日ノ本に残花 〆

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梔  2019-05-10 21:27:49 
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  • No.16 by 梔  2019-05-31 22:53:03 


>>榊

(最初こそ聞こえた『金づる』という単語に密かに眉を寄せるような余裕があったが、その後に紐解かれる彼の過去に徐々に呑まれていく。確かに相手の腕前は本物だ。彼の流れる様な剣技、常に冷静、且的確な観察眼、優しさの中に息を潜め、一瞬の間に標的を喰らう決断力…相手の手解きを受けた後に彼流の伸びが見られるが、その根本となるものを授けたというのは本当の様だ。ランプの灯は徐々に自分の心を表すように、ゆらりと揺れ、相手の口元を照らす。相手の言うことは吟味しなくてはならないが、嘘をついているようではなさそうだ。以前少しだけ聞いた話とも合う。「…恨んでいた、…か。」僅かな明かりにも反射する短刀を眺めつつ、噛み締めるように言葉を反復する。一層灯が揺れた。確かに、思い返すと彼は争いを仕掛ける時に市街地や人が多い場所を選ぶことは無く、街の人に迷惑をかけないよう口を酸っぱくしていたっけな。ぼんやりと壁に伸びるランプの影に、妹分が亡くなった時の彼の心情が溶けだしているように見える。彼は守ってくれる存在のない中、やっと見つけた大切な存在が何の理由もなく失われてしまった。その時の絶望は、恨みは如何程のものだったのだろう?きっと、マフィアである自分には一生分からない。「…無い、離せ。」一気に脳味噌の血管内にドライアイスでも放り込まれたかのような不快感が視線を下げさせ、何時の間にか相手の接近を許してしまっていた。軽くその手を払い退け、そのままの勢いで相手の脇を抜けて出口に手をかける。相手の事はどうするか。今の話のかぎり、偶然とはいえ金づるとして今でも彼の事を利用するような真似をする相手の事だ。十分な警戒は必要だが、情報筋は多く持っておきたい…1度振り向いてもう一度相手の手元に光る短刀がやはり兄のものに間違いないと確信を持つと、今は泳がせるべきと判断して無言で…一応会釈はしてから闇夜に溶けて。
次に空が明るんだ時、仕掛けられた歯車は急速に回り始める。アジトに届いた一通の手紙。宛先も送り主も全く書かれていない封筒は、通常の郵便ルートを通っていないことを鮮明に表し、それが日常と非日常の境目であることを封を開ける前から窺わせるシロモノ。それをポストから取り出した下っ端は、クルクルと封筒を回してみて、誰宛なのかは中を見ればわかるだろう、と封を破った。中には三つ折りにされた便箋が1枚。その山折りを開く前に、封筒の中に同封されていた写真が足元に落ちる。それは、寝起きの下っ端の目覚ましには些か強烈過ぎた。それには昨日捕らえられた幹部と下っ端が拘束され、こめかみに銃口を押し当てられている様子が印刷されており、それは慌てた下っ端により、すぐに頭領である榊へと届けられるだろう。)

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