VIVID COLOR PARADE【3L】 

 VIVID COLOR PARADE【3L】 

◆  2018-04-03 00:00:02 
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    ✧✦ VIVID COLOR PARADE ✦✧       


 Run, jump, step and dance on the canvas.
    Dye the world in your color.


       TABLE OF CONTENTS

     >01 INTRODUCTION / RULE
     >02 COLOR CHART / PF
     >03 HOUSE / NPC


    【!】芸術家/シェアハウス/3L



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  • No.272 by Noah MacNeil  2018-09-01 16:29:10 



>Leone

…本当に大丈夫? …あ、あぁいや、しっ仕事のことじゃなくて…。

(あれ程の暴挙へ惜しみのない誠実さを返報し、憤る所か失望の色一つ見せない彼に依然胸を押し潰すような悔悟の念こそあるものの、強張っていた肩の力が多少なりとも抜けるのを感じ。しかし、無問題を告げる表面的な言とは相反し、先刻の一瞬の暗色を彷彿とさせる不明瞭な陰りは相も変わらず眼前の素顔に宿り続けており。自らへの悪感情や行けず終いの仕事への憂いでもなければ、仮面を外したが故の心許なさだけが原因でもなさそうに見えるそれが、まるで何かの欲を押し殺す様のように思えてしまうのは、自らもまた内に秘め頑なに見て見ぬふりを続ける秘密の箱を隠し持つからか。…先刻の醜悪極まる欲が、果たして何に起因するものだったのかなんて今更だ。先刻“守る”などと言った舌の根も乾かぬ内に身勝手な刻印付けに転じておきながら、それでも決して薄っぺらの嘘言だった訳ではないのだと、そっと徐に重ねた自らの頼りない手。そんな物如きに強ばる表情を緩める彼に、直に重なり混じり合う手の平の確かな熱に、伏し目がちな紫眼の些末な動き一つ一つに鋭敏に反応し高鳴る鼓動が、その答えを克明に告げ続けている。余りに声高の主張に心の耳を必死に塞ぐも、しかし眼前の見え隠れする暗色を看過する事など到底出来ず。ぐっと耐え難い心の動揺をどうにか一時的に抑え込んでは、交わらぬ相手の瞳を確と見つめ「前も、言ったけど…俺、本当に何でもするよ。──…君が望むことなら、なんでも」頭上の傘を叩く小降りの雨音にも似た静かな囁きの音は、決して今までのような卑しい奴隷根性に基づくものなどではない。しかし、彼という唯一人にのみ向ける鮮明にして醜悪な格別の色が、思った以上にその声音へ熱を落としてしまったような気がして。折よく目的地の玄関扉まで辿り着いたのを好機と取り、慌てたように手を離すと、朱の射した顔を魅惑極まる紫眼から急ぎ逸らす。そのままその手の平をドアノブへと伸ばしては、一足早く中へと駆け込んで)

〜っ、ああぁえっとっ…! とりあえず、入ろっか。レ、レオーネはその髪とか服とか、乾かさないとだね。…っ俺はあの、リビングで待ってるから…。

 

  • No.273 by Wang Junlong  2018-09-02 08:20:35 

>Noah

俺は変わっているかもしれない。でも、ノアはもっと自信持てよ(変わってると言われると自分も笑って言葉を返して。相手が自分の手を離したかと思うと今度は掌を差し出され、意図を理解すると相手の目を見て手を強く握り、握手をすると「じゃあ、画材屋に行こうか」と笑みを浮かべて)

  • No.274 by Leone Celadon  2018-09-04 22:17:22 


>Noah

(視界の端で秘めた熱が宿ったかのように紡がれた芯の通る言に、鎮めたはずの欲は茨の如く痛く心に巻き付かれ生唾を飲み込む。――なんでも。時折顔を見せる甘い誘惑に踊らされ、まるで何もかもを見透かすようなそそる誘いに、望蜀しえず開き掛けた口を噤み。玄関口に到着するや欲を誘う手を解かれ、対談の場を告げては急ぎ駆け出す背が見えなくなるまで見送ると、役目を終えた傘を下ろすと恐る恐るその後に続き。先に向かった彼の音だけが響き渡る静けさに胸を撫で下ろし、傘を立て掛けるとバスルームにてタオルだけ被ると濡れた髪もそこそこに、ふらふらと頼りない足取りのまま階段を上り。外からの干渉を一切断ち切った自室へと入り扉を閉め、外界の眼が届かない遮断された空間に身を投じた途端、ここまで繋ぎ止めていた糸が一気に解け支えを失った身体はその弾みで倒れ伏し。彼の前で醜態を繰り返さなかっただけ進展と呼べるべきか、今更ながら湧き上がる底知れぬ恐怖心に身の毛がよだち、耳障りな心音を助長する涙を呼び起こしては頬を火照らせ。息も絶え絶えに身をよじれば、視線を上げた先に呪いの面影も空しく気の利いた表情すら作れぬ臆病者の這い蹲った様が鏡に映り「……カッコ悪ッ…」寝乱れ髪と相俟ってより一層に情けなさを掻き立てる子供染みた容貌に失笑し、視界を歪ませ零れたものを袖口で乱雑に擦る。けれど、その頼りない者でなければ意味をなさない舞台へと向かうべく、重たい身体を引き摺り起こし張り付く衣服を脱ぎ捨て、白黒の部屋着に袖を通し身なりを整えて。悶えた拍子に外れたタオルを拾い上げ最低限の水気を拭うと、決意を揺らがす腰袋を黒兎に預け、目に見えた拒絶の主張が収まるまでその黒き背を抱き寄せ。変わらぬ顔色で見守られ幾らかの平静を取り戻すと鼻先に口付けを残し、臆病な身を隠すように毛布に包まり急ぎ部屋を後にして。観客の待つ会場が近づくにつれ胸を抉る痛みに締め付けられるも、戻ることなく僅かに赤らむ頬を伴わせて扉を開け、視線を泳がせては中には入らずその場に立ち尽くし。)

――……えっと、その…っ始め…ようか。まずは、あの…誤解を、解きたいのだけど………。

  • No.275 by Noah MacNeil  2018-09-07 22:44:40 



>Junlong

…っ。そ、れは…ちょっと、難しいけど…でもありがとう、俊龍。

(朗らかな微笑と共に述べられたその言に、咄嗟に吐き出しそうになったネガティブな返報を喉奥へ強引に押し返すと、浮かべた笑みを深め精一杯の礼を口にし。同時に彼の気性を表すかのような芯のある焦茶の瞳で真っ直ぐに見詰められては、不慣れかつ此方の劣等感を煽るそれに一瞬びくりと身を竦ませるも、握った手を強め懸命に相手を見詰め返して。「あっ、そ、そうだね。もう十分も歩けば着くと思うよ。…まぁ、でも本当にそんな大した場所ではないから、あんまり期待はしないでね…?」握手の手を離したところで、続いての提案に再三の忠告を述べつつ前を向き直しては、話すのに支障のない程度に相手より少しばかり先を歩き始め)


>Leone

…っは、ああぁぁあ。……死ぬかと、思った。

(玄関前にて彼と一時別れ、半ば駆けるようにしてその靴先を向けたのは言通りのリビング。テーブル脇の大きな白いソファーへと預かった楽器ケースとスケッチブック入りの肩掛け鞄を置くと、自身もまたその隣に腰を下ろして。次いで、バスルームへ向かう足音が壁越しに己の鼓膜を微かに震わせると、未だ火照りの残る顔を両手で覆い、前屈みに深く脱力し。無理を押して素顔を晒し続けた彼の身も気掛かりだったが、そう長時間ではないとはいえその紫の隣を並び歩いた己の心拍数もとうに臨界点だ。フードの内側に籠った熱を逃そうと長大な息を吐きつつ、堂々巡りのように熱に浮かされた脳を駆けるのは自らの蛮行と一連の問答で。「――…なんで、どうしてこう…いくらあの子が可愛いからって…これじゃまるで、」彼へ及ぼした迷惑の程度に頭を抱えるどころか、性懲りも無く再度の昂りを見せ始めた動悸の音に、ぐっと眉を顰めては泣きそうに苦渋を滲ませて。――芽生えたばかりのそれを踏み躙る事に躊躇などあろう筈も無い。自らに向けられるには甚だ不相応の友情と信頼へ、よりにもよってこんなおぞましき代物を返報するくらいなら、本当に己が舌を噛み切りでもした方が遥かに、…。小刻みに震える指先を顔から離せば、自然硬く拳を成したそれを静かにひたと見詰めたその時、部屋の静寂を控えめに破る背後の開扉音が響き。「あっ、レオ――…ッ! っうぁ、…ぐ、」待ち人の到来に険しい顔を解き慌てて腰を上げるも、無警戒に視線をやった先のその瞳に依然慣れることはなく、まるで銃口でも向けられたかのような衝撃が胸に去来しては大仰に身を竦ませて。明白な動揺を顕にぐるりと紅の走る顔の向きを修正すると、扉を開けた先一向に入室の足を踏み出さぬ彼へしどろもどろの言を投げ掛けつつ、自身のすぐ隣ではなくテーブルを挟んだ向かい側をぎこちなく指差し。)

……誤解? あっああぁでもえっと、…とっとりあえず、座る…? …っあ、それとも、…背を向けた方が話しやすいなら、このままが良い…のかな…。

  • No.276 by Wang Junlong  2018-09-08 09:53:37 

>Noah

まあ、それもノアらしいかもな(自信を持つのが難しいと言う相手に笑みを浮かべて、相手の人柄を肯定的に受け止めて。相手と握手を終えた後、首を縦に振ってから「分かった、10分ね。そんな予防線を張らなくてもいいのに」と笑って。期待するなと言われても期待してしまって。相手の姿を斜め後ろから見ながら軽い足取りで歩みを進めていき。相手の横顔を見ながら「今日は具体的に買う物を決めてきたの?」と尋ねて)

  • No.277 by Leone Celadon  2018-09-10 23:56:27 


>Noah

…っ……す、座るッ! じゃっじゃないと…意味、ないから……。目、合わせなければ……多分、大丈夫……

(立ち上がりと共にそれらを向けられたかと思いきや、此方が身構える前に視線を外され己の身を案じてにしては、面妖な色味を帯びた声色に加え仰々しい振る舞いにぱちくりと瞳を瞬かせ。まるで帰路の最中、施された温もりとは似て非なる肌を掠めた灯火を匂わせる色合いを頭に浮かべるも、その見当もつかない正体を考える間もなく掛けられた言へと舌疾に返答し。この身を彼の瞳に晒し続けぬ提案に心揺らぎはしたものの、立談ともなれば辛うじて取り繕っている支えがいつ崩れてもおかしくないのは元より、あるべき優先順位を見誤るわけにもいかず。そうおめおめと申し入れを受けては仮面の対価の意味もなさず、この機を逃せば再び枷に絡め取られ暗闇から脱せずに夢幻のみを望むのは明白と、逃げぬ意を更に頬を朱に染めながら吐露し。立場や間取りこそ違えど、テーブルのみを挟んだ向かいの席と我儘を告白した情景を連想させる配置に、危惧を拭えず躊躇いがちに踏み出して。日を追うごとに彼の気配には慣れ始めたとはいえ久方ぶりに直で感じる空気に、滅入りそうな気を保つべく心の臓が必死に酸素を回し続けるも、警鐘を鳴らすわけでもなく一音一音が平静のまま打ち続けられ。纏った毛布を頑なに握り締めたまま、文字通り向き合うべくたどろたどろに促された席へ向かい、一先ず定まらぬ視線は見慣れたケースへと移してはゆっくりと腰を下ろし。先は数多の幻聴に感覚が麻痺したが故に、彼個人に対して恐怖心が薄れ傍らで歩みを止めずに口を利けたとばかりいたのだが、思いの外四肢の自由が利く現実に戸惑い首を竦めて。普段表舞台に立たずに仮面任せに楽観視してきたせいか、自らが望んだ場とはいえいざ面と向かうのは歯痒くも思考が碌に機能せずに、切羽詰まりながら刻印へと駆り立て引き金となったであろう要因を解きほぐそうとちぐはぐに紡ぎ出し。)

それで、あの……今、余裕なくて、言葉は選べないけど……っは、話が、したくて…。どこから話せば、いいのか、分からないけど……後輩、からかな? えっと、さっきは仲は良いと思うと言ったけど…本当は、よくわからなくて……

  • No.278 by Noah MacNeil  2018-09-13 07:02:50 



>Junlong

うう、…でも、ほんとに何処にでもある画材屋だよ? …まぁ、あまり行ったことがないのなら、物珍しくていいのかな。…ちょっと独特の雰囲気はあるし…。

(自身の少し後ろから鳴る足音は軽く、応える声にも明らかな期待の色が滲んでいるのを見て取れば、本当にそう面白味のない場所なのだがと困ったように少し眉尻を垂らして笑い。続いての問いには軽く顔のみそちらへ向けつつ「う、うん、ちょっと絵の具の補充と…あとはスケッチブックとか。……折角だから、貴方も何か買う? …ええと、そうだ色んな色のスプレーとか…あっ、少しだけど雑貨もあった気がするよ、」先刻友人が楽しんでいる姿を見られればそれで良いなどといった言があったものの、しかし本当にただ自分の買い物に付き合わせるだけというのもやはり気が引け。口許に緩く丸めた手を添え思い出すような仕草を取ると、彼の興味を多少なりとも引けそうな店内の情報を提供してみて。)


>Leone

(幾ら逃げ道を用意しようとも決して首を縦には振らず、纏う毛布を固く握りしめては対面のソファーへと腰を下ろす様子に、前へ進もうとする彼の決意と懸命さがひしひしと伝わり。しかし、翻って己の方はといえばその紫に慣れる兆しなどまるでなく、僅かではない緊張の滲む不自然な挙動でその場に腰を下ろすと、赤味の差した顔を俯かせると共に落ち着きなく膝上にある両の手を無為に触れ合わせ。まるで己と対峙せんとする彼から文字通り目を逸らすかのようで気が引けるものの、以前よりも勢いを増しては胸を湧かせ急き立てる情動を阻むのに此方も此方で精一杯だ。再び先刻のような蛮行に走りでもすればいよいよ洒落にならないと、咄嗟にテーブルという障害があり手の出し辛い真向かいへと誘導したのもその為であり。「う、うん。大丈夫、あっあの…ゆっくりで、いいから。…俺は君から逃げたりしない、よ」努めて柔く述べた言葉と共におっかなびっくり伏せた瞳を持ち上げるも、合間見えた紫水晶に途端またひぇっと顔を赤らめては慌てて視線を落とし。本気の言にすらどうにも説得力が宿らず、依然直視を避けるような姿勢を取らざるを得ないものの、せめていつも彼がそうしてくれるように訥々と紡がれる眼前の音を急かすことなく静かな傾聴を試みて。しかし、不意に他者の名が話題に上ると同時、思わずぴくりと肩を小さく揺らし、フード下の表情にも僅かな陰りを生じさせ。つい先程、他により大事な人間がいようとそう簡単に自らを切り捨てなどしなければ嫌いになどならないと実感させて貰ったばかりだというのに、たったそれだけの事でどろりと胸底に酷く醜悪な色が吐き出されては一層黒く淀み、蛇の如くとぐろを巻き始めたその欲深さには我が事ながらほとほと呆れを覚え。その後中途で途切れた付言だけでは話の流れがどうにも掴めず、少しばかり言いづらそうに苦く視線を彷徨わせた後、おずおずとやたら飛躍した憶測に疑問符を付与して。)

……え? でも……レオーネはその女の人の事――…っす、好きなんじゃ…ない、の?

  

  • No.279 by Wang Junlong  2018-09-13 20:34:57 

>Noah

何処にでもある画材屋で大丈夫だってノアと行くのが楽しみなんだし。独特の雰囲気か。益々どんな店か楽しみになってきた(軽やかな足取りのままサムズアップをした後、独特の雰囲気と聞いて画材屋の様子をいろいろと想像してみて。その後、相手に買う物を教えてもらうと「絵の具とスケッチブックか。そういえばいつもスケッチブック持ってるよね?」とふと思った事を言って。少し考えた後、「画材道具、俺も何か買ってみようかな」と答えるが、絵心があまり無い自分が画材道具を買っても持て余してしまうのではないかと気付いて。「俺、絵そんなに得意じゃなかった。買うなら雑貨だな」と苦笑しながら言って。暫く歩いてきたのでそろそろ画材屋が見えて来るかなと思って)

  • No.280 by Leone Celadon  2018-09-15 12:22:49 


>Noah

――えっ…僕が、あれを? あ、えっと…職場仲間としては、好きだし、人として面白いと思うけど…それだけ。……だから、もし、後輩との恋仲とかを期待してるなら…それは無理。一方的に好かれてるだけで、ありえないから。

(その場凌ぎの焦点を得て取り乱すことなく腰を落ち着かせることができはすれど、端で収まり悪く動く彼の膝の上へと自然と目が行き、その両の手が織りなす意味を勘繰り始め。また何か知らぬ間にと杞憂ばかりが先走り、やはり申し出に従い立談を受け入れるべきだったのではと、冷や汗を背に感じながら告げられたのは柔らかなもので。けれど、初めは強張りと緊張のためにも思えた音色は、何度聴いてもどうにも不安定な曲線と確信が持てず、微かに戦慄き訴える指を握り締めた毛布を当てて押し殺し。本題を切り出せば目星を付けた憶測が的を射たのか、目の前に垂らした名へ示した僅かな反応を見逃さず、その先を伝う前に唇を噛み締め顔を仰ぎ見るように視線を持ち上げ。よもやその者が暗澹と澱んだ事態を招き温もり満ちた彼を突如として暴挙へと走らせ、その因果の糸を先で塗り潰した欲が引いていたのか、閉ざされた先を知らぬ身では粗相の実態は掴めずに。拙くあしらった不鮮明な弁明では事足りるはずもなく、不意に飛んできた言に反射して動いた口は何の含みもなしに、本来仮面の裏に仕舞われるはずの当惑の眉を顰める。素っ気なくも些か不愛想な回答へ困惑交じりに抜け落ちた意図を補いつつ、まるで後輩との色恋を暗示させる物言いが腑に落ちず、淡く模られた付き合いを真っ向から否定し。私的な交友に加え放り出した演目を任せられる程の関係は、同じ舞台に立つ同業者の前提条件として築かれた情が存在しているものの、傍から見れば厚く紡がれた信頼とも呼べなくもない。何時ぞやに職場以外の交情を深めた途端、一時期常連客らにもその仲睦まじい様を肴に根掘り葉掘りと弄り倒されたが故に、単に友愛としての好意と躊躇うことなく無遠慮に切り捨てて。)

  • No.281 by Noah MacNeil  2018-09-17 07:04:25 



>Junlong

う、うん。まぁでも、いろんな色の絵の具がずらっと並んでちょっとだけ壮観とか、そっそんな程度だよ…! 独特っていうのはほら、あの、画材屋さんって匂いが少し他の店とは変わってるというか。ええと、こう…ええっと、

(目的地への道中、不用意に落とした言葉がどうも彼の期待を更に煽ってしまったようだ。急ぎハードルを下げるべく具体的な説明を試みるも、己の乏しい表現力では両の手を胸前で無為に動かし謎の形容を行うのが限界で。そうしている内に目的の店へ差し掛かっては、話に夢中になるあまり通り過ぎかけた足に慌てて急ブレーキをかけ。「そう、だね。へ、変だとは思うんだけど、やっぱり何時でも何処でも絵が描けるようにしておきたいというか、何だったら起きてる間はずっと鉛筆か筆を握っていたいというか…――あっ、ここ! ここだよ。…匂いの件はその、入ってみれば分かると、…思う」ぽそぽそと纏まらない言葉を紡ぎつつ、店の扉に手を伸ばすとそのまま中へと踏み入り。ここを利用し始めてほんの数ヶ月とはいえ、何処の画材屋でも変わらぬ新しい画材とインクの混じり合った独特の香りが忽ち鼻腔をくすぐっては、無意識に口角を上げ上機嫌に店内を見回し。)

…雑貨は確か、右奥…かな。俺が買う物は決まってるし、会計を済ませる間、俊龍はそっちを見ておく…?


>Leone

…そ、そっか。…っ、そうなんだ…!そういう仲じゃないんだね! ――…あっ。え、えと…まぁ、俺には全く関係ないし、別にどうでも…よっよくはない、けど。…あ、あの……、…ッ。

(苦々しい面持ちの下いよいよ投げ掛けた問いへの返報は、真っ向からの明瞭な否定。訝しげにひそめられた眉やハッキリとした口振りから虚偽や含むもののない言であると分かり、思わずぱああ、と上げられたフード下の顔を憂色から明朗なそれへと一変、更には嬉し気に己の両の手まで重ね握り締めてとなんとも分かりやすい喜色を示し。よもや彼に限って己より大事な存在が他にいない訳もないだろうが、それでも腹底渦巻く暗い欲は一先ずの収まりを見せ、代わりに溢れんばかりの安堵で満たされる様は我ながらなんとも現金で単純だ。しかし、たかが“友人”の恋愛事情に一喜一憂するその言動の不自然さに気が付けば興奮の余り僅かに浮いてしまった腰を戻し、しどろもどろに誤魔化そうと。当然ながらその因果を己の拙い弁舌如きで巧みに取り繕える筈もなく、ただでさえ愚鈍な思考が瞬く間に混迷を始めては必死に言い継ぐ口を中途で噤み、再び伏せた瞳を左右に揺らして。…気付かれた、だろうか。などと無理矢理に完全な自覚と自認を遅らせ続けている身には訳も分からない筈の危惧と不安が胸中にじわじわと広がり、嫌な汗が手の平に滲む。こんな、まるで隠し事の露呈を恐れるかのような心境は本来誤りでしかない。自らには後ろ暗い所など何一つとしてないし、彼が誰とそういった仲になろうが関係などないのだから。ある筈が、ない。――…そうだろ。今不得要領に言い継いだ言を幾度も胸中で復唱すると共に、友愛と呼ぶには余りにも過ぎたそれを強く強く踏み躙っては、無意識に力のこもった指先がズボンに深く皴を作り。フード下の奥歯を密かに噛み締めどうにか感情を殺すと、先の奇怪な言動への追及を逃れるべく、急ぎ更なる問いを投げ掛けて。)

…ごっ、…ごめんなさい。あの、気にしないで。…ちょっと、いつも通り反応を間違えただけというか…なん…というか……ッ、さっきの! …“本当は仲が良いかどうか分からない”って、どういう…?

  • No.282 by Wang Junlong  2018-09-19 19:49:00 

>Noah

じゃあ、ちょっとだけ壮観なのをちょっとだけ楽しみにしてる。なるほど、絵の具って少し変わった匂いするしな(期待し過ぎると逆に相手が困ってしまう事に気付くと2回目の「ちょっと」を強調して話して。画材屋の匂いについての話を聞くと学生時代の美術の授業で使った絵の具の事を思い出して。店を通り過ぎそうになった相手を見て思わずクスリと笑ってしまい。「凄いじゃん。全然変じゃないって。いつ絵のアイデアが閃くか分からないし。俺も見習わないと。……お、此処か」と言いながら相手に続いて入店すると独特の香りがして「画材屋っぽい匂いだ」と言ってから好奇心に駆られて店内を見て回ろうとすると上機嫌そうな相手の横顔が見えて本当にこの画材屋が好きなんだなと思って。相手が雑貨のコーナーの場所を教えてもらうと「ありがとう。見てくる」と言って店の右奥の方に歩き出して、棚に陳列された画材道具を見ながら奥に進んで行き)

  • No.283 by Leone Celadon  2018-09-20 01:08:43 


>Noah

っそれは…あの、何て言うか、願望と言うか……。ええっと、後輩が好きなのは僕じゃなくて、仮面の方で…本当に仲がいいかと言われると、自信はないし…でも、そうでありたいと思いたいというか……遊んでくれてるのも、多分気を使わせてる、から、で……、だ、っから………

(乱雑な回答にも思われたものから沿う答えが得られたのか、暗然としていた雲に一筋の日が差し込んだかのような空気の一転は、声色だけでなく固く握られた両の手からも読み取れて。尾鰭の付いた同僚との仲を惑わす色眼鏡は重く圧し掛かった枷と共に剥がれ落ちると、肩の荷が下りたように瞳に安堵の色を滲ませ眉間を解す。もし何の説明もせずに直に疑われかねない交誼を目の当たりにされていれば、今頃取り返しのつかない事態になっていたのではなかろうか。何やら面識もないであろう他者との繋がりは哀歓を示すに値し、軽率な言は自身が思う以上の意味へと移り行き、衝動を掻き立て要らぬ手間を取らせたようにも思える。閉ざされた先を窺う前に曖昧模糊に揉み消され、指先に籠めた意図と謝意に違和感を覚えるも、此方が手を出すよりも早い追い討ちに面を食らい、顔を歪ませながらたどたどしく独自の感覚を述べて。けれど、その問を触れるにつれて戒めが齎した陰影が思考の端でちらつくと徐々に心音が騒ぎ始め、膝を立てぐっと胸元へと引き寄せると首筋へと手を回し刻まれた印をなぞる。犯した罪は疾うに烙印が物語り、賽を投げた時から見え透いていた結末に今更足搔いても夢幻から醒めた後の悲痛が増すだけと、抵抗し逃げ惑う欲に言い聞かせるも拒絶を訴えるように両の手が次第に強張り震え出し。――思考を止めて、先の通りに要望に応えればいい。不要なものを光の届かぬ奥底へと誘い楔に繋ぎ幕引きにするのが、互いのためになるのであれば何を躊躇う必要があろうか。幾度となく繰り返した終止符を例外なく彼にも打つだけだというのに、欲深く成り果てた卑しさが焼けるような熱さで喉を息苦しく詰まらせ阻み、無色の息ばかりが通り過ぎ。やがて、心の底で鎖が千切れた音が鳴り響きゆっくりと顔を上げるも、刻印に報いる答えを告げる口は感情を殺した虚ろな弧を描き、微かな灯火すら宿らぬ瞳は遠くだけを見据えて。)

――だから、“貴方”も無理に付き合う必要はないんだ。気を使わなくても…もう、大丈夫だから。あの時の我儘も、全て忘れて。

  • No.284 by Noah MacNeil  2018-09-22 14:36:27 



>Junlong

…っえ、へ…ッ!?すッ、すごくなんてないよ…! 俺なんてあの、本当にただ好きだから持ち歩いてるだけ、だし…。

(そう高尚な理由がある訳でもない奇抜な習慣に、素直な賞賛を返されては反射的にあわあわと首を振って全力の否定を述べ。喚起されるように彼の夢の成就へ向けた日々の鍛錬の一端を思い返しては、“――…貴方の方が、よほど凄いよ。”と心からの敬慕の音をぽつりと落とし。次いで、自身の示した先へと向かう彼の背中には「うん、また後でね」と柔く言葉を投げ掛けると、確たる足取りの下自らの目的の方面へと向かい。そう時間を要さず、もはや日々のルーティンの一巻かの如く手慣れた様子で会計を済ませては、購入した品物を肩掛け鞄へと仕舞い、未だ雑貨コーナーに居るだろう彼を迎えに。全国展開の有名チェーン店とはいえ、さすが歩いて回るのに苦心するほど店内は広くはない。じきに彼のすらりと高い背が視界に入っては、片手を上げて控えめに声を掛けつつ、自らも少し変わった形状のコップやペン立て等が並列する商品棚へと視線を落とし)

…あ、あの、お待たせ。…何か、買いたいものは見つかった?


>Leone

――ッ! ……俺、が…あんな事をしたのは……欲しかったから、だよ。…所詮俺なんて、君にとっては取るに足らない、すぐに切り捨てられるような数多の知人の内の一人に過ぎないんじゃないかって、それが堪らなく悲しくて、辛くて、…嫌、で……――どうしても、君が欲しかったから。…所有印のつもりだったんだ、それは。

(ぎこちなくも懸命に回答を紡ぐ彼の白く骨張った手が、不意に項の噛み跡へと伸びるのを見て取りドキリと胸が騒ぐ。同時に沸いた強い罪悪感にそちらへ向かいかけた視線を地へ落とし直そうとするも、視界に映る小刻みの震えがそれを引き留めて。戸惑い憂慮を投げ掛けようと開きかけた口は、続く虚ろの音に衝かれたように動きを止め、一瞬彼の言が理解出来ず呆然とした顔を上げて。…事ここに及びようやく、その可憐な顔貌を彩るあまりに酷い色を認め息を呑むと同時、胸を掻きむしりたくなるような激しい悔悟に強襲され。それは彼の苦悩をまるで察する事が出来なかった失態のみに基づくものではない。彼の信用を勝ち得る所か、奇怪な熱病に振り回されては返って不安を煽るような暴挙に及んでしまった自らの愚かさ無力さに殺意すら沸き上がる。けれど、膨れ上がった夥しい欲と熱く胸奥を焦がす内なる激情を前に、彼の言へ大人しく頷き身を引くなどという殊勝な選択肢だけはとうに失われており。しばしの重い沈黙の後、前振りのない唐突な口火を切り、秘め隠してきた気味悪く醜悪な欲の一端を滔々と白日の下へ晒け出すと、強ばる頬を隠すことなく性急に腰を上げて。そのままつかつかと彼の傍らへ足を運ぶ極々短い間に、先刻密かに殺し切ろうと決意したばかりの――彼への恋慕と向き合い確りとした認知を済ませる。当然、この彼への裏切りに他ならない絶対に報われる事の無い詮無き欲が、この後の何の取り繕いもない言動によっていよいよ露呈してしまうのではないかという恐れは重く認識している。しかし、ただでさえ口下手で頭の回転も鈍く対人スキルにも欠ける己の事、この欲を押し隠しつつ彼への想いを伝える技量もなければ、既に形振りや後先等を構っていられる状況にもなく。あの日のように嘘偽りのない好意を、肯定を、受容をもって少しでも彼の悲痛な憂いを払うべく尽力する事が、今ここで己如きに出来る精一杯と、彼のすぐ隣へ辿り着いては腰を落として膝を床に付け。少しの瞑目の後開かれた双眸には決然の色を宿し、まるで神聖な誓い立てでもするかのように、熱を孕む柔い頬へ片手を伸ばして包むように触れれば、暗く澱む最愛のアメジストを真正面から見据えて。)

……嫌だ。絶対に忘れない、離れない、…逃がさない。……仮面なんて関係ないよ、俺は嫌々君に付き合ってなんていない。…俺はただ、誰より、何より…――本当に、もうどうしようもない程、君の事が好きなんだ。…レオーネ。

  

  • No.285 by Leone Celadon  2018-09-25 21:53:31 


>Noah

欲し、かった? 何を言って…だって、軽蔑、したんじゃ……。僕が裏切ったから、貴方の期待に応えられなかったから…だから、終わりにしようって……――ッ!

(果て無き闇に引きづり込まれていく感覚は生きた心地もせず、視界に広がる白黒の映像は光だけでなく指先の熱すら奪うも、惨劇を恐れる焦燥の呪縛からの解放に深く息を吐き。数ヶ月にも亘る夢幻は有終の美こそ飾れぬものの色鮮やかに彩る至福の調べと、泣くに泣けない最後の締め括りを噛み締める最中、下がる幕を押しのけて流れる台詞に瞳を揺らす。枷に縛られ取り残された孤独を紛らわすための繋がりは、悲劇の眼を恐れ不用意な深入りをせず表面上のものと浅く、身勝手な保身を見透かす言に胸が締め付けられると同時に、何処か擦り合わない不可解な困惑を漏らして。彼の逆鱗に触れた要因は熱に踊らされ口走った卑しい言と、如何にも特別な代物だと錯覚させておきながら、観客を差し置いて立場を弁えずに浮つき甘い汁を啜ったがため。呪いの経緯を共有こそすれど、真の友を望む期待に応えず甘んじて虚像のままで接した姿勢は裏切りに値し、最悪を招く前に終止符を打つに至ったわけだが。希った欲を我儘にも懇願し掻き乱した張本人はこの愚か者のはずなのに、まるで彼自身がこの空虚の身に何かを求めるような私欲を孕む色に動揺を隠せず視線を逸らし。彼が暴挙を犯してまで欲しいものが“君”だと言うのならそれは何の取り柄のない器ではなく皆が望む方に違いない――けれど、殺した筈の疚しい欲に諦念した答えを執拗に囁かれては未練がましく悶々と慙愧の色を深くし頬を火照らせて。醜悪な私心と場違いな者を早々に退場させようにも行儀悪く立てた膝は言うことを聞かず、焦慮に駆られているうちに自身の傍らへと赴き腰を下ろす彼に怯え、顔に伸びる手には弾けるように顎を引き目を瞑る。冷厳な現実を見るくらいなら続く夢幻は空白のままを望む無味な反抗も構わず、澱んだままの穢れを赦し包み込む温もりに感化され、覗いた先の色付いた光景に目を見張り。騎士の誓約の如く膝を付き真っ直ぐと見据えるのは、光沢を帯びた艶やかなオニキスのような瞳。その凛然な眼差しを恐れるどころか惹き込まれる程魅入られては心臓が早鐘のように鼓動し、奏でられる音一つ一つが偽りなく響き渡り心の琴線に触れ、“君”の後に続くのは虚偽でも慈悲でもなく純色の好意と――僕を呼ぶ名。一筋の涙が頬を伝い零れ落ちると、堪え隠してきた感情が奥底から突き上げるような衝動に駆られ、くしゃりと顔を歪ませ声が枯れるまで泣きじゃくって。)

――そんなの…ずるいよ。なんで…なんでいっつも、僕が欲しい言葉ばっかり……そうやって、甘やかすから…だから、まだ欲張りたくなるんじゃないかッ!


(/いつもいつも面倒な愚息にお付き合い頂き本当に有難う御座います。息子様の紳士ぶりには思わず胸を撃たれ、何度読み返したことか…。未熟なばかりに毎度のことながら蛇足が目立ちますが、文字数などは気にせずお好きな形で回して頂ければ…! ※こちら返信不要です。
さて、そろそろ誤解の展開がキリの良い所まで辿り着きそうなため、今後についてのご相談を。少々悲愴シリアスが続いたため、次回は甘めなものも挟んだりしても良いのかなと思いつつ。毎回此方の好きな展開にばかりお付き合いいただいて…頭が上がりません。せめてもと提供できる展開を2,3用意はしておりますがいつでも消化できそうな内容ですので、何かご希望の展開があればお申し付け頂ければ幸いです。もし、当方が用意しているものの概要が気になるようであれば、其方を提示し吟味してから決めていただいても構いません。長々と失礼しました。)

  • No.286 by Noah MacNeil  2018-09-29 00:48:49 



>Leone

……っ、…君こそ、どうしてそう…――可愛いことばかり、言うの。

(決意と共に手を伸ばせば怯える小動物の如くびくりと瞑目する彼に、湧き上がる自責の念が強く胸を締め上げて。施した刻印への贖罪でもなければ、あの日のようにただひたすらに彼の憂いを払いたいが一心の純色ばかりでもない、酷く身勝手な不純の混じる動機に自分などが彼へ触れることへの強烈な罪悪感が刹那の心を焼き。もしも真に彼の幸福のみを願うのであれば、裏切りの情を抱き暴挙に走るような愚昧はここで素直に首を縦に振って、代わりに人格にも才能にも遥か優越する他の同居人を勧めるべきだ。そこまで分かっていても尚、あの約束の日からずっと脳裏を掠めこそすれ頑として行動に移せもしなかったのは、ただ一重にこの脳を侵す重篤の熱病が故。…彼に手を差し伸べるのも、彼の隣に並び立つのも、零れ落ちる熱い雫をこの手に受けるのも、…俺だけが、良い。明瞭の自覚に至った今ならば、己の内なる声高の心音が一体何を主張していたのかすらも確りと知れてしまい。動機はどうあれ、硬く固めた決意に伸ばした腕を戻すことも無く、壊れ物を扱うかのように優しく触れたその先で見開かれた至高の宝石は、秘めた感情を晒け出しハラハラと幾重もの涙を落とす。奥深くに根付きずっと苛烈にその身を苛んできたのだろう孤独の闇はあまりに痛々しく、極度に自身を卑下し悲観を極めては白いキャンバスの世界へ逃げ込み続けた陰鬱の疼痛とも僅かに重なり。あの日、己に救いを与えた彼がどうしても自分自身を赦せないのなら――…俺がそれを、君にあげたい。己如きの言葉でこれ程までに心を揺らしてくれる彼の熱が手の甲を伝い落ちる雫によって伝播し、堪えかねるように眉根を寄せ溢れた欲の一端を唇から零れ落とすと、衝動のまま彼の身を膝ごと掻き抱いて。理性の箍など先の重なった紫紺によってとうに外れており、次から次に止めどなく込み上げ暴走する熱をどう逃し処理すればいいものやら見当も付かず、為す術なく溺れては熱に浮かされたように甘くも切なる懇願の音を。)

……欲、張ってよ。君の望みなら、本当に何でも聞くから。…君を軽蔑なんかしない、嫌いになんか…なる筈が、ない。――…お願い。君の我儘を、俺に聞かせて。



(/面倒などととんでもございません…!暴挙直後の対応や素顔での懸命な様子など…男らしくも可愛らしい息子様のギャップにいつも大変癒されております。これほど長くお付き合い頂いている上に、女々しく何かと暴走しがちな愚息をそのように言っていただけ、本当に日々感謝しきりです。こちらこそありがとうございます!※こちら返信不要です。
確かに、非常に楽しませて頂いてはおりましたが、次辺りはほのぼのも良いかもしれませんね。いえ!息子様のそういった展開は本当に好ましく思いますし、こちらこそ力量不足故に完全なる展開任せとなってしまい、申し訳なさのあまりもう足を向けて寝られない勢いです…。この上図々しくも更にご好意に甘えてしまうようで本当に恐縮なのですが、少々気になります故、ご用意頂いた展開の概要の方をお伺いしても宜しいでしょうか?)



―――――――――――――――――――――――――

◆ トピック運営についてのお知らせ >246


(/載せておきますね。)

 

  • No.287 by Wang Junlong  2018-09-29 08:45:37 

>Noah

その好きっていう気持ちが大事だと思う。ノアはきっといい画家になれる。俺が保証する(相手にサムズアップをして。雑貨コーナーを見て回っていると相手の声が聞こえてきたので、もう買い物を済ませたのかと思って振り返り。買いたい物は見付かったかと問われると「うーん、ちょっと迷ってる。あ、これ面白い」と言うと相手が見ていたペン立てを商品棚から取り、いろんな方向から眺めた後、「これ買ってくる」と言うと足早にレジの方へ向かい。会計を済ませると相手の元へ戻って来て「お待たせ」と言って満足げな表情を相手に見せて。その後、「今日はノアと買い物出来て楽しかった。ありがとう。もう帰ろうか?」と言って)

>ALL

(突然の報告になってしまい大変申し訳ございません。リアルの事情により本日限りでこのトピを辞める事になりました。絡んで下さった皆様、本当にありがとうございました。このトピに参加して素敵な時間を過ごす事が出来ました。そして、このトピの反映を心から願っております。今まで本当にありがとうございました)

  • No.288 by Leone Celadon  2018-10-02 05:12:53 


>Noah

(煤けた箱の奥底に押し込め誰の眼にも触れさせる筈の無かった激動を縛る枷が破られた今、胸の内に秘めていた渦の赴くまま火が付いた子供のように嗚咽交じりに吐き出す。それでも、頬に添えた手を引かずに止め処もなく流れ続ける雫を受け入れる温もりに、傍観席に孤影悄然と凍り付く愁いの衣を纏った心が溶かされて。彼等とは住む世界があまりにも違い過ぎて、扉を叩く者などこれ以上現れないとばかりと思っていたのに――否、寂寞たる暗闇までの道筋を幾何にも及ぶ茨道を敷き詰め人の進攻を拒み、排他的な支配による安息と静寂の鳥籠に留まるのが最善の手と偏狭な主張が齎した結果を、呪いを宿した時から悟り観賞していただけ。承認される味わいに溺れ築き上げた虚像への賛美の音が高まる度虚無感に苛まれ、満ちることなく渇き飢えた欲望の枷を嵌め、表舞台に立つ者を呼び出す器として自己を保つ。己は過ちを犯し自らが望み踏み入れた末路を甘んじて受けるのが筋と、不浄の音を心裏へと封じていたにも関わらず、刑を処す前に愚者を絞める首輪を食い千切り連れ出そうと伸びる腕に攫われてしまい。本来なら私欲と共に惨めな身を彼から遠ざけ無礼を働かぬよう理性を保つ障壁として立てたはずなのに、その膝ごと掻き抱かれ足の爪先に至るまで文字通り包み込まれれば、その先を強請る欲求を揺さぶる言の通りどんな愚行も赦される気がし始め。身を捩り抜け出そうにも振りほどく力も残っておらず、却ってもがけばもがく程欲に絡めとられては鼓動を高ぶらせ、喘ぎすらも抗うどころか熱を刺激し助長され呑み込まれて。甘く痺れる音もこの身を欲して走らせた衝動も、向けられている全てが自身へのものと実感しているのに、まだ足らぬと喚く我儘が卑しく膨れ上がり。――自らが創り上げた虚像にだけは、何一つとして譲りたくない。都合の良い夢幻としてでは飽き足らず、ひび割れた心の隙間を埋めるように縋り思いのままを押し付けて。)

……して。もっと、満たして……。もっと、強く受け止めて。愛して、溺れるくらい…もっと……――もっと、僕を、見て。


(/また大きな台風が通過していきましたが大丈夫でしょうか? 此方は暴風雨の音に寝付けなくなった程度で、大きな被害もなく過ぎ去りました。笑。展開については息子様と紡ぐ物語が大変楽しく、自然と幾つかの分岐点を思い浮かべているだけですのでどうかお気になさらずに。果たして乏しい技量が想像に付いていけるかは、些か怪しい部分もあります故…お手数をおかけすると思いますがお付き合いいただければ幸いです。※此方返信ご自由に
さて、撒いた伏線に既に勘付かれているものもある気もしますが、ぼんやりと考えている展開を4つ載せておきます。あくまで参考程度にお考え下さい。
➀【浮かれた熱】身を蝕む熱が引かず、気怠い身体を引き摺ったまま見せた弱みは――。続行可。 ②【寝惚けた先】重たい瞼に抗えずうつらうつらと開けた扉の先、あるものと間違えて零した本音は――。 ③【甘い晩酌】久方ぶりの晩酌に気分がよく絡み出し、気も口も緩んだまま持ち掛けたのは――。 ④【小さな贈り物】届いた贈り物の山にも目もくれず、大事そうに抱えていたのは一通の短い手紙で――。
触りだけで恐縮ですが、もしお気に召すものがあれば仰っていただければ。勿論組み合わせや繋ぎ合わせでも、これら以外でも面白いかと。長々と失礼しました。)


>Wang Junlong様

(/承知しました。突然の出来事に寂しく心苦しくも思いますが、背後様が決められたそのご決断を尊重致します。当方の技量が足らぬばかりに、初めの方しか絡めず申し訳ありませんでした。また何処かでお会いした際には、共に物語を紡げればと思います。此方こそ、長い間ありがとうございました。)

  • No.289 by Noah MacNeil  2018-10-04 20:38:01 



>Junlong

(呼び掛けに応え振り返る彼は如何にも悩ましげで、依然購入する物を決めかねているらしい。何か彼の好みそうなものはないだろうかと自分も視線を走らせていると、丁度目に止まった少々奇怪な形状のペン立てに隣の大きな手が伸び。気に入るものがあって良かったと安堵に頬を緩ませては、「それが気に入ったの? じゃあ、俺はここで待ってるね、」急ぎ会計へ向かう彼の後ろ姿を見送り、自らはまた商品棚をためつすがめつしつつ彼を待ち。そう時間も経たず、軽い足音を響かせ満足気に戻って来た彼に気付けば、柔らかな微笑みと共に出迎えて。「あ、お帰りなさい。…貴方はもう他に行きたい所はないの? そうだね…ないのなら、もう帰ろうか。――…、」そんな同意の言葉と共に出入口の扉へ向けかけた視線を唐突に止め、少しの逡巡に瞳を左右に揺らせ。やがて思い切ったように顔を上げると、彼の整った顔を真っ直ぐに見つめ、先刻の別れ際に投げ掛けられたものの、呆気に取られている内に返答の叶わなかった話を再度持ち出して。)

あ、あの、さっきの…画家になれるって、言ってくれた事だけど。…俺、自分が画家になれるだなんて全然思ってないんだ。…思え、ないんだ。……でも、なんだか…貴方にそんな風に言って貰えると、本当に大丈夫なんじゃないかって気がして……、――…今日は本当にありがとう、俊龍。


(/まずは、これほど面倒な性格の愚息に長期間お付き合い頂けたこと、心より感謝申し上げます。何処までも真っ直ぐで優しい心根の素敵な息子様とのお話をいつも楽しませて頂いておりました。折角なのでロルを返させて頂きましたが、こちらへの返信はお構いなく。また何処かでお会いすることがありましたら、その時は是非宜しくお願い致します。今まで本当にありがとうございました…!)



>Leone

……っきみ、は…本当に、……ほんと、に…っ。――…本当に、溺れていいの。君を見ていていいの。…愛してしまって、構わないの…?

(おおよそ同程度の体格とはいえ、彼が本気を出せば自らの貧弱な腕など容易く振り解けるだろうに。弱々しい身動ぎのような抵抗を見せた後、内に秘めた欲を露わにして縋りつく彼の熱と吐息の感触に、自らへ向けられた確たる情を強く実感して息を呑む。まるで此方の過ぎた想いを受け入れ助長するかのような意図を錯覚しては、信じられないとばかりに震える唇で復唱の問いかけを述べ。恐らく先刻の愛の告白はいつもの友愛に基づくあけすけな言と勘違いしてくれたに相違なく、更には他に最善策があったにも関わらず、己如きがその弱味につけ込み熱く昂る情を貰い受けた事に果てない罪悪感を抱えるも、長らく喘ぎ渇き求め続けたものを他でもない彼から与えられては、胸に沁みるような愛おしさとも歓喜ともつかぬ堪え難い感情の渦に抗えず耽溺し。たとえ一時的な錯覚であれ、満たされていく胸中に一層その身を抱く腕に力を込め、耳元にて囁くように落とした陶酔の声音は切なく、砂糖で固めた菓子のように甘ったるい。「…分かった。…もっと、君を受け止める、君だけを見てる、…君を、いつも想うよ。……けど、でも――…っこれ以上、どうやって溺れたらいいのか……分からないよ、分からないんだ。…レオーネ、」腕へ閉じ込めた彼の熱を感じる度、無尽蔵に溢れ漏れ出す欲に更に身を乗り出せば、二人分の重みに沈むソファーがぎしりと音を立てて。しかし表面的な心身こそ熱に浮かされながらも、その奥底には何処か冷ややかで残酷なまでの客観性が保たれ続け。根幹に深く根付く強固の劣等意識が、同等にして同質の心の返報など有り得る筈がないと愚かな期待を否定し嘲笑う。彼への規格外の愛情ともなれば尚の事、こんな己如きがその心の重みを僅かにでも、ほんの一時でも軽くしてやれた、彼の傍へ在る事を許された、それで十分以上、重畳にも程がある成果と満足して然るべきで…だから。…君も俺を、もっと――などと、身の程知らずの貪欲を喉元で押し留めては、その落涙の音が止み次第解放しなければならない、もう二度とは味わえないだろう腕の中の感触を少しでも堪能すべく、甘く狂おしい熱に身を委ね瞼を下ろして)


(/む、息子様の愛らしさが留まるところを知らない…! 本当に今年は台風が多いですね…また次の台風が接近中のようですので、どうか十分にお気を付けくださいね。こちらの方も数分停電になり驚いたくらいで、他に影響等はほぼありませんでしたのでご心配なく、そちらも大した被害がないようで安心致しました…。また、いつもいつも大変寛容なお言葉を本当にありがとうございます。生憎あまり技量はありませんが、こちらからも貴方様に楽しんでいただけるような展開をお届け出来るよう頑張りますね…!※こちら返信不要です。

御親切にも概要を分かりやすくまとめて頂きまして、誠にありがとうございます…!どれもこれも本っ、当に魅力的なものばかりで舌を巻く思いです…、是非是非全てやりましょう! それでは、なかなか甲乙付け難いのですが、折角なので、まずはこのまま続行可能の①【浮かれた熱】の消化などは如何でしょうか?)

  

  • No.290 by Leone Celadon  2018-10-08 23:21:34 


>Noah

…っ変なの。何その質問。――自分で言ったんじゃないか。僕の望みなら…何でもって。……なら叶えてよ、僕の我儘。

(我欲を埋める我儘を強いたにもかかわらず、甘受するどころか此方の真意を確かめ復唱する様に、空気が漏れるように笑いながら目の縁を手の甲で拭い答えて。こうも彼に汚い部分を晒してしまうのは、何度押し付けてもどんな形であれ欲するものを与えられ、道を踏み外し水面へと落ちてもその都度救い上げてくれるからか。その言葉や意思だけでも十二分な施しなのに、互いの吐息が肌に触れる程強く惹かれた抱擁の中で、耳元に抜ける音に帯びた儚くも糖度の高い飴細工を口の中で転がしたように広がる味わいに陶然し。色付いた艶めかしさから虚妄なあしらいではなく、首筋に刻まれた印に恥じない言動を魅せられては、熱に促されるように零れた甘美を掬い取り。「そんなの、簡単だよ……好き。僕も、ノアが好き。――だから…もっと溺れて。甘い甘い、夢が見たい。まだ、…もっと……。そしたら…きっと、………」受けた好意に見合った言葉を返しながら空いた片腕で彼を抱き寄せるも、散々言わせたものと比べれば差し出したものは微々たる程に過ぎず、それどころか卑しく撒いた欲心の底を満たす一押しを更に求めて。けれど、立てられた音と共に沈む感覚も鼻を掠める甘い香りも心地が良く熱を纏っているのに身体の芯が寒く、浮かれた熱が昂る毎にじりじりと頭の中を締め付け阻むような酔いは鬱陶しく身を蝕み。満ち足りて火照り染まる頬と対極的な寒気は指先の熱を軽く飲み干し、暖を取ろうにも強張り収縮した両脚では、擦り合わせてももぞもぞと毛布の下で遊ぶだけに留まり。しかと身を隠してきた毛布の握る力が徐々に緩むと、隙間から露わとなった包みの下からは籠った熱気が匂いをも連れて漏れ出し、上がる肩だけでなく薄らと白の上着を透けさせた汗ばんだ肌が覗き。靄がかかったような霞みが広がる視界の端で妖艶に瞳を閉じて佇む彼の姿に魅入られ、暴走したままの欲を垂らすも先を紡ぐ言を口にする前に、支えきれなくなった身を肩口に凭れさせては背に回した手が力なく滑り落ちて。)


(/息子様が魅力的なだけですよ…! 遅筆な置きレスが目立ってしまい、毎度毎度お待たせしてしまって…お恥ずかしい。寛容だなんて…滅相もございません。いつもいつも感謝しきれないほど楽しませていただいておりますので、ですからどうか頑張らずお好きな形で楽しんでいただければ幸いです。
似通った類や拙い概要にも関わらず、まさかそのようなお言葉を頂けるとは…なんとお礼を申し上げればよいか。ありがとうございます。至らない点もあるかと思いますが、是非是非、紡がせてください…! では、早速ですが➀【浮かれた熱】へと進ませていただきました。何かあれば、遠慮なく仰っていただければと思います。※こちら返信ご自由に。)

  • No.291 by Noah MacNeil  2018-10-11 21:05:23 



>Leone

……うん、叶えさせて。…俺に、俺だけに、君の我儘、を……――えっ? ……ぁ、…っ。

(二度、確りと繰り返され、信じ難い程の甘美を伴う己の名が腕の中で奏でられては、胸が破けてしまうような衝激に一際の鼓動が刻まれて。背面へ回り更に互いの隙間を埋めんとする彼の腕に現実感を奪われ、閉ざしたばかりの瞳を見開くと同時、何かの間違いではと頭の何処かで警鐘が鳴り響く。先の告白を本当に友愛と受け取ったにしては貰い受ける情が些か過ぎているように思うも、しかし、かといって素直に恋慕として捉えられたのであれば、その返報がこれ程まで好意に満ち満ちている筈がなく。隠し事も嘘言も全く不得手な己の慕情を察した相手方に浮かぶのは、いつだって困惑や拒絶、不快の類いであるべきで。ぐるぐると忽ち脳内を駆け巡り始めた酷い戸惑いが、縋るような切実の期待が、劣等に彩られた思考が自らの喉を詰まらせ、気抜けするような放心の息以外何一つとして吐き出させない。しかし、日夜苛烈の自己嫌悪に侵されているが故に何処までも尽きぬ飢えた貪欲を抱える自らの中で、今にも他に勝り表出せんとする感情がその内の何れかであるかなど歴然だ。たとえ己の思い違いであっても構わない。応えなければ、否、――応えたいと。…が、そんな葛藤の最中、不自然に途切れた音と妙に荒い彼の呼気に違和感を覚え口を開きかけると同時、弱々しく此方へ頭を預け、力なく背の腕を落とされては瞬く間に疑惑が確信へと変わり。「っレオーネ…! もしかして体調が、」上気した頬、首筋を伝う汗、肌へ張り付く白の衣服と、両肩を掴み体を離せば、視界に飛び込んで来た彼の艶めかしい姿態に思わず状況を忘れて生唾を飲み込み。慌てて朱に染め上げた頭を振って場違いの情欲を追い払うと、その代わりに訪れたのは彼の不調に繋がったであろう己の気遣いの欠如に基づく自責の念で。…もう少し彼の体調に気を配っていれば、込み上がる自罰的な感情に苦々しく眉間へ深い皺を刻むも、今はとにかく彼を休ませようと焦りの滲む憂慮の瞳を向けて)

…ッ、あの時、俺が――。……レオーネ、た、…立てる? 肩を貸すから、今すぐ君の部屋に…!


(/本当に多々暖かなお心遣いをありがとうございます…!当方も貴方様と紡ぐ物語を心より楽しませて頂いておりますので、レス頻度につきましては本当にお気遣いなく…!こちらはまったりとお待ちしております故、私生活を第一に、無理のないペースでお返事を頂けましたら幸いです。それでは、背後はこの辺りで失礼致しますね。色々とこちらの技量不足ばかりが目立ってしまい大変恐縮ですが、今後とも何卒宜しくお願い致します…!※こちら返信不要です)

  • No.292 by Leone Celadon  2018-10-15 22:55:30 


>Noah

――僕の、部屋……なんで? 何もない、けど……。

(塗れ澱んだ欲を孕んだ一声を受けて漏れ出した吐息が心地良く耳元を通り、その色から期待に応えることが出来たかとやんわりと弧を描いて。彼が喜んでくれるのならそれに越したことはないが、この状況下でさえ人の眼を気にするとは、我ながら何処まで腰抜けた弱者へと成り下がったのか。項に刻まれた印に秘められた意図も純色の音も彼の口から確りと受け取ったのに、不透明な恐怖が脳裏から離れずふわふわと地に足付かず浮つく回路が、穢れた我欲を増幅させ続けるも歪んだ視界は突如安息の闇に覆われて。目の前の世界がぐらつき視界を奪われたかと思えば、肌で感じていた彼が遠ざかり頭上から降る声色へと項垂れた重い頭を持ち上げ、上目に顔色を窺うと何やら焦り此方を気遣う様に困惑したまま口を開き。誤解が解消され脱力した拍子に本性を現した熱は、気怠くも素顔を晒し外界の眼を浴び続けた心身の一時的な疲労のためと、己が陥っている状況を掴めず疑問符を浮かべて。引かぬ火照りも背筋を駆ける寒気も、包まり開けた毛布によるもののはずなのに、忙しなく動く肩を握る掌と焦燥する瞳に動かされ、遊ばせた両脚へと意識を向けるべく視線を落とし。以前と変わり映えのない殺風景な自室へ赴く理由は皆目見当もつかないものの、熱に蝕まれ浮かされた思考ではその意図を探る気力も失せ、彼が望むならと言われるがまま築いた山をゆっくりと崩し。しかし、そこから先の動作へと移ろうともせず、促せば抵抗もせず従うも立ち上がったとしても棒切れのような足は頼りなく、支えがなければ足取りは覚束ないものであろう。部屋の有様があの日と違えるのは、先刻倒れ込んだ箇所に多少溜まった水滴が残り、鏡の側には無造作に脱ぎ捨てられた衣服が湿り気を帯びたまま重ねられ、外部との接触を拒むかのように窓もカーテンも閉め切られている程度。そして何より、ベッドの上に佇む仮面を託され主を待つ黒兎は、照らされた光の加減からか変わらぬ表情の奥で、何処か不安気な眼差しで扉の先を見詰めていて。)


(/いつも温かく寛大なお言葉をありがとうございます…! ここ数日少々風邪を拗らせて寝込んでいましたが、お言葉に甘えて十分な休息を取り身体を休ませたところ、無事治すことができました。愚息と仲良く身体を壊すとは…何たる不覚。お陰様で愚息に患わせた症状を体験することができましたが。笑。過ごしやすい気温にはなってきましたが季節の変わり目ですので、ご無理などなさらないようご自愛くださいませ。それでは、此方も背後はこの辺で失礼しますが、今後とも宜しく御願い致します…! ※こちら返信不要です。)

  • No.293 by Noah MacNeil  2018-10-18 20:10:24 



>Leone

えっ、だって、明らかに体調が……ッ、ひぁっ!? ――だ、だめっ! よくないっ、それ本当によくない…ッ!

(どうやら自身の不調に未だ自覚がないらしく、困惑の滲む返答に対し尚も心配げな言葉を続けようとした矢先、突如爆弾でも落とされたかのような立ちくらみに襲われ、慌てふためく頓狂な声と共に眼前の双眸を両手で覆い隠して。彼からすればさぞ奇異に映るに違いない言動だったが、熱を孕むも何処か覚束無い焦点のまま、弱々しく頬を染めて儚げに此方を見上げる紫紺の威力は凄まじく、再び迂闊な暴挙に駆り立てられる前にと咄嗟に彼の視界を塞いだだけむしろ理性的だ。しかし、結果的に彼の肌へ直に触れる事となった手の平から伝わる熱の高さに掻き乱された思考がさぁっと沈められては、一転痛ましげに顔をしかめ、そう間を置かずに目隠しの手を徐に引っ込めて。「やっぱり、…熱い。……ちゃんと、ベッドで休んだ方がいいよ」偶然とはいえ辛くも平静を取り戻すと、先の言通り彼の片腕を己の肩へと回し、その立ち上がりと歩行を補助しつつ、ゆっくりと彼の自室へと足を向け。…先の、一概に友情と片付けてしまうには些か度が過ぎるように思えた言動の数々は、全て熱に浮かされたが故の戯れだったのだろう。ただでさえ病に侵され弱った所に心の深傷へ付け込まれたのだとしたら、病身の発熱を恋情と勘違いしてしまっても致し方あるまい。自分如きにそれ程の情を向ける相手がいるはずもなければ、よもや同性である彼からなど望むべくもない話と、やけに都合良くも甘ったるい夢幻の正体を暴き得心すると同時、酷い消沈を覚えては自嘲気味に口端を僅かに歪ませて。――やがて、どうにか二階の彼の自室へと辿り着けば、先程雨に濡れた痕跡があちこちに残るものの、相も変わらず余計な奢侈のない整然とした室内に置かれたベッドへと近付き。主人の帰還を待ちかねていたのだろう、見慣れた腰袋を頭に乗せ鎮座する黒兎の隣へ彼を座らせては、魅惑極まる瞳を晒すだけではなく、危うい色香すら纏い始めたその様から若干視線を逸らしつつ、懸命に柔い言葉を投げ掛けて)

……ゆっくり休んで。…あ、あの、何かして欲しいこととか、欲しいものがあれば何でも言ってね…! ……でも、とりあえずは薬と水、かな…たぶん、俺の部屋にまだ少し風邪薬が残って…。

   

  • No.294 by Leone Celadon  2018-10-22 21:42:51 


>Noah

――そっか…お前に会いに来たんだ。“ネーロ”。ノアとちゃんと話せたよ、凄いでしょ。

(明らかにされていない疑問を投げて見上げた矢先、狼狽えながらもあわふたと伸ばされた両の手に視界を奪われて。普段なら呪いや自らの手によって覆い隠すそこに人の手が伸びようものならば、無意識に拒むものを本来の対面を果たせた彼だから弾くでもなく、直に触れられた自身のとは違う人の手の感覚に状況が呑み込めず。慣れぬこそばゆさに奇妙な心拍を打ち続けるも、浮かれ火照り切った肌に伝わる程よい温もりは気持ちの良いもので、寧ろ徐に解かれた束の間の感触に名残惜しくさえ思えて。促されるがままに身を預けた足取りで自室へと向かう最中、重たく垂れ下がった頭では碌に向けられもしないのに、フードの奥に隠れた傍らの彼の方を見遣り。体勢からも覗ける筈の無い彼の顔は案の定視界に捉えることもできないものの、忙しない動悸は決して危険を知らせるものではなく舞い上がるかのような騒ぎ様に、隣に彼を感じながらあの日の約束を果たせたとやんわりと目を細め。――そうこうしているうちに、見慣れた自室へと辿り着きベッドへと下ろされるや早々に寝転び、絶対の信頼を寄せる“黒兎”を抱き寄せ、落ち着く触り心地で柔らかい毛並みの背に小さなリップ音を零す。以前招いた時に紹介した親友に再び相まみえようと赴いたのであればこの飾り気のない部屋への来訪にも合点がいき、預けた腰袋を枕元へと粗雑に放り投げ片しては、住人の頭を撫でながらあどけない幼子のように嬉し気に立派に役目を果たした旨を報告し。初めの方こそ大人しく彼へと耳を傾けていたものの苦い思い出しかない言が出るや、年甲斐もなく体を繕わない駄々を零し抵抗を示すべく口元を黒き背に隠し埋め。けれど、咄嗟の言葉に反応しただけでその意図は汲み取れておらず、とろんとした瞳を瞬かせ小首を傾げる一方で、欲を刺激し惑わす甘言へと次々と畳み掛けるように問い掛けて。)

……やだ。呑みたくない…お腹は、空いたけど……薬は、やだ。欲しくない。………なんで、薬? それより、何でこっち見てくれないの? 何でもってどこまで? 何回でもいいの? そしたらもっと好きになる?

  • No.295 by Noah MacNeil  2018-10-25 20:57:38 



>Leone

えっ、え、…えっ!? 待って、えと…――す、好きに、って…ッ。

(ベッドへ辿り着くやいなや、親友だという黒兎に抱擁と軽いキスを振る舞い、親しげに話し掛け始めた彼の無邪気な言動を凝然と見て取り、少し驚いたように幾度かの瞬きを繰り返して。熱により思考能力が落ちているのか、平素に比べ随分と幼げな様子に魅了されるよりも先、「……いいなぁ」――俺にはそんなのやってくれないのに。出会い頭に彼から一身の愛情を受ける黒兎へいたく真面目な羨望と僅かな嫉妬心が込み上げては、傍らの彼にすら届くか否かの淡い音を無意識に落とし。ようやく此方へ意識が向けられた気配を悟り薬を呑むよう勧めるも、まさかの否を返された上、今まで幾度も繰り返してきた己の常套句に喰い付かれるとは予想だにせず、次々と捲し立てるかのような問い掛けに戸惑いの満ちた声を上げて。しかし、問われたそれらに確りと応えるべく、愛らしさ極まる仕草や率直の言に乱れる心音を堪えては、少ししゃがんで手の平を彼の頭部へと伸ばし、そっと宥めるように優しく滑らせて。病身とはいえ仮にも一つ歳上の成人男性に対する振る舞いではないが、既に彼を庇護欲の対象と捉え、密かに“あの子”呼ばわりまでしている己が、今更そんな所業に違和や抵抗を感じる訳はなく。「……どこまででも、何回でも。…君の願いなら、俺は何でも叶えるよ。……その、好き、とか…さっきの“我儘”も、本当にちゃんと聞くつもりだから…」たとえリビングでのそれが熱に浮かされてのうわ言に過ぎず、彼が内に抱くものが己と同種のものではなかったとしても、素の自分を一層肯定し認めてくれる相手が欲しいというのは本心だろう。さらさらと指の隙間から零れ落ちる滑らかな髪の感触を味わいながら、今にも蕩け落ちそうな紫紺へ愛おしげな微笑みと心からの言葉を返し。しかし、案の定早々に限界が訪れては、頭を撫でていた手を己の口元へ持っていくと、困り果てたように頬を赤く染めて瞼を伏せ、不自然に空いた間や挙動を誤魔化すべく再度口を開いて)

っ…、あっあぁでも、えっと……薬は、一応呑んで欲しいかな…。おっ、お腹が空いたのなら、何か食べ物も持ってくる、し…。どのくらい効くかは分からないけど、あの…少し熱があるみたいだし…心配だから……。

  • No.296 by Leone Celadon  2018-10-30 07:01:18 


>Noah

(幼稚な反抗を見せようとも厭きれるでもなく宥めるように腰を落とし、柔らかくも流れるような所作で繰り返し頭を撫でながら微笑み、包み隠さず贅沢な我儘へ向けられた好意に朱を注ぎ。思慮の浅い問い掛けだけでなく先の全ての欲をも含んだ回答は、ひどく身勝手なものさえ肯定し快美なものと心が躍り、愛おしく奏でられる一音に有り余る熱気が助長されて。呪いの有無を問わず受け入れ忌まわしい自己への承認し赦しを与えてくれる彼と、心身への癒しを与えるだけでなく良き話し相手である親しい黒兎に囲まれ、穏やかに広がる夢見心地な一時に朗らかな笑みを浮かべ。髪の上を滑る手の平が不意に途切れ離れると、尚もそれを稚気に強請るかの如く追いかけ裾へと手を伸ばすも、熱に蝕まれた景色の中でも敏感に感じ取る表情が彼によって彩られれば、求めるのを躊躇させ居場所を無くした手を宙にさ迷わせて。何やら困窮した様子に息が詰まり逡巡してもたついてる間に、再び薬を勧めつつ告げられた言に口を尖らせるも、自身の不調を諭す引っ掛かる物言いに飛びかけていた理性が多少なりとも戻り始め。今日の心身共に堪える幾つもの要因が重なり合ったものが原因ならば、身を蝕み火照らせるも止まらぬ寒気と鉛のように重たく気怠い身体も、一連の彼の言動への合点がいくと同時に自身の見当違いな対応が浮き彫りになり。伸ばした手を戻しつつ腕の中の黒き背へと顔を埋めると、頬を染める朱は羞恥の色へと移り行き思考を支配していた熱は目頭を熱くさせ、踊らされたとはいえ何を舞い上がっていたのかと澱んだ欲を揉み消して。蝕む熱は認識した途端に一層に己へと襲い掛かり、身震いする毎に独り奈落へと突き落とされたかのような漠然とした恐怖に苛まれながら、思考の隙間に埋め尽くされた不安が拭えずに鼻にかかった声で端的に矛盾した要望を口にして。)

……わかった。ちゃんと、呑む。我儘…言ったから。温かくて…軽いものなら、何でもいい。――熱い……ノア、やだ…側に居て。何処にも行かないで…一人はやだ。何も食べなくていい…


  • No.297 by Noah MacNeil  2018-10-31 21:14:17 



>Leone

――…ん、分かった。大丈夫だよ、レオーネ。君がそう言うなら…俺は、ずっとそばに居るから。…大丈夫、離れたりなんかしない。…安心して休んで。

(はたして己のたどたどしい物言いで納得して貰えただろうかと落とした視線をあちらこちらへさ迷わせていたが、ややあって承諾の音が鼓膜を揺らすとほっと胸を撫で下ろし、伏せた瞼を持ち上げて。改めて視界に収めた彼は腕の中の黒兎へ顔を埋めており表情こそ伺えなかったが、続く矛盾の返答に宿る怖気混じりの憂心に、心揺さぶられ緩みかけた頬を硬くして。身を病んだ為に一時的に人恋しく気弱になっているに過ぎないと頭では承知しているのに、自らを乞い求める音を受けて息を詰め、忽ち甘ったるい錯誤に陥りかける己が酷く浅ましい。煩わしく沸き上がる熱情に耐えながら、震える彼の身へそっと上布団を掛けて床へ膝を着き、先程は掴めなかったその手を一つ黒兎から奪い去って。まるで壊れやすく繊細な硝子細工にでも触れるかの如く両の手で包むように柔く握り締めては、病身の彼を脅かす不安心を取り払うべく穏やかな微笑みと共に言葉を紡ぐ。確かに、出来れば薬と栄養のある物を摂取してから休んで欲しいというのが本音ではあるし、その瞳の放つ魔力や普段に増して素直で愛らしい仕草の数々に今にも木っ端微塵に砕かれそうな自制心から鑑みても一度退室し心の安寧を得たい所ではあったが、よもやこんな状態の彼を捨て置けるはずもない。せめて彼が落ち着きを取り戻すか一度眠りに落ちるのを見届けてから、間を置いてそれらを届けるべきだろうと思考を走らせるも、かといってそれまで堪えられる自信はどうにも持てずに。中々窮した現状に手中へ閉じ込めた彼の熱をきゅうと握り、やむ無く不審な挙動の理由を一部曖昧に明かす事にして。)

でっ、でも……あの…出来たらそのまま、あんまりこっちを見ないでくれると……い、今の君の瞳は、俺にはちょっと……刺激が、強くて…。

 

  • No.298 by Leone Celadon  2018-11-04 21:49:33 


>Noah

――なんで…今見ちゃダメなの? 刺激って…? ……ノアの…好きな色と、関係がある? それ、とも……、ん…。

(以前にもこの慣れぬ土地へ降り立った間もない日に故郷を想いながら臥せった記憶が重なり、抑えようのない本能から無意識に人肌を求める先の矛盾も気付かずに、視界を塞ぎこの悍ましい支配を耐えては眠りへと落ち蓋をする時を待ち続け。道化の茶番にまで付き合う義理は無かろうに、この病身を案じてかこの場に居座り寒気の訴えを鎮めんと徐に上布団を掛け、無様に帰った臆病な意思を連れ出すかのように黒兎の背に戻した手を引かれ、奥底で願った彼の下へと誘われ包まれて。胸の内を潜む憂いを和らげる大きな安らぎを施す手中へ、僅かに視線を持ち上げしかと包まれ重なった温もりを見遣り、感触を味わうように何度も握り直しては頬を緩めてはにかんで。次いで、明言を避けては躊躇い気味に言葉を詰まらせ、熱に浮かされながらも彼を視界に留めようと向けたがる瞳への要望として、並べられた不透明な理由に堪らず疑問符を浮かべ。火照りが引かぬ状態ではあれど本来の友好の証を手にした今、目の前の観客の視線は負担にもならず寧ろ喜ばしいものへと移り変わりつつあるのだが、休息への催促なのか気がかりな意図への率直な問いを投げるも大人しく視線を外し寝そべり。仮面の裏の秘密を明かした時、己の瞳に宿りし色は彼にとっては一番の色であるらしいが、それがこの状況下において画家としての才能へ刺激を及ぼしているのだろうか。色彩に疎い己には感受しきれないものでも映し出されているのか、若しくは見慣れぬ愚か者に至らぬ汚点があったのか、それとも――。思考を巡らそうにも程よい重みに身を包まれていると、次第に柔らかく安堵のある温もりが全身に行き渡り、その心地良さに瞼を閉じかけ夢と現の境目をぼんやりとさ迷い始めて。)

  • No.299 by Noah MacNeil  2018-11-07 19:25:16 



>Leone

…ぁ、う…っ。……それは、あの、それもある、けど……ッだって…君が…

(両膝を着いてその場に腰を下ろせば、包む手を幾度も握り返した末に細められた無垢な瞳が、己の手だけではなく心の臓までをも鷲掴んで。頬を彩る朱を一層濃くし、どうしようもなくおろおろと覚束無い言葉を散らす醜態振りは、もはやどちらが病に侵されているのかすら判然としないような有様だろう。一応友人関係にあるとはいえ、そのあまりの無防備ぶりには、彼の身の安全がどれほど脆くか細い均衡の上に保たれているかという事を多少なりとも警告しておくべきではと思案しないでもないが、培われた信頼を自ら打ち崩す事も躊躇われては無様に返答に窮して。先刻、自分に溺れて良いなどと我が身には甚だ過ぎた甘言を貰ったものの、やはり彼がこの“恋心”と呼ぶには余りに穢らわしい依存を、執着を、夥しい迄の欲心を確り認識しそんな言葉を差し出したとは到底考えにくく。堪らなく胸を焦がす熱情を煽る色をよりにもよって彼が有している事実が己にとって如何に致命傷なのか、今になってそんな事が嫌になるほど身に染みて。しかし、やはり心身共に疲れが溜まっていたのか、布団を被せてやれば直ぐにうつらうつらと瞼を閉じかける彼の様子に、不意に安堵と共に少しの魔が心中に差し込む。…今ならば、たとえ如何様な答えを落としたとして、その全てが曖昧に霞む夢現の中へと消えてくれるだろうか。そんな油断と先の嬉色を灯す紫紺の記憶が、躊躇いに無為の開閉を繰り返す口を滑らせて。未だにその可憐な容貌と普段の彼の言動とに少しの違和も見出すことなく、その双眸を厭う理由すら全く見当も付けていないが為に、今にも紡がれんとする率直の音に誤魔化しや気遣いの類いが含まれることすらない。視線は包み込んだ彼の白い手の甲へと落としたまま、愛でるように親指で軽くそれを撫でると切なげに眉を下げ、ぽそりと端的な解を零して。)

――…君が、あんまり可愛いから……悪いこと、しそうになる。

  • No.300 by Leone Celadon  2018-11-13 12:31:34 


(/いつもいつもお世話になっております。愚息の背後です。実はここ数日、一つ用事を片したらすぐ次が来たりと少々立て込んでしまいまして…筆をとる時間が思うように取れず、ずるずると今日を迎えてしまいました。長々とお待たせしてしまい誠に申し訳ありません……。

お返事は今日の夜or明日の午前中辺りになると思われます。ご一報が遅くなり大変ご迷惑をおかけしました…今の所用が片せば直ぐにでもお返事をご用意できますので、大変恐縮なのですがもう少々お時間をいただければ幸いです…! 長々と大変失礼致しました。※こちら返信不要です。)

  • No.301 by Leone Celadon  2018-11-14 06:17:34 


>Noah

…可愛く、ない……僕は、セラドンのッ……――、悪い、こと……? 悪戯、するの…? 別に…いいけど……。

(蓄積された疲労によって限界間近の微睡みに右往左往しながら、尚も繋がれ続ける手へと意識を向けるものの、重く圧し掛かった霞んだ誘惑は視界だけでなく耳にも影響を及ぼし始め。訥々と曖昧に通り抜ける音を重たい瞼を持ち上げつつ味わい、心中へと喜色を浸透させ描いた弧を崩さずに、手の甲を柔らかに滑らす感触に一層に夢の世界へと誘われて。視界の端で何やら熱を帯び彼の頬もまた朱く染まりっているようにも受け取れるも、己と同じく傍らに相手への安らぎの感覚を共有し、臆病者への赦しとして表立った色に違いない。でなければ、歪んだ欲を抱いたこの身に不相応な底知れぬ慈愛を強請り続ける明白で、空虚な器へしかと身の丈を知らしめなければ惨劇のような奈落へと落ち、後の祭りになるのは目に見えている。ただただ注がれる好意に酔い痴れて乾いた欲求を満たしては、生かされる赦しを肝に銘じながら目を瞑った矢先、零された言に反射するように指先がピクリと反応して。正常な歯車が熱に浮かれたまま受けた愛でる音は、体を繕えずに幼子同然の姿へは慣れ親しんだものではあるが、踏み間違えた惨劇を示す凶器へと変わるそれと同等と判別され閉じた瞳をぎゅっと瞑り。思慮分別も付かない睡魔に翻弄され主張もまとまらず、目に見えた反抗は包まれたままの拳を固く握り、安直な反論も寝惚け声をぽつぽつと零すのみ。けれど、後に続く浮ついた色に意識が移るとそれを復唱しては強張らせたものを緩ませ、童心を擽る戯れと結びつけながら真意を知らぬ解へと許容を示し。我儘放題に振る舞い強いた身としては、彼が抱いている欲を叶えなければ貰ってばかりで釣り合わず、明かされた願いを聞き入れ尽くせるだけ尽くすのだが。葛藤を続ける彼の気も知らずまるで緊張感のない身を捩ると、落ち着かない脇を締めるために絡ませたままの手を引きつつ、夢の中へと落ちていきそうな浅い寝息を立て始めて。)


(/大っっっっ変、長らくお待たせしてしまい重ね重ね申し訳ありませんでした……! 雪崩のように降りかかってきた仕事がようやっと一段落し、続きの物語を紡ぎに参った所存でございます。当方の不手際でご不快の念を抱かせてしまい深くお詫び申し上げます。今後、このような事態を招かないよう努めてまいりたいと思います…!※此方返信不要です。
此方から申し出ておきながら技量不足で返しづらいロルにも関わらず、感極まる素敵な息子様をありがとうございます。そろそろキリの良い所まで辿り着きそうですが、如何致しましょうか。介抱するも翌日に移るも、それ以外でも大歓迎ですので…ご希望の形をお教えいただければ幸いです。)


  • No.302 by Noah MacNeil  2018-11-16 21:32:59 



>Leone

あ、ごめ……っい、良いって…!? だッ、駄目…だめだよ、そんなの……。レオーネは…もうちょっと、俺を――……あ、寝ちゃった、のか…。

(己を魅了し囚えんとする紫紺が逸れた事により気が緩み、いよいよ頬に集う熱が溢れ唇から零れた仄かの彩り。それを受けての眠たげな虚ろの反論に何やら家名までをも持ち出しては、硬く閉ざされた双眸と手中にて成る拳の感触に反射的な謝辞が喉をついて。後半はともかく、前半は純然たる褒め言葉という認識だったのだが、何か彼の気に障ってしまったのだろうか。そもそもが男性に対する形容詞としてはあまり適切でないという発想自体に欠けるが故に、示された挙動の要因にはどうにも辿り着けず面食らい。続く此方の真意にまるで届いていないらしき許容には、慌てて頭を振り軽々に差し出してしまった欲の一端を即座に弱々しい語調で引っ込めて。確かに同性間に関する知識の欠如と経験の乏しさから、この場で彼に対し仕出かすだろう悪事など精々が悪戯の範疇内であると言えなくもないのかもしれないが、しかし己の尺度においては軽い程度などとよもや思える筈もない。長い睫毛を伏せ、紡がれ始めた小さな吐息の音に気が付いた途端、肩透かしのような拍子抜けと途方もない安堵感が去来してはそっと凝り固まった肩の力を抜いて。引かれた手をそのまま片方に任せ、もう一方を己の枕とすると、軽くベッドへもたれ長く長く詰めていた息をゆっくりと吐き出す。「……なにも…俺の気持ちなんかに、応えてくれなくてもいいんだ。…こうして君が傍に居てくれるだけで俺はもう十分で、幸せで、だから……だから、」ずっと傍に居ると約束した以上、彼が眠りについたところでこの場を離れるつもりなど毛頭ない。あどけない眼前の寝顔をフード奥に潜む熱の籠った瞳で見詰めると、それを罪悪感にゆるり細めつつ淡く落とした呟きは何処か自分に言い聞かせるような響きを伴って。未だ彼と行動を共にしてからほんの半日すら経過してはいないのだが、それはもう言葉に尽くせない激震に身を揺るがされるばかりの密度の濃い時を経て既に疲労困憊気味であったせいか、己にも僅かながら睡魔の影が忍び寄る気配を感じ取り。それに抗うことなく一層上体をベッドへと預けると、最後に刻印がある筈の首筋へ閉じかけの暗い双眸を微かに向けては、意識を手放す間際、密やかに澱む愛執を薄っすらと開いた唇に滲ませて)

だから……――もう、絶対に逃がさない。



(お忙しい中、ご丁寧に御一報頂きまして誠にありがとうございました。何かと忙しい時期かと存じますので、どうか気に病まないで下さいませ。こうして貴方様に長くお相手頂けているだけで、本当に幸甚の至りですので…! あまり気負わず、お好きなペースでお返事頂ければ嬉しいです!※こちら返信不要です。
返しづらいなどととんでもございません、ほとほと何処までも天井を知らない息子様の愛らしさに愚息共々悶えては非常に楽しませて頂いておりましたとも…! これからの展開につきましては、出来ればまだもう少し弱った息子様を看病させていただけたらなと。数時間後に目覚めるのでも翌日でもどちらでも構いませんので、愚息を起こしていただければ今度こそ食事か何かご用意させて頂きます! また、今回もやたらだらだらと長文のレス返しとなってしまいましたが、短く返して頂いて全く構いませんので、お好きな文字数でお相手いただければ幸いです。)

 

  • No.303 by Leone Celadon  2018-11-21 04:28:57 


>Noah

――ノア…寝てる…。もしかして、ずっと…? ……ホント、ずるいな。

(夢の世界に招かれてから時計の長い針が一周程度した頃、ふと心地の良い浅い眠りから帰還すると、ぼんやりとした視界の中で黒兎の出迎えを受けて。暫しの休息を経て、幾らか正常を取り戻しつつある熱は未だ残り火となり頬を仄かな朱で染めては、落ち着きを見せ始めた重たい身体は睡魔の乗ったものへと成り変わり。腕の中で納まる親友へ目覚めの挨拶をとその背を撫でようとした矢先、上に乗せ預けたままの手に普段と違う温かな感触を覚えて視線を向ければ、飛び込んできた光景に目を見開き。重なり合ったまま手を見るや上体を起こし繋がり先の主を覗き込めば、傍らですやすやと寝入る彼の姿にぽつりと上記を零し、思わず見惚れそうな寝顔に目を細めて。浮かされたがためにちぐはぐな夢幻の中で、確かに我儘として乞うたこととはいえ、この貧弱の手を解くのは容易かろうに。律儀なままの手をそっと引き絡み直しては、火照る頬を彼の手の甲で愛おし気に滑らせ、徐に目を瞑ると思い思いの言葉を並べる。「D'ora in poi voglio sempre stare al tuo fianco.――……ありがとう、ごめんね。」――理解を得られずとも、届かなくとも、ただ形にできればそれでいい。それこそ、仮面の下に隠した邪な欲を暴かれでもされたらひやりとして怖くなってしまうから、伝わらずにさらりと流せてしまう母国の形を身勝手な自己満足として消費する。もっとも、胸の内に潜むこの激動を旋律の狂いなく直す場合、如何様に表すのが良いのかが分からないだけなのだけれど。…いや、それも建前に過ぎないだけで、慣れてしまった隠し事を知られずに、ただ彼には変わらずに笑って傍にいてほしいから。浮かれた十字架を背負うのは一人でもできるのだから、足枷を受けるのは自分だけでいいと、脆く淡い幻想を抱きながら尊い彼の手に頬擦りをし。詰まる息を細く吐き捨てては伏せた瞼を持ち上げ、名残惜しい手を解き落とさぬよう黒き背に温かな手を任せれば、若干の熱を纏わせつつも空いた手を彼の肩に乗せ柔らかな口調と共に幾度か揺すり起こして。)

…ほら、起きて。ねぇってば……ノア、こっち見てよ。


(/何とも慈悲深い寛大なお言葉をありがとうございます…! 気が付けば半年以上もお付き合いいただいて…もう感謝してもしきれない程で、愚息共々貴方様に付いていく所存です…!!※此方返信不要です。
いつの日か挑戦してみたいと温めていた展開は思いの外難しく、果たしてこれで良いのかと苦悩していたのですが…楽しんでもらえていたようで何よりです。もし負担であればこのまま続行希望だなんて、愚息揃って贅沢な事は言えないと思っていましたので、その申し出は大変有難くぜひぜひ看病してやってください。折角ですので、まだ熱の抜けきってない小一時間後でお返しさせていただきました。さてさて、息子様が寝ているのを他所に、この機会を逃してはいけないとばかりにたらたらと駄文を失礼しました。何分語学に疎い当方がない頭を捻って並べた愚息の言葉は、全く…これで合っているのか。多少疑問の余地がありますが無能な頭では無駄な足掻きになりかねないので、誤りがあったら大変申し訳ありません…。例の如く愚息の言葉の意図もご用意しておりますので、必要とあらばお申し付け頂ければと思います。)


  • No.304 by Noah MacNeil  2018-11-23 07:39:29 



>Leone

――…ん…、れお…ね……?

(よく、夢を見る。それも生来の過度に悲観的な思考回路が要因か、どちらかといえば悪夢に苛まれる事が多い。…特に、彼が絡む悪夢といえば、すべからく最悪の末路と最低の目覚めを己にもたらせる物なのだが。幸か不幸か、今日この時ばかりは日頃の傾向に当てはまらず、与えられた少しの刺激と信じられない程柔く温かな、けれど心臓をきゅうと切なく締める音に起床を促されても尚、心は先の甘やかな夢に浸かり切ったままで。一応開閉こそしたものの、薄ぼんやりと焦点の合わぬ瞳で見上げた先の優しい蒼の色味に、手枕から徐に持ち上げた朧の頭はこれが夢の続きであると安易に誤認して。「――…レオーネ」寝起き特有の少し掠れた声で、まずは何よりも一等愛しい音の連なりを。続け臆することなく眼前の紫紺と視線を絡めては、ふにゃりと柔く蕩けるように表情を緩ませ。「レオーネ…レオーネだ、」まるでそれ以外の言葉を知らないかのように、恐ろしい迄に優しく、真綿で包むように丁寧に、幾重にも彼の名を重ねていく。最早それを遠ざける必要もないとばかりに、その双眸を確り捉え本格的に体を起こしては、いつの間にか離れてしまった熱を無意識下に求め、柔らかな兎の背に置かれていた手を彼の頬へと。触れた先の滑らかな感触はリビングでの、それこそ夢現のような一時を微かに想起させ、未だに灯る病熱も己と同じ類いのそれに違いないと真の覚醒を促すには至らない。果てには、欠片の憂いすらも除かれた無垢の微笑を一層に深めつつ、ごく自然な仕草で反対の頬へと顔を寄せ――このまま特段抵抗を示されなければ、瞼を伏せての軽い口付けを施そうと)


(展開任せに楽しませて頂くばかりで、貴方様の苦悩に気付かず誠に申し訳ございません…! こちら完膚なきまでに病身の息子様の魅力にやられておりましたゆえ負担などという事は全くありませんが、ただ貴方様に楽しんでいただけているのかが唯一気掛かりですので、何かご要望や相談等ありましたら、どうぞお気軽に仰っていただければ幸いです。こういった方向に話を持って行きたい、などでもお伝え頂ければ精一杯尽力致しますので…! 
えー…食事をご用意すると言いつつ、折角の寝起きシチュと普段より短い割に多動気味に好き勝手やらかしてしまっておりますが、どうぞご自由に描写を一部蹴るなり突き飛ばして正気に戻すなりなんなりと…すみません。そ、そしてまたなんと素敵なイタリア語を…! 意味を調べましたところ、その後の流れといい天使を見た気分になりました…可愛い…。…そろそろ愚息には、こっそりとイタリア語の勉強でもさせておいた方がいいかもしれませんね、笑)

  • No.305 by Leone Celadon  2018-11-25 06:34:39 


>Noah

――……えっ、ぁ……ノア……?

(まだ彼の中の夢幻が織り成す微睡みに浸っているのか、呼びかけに甘く惚けたまま答えては己の姿が視界に入るなり、緩めて向けられた笑みに甲高く鼓動が飛び跳ねる。奏でる一音までも蕩けた好意に、静まったと過信していた熱が忙しなく騒ぎ立てるようで、続けざまに連呼される名は妙に擽ったい。もしや欲深な戯言を聞かれでもしていたのではと、有りもしない憶測が駆け巡っては、浮かされた熱に表立った頬がみるみるうちに紅潮に染まり。けれど、それすらも見逃さずに頬へと伸びる手は、先の何処かの御伽話のような夢幻を鮮明に想起させ、再び甘い煌めきを纏った黒き騎士の誓約が交わされでもしたらと、たじろいでは恥に耐え兼ね目線を泳がせ。まるで道化への慈悲に零された甘言の時と変わらぬ対面に、気を紛らわすべく声を掛けようとしたのも束の間、流れるような迷いのない施しが頬に落とされて。滑らかな仕草のあまり、その感触に覚えはあるものの、己の身に何が起きたのか飲み込めず呆然と音を漏らし。母国では挨拶代わりに日常的に溶け込まれているそれは、一般に頬を合わせ音を鳴らするものを指した筈で、親密な相手に対してであれば彼のそれも間違いではなく寧ろ正しいものではあるが。これまで積み重ねてきた身勝手に押し付けた欲への唐突な仕返しにしては似つかないその意図を汲み取れず、これが眠る前に告げられた悪戯に値するのか、それとも単なる挨拶に過ぎないのかと困惑の渦を巻き。不意を突かれ床に就く前よりも激しさを増して耳まで色付かせた火照りは、思考だけに飽き足らず胸の奥までも熱く締め付けさせられては、堪らず彼の肩を押し出しつつ顔を逸らし。自身でも恐ろしく制御できない有様を悟られるよう、病身を装って身を包む上布団を掛け直し縮こまりながら、寝惚けたままの彼へ目覚めを促すも動揺を仕舞えぬまま我儘を押し付けて。)

ノアッ! 起きて、我儘言うから。起きなかったら絶交だから…! ……ええっと…水っ。喉乾いた、熱い…飲みたいから、持ってきて。…ダメ、かな?


(/あばばばばっ…口下手故に誤解を招きかねず大変失礼しました。頭の中で思い描けても文に起こす時に手間取る自身を嘆いているだけですので…貴方様がお気に病む必要は一切ございませんのでご安心くださいませ! 当方も幾度となく息子様の魅力に癒されては悶えての繰り返しで…いつもご馳走様です。笑。
展開に関しましても、大枠しか決めずに提案させていただいただけですので、ここまで広げていただいて本当にありがとうございます。とはいえ、貴方様に憂いが残ってしまうのが気掛かりで、少々本展開の意図をば。結論から申しますと、先にお話しした通りやってみたかった願望と、息子様に甘えたかったというのが本音でして…はい、お恥ずかしい。その中で分岐やらを作りつつ、楽しみながらも今に至る次第ですので、このままお好きな形で回して頂ければ…!
これからも愚息はイタリア語を油断しながら零してる気がしますので、こっそり学んだ息子様に筒抜けになるのも面白いかもしれませんね。)

  • No.306 by Noah MacNeil  2018-11-27 07:35:02 



>Leone

…ふふ。林檎みたいになっちゃったね。……あ、もう。レオーネ…――逃げないで。…俺の事、見てよ。ずっと、俺だけを……ねぇ…

(柔く頬へと触れた唇を離せば、既に濃く色付けられていた紅が一層その色を増したのを視認し、ついへにゃへにゃと締まりのない笑みを浮かべ。純朴にも耳まで染め上げた赤味は、とある赤い果実を連想させ如何にも美味しそうで――それこそ、歯牙を突き立て丸齧りにしてしまいたくなる。さすが夢というだけあって、こうまで色良い反応を示してくれる愛しい彼の虚像に、欲を煽られ自然己の唇を赤い舌でちろと舐めては、更なる情の発露をと再度顔を寄せようとした所で静止の手が入り。己を引き離し布団の中に身を縮めてしまった彼へ少しばかり不満げな瞳を向けつつ、仕方が無いとばかりに短い吐息を零す。が、それは不承や容赦を示すような生易しい物などでは断じてなく、すぐさまその枕元へ片手を付き、ずいと躊躇なく身を寄せて。軽く覆い被さるように落とした陶酔の囁きとは裏腹に、口許へ緩やかな微笑を描きつつ見下ろす双眸をすうと細めては、獲物を前にした捕食者かの如き眼光を刹那に灯し。「――ッ!? っぜ、絶交…!?」しかし突如飛び出した不穏極まりない単語に思わずびくっと体が跳ね、顔を青ざめると共に慌てて身を大仰に引いて。それまで心身を色濃く纏っていた微睡みなど一息に払われては、未だ己の仕出かした悪事や現在の状況を省みる余裕こそ取り戻せていないものの、兎角その我儘を聞き届けなければと狼狽える頭の回転率を必死に引き上げ「だっ、駄目なわけないよ…! えっと…み、水ッ、水だね! すぐに持ってくるから…!」先刻の危うい寝惚け振りも何処へやら、常の吃音を撒き散らしながら酷い焦りの滲む承諾を示し、ぐるりと身を回すように立ち上がる。脇目も振らず、今にももつれ転けそうな慌ただしい足取りの下、どたばたと派手な騒音を引き連れ急ぎ部屋を後にして。)

(そうでしたか…!恐れ多いお言葉をありがとうございます。貴方様にも楽しんでいただけている様でほっといたしました、相も変わらず読解力に欠けるが故に何度も読み違いを本当に申し訳ありません…!
どうにもつい深読みをしておりましたようで…お気遣い感謝致します。此方としましても息子様をそれはもう甘やかしたくて愛でたくて仕方が無く、そういった展開は大歓迎です! はたして愚息にまともな病人の看護が出来るのかは怪しいところもありますが、精一杯努めさせて頂きますね。
なんという美味しい展開…まだまだ看病を楽しませて頂きたいので何時の事になるかは分かりませんが、次の時間経過時には必ずや多少なりとも勉強させておきます…!※こちら返信ご自由に)

  • No.307 by Leone Celadon  2018-12-01 22:58:05 


>Noah

え、あ、ちょっ……――ノア…行っちゃった。

(過激な挨拶を打破する不本意な言を真に受け、我に返るなり血相を変えあわふたと脱兎の如く駆けた背には、自然と伸びた手は届くはずもなく虚空を掴み。彼が扉の先へと消えた途端、人肌の感じられぬ静まり返った自室に残されては、いよいよもって歯止めの効かない激動がぽろぽろと流れ落ちる雫となって表れて。訳も分からず何度袖口で擦ろうとも溢れ出す涙は、塞ぎ隠してきた泥を代弁するかのように現実を見せつけ、痛い所を突かれた願いは夢幻を歪ませ反響し続ける。「…逃げて、ない。僕は…何で……。違う、違うよね…?」傍に寄り添う無口な親友へと語り掛けても返答が得られるわけもなく、染み付いた防衛本能の一手は歪な私欲の塊を一層に募らせ、抱いた形への是非も付けることのできない悶々とした渦に心の臓が締め付けられて。それでもこの背筋が凍るような悍ましさは、先の溢れんばかりに施された温もりに近づきすぎたからで、頬の熱と共に高まる鼓動も寒気を訴える身震いも病身のせいと暗示をかける。朧げな記憶を頼りに夢現に落ちる前まで遡れば、同様の我儘に覚えがあるもそれを先に押し付けた者が今更背けることなど――口を濁す躊躇いしか生まれない違和に色濃い影を落とす。あの熱が恋しいと欲する我儘が絶えないのは、醜悪な欲を押し殺し偽善の体へと塗り固めても、いつの間にか有りの儘を受け入れられているような感覚で憎めずに。赤く腫らした目を強引に抑え込むと、汗で纏わり付く衣服を彼の居ぬ間に替えてしまおうと腰を上げた矢先、ぐらりと浮遊感漂う眩みに襲われベッドから鈍い音を立てて横転し。過度な渇きを覚える身を起こそうにも鉛のように重く圧し掛かる倦怠感に抗えず、漂い蝕み続ける病身の魔の手に苛まれては、小さな呻き声を洩らしながら床に蹲って。)


(/お待たせしました。今年もついに今月を残すだけになりましたね…日に日に気温が下がってきましたがいかがお過ごしでしょうか。此方は堪らず暖房器具を使い始めました。笑。
毎度のことながらこの若輩者にご配慮いただき、貴方様の誠実さ、人柄の良さが伝わってまいります。いつも息子様には惚れ惚れさせていただいておりますので…思う存分愚息を可愛がってやってください! 何時でも楽しみにしておりますので、ぜひぜひ折を見てその展開も混ぜていきましょう。※こちら返信ご自由に)

  • No.308 by Noah MacNeil  2018-12-04 07:05:42 



>Leone

…………、よし、死のう。…やっぱり、俺なんかが身の丈も弁えず馬鹿げた夢なんて見るべきじゃなかったんだ。それを違えたから、だから、よりにもよって弱ってるあの子にあんな…あぁあぁ……絶対、気持ち悪いって…っ何を勘違いして調子に乗ってるんだって思われた…! せっかく頼ってくれたのに…どうして俺はいつもいつも……。

(あれから、ただ飲み物を用意するにしては少しばかり長い時間を経て。ふと眠る前に彼が空腹を訴えていた事を思い出し、水を用意するついでにとレトルトのチキンヌードルスープをトレーに乗せた所で、机上に両手を付いては独りグダグダと強烈な自己嫌悪に苛まれ動けずに。すぐに要望の品を届けるとは言ったものの、あれ程の悪事を働いておきながら、一体全体どんな顔で彼に会いに行けば良いのか。一応頬への口付けは現住地において挨拶に留まらない事もないのやもしれないが、しかしそれにしても男同士で、というのはあまり見かけないようにも思え。絵に傾倒する余り一般教養どころか常識すら割と欠落している己の判断基準にあまり自信はないが、絶交などという不穏な単語を持ち出された事から鑑みても、彼に相当の不快感を与えてしまったのは間違いない。だって、あれ程に頬を朱に染め、恥じらいに瞳を逸らし、果てには布団の中へと逃げ込んでしまうなんて――「…すっごく、可愛かったなぁ」…いや、そうじゃなくて! 早急に贖罪の方法を考えなければならないというのに、彼の気も知らず単なる病身故の症状を著しく曲解し、忽ち横道へ逸れんとする愚か極まりない頭をガンッと強く机に打ち付け制裁を。至極条件反射的な言動だったが、額に赤味を帯び重々しく響き始めた鈍痛により邪念や憂心が一時払われると、いい加減に病身の彼の元へ戻らねばと勢いのままトレーを掴み。次いで、急ぎ足にて階段を登り彼の部屋前へと至れば、未だ躊躇いの滲む数度の控えめなノック音の後、ひどく恐縮気味な謝辞と共にゆっくりと扉を開く。…しかし、目当ての彼はベッド上にはおらず、代わりに床で蹲るその姿に息を飲むと同時、弾かれたように手中の物を乱暴に床へ置き、再度室内に慌ただしい足音を響かせて。うつ伏せの身体を起こすべく腕を差し入れ仰向けにすると、強い狼狽を表情に宿し、心配そうに腕の中の彼を覗き込み。)

あ、あの……あの、レオーネ、さっきはごめ…――ッ!? どっ、どうしたの! 大丈夫…!? もしかして、熱が上がって…ッ。


(/こちらは背後が寒がりゆえ、一ヶ月前には既に暖房器具を引っ張り出しておりましたね…まだまだ夏真っ盛り中のC達が少々羨ましいです、笑。何かと忙しなく肌寒い時節となりましたが、どうかお身体には気を付けてお過ごし下さいね。
こちらこそ、貴方様の寛大さやお優しさにはいつもいつも感謝するばかりで…! また、大変に嬉しいご許可まで本当にありがとうございます。ではでは、ちょっと例の如く愚息の方が悲愴で極めて面倒な性格故にすんなりとはいかない事があるやもしれませんが、お言葉に甘え全力で可愛がらせていだきたく思います…!※こちら返信不要です)

 

  • No.309 by Leone Celadon  2018-12-08 16:31:18 


>Noah

……ん、赤い…痛そう。…でも、かわいい。よくできて――ッ!? ぇ、ぁ…っや、あの……、……

(浮かされた熱に蝕まれ滞った澱みを吐き出すも軽くなるどころか、寧ろ不安を掻き立て苦痛を煽る重音が響くばかりで、眉間に寄る皺が増し目の前を覆う闇が深くなり。苦悶に満ちたまま暗闇へ逃げ帰ると、愚者を出迎えるのは脳裏に焼き付いている己を囲う凄惨な眼。何故望んだことを受け入れないのか、何時まで進展のない茶番に浸れば気が済むのかと、あの頃から変わらず淡々と問い掛けてくる。無数の眼が嘲笑うかのように不快な熱を這わせ、泥沼化した悪夢を延々と垂れ流す最中、慌ただしい効果音が乱入するや項垂れた身体が起こされて。覆っていた闇が薄れ眩く差し込む光に導かれるまま固く閉ざした視界を広げれば、傍らに己の身を案じて心配そうに見下ろす幻影の姿が映し出され、定まらない焦点でも目を引く一点を赤く彩った額をぼんやりと眺め。卑しい欲求を体現するかの如く現れた像は、都合良く甘美を謳う夢幻に誠実なものの何処か抜けている愛らしさにふにゃりと笑みを零し、腕を伸ばしてはその患部をそっと指でなぞり。流れるように額から滑らせ柔い頬を包めば、やけに現実味を帯びた感触に微笑を浮かべるも、徐々に曖昧だった夢との境目が明瞭になるにつれ愛でていた手を止め。改めて幻影の正体を注視しその者を判別するや、惚けたままの回路が一瞬にして目を覚ますと同時、肩が飛び跳ねわなわなと身を震わせ限界を迎え咄嗟の隠れ蓑にと彼の胸へしがみつき熟れた顔を埋めて。以前の教訓も生かせず、遠ざけるどころか煩い鼓動も火照った熱も伝わり兼ねない危機的状況に陥り、手近な場所の認識だけで逃げてきた過ちを悔いたところで動けるわけもなく。押し退けるように強張った身を当てながら、狼狽しきり遁辞を弄する余力もなく閉じ籠る一手へ逃げ込もうとした矢先、不意に温もりを伝って波紋を起こす音が奏でられ。意識を向ければ己の聞き飽きた目障りな代物とは異なる鼓動が、臆病者の籠を壊すでも追い出すでもなく、ただ荒れ狂った心を魅了し安堵を与えるもの。彼が織り成す音色に心酔し、余計な雑念を強張りと共に排除し身を委ねると、それをより深く浸れる心の臓の上に手を当て恍惚の笑みを浮かべすっかり聴き入って。)

――……、この音、好き…温かくて、擽ったい。なんだろ…うん、好き。



  • No.310 by Noah MacNeil  2018-12-11 20:55:25 



>Leone

えっ、え…? な、なん、…レオーネ……? ッ、あぁあああの…っ!?

(慌ただしく駆け寄り抱き起こしたはいいものの、ぼんやりと此方を見上げ柔く崩される相好に強く心臓が跳ね上がり硬直する中、続け持ち上がった指先にて額の赤味が愛でるように撫でられて。瞬く間に困惑一色に染め上げられた頭ではどう応じればいいものやら皆目検討が付かず、細くすべらかな指先がもたらす擽ったさにぴくりと身を震わせては、反射的に瞼を下ろし羞恥と煩い拍動をただひたすらに耐え忍び。やがて頬へと移る手の平の感触を受け、恐る恐る瞳を開いてみれば、心を掴むような愛らしくも凶悪の微笑みを映す羽目となりいよいよ頭が沸騰し。ぶわわ、と音の立ちそうな勢いで頬を朱に彩ると共に、熱い手の平から全身に痺れるような甘い感覚が広がり、耳元で轟くかの如く鳴り響く己の鼓動が頬の柔らかな感触以外の五感を蝕んでゆく。逃走かはたまた暴走か、どちらかへと至る直前に何やら慌てふためくような挙動のもと引っ込められた熱源に安堵や名残惜しさを覚える間もなく、何を思ったか己の胸へと顔を押し付けるようにしがみ付かれて。自然極度に密着する形となった互いの体に熱が上がり、ひゃっ、と声にもならぬ実に情けない悲鳴が密かに上がる。…よもや、先の悪事の仕返しに心臓を破裂させてやろうという目論見なのだろうか、などと馬鹿げた極端の憶測が脳裏を掠めるほどに、突如として陥ったこの奇怪な状況も彼の意図もまるで捉えられず当惑しては、やり場をなくした両の手をおろおろと虚空に彷徨わせ。しかしながら、過度の密着により平時よりも高い体温と早鐘の鼓動が彼の病状を大仰に己へと伝え、僅かながらも思考が冷え咄嗟に理性的な対応を口にしようとしたその時、不意に零れた慈しみの音色に見開く瞳が一層の動揺に揺るがされて。添えられた手の位置からして、彼が聞いているのは先刻から壊れたかのように高鳴り止まないこの心音だろうか。いずれにせよ、この密着度合いで、それも極上の笑みまでをも引き連れて、よりにもよってその単語を陶然と繰り返すのは駄目だ。…絶対に駄目だ、これでは先の後悔も虚しく、ただでさえ脆い己の理性などあっという間に溶かされてしまう。別段告白を受けたという訳でもないというのに、更なる燃料をくべられた頭の芯はグラグラと熱を持ち、全身の血液を沸かすような狂おしい愛情が苛烈に身を焦がして堪らない。気が付けば行き場に惑った両手は彼の背と頭部に回り、その華奢な身を思うがまま強く抱き締めては、鮮やかな蒼の髪に頬を擦り寄せて。)
 
……ほん、と? ――…すき。俺も、…好き。君の音も、色も、何もかもが……すごく、好きだよ。…だいすき……。

 

  • No.311 by Leone Celadon  2018-12-16 07:34:27 


>Noah

(惚れ込んだ音の前では仕出かした愚行は一瞬にして頭の隅から完全に消え失せ、瞼を伏せては歓喜のあまり吐息を漏らし、一定の間隔で魅了し続ける愛おしい演奏に入り浸り。畏れもなく純粋なままで過ごせる理想の舞台の中で唯一気に喰わないのは、言いつけを守らず癇癪を起した悪餓鬼が駄々を吐き散らすように、騒音をたらたらと流し続ける己の音。調律を狂わしかねない回路からの悲鳴に耳障りに駆け続ける鼓動、それだけでも顰蹙すべきものであるというのに、妙な熱までもが彼の音だけに酔いしれる一時に水を差す。内に募る鬱憤で心がざわつき始めるも赦しを施す手によって背と頭が宥められては、もっとと乞う我儘すら解かす懐へと預けたままの身を抱き寄せられ、ぶるりと反応を示しながら彼という鳥籠に閉じ込められて。もし憐れな愚者を外界へ曝さぬように縛り付ける鳥籠が、今まさに包まれている空間と同等のものならば、喜んで外の世界への未練を静めることも出来ただろう――貪欲で在り続ける限りは泣き喚くだろうが。些か自由が利かない代わりに先より良く聞こえる音に加えて、肌で感じる安らぎに改めて陶酔し掛けた矢先、告げられた告白に現実へと引き戻されては閉じた瞼を持ち上げる。…今し方彼が零した一言は己が口にしたのと同じ形をしているのに、心に受けるそれを注がれる立場に転じただけで、似て非なるものと別格に思えてしまう。欠陥品ではあるもののこれでも演奏家の端くれ、そこに課せられた役目が創り上げるだけでなく汲み取るのも含まれるならば、彼が奏でる音に秘められた想いに応えるのが礼儀。暗闇の底に沈め閉ざした向こう側から早くと言わんばかりに、忙しなく扉を叩かれ返答の形を急かされるも、今回ばかりは緩み許さず雁字搦めに鎖を掛け直す。背けず向き合うことが正解であると頭では理解していても、実行に移すだけの度胸がこの小心者には足らず、喉元まで出かかった代物を呑み込み茶を濁し。描いた弧を崩さずに逸らす視線も恐れを隠し平静を装う声色も、すぐ仮面の下に出る癖を見破られなければと話をすり替えようとするものの、浮かされた熱も相俟ってか己でも気づかぬうちに当てたままの手は意思に反して彼の胸元をきゅっと握っていて。)

……、……また、そういうこと言って……。僕なんかより、そういうのは…本当に必要な相手に取っておいた方が良いよ。……ねえ、それよりこの匂い…何か持ってきてくれたの? 朝から何も食べてなかったし、喉もカラカラだし…早く口にしたいな。――…だから、早く離して。

  • No.312 by Noah MacNeil  2018-12-18 12:53:10 



>Leone

……えっ? あ……、あぁ…そう、か。…ごめん…ごめん、なさい。俺、また…また、間違えた…。――…もう、君にこんな事言ったりしないから。…ほんとに、ごめんね。

(――愛しい、愛しい。腕の中へ閉じ込めたその熱が、愛おしくて堪らない。可愛らしく身体を一つ震わせ、抵抗もなくすんなりと身を委ねる様に堪えきれぬ愛情が溢れては、己のそれと同じく早鐘のように響く心地の良い鼓動音に瞳を細め、理性に欠ける更なる甘言を口走ろうとした矢先。返答として紡がれた愛しい声色に宿る温度は己のそれとあまりに相反する冷や水と変わり、熱に浮かれた思考回路に同様の冷静さをもたらせて。…すなわち、先の不可解な彼の言動は病に思考を侵され本意でない言動を取ってしまったに過ぎず、そんな相手に自分は衝動のまま過ぎた想いを告げたのだと、今し方の己の所業を自覚するや全身が総毛立ち、忙しなかった心臓はどくりどくりと嫌な鼓動を立て始め。本当に自らの視野狭窄な暴走癖には呆れ返り物も言えないが、せめてもの救いは、先の告白を友愛のそれであるとまた勘違いをしてくれた事だろうか…、などと言葉の表面をなぞるだけの浅い理解を再び為そうとするも、さすが二度目ともなれば、水に絵の具を落とすかのように重苦しい暗澹の色がじんわりと胸中に広がっていき。今日のリビングでの一件については、既に色々と考察を巡らせたけれども――彼がその優しさ故に、友人の過ぎた熱情に対する不快と嫌悪を押し隠し温情を施したのだという可能性を、何故自分は微塵も想定していなかったのだろう。あの時の彼にそんな色合いは一欠片とて視えなかった筈なのに、今目に見えて示された拒絶に容易く煽られる自己への憎悪にも似た悪感情が、底の底へ密かに残した淡い期待までをも食い潰してゆく。そんな至極妥当の答えをどうにか震え混じりに結び、唐突の冷水に面食らい硬直してしまっていた腕の力をようやく緩めて。続け肩に手を添えやんわり身体を離してやれば、少々違和感のある彼の仕草が伺えたが、そこに浮かぶ微かの暗い色すら“そういう事”かと特に疑問は抱かずに。しかし、ドア横へ乱暴に置き捨てた食事を届ける前に、まずは彼をベッドへ戻さなければと沈む心をフード奥にしまい体勢を整えようとした折、己の胸元へ伸びきゅうと掴んだままの彼の拳に今更ながら気が付き、一瞬頭に疑問符を浮かべ停止した後あわあわと早合点を。)

…えっと、そう、レトルトなんだけど、スープもついでに作って来てて……え、あの…レオーネ? ……ごっ、ごめん、俺全然力ないから…肩くらいなら貸せるけど、君を抱えてベッドに戻すのは多分…その……。や、やれって言うなら、でも…あの、が、頑張るけど…っ!

 

  • No.313 by Leone Celadon  2018-12-22 02:54:15 


>Noah

……怒ら、ないんだ。…って、キミはそういう人、だよね。…大丈夫。ノアは、何も間違ってない…。ただ、僕には受け取る資格もないから……だから、謝らないで。

(――色が変わった。伝う音色は素直な純愛に満ちた調べで澄んだ海底に差し込む神秘の光だったのに、一転して何人もを映さぬ底なしの深海への様変わりは、震える紡ぎと脈拍が訴える味に奥歯を噛み締めて。恐らくその要因は己の非力さ故に遠ざける言質を突き付けたのが明白、いっそ厭きれるか檄を飛ばし見限ってくれればとさえ願うも、彼自身が悔いて吐いただろう言に顔を歪ませ。心臓が潰されるかのように己にも深く突き刺さる矛が、どれだけ彼の温もりに甘やかされてきたのかを物語り、肺に堪った張り詰めた空気を細く吐き切れば柔らかな吐露を零し。…僕の声はまだ届くだろうか、鳥籠の外へと出れずとも、形のない音ならどこまで響くのか。恋焦がれて光へと手を伸ばしたのは己自身だというのに、踏み止まったまま要らぬ不安ばかりを与え続けてしまう奴が、何にも代えがたい好意を受けてまでどの面下げて釈明できようか。呪いの力を借りれば彼をこの呪縛から解放させることは造作もないだろうが、幾多の術を知り得ていても自分勝手の卑しさが甘美に付け込むばかりで、振り回しては都合の良い捉え方への逃避を繰り返す。だからこそ、一心に受ける権利も謝罪を受ける道理も、何一つ授けられる資格は――。離れた先でも壊してしまった笑みも見れずに伏せたまま、進歩の無い一手が性懲りもなく彼を苦しませると知っても尚、淡い期待と確かな信頼を持って何度目かの我儘を口にし。縋ったままの手をそっと離すと、即座に戯言を塗り潰し何事もなかったかのようにへらりと笑って見せて。繕った笑みが通用しなくとも現に陥った不調には偽りはなく、空っぽのものを多少なりとも満たせばきっとこの悔恨も、次第に重くなるだろう瞼と共に暗闇へ閉じ込めてくれるはず。愚者を殺して虚像を演じるのは板に付いていたはずなのに、孤独を強調する病魔と醜く澱んだ畏れとが共鳴してか気が狂いそうな内声を映した瞳は定まらないものの、用意した物の在り処を尋ねてはこてんと首を傾げて。)

もし、赦されるなら…キミの力を貸して。――実は起きてるのがやっとで、結構しんどいんだ。まだ怠いし…でもスープなら飲めそう、ありがとう。…で、それは何処に?

  • No.314 by Noah MacNeil  2018-12-24 22:11:44 



>Leone

……レオーネは、優しいね。…本当に、どこまでも…。

(…どうして、そんなにも痛ましげな顔をするのだろう。諸々へのようやくの理解に至り謝罪を口にすれば、予想に反する声音の柔らかさと不可解の表情に思わず戸惑いの色を浮かべ。施された身に余る慈悲に深く頭を垂れこそすれ、よもや怒りなど沸こうはずもない。むしろ拒絶の返答が当然だろうと、暖かな旋律へ素直に膝をつき縋り付かんとする衝動を抑え、返って必死に己への暗色を探すも叶う事はなく。いよいよ困惑を深め心を揺らがせた後、ややあって微かに震える瞳を眼前の紫と恐る恐る交じ合わせては、硬い表情筋と結ぶ口元を僅かに緩ませ礼の言葉を。そして、“……だから、俺みたいなのにつけ込まれちゃうんだ。” 彼が抱いたに違いない己への嫌悪を上塗りし、気遣いの言葉を吐かせたのは果たして過剰の罪悪感か、それとも我儘への恩義か。どちらにせよ、彼にそんな顔をさせたくないと、あの日確かに願った望みと酷く相反する現状に俯き、数多の色を醜く煮詰めたような掠れ声がフード奥に小さく落ちる。錯綜する胸中の彩りを一瞬閉じた瞼の裏に覆い隠すと、此方も彼に従い平生を取り戻すべく、いつもの暗色の瞳をゆるりと開き直し。「――っそ、そうだよね! こんな所に倒れてたくらいだし…気が利かなくてごめん、すぐに…ッ! …ええっと、ご飯はドアの所に置いてあるから…あっ、いや…ちち違うまずは君を…っ」先の心臓に悪過ぎる触れ合いや自覚して早々の失恋に少々頭が別方面へすっ飛んでいたが、冷静になればあれだけの錯乱を見せる程の彼の酷い病態に今更ながら泡を食い。未だ心中に影を差す想いは病身への憂慮で無理矢理に封じ込み性急に腰を上げかけた所で、いや食事の準備ではなくまず彼をベッドに戻さねば、などと手際悪くわたついた末ようやく彼の片腕を己の肩に回して。例の如くスマートにとは全くいかないものの、どうにか肩を貸し彼を柔らかなベッドへ横たえ終えると、次に先刻乱暴に置き捨てたトレーを寝台脇のテーブルへ運び、スープの入った器のみを手元に引き寄せて。湯気の立つ中身をスプーンで掬い取り、数度息を吹きかけては、微塵の躊躇も疑問もない懸命な面持ちのまま、お約束の言と共にそっと相手の口許へ差し出し。)

……あ、ちょっと待って、このままじゃ熱いから…――はい、…あーん。

  

  • No.315 by Leone Celadon  2018-12-28 01:20:34 


>Noah

(例え己を否定しても愛おしい色を取り戻せず擦れ違いが深まるならと広がる連鎖へ触れず、あの妖艶な熱情に感化された後だと何処か嬉しくも少しだけ心寂しく思えてしまうも、今は慌ただしくも救われる振る舞いにクスリと笑みを零し。されるがまま腕を差し出しながら懸命な姿勢をまた盗み見ては、病身の特権を活かしてか何時にも増して自然と触れる肌に、押し殺しても荒い鼓動が奏でる浮ついた身に一人郎色に満たされて。病魔に抗うこともせずベッドへと横たえれば気怠い身体を沈め、息苦しく籠った熱気を深く吐きつつ彼が背を向けたのを黙視すれば、ふと邪険に放ったままの腰袋を見遣り。…仮面の、お前だったら何て言った。彼を苦難に苛ませ曇らせては意地悪く縋るこの状況を一転し、澄ました顔を繕いはぐらかして観客と笑う虚像が目に浮かぶなら、舞台に立つのはやっぱり呪いの方が――。素朴な疑問を吹っ掛けたところで沈黙を貫くに変わりなく、黒兎同様に自問自答を繰り返すだけの懺悔にしかならず、惨めな面を枕へと押し当て己の滑稽さに失笑し。離れた途端に悪態をつくとは随分と我儘で脆くなったもので、せめて誤解を解きに行く前に誓った契を順守する程の役目は果たせと外れた螺子の回路を諭し、テーブルにトレーを置く音を合図に憂色を覆い隠したまま向き直る。湯気の立つ器を受け取るべく鉛の身体を起こそうとした矢先、掬った中身へと息を吹きかける様を惚けたまま眺めていれば、お決まりの言動に目を丸くするもはにかみながら口許を綻ばせ。差し向けられた好意に甘えて口を開き掛けるも、こうもベッドの上で彼と対面するとちらつく甘い熱情に耐え兼ねて、熱く朱に染まる顔を伏せながらスプーンを持った手に己の手の平を重ね、それごと引き寄せながらスープを口にし。彼の何の迷いもなく真っ直ぐとした面持ちを前に、もはや病状か羞恥からかそれらが混在してかドキドキと高鳴りが治まらず、あまりの面映ゆさに視線を伏せた顔を上げられず碌に噛まずに流し込み。戯言を交えた礼を述べては、するりと入る優しい味を求め、空のスプーンを銜えてから催促するように口を開けて見せて。)

…っ、……おいしい。これで、レトルトなんだ。…欲を言えば、ノアの手料理も食べてみたかった、なんて。…いつも、ありがと。――、ん……。


  • No.316 by Noah MacNeil  2018-12-31 08:09:17 



>Leone

っ……おっ、おお俺はあのっ…! …ご、ごめんね、作ってあげられたら良かったんだけど、俺、まともな料理はした事がなくて…。

(これまで、気弱な振る舞いや能力の低さから他人に頼りにされた事などそうそうなく、やむを得ない事情の上とはいえ、それが好意を寄せる相手からともなれば少々過剰の使命感に駆られるのも無理からぬ話。それに加え、元よりやたらと高い彼に対する庇護意識で意図的に塗り固められた頭の中に、よもや他の不純な動機が入り込む余地など微塵もない。…筈だったのだが、真っ向からの見惚れるような微笑の返答と相対するや、つい先ほど受容など有り得ないと芯から理解したばかりだというのに、やはり底抜けに愚からしい心臓が容易く揺れ動き頬に仄かの赤味が差すのを止められず。忽ちおろと彷徨い出す手に常よりも熱い手を重ねられ、スプーン越しに彼の唇の柔さや舌の動きが生々しく感じられた頃には、浅薄な己の行いにようやくの気恥ずかしさを覚え始めて。どうにか戯言交じりの礼へ赤い顔を横に振って必死に応じるも、催促に開く口腔内の濡れた赤い舌を視界に映しては更にドキリと胸が騒ぎ、何やら見てはいけないものを見てしまったかのような感覚に陥り。…い、一体あと何度これを繰り返す事になるのだろう…。堪らず手を引き視線を地へと落とすと、並々とまではいかずとも、たっぷりと器に注がれたその香りに追い討ちを喰らい、クラと軽い目眩が己を襲う。しかし、かと言ってここで彼の看病を投げ出す選択肢など何処にもない以上、腹を決め意気を再度燃やして向き直れば、その後もせっせと少々ぎこちのない拙い手際で彼の口へとスープを運び続け。――カラン。やがて、空となった容器にスプーンを置く小気味良い音を響かせると、やけに長く感じられた心臓への責苦も忘れ、改善に向かいそうな彼の病態にほうと安堵の息を。「…良かった、ちゃんと食べてくれて。…レオーネはいい子だね、――…あっ、いや……そ、そうだ薬…ッ! ごめん、薬を忘れて…い、今持ってくる、ね」一先ずの任務達成につい気も頬も緩め彼の頭を愛でようと自然伸ばした手を、触れる寸前にてハッと弾かれたように引き戻し。…危ない、また距離感を誤る所だった。自分へ好意を寄せる男に看病を頼むなど、恐らく相当な苦渋の末の判断だろうに。必要以上に彼の心身へ触れるような真似は避けるべきだと、後ろめたい想いを誤魔化すように顔を背けるや、一方的に急ごしらえの用を告げつつ急ぎドアへと足を向けて)

  • No.317 by Leone Celadon  2019-01-03 07:11:03 


>Noah

――今のは…ごめん。流石に、笑えない。ご褒美、何でやめた…? してくれないなら、薬なんて呑まない。それとも…わるい子になれば、ちゃんとしてくれるの? なら遠慮はしないけど…それでも、文句ないよね。

(神妙な面持ちで待ち構えていれば、多少覚束ない運びに喉を鳴らし温もりが管を通りじんわりと落ちていくのをしかと感じながら、次々と運ばれるスープをゆっくりと時間をかけて味わい。咀嚼の裏に隠れた本心はただ彼に触れていたいだけと、重ねたものを一時離してもすぐにまた引き寄せたがり、私欲に突き動かされるまま捕まえては逃がしての繰り返し。始めこそは羞恥を紛らわせるために捕まえたはずだったのに、もし口にするのがその細い指ならどんな反応を示すのだろうと、初心すら忘れさせ手を焼かす邪な情を抑え込むのに伏せた顔を上げられるはずもなく。けれど、伝う指先を介して己の恥じらいが伝染してか頬を染める姿が目に浮かぶのは、素直に届く彼の想いが味を出しているのか、自己の為に養った洞察と貪欲な感性の賜物か。どちらにせよ、手元に収まりそそる振る舞いを魅せる彼へと惑溺し、大人しく待てができずに身を乗り出し始めた頃には、徐々に病魔の勢いも和らぎ自然な笑みさえ浮かべるようになり。――そうして、噛み締める最後の一手を告げる音が響けば、飢えも欲も満たされた腹の内に一息を吐くと、起こした身に伸びる彼の手を眼で追い。その目的地が頭上と知るや伏せ気味に垂れさせ差し出すも、寸でと触れることなく弾かれたように引き返し腰を上げる態度に、色を失った頭で気が遠くなるような息を呑み。見え透いた口実を付けてしどろもどろに揉み消し去ろうと向けられた背に、耳まで朱を浮かべては勃然として強引に掴んだ裾を引いて――もし、その拍子に倒れるものならそのまま腕の中へと力任せに閉じ込めてしまい。ここまで曝け出しておきながら今更体を作る気なんて微塵もなく、目の前で御預けを食らい癇癪を起す子供のように目に角が立ち、吐き出す吐露の口調こそは波風立たせずとも発せられる音色への真情に柔らかな面影はなく。己ではない標的に矛先を合わせるのは酷く疲れるも、意固地な熱の扇動に浮かれた舵を募る鬱積に取られ、暴走し震える拳は頑なに捕らえたものを離さず握り締め続けて。)


(明けましておめでとうございます! この未熟者の当方に長期に亘りお付き合い頂き、また貴方様と息子様と新年を迎えることができまして大変嬉しく思います。遅筆故に何かとご不便をおかけするかと思いますが、今後とも愚息共々よろしくお願いいたします。
念願だった看病展開もほくほくしながら楽しませていただいて…額を地に擦り付けても足りないくらいです。それに引き替え、新年早々に拗ねる愚息に、子供かッ!と頬を抓ってやりたいものです。笑。次辺りに切り替えさせ喧嘩云々へは発展しないとは思われますが、少し拗ねただけですので、お好きな形で回しながら適当にあしらって頂ければ幸いです…! ※こちら返信ご自由に。)

  • No.318 by Noah MacNeil  2019-01-05 09:52:51 



>Leone

…う、わっ!? ――っ、ごッ、ごめ……ぇ、あ…!?

(ドアへと逸らした視線は彼の変調を捉える事はなく、急ぎ一歩踏み出した足を床へと降ろす間に、突如無防備の身を反対に強く引かれて。案の定容易くバランスを崩し彼の上へ倒れ込めば、その弾みで顔色を隠すフードが肩に落ち、反射的にぎゅうと閉ざしたばかりの瞳を白黒と。それでも辛うじて倒れた方向と体下の柔らかな感触から己の現状を割り出すと同時、顔を赤らめ咄嗟の謝罪と共に胸を押し離れようとするも、その行動は背面へ回る腕により力強く阻まれて。訳も分からぬまま僅かの間隙もなく抱き寄せられては、じかに熱い彼の体温と鼓動が伝わり、落ち着いたばかりの心臓へ幾度目かの高鳴りを呼び起こし。…い、一体全体、何が、何がどうなって。羞恥やら緊張やら戸惑いやら、ぐるぐると目と思考を回しながら暖かな腕の中に抵抗なく収まるも、あまりの至近距離に顔色すら満足に伺えない中、何やら軽い脅しとも取れる不穏当の響きにビクッと身体を震わせ。「!? ッま、まま待って、待って…! あ、あげる! ご褒美、ちゃんとあげる、から…!」あまり吐露の内容を吟味する余裕もなく、とかく表立つ彼の不満を収めなくてはと慌てて彼の背へと両腕を回し。そうっとおっかなびっくり添えるように抱き返しつつ、その内片腕のみを軽く持ち上げては、寸前で何度も引っ込めたり伸ばしたりを繰り返した後、ようやくその鮮やかな蒼の髪へと手の平を埋もらせて。初めは緊張の滲むぎこちのない触れ方だったものの、そのうち指通りの良い柔らかな髪の感触に段々と目尻を和らげ、依然密着し溶け合う互いの体温が逃げ場を失い跳ね回る胸中の熱をも無性に昂らせていく。本来ならこの期に及び込み上げる熱情へ抱くべき苛烈の嫌悪や罪悪感も、こうして己を求めるかのように捕えひしと離さない彼の病熱に何もかもが緩やかに蕩け落ちてしまいそうで。そうしてクラリと揺らぐ意識をなけなしの理性で必死に繋ぎ止めては、頭を愛でる手は止めぬまま、謝意と羞恥に時折唇を僅かに震わせつつ、ぽつぽつと優しく言葉を紡ぎ始めて)

…ごめんね。その…あんまり俺に触れられるの、嫌かなと…思って。…ほら、あの、それもこんな密室で、…ふ、二人きり、だし…。……こうされるの、そんなに好き…? ――気持ち、いい?


(/明けましておめでとうございます!去年は有難い事に貴方様や息子様とご縁を結ぶ事が出来まして、お陰様で誠に楽しい一年となりました。このなり歴も浅く技量不足も甚だしい身にここまでお付き合い頂きました事、深く深く感謝申し上げます…! 文章力やら展開やら、本当に何かと至らぬ所の多い身ではありますが、日々精進して参りますので、今度ともどうぞよろしくお願いいたします。
こちらこそ、普段とは違う息子様のご様子を大変楽しませて頂いております。いえいえ、拗ねる息子様も途方もなく愛らしく…! 新年早々に癒しをありがとうございました、笑。※こちら返信不要です)

  • No.319 by Leone Celadon  2019-01-07 07:30:28 


>Noah

何それ…謝ってとも嫌とも、そんな事一言も言ってない。それとも何? こんな密室で、二人きりだと都合でも悪いわけ?――……。ノアだから、好きなだけ。

(ひしと回した腕の中から顔を赤らめながら逃れようとする試みも、観念してか大人しく収まるも迫る一声に身を震わせる有様に向けるべき可愛げな思考は、募り募った鬱憤の渦の前では皆無に等しく肩口に顎を乗せてはむすっと口を尖らせて。我ながら狭量な心持ちであれど押した末に我儘な要求を呑ませても尚、おろおろと躊躇する彼をただで逃す甘さも杞憂の欠片をも持ち合わせておらず、愛おし気に揺れ動く癒しの音でも足らぬ不満を垂れ流し続け。彼の象徴とも呼べるフードが剥がれ露わとなった襟足を横目に、焦らす応答へと悪事を企てるも割れ物を扱うかの如くその頭を撫でる手の平が置かれ、徐々に滑らかな指通りに宥められれば無愛想なまま小さく鼻を鳴らし。満ち足りた慈愛に優しく紡がれては彼の想いを汲んで応えるのが道理であっても、おいそれとお人好しな言葉を掛けるまで心中を掻き回す雑多な波も収まっておらず、激動に駆られた旋毛曲がりな追撃を仕掛けて。零したのが当て付けた八つ当たりと拗れた回路でも理解出来ても、侵されたくもない第三者の介入を促すような言質に噛み付くほかなく。それでも、絶えず甘やかし続ける温情の愛撫に凝り固まった意地が静め溶かされれば、ばつが悪そうにぽつりと呟き赤らんだ顔を逸らし。撫で受けながら冷静さを欠いた頭を冷やすべく鬱積の残る息を深く吐き切り、入り乱れた鼓動を落ち着かせ愚者に呪いの無い席の役目を全うしろと諭し、贅沢に伝う高鳴りや体温を強請り続ける一心に一区切りをつけ。己が犯した過ちの溝を埋める意を固めれば抱き締めていた腕を緩め、包み支えてくれた彼の愛おしい瞳を真っ直ぐと見据えた上で、リビングでの続きをと蕩けた笑みでゆっくりと口を開き。既に十二分に逃げたのだから、赦しに縋るのも引き延ばす期限も、これ以上の回り道は必要ない。改めて問い掛けた答えも待たずに、彼の後頭部に手を添えて逃げられないようにすれば、耳元で囁くように擦れ違いの元凶を紐解いて。)

…誤解を解こうか。ノア、改めて聞くけど…今でもこんな奴が欲しい?――…僕は、ノアの全てが欲しいよ。その資格はないけど。……今はまだ、ね。


  • No.320 by Noah MacNeil  2019-01-10 07:55:28 



>Leone

…えっ、だ、だって、何か君に変なことしちゃうかもしれな――…いっいや、しないけど! …しない、よ……たぶん…。

(ただでさえ自分へ想いを寄せる気色の悪い男と部屋で二人きりなどという状況、それなりの危機感や悪感情を抱くのが当然だろうという推測に反し、こうも猛然と反抗を示されてはわたつき口を滑らせて。さすが築いた信頼値の分、この程度で心底嫌われたに違いないなどといつものように取り乱しこそしないものの、既に色々と仕出かし済みの後ろめたさに瞳を逸らし口の中だけでもごもごと要領を得ぬものを。しかし、病で少し心が揺らぎやすくなっているにしても、ここまで不満を露わに己などを胸中へ招き入れるとは余程これがお気に入りらしい、と浅いにも程のある解釈をなせば、一先ず余計な口を閉ざし興奮した仔犬を宥めるようによしよしと形の良い頭部を愛で続け。はたしてそんな浅慮を見透かされたのか、決まり悪く吐きだされた小さな音にぴくりと髪を梳く指を止め、…へ? と唇から脳のキャパシティを超えた間抜けな短音が零れ出る。全面に伝う熱い肌の感触や甘く鼻腔を犯す仄かな汗の匂いに己の頭はとうに限界寸前だというのに、もはや酷とも言える追い打ちに頬を染め上げ思考を停止させる内、緩まる腕の拘束に気が付くが早いか、真正面より確り交わされた紫がとうとう己に致命打をもたらして。不意打ち極まりない一転した微笑が宿す蕩けるような好意の色に息をも忘れ、真意を考える間も与えず再度近付く端正な顔に思わず退こうとした身体は、後頭部へ回る柔い手の平の先手により呆気なく阻まれて。――はたして、逃れられず赤く染まる耳へと直接注ぎ込まれたのは、己の名と甘く溶けるような愛の言葉。途端に胸が破けるような驚きと耐え難い喜びに溢れ、劣等意識に歪められていた誤解がするりと解けるも、カァッと一挙に熱く昂る衝動が己を駆り立て「く…っ、くれるの!? 俺に…レオーネ、を…?」何を差し置いてもまず、唐突に目の前でチラつかされた信じ難い極上の餌に無我夢中で喰らいついては、いっそゼロとも言える至近距離に関わらずがばりとその身に勢いよく飛び付き。ベッドへ乱暴にひっ倒した彼の真横に手を付き性急に身を起こすと、切羽詰まり見下ろす暗い灰眼は単なる期待や歓喜のみに留まらず、腹底の重苦しく夥しい熱情をも孕ませて。)

…――いつ。いつ、俺のものになってくれるの。資格、って? …俺が引き換えなら、そんなのいくらだってあげる。何でもいい、何だってする、俺の全てを捧げたって構わない。――…欲しいよ、君が…レオーネが、欲しい。君の何もかも全部、俺が独り占めしたい…

 

  • No.321 by Leone Celadon  2019-01-14 00:33:00 


>Noah

秘密。その時が来たら、ちゃんと言うから。――これ以上野暮なこと聞くなら…その口、塞ぐよ。

(狭い雨傘の下では形振り構わず身に染みる所有印を刻んでおきながら、閉じ込めた籠の中で零されたのは煮え切らずにはぐらかされる締まりの悪いもので、口こそは挟まないものの胸の内に腑に落ちない暗色が膨らみ。束の間の短い休符や単調な音にでさえ心揺さ振られる程、暴かれたくもない象徴を晒す危険を冒してまで、歳にも性別にも不相応な行為を殊更好んで強請る訳ないのに…。殻を破る一押しにと紐解いた先で甘い告白を注ぎ込めば、目の色を変えて喰いつく勢いに緩めた隙間も軽々と呑みこまれ、酔いに浸り油断した隙を突かれた衝撃に思わず瞳を瞑り。何度目かのベッドへと押し倒されれば、即座に身を起こし艶やかな紅潮に染まる頬を向け、自ら手掛ける作品のように底を知らぬ奥深い眼差しに目を細めにんまりと砕けた弧を描き。数多の感情が混ざり合った執心な色合いを宿し、乾いた欲を満たす願いを惜しげもなく差し出し施そうと、心焦がして見下ろす彼の唇に伸びる指をそっと押し当てて。想いを語る資格すら危うい愚者が姿を現しただけでも贅沢なものと言えるのに、自身が課した試練を遂げる術まで温情に縋っては元も子もなしと、直向きな意志へその条件を明かさぬまま我儘な我欲を孕んだ戯言を零し。けれど、病に侵され浮ついた回路に仕込んだ麻酔が切れ、己が口にし仕出かそうとした横着な振る舞いや指先を擽る柔い感触に、羞恥のあまりに色付く顔を逸らしてはわなわなと手を引っ込め。面と向かっての交わりこそ免れても真横に付かれた両の手に追い込まれ、逃げ場をなくした鳥籠で過剰な高鳴りを覚える鼓動に縮こまり、間近に受ける視線に先の面影も空しく上擦り返り。何処へ向けても必然と視界に入る彼を意識した途端、病魔の手から逃れたはずなのに烈火の如く火照り硬直した身体は言うことを聞かず、溜まらずそわそわと落ち着きなく瞳を揺らし。動転する気を抑え込もうとするも平静さを欠いた負の連鎖に陥れば、狼狽しきり停止した思考で今更ながらの尤もらしい理由をこじつけ、宙に彷徨わせた手で掴んだ肩を押し退けようとして。)

っや、あの……、僕の…問題、だし。こ、これ以上は…ちょっと……。――ほほほほらッ! う、つると…あれ、だし……。…く、薬、あるし…。


(/む、息子様から押し倒されるとは…ご馳走様です。笑。差し支えなければ、愚息に資格云々を果たしてから、伝わらないと油断してのイタリア語の告白を息子様に筒抜けになる展開を、いつか近いうちにやれればなぁと思いつつ。資格は既にお察しかと思いますが、毎度毎度当方の我儘にお付き合いしていただいてばかりで面目ありません…。
さて、ずっと楽しませていただいた看病の展開も区切りの良い所まで辿り着きそうため、今後について少々ご相談を。以前>288で幾つかの案を提示させていただきましたが、それ以外でも当方は喜んで物語を紡ぎます故、是非貴方様のやりたい展開を教えていただければ幸いです。また、ご相談等々ありましたらお気軽にお申し付けくださいませ。)

  • No.322 by Noah MacNeil  2019-01-16 22:51:37 



>Leone

…っ、!? …ぁ……――ちゅう、しないの? ……その子には、してたのに…。

(余裕なく瞳を揺らし、病床の不確かな言質へ確約をと性急に迫るも、伸びる人差し指に己の唇を封じられては、戯言交じりの凄まじい反撃にたじろぎ勢いを失って。それでも視線だけは微笑を描く艶やかな薄紅色へと否応なく引き寄せられ、思わずごくりと喉が鳴り。さんざ病の身にある彼の無防備さに気を揉みながらも、保健体育程度の知識しか持ち合わせのない己にはそれが最上級の同性間の行為であるが故に、一体この部屋へ訪れて以降その柔さを幾度として想像したことか知れず。途端にベッドへ着いた右の手中へあまりに生々しく蘇るスプーン越しの艶かしい感触の数々に、咄嗟に赤い顔を逸らし唇へ惹かれる視線を強引に断ち切って。けれど、今になって気恥ずかしさを覚え始めたのか、自らが閉じ込めた檻の中で愛らしく狼狽え逃走を図ろうと試みる彼を見下ろしては悪戯に煽られた期待についしゅんと眉尻を下げてみせ。人差し指の封が唇から外れるやいなや即座に追求の再開を、などという無作法こそしないものの、未だ根に持つ数刻前の一幕が嫉妬心を呼び起こし羞恥をも呑み込むと、ベッド隅に佇む黒兎に複雑な一瞥をくれると共にぽそりと小さな恨み言を。…いっそ、このまま執拗に迫ってみせればよいのだろうか、などと相手の言を逆手取る天邪鬼な考えすらも頭を過ぎったが、可愛らしい振る舞いで逃れんとする彼をこれ以上に追い詰め困らせるというのも気が咎め。かといって、このまま何も得られぬまま引けるほどあの日の約束から続く彼への執心は甘いものでなく、容赦を求める肩の手をやんわり包み取り、そっと感触を確かめるように一つ一つ互いの指と指とを絡めさせ。最後に新たな約束を乞いながら祈るように瞼を伏せると、繋ぐ手首を軽く内側に返し、彼の白く骨張る手の甲へ切実な口付けを落として。)

…約束、してくれる? ……たとえ後で破られたとしても、怒ったりしないから…今だけ、約束して。――いつか、必ず俺だけのものになってくれるって。…俺を、君の一番にしてくれるって。……そうしたら、ちゃんと看病の続きが出来るから…。


(/こ、こちらこそ色々と、本当に色々とご馳走様です…!いつもいつも大変美味しく頂いております、笑。愚息の方は何かと突っ走りがちですが、どちらかと言えば恋人になるまでの過程をのんびり楽しみたいなと思っておりましたので、非常に魅力的な展開案だと思います。まさか不満などあろう筈もありませんので、是非是非お付き合いさせてくださいませ…!
また、いつも展開を引っ張って頂きまして本当にありがとうございます。…すみません、こちらからも少しは展開案を出そうとは思うんですが、>288にて提示して頂いた案が素敵すぎるあまりそちらを消化したくてしたくて…。勝手な言い分ではありますが、もし貴方様のご都合がよろしければ、ずっと気になっていたものの一つである③の甘い晩酌を共に出来たらと思います。ロサンゼルスでの飲酒年齢は21歳のようですが、適当に6月にでも密かに誕生日を迎えたという事にすれば、物語開始時点でまだ20歳の愚息でも息子様と一緒にお酒が飲めるかと…! また、時間経過の具体的な日数は如何致しますか? いっそ数ヶ月程度飛ばしても良いのかなと少し思いつつ、特に強い希望等もございませんので、貴方様の裁量にお任せいたします。)

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