ジェイド 2020-03-23 23:02:04 |
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――ン…。
( 夢も見ないほど深い眠りの底から、自身のものではない静かな律動によって意識が徐々に覚醒する。貴方のベッドの傍に膝立ちになり寄り添う姿勢のまま、気を失った延長上で眠り込んでしまったらしい。すぐ傍で寝息を立てる少年の姿はさながら天使の様で、窓から差し込む月光よりも朝の光が似合うだろうに、と惜しくなった。もしかしたら一連の奇跡は全て夢の中の出来事で、貴方が呼吸していないのではと本能的な恐怖に駆られ、口許に耳を寄せて一安心。獣の唸り声交じりの大きなあくびと共に少し身を離そうと上体を起こして、クン、と確かな力に引き戻される感覚に僅かに瞠目。その力の正体は、自身の服をしっかりと握る貴方の小さな手だった。こんなに小さいのに、こんなにも強い――そのひたむきな想いが一身に己へ注がれているような気がして、にんまりと綻ぶような笑みが零れた。「 今夜くらいは、自惚れても良いよな 」幸せに掠れた声で独り呟き、まるで愛しい番を慈しむ獣のような所作で、貴方の柔らかな頬に顔を寄せる。嗅ぎ慣れたにおいにひどく心が和み、知らず知らずのうちに耳はぴくぴく、尻尾はゆらゆら動いていた。それが貴方の顔をくすぐっている自覚もないまま、今この瞬間に酔いしれるように瞼を下ろして )
***
ご心配痛み入るよ、体調には問題ない。少し寝不足で絶好調とは言えないが、こうしてお前と話せるだけでとても癒されるよ。いつも有難う。
ハハ、奇跡の魔法については俺の口から話す事は渋るかもしれないな。もし話の運びでそうなったら、マリーシュカかギンハに訊くのも一案かな。
一先ずお前が提案してくれた通り次の日の夜に場面を繋いだが、いまいち絡めてはいないかもしれないな。もっと良い場面が思い浮かんだり、返事しづらかったりしたら遠慮なく教えてくれ。
そうだな…どちらも魅力的だ。幼き日のまま純真に真っ直ぐに成長して、黒薔薇屋敷の歪んだ呪いに直面し一度は打ちひしがれるか、純真さの中に一匙の歪みの種を持ち、呪いに触れてその歪みを開花させメリバに向かうか…正直どんな未来が待っているか想像できないな。楽しくて堪らないわけだ。
或いは心の歪みに付け込まれ、性悪の悪魔達に唆されて何かしらひと悶着あったり…まだまだ抽象的なイメージだが、サブストーリーの引き出しは無限にありそうだな。
明確な答えにならなくて済まないが、結局のところ俺はどんなお前にも魅力を感じるよ。歪み色が強ければ強いほど、物語のシリアスさも深まっていくと思うが、俺達の絆は決して揺るがないからな。
現時点での俺からは想像に難いが、お前と生きていく為ならレジーナも自分の手にかける選択を取る事もあるかもしれない。だがそれよりも、俺がお前に牙を剥く未来の方が想像できないよ。
ああ、お前の成長の節目に誕生日イベントを挟むことも視野に入れようか。お前が成長するタイミングについてだが、いつ頃が良いだろう?少年時代のうちにやっておきたいシチュエーションはあるか?俺も思い付いたらどんどん挙げていくし、何かあれば遠慮せずに教えてくれ。
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