梔 2019-05-10 21:27:49 |
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>>梔
(部屋に響くノック音、地図に目を向けたまま「入って。」と声をかけて扉が開くのと同時にゆっくり振り返っては、予想とは異なる人物がまず目に止まり小さく目を見開く。そしてその後ろに予想の人物、梔を見てはやや安堵するも、それも束の間。彼の表情には明らかな疲弊があった。上手く隠せてはいるがいつも研ぎ澄まされた凛とした佇まいが僅かに揺らいで見えて、思わずすぐに声をかけそうになる。しかし、今は…と茉莉花に視線を戻し状況が状況なだけに訝しみ警戒しつつも、今起きている動乱を悟られぬよう穏やかに笑んで「…昨日ぶりだね。どうしたの?」と率直な問いかけを。すると茉莉花はふっと笑み『風の噂でちぃと気になること聞いてな。坊が困ってるんやないかと思うて。…こいつとはさっきそこでばったり会うてな?』と梔の背中をボンッと叩き、一枚の紙をはらりと出してきて。それは相手グループの情報が書かれた紙。どうやら全て既知の様子に疑念を抱きつつも二人へ近づき紙を受け取って目を通す。細かな情報は敵の主軸や動向が備に把握でき、相手グループの名もここ最近良く耳に入るものでいくつか手に持つ情報と合致する。信憑性は高いように思えた、が、いくら茉莉花が元ヤマトで仲間だったとはいえこんなリスキーな真似をただでするだろうか。相手グループのような汚い取り引きをするような男ではないと分かっているが、何か意図するものがあるのではと。金銭にでも困っているのだろうかと少し心配しつつ怪訝そうに顔を上げ「…それで、どうして此れを?」と。茉莉花は此方の様子に無理もないと小さく笑って『深い意味なんてあらへんよ。坊と…可愛い弟の助けになりたかっただけや。……にしてもその可愛い弟はこんな時間までどこほっつき歩いてたん?なんや疲れてるみたいやけど。』肩を竦めて目を細めると梔に目を向け、何故弟がこんなにも疲弊しているのか知っていながら、何も存ぜぬ素振りで弟いじりを始め梔の頬を突きながらニッと笑い。梔の顔色は自分も気になっていたため、自分も知りたく心配げに彼の瞳を見つめ答えを待って。)
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