◆ 2018-04-03 00:00:02 |
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>Leone
えっ、だって、明らかに体調が……ッ、ひぁっ!? ――だ、だめっ! よくないっ、それ本当によくない…ッ!
(どうやら自身の不調に未だ自覚がないらしく、困惑の滲む返答に対し尚も心配げな言葉を続けようとした矢先、突如爆弾でも落とされたかのような立ちくらみに襲われ、慌てふためく頓狂な声と共に眼前の双眸を両手で覆い隠して。彼からすればさぞ奇異に映るに違いない言動だったが、熱を孕むも何処か覚束無い焦点のまま、弱々しく頬を染めて儚げに此方を見上げる紫紺の威力は凄まじく、再び迂闊な暴挙に駆り立てられる前にと咄嗟に彼の視界を塞いだだけむしろ理性的だ。しかし、結果的に彼の肌へ直に触れる事となった手の平から伝わる熱の高さに掻き乱された思考がさぁっと沈められては、一転痛ましげに顔をしかめ、そう間を置かずに目隠しの手を徐に引っ込めて。「やっぱり、…熱い。……ちゃんと、ベッドで休んだ方がいいよ」偶然とはいえ辛くも平静を取り戻すと、先の言通り彼の片腕を己の肩へと回し、その立ち上がりと歩行を補助しつつ、ゆっくりと彼の自室へと足を向け。…先の、一概に友情と片付けてしまうには些か度が過ぎるように思えた言動の数々は、全て熱に浮かされたが故の戯れだったのだろう。ただでさえ病に侵され弱った所に心の深傷へ付け込まれたのだとしたら、病身の発熱を恋情と勘違いしてしまっても致し方あるまい。自分如きにそれ程の情を向ける相手がいるはずもなければ、よもや同性である彼からなど望むべくもない話と、やけに都合良くも甘ったるい夢幻の正体を暴き得心すると同時、酷い消沈を覚えては自嘲気味に口端を僅かに歪ませて。――やがて、どうにか二階の彼の自室へと辿り着けば、先程雨に濡れた痕跡があちこちに残るものの、相も変わらず余計な奢侈のない整然とした室内に置かれたベッドへと近付き。主人の帰還を待ちかねていたのだろう、見慣れた腰袋を頭に乗せ鎮座する黒兎の隣へ彼を座らせては、魅惑極まる瞳を晒すだけではなく、危うい色香すら纏い始めたその様から若干視線を逸らしつつ、懸命に柔い言葉を投げ掛けて)
……ゆっくり休んで。…あ、あの、何かして欲しいこととか、欲しいものがあれば何でも言ってね…! ……でも、とりあえずは薬と水、かな…たぶん、俺の部屋にまだ少し風邪薬が残って…。
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