ジェイド 2020-03-23 23:02:04 |
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ン…、ん?!どうしたルシアン、平気かっ
( 二度寝というものがこんなにも心地よいとは知らなかった。それもこれも全て、気心を許した貴方の傍で眠りにつけるからこそ味わえる、極上の贅沢なのだろう。夢見心地に微睡みを嗜んでいる真っ最中、皮肉にも自分が動かした獣の欠片が原因で、その幸せな時間は一旦幕を閉じる。怪物には無縁であるヒトの体温、尊いぬくもりを両頬に感じては、穏やかでない剣幕で名を呼ばれたことにジャーキングのごとくビクリと肩を跳ねさせて。望まぬ覚醒の瞬間、獣の咆哮が"ガウ"と短く反射的に零れ、慌てて二つの翡翠で同じ数のヴァイオレットを捜して。図らずも目の前にあったそれに、安堵する反面どこか面映ゆく「 ああ…嗚呼、本当に良かった。よく頑張ったな、ルシアン 」大輪の笑みは春の嵐。暗い冬の陰鬱とした死の予感など吹き飛ばし、荒々しいまでに生の喜びを謳歌するような。もしも貴方が三途の川の瀬戸際で、自身と共に生きる道を選んでくれていなかったのならば、今この瞬間を味わうことは出来なかったのだろう。ふとしがみつく小さな体すべてに確かな震えを感じ取れば、貴方には見せることなく密かに悲痛に眉を歪め「 そうだよな、怖かったよな…。 」貴方の死はおろか、自身の死にまで心の底から恐怖してくれるほど、貴方は濃密なまでに死を間近に感じていたのだと痛感する。ギリギリまでそれに気付かず、貴方の笑顔だけを盲目に信じ、長いあいだ貴方ひとりだけで死という暴虐な脅威に立ち向かわせてしまった事は、今更ながら悔やんでも悔やみきれない。しっかりと貴方の身体を抱き締め、握られた尻尾の先端を小さな背中に巻き付けるように沿わせて、全身で貴方を包み込み「 気付いてやれなくてご免な。お前の身に降りかかる全て、これからは俺にも一緒に立ち向かわせてくれ 」生きていれば無論、辛い事もある。この血生臭い屋敷では尚更だろう。その世界に貴方を引き戻したのは自身のエゴでもある、ゆえに貴方という命全てに責任を持とう )
***
そうだな、結局は流れと筆に任せるのが良いと思うよ。道筋を硬く決め過ぎると、いずれ窮屈になってしまうかもしれないからな。お前の言う通り、方向性さえ定まっていれば道筋は流れのいざなうままに辿って行こう。大丈夫、俺とルシアンならどんな道でも楽しめるさ。
むう…俺もたくさん悩んでしまうよ。悩みすぎて筆から遠のいてしまうのも勿体ないし、ひとまず直近の場面転換だけは決めておこうか。しばらくはゆっくりまったりの時間を楽しんで、その次はお前の言ってくれたように黒薔薇屋敷の呪いへ少し触れようか?病み上がりのお前が考えすぎてしまわないように、ほんの違和感程度の伏線を張っておくのも良いと思ってな。
ゲリライベントについてだが、勿論大歓迎だよ。ただその場合は、2時間でリセットのルールに則って、個室よりも本編を優先してレスを返す事になると思うから、そこだけ了承してもらえたら問題ない。まだ見ぬお前の分身もきっと素敵なヒトなんだろうな…今から楽しみだよ。本編では当面の間イベント期間を継続する予定だから、またタイミングが合えばいつでも顔を出してくれ。
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