蟲卵_大正時代、アングラ、グロテスク、指名式、3L_

蟲卵_大正時代、アングラ、グロテスク、指名式、3L_

蟲  2016-11-26 12:01:37 
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>架空大正時代後期、蟲、グロテスク、恐怖、アングラ、3L、指名式





女学生A「そう言えばあの噺はもう聞かれました__?」

女学生B「えぇ、えぇ、もう誰もが知ってるわ」

女学生A「それにしても恐い話、……寄らば喰らわれる蟲卵だなんて」

女学生B「肌が粟立つ程に恐ろしい、暗くなる前に帰りましょう。」





大正後期、埃の舞い散る古びた喫茶店で品の有る着物の少女が語る。
夕暮れ時、籠の夜が迎える頃に__げにゃりと鳴く猫の鳴き声一つ。






嗚呼、また一人消えた。


>レス禁止



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  • No.1 by 蟲  2016-11-26 12:03:31 





物語
大正後期、人々は新しい世代に向けて日々齷齪と働き続ける。
身を粉にして骨を砕き、少しの楽しみを糧にして蜜を想像し舌を腐らせ心が満つ事は無き。
働けど、働けど、暮らしが楽になる事は無く。
工場の煙突を上り雲に交じる薄汚い煙がいつしか地球の命を殺していた。
産業革命、ハイカラ企業、それは終わりの始まりだったのかもしれない。

ある者は、有害な気体を澄み渡るかの有名な山の酸素と偽り販売する。
酸素を売り捌く商店は朝から晩まで客が途絶える事が無い。

薄汚い酸素に地球は息も絶え絶えで、奇形が産まれる率が右肩上がり。
蟲卵と呼ばれるその醜悪な、馳走と生き物を喰らう化物も奇形に過ぎない。




蟲卵(チュウラン)
女学生を筆頭に広まる噂噺の一つ、都市伝説のような物。
手の平程の鶏の卵のような形をした、黒色の蟲の卵の事を指す。
蟲卵を持ち帰り名を付け温めると次第に大きくなり初の満月の夜に孵化し化け物が産まれると言う。
満月の夜に、道路に転がる猫の死体が見つかったのを切欠に生まれた話と言われる。
嘘か真か、事実満月の夜明けには道路にゴロゴロと猫や犬を始めに人間の死体が転がる様になる。
その存在はとどの詰まる所が眉唾物の噂話。
何処ぞで手に入るだとか、どこぞの商人から買うのだとか。
そうは言えど、この時代、有りもしない奇奇怪怪の事件が続くのも当たり前。
警察刑事と姿の無い化物探し等している暇が無いと死体の事など視て見ぬ振りを決め込んだ。



注意
・ネットマナー厳守
・ロル300~無制限(中級者から上級者様優遇)
・嫌われロル禁止(心情、状況詳しくする為に多少の確定、小説ロル有り)
・KEPP24時間制、KEEP時には蟲卵を拾った描写のロルテをお願いします。
・相性重視、その為ロルテ時プロフ拝見時にお断り有り。
※描写の中に肉を貪る描写、嘔吐の描写、低度のグロ描写、アングラ描写…等々の好みを選ぶ展開が有ります。体制が有る方、問題の無い方のみの参加でお願い致します。※



  • No.2 by 蟲  2016-11-26 12:09:55 





_ 提供 _



蜘蛛__黒鈴(クロスズ)
「"おかわり"は、いずこ?未だ満たされないの、もひとつ、おかわりをちょうだい」
 /女/20~24/160cm/NGL/
 スラリと伸びた細身の身体、凹凸の無い薄ぺらい物。黒色の髪は腰元まで伸び、白装束を乱しながら着用する。黒い髪に白い肌、赤い眼が特徴。伏せ目がちの垂れ目はおっとりとした性分を表している。
 食い意地の張る常時飢餓に悶える蟲、要求が強く欲しい物は欲しいと無自覚の女王気質、年相応に大人びたかと思えば不相応に幼稚、従順と見せかけて主を喰らう隙を狙い息を潜めているだけ。
 満月の夜には腹と額に幾つもの眼が浮き出して抑えが利かない強い食欲を持つ、生血を啜らなければ戻らない。



蝶___籠女(カゴメ)
「熟れて落ちる寸前の愛を私に贈りなさい、ピンセットで飾って額縁に入れるのよ」
 /女/17~20/155cm/NGL/
 艶やかで華やかな、幼くも熟したアンバランスの美を持つ女。紫色から桃色のグラデーションの髪は胸元までの長さが有る。簪と着崩す花魁着物、凹凸の有る体に咥えるのは金細工の派手な煙管。釣り目。
 愛を玩具にする愛に酔う蟲、気が触れた情緒不安定な気紛れ、愛されたがりの愛したがり、愛せないならもう要らないと身勝手に相手を振り回す。気高いナルシスト、常識知らず。自己中心。蛾と双子。
 満月の夜には背中に大きな蝶の羽が艶やかに生え広がり、堪えきれない欲情に駆られる。口付と満足する贈り物が無ければ戻らない。



蛾___月夜(ツクヨ)
「要らないのなら欲が生まれる前にあなたの手で俺を消して、欲が産まれればもう手遅れ」
 /男/17~20/177cm/ML/
 黒色の髪は月明かりで色味を変える濡れ羽色のマッシュボブ、顔を隠す様に前髪が長い。細身で貧相な身体付き、所謂書生スタイルの和洋折衷な服装。切れ長の垂れた瞳は垂れた形、極度の猫背。
 産まれた事を後悔し息をする事も悔やむ蟲。堅物、卑屈、陰鬱、の三大苦を抱える。欲を一度持つと堪え性の無い欲しがりに変貌する為、そうなる前に消えてなくなりたい。閉鎖的な思考。蝶と双子。
 満月の夜には薄汚い茶色の羽が生え広がり、抑え込んでいた欲が全て表に立つ。生きている事の肯定をしなければ戻らない。



蜂___砂乱(スナミダレ)
「泣く泣くお前を宥めよう、俺の幸せは――嗚呼、お前の幸せだ」
 /男/14~16/165cm/NBL/
 黒髪被せの下が金色の金黒ツートンの髪、襟足が項を覆う程の短髪。愛嬌のある猫目と口角の上がる顔、幼くあどけない。藍色の半袖短パンの甚平を着用。犬歯のように鋭く八重歯が尖る。
 無邪気の毒を世に蔓延らせる蟲。人見知り知らず、懐っこく愛嬌の固まり。子供扱いをすると不貞腐れる、凛とし古びた喋り方が特徴。口達者で話をする事が好き、輪を掛けて無知な知識。
 満月の夜には瞳の色が赤くなり、透明な羽が生え、犬歯から毒が出る。その幼さを受け入れて愛でなければ元に戻る事が無い。



百足__手招(テマネキ)
「招チャン、○○チャンの事好きだよ。好き。○○チャンも招チャンの事好きでしょ?」
 /男/20~24/178cm/ML/
 赤ワインのような深い赤色をした髪は肩口に掛かるまでの長さが有り、項の所でお団子のように括る。黒色の着流しを着用する。人当たりの良い温厚な眼差し、優しくおっとりとした表情が特徴。
 自己中心的な貪る愛を強要する蟲。一方的に愛して愛を押し付ける、口下手の喋りたがり。語彙が無いせいで説明不足の喋り方をする。自己犠牲の性分が見られる、好きな人は好きだから仕方ない。
 満月の夜には鮫歯のように歯が鋭くなり、脇腹から胸に掛けて百足の刺青が浮き出る。満月が明けるまで一時も離れずに触れていないと戻らない。



蜉蝣__姫ゐ(ヒメイ)
「君の幸せを私が掴むから、私の幸せの為に君も目一杯にその手を伸ばしてよ」
 /女/20~22/170cm/GL/
 澄んだ黄金色の髪は項を覆う短髪で、緩くウェーブかかるのが特徴。凛とした釣り目、中性的な澄ました外見と細身の身体付き。さらしで胸を潰し、品あるスーツを纏う。男装に近い服装。
 守りたい守られたいの平等欲が強い蟲。一見紳士的で人の事を何より考えられる優しく温厚な存在だが、その内では施した分だけの褒美を待ち望む欲の炎をメラメラと燃やす存在。
 満月の夜には透明の羽が背に生え、瞳の色が深い緑色に変化をする。満月の日から次の満月の日までに受けた優しさを同じだけ返さなければ戻らない。



蟻___風鈴(ふうりん)
 「ふうちゃん、○○くんと一緒じゃなきゃヤダもん!嫌ったら嫌だもん!」
 /女/8~10/146cm/NL/
 黒色の髪は肩口のボブヘア、くりんとした丸い目が特徴。ふにふにとした柔らかい身体、狐面を頭の横に付ける。桃色の着物を着用して手首にはお菓子の入る巾着をいつもぶら下げる。
 幼い仮面を被る年齢不詳の蟲。一見幼いだけの甘ったれだが、時に大人び達観した事を言いだし、知識も持てあますほどに抱えている。どちらが本性なのかが決して見えない。謎が多い。
 満月の夜には幼い体が成長し髪が胸元まで伸び、凹凸のある大人の女性に変わる。満足するまで菓子を与えないと元に戻る事が無い。



>共通
 犬、猫、人間、生きている動物の肉を満足いくまで喰い貪れば満月の夜の現象を回避できる。
 容姿が変化した状態では生肉を喰らいたい欲との葛藤が抑えきれずに間近の肉を喰い尽してしまう。
 蟲卵とは言葉を喋り人間の皮を被るが、骨をしゃぶり、肉を噛み切る事に悦を感じる化物である。




名前(和名)
年齢(20~)
性別
外見(分かり易く/受け受けしいもの冷遇:低身長、男性の女性類似、等)
性格(分かり易く/受け受けしいもの冷遇:照れ屋、良い子ちゃん、ツンデレ、過度な無口、過度な片仮名使用等)
備考(住まいや職業等)
ロルテ(蟲卵が孵化した場面でのロルテをお願いします:初回絡み文に繫がります)


  • No.3 by 蟲  2016-11-26 12:12:45 






>レス解禁



  

  • No.4 by 匿名さん  2016-11-26 13:18:28 

名前 津崎 雪呼(tuzaki yukiko)
年齢 22
性別 女

外見 黒髪を胸の位置まで下ろし毛先は内側にくるりと巻いている。アーモンド型の、垂れ目でもなく吊り目でもない平凡な目で瞳は黒色、下睫毛が長いのが特徴。矢絣の和服に海老茶色の袴を組み合わせた格好。いつも困ったような微笑みを浮かべている。

性格 女学校の教師をしており論理的な考え方を持つ女性。どこか儚げに見えるのは日露戦争で亡くした弟を想ってか。淑やかな雰囲気を持ち困ったような微笑みを浮かべながらも自分の意見を容赦なく言葉にし貫こうとする態度は他教師から反感を買うことも多い。いくら他人と恋仲になろうと自分の柔らかい心の部分には決して触せない、煮え切らない態度も多く、自分に好意はなくても人には好いていてほしいという自己中心的な面も併せ持つ。

備考 それなりに大きな日本屋敷に父、母、数人の女中と暮らしていたが、ここ数年父は殆ど家に寄りつかず女中も辞めていき、今家に住むのは病んだ母と自分のみ。母の世話をし終えるとこれといった趣味もなく、父の作った屋敷で唯一の板間で揺り椅子に腰かけ日がな一日ぼうっとして過ごす。

ロルテ ...砂、乱.....?
(人の気配が殆どない広い広い屋敷。いつもはそれが酷く味気なく淋しいものに思えるのに今日この時だけはそれがとても有り難い。母を捨てて何処か余所へ行ってしまった憎い父だが、文明開化に合わせて作られたこの板間だけは素晴らしいと素直に認めよう。お気に入りのこの部屋で壁に作られた洋風の大きな窓からは満月の光がこうこうと入ってくる。その光の真ん中でヌチャリ、ヌチャリ...と気味の悪い水音を立てて卵のような物体が動いている。それは数か月前私の働く女学校の生徒から譲りうけたものだった。あの時のことは今でも鮮やかに思い出すことができる。先生、と涙目で寄ってくる可愛らしい二人の女学生。頭のリボンを翻しながら駆け足で私に駆け寄ると周りを見渡し告げ口でもするかのように声を潜めこう言ったのだ。「私たちこれを見つけてしまったのです。蟲卵を...!」恐ろしさと好奇心に目を危うい光できらきらさせながら私の台詞を待つ二人にいつもの微笑みを浮かべ期待通りの言葉を渡してあげた。「あら、それでは私が育ててさしあげましょうね。お二人は日々の勉強で忙しいでしょうから」その言葉にありがとうございます、と息をそろえて言うと授業開始の鐘の音に女生徒たちはまた走り去って行ったのだった。その時は厄介なものを手にしてしまったと思ったが趣味のない生活からか、名前を付け孵るかも分らない卵を愛でるのは中々楽しかった。だが、まさか本当に孵るだなんて誰が予想しただろうか...。未だ蠢く物体を前に私はそれが蟲卵だと認めざるをえない。震える喉を叱咤し恐る恐る上記のとおり声を掛けてみる。足はカタカタと小刻みに震え立っているのもおぼつかない。もしこれで返事でも返ってこようものなら私は本当に倒れてしまうだろう、そうこの異常事態に頭のどこかで冷静に判断している自分がいるのがわかった)


(/とても自分好みの世界観です!至らぬ所もありますが砂乱さん希望、宜しくお願い致します)




  • No.5 by 砂乱  2016-11-26 14:35:24 



>雪呼


(卵の殻を破り割るように罅を刻むのを皮切りに、黒い蟲卵はパキリパキリと罅を深め。右へ左へ揺り籠に揺れる様な一定の間隔で孵化する瞬間を待ち望み、粘膜の様な湿り気有る音が有触れた夜を奇妙に落とし、名を呼ばれると略同時に一層張り上げる力強い音を共に蟲卵は転がり、殻の欠片を頭やら肩やらに引っ付けながらその姿を現して。満月を背負う様に逆光に覚束ない体を匍匐前進のようにズルリ、ズルリ、と引き摺り蟲卵から抜け出して。張り詰めるかのような冷たい空気を裂くように"ぷは"と肺の中に落ちていた酸素を吐き出して、まるで母親でも探す様に周囲を見渡すと幼い瞳を目一杯に開き、見つけたその姿を確りと捉え数秒を過ごし。逸らす事無く真正面から穴が開かんばかりに見詰め「俺の名を呼んだのはお前だろうか、__その通り俺の名は"砂乱"で相違ないぞ」横たわっていた体を起こすとそのまま胡坐をかく様に座り込み、大きく開いていた瞳を猫のようにキュウと細めて吊り上げて、大きな口を開きにっかりと懐っこい笑みを表情に浮かべ。それも束の間に甚平越しに己の腹部を手の平でグルリと撫でればグルルと獣の唸り声のように腹の音を鳴らし、完全なる孵化をするように瞳が赤く色付かせ獲物を探すとばかりに、深く詰めるなら目の前の彼女を獲物と捕らえるように瞳孔を開き「――腹が減った」ボツリ落とす様に呟きを漏らせば毒の滴る八重歯を月明かりに光らせて)

(/自分得の趣味を詰め込んだトピに参加頂き有難うございます!プロフ、絡み文共に不備なく是非砂乱のお相手をお願いしたく思います。どうぞ宜しくお願い致します)

  • No.6 by 草薙雪呼  2016-11-26 16:26:57 


>砂乱

(誕生の瞬間とでもいえばいいのか、長いようで短かったその奇妙な時間は確かに私の心を酔わせ麻痺させていた。どこか異世界で起こっていることの様に見つめること数刻。蟲卵というくらいだからてっきりそれはそれは悍ましい何かが産れ出てくるのだろうと予想していたのだが、見事にそれは裏切られ中から卵の破片を幾つも付けて出てきたのは可愛らしい男児。いつしか震えは止り幼子の呼吸する音が張り詰め固まっていた静寂の間を弛緩させる。きょろきょろと辺りに目をやるその姿はまるで母親を探す幼子そのものだが、忌わしいあの戦争で帰ってこない弟を探す自分に重なるようで胸が少し痛む。そんな他人事のように感想を抱いていられたのはほんの僅かな時間。どうやら幼子が探していたのは私のようでずっと彼のことを見つめていた私と目線を交わらせると、その愛らしい容姿に似合わず酷く大人びた言葉を操り私に語りかけてきた。先ほどまで言葉が返ってきたら倒れてしまうやも、と案じていた筈がその容姿故だろうか、不思議と恐ろしいという気持ちは湧いてこず。その人懐こい笑みに思わず手を差し出そうとした瞬間、ぶわりと部屋の空気が変わる音を聞き体が固まる。冷や汗が背を伝うのが感じられる。目の前の愛らしい幼子はどこへ消えたのだろうか。そう思わずにはいられないほど目の前の男児から伝わる気配は色を変えていた。例えるなら先ほどまでは子獅子を相手にしていたのに気が付くと成獣となり私を捕え様と覗っているそんな感じ。赤い瞳はそのまま血を連想させる。月明かりに光る八重歯はナイフを突きつけるよりも容易く私の身体の自由を奪う。早く何か"代わり"を持ってこなければ私はきっと...死,ぬ。考えるよりも先に直感でそう分かった。何か代わりになるもの、寝たきりの母親か庭に居座る野良猫達しかいないこの屋敷に生きているものはいない。野良猫のところへ連れて行かなければ...!道徳心だとかは全て消え去り私はそろそろと足を動かし「庭になら生きているものが」そう言うと襖を開け庭に通じる廊下を指さした)

  • No.7 by 名無しさん  2016-11-26 17:02:58 



( 端的に説明するなら此処は、薄暗い闇の中だ。そんな場所で自分の他に一人、男が此方を向いて立っていた。まあるくなった背と磨りたての墨のような髪。陰鬱、という言葉はお前の為にあるようだなんて心の中で蔑みつつ、不躾に視線を送っていた。…しかし、逆光でも真っ暗闇でもないのに男の表情は読み取れない。この世のものではない何かと対峙しているようだ、と思い始めてようやく、これが夢である事をぼんやり理解し始めた。…ぱちり。今自分が、酷く自然に瞬きをした事に気付く。…ぴくり。指先が動いてやっと、「夢を見ている筈なのに、思考出来て、身体を動かせる」事に疑問を抱いた。この現象が明晰夢と名付けられるのは今より随分後の時代で、勿論、この不可思議な夢に対する知識等無い。そんな自分が、夢の中での自分の身体の動かし方をなんとなくわかり始めた頃―――ごとり。硬いものが硬いものにぶつかる様な音がした。瞬間、意識は闇の中から強制的に引き上げられ、椅子に腰かけ机に顔を伏せているこの体勢が、目覚めた直後の靄がかかった頭でも“眠りこけていた”のだなと思い至るに十分な判断材料であった。あまり身体が軋んでいない事から、眠っていた時間はそう長くないようだと安堵しのっそりと起き上がる。この街に一つしかない図書館の隅、古ぼけた長机に伏せよくもまあ眠っていられたものだと自分自身に呆れつつ、ぐいっと大きく伸びをして。…夢の事等、とうに忘れてしまっていた。時刻は夕刻過ぎ辺りだろうか?そんな事を思い、掛け時計に目をやろうとした…その時だ。ふっと視界に入り込んだのは、長机の端の方で堂々と存在を主張する「黒い楕円」。蛍光灯の光を受け細めていた眼をかっと開き、思わずガタンと机を揺らしながら慌ただしく立ち上がった。眠りを妨げた音の正体はきっとこいつで、視線が、意識が、その一点に引き付けられて逸らせない。閉館ぎりぎりまで人の多いこの場所に、自分以外の人間の気配がない異常性も気にならず…否、気付けない程に“それ”は異質であった。―――己は、その正体を知っている。主に噂好きな女学生の間でまことしやかに囁かれている異形の卵。人の口に戸は建てられぬとはよく言ったもので、杯から溢れる水のようにじわりじわりと歪な輪を描いて広がる俄かには信じがたいあの噂、その正体を、今、己はこの目で見ているのだと理解しては年甲斐もなく興奮した。ごくりと無意識に喉が鳴る。随分肩に力が入っているようだと気が付いたのは暫く経ってからで、ふっと息を吐き崩れる様にまた腰を下ろして。すると今度は酷くゆったりとした動作で机に肘をつき、歓喜が滲む目つきで舐るみたいに黒い卵へ視線をやる。にたりと吊り上る口角を抑えもしないまま肘をついていない方の手を伸ばすと、「―――運命って、こういう事を言うんだろうさ。」なんて呟き、まるで恋人の頭を撫でる様な手つきでこの街を騒がせる“怪奇”にそっと触れて。 )


( / 素敵な世界観にうっとりしながら読み進めさせていただきました…。ロルに関しては長くてこのくらい、普段はもっと短いです。現時点で相性に問題がないようでしたら、月夜君をkeepして頂けないでしょうか?お手隙の際にでもご検討宜しくお願いいたします。 )


  • No.8 by 砂乱  2016-11-26 17:25:22 



>雪呼

(ある種母胎とも言える蟲卵から出たばかりの身体は自由を謳歌する為に不慣れな四肢を懸命に使おうとだらりと垂れた足に力を込めて、髪が翻り宙を舞う様を赤い瞳に焼き付けながら距離感を測る様に毒を産み付けるタイミングを探り。臓腑が餓えに震えるようだ、ダラダラリと引っ掻く様な痒さが食事は未だかと訴える。襖が開けばその指の先へ裸足の足で廊下を歩きペタリペタリと足裏が引っ付くように粘着質な音を立てる中、教えられた通り庭へと出て。頬を切る冷たい風は飢えの前では一つと意味を持たずに、手と手を合わせ闇夜に光る猫と目を合わせ「いただきます」と礼儀正しく挨拶を添えてからゴクリ喉奥を震わせるほど生唾を呑みこんで。__地獄絵図、平穏な夜は一瞬にして一匹の猫の泣き喚く声を筆頭に地獄に変わり。べとべとべとべと、口回りを血液で真っ赤に染め上げながら牙からぷくりと滲み出る毒を猫に与えて。鋭い牙を突き立てて乾いた喉を潤すと、正に馳走を与えられた。そう言わんばかりの愉悦の笑みで武者ぶり付いて、骨まで残さず一匹を喰い尽せば残り香一つ残らない闇夜の晩餐は終わり。孵化したばかりの初の食事だからか、量は必要じゃなかったようで怯え脱兎と逃げた猫が"おかわり"になる事は無く。舌先でドロドロの赤に染まる指先を舐ると"けぷり"と小さな月賦を一つ。「ご馳走様でした」再度手を合わせれば血だらけの庭には不釣り合いの挨拶を一つ、一度瞼を落とし再び開いた頃には赤い眼はそこに無く。町へ出向けば幾らでも湧いて出るように有触れた人懐っこいただの少年、ただ異国交じりの金色を宛ら蜂のように髪に拵えて。爛々と輝く眼で広がる庭を見渡せば"けほけほ"と息がし辛いような咳込みを数回繰り返し、原因が喉奥に絡む鉄臭さと気づけばブーッとそれを吐き出してから再び自分の名を呼んだ女性を、引いては食事のありかを教えてくれた女性を探すために「…何処へ行ってしまったのだ」口角に力を込めて風に消える小さな声量でその一言をボツリと落とし)

  • No.9 by 蟲  2016-11-26 17:32:33 


>名無し様
(/小説の一場面を覗いているような素敵で魅力的なロルテを有難う御座います。喜んで月夜のKEEPを承らせて頂きたく思います!ロルに関しましては規定通り最低300有れば問題ありませんのでPL様のご負担にならない程度を目安で大丈夫です。それではプロフィールの提出をお待ちしております。)

  • No.10 by 匿名さん  2016-11-26 21:58:57 

──蟲卵……(雑役夫として雇われている女学校で最近囁かれる噂話、生徒と交流のない身にも聞こえてくるほど伝染力が強いそれは真っ黒な鶏の卵のような異形、蟲の卵と書いて「チュウラン」と言うらしい化け物。そんなもの女学生が退屈を埋めるためのよくある空想だと気にもしていなかったが、花の植え替えをするために土を均していた花壇から出てきた真っ黒の鶏の卵に噂話が蘇れば思わず手を伸ばしてしまい。見た目に反し持った感触も重さもなんの変哲のない卵、友達をからかってやろうというお転婆が仕込んだ凝った小道具と考えれば異形の噂話よりは腑に落ちる。そのお転婆の計画は潰れるがこんなものがあっては仕事の邪魔であるしあとで焼却炉にやってしまおうと屑籠へ放り込もうとしたがふと卵の鈍い輝きが目に留まれば表面についた土を撫で落とし、改めて見れば均整の取れた形に美しい光沢をしている事に気付き。まるで眩暈でも起こしたようそこからの記憶は曖昧で、作業着の胸ポケットへ黒い卵を忍ばせていた事に気付いたのは自室でポケットの硬さに触れた時だった)

(/世界観や異形のキャラクターにグッと魅かれました。参加希望です。上記のようなロルで問題がなければ、黒鈴さんのキープを宜しくお願い致します)

  • No.11 by 名無しさん  2016-11-26 22:10:58 



名前 / 藤岡 朝陽(フジオカ アサヒ)
年齢 / 25
性別 / 男
外見 / 色素の薄い母に似て、栗の皮のように黒みがかった赤褐色の髪色を持つ。やや癖っ毛だがどこか上品で、清潔感が損なわれない程度に伸びている。切れ長の双眸も髪と同じ色を宿しており、筋の通った鼻、形の良い唇も相まって女性受けは悪くない。身長は177㎝とやや高めで、紺や灰を基調とした書生スタイルと呼ばれる服装に身を包む。すらりと飛びた手足、所作、真っ直ぐ伸びた背筋が育ちの良さを窺わせる。

性格 / 自尊心が高く高慢。自己中心的で支配欲の強いサディスト。が、基本的に他者には無関心故波風を立てて楽しむ趣味もないので、驚く程普通に人当たりは良い。というか、変に踏み込まれるのが嫌。二面性がある、という意味で彼の右に出るものはそうそういない。気に入ったものは絶対欲しいのに、手に入れた途端興味を失ってしまうタイプ。勝手。演技派。達観した部分と子供っぽさを併せ持つ。

備考 / 駆け出しの物書き。文学作品を中心に執筆しているも、依頼されて執筆した子供向けの絵本しか世に出したことがない。売れたには売れたのだが内容がやたら不気味なので、子供向けと謳っているが狙っていない層に評価されている。有名な呉服屋を営む両親の元へ生まれた為、一作品しか発表していない物書きの癖に生活には全く苦労していない。広さはないが趣のある小奇麗な一軒家を借りており、そこで独り暮らしている。
ロルテ /

( そんな事を言うつもりは毛頭ない。しかし、あえて言い訳するならば「うっかりしていた」の一言に尽きる。甲斐甲斐しくとはお世辞にも言い難いがそこそこ目を掛け温めて、育ての親―――つまり自分と似たようなのが生まれてきては厄介だと、真逆の名前まで与えてやったのだ。…月夜。今夜はお前の夜だ。まあるい月が浮かぶ夜、そんな大切な日を、あろう事かうっかり失念し珍しく外に出ていた己は、噂通りであれば今夜孵る筈の黒い卵を思い足早に家路を辿っていた。乱暴に突っ込まれた鍵、ガタガタと音を立てて開け放たれる戸。少し息を乱してようやく帰ってきた我が家の空き部屋、真白い敷布の上で月の陽を浴びる黒い球を見下ろした。肩を上下させながら息を整えて、その場にどさりと荷物を置く。そっと近づいて跪き、割れ物扱うような手つきで表面を撫でた。…変化は見られない。はぁ、と一度息を吐き、片膝を立てた状態からどすりと床に尻をついて胡坐をかく。早く顔を見せろ、顔を見せろと急かす心の内とは裏腹に、酷く落ち着いた様子でそれが孵るのを待っていた。夜は更ける。薄暗い部屋で爛々と興奮を滲ませる瞳を伏せると、静けさだけが身に染みて…薄暗くて、静か?―――この光景を、己は知っている。どこで見たのかわからない、けど、確かにどこかで…みしり。何かが軋む音がする。みしり。怪奇が生まれる音がする。みしり。…嗚呼、思い出した。ずるり。粘着質な音がして、伏せた目を薄く開く。ずるり。お前は、あの夢の。ふう、と小さく息を吐いて、不気味な影を落とす眼前の化け物に目をやった。てらてらと粘つく液体と割れた殻を纏い、姿を現したのは一人の男。運命って、こういう事を言うんだろう。月夜、今夜はお前の夜だ。今度はちゃんと、顔を見せろ。「―――気分は、どうかな。」静かに一言投げかければ、生まれてしまった化け物に、穏やかな笑みを浮かべてみせた。 )


( / プロフとロルテ兼絡み文が完成いたしましたので投稿させていただきます。不備、ご不満などございましたら何なりと仰っていただけたらと幸いです。 )


  • No.12 by 蟲  2016-11-26 22:37:57 



>匿名様

(/とても魅力的な文章を有難う御座います。雑役夫と言う立場も又、噂の根源である女学生と間接的であれ密に関わる立場で有る為今から楽しみです。黒鈴のKEEP承りました、プロフィールの提出をお待ちしております。)

  • No.13 by 月夜  2016-11-26 23:31:47 



>朝陽


(殻の中は居心地が良い、己以外の他に何も存在せず知識として双子の姉がいると言う事だけを潜在意識の渦中に埋めて夜を繰り返すだけの毎日。何時までも、このまま身体が腐り朽ち果てるまで幾度もこの夜を繰り返していきたい。己はこの殻を破り出てはいけない命なのだ、体を抱えるように丸まり大きく成長した身体が押し出るように脆い殻に罅を刻んでしまえばそれを始まりに嫌だ嫌だと拒んでみても、一度割れ始めた殻は耐久性が無くあっと言う間に光を中に許してしまい。背中に蚯蚓が這いまわる様なゾワリゾワリと光に怯えを産み、殻の隙間が広がるほどに息苦しさは増して。俯き、顔を伏せ、身体を小さくしては孵化の時間を迎え__降り注ぐ初めての声にドクン、と心臓を震わせて。息が出来ない程喉奥が塞がり"カハッ"と噎せ返る一つの咳を零せば返事をするより先に背中から醜く品の無い茶色の羽が広がって、汚い羽は粘膜の液体に塗れ一層とベタ付き醜さを帯び。ヒュー、ヒュー、と呼吸一つさえもまともに出来ず愚図愚図と下手糞に酸素を肺に送り「何で、――死にたいのに、喰いたい、」グルグルと目が回りそうな息苦しさに張り付く前髪を掻き上げて、初めて此処でその面を晒し。ゴクリ、生唾を飲み込んだのは死にたいと願えど死ぬ勇気が無ければ生きる為に空腹を感じてしまう生物としての本能で。)

(/とても素敵な息子様の提出を有難う御座います。不備なく今から絡める事を楽しみにしております…!どうぞ宜しくお願い致します。)

  • No.14 by 朝陽  2016-11-27 01:46:07 



>月夜

( 似てくれるなとは、思ったが。確かに、腹の中で燃え上がる興奮を抑え込み落ち着き払って声を掛けた己と、喘息の様な呼吸音をかき鳴らすこの男とではまるで反対だった。粘つきながら、めきめきと広がる薄茶色の羽。蛾か、なんてぼんやりと考え、苦しそうに言葉を紡ぐ男から視線をそらさず「―――死にたい奴は、必死に呼吸なんてしないと思うけど。親不孝な事を言ってくれるね。」なんて冷静な声色で言ってのけ。長ったらしい髪を振り乱しようやく露わになったその顔をまじまじと見つめると、ひゅうひゅうと空いた喉、口、その上で尖る可愛い鼻を、子供を叱る親のように、慈愛を持って容赦なく摘み腕の力でぐっと後ろへ押してはぱっと乱暴に放って。幼子とは言い難い大きさとはいえ、やはり生まれたばかりのコレがどうしようもなく可愛くて可笑しくて、くつくつと小さく笑って今度は片膝を立てた。なんて素晴らしい夜。窓から差し込む清らかな光、その先で欠ける事を知らず煌々と輝く満月は、今まで見たどの月よりも美しかった。―――なぁう。控えめな声が耳に届いた。うにゃあ。二匹、いるようだ。恐らく彼の耳にも届いただろう、窓のすぐ向こうで生を謳歌する野良猫の声が。「…そら、行っておいで。満たす方法は知ってるんだろ。」なんて静かに呟けば、親を自称する割には生まれたばかりの子供の狩りに手を貸す気はさらさらないようで、ただにこにこと微笑み彼の動きを見守っていて。 )


( / keep時のロルテに加えプロフまでお褒め頂けるなんて…主様の描く世界とキャラクターに魅かれ参加を希望させていただいた身なのでとっても嬉しいです。ありがとうございます。参加も許可してくださりありがとうございました。こちらこそ、これからが楽しみです!レス回収、展開について等何かございましたら遠慮なくお声掛けくださいね。これから宜しくお願いいたします。 / 蹴可 )


  • No.15 by 月夜  2016-11-27 02:35:26 




>朝陽

(啄まれる程の力で鼻を摘ままれると痛みはさして強くないが、触れられる肌の感触ばかりが目が眩む様に熱を残し心の臓を掻き乱す。窺うばかりの瞳は伏せられたまま、脳髄に浸らせるべく頭の中は乾く喉を潤したいとそればかりが占拠して。体力が有るとも思えない、殻から出たばかりの無駄なほどに長い四肢を上手に動かせる自信も無い、それでも空腹には変えられないと眉尻を落とし眉間に皺を寄せれば拙い呼吸を遮る様に聞こえた"生物"の声へ耳を澄ませて。首を垂らして、ゆらりと立ち上がれば背中は自信欠如を表現して丸められ。ずるり、だらり、下手糞な歩みは爪先を一々と引き摺り廊下を滑らせ。途中で振り返るのは不安を抱えた結果であり、縋るにも似た恐れを前髪で隠す面に浮かべつつキリキリと腸が痛む飢餓の訴えに導かれるが如く外へと足を運び。外の風に濡れた羽が乾き、より一層と開かれれば動いた小さな生き物に伏せる瞳は瞳孔を開かせ。そして__風に髪を揺らしながら、ヒタリと幸せ噛みしめるように笑顔を浮かべ。"にゃあ、にゃあ"としゃがみ呼び込むのは擬態にもならない似非た鳴き真似、釣られるように現れた猫の一匹を抱きかかえれば「___御免な、」生きたくないのに飢えにも勝てない、心の葛藤に負けた本能で猫の細い首を落とさんばかりに両腕で締め、ギギギとこの世の終わりを示した呻き声と生き地獄を表す表情に歪な愛を噛み締めて。開かれた猫の上顎、下顎を裂き割る様に指先で開いて肉が割かれる度に溢るる生き血を啜れば初めての食事の美味しさに我をも忘れ、びちゃびちゃ__ごくり、と渇きを満たすだけの為に血液が止まるその瞬間まで温かい内に飲み干して。血液滴る生肉は食す事無く、肉に染み渡る血液を綺麗に舐め取れば口の周りはベッタリと血液に塗れ。潤ったことで呼吸がしやすくなり、食事をとったことで満たされた欲に伴って羽が消えれば残るのは命を続ける事に対する罪悪感ばかり。爪を立て我武者羅と地面の土を掘り起こすと猫とは言えない亡骸をそこへ置いて、再び掘り起こした土をそこへ掛けてから血まみれの土塗れ、かと言って洗うなんて事はしない姿で屋内に戻って来て「…親不孝と言った、俺はお前の子なのか」首は変わらず垂らしたまま、殻の中の出来事を辿り。糸口を引っ張り出す様に"月夜"と名をくれた"誰か"を探る様に直線的な質問をし)


  • No.16 by 藤岡 朝陽  2016-11-27 12:35:03 



>月夜

( 極めて静かな食事だったように思う。案外狩りの才能があるんじゃないか、なんて小馬鹿にしたように賞賛しつつ、すぐそこを餌が歩いている状態で窓を蹴破らなかった行儀の良さを褒めてやろうと思っていた。…ひた、ひた。食事を終えた化け物の引き摺る様な足音を聞き、ゆらりと立ち上がって振り返る。―――血塗れの土塗れ。羽こそ消えているものの、声を荒げて咎める気にもなれない程汚れた格好でふらふらと戻ってきた男をひきつった顔で見やると、探るように静かに語るその声を何とか黙って聞いていた。「…腹を痛めた覚えは無いけどね。育ての親を自称したって良い位には、手を掛けてやったと思うよ。」と誕生の日を忘れ外出していた事実等素知らぬ風に返答し、置いたままだった荷物を持っては背を丸めて立つ彼の横をすり抜け洗面所へ向かって歩き出し。「おいで月夜、食事は汚さず終えるよう心がけるものだよ。次があったら気を付けなさい。」なんて振り返らずに声を掛け目的地へと辿り着くと、当時の普及率は20%程であったとされる水道の蛇口を顎で示して。「手ぬぐいと着替えを持ってきてやるから、それを捻って汚れを落とす。良いね。」と子供に聞かせるように言い放つと、ぱたぱたと自室へ向かって踵を返した。ぱっと離した手。どさりと落ちた荷物と共に疲れも抜け落ちてくれるなんて事は無く、ふっと小さく息を吐く。短時間の間で起こった怒涛の出来事をばたばたと頭の中で再生すると、化け物を拾って、あろう事か孵してしまったという実感が今更じわりと湧いてきて。粘液塗れの空き部屋も掃除しなくちゃいけないな、なんて案外冷静に今後の予定を立てては、着替えを持っていく途中だったんだと頭を振り、大きめの手ぬぐいと適当な着流しを手に部屋を出て。 )


  • No.17 by 月夜  2016-11-27 15:34:59 




>朝陽

(腹を痛めていない、育ての親、持ち上げられる単語を受け止めては父と子と言うには違和の有る間柄を探り。拙い情報は力にならないが、何より"月夜"と己に与えられた確かな名をいとも自然に、何の躊躇いを持つことも無く彼の言葉として上げられれば先の間柄を疑う事等もう微塵と見えず。目の前の彼、蟲卵に名を付け話を語りかけた人物であると認識をして。それが間接的にであれ、親で違いないと理解を示すと逆らい反抗するそぶりを見せず。続けられる指示、ぼんやりと虚ろ眼で蛇口を見詰め頼りない腕をヌルリと伸ばし警戒を持ちながら触れて。手の平の体温を急激に下げる鉄の冷たさに触れた手を直ぐに引っ込めて、己の手を守る様にもう片方の手で自身の手を握り締め「__冷たい、」シン、と静まり返る静寂の中掠る声で呟いて。再び腕を伸ばせば同様に蛇口を捻り、溢れるように水が出てきたのを数秒見てからドロドロの手を水に浴びせて。凍るほどに冷たく痛い、手の平の汚れを拭い取ってから腕、顔、とベタ付きを流し始え、蟲卵の粘着きも同時にそこで落とすと余りの冷たさに顔色は一層と悪い物に変り、カチカチと奥歯が震え音を鳴らし__それでも尚、生きていると言う事実が重たく圧しかかり。満たされる腹は生きたかった動物の明日を犠牲にしたもの、胸奥で燻ぶり目の前がドンヨリ暗くなる。声は絶え絶えと音を上げる事が出来ず、ズルズルと身体を引き摺り蛇口の水を出したまま座り込み。己の両手を首へ這わせると、先程猫にしたのと同様に力を込めて。指に力が籠ると同時に息苦しさが込み上げて、酸欠気味の頭はそれが心地良いと首を脈打つドクンドクンとの感覚だけが安堵を与え。目の前が眩み、座り込むことすら敵わなくなるとその体を地面に倒し「___ヒュ、」意識が途切れかけたその一瞬で堪えることできず手の平の力を抜くと冷たい酸素を吸い込んで。倒れたまま目玉を回すとグルリと部屋内を見渡して、己の名を呼んだ彼は何処か。それだけを思いつつ音を頼りに耳を澄ませて)

  • No.18 by 匿名さん  2016-11-27 16:47:43 

名前:倉井 ルリヲ(クライ ルリヲ)
年齢:30歳
性別:男
外見:170センチ、体躯はしっかりしているがあくまで平均的。重たく毛先に癖のある黒髪は肩まで伸び、仕事中は低い位置で縛っている。目尻の甘い二重で目の色は日本人にしてはやや明るい茶色。仕事中は灰色の作業着に黒い長靴、それ以外だと詰襟シャツにスラックスと雪駄。着飾ってサスペンダーや上着程度。身なりには最低限しか気を遣わずどうにもくたびれて見える。
性格:16から17歳の少女に殺されたい他殺願望を長年抱いている。死にたいわけではないが、殺してくれる理想の少女が現れないために今まで生き続けている。異常嗜好である願望を除けば目立った点もなく一見すれば到って穏やかで平凡。どちらかと言うと周囲に無関心で喜怒哀楽も乏しいが社交性や愛想の使い方は奉公生活で身についているので、相対的に無害な人間。
備考:とある女学校に雑役夫として雇われている。勤務は生徒の始業時間より早く始まり終業時間より早く終わるため生徒と交流は挨拶程度。小学校卒業後に知り合いの商家に奉公に出される。十代後半に両親が他界し続いて商家が廃業すると天涯孤独となり、顔見知りだった本屋の夫婦に住み込みの手伝いとして引き取られ現在まで世話になっている。本屋の二階の角部屋、擦りガラス窓の一つある六畳一間が自室。

ロルテ:
(本屋の二階、自室の窓際にある机の上で先日買ったばかりの小さく可愛らしい文鳥が二羽、籠越しに小首を傾げてこちらを見上げているのをどうという感情もなく見下ろし。それよりも気になるのは見上げた先にある満月と背後の異形の気配、それだけで本も読めそうな月明りは擦りガラスの窓いっぱいに差し込み、敷いた布団の上に横たえたまさに異形らしい大きさの黒い卵の表面をゾッとするほど一際美しく照らしていて。仕事中に見付けたそれを焼却炉ではなくポケットに忍ばせたのはどうしてだろうかと自問を持った出会いの日、戸惑いのまま噂話に倣って名前を付け、一夜二夜を共に過ごした布団の中ではっきりしたのは自問への答えではなくみるみる大きさを増していった卵に抱いた戦慄と長年抱えた他殺願望への期待。拾ったその日からいよいよ迎える初の満月、机に頬杖をついて見つめていた卵に入ったヒビに目を見開けばぐ、と息を詰め、逸る動悸にもしかしたらこの出会いは女学生達を真似ればロマンスとかいうこそばゆいものなのかもしれない、と割れた卵の合間に見えたぬらぬらと光る白い肌と細い腕に思い)


(/>10で黒鈴さんのキープをお願いした者です。プロフィール完成しましたので、確認と不備ありましたらご指摘お願いします。
また、質問なのですが蟲卵は孵化した時から>2の服装をしていると思って大丈夫でしたか?)

  • No.19 by 黒鈴  2016-11-27 17:58:46 




>ルリヲ

(孵化する事を焦らすように殻の内側から手を押し当てども中々開かず、その間にも餓死せんばかりに飢えが脳内を埋めつくす。たべたい、たべたい、頭の中はそればかり。臓腑を掻き乱しぞろぞろりと蚯蚓が這い回る気味の悪さ、こんな殻の中で死んで堪るかと殻を割る為の力を籠める。__パキリ、パキリ、僅かな隙間が生まれた。その隙間に指先を突っ込むと穴を広げるように己の世界を自らの手で開拓し、粘液を纏い顔に張り付いた髪をそのままにヌラリとその姿を現して。眼球を捲る様に大きく開き、その先に存在する男の姿を正面から捉え。バリバリ、殻の罅を更に深めると殻からその身を全て出して。開いていた目を一度閉じれば両の手を合わせ、再び眼が開くころには額に浮き出る幾つもの目が有り。にこり、口角を釣り上げる見た目よりも幼くあどけない微笑みを浮かべては「 いただきます 」と捕食目前の挨拶を発し。合わせた手を離し、狙うのは目の前の生物。それが犬であろうが猫であろうが、人であろうが関係ない。ざり、ざり…と膝立ちで詰めるように歩みより彼の肉を貪る事だけを頭にして)


(/とても素敵なプロフィールの提出を有難う御座います。わかりやすいロルテも加えて不備御座いません!ありがとうございます。
蟲卵は孵化した状態で記載した通りの服装を着用しておりますが、蟲卵の中で形が作られる経緯である粘液がヒタヒタと生地に染みている状態になります。分り辛ければ申し訳無いですorz記述漏れ、不備などが目立つかと思われますがどうぞよろしくお願いいたします。)

  • No.20 by 蟲  2016-11-27 18:03:14 



__提供___



蝶___籠女(カゴメ)
「熟れて落ちる寸前の愛を私に贈りなさい、ピンセットで飾って額縁に入れるのよ」
 /女/17~20/155cm/NGL/
 艶やかで華やかな、幼くも熟したアンバランスの美を持つ女。紫色から桃色のグラデーションの髪は胸元までの長さが有る。簪と着崩す花魁着物、凹凸の有る体に咥えるのは金細工の派手な煙管。釣り目。
 愛を玩具にする愛に酔う蟲、気が触れた情緒不安定な気紛れ、愛されたがりの愛したがり、愛せないならもう要らないと身勝手に相手を振り回す。気高いナルシスト、常識知らず。自己中心。蛾と双子。
 満月の夜には背中に大きな蝶の羽が艶やかに生え広がり、堪えきれない欲情に駆られる。口付と満足する贈り物が無ければ戻らない。



百足__手招(テマネキ)
「招チャン、○○チャンの事好きだよ。好き。○○チャンも招チャンの事好きでしょ?」
 /男/20~24/178cm/ML/
 赤ワインのような深い赤色をした髪は肩口に掛かるまでの長さが有り、項の所でお団子のように括る。黒色の着流しを着用する。人当たりの良い温厚な眼差し、優しくおっとりとした表情が特徴。
 自己中心的な貪る愛を強要する蟲。一方的に愛して愛を押し付ける、口下手の喋りたがり。語彙が無いせいで説明不足の喋り方をする。自己犠牲の性分が見られる、好きな人は好きだから仕方ない。
 満月の夜には鮫歯のように歯が鋭くなり、脇腹から胸に掛けて百足の刺青が浮き出る。満月が明けるまで一時も離れずに触れていないと戻らない。



蜉蝣__姫ゐ(ヒメイ)
「君の幸せを私が掴むから、私の幸せの為に君も目一杯にその手を伸ばしてよ」
 /女/20~22/170cm/GL/
 澄んだ黄金色の髪は項を覆う短髪で、緩くウェーブかかるのが特徴。凛とした釣り目、中性的な澄ました外見と細身の身体付き。さらしで胸を潰し、品あるスーツを纏う。男装に近い服装。
 守りたい守られたいの平等欲が強い蟲。一見紳士的で人の事を何より考えられる優しく温厚な存在だが、その内では施した分だけの褒美を待ち望む欲の炎をメラメラと燃やす存在。
 満月の夜には透明の羽が背に生え、瞳の色が深い緑色に変化をする。満月の日から次の満月の日までに受けた優しさを同じだけ返さなければ戻らない。



蟻___風鈴(ふうりん)
 「ふうちゃん、○○くんと一緒じゃなきゃヤダもん!嫌ったら嫌だもん!」
 /女/8~10/146cm/NL/
 黒色の髪は肩口のボブヘア、くりんとした丸い目が特徴。ふにふにとした柔らかい身体、狐面を頭の横に付ける。桃色の着物を着用して手首にはお菓子の入る巾着をいつもぶら下げる。
 幼い仮面を被る年齢不詳の蟲。一見幼いだけの甘ったれだが、時に大人び達観した事を言いだし、知識も持てあますほどに抱えている。どちらが本性なのかが決して見えない。謎が多い。
 満月の夜には幼い体が成長し髪が胸元まで伸び、凹凸のある大人の女性に変わる。満足するまで菓子を与えないと元に戻る事が無い。



※現在、上記蟲卵の御相手を募集しております。

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