帯を巻く部分を軽く拭く。その時背中に腕を回して抱きつくように拭いてしまったため相手の体を間近で見てしまい、自分は何をしているんだ？？と困惑してしまう。その困惑を顔に出さないようにして終わらせれば包帯を巻いていたが、その困惑故か無意識にキツめに締めてしまっていて)

──テオ、ごめん…ちょっと痛い、もう少し緩めに巻いてくれると助かるな、

（相手と身体が密着している事を意識してしまっている自分に呆れつつ大人しく背中を拭かれていたものの、包帯を巻き始めた相手の力が妙に強く、思ったよりもキツく包帯を巻かれてしまうと息がしづらく傷も圧迫されてしまうと、折角やってくれているのに申し訳ないと思いつつ相手の手を止めるように制止すると、少し言いづらそうに告げて。）

えっ、あ、悪い･･･考え事してた･･･。

(包帯をテープで止めようとすれば苦しそうな声が聞こえ、飛んでいた意識を元に戻す。痛いとの訴えにきつく巻いてしまったことを謝罪し、考え事をしていたと伝えると申し訳なさそうに巻いていた包帯を解き、キツくないよう巻き直す。相手は怪我人なのに余計酷くするような処置をしていてはダメだろうと呆れつつ、包帯の端をテープで止めると血が滲んでいないことを確認する。なるべく相手の顔や体を見ないよう視線を外し先に使ったタオルとまだ未使用のタオルを分けると、「先に手当してしまったからシャワーは難しいが、気になるんだったら体拭いておくか？」と問いかけてみて)

いや、ありがとう。随分楽になったよ、

（相手の謝罪の言葉には首を振り、適切な手当てをして貰ったお陰で痛みも幾分落ち着き随分楽になったと礼を伝えて。相手の言う通り、シャワーを浴びるのは怪我の程度を見る限り少し時間を空けた方が良いだろうが、身体を拭いてもらえるのは助かると相手の提案に頷きつつ、身体を拭いて貰いやすいように羽織っていたコートと前を開けていたワイシャツを脱いでは相手に頼んで。）

そうだね、お言葉に甘えてお願いしようかな。

分かった。痛かったら言えよ。

(こくりと頷き濡れタオルを1枚手に取ると、まずは腕からかな･･･と考え相手の手をとって甲から丁寧に拭いていく。余計なことは考えないようにしていたがささくれの無い長い指先にこんな所にまで気を使っているのかと尊敬する。自分はあまり頓着しないので時々ささくれが出来てしまい痛くなっているが、相手はすごいな、と思って。また腕や二の腕に上げながらちょうど良い筋肉の付き方を観察しつつ終わったらベッドに上がり背中を拭いて痒いところはないか問いかけて)

痒いところとかないか？

大丈夫、さっぱりして気持ちが良い。テオは面倒見が良いね、

（しっとりと濡れたタオルで、丁度いい力加減で身体を拭かれると汗ばんだ感覚もなくなり気持ちがよく、相手の問いかけには緩く首を振って答えて。怪我の処置だけでなくこうした事にも気付いて面倒を見てくれる相手は兄のようだと思いつつその思いを口にして。ふと身体を拭かれながら相手の視線を感じると恥ずかしそうに笑いつつ軽い冗談を口にして。ハンターにしては筋肉の付きかたが薄いと思われただろうか、ある程度鍛えてはいるものの実際に武器を振るうことは滅多に無いためハンターと比べると筋肉量も劣る気がして。）

…なんだか恥ずかしいな、もっとしっかり鍛えておけば良かった。

いや、そうでもないぞ。ちょうど良い付き方でむしろ見本にしたいくらいだ。あんまり厚くついてると見た目だけで暑苦しいし･･･。

(あんまりにもじっと見すぎていたかと恥ずかしくなりつつ、相手も恥ずかしいと言っていることに首を振って否定する。自分もあまり鍛えないほうだが、相手との筋肉の付き方に違いがあり心から見本にしたいと思っていた。また、前に仕事で一緒になった同僚がガッシリした体型であまり近寄りたくなかった記憶があったのでそも伝えながら、相手の体型は好ましいものだと伝え。)

それに面倒見が良いって･･･俺は、お前以外にやったことはないよ。

(こんなにも自分が誰かと親しくなるだなんて、婚約者以外となるとは思わなかった。しかも、自分が面倒見がいいだなんて、ただ相手にやってあげたいと考えて行動しただけだったのでよく言われても困ってしまう。だからこそ、相手以外にやったことは無いと伝えると丁度背中も拭き終わったので一度ベッドを降りて「前と下は自分で出来るな」とタオルを手渡し)

そう？褒められると照れるな、

（相手の言葉に首を傾げつつ、あまり筋肉がしっかりと付いていない体格に多少のコンプレックスを感じた事もあったため、自分を持ち上げるためでもなく、心から言ってくれていることが伝わってきて素直に嬉しそうに微笑んで。）

兄が居たらこんな感じだったのかな…なんて。ありがとう。

（面倒見が良くいつも気遣ってくれる相手は想像上の兄のようで、そんな事を口にして。相手に対して抱いている恋愛感情を本人に伝えることは憚られて、敢えて兄という例えに留めておく。タオルを受け取ると首回りや胸元などを自分で拭き、使い終えたタオルを軽く畳んで。）