ヴィオレットの火輪は翡翠を焦がす / 〆

ヴィオレットの火輪は翡翠を焦がす / 〆

ジェイド  2020-03-23 23:02:04 
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永遠に沈まぬ火輪を求めて

黒薔薇の嘲笑に目を伏せても

俺の身体は憧れに震える

貴方に寄り添う翡翠の光は

眩い幻灯機か、儚い誘蛾灯か

物語はまだ、終わらない。


>繰り返される喜劇へ色彩を咲かせる、破天荒解な少年だけを待つ。




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  • No.3 by ルシアン  2020-03-25 20:22:27 





酷いなぁ、僕が君との場所を迷うと思ってたの?なんてねっ。ほら、僕ってば名探偵だからさ、探し物は大得意さ。


成る程ね、分かった!僕の場合はお喋りのしすぎで話が脱線しちゃいそうだから、もしもの時は背後とバトンタッチさせてもらうよ。
前にイベントで参加させてもらったアルフレッドを機会があればもう一度登場させたいかな?それと、本トピの方だと僕の希望ばかり聞いてもらってたから、君からもこんな展開にしたい、とかこんなキャラと絡んでみたい、とかあれば遠慮なく教えておくれよ!


うわー、僕が大人になった時かぁ。楽しそう!その場合は捕食とは別のルートを歩んでみたいな。そうなると…共依存か、共犯者が気になるところだけど、君の方はどうかな?
因みに、ルートに応じて少し大人になった時の性格を変えようと思ってるよ!根本となる大元の性格は今とは変わらないけど…例えば共依存ルートだと今より勿論執着が増すし、共犯者ルートならちょっぴり腹黒な僕になってたりしてね、ふふ。



  • No.4 by ジェイド  2020-03-25 22:24:00 




俺の意図が伝わったみたいで何よりだ。お前の無邪気な話し方も、ユーモアと知性が絶妙に折衷した背後様の語り口調も、俺はどちらも大好きだからな。相談内容や気分次第で、お前のやり易い方へ自由に切り替えてくれな。


アルフレッド、彼もとても魅力的だった。強さの中に弱さを持ち、けれど凛と輝く一本の芯を持っている人だったな。彼と美しい終わりを紡げたヴィンスが羨ましいよ。
俺達の目下の希望はifストーリーの実現だが、また思い出したり思い浮かんだりしたら、その都度伝えさせてもらうな。あとは、その時の気分次第で提供する怪物を切り替える提案をするかもしれないから、お前が嫌でなければ相手をして貰えると嬉しい。


そうか、興味を持ってもらえて本当に良かった!共依存も共犯者も、どちらもお前と歩んでみたいな。共依存の呪いを完成させた後、暗く燃え落ちる愛の勢いに任せて、そのまま共犯者ルートへ突入するのも悪くない、なんて思ったよ。
そうだな、今よりもっと大人っぽくなって、どこか落ち着きを手に入れたルシアンも見てみたいな。執着心のあるお前も、計算高いお前も、どちらも俺達にとっては限りなく魅力的な人に違いないだろう。
俺のお前に対する接し方も、子供時代と大人になってからでは少し変わるかもしれないな。根底に揺るぎない愛情や信頼があるのはそのままだが、今までなら甘やかしていたような場面でも、ビシッと厳しく突き放すようなことを言ったりするかもしれない。……現時点では想像しがたいがな( 頬ぽり )


  • No.5 by ルシアン  2020-03-27 06:03:32 




へへ、良かったよ!アルフレッドの場合は崇拝とかがメインになると思う。ただ歩む道によっては一種の狂気染みた感じになっちゃいそうで…なかなか好みが分かれちゃいそうだなぁ、と。またよければ彼とも話してあげてねっ。
僕も色んな住人の人たちと話したいなーって思ってたから、むしろ提案してもらえると嬉しいな!


共依存のあとの共犯者ルートかぁ!なんだかワクワクするやっ。実は君と捕食エンドを迎えた後、機会があれば他のエンドも目指せたらなーって、考えてたことがあってさ。どうなるか分からなかったから伏せていたんだけど…捕食ルートの中で偶に過去に関わった家族の顔とか、血筋がうんたらかんたら的な事を織り交ぜてて、あれって実はもう一つの僕の足枷だったんだよね。今回は捕食エンド真っしぐらだったし、僕の心情的にもそこまで深く問い詰める時間がなかったからスルーされてた問題なんだけど、例えば今回提案してもらったように何かしらの奇跡が起きて僕が生きてる世界線があった場合、絶対に向き合わなければいけない問題になるんだよね。それにどう折り合いをつけるのか、彼らの血を受け継いだ自分を受け入れられるのか…そういった問題を解決していく上で共依存ルートって、とっても合ってると思うんだ!まあ、これも僕たちが勝手に考えて楽しんでたifのお話なんだけど。君たち側で希望する展開や、物語のスパイスとして加えたい設定とかあれば遠慮せず教えておくれよっ。じゃないと、この前みたいに僕が好き勝手に回収出来ない伏線とかキーワードとか入れていっちゃうんだから、ふふ。


ええー!?ジェイドってば、厳しくなっちゃうの?まあ、それも僕たちの関係が変わる上で必要不可欠かもしれないけど…やっぱり悲しいなぁ。今のうちに、いーっぱい甘えておくことにするよっ!


一応、次のお話は共依存ルートからの共犯者エンドを目指すって事で決定でいいかな?
あと決めるのは僕の病気が何故治ったのか、それと前回の捕食エンドのどの辺りから分岐させるかも大事だよね。
諸々の細かいところが決まれば、大人バージョンの簡易プロフィールも書いて投稿させてもらうねっ!


  • No.6 by ジェイド  2020-03-27 19:57:42 



そうだな…崇拝がメインになると捕食や隷属ルートと親和性が高いんだろうが、怪物たちとの相性も気になるところだな。だが興味はあるし、また気が向いたら一緒に楽しもう。


成程、本当にルシアンの背景は深くまで綿密に作られていたんだな。本編の捕食ルートで消化しきれなかった設定を、この個室で存分に活かしてもらえたら俺も背後も主冥利に尽きるよ。
正直俺達側は、死の病を克服したルシアンとアナザーストーリーを綴ってみたい!…っていう漠然とした願望が強くてな。だから、やりたい設定や盛り込みたい展開を、思い付いたら都度伝えさせてもらうな。
兎に角、お前との縁を繋いでいたくて、まだまだ話し足りなくて…短絡的で恥ずかしいよ。


嫌、勿論まだ確定じゃないんだぞ?そんな予感がするなあ、ってだけの話だ。俺としてみれば、やっぱりお前を共依存の呪いに縛り付ける事に抵抗があるだろうし、そういう意味で一度突き放そうとはするかもしれない。失敗に終わるだろうけどな。


そうだな、その方向性で行こう。
病が治った理由に関してだが、これは魔法の力、という事にしようかって考えてたんだ。ご都合主義と言われてしまえばそれまでだが、あまり魔法が得手でない俺が必死に治癒の魔法を学んで、魔法が得意なギンハやマリーシュカの力も借りて、お前が俺を部屋に呼んでくれた最期の日に奇跡の魔法を完成させ、お前を癒す…なんて流れを考えていた。これは分岐点の話にも繋がるんだが、お前が俺達に用意してくれた傑作のプレゼントを無かったことにするのはすごく勿体ないと思ったんだ。最期の夜にお前が俺に渡してくれた青空の絵も、お前のわだかまりを一つ解決するために不可欠な要素なんだろうし。

以上はあくまで俺の考えだから、お前の想定と違うところがあれば遠慮なく教えてくれ。


  • No.7 by ルシアン  2020-03-28 13:58:12 




えへへ、そこまで言われると照れちゃうやっ!といっても、君が上手に僕を導いてくれるから、あれこれ思い付いちゃって設定過多になってアップアップしてる…っていう。
僕もまだまだ君達と話したかったから嬉しいよ!


君ってば本当に最高っ!僕もそれを考えていたんだっ。だってあの物語がないと君ってば悪い方に囚われたままだし、僕も次のステップに進めなくなっちゃう。僕の病状を何故君が知る事になったのか…その辺りは勘の鋭いギンハ様とか、君のことが心配になった使い魔やレジーナがそれとなく教えたとか、将又君が僕の違和感に気付いてた、とか君達の良い様にしてもらえたら!
魔法の力かぁ、いいね!世界観が出てて素敵だと思う。まさに君からの愛を感じるよっ。きっとこの時点で一つの奇跡を可能にしてしまったから、壮大な夢を見てしまって共犯者ルートにも知らずに進んでいっちゃうのかもね。
共依存、共犯者ルートで盛り込みたい事はおいおい纏めて前みたいに相談させてもらう事にするよ。一先ずは奇跡の夜をやり直して、僕が大人になるまでをイベントとか交えて話そうか?


それで良さそうなら次からロルを投下させてもらおうかなって考えてるよ!最期の夜をやり直す事になるから、前に本トピの方で投下した内容と初めは同じになってしまうけど、それで大丈夫かな?なにか不具合とかあれば教えてねっ。


  • No.8 by ジェイド  2020-03-30 00:48:00 



はは。同じことを考えてたなんて、少し照れ臭いが嬉しいなあ。
俺がお前の病に気が付いたのは、付け耳と尻尾をプレゼントした夜、という想定にさせてもらおうかと思ってるんだ。お前が部屋にこもって一世一代の傑作を作製している期間、俺も一心不乱に治癒の魔法の完成の為の努力を重ねていた、という実情になるかな。
そうだな、兎にも角にも最期の夜を奇跡の夜に塗り替えてからだな。お前が大人になるまではスキップでも良いかと思ってたんだが、断片的に○○歳の頃、○○歳の頃とイベントを利用して成長過程の思い出を紡ぐのも素敵だ。共依存ルートを目指す頃、お前の年齢は少なくとも20歳は超えているイメージだったんだが、最終的な年齢のゴールはどの辺りが良いだろう?


ロルの投下についても、有難う。本編レスで言うところの№139あたりから本格的に話が分岐すると思うし、お前さえよければその辺りから始めて貰えればこちらは問題ないよ。


  • No.9 by ルシアン  2020-03-31 22:00:56 




うんうん、成る程ねっ!確かに断片的にイベントを起こした方が楽しそうだね。段々、歳を取るにつれて僕の隠れていた問題が表出していく予定だから、そのイベントを利用してちょっとずつ織り込ませてもらおうかなっ。それに、一気に大人になっちゃうと悲しいし、未だに僕も自分がどんな風に成長していくか掴みきれない所があるんだよね…。だって反抗期も迎える訳だからさ、どうしようか悩みどころだよ。それに君に嫌われてしまったら…って考えると怖いや。取り敢えず一人称は今のところ僕だけど、君に憧れて俺、とかに変更しようかなーって、ふんわり考えてるぐらい。最終的な年齢のゴールだけど、丁度10年後の23歳とかどうだろう?

有難うっ!ならNO139から投下させてもらうね!最後のセリフだけ少し返させてもらったよ。前は本当にあの選択肢しかなかった、って事で誰にも僕を渡して欲しくないって伝えたけど、今回は少しばかり最期の悪足掻きで生に執着してみたつもり!これで君は魔法が失敗して僕がどんな姿になったとしても最後の賭けで一世一代の大勝負にチャレンジしてみたくならない?…って勝手に考えてみたけど、続けにくければ投稿し直すから遠慮せず教えておくれよ!じゃあ、宜しくねっ。今回のお話もうーんと楽しもうっ!







>ジェイド

そう…君は、いつでも駆け付けてくれる……。(悲しいぐらい、哀れで愛おしい狼。あの、恐怖に突き動かされ約束を破った夜だって、いの一番に駆け付けてくれた。ぼんやりと走馬灯のように彼との記憶が脳裏を満たす。知らず頬は緩む。楽しかった、嬉しかった、そんな幸せな気持ちしか浮かんでこないのだから自分の短い生涯は幸福であったと言える。掌から落ちていく砂を拾い集めるように、必死の形相で繋ぎ止めようと言葉を尽くす彼。重ねられた手に視線を落とし、小さく首を左右に振った。「ごめんね…。」言葉以上に態度が、彼の求めに応じれないことをまざまざと示していた。触れていた手の甲から伝わる相手の動揺、心細く湿り気を帯びた声で泣いていることを知る。本能と理性の狭間で苦しみ、抵抗するように懸命に声を上げているのだろう。慰めてあげたいのに、重たい体は動かず、彼に近付くことさえままならない。不意に、視界の端で光が弾け、頬に冷たい水滴が落ちてきた。吐息が分かるほどに縮められた距離、身を切るようにして告げられた謝罪にこんな時だと分かっていても、思わず笑みが漏れた。「…もう、この前から何度僕に馬鹿って言わせるつもりなのさ。…君がたとえ、なにを抱えていても…好きな気持ちに変わりはないよ……。」合わさる額、折角近くにいるのに翡翠の双眸は伏せられ、窺うことが出来ない。視線が外れているのを良いことに、そっと羽が撫でるような軽いキスを彼の唇へ贈る。ごめんね、酷いことを強いてしまって。そんな想いも込めて。「君がね、苦しんでいた事も知っているんだ。でも…そんなに悪いことなの?食べないと、生きていけない。みんな、その業を背負って生きているんだ……。それに…ただ食べられるだけじゃないよ。…命は循環するんだ…。自然の摂理であり、僕らは命を巡るんだ…。ねぇ、僕を君の糧にしておくれ。」浮かぶ穏やかな表情に反して、言葉は鋭利なナイフのように尖っている。長年抱えてきた彼の闇が、こんな上っ面の言葉だけで解決するなんて思っていない。ただ、何かせずにはいられなかった。慰撫するように優しく頬を撫で、額を擦り付ける。「…食べることを怖がらないで。これは、僕にとっての救いなんだ…。最期まで君の傍にいさせておくれ。たとえ、どんな姿になったとしても、ううん…姿形が無くなっても君の傍で生きていきたい。」人生の最後の選択肢として、死に様ぐらい自分の手で掴み取りたい。それが血肉となって彼の一部として取り込まれる運命だとしても。吐き出された言葉はとても小さな声量になってしまったが、そこにある意志だけは強く、焼き尽くさんばかりに熱量をもった眼差しで彼を射抜く。振り絞った力で彼の頬を両手で捉えると、逸らされないよう真っ直ぐ自分の顔が見れるように導いて。)


  • No.10 by ジェイド  2020-04-01 18:43:31 



そうか、お前はまだ少年なんだもんな。そこから青年になるまでには、当然反抗期もあるわけか。…はは、天真爛漫なお前のイメージが強すぎて、全然想像できないよ。けれどどんなお前も芯が変わらなければ愛おしく想えるだろうし、それは杞憂だぞ。……俺の方こそ、お前に振り回されてばかりで愛想を尽かれないか心配だよ。一人称が俺に変わるのは、個人的に凄くツボだな。その瞬間が楽しみだ。23歳か、丁度ベストな年齢だと思う。そこをゴールに設定して、お前の成長を見守れたらと思うよ。
そういえば、お前の誕生日って設定はあるのか?もしあるなら、どこか特別なタイミングで、俺とお前二人きりのバースデーパーティーを開いてやりたいとふと思ったんだが…。

ロルも有難う、変更点も併せて確認させて貰ったよ。とても続けやすいナイスパスだ、流石俺の相棒!俺の返事の方も最初は同じ内容だから、適宜読み飛ばしてくれ。此方こそ今後とも宜しくな、お互い目一杯楽しんでいこうな。


***


――ッ、くそ……。
( 落とされた静かな"ごめんね"が、全ての終わりが眼前に近付いていて、且つ絶対に逃れられないことを鮮烈に証明した。自分にもっとすごい魔法が使えたら、貴方の健康を守り、命を繋ぎ止められたのだろうか――そんな全く建設的でない悔恨に駆られ、俯いて表情を隠しては自責を吐く。グルル、という獣の唸り声が絡むのを、もう制御出来ていなかった。「 だから俺は、お前を失うのが怖いんだ 」生まれて初めて、人を屠殺していると知っても自分を受け入れてくれた人間だから。貴方がどんなに言葉を重ね贈ってくれようとも、結局最後に残るのは怪物の我儘で。――嗚呼、でも、と。一筋の光明を見出したように、俯いていた顔を上げる。翡翠の双眸は伏せられたままだが、呼吸は落ち着いた。貴方は憐憫でその身を自身に差し出しているのではなく、それが貴方自身の願いであり我儘なのだと、そう解釈すれば全ての道が開けた気がして。口では何と言おうと、貴方の血を見て本能を刺激されたのもまた、事実なのだから。いつも自分がするように、頬を撫でてくれる体温が狂おしいほど愛おしい。すっと目を開けば、その瞬間に唇に柔らかい何かが重なった。自身の口へわずかに付着した赤色、それをゆっくりと舐め取る。瞬間、思わず吐息のような笑いが零れ「 そうだな…そうだ。俺が命に対して感じるべきなのは、懺悔だけじゃないんだな 」確かに――それはそれは明確に、美味しいと感じたのだ。所詮己は人喰い怪物、けれど今はそのことをずっと前向きに受け止める事が出来ていた。その証拠に、ふたつの翡翠は眦に滲んだままの涙と共に輝いて「 …感謝と愛情と敬意。ルシアン、お前は俺に教えてくれたんだな。俺一人では、生涯を懸けても辿り着けなかったよ 」密着する額、少しだけ離れるように顔を引けば、今度はこちらから貴方の額へ唇を落とそう。優しく、それでいて確かな力で壊れ物を扱うように貴方を抱き締め「 ありがとう。 」貴方の言葉、貴方の瞳、貴方の命、そのすべてに。身体を離せば、されるがままに貴方に頬を預け、視線を交わらせよう。自身の両手も、貴方の頬を包み込むように添えて「 ――俺は決めたよ、ルシアン。もう躊躇わない 」目許も口許も、微笑みを描いてはいるが翡翠は燃え盛るほどの決意を宿し。貴方の苛烈なまでに真っ直ぐな願いを心の一番深い場所で受け止め、受け入れ、覚悟を決めた。しかしそれは、貴方を屠るためのものではない。生かすため、とも少し違う。自分自身のエゴに貴方を巻き込む覚悟――それはある種、怪物の暴挙。「 目を閉じて。 」全てを蕩かすような優しさと、有無を言わせぬ力強さ。その双方を孕んだ言葉を吐息と共に耳元へ囁き、自身も瞼を下ろして意識を集中する。去来するのは、数々の魔導書の文言や、先生となってくれた同胞たちの教。この魔法は、文字通りヒトの世の理に背くモノ。死すべき運命を、自身のエネルギーを貴方の中へ注ぎ込むことによって、無理矢理に跳ね返す強力な魔導。それもただ注ぎ込むだけでは、拒否反応を起こして貴方を即死させてしまう…魔力を持たぬヒトにとって、それは死に至る猛毒。だから、注ぎ込むその瞬間に、ヒトにとって無害で純粋な生命エネルギーだけを抽出しなければならない、非常に高等かつ繊細な、奇跡の魔法。出来る、とは思わない。自信満々というわけでもない。それでも、ただ指をくわえて貴方を失う瞬間を待つなんて――そちらの方が耐えられなかった。片方の手は貴方の手を握ったまま、もう片方の手は貴方の体重を支えるように、細いうなじへ添えて「 ルシアン、大好きだ。 」唇に緩やかな弧が浮かんだ。そのまま、自身の冷たいそれを貴方の小ぶりな唇へ重ねた。そうっと静かに、けれど口移しで命を与える為に、舌先を使って少しだけ貴方の歯列をこじ開けるように隙間を作る。瞬間、己の身体から紅い光が放たれる。目をつんざくような眩さはないが、近寄るだけで火傷をしそうなほど、淡くも濃い猛烈な紅。それが喉元に集約され、やがてゆっくりと貴方の体内へ唇を通して注入されてゆく。文字通り自身の命を分け与える魔法、匙加減を少しでも間違えれば貴方に毒を注いでいるのと同義。だが、恐れはない。貴方を救う。絶対に。病魔になどくれてやるものか!――貴方を求めるがゆえ、そんな怒りにも似た感情は、却って自身の集中力を高めた。そうして、どのくらいの時間が経ったのか。数十秒、或いは数分、限界まで命を注ぎ込んだ。ゆっくりと唇を離せば、襲い来るのは暴力的な倦怠感と脱力感。だがそれに身を委ねることなく、荒くなった息を肩で撫でつけながら「 …っは、ルシアン――っ。 」今自分が出せる最上級の肉声で、一度だけ愛しい名を呼んだ。 )


  • No.11 by ルシアン  2020-04-04 23:26:49 



むむむ、君ってばこんな時まで僕を喜ばせてどうするのさ!まあ、君がそこまで言うのなら責任持ってどんな僕でも受け入れてもらうことにするんだからねっ。それに、僕がどんな風に成長するかは君の教育にもよると思うんだよね。だから、君も気を抜かずに接し方を考えた方がいい思うんだ。明るいままなのか、反抗的になるのか、執着深くなるのか…君次第ってね!
僕の誕生日はね、雪の降る寒い日だったんだって。意外って結構言われるんだけどね。日付で言うと1月13日だよ!ただ、誕生日ってあんまり素敵な思い出がないから、僕の方から話題に出すことはないかなぁ。

へへ、それなら良かった!僕の方もぐだぐだ書いてたら長くなっちゃったから真ん中の方は適当に読み流して大丈夫だからねっ。



(刻一刻と命が尽きる、その瞬間が迫っている。ざわざわと吹き荒ぶ風に葉先が重なり音を奏で、不気味に鳴り響く。宛ら黒薔薇が囁き合い、黒き触手を伸ばして彼の地へ誘う哀傷歌。頬に触れた相手の手の感触だけが、自身をこの世に留め置く最後の楔のようだ。残された時間は少なく、諦めにも似た心境でそっと瞼を閉じる。だが、告げられた言葉は予想とは違ったもの。妙な違和感を察知し、怪訝に細めた双眸で彼を見詰めた。翡翠の瞳の奥、激る炎は決意の証か。一体何を…、疑問に開きかけた唇はそっと閉じ、操り人形のように甘く蕩ける声音の言うがまま、再びヴァイオレットの瞳を瞼の裏に隠した。何も見えない世界で、彼の密やかな息遣いだけが鼓膜を打つ。うなじを覆う大きな掌に体重を預けると自然と体の力が抜けていく。大好きだ、と告げられた想いに、口許を和らげ、弾みで目尻から頬へ一雫伝う涙。ああ、なんて幸せなのだろうか。幸福に包まれ、蛍火のように淡く舞い上がる光は命の灯火。ふわりふわりと空へ向け、昇華されていく。微睡みのように安らかな眠りに落ちかけた意識、だが唇から喉元を伝い、心臓へ送り込まれる熱いほどのエネルギーが強引にも魂を引き戻し、身体の中に留めようと作用する。鬩ぎ合う狭間、枯渇していた生命力が急速に補われていくが、浮遊する意識は未だ頼りなく、元いた場所に定着する事を拒んでいるようで。やがて目の前の彼の存在も、触れる手の感触も、自分という個さえ希薄になり、真っ暗な水底へと落ちていく。伸ばした指先さえ見えない暗闇、?けば?くほど手足に触れる水は重く纏わりつく。沈みゆく身体に抵抗するように形振り構わず足掻いた。彼が待っているのだ、戻らないと───自身を太陽だ、と…光だ、と言ってくれたあの人のためにも。彼への想いが溢れた時、一筋光明がさす。その光に向けて、必死に身体を進める。未来を共に生きるのだ。照らす光はより一層輝きを放ち、力強く自身を導いてくれる。ああ…安堵に漏れかけた吐息は、不意に背筋を這い上がった悪寒に凍り付く。暗闇の底で表情は窺えないが、誰かが自分を見上げているではないか。直接頭に響く声なき声は、ノイズ混じりで、不快でしかない。「……いの?ぼ……なが…だ。……しゅ…から……ない。」問いかける内容は穴あきで意味の分からないただの羅列。ただ、それでも戻るのか、と最後に意志を確認された事だけは直感で分かった。「僕は彼の元へ戻るよ!一緒に、生きていく。誰に命令された訳でもなく、僕が、僕自身がそうしたいと願ったから。だから後悔なんてしないよ。」きっぱりと少しの揺らぎもなく言い切り、何処と無く寂しげな影に笑いかけた。「さようなら、僕はもう行くよ。」今度こそ、振り返ることもなく眩い光に向けて飛び込んだ。意識が覚醒する間際、何処かで聞いたことのある声が"君は馬鹿だ…"と、呟いた気がしたが、渾身の力で搾り出されるようにして発された自身の名前の方に注意は向き、さっぱりと記憶からはかき消えていた。「ジェイド──!まさか君っ、何か無茶でもしたんじゃないの!?」彼に食べられる運命だった筈、なのに視界に飛び込んできた彼の姿といったら、呼吸が荒く顔色も悪い、どちらが病人か分からぬほどだ。今にも倒れてしまいそうな身体を支えるべく、慌てて手を伸ばす。まさか彼の方が亡くなってしまうのではないか、そんな嫌な予感が頭を掠めるほど、相手の様子は尋常ではない。「ど、どうしよう…。ジェイド、辛くない?苦しくない?誰か呼んだ方がいい?」自分の身体が病から救われたことなど気付く余裕もなく、ただ彼の身を案じ、表情曇らせては救いを求めるように視線を周囲に彷徨わせ)


  • No.12 by ルシアン  2020-04-05 00:26:17 



ごめん、後で見返したら一部文字化けしちゃった!
もがけばもがくほど、って書いてたんだけど、漢字変換にすると文字化けしちゃうんだね。ううん、失敗、失敗。
読み辛くなっちゃった、ごめんよー!陳謝。


  • No.13 by ジェイド  2020-04-11 18:22:38 




ルシアン、俺だ。返事が遅れていてご免な。
最近ウイルスの事もあって少しバタついててな…、なかなかまとまった時間が取れてないんだ。早くお前と物語を紡ぎたくて歯痒いよ。最終レスからあまり時間を空けない方が良い、っていうのも理解してるんだが…本当にご免。
勿論お前の事は毎日考えてるし、お前のくれた返事だって、何度も読み返しては尻尾を揺らしてるよ。また落ち着いたら絶対に返事するから、もう少しだけ時間をくれないか。
個室に誘っておいて早々、不甲斐なくて済まない。それじゃあ、今夜は挨拶だけ。


  • No.14 by ルシアン  2020-04-13 19:29:08 




お疲れ様、ジェイド。今は時期が時期だからね、仕方ないよ。返事よりも君が元気に体調崩さずに過ごしてる事の方が大事さっ!
返事のことは一旦忘れて、私生活に専念しておくれ。なにせ僕らは年単位の仲じゃないか!不甲斐ない、とも思っていないけれど、それでも君が気にするのなら次に会った時にはうーんと僕を甘やかしておくれっ。それでチャラ!
お互い体調を崩さずに今を乗り切ろうねっ!


  • No.15 by ジェイド  2020-04-29 17:44:51 



『 ――重々承知でしょうけれど、これは賭けよ。 』
『 左様。敗すればそちは太陽を失うばかりか、愛しきものへ毒を注いだとして、自らに地獄の責め苦を与えるだろう 』
( 疲労感から空っぽになってしまった脳髄に、木霊するように響いてきたのは二体の怪物の声。いずれも貴方と交友があり、且つ奇跡の魔法の伝道師となってくれた者たちだった。会話の記憶は、ちょうどその授業中のもので、声に引きずられるように彼らの心配そうな顔も追想された。俺の心は、自分で思っているよりもずっと繊細で脆い。それを見抜いている二体の忠告へ、俺は" 解ってる。でも抗うと決めたんだ。どんな手を使ってもルシアンを死なせたくない、俺はこのエゴを貫くよ "と返した。一体どんな表情を浮かべていたのだろう、そんな益体のない記憶の迷路に迷い込む前に、鼓膜を揺さぶったのは確かな愛しい声だった。霞む視界が貴方の輪郭を捉え、霧が晴れるようにクリアになってゆく。さながら死の影が退散していくかの如く。先ほどまで今わの際に瀕していたというのに、自分でなく此方の心配をしてくれる貴方の心の暖かさに触れた途端、何も問わずとも"成功"したのだと悟った。「 ハハ…、 」湧き上がる歓喜に腹の底から笑い声を上げたい気分だったが、灼けた喉から絞り出されたのは想像の何倍も弱々しい吐息にも似た微笑で。貴方に贈る言葉が見つからないのは、今まで味わった事がないほどの感動と達成感に心を支配されているから。此方へ伸ばしてくれた手に、自分の広げた手のひらを重ね、傷付けてしまわないように慎重に指と指を絡めて密着するように握り込め「 おかえり、ルシアン。 」その一言に、万感の想いを込めて。自分は大丈夫だと示すため、整列した牙を見せつけるように口角を上げ、目一杯目を細めて笑顔を湛えよう )


***


随分返事が遅くなってご免な。それと、暖かい言葉をありがとう。お前との縁を繋ぐ事が出来た俺は幸せ者だって、つくづく感じるよ。背後の仕事の忙しさが今後どうなっていくかはっきり見通しが立てれてないが、まだ暫くは返事を待たせてしまう事が多いかもしれない、とだけ伝えておくな。
レスの間にブランクが出来た事で話の流れが停滞しまったよな、悪い。ここはキリ良く回収してもいいし、お前さえよければ俺は続行大歓迎だ。置きレスが苦手と言っていたし、お前が違和感なく文を紡げる方を選んでくれ。

あと>11で話題に挙がっていたお前への接し方と誕生日についてだが、承知したよ。俺は勿論子育てをした経験はないし、長期に渡ってヒトの成長を最前線で見守った事もないが、俺なりに筋を持ってルシアンと接していこうと思ってる。
それと、実は怪物にはそもそも誕生日の概念がないから、もしかしたらこの話になるのはもっと先かもしれないな。まあ成り行きに任せて、いつか話が出たらバースデーイベントを楽しめたら良いな、くらいに考えてるよ。


  • No.16 by ルシアン  2020-05-02 23:57:33 




───ジェイド!君ってやつは…っ(このまま儚くなってしまうのではないか、そう思わせるほどに彼の衰弱ぶりは顕著で急激なほどの変化であった。自分の死を覚悟した時よりも、心が、体が、凍てつく冷気に晒され痛みで壊れてしまいそうだ。体温を失った指先は恐怖からか小さく震えており、彼の指と絡み合い、支えるように握られてからも暫く止める事が出来ず。温かな言葉と共に、彼が浮かべた笑みはあまりにも眩しくて、くしゃりと泣き笑いのような笑顔が溢れてしまう。「…本当にバカなんだから。……ただいまっ、ジェイド!!」こんな時に憎まれ口しか吐き出せない幼稚な己が嫌で、それ以上に、こんな自分を温かく包み込んでくれる彼の存在がとても愛おしく、在り来たりな言葉しか紡げなかった。伝えられた一言で、彼の起こした奇跡の所業、大凡のことが窺い知れた。己の命は、文字通り彼の力を代償に繋ぎとめられたのだろう。胸に去来する膨大な感情が爆発し、口を開くが言葉として形になる事はなく、漏れた魂の叫びは慟哭に等しい。目の前の彼の存在を掴み離さないよう、必死の力で首へ腕を回し抱き着く。そうする事でしか、己の存在も、彼という存在も繋ぎとめられない、現世から消えてしまうのではないか、そんな強迫観念が自身を突き動かしたのだ。叫び声はやがて弱々しい嗚咽に、数刻もすれば小さな寝息へと変わった。頭も身体も休息を求めていたのだろう。ぷつり、と意識が途切れるようにブラックアウト。ただ本能的に彼と離れるのを恐れ、首に回していた手は彼の背に下り、解かれることのないよう彼の服をしっかりと掴んでいて)



───────


全然大丈夫だよ。そんな事より、今は体調の方が大事だからね。大丈夫?無理だけはしないでねっ。それに僕の方も待たせてしまうだろうしお互い様さ!
一旦、キリが良さそうだったし回収させてもらうね!起きていたところで頭の中ごちゃごちゃだし、落ち着いて会話できないだろうからさ…うん。勿論、起きた後に今回のことはたーっぷりと説明してもらうんだからね!だからこの後は翌日起きた所から再開しようと思うんだけど、どうかな?会話が繋ぎにくいなら、君の良い場面から再スタートしてもらっても大丈夫だからねっ。

今回のことで君を失ってしまう恐怖を一部味わってしまった訳だけど…、君はこのままそれでも強く生きていく純真な僕か、ひっそりと心に恐怖を植え付けられて歪みが混在しちゃう僕、どちらがお好みかな?
この先の目指すエンド、方向性で変えてもいいかなーとは思ってるんだけど、あまりにも正反対だから、どうかなっと思ってさ。
極端な話を例で挙げるとすると、狂いに狂っちゃった場合は共犯者ルートで誰にも君を手渡したくないから最期はお互いがお互いを手にかける、みたいなさ。
うーん、考え出すとこれから色んな可能性がある訳だから、なんだかワクワクするねっ。出来れば君もすごーく楽しめる物語にしたいなー!

そっか。君達には誕生日って概念がないのか。なら、何かの拍子でポロっと僕が話題に挙げても良いかもねっ。丁度、御誂え向きに僕の使ってるバックは誕生日プレゼントで貰ったものだからさ。そこから話を発展させてみるのも楽しそう!


  • No.17 by ジェイド  2020-05-08 21:06:13 



――ン…。
( 夢も見ないほど深い眠りの底から、自身のものではない静かな律動によって意識が徐々に覚醒する。貴方のベッドの傍に膝立ちになり寄り添う姿勢のまま、気を失った延長上で眠り込んでしまったらしい。すぐ傍で寝息を立てる少年の姿はさながら天使の様で、窓から差し込む月光よりも朝の光が似合うだろうに、と惜しくなった。もしかしたら一連の奇跡は全て夢の中の出来事で、貴方が呼吸していないのではと本能的な恐怖に駆られ、口許に耳を寄せて一安心。獣の唸り声交じりの大きなあくびと共に少し身を離そうと上体を起こして、クン、と確かな力に引き戻される感覚に僅かに瞠目。その力の正体は、自身の服をしっかりと握る貴方の小さな手だった。こんなに小さいのに、こんなにも強い――そのひたむきな想いが一身に己へ注がれているような気がして、にんまりと綻ぶような笑みが零れた。「 今夜くらいは、自惚れても良いよな 」幸せに掠れた声で独り呟き、まるで愛しい番を慈しむ獣のような所作で、貴方の柔らかな頬に顔を寄せる。嗅ぎ慣れたにおいにひどく心が和み、知らず知らずのうちに耳はぴくぴく、尻尾はゆらゆら動いていた。それが貴方の顔をくすぐっている自覚もないまま、今この瞬間に酔いしれるように瞼を下ろして )


***


ご心配痛み入るよ、体調には問題ない。少し寝不足で絶好調とは言えないが、こうしてお前と話せるだけでとても癒されるよ。いつも有難う。
ハハ、奇跡の魔法については俺の口から話す事は渋るかもしれないな。もし話の運びでそうなったら、マリーシュカかギンハに訊くのも一案かな。
一先ずお前が提案してくれた通り次の日の夜に場面を繋いだが、いまいち絡めてはいないかもしれないな。もっと良い場面が思い浮かんだり、返事しづらかったりしたら遠慮なく教えてくれ。

そうだな…どちらも魅力的だ。幼き日のまま純真に真っ直ぐに成長して、黒薔薇屋敷の歪んだ呪いに直面し一度は打ちひしがれるか、純真さの中に一匙の歪みの種を持ち、呪いに触れてその歪みを開花させメリバに向かうか…正直どんな未来が待っているか想像できないな。楽しくて堪らないわけだ。
或いは心の歪みに付け込まれ、性悪の悪魔達に唆されて何かしらひと悶着あったり…まだまだ抽象的なイメージだが、サブストーリーの引き出しは無限にありそうだな。
明確な答えにならなくて済まないが、結局のところ俺はどんなお前にも魅力を感じるよ。歪み色が強ければ強いほど、物語のシリアスさも深まっていくと思うが、俺達の絆は決して揺るがないからな。
現時点での俺からは想像に難いが、お前と生きていく為ならレジーナも自分の手にかける選択を取る事もあるかもしれない。だがそれよりも、俺がお前に牙を剥く未来の方が想像できないよ。

ああ、お前の成長の節目に誕生日イベントを挟むことも視野に入れようか。お前が成長するタイミングについてだが、いつ頃が良いだろう?少年時代のうちにやっておきたいシチュエーションはあるか?俺も思い付いたらどんどん挙げていくし、何かあれば遠慮せずに教えてくれ。

  • No.18 by ルシアン  2020-05-14 20:39:48 




(昨日まででは考えられなかった、健やかな眠りの腕に抱かれて、胸は規則正しく上下に動く。穏やかな寝息が無意識に小ぶりな唇から漏れる様子は、それが夢も見ないほど深く安穏な眠りである事を示しており。月色に照らされた表情からは既に病の気は消え、内から溢れる生気に満たされ艶々しく輝いている。深い深層世界でも彼の声は穏やかに降り注いで心が安らぎに包まれる。ふ、と知らずの内に口角は柔らかに緩んでいることだろう。さわり、さわり…頬の上を往復するこの感触を知っている。むず痒い感覚につい眉間に皺が寄り、ふるふると震える睫毛は覚醒を促され、ヴァイオレットの双眸を露わにして。撫でるように、擽るように、肌の上を滑る正体をつい無意識に片手が捕らえていた。「ん゛ーっ……、あれぇ?」ぼやける視界に一番最初に映り込んだのはしっかりと握り込まれた、毛艶の良い尻尾。そこからゆっくり視線を上に辿っていくと淡い夜気に包まれた愛しい狼が。寝惚けた頭は一気に冴え、怒涛の勢いで昨晩の出来事が脳内を駆け巡った。あんなに体を動かすのが億劫であったのに、呼吸を繰り返す肺や血を巡らす心臓も、ブリキの様に動かなくなってしまった指先でさえ、枷を外されたように軽く、痛みを伴わずに動くではないか。驚愕に両の眼は見開かれ、理解が追いつくと共に目蓋の裏には窶れた彼の顔が再生され、衝動のままに飛び起きベッドの上に膝を付いては両手を彼の頬に持っていき、よく表情が見えるように上向かせる。「…ジェイド、ジェイド……っ!」顔色を確かめるように距離を近付け、細かな変化も見逃さぬよう具に観察する。親指の腹は精悍な目元を緩くなぞり、確かに生きている脈動を噛み締めて。「君には色々言いたい事があるけど……」ぐっと唇を噛み、ぐるぐる喉元まで出かかった多くの質問や疑問を呑み込み、すっと大きく息を吸い込んで一拍───「有難う、大好きだよ!………君も無事で良かった」今出来る最大限の笑みを咲かせ、思いの丈を有りったけ言葉と表情に込める。手は頬から首裏に周り、相手の肩に顔を埋める様に擦り寄ってはボソリと最後の言葉を口の中で呟く。本当に彼を自分の代わりに喪わなくて良かった…植え付けられた恐怖は小さな芽を心の奥深くに兆す。縋り付く体は自身では制御出来ない震えに小刻みに動くも自覚はしておらず)



────────


そっか、それを聞けてホッとしたよ。眠れるときにたっぷり休んでね!僕も君から元気をいっぱい貰ってるんだから、此方こそ有難うっ。
奇跡の魔法に関しては話の流れに任せるや。君が喋りにくい事もあるんだろうし、そのうち他の人に聞いてみようかな。
へへ、場面展開有難うっ。君の行動にキュンってしちゃうよ。自分が眠ってたのが残念なくらい。しっかり君の存在を感じたいからさ、少しの間はまったり、ゆったり雰囲気に付き合ってね!

うわーん、君が魅力的な提案するから更に悩んじゃうよ。まあ、幸せな悩みなんだけども。
でも君がどんな僕でも受け入れてくれるって分かった訳だから、成果は上々ってね!
この後の動きは自分自身もどう動くか分からないし、向かう方向性だけ決めて他はその都度相談させてもらうや。

そうだなー、少年時代の間にすこーしだけこの屋敷の隠された闇の部分に触れておきたいな、とは考えてるよ。ただタイミング的に自分や君を亡くしてしまうかも、って恐怖を味わった後だし己の無力も思い知った時期だから、一旦は見ない振りをして後々の大人になった僕への布石にしておきたいなーって。どうかな?

あ、それと!これは僕の我儘になっちゃうんだけど、本トピでゲリライベントとかしてる時に向こうに顔出ししちゃっても大丈夫かな…?個人的に素敵な場所を用意して貰ってるのに流石に我儘すぎるかなーとは思うんだけど、僕以外で参加出来たらなーなんて。難しければ、ばっさり断ってね!君を困らせたくはないからさっ。 


  • No.19 by ジェイド  2020-05-14 22:56:51 



ン…、ん?!どうしたルシアン、平気かっ
( 二度寝というものがこんなにも心地よいとは知らなかった。それもこれも全て、気心を許した貴方の傍で眠りにつけるからこそ味わえる、極上の贅沢なのだろう。夢見心地に微睡みを嗜んでいる真っ最中、皮肉にも自分が動かした獣の欠片が原因で、その幸せな時間は一旦幕を閉じる。怪物には無縁であるヒトの体温、尊いぬくもりを両頬に感じては、穏やかでない剣幕で名を呼ばれたことにジャーキングのごとくビクリと肩を跳ねさせて。望まぬ覚醒の瞬間、獣の咆哮が"ガウ"と短く反射的に零れ、慌てて二つの翡翠で同じ数のヴァイオレットを捜して。図らずも目の前にあったそれに、安堵する反面どこか面映ゆく「 ああ…嗚呼、本当に良かった。よく頑張ったな、ルシアン 」大輪の笑みは春の嵐。暗い冬の陰鬱とした死の予感など吹き飛ばし、荒々しいまでに生の喜びを謳歌するような。もしも貴方が三途の川の瀬戸際で、自身と共に生きる道を選んでくれていなかったのならば、今この瞬間を味わうことは出来なかったのだろう。ふとしがみつく小さな体すべてに確かな震えを感じ取れば、貴方には見せることなく密かに悲痛に眉を歪め「 そうだよな、怖かったよな…。 」貴方の死はおろか、自身の死にまで心の底から恐怖してくれるほど、貴方は濃密なまでに死を間近に感じていたのだと痛感する。ギリギリまでそれに気付かず、貴方の笑顔だけを盲目に信じ、長いあいだ貴方ひとりだけで死という暴虐な脅威に立ち向かわせてしまった事は、今更ながら悔やんでも悔やみきれない。しっかりと貴方の身体を抱き締め、握られた尻尾の先端を小さな背中に巻き付けるように沿わせて、全身で貴方を包み込み「 気付いてやれなくてご免な。お前の身に降りかかる全て、これからは俺にも一緒に立ち向かわせてくれ 」生きていれば無論、辛い事もある。この血生臭い屋敷では尚更だろう。その世界に貴方を引き戻したのは自身のエゴでもある、ゆえに貴方という命全てに責任を持とう )


***


そうだな、結局は流れと筆に任せるのが良いと思うよ。道筋を硬く決め過ぎると、いずれ窮屈になってしまうかもしれないからな。お前の言う通り、方向性さえ定まっていれば道筋は流れのいざなうままに辿って行こう。大丈夫、俺とルシアンならどんな道でも楽しめるさ。
むう…俺もたくさん悩んでしまうよ。悩みすぎて筆から遠のいてしまうのも勿体ないし、ひとまず直近の場面転換だけは決めておこうか。しばらくはゆっくりまったりの時間を楽しんで、その次はお前の言ってくれたように黒薔薇屋敷の呪いへ少し触れようか?病み上がりのお前が考えすぎてしまわないように、ほんの違和感程度の伏線を張っておくのも良いと思ってな。

ゲリライベントについてだが、勿論大歓迎だよ。ただその場合は、2時間でリセットのルールに則って、個室よりも本編を優先してレスを返す事になると思うから、そこだけ了承してもらえたら問題ない。まだ見ぬお前の分身もきっと素敵なヒトなんだろうな…今から楽しみだよ。本編では当面の間イベント期間を継続する予定だから、またタイミングが合えばいつでも顔を出してくれ。



  • No.20 by ルシアン  2020-06-13 17:59:19 



うわー、ジェイド本当にゴメンねっ…!!
大分期間が空いちゃったや。もう暫く、僕のリアルの方が忙しくてさ…返事に時間貰えると嬉しいんだけど…。

一先ず短いけど報告だけ!
ジェイド、毎日大変だろうけど体調崩さないでね。大好きだよっ!
ちょこちょこ時間見つけて返事書いてるから、もうちょっと待ってねー!


  • No.21 by ジェイド  2020-06-18 17:07:22 



よう、ルシアン!忙しい中わざわざ連絡ありがとな。
丁度俺の方も近頃時間を作るのが難しい状況が続いているし、多忙はお互い様だ。
お前の事は心から信じてる、だから俺たちの事は気にしなくて良いんだぞ。多忙なのは重々承知だが、くれぐれも根詰めすぎるなよ。

いつも暖かい言葉を有難う、俺もお前の健康を心から願うよ。お前の幸せが俺の幸せだからな。

  • No.22 by ルシアン  2020-08-04 20:16:30 




もう、本当にごめんよ…!
僕ってば、どれだけ君を待たせたら気が済むんだって話だよね。
体調崩してる、とかではないんだけど、私生活がてんてこ舞いなのと、長文を纏めるられるほど頭が働かなくてさ。
言い訳ばかりで申し訳ないのだけど、乱文を君に見せて呆れられたくないし、かと言って待たせ過ぎて愛想尽かされるのも…って、ぐるぐる悩んでたら、期間空いちゃった…。

君の事が大好きって気持ちは今も変わらないからね!これだけは本当!!

返信不安定だし、もう暫くは話の続き返せそうにないんだけど、君さえ良ければまだ僕と繋がっていてくれると嬉しいな…。



  • No.23 by ジェイド  2020-08-15 13:30:05 



言ったろ?俺はお前を心から信じてるんだぞ、ルシアン。
こうしてお前の元気そうな声を聴けるだけで、俺の心はどうしようもなく和むんだ。
忙しいのはお互い様だし、どうか俺達のことは気にせず日々を懸命に生きてくれ。

俺も長らく筆を執ってないし、拙文具合が鰻登りになっていると思う。
それに元々、俺にとっては文の巧拙なんて関係ないんだ。お前の紡ぐ言葉や選ぶ行動のひとつひとつが、堪らなく愛しいんだよ。

時間に余裕が出来れば、またいつでも声を掛けてくれ。
俺達は、いつまでだってずっとお前と繋がっているからさ。


  • No.24 by ルシアン  2020-09-06 16:45:43 




…そう、僕は……とても怖かったんだ(重なり交差しあった翡翠の双眸には、あの時兆した翳りはすっかり消え生気に満ちていて、思わず安堵でじわりと目頭が熱くなる。彼の服を掴んだ指先は力が入り過ぎて白く変ずる。ぽつり、無意識に溢れた言葉は胸の奥深くに根付いた恐怖。音にすることで、改めて気付かされた。体温を失くした身体を暖めるように寄り沿う彼の大きな身体、傍から見たら涙ぐましい場面も、実際には彼の皮膚は温度を持たぬし、感じるのはひんやりとした無機質染みた冷たさだけ。普段なら気にならぬ差異も、こんな時ばかりは悲しいほど胸を突き刺す。穏やかに響く音の羅列、彼に自分という重荷を押し付けている形であるのに、矛盾するほどの嬉しさにただただ胸が締め付けられる。「それなら、僕にも君にかかる枷を一緒に背負わせて。まだまだ頼りないけどさ、きっと大人になった僕はそりゃあ逞しいと思うんだっ!」成長途中の小さな背に回る豊かな尻尾が、まるで小さく萎む心を奮い立たせるかのように寄り添ってくれる。目の前の存在が勇気を与えてくれるのだ。病という不条理に一度は諦めかけた夢が、希望が、望みが緩やかに芽を出し急速に花を咲かす。痩せ衰え、細くなった指先を持ち上げ、色鮮やかな壁紙を指し示して。その奥、隠された絵は彼への贈り物。「…ねぇ、ジェイド。そこの壁紙を、とってみて」彼が動き易いよう、凭れ掛かる様に触れていた身体を離し、白いシーツの上に身を沈め)




先ずは待たせちゃってゴメンなさい…!!それと…、待っててくれて有難うっ。
文章おかしい所もあるかもしれないけど、またゆっくりお話してくれると嬉しいな。
君への好きとか感謝の気持ちを綴ってたら長くなっちゃうし、纏めきれなくてグダグタになっちゃうのは目に見えてるから…これだけ!やっぱり僕の相棒は君じゃなくっちゃね!へへ。

それとね…壁の絵と日記だけは今回の場面で触れておきたくってさ!それが終わってからの場面展開でも大丈夫かな?



  • No.25 by ジェイド  2020-09-06 23:17:19 



ルシアン――…。
( 怖い、と。小ぶりで可憐な唇がネガティブな感情を紡ぐのは、己にとってはかなり稀な事と認識していた。貴方はいつだって、小さな身体からは想像もつかないほど大きな器で、図体ばかり立派な俺の事を優しく暖かく包み込んでくれたからだ。守っているつもりがいつの間にか守られていた、そんなかけがえのない大切な太陽が、恐怖という暗雲とひとりぼっちで戦っていたと改めて思い知らされる。あんなに傍にいさせてくれたのに、何故気付いてやれなかったのか。後悔と情けなさに居たたまれず、愛しい名を呼んでは獣同士がするように頬と頬を摺り寄せて。二つの肌の温度差が、堪らなく恨めしい。自分はいつだって、貴方から温もりを与えてもらってばかりだ。「 頼りないなんて事あるもんか。俺はお前に何度も救われたんだ 」否定する言葉は、陰ではなく嵐の後の晴天のような爽やかさを孕んでいて。貴方が俺に与えてくれた分、それ以上のものを返そう、と。前向きな思考へ一歩歩み出せるのも、貴方が俺を成長させてくれたからだ。だからこそ「 まあ、確かに身体はまだまだ伸びしろだらけだな。いっぱい食べて大きくなって、誰よりも男前の画伯になろう。――俺が必ず、今度こそお前を守るから 」と慣れない軽口で場の空気が沈むのを防いで。ヒトを喰らう怪物の跋扈するこの屋敷で、貴方の命を暴力に摘ませたりはしない。決意に満ちた翡翠は、一瞬で燃え上がるような激しさではなく、ずっと安定して揺らめき続ける確固たる炎の静けさを宿し「 …だから俺が倒れそうな時は、お前の光で照らしてくれ 」今までのような独りよがりな決意ではなく。貴方を背に庇い、茨の棘を一身に受け止めるのではなく、共に翼を重ねて並び歩こう。親と子、あるいは兄と弟のように捉えていた感覚は、まさに対等な"相棒"へと自身の中で昇華されて。と、貴方の申し出にぱちくりと目を瞠り「 壁紙、取っちゃっていいのか? 」離れた貴方の額をそっと撫で、否定されなければベッドから降りよう。ギシリとスプリングの軋む音を背後に、長くボリュームのある尻尾は貴方の傍へ伸ばしたまま。そして壁紙の全貌を再度数秒噛み締めるように眺めて、ようやく壁紙の右下角を指先でめくる。その返しを起点に、絶対に破いてしまわないように慎重に、少しずつ壁紙を剥がしていき )


***

おかえり、ルシアン!何も謝る事なんてないぞ、俺だってこうしてお前に会えてどうしようもないほど嬉しいんだ。
これからも、俺達のペースでゆっくり物語を紡いでいってくれれば幸せだよ。
このチャプターで俺から伝えたいことは一通り告げられたと思うから、場面転換のタイミングはお前に任せるよ。その後はギンハやマリーシュカに奇跡の魔法の事を聴くついでに、黒薔薇の呪いに少し触れても構わないし、もう少しのんびりしたければ二人でいくらでもくっついていような。


  • No.26 by ルシアン  2020-09-26 15:08:44 



僕もさ、君に守られてばかりだ。こうやって誰かと支え合って生きていけるなんて思ってもみなかったな(慰撫するように触れる頬は彼の優しさを体現するようで、怖さも寂しさも全てを飲み込んでくれる。自身からも小さく擦り寄り、感慨深げに気持ちを吐露して。街の片隅でひっそりと身を潜め生きていくだけの見窄らしいだけの子供だった己が、心から信頼できる相手と出会い、共に生きたいと、未来に希望が持てるようになるなど、誰が想像できたであろう。緩んだ緊張感から、ふわりと小さな笑みが空気に溶けて。語られる言葉に耳を傾けるも、不意に彼らしくない軽口が混ざり、思わず顔を上げまじまじと瞳を見返してしまった。そこにあったのは、優しさだけではなく、静謐であるからこそ確固たる強さが滲んだ翡翠の煌めき。圧倒されるほどの気迫に思わず唾を飲み込んだ音が鋭く耳を刺す。その言葉を告げるには、黒薔薇の屋敷に身を捧げる彼にとっては不都合な事も多いであろう。今回の事がキッカケで少なくとも彼も自分も、何かが変わったのだろう。壁紙を慎重に剥がす背中を眺めながら、指先を枕の下に伸ばして、日記帳を取り出す。最後のページに挟まれていたのはスイートピーの絵葉書。今世の別れのつもりで書いた思いは新たな意味に塗り替えられることだろう。「ジェイド、今日が僕たちの門出だ。君は僕の相棒、永遠に共に」子供らしい高い音色は、似つかわしくないほどに重厚な響きを孕み、きっと壁紙に意識を捉われているだろう彼に向けて新たな決意を紡ぎ)




***


ふふふ、ありがとうっ!そう言ってもらえて嬉しいや。ノロノロペースだけど、これからも宜しくね!
ふむふむ、分かったよ!この場面は次でシメようかなって思ってるんだけど…次の場面、我儘を言っていいなら本トピで開催されてる夏祭りイベントを楽しみたいなーと思っているんだ!どうかな?


  • No.27 by ルシアン  2020-09-26 15:11:06 



あ、ゴメンよっ!まさかの下げ忘れちゃった…。
確認大事!これからは気を付ける!

  • No.28 by ジェイド  2020-09-28 22:15:37 



(怪物は強く、ゆえに弱き人間を喰らう。――怪物は強く、ゆえに孤独だ。人知を超えた膂力や魔法で誰の手を借りずとも自分の面倒を見れてしまうし、同胞に寄り添う文化もない。獲物さえ確保できれば独りきりで生きてゆける事を、孤独だなんて思いもしないのだ。けれど狼は、人との触れ合いを知った。人の聡明さを、魅力を、温もりを知った。大切なたったひとつの命を見つけてしまったから、今まで気付きもしなかった孤独に並大抵ではない恐怖を抱くようになった。だが、それを弱さだとは思わない。何故ならその尊い一つの命のお陰で、狼は己の業に向き合い、受け止め、感謝や敬意へと昇華する事が出来たのだから。「 俺達の奇跡は、あの黒薔薇にだって予想出来なかっただろうな 」振り返りはせず、どこか得意げな声音で背中越しに相槌を返して。楽園の中に存在する扉、まさにそこを開くように遊び心に溢れた絡繰りを丁寧に剥がし終えて壁を一瞥した瞬間、ぶわりと全身の毛が逆立ち獣の瞳孔はぎらりと開いて。自分が一番のお気に入りだと貴方へ告げた大樹の園、そこへ寄り添うのはよく知るふたりの姿。「 ハハ…ッ、 」感極まって言葉を失い、ふにゃりと空いた口からは歓喜に震える笑いが零れる。お菓子、使い魔、オオカミセット、翡翠の蝶ネクタイ、オルゴール――次から次へと脳裏に優しい幸せに溢れた思い出が鮮明に浮かび上がってはまた浮かんで「 覚えてる…。俺、この時すっげえ幸せだったんだよなあ…っ 」思わずよろよろと手を伸ばし、壁の中の貴方にそっと触れて。そのまま指先を斜め上に滑らせながら視線も連動させ、ふとふたつの色を持つ二羽の鳥を見つけた瞬間、思わず口許を隠すように手で覆って。同じ空を、それぞれの翼で悠々と羽ばたき、自由を共に噛み締めるような。胸の奥から熱い何かがこみ上げ、それが喉を這い上がり鼻の奥を締め付ける。泣くまいと必死に堪えても涙は眦にちろりと顔を出し、それが流れてしまう前に壁から手を引っ込めて指の背で拭い去って。凛とした門出の宣誓を背に受け、ずずっと小さく鼻を啜って深呼吸。全てを整えてから貴方へと振り返り「 ああ。この二羽の鳥みたいに、どこへ行くのも一緒だ 」言い終えてニカッと牙を見せて笑う、その反動で溜まっていた雫がつうっと一筋だけ頬を濡らした。)


***


お前と縁を繋いでいられるって事が、そもそも奇跡的な幸せだからな。此方こそ、これからも宜しく頼むぞ相棒!下げ忘れもあるあるだ、無問題!

久し振りに本編での幕引きを読み返してたんだが、もう何度も読んだ筈なのにまた涙が出ちまったよ。俺って案外泣き虫なのかもな、…お前に会わなきゃ知らないまま一生を終えてただろうな。
夏祭り、もちろん大歓迎だぞ!ルシアンの浴衣姿、絶対に可愛いんだろうな。俺も隣を歩いていて恥ずかしくならないように、ちゃんと似合う浴衣を選ばなきゃな…。
祭の指名は俺でいいか?希望があれば、祭の途中で俺が席を外して他の怪物を呼ぶ事も出来るし、もし他にちょこっと絡んでみたい奴とかがいれば気軽に言ってくれな!




  • No.29 by ルシアン  2021-01-14 21:20:30 




明けましておめでとう!
夏祭りしたいーなんて言ってたのに、いつの間にか年超えちゃってたよ…

色々と世の中は大変だけど、君は体調崩してないかな?大丈夫かな?

君がまだここを見てる保証なんてないし、そもそも愛想尽かされててもおかしくはないんだけど…つい時間ができたもんだから顔出しちゃった。

といっても、まだまだ私生活が不安定で安定したやりとりとは縁遠いんだけど。
取り敢えず、生存報告!あわよくば、君の声がまた聞けたらなーっていう我儘で顔出しちゃっただけだから、このメッセージに気付いても気付かなくても、仕方ないって腹括ってるよ!

願わくば、君が体調崩すことなく、健やかな生活を送っていることを祈ってるねっ。


  • No.30 by ジェイド  2021-04-28 21:28:28 



ようルシアン、長かった冬もすっかり終わって少しずつ暑くなってきたな!すぐ祭の季節がやって来そうだ。

俺は元気だよ、お陰様で体調崩すことなくあちらこちらに天手古舞だ。
返事が遅れて悪かったな。生存報告、ありがとう。

愛想尽かすなんてあるわけないだろ?
俺達は二羽の鳥、それぞれが自由にお互いの空を飛んだって、空が繋がってる限りこの縁は途切れないよ。――俺がそう思ってるだけなら滅茶苦茶恥ずかしいけどな、(困り笑顔で耳ぺたん)

ルシアンは元気にしてたか?お前はいつだって頑張り過ぎるんだからな、たまにはただ甘えに俺の所に来るんだぞ。同族みたいに目一杯じゃれて甘やかしてやるから。

こっちも半年前に比べると落ち着いてきたが、もうしばらくは不安定な日々が続くと見込んでてな…だから置きレス交流を新ルールに加えて少しずつでも他の怪物達を動かそうと思うんだ。
なりきりから完全に離れていたせいでかなりリハビリ気味にはなるけど、それでもよければお前も自由に顔を出してくれな。

忘れるな、俺にとって一番大切なのはいつだってお前の幸せと健康だ。どうか達者で。


  • No.31 by ルシアン  2021-05-02 20:59:18 




やあ、相棒!元気そうで良かったよっ。
確かにすぐに祭りの季節が来そうだね。一年越しにお祭りイベントに挑戦出来そうで嬉しいや、えへへ。

……っもう、君ってば相変わらず僕を喜ばす大天才なんだから!空の下にいれば君といつでも繋がれる…うん、とっても素敵な考えだっ。
君と出会えたことで僕には翼が与えられたんだ、どこにいても会いに行くし、甘えに行っちゃうんだからね。だから覚悟しててねっ!

僕の方も忙しかったけれど、体調は崩すことなかったよ。
新ルールに関しては了解したよ。僕もここを離れて長いからリハビリがてらって感じになっちゃうけど、君さえ良ければまたお話させてもらえないかな?
ちょっと練習がてら新しいキャラを動かそうかなって考えてるんだけど、可能ならここにPF書かせてもらって相性良ければ…って思ってるよ!どうかな?

うん、気長にお返事待たせてもらうねっ。なんせ、僕にとっての幸せも君が幸福であることと、健康に日々過ごしてくれることなんだから!



  • No.32 by ジェイド  2021-05-03 02:56:35 



俺さえ良ければ…って、駄目なんて言う筈ないだろ?寧ろこんなに早く返事がもらえて舞い上がりそうだ、早くお前と話したいって俺の尻尾も暴れてるよ。
新しい演者、すっげえ楽しみだよ。勿論大歓迎だ、時間がある時にでもお披露目して貰えたら嬉しい。交流自体は個トピでも本編でも俺は差し支えないが、これまで通りゆっくりペースってことになると流れないように俺達だけの部屋で楽しんだ方がいいかもしれないな。お前の方からも希望があれば教えてくれ。

言うまでもなく、返事はお前のペースで良いんだからな!無理せず気が向いたときに声を聴かせてくれ。




  • No.33 by ルシアン  2021-05-04 22:46:24 



指名:
希望ルート:
名前:エマ(本名ミア)
性別:女
年齢:17歳
職業:令嬢
性格:元来は少し引っ込み思案で大人しく目立たない子であったが、ある事をきっかけに一転。お転婆で好奇心旺盛、感情的に振る舞って見せているが、実際は情緒不安定でふとした瞬間に人が変わったように狂気的なまでの依存、独占欲をみせる。
容姿:身長158cm、真っ直ぐ腰まで伸びたストレートの黒髪は姉を彷彿とさせる柔らかなミルクティーベージュに染め緩く巻いて背に垂らしている。グリーンアイは青みを帯びており、姉の方が明るい虹彩。幅広の二重、やや下がった目尻は優しげな印象を与えるが、化粧で目尻を跳ね上げ華やかな顔貌に仕上げている。女性らしい体つきをしており、レースや刺繍がふんだんに使われた柔らかな色合いの服に身を包んでいるが本当は落ち着いた色合いでシンプルなものの方が好み。
備考:もともとは双子の姉がいたが、誘拐事件のおり自分を庇い亡人に。エマ(享年7歳)という名はその姉の名前。両親もエマが亡くなったことを受け入れられず、いつしかミアのことをエマとして扱うようになったことから、姉の様に振る舞うことが癖になってしまった。自身もその事件の影響で人格が歪んでしまい、自分だけを見てほしいという欲求が強く、然し姉への罪悪感との板挟み状態。大切な人が出来ると亡くしてしまうという恐怖から手放せなくなってしまう。
ロルテスト:( 空を彩る月、一体何度この景色をこの窓から見上げたことだろう。階下では自身の生誕を祝うパーティが大々的に催されている。気分が悪いと辞去して戻ってきた自室は、扉越しに賑わいが窺えるパーティ会場とは対照的に重苦しく澱んだ空気が漂う。物憂げに窓に触れていた手を下ろし、華美な卓上の上に視線を滑らせた時、身に覚えのない封筒を見つける。何故かそれが得体の知れぬモノに見えて仕方がない。恐怖に息を詰め、そろりと怪しむように伸ばした指先は予想とは裏腹に何の変哲もない紙であり、強いていうならば上質な紙質であろうことが推測出来るのみ。恐々と黒薔薇の封蝋で閉じられた招待状を持ち上げ封を切る。「なんの因果かしら。今日という日に…。貴女からの招待状ならばどんなに素敵なことか」流麗な文字で書き連なった文字を追いつつ、脳裏は追憶に沈み彼の人を思う。一筋、言葉に出来ぬ想いだけが頬を伝い、悔恨の念と共に意識は闇に塗り潰された。───コンコン、微かに届く音が自身を覚醒へと導く。確かパーティを中座し、戻った部屋で招待状を見たところまでは覚えているが…。床に倒れ伏していた身体を片手で支え起き上がると、頭重感を和らげようともう片方の手で額を抑え。細く吐き出す様な息と共に「御免なさい、眠ってしまっていたようだわ。パーティはもう終わったのかしら?メアリー、悪いのだけどなにか冷たい飲み物を……」扉越しに侍女へ応答。然し、警鐘を鳴らすように体を刺す違和感に言葉は途中で途切れ、のろりと頭を上げては見慣れぬ扉を凝視し、断罪を待つ罪人の如く固まったまま扉が開かれるのを待って)

  • No.34 by ルシアン  2021-05-04 22:46:44 



指名:
希望ルート:
名前:ルーク
性別:男
年齢:20歳
職業:名家の跡取り
性格:若輩ながら漢気があり、一本芯の通った性格。明朗快活、爽やかで人好きのする笑顔を浮かべるが、目的の為ならば手段を選ばぬこともある。何でもない風を装っているが、人一倍弱視に対してコンプレックスを抱いている。
容姿:目の色素が薄くグレーの瞳は生まれつき弱視。ぼんやり物が分かる程度。絹糸のようなホワイトアッシュの髪はこざっぱりとしたショートヘア、前髪はやや目に掛かる長さ。端正な顔立ちだが、全体的にも色素が薄いことから初対面では印象に残りにくい外見。服装は主に、コート、ウエストコート、ブリーチズの構成。ジャボと袖口飾りが付いた麻か綿のシャツ、クラヴァットで整え、衣服には金・銀糸、宝石などで繊細な柄が刺繍されている。身長179cm、ぱっと見は細身だがほどよく筋肉質。右肩から背中にかけて火傷痕あり。
備考:跡取りとして生を受けたものの生まれつきの弱視と容姿の異様さから人から敬遠され離れで隠され育てられていた。2歳差で弟がいる。色々な理由から生かされてはいるがいつ不要になり切り捨てられるか分からぬため、日々打開策を探し邁進している。幼少時に一度他家に売られそうになるも、売られる前夜離れが火事にあい、側で仕えるものを守る際に火傷を負う。それが功を奏したか売られる話は立ち消えた経緯あり。
ロルテスト:(本日は弟の成人の儀が大々的に執り行われているためか、本宅は活気に満ちており、そこらじゅうから笑い声が上がっている。その喧騒を抜け、奥にひっそりと佇む離れの間に一人座し、長かったような短かった過去を振り返る。決行は今晩。大勢の出入りがあり、警備は手薄。気取られぬ様に緩く息を吐き出し、手をティーカップへ伸ばした。「…ん?これは…」指先に陶器の硬質な感触は触れず、かわりに上質な紙に触れた。そっと指の腹で形を確認し、ぼんやりとした視界の中で長方形の形の物を目の高さに持ち上げる。それが招待状である事は分かる。薄らと迎えがどうのこうの書かれていることだけかろうじて理解したが、別の者に宛てた手紙が混ざって我が手元にきたのか、はたまた悪戯か、その時は何故だか気にも留めなかった。その手紙の存在を思い出したのは見知らぬ部屋で目覚め、感じたことのない異様さを肌身で感じた瞬間。「一体、何だというんだ…」落とした疑問に当然の如く返答はない。視覚以外の感覚で周囲を探ろうと、静かにその場に立ち上がってみれば、タイミングを見計らったかの様にノック音が開いた。返事をするべきであろうか。一瞬考えあぐねたが、いきなり命を取るならば既に己は息をしていないだろう。何がしかの交渉は可能、現在の状況を少しでも知るには応え以外、取る行動はないか…)何方だ?ここの主人でいらっしゃるか?


  • No.35 by ルシアン  2021-05-04 22:47:22 



ありがとうっ!早速だけど、ぽいぽいっとpfを提出させてもらうね。
いやー、普通の設定は無理なのかよってぐらい両方濃くってどっちの方がまだ絡み易いっていうか、君を楽しませれるかなぁ。
悩む時間も勿体無いし、一応両方提出してみたんだっ!
だから一先ず指名、希望ルートは現在のところ空欄にさせてもらってるんだけど…大雑把に説明させてもろうとエマの方は自分だけを見てほしいから狂った様な愛に一緒に堕ちる、若しくはそのエンドまで辿り着かなかったら片想いのまま非業の最期、捕食ルートなのかなって。ルークの方は普段はそんな事ないんだけど、持ってるコンプレックスのせいで時たま弱くなっちゃう感じ。自分がこうだ!って思って納得したら捕食もすんなり受け入れちゃう気がする。

ジェイドは僕の大切な人だからね、それ以外で動かしたいキャラとかいれば、そのキャラと相性いい方…うん、いるのか分からないけども、君にも楽しんでほしいからさ、どうかな?
ただ夏祭りの時は僕が君を独占しちゃうからね!ふふんっ。


  • No.36 by マリーシュカ  2021-05-05 18:40:45 



――失礼、諸事情で今から私に交代させて頂くわね。お久しぶり、可愛いルシアン。事情、っていうのは後程きちんとご説明するわ、安心して頂戴ね。
早速新しいおふたりを拝見したのだけれど、本当にどちらも魅力的で胸が高鳴ってしまったわ。特にご令嬢の方は、背後の嗜好をことごとく具現化したような子で……くらくらしてしまうくらいよ。悲劇的な生い立ちに裏付けられた危うげな精神が筆舌に尽くしがたいほど素敵だわ。頭の中を覗かれたのかしら、なんて背筋が震えちゃう……うふふ。

貴方さえ良ければ、ひとまずはご令嬢とお話させて頂きたいわ。ルートに対してのお考えも聞かせてくれてありがとう、恋愛や共依存ルートがとてもよく似合いそうな子で今からわくわくしてしまうわ。どのような終わりを迎えるかは分からないけれど、とても濃密なグランギニョルを紡げそうで楽しみよ。
相性が良さそう、というよりかはどんなケミストリーが起こるのか興味深くて会わせてみたいだけという表現が正しいかもしれないけれど、指名候補としてはギレルモ、ジョネル、ミゲル、アッシュかしら。初回にお迎えに上がれるのは今挙げた中ではミゲルを覗く3名だけれど、気になる怪物は居る?もちろん、候補外でもエマちゃんと絡ませてみたい怪物が居たら遠慮なく教えて頂戴ね。

さて――冒頭で触れた『事情』の件なのだけれど。もし今からお伝えすることで貴方の気分を害してしまったら、本当にごめんなさい。
ジェイドと貴方が他の誰にも邪魔できない固い絆と深い愛情で結ばれているのは十二分に理解しているしとてもとても幸せなこと……それは現時点では性愛に似て非なるもので、どちらかといえば友愛に近いものだと私達は感じているの。もしこの段階で貴方との間に解釈違いがあればごめんなさい。
とはいえジェイドには貴方しか居ないのは確固たる事実なの。ジェイドにとって、今の貴方は幼過ぎて、無意識に倫理的ストッパーが掛かってそういう関係に発展するのを躊躇っている状態なのだと思うわ。だから、もし貴方がこの先お屋敷で大人になった時は、もしかしたら恋愛が関わってくるのかもしれないと考えているし、ふたりが同じ気持ちならそこで初めて【CP成立】になると思っているの。
正式に【CP成立】すれば、他の演者の方々はジェイドとルートに縛られない(つまりどのルートにも辿り着かない)交流のみとなるし、貴方さえ不快でなければ、ジェイドと結ばれた証として公式HPの方にも貴方の名前を記載させて頂くことも検討しているわ。そのくらい、貴方は私達にとってとても特別で大切なひとということをずっと伝えあぐねていたの。遅くなってごめんなさいね。

……これをジェイドの口から語らせるのはあまりに無粋だから、こうして私からお伝えさせて頂いた次第よ。突然ごめんなさい、こんなに長くなってしまって。もし私達と貴方の間で認識の違いがあれば、今後ご縁を繋いでいくためにもこの場ですり合わせが出来ればとっても幸せよ。



  • No.37 by ルシアン  2021-05-05 21:19:55 



やあ、マリーシュカのお姉さん!えへへ、マリーシュカにも会えて僕ってなんて幸運なんだろう!
一先ずPFの段階で難色を示されなくって良かったっ。ギレルモさんとミゲルさんは特殊キャラだから後日って感じかな?今のところは不完全な者同士、ギレルモさん中心に絡んでみたいなー!初回はコミュ力の塊であるジョネルさんに案内してもらいたいなぁ。どうかな?

ええ!そんなにジェイドのこと僕が独占しちゃっていいの?
そうだね、たしかに今の僕達の関係ってお互い大切だけど恋愛かって言われると僕の精神年齢がそこまで成熟してないもの。ただ、大人になった僕は更にジェイドのことを離さないだろうけど。それだけは自信あるよ!
【CP成立】に関しては願ったり叶ったりだし、なんなら土下座してお願いしたいくらいだけども、ジェイドの幸せとか…他の可能性奪っちゃわないかな?
ううん…、もしその時が来たらジェイドのこと独占させて下さいっ!……って、なんか照れるね。えへへ。
君たちが紡ぐ本編の方に支障がなければ、是非とも!ただ、もし不都合があったりしたら無理はしないでね?


  • No.38 by マリーシュカ/ジョネル  2021-05-05 23:17:19 



ああ……良かった。ごめんなさいね、もしこれを伝えて少しでも気に障ってしまったらどうしようってずっと不安だったから。貴方が理解してくれて嬉しいわ。勿論、この先何があるかは分からないけれど――きっと、いいえ絶対に、ジェイドの心の空白を埋められるのはルシアン、貴方だけだって信じているわ。
その時が来たら、是非私ではなくジェイドと誓いを立ててあげてね。――――ルシアン、本当にありがとう。

さて!裏話はこのくらいにして、また新しいグランギニョルを始めましょうか。
そうね、特殊キャラへの配慮をありがとう。ミゲルは人を避ける性質上 初回の案内役は荷が重いのだけれど、お望みであればギレルモは初回でお迎えに上がらせることが出来るわ。貴方たちだけの特別、だけれど…うふふ。ごめんなさい、言葉が足りなかったわね。
とはいえ貴方の言う通り、やっぱり初回はフレンドリーな子の方が良いかもしれないわね。一度ジョネルにお迎えに上がらせるけれど、もしギレルモの方が良ければ遠慮なく言って頂戴ね。


***


ジョネル:
(揺らめくコートの裾を椅子の縁から漂わせながら猫背気味に机へ齧りついているのは、毎夜恒例の日記をしたためている為で。記憶を刈り取る死神のくせに自分の記憶が不規則に欠落してゆく、先天的な欠陥を抱えた死神。わずかでも記憶を繋ぎ留めんと彼が必死に悪あがきしている最中には原則として誰も干渉しないのが暗黙の了解だが、珍しくカラスの使い魔が机に降り立ちカァと鳴き。ガリガリと狂気的なまでにペンを走らせる音がピタリと止んだのは、執筆を邪魔されたからではなく新しい獲物が来たと耳寄りな情報が入ったからで。「 新入りかー…ずいぶん久々な気がするじゃんね。他のやつらに獲られる前に挨拶しに行かなきゃ 」立ち上がった勢いで椅子が後ろにガガガと後退し、その音に驚いたように使い魔は飛び去って。踵を返すこともなく、その場で窓から差し込む月光に透けるように消失し一瞬にして貴女の部屋の前に現れ、記憶への飢えを埋められるやもという期待を込めてノックの返事を待ち。数秒後に返ってきた可憐な少女の声に高揚感を覚え、尻すぼみな言葉が恐怖に塗り替わったのを経験則で感じ取ればそのままゆっくりと扉を開け「 ちーす、メアリーでぇす。……流石に無理あるか。 」精一杯かわい子ぶった声と共に両拳を顎に添えて寒気のするウインクまで添えつつ一歩部屋へ立ち入ったが、一拍の沈黙を置いて普段のトーンで自嘲気味に呟きながらガリガリと後頭部を掻いて。ふっと息を吐き気を取り直せば困った様な笑みと共に顔の前で両手を合わせ「 メンゴ。君の緊張が和らげばって思ったんだけど、余計混乱させちゃったよね。 」語り口調からかなりポップな謝罪にはなったが謝意は心の底から伝え「 俺はジョネル、ここの住人。君が一人で心細くしてるかなーって思ったら居ても立っても居らんなくてさ。今夜教えてあげられる事はいっぱいあるし、少しの間だけここに居させてくんない? 」拒否されればすぐに踵を返す覚悟をしながら、それまでは貴女と関わろうと人好きのする雰囲気でお願いを形を借り、長い髪に女性らしい風貌の貴女はまるでお姫様の様だと素直な感想は胸に仕舞い「 しんどかったらベッドの上に居ていーよ。俺も絶対ベッドには触らないって約束するしさ 」手慣れた様子で部屋の中の簡易キッチンから冷たい水の入ったデカンタを取り出し、ベッドから手を伸ばせば届く位置のサイドテーブルに水で満たされたグラスとデカンタを置いて「 気が向いたらどーぞ。 」と目を細めて人懐こく笑って。どう見ても不自然な黒煙のようなコートをたなびかせ、光彩と白目が反転した不気味な双眸には自分から言及することなく、ベッドの対面に位置する一人掛けのソファに腰を下ろし)


  • No.39 by ジョネル  2021-05-05 23:18:52 



やっべ!下げ忘れマジごめん…!


  • No.40 by ルシアン/エマ  2021-05-07 20:21:49 



下げ忘れは前に僕もしちゃったからね、お互い様ってことで!
此方こそ、そんな素敵な話を僕にしてくれてありがとうっ!大人になるのが今から楽しみだよ。

なるほど、そうだったんだね!なら次回は是非ギレルモさんとお話しさせてもらおうかなっ。
色々と不安定な子だから、途中で絡みにくいとかってなったら遠慮なく教えておくれよ!
とくにこれに対してお返事は大丈夫だからね。また何かあれば声を掛けておくれ。


***


(ゆっくりと開く扉は緊張感からか、まるでスローモーションのよう。ピンと張った空気を打ち消す様に場違いなまでの陽気な声音が奏でるのは冗句混じりの挨拶で、知らず寄っていた眉間の皺も開くというもの。目の前でコロコロと変わる表情も、楽しげに回る口も、軽やかな仕草さえ、遠い記憶の中にある姉と重なってしまったのは何故か。あの奇妙な招待状が起こしたある種の喜劇とでも言おうか。くっ、様々な感情が綯い交ぜとなり、泣き笑いの表情は面を下げることで隠し、一呼吸置いたあと、己もソファへ座るべく身を起こす。「ジョネルさん、と仰るのね。お気遣い有難う。後でいただくわ」サイドテーブルに置かれたグラスとデカンタにチラリと視線送り、感謝の意を示すものの、やはりと言うべきか、先程の口渇感は失せ、けむるような睫毛を瞳にかぶすと遠回しの謝罪を示す。膝の上に揃えて置いた手の先はまるで冷水に浸した様に冷たく、気丈に振る舞う態度とは裏腹に身体は正直に恐怖を現す。「……私、自分の部屋に居たはずなの。それなのに目が覚めたら知らない場所で…目の前には今まで会ったことない様な貴方がいるでしょう?まるで魔法のよう。それか妖精にでも化かされたのかしら?」ふふ、と緩やかに口角を持ち上げ、さも楽しげに話してみせる傍ら、臆病な本来の自分は情けなくも姉の亡霊の影に隠れ込んでしまっている。あの時の悲劇はそれも誘因の一つであった筈なのに、所詮成長はしないのだ。明らかに人間でない彼に豪胆にも片手を差し向け「もちろん、歓迎するわ。貴方のお話を聞かせてちょうだい」と話の続きを促しながら、未だあの日から抜け出せぬ弱き己を胸中で詰って)


  • No.41 by ジョネル  2021-05-07 22:35:14 



……どったの?やっぱしんどい?
(火傷必至の挨拶には冷ややかな視線を送られることを覚悟していたが、一瞬垣間見えた複雑な表情を見る限りかなり無理をさせてしまったのだろうか。貴女の抱える事情には未だ触れる余地もなく心配そうにひゅんと眉尻を下げて、上体を起こす動作に対して慌ててブンブンと両腕を振り「 いいっていいって!そこに居た方が楽でしょ。君みたいな華奢でキレイな子が無理してんの、俺ダメなんだよ 」わーわーと大袈裟にジェスチャーした後、何故か自分の方が苦虫を噛み潰したような痛々しい表情を浮かべてかぶりを振り。「 妖精かあ。そんな可愛らしいものだったら良かったのかなあ 」答えを求めない問いは空に舞い、一見すれば嫋やかで余裕のある微笑みに言い知れぬ引っ掛かりを感じてぴたりと体の動きを停止させ、差し出された手を握るのも忘れたまま何かを考えこむようにじぃっと貴女の顔を見つめて「 君を見てるとさ、何でかなぁほら…頑張れー!じゃなくて、もういいよ頑張ったよ!って思えちゃうんだよなあ。何でなんだろ 」その感情の根拠は自分でも言い表せないが、確固たる証拠のない漠然とした違和感を敏く感じ取った死神は難しい表情で首を傾げて。しかし真相に独力で辿り着けないのは火を見るよりも明らかで、ならば常人の持たない極上の記憶を宿す可能性の高い貴女には怪物としての興味が高ぶるばかりで、その手始めとして「 そうだ。君のことはなんて呼んだらいいの? 」こちらから話を、と誘っておいて最初に問い掛ける格好となりながらようやく小さな手を柔く握り「 うっわ冷た!! 」白黒ちぐはぐな双眸を零れんばかりに見開いて「 まるで先輩と握手してるみたいだ。人間の女の子は冷え性多いよねー 」氷のように冷え切った手は体温を持たない同類の存在を思い起こさせ、まさかそれが恐怖からくるものとは思わず呑気に世間話のように感想を吐き。そっと放した手を振ればカラスの姿をした使い魔がどこからかすぐに現れ、魔物の言語で何かを命じたかと思えばすぐに慌ただしく羽ばたきを始め――数秒後には暖かいティーセットがすぐにふわふわと宙を舞いながら用意されていき「 そんなに冷えてるんじゃ水よりもあったかいお茶のがいいよ。知りたい事には全部応えるからさ、まずは身体を暖めなきゃね 」この不気味な屋敷に似合いようもないポップなマイペースを存分に発揮しながら、テーブルに頬杖をついて人好きのする笑みを湛えて)


  • No.42 by エマ  2021-05-09 16:10:08 



…ふふ、おかしな方。そんなに疲れて見えたのならば、私もまだまだ精進せねばならないということね。(よく動く両腕の動きはじっと追っていると目が回りそうなほど忙しなく、口を挟む隙もないほどの慌てぶりは思わず笑いを誘うもので、袖口で口元を隠しながら小さな笑み溢して。彼が言葉を発するたびに心が落ち着き冷静になっていく自身がいる。張っていた肩の力を抜き、然しシャンと伸びた背筋はそのままに美しいライムグリーンの瞳を見詰める。神秘的でいて奥に何層も重なって見える色合いが、今は知的な煌めきをもってして己を見極めようとでもしているのか。紡がれた突拍子もない発言は得てして的を射ており、片方の柳眉がヒクリと小さく跳ね上がってしまったのを制御しきれず、強張りそうになる表情筋を細く緩やかに吐いた吐息と共に笑みの形へ解いて。「本当に不思議な方。頑張らないことには何かを成し遂げる事は出来ないわ。生きている限り、きっと努力はし続けなくてはいけないと思うの。…って、初対面の方に言うことではないわよね。御免なさい、忘れてちょうだい」難解な問題に直面したかの様な複雑な形相で誰とも知れぬ他人を思い遣る彼に少しばかりの本音を覗かせ、僅か触れた手の温度に驚いた事は自己紹介の裏に隠して。「これはとんだご無礼を。私はエマと申します。先程言った通り、ここの事は何も知らないの。だからここのルールに反しない呼び方で貴方の好きな様に呼んでくだされば結構よ」ソファから立ち上がり、優美なカーテシーを披露。心配の言葉が飛ぶ前に、と素知らぬ顔で腰を落ち着けては乱れたドレスの裾を片手でささっと直し。その間にも彼は何くれとなく世話を焼いてくれるものだから、ティーセットの準備が出来るまで色々と疑問に思う事は口にせず、静かに待ち。ただ視線は自然とカラスに向いてしまったのは不可抗力というもの。仄かに広がる甘い芳香に頬緩め、カップのハンドルを親指と人差し指で持ち、透き通る様に美しい黄金色を目で楽しんでから口へ運び喉を潤して。「とっても美味しいわ。ありがとう。…ここは、私が住んでいたところとはまるで違うのね。カラスが執事だなんて聞いたことがないわ。それにカップが浮くなんてことも…。貴方も…」音を立てずソーサーにカップを戻し、憂う様に瞼伏せたまま、一つ一つ見たままの事実を言葉にしていく。はたして、どこまで踏み込んでいい境界線なのか予測もつかず、ニコニコとまるで邪気のない幼児の様に笑う彼に困った様な笑みを返して。親切に接してくれる彼に誰だ、と聞くのはあまりに無礼だろう。知らない方が良いこともある、この先の話の舵取りは彼へ任せよう)


  • No.43 by ジョネル  2021-05-10 17:40:47 



ふーん……精進とか努力とか、君はずいぶん頑張り屋さんなんだね。
(頬杖をつきながら食指で白い頬を一定のリズムで柔く叩きながら貴女の言葉に傾聴して。自身はクォーヴと違って食事は質より量を重視する派だが、何の苦しみも目的もなくのんべんだらりと生きている獲物よりは、眼前の異形に対しても凛と〝自分〟を保っている貴女のような人の方が食べるに値すると感じる。同じ大きさでも、スカスカの果実よりもたくさんの果肉と果汁が詰まった方が腹持ちが良いだろう。そんな打算はおくびにも出さず「 君が頑張ってること、いつかいっぱい教えてくれたら嬉しいな 」と屈託なく微笑んで見せて。自分の命の保証すらないこの状況下でここまで洗練された挨拶が出来るなんて、きっとこの子は只者じゃない。この子をそうさせる重大な秘密がある筈、その記憶さえ食べれたなら――――無意識のうちに記憶への執着心はほんの数秒でも死神の正気を奪い、不気味なほど目を瞠って貴女をじっと見つめること数瞬。美味しい、との可憐な声にハッと我に返り。「 ああ……うん、きっと吃驚しただろうね。僕も驚いたよ、ここに来るヒト達はみんな取り乱すからさ。君みたいに冷静なコは初めてだな 」人間界の飲み物ゆえに味なんて分かりっこないティーカップの中身に視線を落とし。さして飲む気も起きないそれに、白い角砂糖をひとつ摘まんでポチャリと沈め「 カラスの執事も浮遊するカップも、このお屋敷では日常なんだよ。住人も僕以外に沢山居て、――みんな君に興味がある筈だ 」淡々とした、それでいてどこかメランコリックな視線は依然としてカップに注がれたまま。もうひとつ、今度は茶色の角砂糖を沈め「 ここは黒薔薇の呪いに支配されたお屋敷。僕も君も、一生ここから出られない。君は僕達の為に用意された……ゴハン、なんだよ。 」ポチャン。3つ目の正方形が紅茶の海に沈み、マドラーでかき混ぜなければ完全に溶ける筈もなくただ苦しむように角だけが少しずつ溶け丸みを帯びていき。そっと上目だけを貴女へ向けて「 ……理解、できる? 」とおずおず問い掛けて)



  • No.44 by エマ  2021-05-10 22:56:53 




ジョネルさんは、白鳥という鳥をご存知かしら?純白で優美な鳥なのだけど、とても優雅に水面の上を泳いでみせる反面、水面の下では必死になって水掻きしているのよ。努力は見えぬからこそ、美しいもの。
(真っ直ぐに笑顔を向けてくれる顔が自分の過去を知ればどの様に陰ってしまうのだろうか。父の様に、母の様に、仮面を貼り付けたような能面に変わってしまうのではないか。細く繊細な人差し指でハンドルの形を追いながら、ツルリと美しい陶器のカップに白鳥を思い重ね。楽しげに囀る内容は鈍い殿方を詰る様な甘さを含んでおり、言外に秘密を暴くような無粋な真似は紳士がするべきことではないと嗜めてみせ。前方から注がれる何やら怪しげな視線には気付いたが、危機感が警鐘を鳴らし、触れるべきではないと強く訴えている。一挙手一投足、見逃さぬかのような…否、もっとその奥の深淵を覗き込むかの様な視線が本能を強く揺さぶる。うまく平常心を保てているだろうか、願わくばカップを持つ手が震えていないといい。カップから離した手は再度膝の上に揃えて置き、僅かばかり重ねた手に力が入ったのは緊張の表れ。「そうね…こんな奇奇怪怪な出来事にはそうそう合わないもの。驚く方が自然だわ。私も出迎えてくれたのが貴方でなければ取り乱していたかもしれないわね」黄金色の海に沈み溶けていく塊を視線で追いながら、それとなく冷静でいられた理由を弁明するのは常人を装うとしているからか。揺れる波紋に飛び散る錆色の景色が一瞬瞳の奥にチラつき、それ以上余計な口を効かぬよう一旦閉じて。耳に届くのは大凡非現実的で理解しかねる内容、その節々で彼が立てる生活音だけが酷く現実じみて奇妙な心地に陥る。驚きに目は見開き、不安定に視線は宙を彷徨う。やがて膝の上に落ち着いた視界の端、映り込んだのは柔らかな甘いミルクたっぷりの紅茶色。"ああ…"知らず漏れた声音は歓喜か悲哀、どちらに濡れたことだろう。「……そう、そうなの…。きっと、"今日"じゃなければ夢でも見ているんだって叫んでたわ。でも、そうなのね。把握はしたわ。理解は…暫く出来そうにないけども。ゴハンと仰るなら何故…貴方はこんな話を私にして下さるの?」荒唐無稽、まさにその一言に尽きる。瞼は伏せたまま、頬に睫毛の影を落とし、小さな声量で淡々と応じ。残念ながら視線を合わせる勇気はない。きっと瞳は仄暗い光に濁っているだろうから。過去の罪を精算する時が来たのか。重ねていた手は祈る様に組まれ、ただただ判決を待つ罪人の如く、続く言葉に耳を傾け)


  • No.45 by ジョネル  2021-05-15 11:32:58 




アハハ、じゃあ君も見えない所ですっごく頑張ってるんだ。良いね、ますます君が魅力的に見えるなあ
(窘められたのだと察しているのかいないのか、相も変わらずただただ無邪気な笑い声と共に手のひらを上に向けた状態でしならせた食指を貴女へと向け真っすぐな視線を送る、そのちぐはぐな光彩が獲物に狙いを定めた四足動物のように爛々と底光りしたのはほんの一瞬の出来事。「 そう言ってもらえたら嬉しいな。確かにこのお屋敷には話が通じない奴もいるからねえ 」話の通じない云々は無論同胞の中にも気難しい者が居ると示す意味もあるが、廊下を徘徊する理性なきバケモノの存在は言いあぐねて。まるで人間から自分の立ち居振る舞いを評価されたかのように感じては、嬉しいともつかない複雑な声色で「 僕が君に親切にするのは、君が素敵な子だからだし 」視線を明後日の方向に向けながら半ばひとりごとのようにぽつりと。実際にこの世に在り得ない理不尽を凝縮したような事実を告げても目に見えて取り乱したりはしない貴女に感心とも怪訝ともつかない視線を注ぎながら「 ……今日? 」よほど特別な日なのだろうかと興味を惹かれ思わず聞き返し。そこに記憶への渇望を埋めてくれる濃厚な食事の香りを目敏く感じ取り、急いて事を仕損じぬように期待に逸る心は精一杯表に出さぬよう努め。何故、の問いには目許を細めて目一杯口角を上げ「 さっきも言ったじゃん。素敵だなと思った子に色々してあげたくなるのは当然のことでしょ? 」不気味な双眸に黒煙の衣装、人間とはかけ離れた異形をぶら下げながら発言はどこまでも人間臭く「 だから君がすぐ他の奴に食べられちゃったらヤだな。 」あくまで喰われる事を前提とした発言はそれがこの屋敷の常識だからだろう。折角綺麗なのに、伏し目がちな瞳を勿体ないと言わんばかりの半ば乞うような目で見つめ続け)


  • No.46 by エマ  2021-05-18 21:30:34 





…ジョネルさん、そう言う貴方もそうなのではなくて?
(向けられた人差し指を一瞥し、そのまま紅茶の上へ滑り落として。話の最中、幾分温くなった液体を飲み下し、白い陶器を鑑賞したまま送られた視線には返さず。努力を知らぬものが頑張った、頑張らなくて良い、とすんなり言葉に出来るはずない。何せ、神に愛された一握りの幸福な人種は頑張ることさえ知らぬのだから。空になったカップを音を立てずソーサーへ戻し「とても美味しかったわ。ここの従者たちは優秀ね」感想と共に称賛の言葉を添えて。気安く、朗らかな調子で語り掛けてくれるものの内容はそんな穏やかなものではない。理性を持ち、話せる彼は希少なのだろう…それが窺い知れる。窓の外はただ何処までも闇夜が覆い、暗い奈落の底に通ずるのではないか。そんな感想を抱かせるほど不気味極まりない。「そう…。どちらが良いのかしらね。食べられるのならばいっそう、話の通じないモノに食べられてしまった方がいいかもしれないわ。言葉を交わすことで情が生まれ、そこに私たちは希望を見出してしまう」彼の話が途切れた瞬間、ポツリと溢れたのは心の中にいるもう一人の自分の言葉。憂いに潤むグリーントルマリンを想起させる瞳を静かに瞬かせ、ゆっくりと視線を合わせる。姿形は違えども言葉を交わし、気遣う姿勢を見せられると、彼だけは他の住人と違い己を食べずに助けてくれるのではないか…そんな淡い期待が胸に滲むのだ。それとも期待を裏切られたヒトの絶望や悲哀さえ、彼らにとっては甘美なアクセントになるのかもしれない。きっと突き詰めて考えるべきではないのだ、特に今は。ふっと気持ちを鎮めるように一息吐くと、組んだ両手を解いてソファーから立ち上がり、惹かれるように窓辺へ歩み寄る。「今日はね…とても特別な日よ。"ワタシ"が生まれた日だもの。…貴方達には誕生日ってないのかしら?」カーテンを捲り、ガラスに映る歪な自分の姿を見詰めながら、えらく食い付きのよい彼の質問に応じる。言葉の表面をなぞれば、誕生日だからこそ、この現状を受け入れられるなんて、おかしな理由だ。皮肉に歪む口許は背を向けている彼には気付かれないだろう。一度瞳を閉じ、次に開いた時には窓に映る自分の顔はいつもの穏やかで柔らかな笑顔を戻っていた。その表情で相手を振り返っては、興味を装うフリをして質問を返し)


  • No.47 by ジョネル  2021-05-19 20:26:34 




僕は使命とか宿命とか呪いとか、そういうのに縛られるのキライなんだ。もしそいつらが僕の首に鎖を繋ごうってんなら、一目散に逃げ出したいね。――君は逃げなかったんでしょ?
(眼前の物憂げな少女と同じ、黒薔薇の呪いに縛られる番人の身でつらつらと本音を吐き。現実として黒い茨に雁字搦めにされている自分の境遇にはそれ以上触れることなく、話題の対象を貴女へとすり替えながら立ち上がり、貴女の後を追うように大きな窓へと歩み寄って「 僕はこのお屋敷が大嫌いだよ。でも偶に言うでしょ?救いのない事こそが救いなんだって 」記憶に靄がかかったように、自分がなぜ此処にいるのかは思い出せない。しかし何かに縛られている事は感覚で理解しており、貴女の隣へ並び立ち窓枠に伝うように蔓延る茨と黒薔薇をガラス越しになぞり「 君にとっての救いは人間の世界には無いのかもしれない。だからこそ選ばれたのかもね 」願わくば自分がその救いに。なんて分不相応もいいところな陳腐な願いには自嘲の笑みが吹き零れ「 ……なんて。ごめんね、知った様な口利くつもりは無かったんだけど 」救われたいのは自分なのだと自覚してしまえば、途端に高潔な貴女の隣に立つのが居たたまれなくなって。要領を得ない自分勝手な言葉の数々に貴女がどんな呆れの表情を浮かべているのか盗み見ることさえ慙愧にたえず憚られ、けれどそちらから柔和な笑みを向けられては安堵にも焦がれにも似た複雑で歪な表情のまま辛うじて口角は持ち上げて「 誕生日だね、知ってるよ。君たち人間にとっては良くも悪くも特別な日なんでしょ?怪物にはそういうの無いから、初めて知った時は驚いたよ。――おめでとう、エマ。 」その祝いが少女にとって呪いであることはおろか、告げられた名前さえ真実と異なることなど知り得る道理もなく、心からの善意で祝賀を告げ。おもむろに黒煙のコートの懐を探るような仕草を見せれば、手品のごとくサッと腕を引き抜きその手中には淡い緑色の花弁が中央に向かうにつれて濃く発色する瑞々しいジニアが一輪握られており「 急拵えだけど、僕からのお祝い。受け取ってもらえる? 」その花言葉に悪意などなく、口許は弧を描くが異形たる双眸の奥には揺れるような何かを携えて返答を待ち)



  • No.48 by エマ  2021-05-20 17:42:58 



見方の違いかもしれないわね。私は…逃げ出す勇気がなかったのよ。でも、それを言い訳に自分から逃げたわ。…って、何を言ってるのかしらね。
(使命、宿命、呪い、それこそがこの屋敷に縛られている彼等の根源にあるもの。自分もまた過去の亡霊に捕らわれている。初対面の彼に普段なら吐かぬ弱音を零したのは似たなにかを感じたからだろうか。感傷に浸る権利などないのに、痛ましげに瞼を閉じ、苦いものが込み上げてくるのを無理矢理に飲み込む。彼を閉じ込めているという荘厳たる屋敷、窓の外には夥しいほどの黒薔薇が鮮やかな花弁を開き、人々を惑わすかの如く奇しの香漂わせ、壁に這う茨は風にそよりとしなっては艶かしくも誘う女の手のようで、幾重にも生き物を絡めとり離さんとする…まさに魔性そのもの。視界の端で白くぼんやりと浮かび上がる彼の手が窓を伝う、耳を打つのは哀しげな笑息。行動を擬えるようにそっと伸ばした指先をガラス窓に当てがい、人差し指を下へ滑らせて薔薇に誘われるように花の形を指先で辿って。「…何故かしら。何故こんなに……。……っ」泣きたくなってしまうのか…その言葉を続けるにはあまりにも彼に申し訳がたたず、俯き溢れそうになるものをマナー違反だと知りながらも袖口で押さえて。救いのないことこそが救いだと、そう言う彼が自分には救いを示してくれるというのか。こんな奇々怪々な屋敷の中、ちっぽけな小娘に…。あまりにも哀れで狂おしいほどに労しく愛おしい。更には見ず知らずの己の誕生日を純粋に祝ってくれようとしている。「…有難う、ジョネルさん。本当に…本当に今日は特別な誕生日だわ。」差し出されたジニアの花を恭しく受け取り、鮮やかで可憐な花弁に目許を和らげ、綻ぶような笑みと共に感謝の言葉を胸にわき出る思いのままに伝える。"おめでとう、エマ。私のたった一人の大切な姉さん"胸中で明るい陽だまりの下、満面の笑顔で青空の下を駆けていく小さな幼子へ手向けて。一輪の可憐な花をハンカチーフに包み、サイドテーブルに大切に置いては彼の方に両手を伸ばし、下から掬い上げるようにして握って。「大事にさせて頂くわ。お礼を今度させていただきたいのだけれど、ジョネルさんは何がお好きかしら?」尋ねる際、首を傾げた反動で肩から緩やかに巻いた髪が一房垂れる。今はその色を見ても不思議と気持ちは穏やか。きっと彼と話したからだろう。誕生日プレゼントのお返しとかこつけ、何か贈れるものはないだろうかと思案して)


  • No.49 by ジョネル  2021-05-21 21:16:16 




(きっと少女は計り知れない苦悩を抱えている。まだ一人で背負うには華奢過ぎる足腰の小さな小さな少女が――そんな風に突如胸へ去来した感情に名前を付ける術など知らない怪物は言葉すら失って、ただキュゥと喉を情けなく鳴らすに留まり「 君は。――君はとても綺麗だよ 」慌てたように文頭だけ声がやや大きくなったのは、考えるよりも先に貴女へ伝えたいという欲求が勝ったから。俯いたままの表情を窺うことはできないが、きっと恥も外聞もなく泣き喚きたいのを一生懸命押し殺して無音で咽いでいるのだと。真偽はともかくとしても自分にはそんな風に思えて仕方がなく、それでも寄り添い抱き締めることなど記憶への執着に囚われた醜い怪物には憚られ「 ……美しいよ。強いよ 」風前に揺らぎ消え入る灯火を彷彿させるような尻すぼみの声、その終わりはわずかに震えていたかもしれない。わずかな沈黙の後「 ごめん、自分が思った事しか言えないや。僕、もっと舌が回る方だと思ってたんだけどな 」両手を背面の腰に当て、身体を反らせるように天を仰ぎ深く吐息して「 エマの事、忘れたくないなあ 」ぽつんと落とした心からの本音は貴女に届いていなくとも良い、寧ろその方が良いのかもしれない。全ての行動原理に記憶への渇望が伴っている浅ましい自分を貴女には知られたくない。いじらしくもお返しをと申し出てくれた貴女の顔を見るために上を向いたまま覚悟を決め、今出来る精一杯の微笑みを顔面に敷いてから向き直り「 僕、毎日欲しくて欲しくて焦がれているものがあるんだ。でも、君にそれを求めるつもりはないよ。だからその気持ちだけで……、言葉だけで十分。 」どう足掻いたって綺麗ごとの域を出ない言葉を並べ、これ以上この神聖な部屋を侵すことをきらって自分勝手に踵を返し背を向けて。一歩、出入り口へ踏み出してから未練がましくはたと立ち止まり「 ――嘘。やっぱり、気が向いたら使い魔を遣って僕を呼んでよ。君とお喋り出来たら嬉しいから 」文字通り顔向けは出来なかったけれど、朗らかな声色を絞り出す事には成功した筈。それでも身を喰らわれるやもしれぬ怪物の再訪など被食者からすれば到底歓迎できるものではないと理解しているため、沈黙のままに返答を待つ死神は知らぬ間に奥歯を噛み締めており)


  • No.50 by エマ  2021-05-26 20:46:27 




(彼にしては珍しい、この短時間関わっただけでそう思わせるほどの一声に、俯けていた顔をおずおずと上げる。様々な感情が入り乱れ、心は散り散り、気持ちは落ち着かず無意識に瞳は不安定に揺れており。一言、一言大切に紡がれる音はあたたかな想いで溢れている。幼く、臆病で然し純粋であった少女の頃に聞けていれば…または彼の様な味方が誰か一人でもいれば…何かが変わっていたかもしれない。所詮たられば。か細く震え消えていった声音が寂しく、耳の奥に微かな余韻として残る。緊張で渇いた唇を小さく開き「……貴方の目には…そう見える?私は…美しい?強くて…、素敵なレディ、かしら」なんとか小さな笑みをかたどったまま最後まで言い切って。闇を抱えているのは自分だけではない、天を仰ぐ青年の表情はこちらからは窺い知れず、知っているのは名前だけの寂しげな囚われ者。そんな囚われ者こそ想像もできぬほど抗えない枷を抱え生きているに違いない。吐息と共に空気へ消える様に落とされた言葉が偶然届いてしまったのは幸か不幸か。"綺麗だと、美しいと貴方が言ってくれた私を憶えていて"…だなんて、何故告げることができるだろう。目を閉じ、聞こえぬフリをしたのは優しさからではない、踏み込むことに怯え、向き合うことから逃げたからだ。そうやって嫌いな自分が積み重なっていく。…だが、今日踏み出さねばきっとこの先も後悔するだろう。そんな予感があった。柔らかな色合いの布に包まれたジニアの花が、月の光を受けながら自分に勇気を与えるように淡く輝いている。「言葉って難しいわね…。でも、これから先ジニアの花を見れば貴方のことを憶い出すわ」小さな勇気を振り絞り、憶えていて、と言えない希望を憶い出す、に変えて彼へ贈ろう。一輪の花をそっと持ち上げ、記憶に刻むよう花びらに誓いの口付けを落として。優しい拒否と共に向けられた寂寞とした背はそのまま消えてしまいそうなほどの儚さを孕んでいる。呼び止める為に持ち上げた手は、結局何も掴むことが出来ず中途半端に宙を彷徨うだけ。どうすれば引き留められるだろう、逡巡している間に彼の方からタイミングを狙ったように声を掛けられる。「…っ、勿論よ!私も貴方とお話出来て楽しかったわ。ジョネルさんさえ良ければ明日も…来てくださらない?この部屋以外のこととか…貴方のお友達のこととか…色々紹介してほしいわ」勢いこんでしまったため、僅かに声音が上擦ってしまった。その羞恥に頬を薄く染めながらも、懸命に自分の思いを口にして。もし了承を得られたならば、今度こそは笑顔で見送ることが出来るだろう)


  • No.51 by ジョネル/マリーシュカ  2021-05-29 18:14:24 



(背後に立つ少女が一体どんな力を持っていると云うのだろう。問いの形を取られた言葉を首肯すること一つにすら計り知れない責任が圧し掛かるように思え、先ほど安易に口に乗せた自分の本音を反芻し背を向けたままおぼろげに一度だけ頷き。思うがままに熱を吹いた己の言葉さえ明日になれば言った事すら忘れているかもしれない、今更口に出たものを取り返せる筈もなく居た堪れなさに黙していればふと贈られた"憶い出す"の言葉。ちぐはぐの瞳孔を零れんばかりに見開いた顔はさぞ間抜けだっただろう、貴女に背を向けていて良かった。「 僕の事、憶えていてくれるんだ 」暗く凪いだ水面にピチョンと水滴が垂れるような、静かながらに部屋の静謐を明確に揺らす声。貴女のそれは何気ない言葉で論拠のない口約束かもしれない。それでも「 ありがとう。……それだけで少し救われる気がするよ 」決して清められる事のない汚泥に浸かり肺までとっぷりと闇に満たされていた心地が僅かながらに暖かみを帯びる感覚。これは果たして卑しい死神に許されたものなのだろうか。追い打ちのように再訪を快諾してもらえれば一意ではなく「 本当に初めてだ 」と落としたのは独り言。ゆえに返答を待つ間もなく二の句を継ぎ「 じゃあ、明日も同じ頃にお邪魔するよ。…そうそう、この世界ではずっとお月様が昇ってるんだけど時間はきちんと過ぎているからね。 」そこまで言い終えてからようやく振り返り「 またね、エマ 」それが真の名前ではないと知る由もなく、初対面の時と同じ明朗とも剽軽ともつかない微笑みと共に手を振り、黒煙のコートがぶわりと燃え上がるように膨張したかと思えば死神の全身を包み一瞬にして欠片すら残さず姿を消して)



***


初回交流お疲れ様、そしてありがとう。思っていたよりジョネルの闇が前面に出てしまったわね、貴女たちと話していると怪物たちの個性をどんどん引き出してくれるから本当に楽しくて筆が進むわ。
初対面は〆とさせていただいたけれど、お次はどうしましょう。次の約束から始めるもよし、ジョネルの忠告不足から廊下に出てしまってギレルモのもとへ導かれるもよし、ね。
勿論CCだってお気軽にしていただいていいのよ、私達は貴女たちと話せることが幸せなのだから。
とはいえリアルが最優先ですもの、どうか無理せずのんびりゆるりと参りましょうね。



  • No.52 by エマ  2021-06-06 23:11:02 




(不思議な彼と邂逅し一晩過ぎた。柔らかなベットから起き上がり、垂れる横髪を耳に掛けつつ視線は吸い寄せられるように窓へ。説明通り、体感的には朝である筈の時間だが外は昨日と変わらず不気味なほど静かに月が輝いている。まるでこの屋敷だけが世界から切り離さ、時が止まっているかのように錯覚してしまうのも無理からぬこと。未だ混乱する思考を溜息とともに逃し、サイドテーブルに置いてあるデカンタから一杯水をグラスに汲み、口を潤す。戻したグラスの横には花瓶に生けられたジニアの花が一輪。単調な空間の中に鮮やかな色を添えており、目を楽しませる。「このまま枯らしてしまうには可哀想ね。折角だもの、ドライフラワーにでもして長く楽しみましょう」花を眺めるだけで心が豊かになるようだ。僅かに浮上した心のままに、花瓶からジニアの花を取り出して風当たりの良い場所に吊るす。約束通り彼が来てくれるなら、夕方ぐらいになるだろうか。常に月が浮かぶこの屋敷には不似合いな表現だろうが。どちらにせよ、彼が来るまでにはまだまだ時間がかかる。案内もなく人様の屋敷を出歩くのははしたない行為だが、少しでも現状を理解したい気持ちも確か。チラリとドアに目をやり、逡巡したのも束の間、そっと近寄りドアノブに手をあてがう。するりと抵抗もなく開かれた扉。顔を覗かせ外の様子を見てみると、左右に分かれて廊下が伸びている。動くものの気配は感じられず、思わず気後れしてしまうほど物静か。緊張から小さく喉を動かして唾を飲み込み、そろりと一歩を踏み出した。特に誰かが飛んできて注意などされる事もなさそうだ。一先ず第一関門突破、と胸を撫で下ろし。自分が出てきた扉の取手に髪を結ぶ為に持っていたリボンを目印がわりに括り付け、先ずは左曲がりで行ってみようと歩き出して)




此方こそとても楽しかったわ。
私の方もいきなりあんな事を話すつもりはなかったのだけど…不思議ね。気付いたら話してしまっていたわ。

次だけれど、そうね。私の性格からして部屋から出歩くなんてこの機会を逃したらそんな大胆な事しないだろうから、ジョネルさんとの約束までに大冒険してみることにしたの。
お相手はギレルモさんにお願いしようかしら。彼とは一度話してみたいと思っていたから、今から楽しみよ。

お心遣い感謝致します。お互い無理せずゆっくり楽しめたら本望だわ。
貴女方もご自愛くださいませね。


  • No.53 by ギレルモ / マリーシュカ  2021-08-02 20:59:38 



(例えるならば、それは蜘蛛の巣。一見して怪物の気配も人影もない廊下は、黒薔薇屋敷の佞悪な支配者が張り巡らせた幾重にも絡まり合う糸の一筋であり、本来ならば決して独りで部屋を出るはずのない新鮮な獲物が狩場へ迷い込んだ事を無音のうちに知覚して。それも悪趣味な喜劇の一幕とでも言うべきか、貴女が角を左に曲がった先の分かれ道の右側にぽうっと青白い蝋燭の灯がひときわ大きく宿り、それは飛行場の滑走路のように遥か奥まで導くように順々に灯ってゆく。それを道標と取るか罠と取るか、聡明な少女が後者と惟んみたとてもう逃げることなど許さないとばかりに、ハッと今来た道を振り返ってもそこには帰り道はなくただ存在しなかったはずの壁が聳え立つだけ。出口のない袋小路の入り口と化したその廊下、どこから吹いたかも想像できない冷たい風がいざなうように吹き抜けてゆく。この屋敷のどこかで同じ風を感じたかもしれない死神は、果たして貴女に【独り歩きはいけないよ】と忠告しただろうかと肝を冷やすだろう。それはさておくとして、これ見よがしな青い蝋燭の道を選んでも、その正反対の道を選んでも辿り着くのは下へ下へと続く螺旋階段。もしそれを降りたのならば、まだ続きそうな螺旋の中腹で貴女は珍しくも“人間界の”とあるわらべ唄を耳にするだろう。所々、レコードの針が飛ぶように不自然に調子が外れたり不気味な抑揚に揺さぶられる歌は、薄暗い螺旋階段という場所も相まってさながらホラー映画のごとく血の気の引くような雰囲気を助長する。突如、プツリと歌が途切れた後に一拍置いて聴こえたのは若い男の苦しげな呻き声。「 ゥ……あァア………… 」次いで、金属製の何かを長く伸びた爪で引っ掻くようなキリキリとした音。もし奈落の底まで階段を降りきったのなら、少し開けた場所の奥にまるで独房のような牢獄がひとつ。きっとかなり奥行きが深いのだろう、例え檻の外から中を覗き込んだとて人影は垣間見えない、ただ先程までの唸り声はいつの間にかシンと静まり返っていて)



**********


お返事が遅くなってごめんなさいね、いつもながら暖かいお言葉をどうもありがとう。
最近また忙しくなってしまって、お返事の頻度はバラバラになってしまうけれど、こうして少しずつでもお話や縁が繋げられる事を改めて嬉しく思うわ。

ご指名頂いたギレルモへの導入文だけれど、如何せん癖のある文章になってしまったから違和感や返し難さがあれば遠慮なく仰って頂戴ね。
私達の間に遠慮はなし。そうでしょう?…ふふ。

もちろんお返事はいつでも良いわ。待つ時間すらも愛おしいもの。
あなたが変わらず息災で、幸せに居てくれている事を心から祈るわ。


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