蟲卵_大正時代、アングラ、グロテスク、指名式、3L_

蟲卵_大正時代、アングラ、グロテスク、指名式、3L_

蟲  2016-11-26 12:01:37 
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>架空大正時代後期、蟲、グロテスク、恐怖、アングラ、3L、指名式





女学生A「そう言えばあの噺はもう聞かれました__?」

女学生B「えぇ、えぇ、もう誰もが知ってるわ」

女学生A「それにしても恐い話、……寄らば喰らわれる蟲卵だなんて」

女学生B「肌が粟立つ程に恐ろしい、暗くなる前に帰りましょう。」





大正後期、埃の舞い散る古びた喫茶店で品の有る着物の少女が語る。
夕暮れ時、籠の夜が迎える頃に__げにゃりと鳴く猫の鳴き声一つ。






嗚呼、また一人消えた。


>レス禁止



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  • No.81 by 久坂 薫子  2016-12-03 22:55:10 

>白雨

(名前を呼べない。その言葉に虚を突かれたような面持ちを浮かべれば、困惑を表わすようにはたりと瞬きを一つ。どうやら知らず知らずのうちに、都合の良い甘ったるい夢を見ていたらしい。我が子に対して名乗るなど考えもしなかった、なんて。なんと浅ましく悍ましい考えだろうか。生まれ落ちたものがあまりに寂寥を埋めるものだから、何かが手に入ったと錯覚してしまった。世界中でこの腕に抱けるものなんて、もうわが身しかないというのに。「そうね――。貴方が殻の中で過ごした年月を、わたくしは外で過ごした。きっとそれだけのことなのでしょうね」生まれて来たばかりの子はしかし、己とそう変わらぬ歳月を経た姿形をしており、親であることなど土台無理だったのかもしれない。やった事と言えばきっと、そう、子供を現世へ引き摺り出す産婆のようなものだろう。立ち上がり部屋の隅に置かれた和箪笥の元へと向かえば、濃紺の男物の浴衣と黒の兵児帯、それから手拭いを数枚取り出して振り返る。ゆったりと紡がれた言葉は柔く甘く。しかし悦ばしくも無責任だと感じてしまう己の、なんと醜い事か。ぐるぐる、ぐるぐると胸中を占める何もかもを糾弾するような感情に真綿で頸を締められるような心地を覚えて、言葉を寄越す代わりに諦観の笑みを返せば畳の上にそっと浴衣を下ろし「今、湯を沸かしていますからね。先にこの手拭いで、――」こうして言葉を奪われたのは二度目になるだろうか。晒された素肌のぞっとする様な白さ。この世のものとは思えない幽玄の美を醸す様子に呼吸までもを奪われていたと知るのは、酸素を求めて耐えきれなくなった喉がひゅう、と自らの役割を控え目に主張したからで。「――わたくしは薫子、久坂薫子よ。久しいに坂道の"さか"で久坂、薫風の"かおる"に子供の"こ"で薫子」随分と長い事耳にしていなかった己が名はどこか他人行儀に響き、ようやく三度目を口にしたところで知人の顔を取り戻す。そこで一つ瞬けば、気付けばするりと零れ出た、全く意図しない時機の言葉に驚きを隠せない様子で口元を押さえ「……厭だわ。何で…、ごめんなさいね。すぐに湯を持ってきますから、先にこれで拭っておいてくださるかしら」一を望んでしまえば、きっと十を手に入れなくては気が済まなくなってしまう。何かを望むことにも疲れたと、そう思っているのは紛れもない事実であるのに。どうか覚えて欲しい、名を呼んで欲しい、知って識ってしり尽くして――刻んでほしい。そんな際限のない欲に困ったように眉尻を下げて、そんな表情のままそっと手拭いを差し出し)

  • No.82 by 黒鈴  2016-12-04 14:56:36 


>ルリヲ

(渡された浴衣は遊び心の無い落ち着いた物、少しばかり大きいそれを担ぐように身に纏う。落ち着きある灰色の浴衣と黒の帯は宛ら、蜘蛛。当初の衣類よりも何倍と己の種類を表現する様でからころと笑い声を。とは言え、着る事が上手とは言えずに襟をしどけなく合わせた胸元で腰元で結わいた帯がぐにゃっと曲がる。それでも見様見真似、推測の元に着用したのだ上出来と言えるだろう。そう、自画自賛の言葉を頭に浮かべると気持ちは何処か誇らしくなり満足げに両の口角を半円を描く様に釣り上げて。死んだ蛇のように脱ぎ捨てられた衣類を腕の中に拾えば残る体温も粘液も、全てを無くすように桶へ浮かべ。その桶はそのまま、特に端に寄せるなどと言った気配りは出来なく。足音を立てずに距離を詰める、静かに息をも殺して。真後ろまで身体を寄せれば布越しで有る事など遠慮せずに唐突と前触れ一つ感じさせぬままに彼の二の腕へ食らい付き、何も本当に食べるつもりは無いのだろう。単なる戯れの一つ、猫が悪戯と鼠を甚振り遊ぶだけの行為にも似た些細なもの。食べるつもりは無いが食べる事は出来るのだぞと脅しにもならない遊びの心。その癖力加減なんて出来やせず、噛り付く歯の力は何処までも強いのだから性質が悪い。時間がたてば噛み付いた箇所は青くなる事が予想できるほどにギリ…ギリ…と躊躇わずに力を込めて、くっきりと歯形を刻み込ませては纏う着物が唾液をほんのりと吸い込み色濃く変わる。咥えるように触れていた唇を離すと「 よぉくご覧になって。おじょうず? 」背に回っていたその身をひらりと翻し隣に並ばせ、上手に着れたろうと誇らしげに胸を張る。明確な言葉は無いが、その先に望むのは先程食らうた肉をもう一度。隣に並んだ彼は、今纏う着物の大きさからもわかる通りに背丈が有り、その大きさだけを見るならばきっともう食べられないと思うまでにこの胃袋を満たす事が出来るのだろうとぼんやり思う。着物の裾を指先でちょいと摘まむ様に手にすれば落ち着いた濃淡のそれを見せるように披露して「 ね_ぇ、立派な蜘蛛みたい 」くすりくすり、おっとりとした笑い声を息を漏らしながら漏らしては自らが蜘蛛の蟲であることを確り告げる訳ではないが、それを匂わせる様に言葉として蟲の名を上げて「ぽこりと腹を膨らませたいの」丸みを帯びたその虫を頭に描き、印象付ける為に女性にしては長く肉の薄みの無いその四肢を取り出す様に着物の袖口を捲り。)

  • No.83 by 月夜  2016-12-04 15:27:17 



>朝陽

(静かな部屋に籠っていれば小さく些細な音が脳を掻き乱すか如く鮮明に届く。ひたりひたり、決して大きくない筈の音が餌をちらつかされる様に嬉しくてならないのだ。そして、漸く__開いた引き戸の擦れる音に肩を揺らす。黙りこくり我関せずと気の無い素振りなど甚だ無理だったのだ、俯きがちの顔を少しだけ上げて戻って来たその姿をしかと捉える。同時に向けられた茶化す言葉に先の自らが向けた子供染みた当て付けをずるりと撫でられるみたいに居心地悪く照れ臭い。思わず、顔をまた俯かせてしまう。布団の擦れる音、身体の重みを吸収した布が立てる小さな音、そして何よりもしっかりとした音は彼の声。傍に来ることを許可するその言葉に逸る胸を抑え込み、のろのろと布団へ歩み寄りモゾリと入り込む。布団の温かさはつい先ほど、籠る様に過ごしていた蟲卵に似ている気がして無意識に安心を感じ。続く問いかけ、正直なところはわからないと言うのが正しい返事で有り真剣な眼差しの彼に適当な返事を送る事はなぜが憚られ言葉に詰まる。本当はこの場濁しだとしても頭を縦に揺らして分ると答えるのが正しいのだとわかっているのに、だ。布団の中に座ったままの体制で頭を左右に揺らしては芋虫のように布団の中で体を倒し、先の彼の行動を真似るように寸分と違わない同じ体制を取り「わからない…__でも、暖かい」結局噓をつく事は無く素直に答え、眠れない自らに彼が付き合う事は無いと伝える為に後者に言葉を添えれば「此処は蟲卵の中みたいに居心地が良い」暖かく守られているような安心感、おして何よりも蟲卵越しのくぐもる音ではなく鮮明に彼の声を聴く事が出来る、出て来たこの世は己が思っていたよりも案外良い物だったのかもしれないと思ってしまう程に。何もあなたの声が聞こえるから蟲卵より居心地が良いですと伝えるのは野暮な気がして飲み込み、もぞもぞと一層と細長い身を丸くして)

  • No.84 by 米川 千鶴  2016-12-04 21:17:17 


>手招

( 夢の様な出来事だった。と云うのも本来人間が使う言葉の意味合いとして幸せな出来事を思い起こすかの様な其れではない。本当に夢を見ているかの如くあまりに現実離れした映像がその瞳に飛び込んできた為此れは夢を見ているのではないかと脳が錯覚を起こした結果が此れである。手を伸ばした正にその瞬間中の其れは突如として外へ出ようと踠き始めた。大きな揺れと共に起こった音は中に息を潜める化け物がどれ程大きいものかを思い知らされるには十分過ぎるものであり伸ばした指先は黒に触れる前にぴたりと動かなくなってしまった。謂わば此れは危険信号でありこれ以上は危険だと身体が叫んでいるのである。然しその黒にぱりん、と割れた音が響いた時には遅く伸ばした手は其の儘にその不思議な生命の誕生をこの目で見ようと湧き上がる好奇心と共に身体は其処に止まる事を決めたのである。其処から先の出来事こそ、夢の様な出来事。みるみるうちに広がった小さな穴ぼこは気味の悪いぬちぬちとした液を伝い零し乍広がって行き遂にはその中で生を築いた生命が顔を覗かせる。”化け物”と呼ぶにはあまりに人に似ているし、”人”と呼ぶにはあまりに奇妙なその生物は人を喰らうか鋭い歯を覗かせてまるで世に月を描く如く口はゆるりやかな弧を描いてゆく。粘膜でしっとりと濡れた赤くも美しく不気味にも取れる髪が光に照らされれば相手のいるその部分だけこの世のものではないのではないかとさえ錯覚する。更に驚くは唇から溢れる言葉は悲鳴でも鳴き声でもなく、人の言の葉という事であり腹が減っただなどと言う様はまるで人の子の様。遂に相手が此方へと向かい始めたその瞬間一連の出来事を言葉1つ溢さず瞬きすら忘れて見詰めていた身体は底知れぬ危機感に意識を弾き起こされ初めて「あ、」と声を漏らす。俺を喰らうのか、と言葉を紡ごうにも開いた口は開閉を繰り返すばかりで上手く言葉を紡げずに )

( / 此方こそ有難うございました!せめて御礼はと思いましたので言葉置かせて頂きます。これからどうぞ宜しくお願い致します )

  • No.85 by 白雨  2016-12-04 23:10:10 



>薫子

――、薫子さん。(誰の事を指しているかもわからない"あなた"だなんて余所余所しい呼称を使いたくなかった、それは単なる我儘なのだ。問うた答えが中々戻らず、代わりに空気が一つ死んでしまったかのように不思議と背がひんやりとした。それも短い時間の間、教えられた名前を耳にすれば耳馴染みが良く季節を連れた品のある名は正に目の前の女性に相応しい物だろうとスンと腑に落ちた。そう思えば教えられた名をちゃんと、自らの唇を動かして己の声で呼んでみたいと願ってしまう。自己分析をした己はこうまでも欲深かったのかと初めて知る、差し出された手拭いではなく細いその手首を恐る恐ると握るように触れて。先程指先を感じた時もそうだ、彼女と言う存在は自分の力加減一つであっと言う間に壊れてしまいそうで触れるのに勇気を要する。それでも優しく温かいその手に触れるのが心を穏やかにするもので、触れたいと思うのが罪なのか。綺麗な響きのその名を伝える彼女の表情が何処か曇りを持ち、微笑んでいるのに表情と内面が伴っていないような違和を生み、その些細な表情の違和が何を意味しているのか、経験も知識も下手をすれば思いやる心すら持ち合わせていない己にとって理解し推測するのは難しい。こうして手を掴み触れているのに、その心にほんの少しと寄り添えない事の歯がゆさが息苦しさに変るのだ。もい、自分にもっと知識が有れば彼女の心の陰に触れて退けてあげることが出来たのだろうか、もしもを考えるときほど虚しい事は無いとなんだか少し寂しくなる、「…薫子さん、俺はお湯なんかじゃなくて水だけ頂ければ十分なのです。だから__お湯を用意するのに必要な時間を傍にいるのに使ってください」掴み、触れていた手をするりと離せばそこで漸く本来の目的である手拭いを受け取って。)

  • No.86 by 手招  2016-12-04 23:52:26 


>千鶴

――くん、くん、…招チャン、いっぱい食べる(ずるり…ずるり…細長い身体を滑らせて距離を詰めれば匂いを嗅ぐ動作を言葉で表しながら鼻を使い酸素を肺に送り込む。生物の匂いと言うのは何処まで自らの鼻孔を心地良く擽り空腹を煽るのだろう、嗚呼お腹すいたなぁ。べろり、と下唇を舐めり食事を目の前にされたように後は食らうだけ。細長い腕を伸ばし掛けたその時に、にゃあごと猫が一声何処かで鳴いた。ぱちくり、拍子抜けをしたように瞬きをすればその声を辿る様にか、満月に導かれてか粘液の足跡を一つ二つと廊下に残しては歩き始め、外へと出向く。「招チャンこっこの方が好き」見つけた、それは庭に住み着く猫の家族。目当ては大きな母猫なんかじゃない、巣の奥に守られるように丸まり眠る数匹の子猫。ギラギラ、と月夜に瞳を光らせて「美味しそお」生唾をごくりと飲み込み手の平ほどしかない生まれたばかりの子猫の尻尾を掴み、母猫から引っ掻かれるのも気にせずに「ニャアゴにゃあご。招チャン何言ってるかわかんないョ」悪気なんて感じないのだ、生き造りの魚を食べるのと同じ気持ちで有り罪悪感だって一つも無い。鋭い歯を突きさす様に柔らかな子猫の柔らかな腹肉へ突き立ててガヴりと貪り付き滴る血液をソースに変えて未だ未発達な骨ごとがりがりと、子猫の顔だけを地面に落せばもう一匹へ手を伸ばし。残る子猫を全て食したところで指をペロペロと舐めり「招チャンまんぞく」ごろん、と身体を横に倒し真ん丸の月を見上げる。独り言のように漏らした呟きが静かな夜に響き、この不幸を嘆くのか母猫がどこか遠くてにいにい鳴いている。それはとても心地よくて母親の子守歌のように両目を伏せ、鋭い歯は生き血を啜る事で変化を遂げる。体に浮き出ていた入れ墨がスーと引き、異常なまでの食欲が消えた。モゾモゾ、と身体を動かして倒していたその身を起こすと「招チャンのとおさま探さなきゃ」はた、と思い出したように名付け親を思い。きょろきょろと周囲を見渡して)

  • No.87 by 藤岡 朝陽  2016-12-05 00:15:40 



>月夜

( 今度はもぞりと身体ごと振り返り、また自身の腕を枕に小さく息を吸った。これを緊張と形容してしまうのは何だか憚られるけれど、多分限りなくそれに近い感覚が、呼吸音を立てない様にと変に意識をさせるのだ。まるで結婚初夜の女の様。鼻息が聞こえてしまわないかと意識して、寝返り一つに気を使い、指摘された事の無いいびきを今日に限って立ててしまわないかと心配になる、あの神経が張り詰めてしょうがない恥じらい。いやにむず痒いその感覚を、この歳になって大の男と同じ布団に潜り込む事で抱くなんて誰が予想できただろう?その上この男は、巷を賑わせる「化け物」だ。…さすがにそこまでの緊張ではないものの、生憎心臓に毛は生えていないので己も普段通りとはいかず、細く頼りない身体を丸めて布団に潜り込む男の黒いつむじをただ黙って見ていた。しんと暗い部屋の中、静かに耳を立て彼の言葉を飲み込むと、「…そう。それは良かった。」と内緒話みたいに優しい語り口で返事をする。下にしていない方の腕を伸ばすと、はらりと彼の黒髪に指を通した。緩慢な動作で二度撫でつければ、「目を瞑って、黙っていたら良い。」と子供をあやす様に告げ、すっと手をひっこめるとまたくるりと背を向けこちらも蹲る。―――こんな就寝は今日限りだ。暗闇に慣れ始めた瞳を遮るように瞼を閉じて、いつもより深く掛布に入り込んだ。こんな夜はもう御免だが、それでも隣の温もりは誰にも譲ってやれない。他のどんな喜びも楽しみも今は、この男と秤にかけるまでもないのだ。“お前がいればそれで良い”なんて、恋愛小説にありそうな一文は事実、有り得るものだと一人思った。冴えていた目がすう、と微睡んでいくのが自分で分かる。もう、月夜は夢の中の存在ではない。あの黒い卵と出会う前、夢で見たお前が今、背中越しに息をしている。朝に襲い来る虚しさとて、幻の逢瀬には敵うまい。そう思っていた過去の自分に、声高々と言ってやりたい!―――幻の逢瀬等絶対に、見て触れられる現実に敵いはしないのだ。 )

( / いつも丁寧で素敵なお返事を有難うございます。月夜君もこのまま眠りにつく様であれば、次から翌朝の描写に移らせていただきますね。勿論、夜中に目覚めて何かしら行動を起こしたいという場合も喜んで対応させていただきますのでお好きな様にしていただけたらと思います。 )


  • No.88 by 月夜  2016-12-05 15:47:45 


>朝陽

(髪を梳くような優しい手つきで頭部に触れられると真似て伏せていた眼を薄らと開く、二度程繰り返されたその行為が何処までも優しい物に感じると又も依存が心に住み着き。欠片も無い睡魔が一層と距離を置く様に触れるその手をもっとと願い、あやす様な声色で向けられた目を瞑ると言う指示に慌てて両目をまた瞑る。両目を瞑り、黙りこくって、時間を過ごす。静寂が煩くシィ――ン…と頭に響くようで暗闇の中で薄らと目を開いた。もぞり、背を向けていた体を振り向かせ、一定の落ち着きを持つ寝息を立てる彼へ顔を覗かせると両目を閉じても尚見せるその顔は凛とした男前なのだ。ゾッとするほど、美しくて黙っている彼を見れば極上の肉を皿に置かれたような気になるのだ。彼に名を貰うだけで自らも強くなった気がするのだ、彼の肉を喰らえば自身も彼のように背を伸ばし堂々とした佇まいが出来るのでは、そんな思いが胸に落ちるまで夜と言う存在は人の気を狂わせる。布団の中で温まる片手をぞろりと這わせ取り出せば乱れ一つないその顔へ指先をそろと触れさせて、__やわらかかった。触れる顔の感触は柔らかく、それは同時に彼の浮かべる優しいその笑みを連想させるようで心臓のあたりが痛みを帯びる。熱い物でも触ったように触れた指先は反射的と弾かれて、「__俺の分の良い夢を、全部朝陽に」起こさないよう潜める声はひっそりと、静寂に落ち。ゆるりと小さく微笑を浮かべては再び目を伏せる。眠る彼が起きてしまわないか、恐れながら長い片腕を伸ばすと彼の腹上を通る様に背後から抱きしめる形を取り、密着する事で一層と強く暖かさを貰い、また渡して。眠りについたのはそれからどれ程時間を過ごした後だろうか、太陽が顔を乱す頃に漸く意識は途切れ。ただ、只管と、無条件に彼の温もりを貰い彼の凛々しさに触れたいと身を寄せて、土の中に埋まる芋虫のようにモゾモゾと顔を彼の項辺りへ沈めては短い睡眠に溺れ)

(/此方こそいつも素敵な文章に心を惹かれております!是非時間軸を飛ばして翌朝に持って行って頂けると有り難く思います…!確認をして頂けてそのお心遣いを嬉しく思います。ありがとうございます!)

  • No.89 by 蟲  2016-12-05 15:55:58 



_ 蟲卵決定表 _


蜘蛛__黒鈴(クロスズ)
「"おかわり"は、いずこ?未だ満たされないの、もひとつ、おかわりをちょうだい」
 /女/20~24/160cm/NGL/
 スラリと伸びた細身の身体、凹凸の無い薄ぺらい物。黒色の髪は腰元まで伸び、白装束を乱しながら着用する。黒い髪に白い肌、赤い眼が特徴。伏せ目がちの垂れ目はおっとりとした性分を表している。
 食い意地の張る常時飢餓に悶える蟲、要求が強く欲しい物は欲しいと無自覚の女王気質、年相応に大人びたかと思えば不相応に幼稚、従順と見せかけて主を喰らう隙を狙い息を潜めているだけ。
 満月の夜には腹と額に幾つもの眼が浮き出して抑えが利かない強い食欲を持つ、生血を啜らなければ戻らない。
主人
>№18_倉井ルリヲ(クライ―)



蛾___月夜(ツクヨ)
「要らないのなら欲が生まれる前にあなたの手で俺を消して、欲が産まれればもう手遅れ」
 /男/17~20/177cm/ML/
 黒色の髪は月明かりで色味を変える濡れ羽色のマッシュボブ、顔を隠す様に前髪が長い。細身で貧相な身体付き、所謂書生スタイルの和洋折衷な服装。切れ長の垂れた瞳は垂れた形、極度の猫背。
 産まれた事を後悔し息をする事も悔やむ蟲。堅物、卑屈、陰鬱、の三大苦を抱える。欲を一度持つと堪え性の無い欲しがりに変貌する為、そうなる前に消えてなくなりたい。閉鎖的な思考。蝶と双子。
 満月の夜には薄汚い茶色の羽が生え広がり、抑え込んでいた欲が全て表に立つ。生きている事の肯定をしなければ戻らない。
主人
>№11_藤岡朝陽(フジオカアサヒ)



蜂___砂乱(スナミダレ)
「泣く泣くお前を宥めよう、俺の幸せは――嗚呼、お前の幸せだ」
 /男/14~16/165cm/NBL/
 黒髪被せの下が金色の金黒ツートンの髪、襟足が項を覆う程の短髪。愛嬌のある猫目と口角の上がる顔、幼くあどけない。藍色の半袖短パンの甚平を着用。犬歯のように鋭く八重歯が尖る。
 無邪気の毒を世に蔓延らせる蟲。人見知り知らず、懐っこく愛嬌の固まり。子供扱いをすると不貞腐れる、凛とし古びた喋り方が特徴。口達者で話をする事が好き、輪を掛けて無知な知識。
 満月の夜には瞳の色が赤くなり、透明な羽が生え、犬歯から毒が出る。その幼さを受け入れて愛でなければ元に戻る事が無い。
主人
>№4_津崎雪呼(ツザキユキコ)



蛍___白雨(ハクウ)
「篠突く雨が僕とあなたを引き離すのです。ザアザアと降り続けては、終わりを知らせずに__」
 /男/20~24/175cm/NBL/
 黄金色の柔らかい猫毛の短髪、黒色の瞳は切れ長で余り大きくない。足元から白、黄、藍、黒、と色が変わる着流しを着用し上に紫色の羽織を纏う。紅色の下駄。黒色の少し大きい山高帽子を被る。
 自由を好み短命を謳歌する蟲。縛られる事を良きとしない、気儘で気紛れな飄々とした自由な存在。執着や独占欲が薄く、己もまたこの存在を記憶に残される事無く生きる事を望む。欲が極端に薄い。
 満月の夜には黒色の瞳が黄色に輝き、髪もまた闇夜に光る。食欲は薄いが無理にでも肉を喰わせて元に戻さないと元が短命の蟲なので直ぐに死ぬ。
主人
>№54_久坂薫子(クサカカオルコ)



百足__手招(テマネキ)
「招チャン、鶴チャンの事好きだよ。好き。鶴チャンも招チャンの事好きでしょ?」
 /男/20~24/178cm/ML/
 赤ワインのような深い赤色をした髪は肩口に掛かるまでの長さが有り、項の所でお団子のように括る。黒色の着流しを着用する。狐目と言うのか細い釣り目は線のように瞑られている事が多い。
 自己中心的な貪る愛を強要する蟲。一方的に愛して愛を押し付ける、口下手の喋りたがり。語彙が無いせいで説明不足の喋り方をする。息継ぎ無しの早口。自己犠牲の性分が見られる、好きな人は好きだから仕方ない。
 満月の夜には鮫歯のように歯が鋭くなり、脇腹から胸に掛けて百足の刺青が浮き出る。満月が明けるまで一時も離れずに触れていないと戻らない。
主人
>№76_米倉千鶴(ヨネクライズル)



_ 蟲卵未決定表 _




蝶___籠女(カゴメ)
「熟れて落ちる寸前の愛を私に贈りなさい、ピンセットで額縁に貼り付けて飾りたいの」
 /女/17~20/155cm/NGL/
 艶やかで華やかな、幼くも熟したアンバランスの美を持つ女。紫色から桃色のグラデーションの髪は胸元までの長さが有る。簪と着崩す花魁着物、凹凸の有る体に咥えるのは金細工の派手な煙管。釣り目。
 愛を玩具にする愛に酔う蟲、気が触れた情緒不安定な気紛れ、愛されたがりの愛したがり、愛せないならもう要らないと身勝手に相手を振り回す。気高いナルシスト、常識知らず。自己中心。蛾と双子。
 満月の夜には背中に大きな蝶の羽が艶やかに生え広がり、堪えきれない欲情に駆られる。口付と満足する贈り物が無ければ戻らない。



蟻___ 朝な、夕な(アサ―、ユウ―)
「もう一斗缶の焚火に思いを馳せる事ないでしょう」『帰る故郷なんざ無きに等しく!さあさ、諦めろ!』
 /女(朝な)男(夕な)/8~10/146cm/NBL(男性募集)/
 黒色の肩口までのおかっぱが夕な、白色の肩口までのおかっぱが朝な。揃いの深紅の着物を着る。右目が黒、左目が白目黒目の反転した物。 朝なは垂れ目、夕なは釣り目。朝なの右手首、夕なの左手首がくっついている。
 依存が強く戯れに進む道を惑わす蟲。朝なの右手首の先、夕なの左手首の先がくっつく為身体が離れることの無い双子。理性の朝なと本能の夕な。控えめな朝なと賑やかし、喧しい夕な。鏡写しの正反対。
 満月の夜にはその身が離れ、その身が20程まで成長をする。が、菓子を喰わせて戻さないと一定以上体が離れると呼吸が出来ずに死んでしまう脆い蟲。



蚯蚓__甘露(カンロ)
「夜が更ける前に何を語ろか、__月明かりじゃ少し物足らん。真丸の月が死ぬ前に生を謳おうぞ」
 /男/34~37/180cm/ML/
 くすんだ桃色の短髪はオールバックに掻き上げられて、毛先は黒く襟足に掛かるまで。年相応の皺が顔に刻まれる中年の面。白の警察服を纏い、同様の警察帽を被るが全く関係は無い。姿勢が良い。
 戯言で人を振り回す自己満足の蟲。口にする言葉は八割が嘘二割が適当。凛とし誠実な見た目とは裏腹に適当に生きる豪快な性分。小さい事は微塵と気にせず、信じるのもまた己だけと冷静を欠かない。
 満月の夜には蛇の如く細身の身体が疼き、縄の痕のように体中に痣が浮き出る。この際に告げる言葉は普段と変わり本心が多いが、言葉を述べるより先に人を喰らってしまう。生肉が無いと戻らない。


>※現在、上記蟲卵の御相手を募集しております。



_ 蟲卵について _
>№43(http://www.saychat.jp/bbs/thread/611409/res/43)

  • No.90 by 蟲  2016-12-05 22:45:42 



(/募集上げです)

  • No.91 by 久坂 薫子  2016-12-05 22:47:16 

>白雨

(伸びてくる繊細な指先が手拭いを通り越し、己の腕を掴んだ時には大層驚いたものだ。しかしそれよりも、まるで壊れ物でも扱うかのような手付きに込み上げてくる笑みが押さえられず、つい口許が緩んでしまう。──わたくしより、貴方のほうがずうっと儚げなのに、と。だがいつまでも余裕を保っていられた訳でもなく、決して強い力で押さえられているわけではないのに、まるで彼という存在そのものに絡め捕られてしまったかのように動くことができない現状に僅かな戸惑いを滲ませて。やがて手が離れれば知らず詰めていた息をそうっと吐き出し、同時に告げられた言葉に瞳を丸めて首を横に振り「だめよ、それでは風邪をひいてしまうわ。──大丈夫。もう沸く頃ですから、良い子で待っていて、…ね?」水だなんてとんでもない。人とは違う生き物なれど、冷え込む雨の夜に冷たい思いをさせるなんてできるはずもなく。先ほど包丁を取りに寄った際に火にかけて来ているからそう時間は変わらないと宥めるように微笑んでは、黒曜の瞳を覗き込むように見つめて濡れる髪を軽く撫ぜる。つい、いつまでもこうしていたいと思ってしまうのは何故だろうか。そんな願いと呼ぶには即物的な感情を何とか振り切って立ち上がれば、畳に転がる血濡れた包丁と鶏の死骸とを拾い上げて先程と同じように部屋を出た。野良猫にでもあげてしまおうか、と血の通わない生肉の処遇を考えながら台所へ赴き、多少は雨音が掻き消してくれるとは言え極力物音を立てないように。しかし急いで片付けと準備を終え、新しい手拭いと湯を張った大きめの盥を抱えて足早に来た道を戻る。襷掛けを怠ったせいで寝間着の袖が汚れてしまっているが、そんな事よりも早く彼の元に戻りたいのだ。そんな浮ついた気持ちでいる己をもう一つの視点からどこか冷静に見つめながらも、まるで幼い頃に両親に内緒で出かけた時のようだと、重いものを運んでいるせいか僅かに上気した頬に幽かな笑みを浮かべては彼の待つ自室へと戻り、一度廊下に盥を置いてから襖を開き)

  • No.92 by 白雨  2016-12-06 15:36:26 



>薫子

(掴んでもするりと消えてしまう、手の平に少しばかりの余韻を残して無くしてしまう彼女の温もりを触れていた手の内に残してはカチリと重なる視線の先に焦点を合わせ。髪に触れる手付きに心地よさを覚えながら、無条件に自分に良くしてくれる彼女の温かみを嫌と言う程に味わうのだ。きっと己はこうして彼女に縋り、貪るまでに彼女の優しさに付け込んで身勝手に生を謳歌するのだろうと思う。嗚呼、なんと情けない事か__小さく細身のその身体に自分と言う存在は重たすぎるだろうに、気丈にも彼女は折れる事をしないのだと察することは容易くて。出来る事と言えば余韻ばかりを残して部屋から立ち去るその姿を瞳に残すだけ。少しずつ遠退いてしまう足音が次第に雨音に掻き消されてしまえば残るのは自分一人ぼっちと嫌でも自覚し、それ以外の音を求める為に受け取った手拭いを使っては身体を拭う。糸を引く粘液が途端、吐き気を呼び起こすようで気持ち悪さが喉奥から競り上がる。彼女が傍にいるときはそんな事無かったのに、だ。彼女が傍にいるだけでどれ程までに無条件の安堵を貰っている事かと言い締められているようだった。おぇ、と嗚咽を一つ漏らせば手拭を反射的と口元に宛がいひゅう、ひゅう、と嘔吐感を堪える事で喉の隙間を使うような呼吸を数回行う。込み上げるその感覚が薄れると口に当てていた手拭を離して、近づく足音に瞳を大きく喜んだ。「薫子さん、」瞳をゆうるり、細め上げれば独り言がぽつりと漏れる。そして直ぐに開かれた襖の先にその姿が見えればよろりと身体を起こして立ち上り、「すみません、大変だったでしょうに。__僕よりも薫子さんが倒れてしまう」眉尻を少し落として困惑を滲ませ、それだけじゃないのは待っていた彼女の姿を見た事で嬉しさを隠す事の出来ない微笑で。ふと、先ほどまでは無かった彼女の袖に汚れが作られている事に気が付いて「__僕に出来る事が有れば何でも、何でも言って下さい」して貰うばかりでは申し訳ない、生血を啜った事で身体が確りとしてきた自覚が有るのだろう。力仕事だって彼女より出来る自信が有るのだと伝える為言葉を綴り。そこまで言葉を綴ってはくすくすと小さく笑い声を上げて「薫子さんに声を掛けられるの、ずっと楽しみにしていたから。今の僕は少し熱に浮かされて足が地についていないんです」考える事も浮かぶ言葉もたくさんで選択するのが難しい、それ程までに蟲卵である己に声をかけ名を付けてくれた彼女と顔を合わすことを楽しみにしていたのだと無自覚だったそれに気が付いて少しだけ照れくさくなる。気恥ずかしさを持った笑みを零せば、やっぱり雨音が心を穏やかにしてくれるのだと瞳を細め)

  • No.93 by 蟲  2016-12-07 10:10:05 


(/募集上げです。)

  • No.94 by 倉井 ルリヲ  2016-12-07 20:57:45 


>黒鈴

(衣擦れの音が聞こえても襖を見るともなく見て考えを巡らせればとりとめがなかろうが瞑想じみた静けさがある。そのせいか差し迫った気配に気付いたのは息遣いを腕に感じたその時で、瞬間「――ぐっ。うっ……」目は見開き唸り声を噛み殺す、油断していた体中が強張って嫌な汗がどことなく滲みたった一瞬で息の仕方を忘れたように喉が閉じた。顔を顰めて奥歯を食い縛っても噛みつく歯にギリ、と力が入れば濁った唸りが零れ良くも悪くも痛みに意識ははっきりとしていて、食い千切るなら容易いだろうにそうしないのはこれが食事ではないからだと冷静に堪えていられる。可愛いげのない戯れは終わるのも唐突で、思い出した呼吸をぎこちなく整えながら二の腕を抑えると湿り気を感じるがやはり食われてはいない、隣に並ぶ姿を見れば「黒鈴……」どこかか細い低い声、目に浮かび頭を占めるのはひたすらに切なさ。可憐で無邪気で官能的に残酷な美しいこの蟲に食われてみたいと思う、しかしそれを良しとしない、どうしたって相手を少女とは思えない本能と薄れない異常嗜好はもはや不治の病でしかない。見つめる相手が口にした虫の名前に漸く複眼の意味が分かり、女郎蜘蛛だと言うのなら納得が出来る白くしなやかな四肢が晒されるとそっと目を逸らし「一人にしてはお上手。ご褒美をやるから、俺を食べるんじゃあないよ」ポケットから紙ごと残りを相手に渡せば立ち上がってもう一度襖を開き、使えない掛け布団の代わりにさせようと掻巻を引っ張り出してほら、と頭から被せてしまいぽん、と一度頭に手を乗せ「あとは良い子にお休み」そのままのそのそと掛け布団やら殻やらを部屋の隅に片付け)

  • No.95 by 久坂 薫子  2016-12-08 00:21:38 

>白雨

(開いた襖の先。己を待っている誰かが確かにそこに居ると言うのはこんなにも心弾むことだったのかと、近づいてくる姿をぼんやりと見つめて思う。できることだなんて、ただそこに居てくれるだけでいいのにと向けられた微笑に笑みを返せば、微かな笑い声と共に告げられた言葉に驚きと歓喜とを綯交ぜにした表情を浮かべてぱちりと一つ瞬き「まぁ。奇遇ですね、わたくしもですよ。――ふわふわと覚束なくって、まるで夢でも見ているかのよう」今ならば分かる気がする。蟲卵を拾ったその日から欠かすことなく声を掛け続けたのは、きっと今この時を望んでいたからに違いないのだ。想っていた。待ちわびてた。――日ごと成長する黒き卵から何が生まれるのだろうかと、まるで恋に焦がれる少女のように。気持ちの共有とはかくも暖かなものなのかと、思わず堪らなくなって再び黄金の髪を撫ぜる。数度指先を髪に通してそれでもやや名残惜し気に腕を下ろせば、盥を室内に引き入れて新たな手拭いをその横に積み「さ、冷めないうちにどうぞ。――着ていた服は日が昇ったら洗いましょうね。そのまま乾いてしまうと困るから、盥の中に入れておきましょうか」畳は丁度張り替えようと思っていた頃で、敷布と毛布もきっともう使う事の無い来客用の一組に過ぎない。粘液に濡れて困っているものと言えば彼自身と彼の纏う服のみで、部屋の片づけはそう急ぐことでもないと思えば翌朝以降に持ち越すことにして。和室には少し不釣り合いだが使い込まれた鏡台から黄楊の櫛と、自身の着替え用に箪笥から白の浴衣と紺の伊達締めとを取り出し「貴方の部屋の準備が終わったら、呼びに来ますからね」と一度微笑みかけてから再度部屋を後にする。廊下に踏み出した瞬間から早く戻りたいと思ってしまうのが可笑しくてつい笑い声を零せば、隣の書斎で着替えを済ませてから客間の一つへと布団を一組持ちこみ「まるで、あの人が居た頃みたい――」違うとは分かっていてもそう思わずにはいられない。彼のために寝床を整えている今の自分が記憶の中の自分の姿と重なり、しかしそれでも、"あの人が戻って来たみたい"とは微塵も思わない。懐かしさと新鮮さとがせめぎ合う中で隣の客間にも同じように布団を敷けば、自室へと戻り室内に向かって「……終わりましたか?」と襖を開けてもいいか確認するために声を掛け)

  • No.96 by 黒鈴  2016-12-09 16:08:36 


>ルリヲ

(底抜けの食欲を言葉にするならいっその事、それも個性の一つなのだろう。喰えども食えども満たされない胃袋を少しでも穴埋めしてやろうと、渡されるだろう先の干し肉を待ち侘びて。褒め言葉よりも肉が欲しいと思うのは犬ころでさえ褒め言葉を望むのだからそれ以下の畜生とでも。再び取り出されたその包みに両の眼を奪われるとその動きを逐一と逃さずに追いかけて、渡されたそれを手の内にしては人によってはたかが干し肉。されど飢えに飢えた胃袋の蟲にとっては極上の肉に違いなく" まあ、おいしそう "そうとでも言いたげに口角を上げて。ぺたりとその場に座り込んで包みを開き。干された固い肉を唾液を塗すことで少しでも柔らかく戻しては、むしゃり…むしゃり…と食べ始め。その中で何やら仕度をしているその様子をぼんやりと眺めればクルリ、機械人形か梟のように頭を垂らし「 黒鈴はいま起きたばっかりよ。ねむたくなんて無いわ 」出された掻巻を頭から被されればそれの温かさに心が震え、されど納得がいかないと頭は垂らしたままに不満を訴えて。温かいそれを落とす事無く頭から被ったまま「 おしゃべりしましょ。初めての満月なのに、落ちる姿を見れないなんて我慢ならないの 」己にとって真丸の月は大きな意味を持つと教えられた訳じゃなくとも本能に刻まれるのか、見ているだけで心臓が戦慄くようなのだ。瞳は爛々と冴え渡るし、美味しい食べ物だって手の内に残っているのだ。寝るなんて、なんと勿体ない事か。「 るりを、貴方が少しでも目を離したら…__わたしはきっと、おかわりを探しにいくわ 」にこり、にこり。澄ましたように微笑ながら被さる掻巻の隙間から動き回る彼の姿を見やり、時折ぺちゃりと干し肉に舌を這わせ歯を立てて。謳う様に一人でつらつらと綴るのはなんたる脅し文句か、自分が寝れないからと彼まで道連れにしたがるのは自分本位の我儘でしかなく。"ああ"と吐息を漏らすほどに小さく声を上げれば「 雄の肉だって黒鈴はぺろりと食べちゃうのよ 」おかわりはお前かもしれないぞ、暗にそれを含ませた言葉をしたり顔を浮かべては満悦と続け)

  • No.97 by 倉井 ルリヲ  2016-12-11 04:12:27 


>黒鈴

ははぁ、聞き分けの良い子はどっかに行ってしまったらしい(お休みと言えば素直に従うと思っていた、起きていても腹は減るだけなのだし渡した干し肉を齧りながら掻巻でぐるりと丸くなるものだと。それなのに聞こえたのは拒否であり夜更かしへの誘い、とりあえず隅に片付けた物の始末をこれから考えようとしていたのだから思わず乾いた笑い声が漏れてもう随分前の事にさえ思える相手の言葉を思い出して軽く呟き。動いた様子はない相手を振り返ったその表情が僅かに固まったのは澄ました微笑みが告げた脅迫のせいで、肉を舐る蟲の食欲を認識した今ではあまりにも真実めいていて、聞いて思い当たるのはこの家の家主である老夫婦の事だが次いで思う心配は夫婦の命ではなく食われてしまっては食と住に困ってしまうな、などという不謹慎なもの。そのうえ更に声が続けば『おとおさま』なんて呼んでいたのはどの口でお転婆に見えないと思ったのは誰だったろうとまで思えてきて、先程噛みつかれた二の腕の痛みはまだ生々しく疼いているというのに焦りよりも危機感よりもかえって面白い気になってくる。思い返せば不思議な事に、食われたくないとは思うくせに切羽詰まって逃げようとかは一つも思わない「お前は言う事をきかせるのが上手だねぇ」くつ、と喉を鳴らして砕けた口調を漏らせば六畳一間、たった数歩離れた相手へと足を向け「お喋りは得意じゃあないが、食われてもやれないから。黒鈴、月が落ちるまで付き合おう」蟲卵の殻は今度こそ女学校の焼却炉へ、どうせ粘液を吸い込んで乾いてしまった畳も布団も日が明けてからどうにかすれば良いと決めてしまえば相手の正面に胡坐をかき、腿に肘をついて掻巻から見える顔をのぞき込むように首を前に倒して)

  • No.98 by 蟲  2016-12-12 17:53:25 

(/お返事が遅れており申し訳ないです!PLが体調を崩しておりまして、文章が考えられない状況です。先ずはこちらのご報告が遅れてしまったことお詫び致します。体調が良くなり次第お返事をさせて頂きたく思いますので、今暫くお待ち頂けると有難いです。)

  • No.99 by 久坂 薫子  2016-12-13 20:23:15 

>主様
(/まずはお知らせくださりありがとうございます。
ここのところすっかり冷え込んで参りましたので、どうか無理をなさらずにご自愛ください…!お返事はいつになっても構いませんので、お元気な姿を見せていただければ幸いです。本体からのみとなりますので、下げで失礼いたします。)

  • No.100 by 倉井 ルリヲ  2016-12-15 21:55:22 

>主様
(/体調を崩されたとの事で、こちらは気にせず体調が戻るまでどうかゆっくりとお休みください。
また、他参加者様につきましても忙しい時期ですし病気も色々と流行っていますので無理はなさらずご自愛ください。交流こそありませんが、素敵なロルや展開を楽しく拝見させていただいております。それでは、失礼致します)

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