蟲卵_大正時代、アングラ、グロテスク、指名式、3L_

蟲卵_大正時代、アングラ、グロテスク、指名式、3L_

蟲  2016-11-26 12:01:37 
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>架空大正時代後期、蟲、グロテスク、恐怖、アングラ、3L、指名式





女学生A「そう言えばあの噺はもう聞かれました__?」

女学生B「えぇ、えぇ、もう誰もが知ってるわ」

女学生A「それにしても恐い話、……寄らば喰らわれる蟲卵だなんて」

女学生B「肌が粟立つ程に恐ろしい、暗くなる前に帰りましょう。」





大正後期、埃の舞い散る古びた喫茶店で品の有る着物の少女が語る。
夕暮れ時、籠の夜が迎える頃に__げにゃりと鳴く猫の鳴き声一つ。






嗚呼、また一人消えた。


>レス禁止



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  • No.61 by 久坂 薫子  2016-12-02 01:39:11 

>白雨

(いよいよ雨脚が強くなり、屋根や硝子を好き勝手に奏でる音もより一層強くなる。そんな中で他に聞こえるものと言ったら目の前の青年の声と息遣いだけなのだから、まるで世界に二人きりになってしまったかのような錯覚を覚えたのも無理はないだろう。そう、例え実際には、魂があくがれ出してしまっていたからだとしても、だ。小さく咳込む声でようやく我に返れば、夏の夜を静かに彩るあの儚い光を嫌でも思い出させる――文字通り今にも儚くなってしまいそうな青年の様子に、今度は言いようのない焦燥感にじりじりと身を焼かれるような心持ちさえしてくるのだから、更に手に負えない。あちこちへと感情が動かされるのは酷く疲れるが、ぽつりぽつりと紡がれる声と言葉は、耳と心に心地よく響く。「……わたくしも貴方の声が聴きたいわ。一人でかたるのも決して嫌いではないけれど……返事があると言うのは、存外に良いもののようですから」思えば、最後に誰かと会話を交わしたのはいつだったか。暫し思考を巡らせるが思い浮かぶのは今は亡き人の姿ばかり。そんな筈は、と思索に耽っても、やはり出て来ないものは出て来ないままで。座してこちらを見上げる彼の生へと目を向けた言葉で思考を目の前の現実へと戻せば、眉尻を下げる彼とは対照的に口元に弧を描いて「ええ、勿論ですとも。少しだけそのままで、お待ちになって」微笑を一つ残して襖を開け、廊下へと踏み出せばそっと襖を閉じる。夜も遅い時間ではあるが、偶然にも誰かが通りかからないとも限らない。何かを知ったところでこの屋敷の使用人達は皆一様に口を閉ざすのだろうが、"見せたくない"と思ってしまったのだから、こればかりは仕方ないだろう。足早に、しかし足音を殆ど立てずに外へと出れば、傘を片手に鶏小屋へと向かい、慣れた手つきで一羽を捕えて屋敷へと戻る。哀れ、縄で自由を奪われた鶏は鳴く事ももがく事も許されず、台所から拝借してきた肉切り包丁と牛肉大和煮の缶詰数個とともに荷物のように抱えられて捕食者の前に姿を現し「お待たせしてしまったかしら。どちらがいいのか分からなくって――好きな方をどうぞ」部屋に戻って来ると先ほどと同じように彼の正面に座り、両手に抱えた"肉"を見せる。噂話では生物の生き血を啜るとされているが、目の前の儚げで繊細そうな青年とそのイメージが上手く合致せず、結果、選択肢用意して彼に委ねることにして)

  • No.62 by 月夜  2016-12-02 12:18:48 



>朝陽


(シンと静まる程静かな空間に一人きり、一定間隔を乱す事無く動く心臓の音までが体中を伝い音として響き渡るのでは。と一人きりだと馬鹿げた事を考える。煩い程に静かだった空間は、待ち侘びる男一人の登場で居心地のいい空間に入れ替わりを見せ、待って居た事を告げようと口を開いては言葉が上手に喉を通らず飲み込んだ。喋りが下手だと意思の疎通すら上手に出来ぬと口惜しく黙りこくる。それもほんの僅かな間で終わり、殻を袋に詰めただけのその行為を余りも恥ずかしげもなく偉い偉いと褒めしきるものだから撫でる手の平の温もりに文句をつける隙すら与えられずに視線を逸らすばかり。暖簾のようにずしり…と重たい前髪のその奥では隠されるように口元が緩む、嗚呼、この感情は何だと言うのか。詰る所、自信に満ち溢るる自身と真逆の男に褒められる事が糧となるように嬉しくて堪らない。言葉や行動でその嬉しさを素直に表現できないのが難点だが、彼の優しい声を一つとして聞き逃したくないと欲を持ち、柔らかく温かいその手の平で触れて欲しいとまた欲を一つ重ねる、その表れが大人しく彼の言葉と体温を受けている現状に繋がり。この時間が、ずうと続けばいいと願ってしまう。__が、そんな事が叶う筈も無く手が離れて剰えその身体すら離れてしまうと思わず引き下げる顎を上げ、目でその姿を辿り、そして見惚れる。胸を張り背筋を伸ばす男のなんと凛々しく見目奪う麗しさを持つことか、その彼が当然のようについて来る事を示すものだから断る考え一つ生まれずに丸めるその身をのたり…のたり…と引き摺り起こす。道中にはやはり未だ少し警戒を保つように泳がす目線でその一々を確認し、ここで孵化してから一度も他の人間を見ていない事が気にかかる。住まいはこんなにも立派だと言うのに、だ。ぺたりぺたり、裸足の音を歩く度に響かせて「__……此処では、一人で住んでんのか」そろり、と泳がせていた視線を彼へ向ける。横向きの面は矢張り凛として美しい、欲しいと願ってしまう。邪な欲がこれ以上生まれる前に向けた眼を再び落とし「俺は此処に居ても――」”良いのか”と問いかける言葉は途中で尻すぼみ、「駄目だと言われても、厄介になることになる」明確な拒否を聞くより先に言葉を急ぐ。本能以外の生きる術を彼から盗み学ばなければならない、と咥内に溜まる唾を飲み込んで)


  • No.63 by 白雨  2016-12-02 12:49:07 



>薫子

(少しずつ遠のいていく肉の動き、足音、触れた指先も近付く柔らかな存在も、本能の赴く儘に食らいたいと欲が産れる事は不思議と無かった。その肉に歯を立てて温かい内に血を啜れば腹が満たされるのだろうか、疑問にも近いその感情は蟲として確かな感情の欠落の表れで。雨の音だけは蟲卵の中と一寸違わず見せる顔を変えない、だから良い。両方の瞼をそっと閉じ、暗闇の中に居る筈なのに焼きつく程眩しく思うのは命の光を確実に燃やしているからか。雨の音ばかりでは時間の感覚が狂ってしまい、待っている時間が早くとも遅くとも感じる。待っている間は近付く足音にもう来てくれたのかと感謝の気持ちを思ったのに、閉じていた瞼を上げて、彼女のその姿を瞳に捉えたその瞬間に考えが一転し、やっと来てくれたのか待ち望んだぞと変化を遂げた。そして、ギイギイと身悶えし金切り声を上げる鶏は細身の彼女に笑いが込み上げる程似合わなかった。にこり、頬を緩ませて一層と強い雨の香りを連れた彼女に眉尻を落とせば「__外へ?、 あなたから雨の匂いがします。」外は冷えたことだろうに、温めてあげる事すら叶わない使い物にならない自らの手を一瞥し小さく息を漏らす。選ばせてくれる食事が並べば迷いを見せる事無く鶏へ手を伸ばし、どうやって食べようかと考えた時に共に添えられる肉切り包丁の鋭利さにその使用用途を理解する。「いただきます」添えるのは一言ばかり、力の弱いその声は容赦も躊躇いも見せずに包丁を握らせ鶏の頭をゴトンと落とす。どぷ…どぷ…どぷと切り口から溢れだす獣臭さと赤黒い血液に無意識の内に舌なめずりを、グラスに唇を添えるように頭の途切れた首へ唇を宛がい生き血を啜る。__この鶏が今の今まで生きていた事実を殴りつけるか如く、喉に流れ落ちた血液は熱かった。命に感謝をするためか、部屋を少しでも汚さないようにと考える為か、飲む量を急がずに調節して零さないようゴクリと飲み込む。肉を喰らわずとも、生き血を啜るだけで青白かった顔色は赤みを取り戻し、その後も数分かけてゆっくりとした食事を行う。傾けても血液が滴らなくなった頃、漸く唇を引き離し「御馳走様でした。」と言葉を呟く、食前の挨拶よりもその声は確かに力を帯びる。浅い呼吸も整い、発光する瞳は黒々しく輝きを消して「――育ての親と、そう言ったでしょう。雨が僕とあなたを引き合わせたように、今度は引き離してしまうまで……長いか、短いか、今はわからないけど」粘液に汚れる着流しの上へ血抜きされた鶏を置いては確りと向き合い言葉を綴る、すうと呼吸を置いて「白雨を、あなたの傍に置いてください」嫋やかなこの女性が持つ何処か違和のその部分に寄り添いたいと思ってしまった、勿論自らを孵化させてくれたと言う恩も有るが此処に残りたいと思う経緯はその思いも混じっていて)

  • No.64 by 藤岡 朝陽  2016-12-02 14:30:48 



>月夜

( 悟るのは春、求めるのは夏、誰でもよくなって秋、誰もいなくなるのが冬なのだと、決まっていると己は思う。何度も季節を繰り返してきた大人達は、気付かぬ内に上手い生き方を会得していく。それは固まった墨汁を捏ね回した様な黒海に、音も無く降り注ぐ白雪みたいに儚い欲の殺.し方。“本能だけじゃ人は死.ぬの。あたしは理性で生き残るのよ。”そう語ったのは誰であったか、あるいは何らかの本で読んだのかもしれない。ぺたりぺたりと吸い付くような素足の音が、冬の夜を静かに彩る。一人で住んでいるのかと聞かれれば、ああ、と短く視線も寄越さず返事をした。他に人がいたらお前を連れ回したりなんかしないさ、と内心思うも口に出すことはせず、自室の前でぴたりと立ち止まる。―――聞き辛いなら、咎められるまで黙っていれば良いのに。長い前髪に覆われた表情を窺い知る事は到底出来ない。紡がれる言葉のみで彼の心中を探ろうとして、すうっと目が細まっていくのを何処か他人事のように感じた。肯定されたがるのは、求められたがるのは自信の無さの表れだ。言葉を欲しがる子なのは十分に分かった。聞き辛いから中途半端に促して、びくびくしながら求められるのを待っている。突き放されたら死にたい位傷付くのだろう。だったら、咎められるまで黙っていれば良いのに。それでも、否定される恐れと求められる喜びとを量りにかけて、後者を選び取った承認欲求は中々のものである。もしくは、見限られた時に「わかっていたさ」と吐き捨てる為の予防線。その確認癖がどちらのせいであったとしても、盲目的な恋に落ちる女の様だ。そう思ったら、加虐心の強い己の中でむくむくと、この男を否定したい欲が生まれてしまう。理不尽な平手打ちでぞくりと渦巻き迸ったあの興奮は、他の何にも代えがたいのだ。…調子に乗るなよ、化け物が。そう言われて絶望に伏すこの子の顔が見てみたい。手放す気なんて少しもないけど、己の興奮の為だけにそう言い放ってしまいたい本能を理性で抑え込む。優しい表情を心掛けては、「…お前を追い出してしまう様な男に見えるのかな。頼んでも離してやらないから、そのつもりで、ぬくぬく閉じ籠っていたら良い。」等とつらつら告げた。返事を待たずに引き戸を開けると、「今日はここで眠ろう、入って。」と言いながら、真ん中に木机があって、端の方に服棚と畳まれた布団が置いてあるばかりの四方を本棚に囲まれた自室に足を踏み入れる。手拭いを持っていない方の手で器用に服棚を開け寝巻用の着流しを取り出すと、着替え兼手拭いを置きに行く為また彼を一人残して部屋を出た。 )


  • No.65 by 月夜  2016-12-02 21:50:13 


>朝陽

(もし今より少し人の気持ちに敏感で有ったならば、恐らく問いかけに生じる妙な間が何を意味しているのか察する事が出来たのだ。生憎にも己と言う男は自らの気持ちの整理一つですら真っ当に行えない訳で、自身の事すら把握できないのに他者の気持ちを探るとは困難を極めてしまう。返事が戻らないその間に疑問一つを持たず、繕われる優しさが全てと受け止めた。盗み見た表情が余りにも優しくて、頼んでも離さないと言う言葉が自らを必要としてくれるようで単純にも生きていることを許されたと思う。その自惚れは何処までも感情を揺さぶり、流れているかもわからない血を滾らせて、先の言葉を頭の中で繰り返すたびに実感が増しじわり…じわり…と体温が上がる。唇を噛みしめるも口角は緩み、目元は細まる。笑顔と言うには不器用で、恥噛む気恥ずかしさを纏った嬉の面を。集まる熱を逃がす為、冷たい酸素をす―と吸い込み齷齪と我慢をする。人の気持ちに寄り添えない己は浅はかにも、彼の真意に辿り着く事が出来ず上面だけの優しさにどっぷりと心を惹かれている。先程、叩かれた頬が痛みを鈍くしたのと同様、過ぎ去った衝撃は今や目先の作られた優しさで上塗られている。情緒不安定の如く裏表と応対の変るそれを狂気と気付く事は無い、が、自らを必要としてくれたその言葉はそれほどまでに何にも代えられない全てとなり心に刻まれて。招かれた部屋は本の匂いのせいか、紙の特有な香りが交わる。それでいて、濃密な彼の匂いがした。近付いた時にふわり、と鼻を掠める些細な物ではなくその部屋に足を踏み入れた瞬間にもし少しでも飢えを覚えていては堪えきれなかっただろう程の彼を食したいと言う思いに駆られ。そんな自分にゾクリと背筋を震わせた。己を必要としてくれた、彼を今どうしたいと思ってしまったのか。繰り返す様に自問自答を行うと再び部屋から彼が離れると、自分を置いて彼が何処かへ行ってしまうのではと不安を抱く。その不安は言葉にならないが、反射的に上げた顔つきに明確に表れて「――ッ。 早く戻って来ないと、戻って来た時に…部屋の中がごった返しになってるぞ」可愛げのある引き留め方等知らぬ、出来る事と言えば迷惑を掛ける事を前提に匂わす事で少しでも早く戻ってきてくれることを意識付ける事だけ、うろうろと場所が落ち着かずに徘徊をしてから部屋の隅に身体を落ち着かせ。布団の上に乗る事はより濃く彼の匂いを感じてしまいそうで出来ずに、腰を下ろした格好で顔を上げ、部屋の中をぐるりと見渡し多くの本に囲まれる部屋から、これほどの本を読む彼だからこそ知識が豊富で有り、知識が有るから自らに自信を持てるのだろうかとぼんやり考え。)

  • No.66 by 久坂 薫子  2016-12-02 23:23:18 

>白雨

(暗闇の中で淡い光を放つ青年の、なんと幻想的で美しい事か。ゆっくりと彼の瞼が持ち上がるのに合わせて二つのあかりが灯るのに、魂がふうわりと吸い寄せられるような心地がした。光に集う羽虫とはこのような気持ちなのだろうか。と、何とも皮肉めいたことを取り留めも無く考える。そんな事に気を遣っていたからだろうか。見上げる顔が笑みを形作るのに心当たりはなく、はて、と首を傾けてから問いへの肯定に頷きを一つ。雨水を含んで僅かに重くなった着物の裾を捌いて先ほどのように正面へと座せば、並べた食事から一瞬の迷いもなく選ばれたのは不運ないきもの。噂話が正しかったのだと思う以上に、彼が蟲卵だと言う事がすとんと胸に落ちる。一体どのような食事が行われるのかと、じぃと視線を注ぐ先。淡白ながら食前の挨拶を忘れずに、誰に教わるでもなく道具をきちんと使いこなす姿は親としてとても誇らしく、知らず知らずのうちに口元は弧を描いた。――こんなにも美しく、丁寧に命に意味を与えられた鶏はさぞ幸せだろう、なんて。双眸には同情でも悲哀でもなく侮蔑の色が確かに滲んでいるのに、祝福にも似たとろけるような笑みを床に転がる頸部に向ける。しかしそれも一瞬のこと。もうそちらに用はないとばかりに視線を彼に戻すと、以降はごくり、ごくりと真っ赤な命を嚥下するたびに白い喉が動くのを熱心に見つめ続けた。――やがて永遠にも思えた食事の時間が唐突に終わりを告げれば、死の影が遠ざかった気配を食後の挨拶で確信してそうっと息を吐く。もう少しあの光を見ていたかったと望む気持ちが無かったとは言わないが、それ以上に燻る焦燥感がすぅと失われたことに確かな安堵を覚えた。光源を失った部屋でもつやりと輝く黒瞳に視線を合わせて、頼まれるまでもないことに綻ぶように微笑めば「勿論よ、わたくしの愛しい子。……でも一つだけ覚えていてね」とびきりの秘密を告げるように立てた人差し指を自らの唇へとあてがったかと思えば、人ひとり分ほど空いていた彼我の距離を音もなく詰め、まだ乾ききらぬ粘液に塗れることも厭わずに両の腕を彼の首に絡めて「――――わたくしはね? ひどい人は嫌いなの」ザアザア、ザアザアと。響く雨音に今にも掻き消されてしまいそうな囁き声を彼の耳元へ吹き込めば、するりと腕を解いて「さ、まずは身なりを整えましょうね。――背格好は似ているから、あの人の服が合うはずだわ」と何事もなかったかのように胸の前で両手を合わせて微笑みかけ)

  • No.67 by 匿名  2016-12-03 05:21:29 

名前 及川 樹 ( oikawa ituki )
年齢 27
性別 男

外見 濡鴉の様な漆黒の髪はウェーブが掛かった様な生まれ付きの癖っ毛。つい切る事を先延ばしにする面倒臭がりの性格故かだらしなく肩程迄伸びているのでひとつ結わき。やや垂れ下がった瞳はアーモンド型、笑うと目尻に皺が寄る。色は髪同様に黒色。比例してやや吊り上がった眉毛とスンと落ちる筋の通った鼻にパーツ自体は悪くないが髪が前髪に掛かってしまい台無しの風貌である。色素の薄い、紫陽花の様な薄紫の着流しに灰色の羽織が何時ものスタイル。

性格 良きにも悪しにも自分のペースを大切にする、自由気儘な猫の様な性格。面倒臭がりが災いし悪しに転ぶ事が多く見てとれる。生への執着が無さ過ぎて死への危機感が疎かになりがち。その癖好奇心は人一倍に働く為興味のあるものには突っ込んでいくタイプ。「まあなんとかなるだろう」精神の為決断は本能が赴くままに何時も直感。愛やら恋やらには鈍感である。

備考 両親が残した小さな屋敷に一人と、黒猫が一匹。小説を書きながら生活をしている。時々小説を受け取りにくる男が一人屋敷に訪れるだけでご近所付き合いはなく家から出るは最低限の買い物の時のみ。家には本が溢れ、暇な時には本を読みしがない毎日を送っている。

ロル __

( 己の性格を此れ程迄に恨む事になろうとは後にも先にも恐らく此れが最後となるだろう。視界の先で今にも生まれんとする蠢く気味の悪い物体をまるで他人事の様にぼんやりと見詰めながら押し寄せる波の様な後悔。大きな溜息と共に零れ落ちた言葉は現状に似合わず「やア、こいつは…驚いたな。」と何とも自分らしい一言であった。事の発端はと云えばこの屋敷に唯一訪れる男の「巷で噂の蟲卵を拾ったので、小説のネタにひとつ育ててみませんか。」という言の葉であり「そんなの唯の噂話に過ぎないだろう。見てろ、どれ程温めようがこれは”噂話”に過ぎない。」と言って退けた己の生緩い発言であった。己の中では単なる” 噂話 ”であったが為に男が帰った後で適当に放置しようと考えていた訳だが、子供の様に瞳を輝かせる男を目の前にしてはそれも気が引け仕方無くその日の内に使わぬ布団にくるめ空部屋の隅に放置していた。大した興味も抱かなかったその事等寝て仕舞えば忘れるも早い話で。日に日に大きくなっていた卵の事など露知らず、ついに布団の丸まりが可笑しい等と剥がした時には時既に遅しの今に至る。「明日確認すればいい」が積み重なった結果は自分では取り返しのつかない事態を招いてしまった。情け無い。その場によっこらとしゃがみ込み未だうごうごと生き物の様な動きをする其れを間近で見遣れば心臓が脈打つ様にびくり、びくりと震えている。噂通りこの中から化け物が産まれてくるとするならば一番初めに見る己の事を化け物は父や母だと思うのか。其れとも人間は何て美味そうなんだと口にするのか。単なる噂話が” 未知なる生態 ”に変わった時生まれる好奇心と面倒臭いものを押し付けられてしまったというこの上ない後悔が相対し夢を見ている様なぼんやりとした思考回路をぶら下げただ只管に脈打つそれを見詰めていた。__みゃあご。遠くで飼い猫の鈴が鳴いている。さて、この化け物は果たしてどんな鳴き声で己を呼んで見せようか。何を考えるにも後悔するにも此処に産まれてくる以上はもうどうしようもないと諦める他ない。視線をゆるりと其れから離し「…鈴、」此方へ近付く黒の毛玉に手を伸ばしたーーと、ほぼ同時。狙った様にぴきりと何かが割れる音が静かな部屋に響いては吸い寄せられる様視界は再び其れへと流れ )

( / 素敵な世界観につられてやってきました…!参加者様や主様には到底及ばぬ覚束ぬ言葉達が織り成すロルとなってしまいますが…!是非手招くんとお話がしたく思いますので息子を投下します……!えいっ…!もし宜しければお相手して頂ければ泣いて喜びますので宜しくお願いします )

  • No.68 by 白雨  2016-12-03 10:50:26 



>薫子

(言葉通り、命を貰い受け延命をする。少し命を続ける為に一つの命を丸々奪うのだ、何と残酷な事だろう。それでも今確かに産まれついてから身体に纏わり付いていた息苦しさも指先一つ動かすのすら億劫な感覚から解放が出来ているのだから形容しがたい感覚に落ちる。近付いた彼女からは雨の香りがして、その冷たさすらも心地が良いと感じる。首に回された腕は何処までも細いのに、底抜けの測りきれぬ強さを向けられた気がした。それも束の間、乱れることの無いザアザア音を掻き切るように決して張り上げる訳じゃない静かで落ち着いたその声が呟く一言に心臓を掴まれた気分になる。思わず眉が上がり瞳孔が開く、繰り返す呼吸さえ咎まれる様に動きを止めれば黙りこくりその言葉の真意を探り。脳味噌を叩く様に雨音だけが一定と、自分の彼女だけを逆さの傘の上へ閉じ込めるように他の全てを遮断した。腕が解かれ、傍で感じていた彼女の雨が遠のいてしまえど頭には先の言葉ばかりが延々と繰り返し、結局は真意を掴めないその言葉の重さに惑ってしまう。次ぐ言葉に釣られる様に微笑を浮かべれば「他にも誰か――?、嗚呼、着替えながらで良いから。僕にあなたの事を教えてください、…だってまだ、あなたの名前すら僕は呼べないのです」現れる"あの人"と言う第三者の呼称、それは此処に他の人が存在する事を臭わせるもの。その一点を問いかけたが疑問は直ぐに回収する、此処に誰が住まおうと関係が無いと思い立ったからだ。頭に被る帽子を下し、顔を一層と晒せば困ったように微笑を浮かばせて「あなたは__僕とさして変わらないことでしょうから。母様と呼ぶには違和が拭えない」年頃は同じ位だろうか、瞳に映る女性の麗しさがそう語る。そんな彼女が自らと比べて凛とし落ち着きを払うのは経験の差だけじゃない事は明確であり。かといって、それを失礼に当たらぬように問いかける自信が無ければ少しばかり頭を傾けて先ずはその疑問を下し、今此処にいない"あの人"と呼ばれる誰かの服を準備してくれるその様子を目で追掛け、その合間には他の音など一つとしないような静寂のこの部屋の中を一度見渡す。必要以上の物が置かれない綺麗な部屋は彼女がどんな女性なのかを少しだけ教えてくれるようで無意識の内に表情を緩め「僕は蛍の蟲卵です。他の蟲に比べればさして役立たずの事でしょう__でも、あなたにひどい事をしたいとは思わないのです。あなたと素敵な雨夜を過ごしたいと、そう思うばかり」ゆったりとした声色で自分なりに彼女の先程の言葉を理解しようと一度自分の口で言葉を落とし、肌に触れればベタベタと張り付く様な粘着が気味悪く、季節を感じさせる雨の素敵な香りではない血腥く醜悪な香りを纏う自らに嫌悪を抱きつつ羽織る着流しを上半身だけ脱ぎ落とし)

  • No.69 by 蟲  2016-12-03 11:12:45 


>匿名様


(/このように趣味丸出しのトピに興味を持って下さり有難う御座います。折角のお声がけ誠に嬉しい限りなのですが、今回はとても悩みまして交流の過程等を考慮し手招きとの相性を考えさせて頂き、見送りをさせて下さい。とても素敵な息子様のプロフィールを提出して頂いたのに良いお返事が出来ず申し訳ございません。此方のプロフィールは引き取って頂き、他のトピで使って頂いて大丈夫です。重ねてになりますが、今回は興味を持って下さり有難う御座いました!貴方様に良いご縁が有りますようお祈りしております。)

  • No.70 by 匿名  2016-12-03 13:15:16 


>主様
( / 此方こそ態々御返事をして下さり有難う御座います。それはとても残念に思います、厚かましいお願い事では御座いますが此方のロル回しでの相性の問題ではなければ(ロルが合わない場合は引き下がりますのでご遠慮なくお申し付けください)主様の意見を取り入れた上、新しく息子を提出させては貰えませんか。世界観にとても惹かれております故、お相手は他の息子様でも構いません。相性もありますから、先程も申した通りロルのお話であれば無理にとは申しません。それはなりきりをする上で仕方ない事ですのでお気に為さらずに。スペースを頂き申し訳ありません、此方こそトピの繁栄を心から祈ります/ 深礼 )

  • No.71 by 蟲  2016-12-03 13:33:11 


>匿名様

(/再びお声掛け頂き本当に有り難い限りです。ロル回しに関しまして相性は問題が御座いません、手招自体が愛を向ける構ってちゃんの性分ですので恋愛に疎い面、ロルテの中に含まれました蟲卵に関する関心の低さが手招との相性の悪さに思いました。加えてプロフィール内に身長の記載を頂けると有難いです。逆に手招の相性のいい性格ですと、厳しくも甘やかしてくれる宛ら不器用な父親の様な傾向になりますので参考までに。世界観を褒めて頂き本当に嬉しくて仕方が有りません、もし疑問質問が有りましたら遠慮なさらずにまたお声掛けくださいませ。)

  • No.72 by 匿名  2016-12-03 14:40:43 


>主様
( /ロルに問題がない様で安心致しました。以下、新しく作成した息子になりますのでお目を通して頂き何か直すべき点が御座いましたら遠慮なくお声掛けください!回収した息子とは職業を覗き全く別の息子となります。この度は厚かましいお願い事を聞いて下さり本当に感謝しています /深礼 )


名前 米倉 千鶴( yonekura izuru )
年齢 27
性別 男

外見 艶のある黒髪を丁寧に切り揃え肩下辺りまで長く伸ばしてひとつ結わき。洋風の文化が押し寄せる現代にて日本らしさを求めた結果であると本人は気に入っている様子。凛とした月目の瞳は微笑むと三日月の様に折り曲がる、色は髪と同色の黒。口許は常に弧を描いている為か、真剣な面持ちになる際や怒る際などはがらりと変わった印象を与える。家に籠もりがちの性格故深緑やグレーの着流しに身を包み外出の際は上に羽織を着る。身長は178㎝と高くひょろりとした外見だが触れればやはり男らしい。

性格 柔らかな風貌を裏切らない優しく温厚な性格。緩やかに毎日を楽しみ生きて行くタイプ。生き物や植物に優しく何者においても「生命が宿るものは大切に」精神。子供大人に関わらず間違いは間違いと正し、導いてやらんとする御人好しの面も持ち合わせている為周囲からは頼られる事も少なくない。また困っているものを見過ごせない事もあってか、同時に断れない事もあってか、時には損をする事もあるのがこの男だが逆を言えば人生の経験が豊富なのだと物事を前向きに捉える傾向がある。

備考 今は亡き両親が残した小さな屋敷に独り暮らし。庭には植物が息をし、野良猫やら小鳥やらが訪れる事が多い為独りでいる事は対して気にならない様子。小説を書きながら生活をしている為家に籠もりがちだが、やれ残り物だやれ頂き物だとご近所からの訪問者が多い為人付き合いはそれなりに。

ロル __

( 嗚呼、もうそんな頃合いかと。縁側にごろりと転がる黒い其れを見詰めていた。日光の光に照らされ鳥の卵の様薄皮の下が脈打つ様が見て取れるがそれは奇妙なものを見ているという印象よりも噂話が実話に変わろうとしているこの瞬間こそが神秘的な様なものに思えて堪らなく胸を擽っていた。気味が悪いのではと問われれば答えはそうだなと頷いてしまう程の眼の前で蠢く黒い塊も己が育てたのだと思えば何故か可愛くさえ思えてしまう。此れが母親が子を授かった際に抱く母性の様なそれなのだろうか。噂話の通りに事が運べば中から産まれるは化け物となろうが口から零れ落ちた言葉は「…御前、もう直ぐ孵るのか?」などといった呑気なそれだった。思えば此れを受け取る際にも、近所に住む女が泣く泣くに持ち運び「噂の卵を子が拾ってしまった、助けて欲しい」と言われまるで飼えないので頼むと猫を差し出されたのを貰うと同じ様に大事に受け取り「なあに、心配いらないよ。」等と会話したのはまだ記憶に新しくつい昨日の様にも感じていたが。些か考えていたよりずっと早くこの子は成長を遂げてしまったらしい。育てないという手もあった筈なのにこうして育ててしまったのは持ち前の好奇心と此奴も生きているのだからといった生き物に対する己の中の底知れぬ感情の所為であり生まれんとする目の前の奇妙を目にしても新たな生命の誕生を喜ぶ己がいるのだから、此れで生まれた者に喰われようがそれは仕方のない話なのかも知れない。「…人の世に産まれるとは、御前も中々冒険家だな。」父が悪戯をした子に向ける様な、困った様な笑みをその顔に浮かべては今一度その生を確かめようと蟲卵に手を伸ばし )

  • No.73 by 匿名  2016-12-03 14:46:37 


( /続けての書き込みお許しください…!此方の見間違えで「厳しくも優しい父親」ではなく「優しく時に厳しい父親」の様な息子になってしまって…申し訳ないです…。好奇心と生き物への優しさを兼ね揃えすぎてしまった様にも思え不器用とは程遠いかも知れません。此方の解釈違いとなりますので手直しは幾らでもさせて頂きます。出来るだけ主様のご意見にそった息子に仕上げたく思っておりますので、ご意見は遠慮せずにどうぞ申し上げてくださいませ…! )

  • No.74 by 蟲  2016-12-03 14:53:34 



>匿名様

(/お早い提出ありがとうございます。もし、PL様が扱いにくく無くご負担で無く、甘えても良ければ容姿、備考とそのままで構いませんので性格だけ前述通りの厳しさを兼ねた物にして頂ければ背後の事情にもなりますが大変好みでして…。ただ、PL様にとって扱いにくいとの事でしたら、今のままでも大丈夫ですのでご意見を頂けると助かります!あぁだのこうだのと煩くて申し訳ないです…!)


  • No.75 by 倉井 ルリヲ  2016-12-03 15:35:02 


>黒鈴

あ――っう……(不満なくせにうまくもない鉄を食むなんて思いの外食い意地の張っている、それとも小鳥の二羽程度では異形の腹は満たされないものなのか。ともあれ空腹に目を濡らして見上げてくる表情は本当にひもじそうで、放っておくよりはまだ癒されるだろうと気紛れにくすねてきた干し肉を差し出すより早く反応したのは今まで濡れていた瞳。雰囲気の変化を肌に感じた視界の隅に落ちる鳥籠を捉えるとまた大きな音を立てては今度こそ部屋をのぞかれかねない、女を連れ込んだなどと誤解されては心外だと咄嗟に庇って足の甲で受ければ籠はゴト、と鈍く転がり。骨に響く音の通り重い鈍痛、片目を細めて息を詰まらせながら耐えると物音を抑えられた事に殆ど溜息めいた安堵の息を小さく吐き、改めて相手を見る。余程鼻が利くらしく瞬きの前まで悲哀を感じさせていた相手はすっかり食欲にやられているようで、面影もなく可憐な顔には爛々とした捕食者の息遣いを浮かばせ、そのくせ決して奪おうとはせずにそれ、などと目敏くねだる強かさはこうまで分かりやすいといっそ愛嬌じみてくる。「良かった。その呼び方の方が好きだ」計算高くさえ思える呼び方の変化に知らず口角を緩めて出た声は今までよりはいくらかおかしそうで。桶を机に置くとポケットから出した包み紙を開き、そう多くはない肉に指を迷わせてから数切れを相手に差し出し「ご褒美になるか分からないけど、ね」残りは再びポケットに戻して。そうしてから改めて相手を眺めればあのドロドロとした粘液は粗方拭えたのが分かるが着物に染み付いた分は簡単には乾かないらしく畳を見れば歩いたのだろう蛞蝓の這ったような跡が僅かだか光っているのに気付き、本当は風呂にでも入れてやりたいところだが銭湯はとっくに終わった時間だしそもそも相手が一人で風呂に入れるのかも分からないのも本音。「水のままだから冷たいけど、体を拭きたければこれを使って。今、着替えに出来るものを探そう」聞いているかは分からないが押入れに近付きながら桶を示してそう言うと下段に積まれた荷物の中から行李を一つ取り出し、蓋を開けて探すのは以前夫婦から贈られた浴衣。少ない私物の中で、一度袖を通したっきりしまい込んだそれならば相手にも十分足りるだろうと)

(/ありがとうございます。参加させていただいてとても楽しいので、遅筆ですがこちらも読んで、絡んで、楽しんでいただけるものを提供出来ればと思います!こちらのロルで分かりにくい部分や勘違い、その他、何かありましたらお声がけください。それでは、引っ込みます)

  • No.76 by 匿名  2016-12-03 16:04:24 


>主様

( / 全然大丈夫です…!厳しい一面を考え以下の息子を提出いたしますので確認の程をお願い致します。自分の芯を只管ぶれないよう生きている為にやや生き難い性格にしてみましたが、如何でしょうか…?ただ生き物を大切にする性格はそのまま残してみましたので、人と呼ぶには難しい手招くんに厳しくも何処か優しさを残した対応ができるかなと思っております!ロルの方は人が見ていない場では見せない一面とし、あの儘でと思いましたが回し直しも勿論大丈夫ですので其方もお声掛けください!何度もスペース頂き申し訳ありません…!宜しくお願い致します )

名前 米倉 千鶴( yonekura izuru )
年齢 27
性別 男

外見 艶のある黒髪を丁寧に切り揃え肩下辺りまで長く伸ばしてひとつ結わき。洋風の文化が押し寄せる現代にて日本らしさを求めた結果であると本人は気に入っている様子。凛とした月目の瞳は微笑むと三日月の様に折り曲がる、色は髪と同色の黒。口許は常に弧を描いている為か、真剣な面持ちになる際や怒る際などはがらりと変わった印象を与える。家に籠もりがちの性格故深緑やグレーの着流しに身を包み外出の際は上に羽織を着る。身長は178㎝と高くひょろりとした外見だが触れればやはり男らしい。

性格 芯を持ち己の考えを真っ直ぐに貫き通す良きにも悪しにも頑固者。他人にも自分にも厳しい一面があり駄目なものは駄目とはっきり区別してしまう。また、根は優しい性格を持ち得ているにも関わらず人に優しくする事が上手く出来ない不器用者の為誤解を招く事ややや生き難いと感じる場面に出くわす事が多い。生き物や植物が好きで「生命が宿るものは大切に」精神を心掛けているが普段の性格を気にしてか人前ではその姿を見せる事はない。また生前の父が口にした「困っているものを見過ごすな」という教えを馬鹿正直に守り抜く為何かとものを押し付けられ文句を言いつつ呑んでしまう。時に損をする。

備考 今は亡き両親が残した小さな屋敷に独り暮らし。庭には植物が息をし、野良猫やら小鳥やらが訪れる事が多い為独りでいる事は対して気にならない様子。小説を書きながら生活をしている為家に籠もりがちだが、やれ残り物だやれ頂き物だとご近所からの訪問者が多い為人付き合いはそれなりに。

  • No.77 by 黒鈴  2016-12-03 18:11:59 



>ルリヲ

まあ、まあ、__少しは柔らかくなった?(漂う肉の匂いに現を抜かしていれば放り投げた鳥籠とは既に意識の外に有り。だからこそ堪える様な絞り出した苦々しい声と跳ね返る重たい音にぱちくりと悪気一つない幼気な面を見せ、落ちた鳥籠が足の甲を赤く染めればさぞや痛かったことだろうに、それを労わる感情をこの蟲は生憎哀れと持ち合わせていなければ痛々しい程の赤を躊躇なくピンと伸ばした人差し指の腹でグイグイと押して。それも戯れとしか捉えておらず、差し出された数枚の肉を目前にはどうでも良い事と思考は埋まり。手の平にその肉を広げれば嬉しそうに表情を綻ばせ、先ずは一枚を。上下の歯を使い噛み締めるようにモグモグと咀嚼を繰り返す、唾液で解けた肉の旨味が口内に広がると初めて食べた食事が基盤になるのは仕方がなく。嗚呼、さっきの鳥は温かくて美味しかった__なんて無意識の内に比較しては贅沢な舌が嘆きを落とす。そして順繰り思い出すのは次に口にした鉄篭、なんて事は無い今食べているのはとても美味しい物じゃないかと考えをクルクル変化させ、それに伴い大きな変化は無くとも眉を上げたり下げたり忙しく動かして。飲み込む事は名残惜しいと思いながらぐちゃぐちゃに変わった肉を飲み込む、手の内には未だ肉が残る。それを配分良く振り分けて食べる事は出来ない、食べ終われば次の肉へ指を伸ばしては同様に咀嚼を行って。口内の肉を幾度も幾度も繰り返して噛み続けるだけでも満腹中枢は満たされるようで、無意識の内にモゴモゴと歯を動かす回数は多く。桶の中で波を打つ水をぼんやりと眺めてから覗き込む、水鏡に映るその姿を見て初めて己と言う存在を把握した「 死んじゃうほどに冷たいのは困るのよ。でも、これくらいなら__へいき 」己の見た目と言う物に関心が薄いのか、桶に貼られる水を手で掬えばゴクリゴクリと喉に流し喉を流れた水の冷たさを体感する。と、同時に喉の渇きまでが満たされる。ふう、と小さく息を漏らしては有る分だけを食べてしまおうと口は忙しなく休みを知らない、もぐもぐと動かしながら自らに向けられる言葉を確りと聞く。ぱさり、と布ずれをする音を纏えばべた付く着物を脱ぎ床に広げちゃぷ…ちゃぷと手を桶に泳がせてはその冷たさを楽しんで。何をするにも粘つきを与えていた感覚が消えると気分が良い、長い髪を桶に垂らして毛先を濡らしギュウと絞る。それを数回繰り返すだけで人と交われば違和が無いだろう有触れた姿に変わり。最後の一枚、渡された干し肉の最後を口に放り込み「 おかわりは終わり?もひとつ、もひとつだけ黒鈴にちょうだい 」底抜けの食欲は胃が壊れているとしか形容できず、頼りない月明かりの中ついに貪る肉は消えてしまう。ぐったり、桶に体を寄せては衣類を纏わない事の恥じらいなんて一つも持たずに濡れる髪を体に貼り付け途切れない食事の香りに言葉を続けて。彼が何をしているかはわからないが、何かを探しているガタゴトガサゴソと言う音を遠くに感じ「…何をさがしているの」ひたり、頭を拉げ二つの目に男の姿を確りと映す。ぼんやりとした声色で問い掛けるのはそこまで知りたいことではない、ただ声を掛ける切欠を作りたいに過ぎず。「 おてつだい、しましょうか。まだ食べたいの、ご褒美はわすれないで 」んふふ。と漏らす様な笑い声は少しばかりこのやり取りを楽しむように軽やかで)

  • No.78 by 手招  2016-12-03 18:18:35 



>千鶴

(揺り籠で守られるか如く、蟲卵の中とは居心地が良くて敵わない。優しく暖かく、それでいて生涯を終える気にならない退屈を与えるのだ。蟲卵の中で成長する体は背を丸める体制に痛みを帯び、そうなる事が必然であると語るかのごとく腕が伸びる。グイと押しやる手の平では殻が割れない、ごん…がん…と地響きのように音は次第に大きくなりそしていよいよ、偶然にも彼が手を伸ばしたその時に手の平ほどの穴が開く。その隙間から入る空気が少し冷たくて今が冬に足を踏み入れた季節と思い知る、冷たい酸素を肺に落とすと途端に飢えを覚えてしまうから蟲と言う存在は余り良い物じゃないなと孵化したての働かない頭で考えを描いた。パキパキと爪先で殻の穴を広げて行き、ぬちゃりと粘液を纏い月明かりにてらてらと身体を光らせて急ぐことなくゆっくりとその身を殻から覗かせて。瞑っていた瞳を開くのはほんの一瞬、直ぐにその両目を吊り上げるように細め上げると「招チャン、お腹すいた」開口一番にその言葉、それに合わせて開かれる口の歯はギザギザと鮫の如く鋭くてガチンとその歯を鳴らす。「招チャンお腹すいたから、何か食べる」_浮かべる表情は化物、そう呼ばれる由縁宛らに気味悪くにんまり笑顔。殻から上半身ばかりが出る様な体制でぺろり、と舌なめずりを行って。纏う空気は警戒心交じり、まるで狩りに出るそのタイミングを間違えないように慎重に図っているようでもあり同じ部屋にいる彼の動向を逃さぬように探り、ずるり…いよいよ殻からその身体を取り出して)

(/先に出ておりますロルテに絡まさせて頂きました。何度も何度も申し訳ないです、本当に有難う御座います。不甲斐無い主ですが、どうぞこれから宜しくお願い致します。/こちら蹴って頂いて大丈夫ですので!)

  • No.79 by 倉井 ルリヲ  2016-12-03 20:51:52 


>黒鈴

(足の甲でじくじくと疼く鈍痛がなかなかとやまないのは受けた物のせいもあるだろうが、おおかた同情という概念を知らない相手が無遠慮に触れたせいもあるのだろうと思う。それに説教だ説明だをしたところで人間でない相手に通じる気はしないし親でもない自分が教育してやるつもりも毛頭なく、今はあるはずの浴衣を探すのに集中して、ただ、嬉しそうな顔が可愛かったななんてぼんやり思いながら渡した干し肉を食べている気配だけを感じ。一つ目の行李には自分とは関係のないこの家の私物しかなく、そんなに奥にしまっただろうかと物を退かしつつ別の行李を引っ張り出して、少し埃っぽい荷物を漁る単純作業だとつい頭は別の事に考えがいってしまい、咀嚼の気配のせいか目の当たりにした捕食風景を思い出す。案外、綺麗に食べたものだが、あれは行儀が良いというよりはやはり食い意地が張っての事だろうと考えを巡らせ。そうなると今後の食事はどうすれば良いだろうか、雑用夫の少ない賃金も使い道がないので蓄えはあるが微々たるもので文鳥二羽でさえかなりの出費だったというのに、元々は今日殺されるつもりでいたのだ、夫婦にはいつまでこの蟲を隠し通せるのだろうか。ふと、とめどない思考が途中で止まったのは表面に自分の名前が書かれたたとう紙を見付けたから、本来包む必要もないほど平凡な浴衣をわざわざ包んで寄越した夫婦の意図がよく掴めなかったそれ──そんな事はどうでも良い。目当てのものを見付けたので顔を上げたが振り返る直前に衣擦れと水の揺れるがやけにはっきりと耳につくとぴたっと動きを止め、たとう紙を下してまずは行李の片付けをし始めたのは背後で聞こえ出した音がやむのを待つための時間稼ぎ。体を拭くのに使えと言ったのは自分なので感じるのは文句ではなく寧ろ話は聞いているのだな、という感心だが、異形とはいえ外見はああも人間の女性をしていると男が女の裸をそう簡単に見るものではないと思ってしまう、拭いてやらずに任せたのもそれが理由であれば振り返る事など出来るはずもなくやたらもたもたと探す時より手際悪く出した荷物を押入れにしまい込んで「おかわりなら、あと少しだけ」音がやみ、おかわりを欲しがる呟きがすれば行李の蓋を被せながら答えて元の場所に戻し、押入れの戸を閉める。「君の着るもの」相手の問いに一言で返し、探し物は既に見付かっているため笑い声を聞きつつあとは浴衣を渡すだけだとたとう紙を解いて灰色の浴衣と黒の帯を出せば俯いたまま振り返って相手の事は一切視界に入れずに「着替えが済んだらご褒美をあげよう」ずず、と用意したものを相手の方に押しやるともう一度相手に背を向け「男物でも濡れた着物よりはましだろうから。終わったら声をかけて」そう続けて)

  • No.80 by 藤岡 朝陽  2016-12-03 21:10:19 



>月夜

( 引き戸を閉めようとしたその時だ。飛んできた男の声に、はた、と足を止める。頭の中でその言葉を噛み砕いては、数秒経ってからふっと大きく噴き出した。可愛い。余りにもだ。あえて返事も振り返る事もせず、ぱしんと冷たく引き戸を閉めてはあはははと聞こえる様に笑い声を上げ廊下を歩く。己の腹の中で息を潜める加虐欲に気付きもせず、無条件に懐くあの男が異常に可愛い。息を整える様に一つ小さく息を吐いて、流しに辿り着くとシンクに手拭いをぽいっと放った。乾燥でぴりつく冬の空気の中、肌を晒すのは中々に堪え、てきぱきと着替えを済ます。脱いだ服を畳んで籠に入れながら、水で汚れを落とせだなんて本当に酷な事を言ったなあと思い出し、笑ったせいか少し乾いた喉をさすった。棚から取り出した適当な湯呑に水を入れ、ゆっくりと喉に流し込む。ごくり、と飲み終えるとシンクに横たわる手拭いの横に湯呑みを置いて、今日やるべき事はもう無いだろうかと考え始めてすぐ、さすがにそろそろ戻ってやろうと思考を打ち消した。癖のある髪を指で梳きながら、ひたひたと静かに廊下を辿る。すっと開けた引き戸の向こう、薄暗い部屋の隅で丸まるその姿が彼の性格を顕著に表している様な気がして、また少し笑った。「荒らされていなくて良かった。」なんて茶化す様に言い放っては、いそいそと布団を敷き始める。男二人が一枚の布団に寝そべる様子を想像して、寝相が良ければぎりぎりはみ出さないかな、等とぼんやり考えていた。自分は寝相が良い方なので、後はこの男の寝相の良さを祈るばかりだ。ぺらりと布団を捲って、それが当たり前であるかの様に右半分開けて中に潜り込む。「寒いだろ、早く入れよ。」なんて少しぶっきらぼうに言い放っては、一つしかない枕をぐいっと右に寄せた。元々低めの枕が好きな己は枕無しでも寝られるので、卵から出て初めての睡眠位良いものにしてやろうと、自分の腕を枕に背を向け丸まった。しかしすぐに顔だけ振り返っては、「…人の形をしていて、食欲があるなら…睡眠欲もある、よね。眠る感覚は分かるかな。」等と、真剣な顔つきをして今更な事を尋ねて。 )


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