___行く末に(非募集)

___行く末に(非募集)

隊長  2018-10-24 21:35:56 
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創作BL

隊長×凶悪犯罪者

募集板でお声掛けさせて頂いたかた待ちです。
非募集になります

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  • No.137 by 芹崎 航  2018-11-22 22:59:36 


(意味もなく小説に再び目を落とし文字を追っていると男の到着を告げるベルがなる。来ないとは微塵も疑っていなかったが、本当に来る相手に何故か安堵するが自覚はない。ソファ横にある繊細な彫刻が施されたキューブボックスの上に読みかけの小説を閉じて置くと扉に向かいゆっくりと開けてやる。そこにはとても人を殺すとは思えない“いい男”が立っていた。顔立ちが良くて身なりを整えるとやはり様になるものだ。まあ、実体は人殺しだが。無表情に相手を招きいれるとソファに座るよう促して。

飲むだろ?
(いつか相手がマンションを訪れたときに交わした杯。今回は嫌な探り合いは抜きで、といきたいところなのだが、どうなるかは予測不能だ。ただ場所は違えど以前と同じようなシチュエーションでどんな話ができるか好奇心が湧いた。問いかけておきながらまたもや返答は待たずしてグラスをミニテーブルの上に置くと透き通った淡い緑がかった液体をそそぐ。ボトルをワインクーラーに浸したところで、ソファと向き合う位置にある腰掛けに座って、以前は相手からされた乾杯をこちらからグラスを差し出すことで誘ってみて。表情は相変わらず冷めていたが、相手ならこの状況を楽しんでいることに気付いているだろう)

  • No.138 by 白樫 謙也  2018-11-23 19:15:14 


もちろん、恩人が注ぐ酒を断るわけない
(促されるままソファに座るとワインをグラスに注ぐ相手を目で追う。今回はあの時のようにおかしな液体が入っていることはないだろう。今はゆっくり話ができそうだ。といっても、それがまったく全て喜ばしいことと言えるかと言うと、そうでもない。もう相手は自分が人殺しだと気づいている、だが自分を生かしここに呼んだということは、事情を話さなければならないという事だ。弁解の時間が設けられたと言えばそうでもあるが、それは今まで他人に晒したことの無い胸の深いうちにある思考と感情をさらけ出すことに等しい。それを口にした時この男が何を思うのかまだ予想はできなかった)

それじゃあ、俺が無事に逃走できたことに乾杯
(相手は向かいのソファに座りグラスを差し出してくる。顔こそいつもの冷たいものだが警戒しているわけではない、むしろ楽しんでいるのだろう。口角をあげながら警察官の前で逃走を祝ってからグラスを合わせキンッと耳障りの良い音を響かせる。中身を1口飲めば芳醇な味が口内に広がり満足げに笑みを浮かべた。だがこの空気がいつまでも続くとは思えない。)

それで?なんで俺をここに来させた?

  • No.139 by 芹崎 航  2018-11-23 20:40:14 



調子のいい……。
(変わらない軽快な口ぶりに躊躇いなく交わされる乾杯。流れるような一連の動作は人の気分を良くさせる。何人もの人間がこの一見、ぱっと見、自然に醸し出す人柄の良さに引かれたに違いない。あくまで一見だ。相手がワインを味わうのを見て、こちらも一口含む。自分のおかげで逃走できたんだろとは言わなかった。頼まれてもいないし勝手に自分がしたことで、実際無事の逃走を促したから。ただ一言くらい返したほうがいいだろうと気のない悪態を吐いて。そしてこういうとき相手は直球。前置きない、核心をつく問い。自分もまどろっこしいのは嫌いなためやりやすいが、答えには詰まった。ここ数年、いやそれ以上に自分のことで何か答えることなどほぼ無いに等しかった。決められた道、定められた答え、望まれる回答を自ずと選択してきた自分にとって、自分の芯にせまる答えを出すのは難解で。ワイングラスを一度置き、思案するように目を伏せたあと視線を合わせることなく何か口にしようとするが躊躇して口を閉ざすと一息置いてまた口を開いて。

まだ、言えない。__いや、一番は話したかったからだ。その理由を今はまだ話せない。
ただ、これは自分のためだ。それだけは言える。
(意識はしていないがまたお預けをする形になる。ずるいのは理解している。人を呼び出しておいてこちらの内を明かさずに話し合いをしようなど虫のいい話。だが今考えていることを話したら相手の本音が聞けない気がしたのだ。依然、視線をワイングラスにやったまま軽く中の液体を回して。

お前はなんで人を殺すんだ?
(まるで明日の予定は?と聞く物言いで、それでもいくらか声のトーンを落として問う。なんとなくぼんやりとは殺人の動機が見えていたが、相手の口からしっかりと聞きたかった。それを知ってどうするか聞かれたらまた“言えない”になる訳だが。グラスに注いでいた視線をようやく上げて相手をまっすぐに捉えるとその返答を待って。)

  • No.140 by 白樫 謙也  2018-11-24 13:33:45 


なんだよまたお預けか?まぁ俺はお前に貸しがある。こっちが先に答えるのが筋かもな
(連れないやつだと軽く笑うが内心は胸が軋むような音が響く。いずれ聞かれるであろう質問、誰にも話したことのない殺人の、誰にも話したことのない動機。自分のどうしようもない影を晒すような話だ。母親がいなくなってあの日からコツコツ積み上げてきた東堂瑛太という仮面を自ら叩き割るような行為。すなわち、これまでの人生を一度粉々に砕くような所業だ。軽く息を吐いてからグラスの中身を一気に飲み干す。一度終わりかけた命だ、それならもう人生を壊すようなことをしたって構わないじゃないか。しかも話し相手がこの男、世に出してはいけないと判断されれば即刻殺される可能性もある。自分の話を聞いて相手がどんな行動をとるのか、興味があった)

…不安になるんだ。俺が…殺してしまった人間を、俺は愛してた。そいつが家にいると居心地が良かった。でもいつも、何かのきっかけで…もうそいつが俺の事愛していないんじゃないかって不安になる。離れてしまうんじゃないかってな。そしていつか…母親みたいな目で、『無関心』の目でこっちを見てくるんじゃないかって。…だから、ガキの頃母親にやったようき…永遠に、俺のそばから離れて行かないように……動けなくしてしまう
(空のワイングラスを見つめたままゆっくりと整理するように言葉を並べた。それは自白そのもので、始めて人を殺したと認める発言だった。ずっと自分の悪癖に向き合うことはしていた、だがそれを治す術がない。回答のあと、空のグラスを眺めたまま体を動かせないでいた)

  • No.141 by 芹崎 航  2018-11-24 17:46:40 



(相手から紡がれる言葉を一語一句聞き逃さないように耳を傾け、表情の変化ひとつ見逃さないよう静かに話が終わるまで見守る。その姿は飄々とした態度で饒舌に語り人の好意を惹きつける男からはかけ離れ、いつかの公園で垣間見た真に迫る内側の部分。それを今、包み隠さず見せられ、あの公園で抱いた“満たしてやりたい”感情がまた浮上する。それが好意なのかは分からないがそばにいてやりたいと確かに思った。
はぐらかせれてもいい話、だった。なのに一切の誤魔化しもなく、他人には絶対に触れられたくない内側を晒してくれる。彼自身を崩壊させる行為を、自分の前で。やはり自分はずるかった。重荷を先に相手に背負わせておいて、用意していた回答も覚悟も揺らいでしまったのだから。多分、どうしようもなく目の前の男に弱くなっていた。胸が酷く苦しい。今までも今も苦しいのは相手のはずなのに感情移入したように激情が胸を締め付けた。ただ表情は変わらずに相手が語り終わるのを見届けると静かに視線を落として長い、沈黙をする。

___理解できない。いや…、お前の愛は本物だった。それは否定しない。不安になるのも当然だと思う。…ただ、そこで愛した人を自らの手で亡くす行為は、お前の弱さだ。愛し“合って”いたかは知らない。でも愛していたなら不安を打ち明けて共有だって出来たはずだ。それを信じられずに向き合おうとせずお前はエゴを押し付けて逃げただけ…。
永遠に離れていかない、そう思っているなら、同じことは繰り返さないはずだ…。
(冷たい声で、何度か微かに息を震わせながら紡ぐ言葉は、的を射ているようだが自分でも酷く陳腐に思えた。人の感情はそんな単純ではない。愛や寂しさ、不安は人を狂わせる。幼い相手への心の負担は計り知れない。恵まれて育った自分が相手の愛に口出しすることすら間違っているのかもしれない。相手の苦しみや辛さは相手にしか分からない。それでも、自分の中で燻り続けていた感情はもう誤魔化しきれないところまで来ていた。

お前をここに呼んだのは、自分の気持ちに区切りをつけるためだった。これ以上近づけば、俺は今の俺でいられなくなる。お前と話すことでこの感情と蹴りをつけるつもりでいた。……でも逆効果だったみたいだ。
(相手といるといつも思い通りにいかない。相手に絆されてしまった以上、こうなるのは予想できていたはず。自分は存外短簡なのかもしれない。ほんの微かだが少し困ったように眉を下げ微笑み、すぐにいつもの表情に戻って相手を見る。その瞳に最初の頃の哀れみはなく、どこか見守るようなもの。さて、あとは自分の燻る想いを打ち明けねばならない。そっと気を落ち着かせるように一息ついた。)

  • No.142 by 白樫 謙也  2018-11-24 18:23:55 


──お前の言うことは間違ってない。愛した人間を離れていくはずないと信頼して心情を打ち明ける、それが普通だ。でも…──不安になる度にあの顔が、母親のあの、顔が……俺を認識するのも面倒がってる顔が…頭から離れなくなって……俺の手からすり抜けて行く前に…繋ぎ止めたかったんだ…
(相手の口から出たのは否定の言葉、此方を非難する言葉だ。予想はしてたはずなのにそれを遥かに超えて胸を抉られる。いつも流暢な口はだんだんと言葉が途切れていき、最後には絞り出すようにして口を動かしていた。この思考は誰にも理解しえないものだと分かっていた、自分の1番の弱みだ。それをこの男に晒して、自分は何をしたかったのだろう。誤魔化すことも適当な嘘をつくこともできてのに。こいつならば、母親を亡くしたこいつなら、理解してくれるかもなど期待したのだろうか。否それよりも、相手がこの弱みを聞いて自分に失望するのが怖かったのかもしれない)

自分の気持ち?俺の犯罪履歴を聞いて殲滅の最終決定でもするつもりか?それとも殺人鬼の話を聞いて人間らしさでも取り戻したか?
(続く相手の言葉はどこか的を得ない。真意が分からずとりあえずいつも通りの軽口を無理やり戻しておく。断りもせずワインを自分の分にだけ注ぐとそれを一口体に流し込む。話すべきじゃなかった。相手の言う通り、お互いに近づきすぎてしまった。自分が殺人鬼だと打ち明けた以上どちらかが死にどちらかが生きたまま部屋を出るしかない。それなのに相手の顔はどこか柔らかくて、よくわからないこの状況に怪訝そうな顔を浮かべていた。)

  • No.143 by 芹崎 航  2018-11-24 20:38:59 



(絞り出すように語られる心情は、相手を長年縛りつけてきた苦しみに感じた。実際は苦しみなんて生半可なものではないだろう。言葉から、口調からそれがひしひしと伝わりまた胸が軋む。人の情に流されて飲み込まれてしまうのはいつ以来だろうか。黙って相手の話を聞き相手のグラスにワインが注がれるのを見て、続く問いかけにこちらも一口ワインを飲んで。

人間らしさ、か……。ある意味そうかもしれないな。
__俺は、あの日から、母親が亡くなったときから人と必要以上に接触するのを避けてきた。それは隊務で人を殺めるときに無駄な情を抱かないようにするための上からの言いつけでもあったが本当は…失うのが、怖かったからだ。だから付き合っても、最低な話だが本気にはなれなかったし一線を引いていた。ずっとそうやって逃げて、自分を守ってきたはずだったんだ。……お前と会うまでは。
(視線を落としたまま一気に語るが、胸の苦しさは一層増す。ここまで来てまだ迷う自分がいる。本当にいいのか。伝えてしまっても許されるのか。今まで自分の気持ちも意見も通ったことなどない。定められた答えしか出して来なかった自分にとって、自らの感情を、想いを伝える行為は押し付けでしかなく、非常に慣れないことだった。それにまた、失うかも知れない。それでも言わない選択肢は残されていなかった。

おかしな話だ。はじめお前なんてただの犯罪者でそれこそ消す気でいた。なのに、自分を暴かれて、お前の内面を見るたびに取り繕っていたここが揺らいだ。お前が男に愛を否定されて『愛してた』と情を顕にしたときもその愛に惹かれている自分がいた。__お前に会ってお前を知るほどにここが揺すられた。
(懺悔でもしているようだった。ときおり胸に手を当てて想いを吐露するがどうしても硬い口調になるのはきっと性格だ。冷静なようで正直相手の表情を確認する余裕すらない。しかしここでようやく顔を上げて相手の双眸をまっすぐに捉えて。

俺はお前の心を満たしたい。これまで抱えていた不安も寂しさも全部受け止めたい。
…あの時、交わした約束_お前がどこにいても見つけられるように、そばにいたい…。
(やっと目を合わせたのにやはり相手の表情を汲む余裕が微塵もない。またあの軽口であしらわれても文句は言えない。言い返す気力もないだろう。おもむろに腰をあげると、唐突に相手の襟首を掴んで引っ張り上げるとミニテーブルを挟んだ状態でこちらに引き寄せその唇を触れるだけの口付けで奪う。すぐに顔を離すと一気に近付いた距離のまま相手の瞳をみつめ「名前を、教えてくれないか?」と。恋情でも友情でもない、名のない感情だった。)

  • No.144 by 白樫 謙也  2018-11-25 15:20:20 


───は?
(そう一言口にすることしかできなかった。今まで見たことの無い相手の姿。いつも冷たく氷像のような男が何かに迷い、言葉を吐き出すようにしながら胸を押さえている。相手が何を言わんとしているのか途中で気がつけないほど純情でもなく、本気で驚き目を見開いた。今まで他人とは一線を引いてきた、それでは自分とはどうなりたい?胸を揺さぶられたのなら、何がしたい?言葉は理解できるがその事実を受け入れられなくて唖然としていると、襟首を掴みあげられ、そのまま唇が重なった。ほんの一瞬だけ、あの時と同じだ。優しいキスだった、唇しか触れていないのに、そっと抱きしめられ感覚に陥る。自分の弱みとも狂気とも言える部分を知ってなお、この男はそれを受け入れるというのか。)

お、まえ……──俺の言ったこと聞いてなかったのか?俺は、誰かを愛したとしても、そのうち……いつか、…相手を……お前を、殺してしまうんだぞ
(今すぐにでも自分の名前を、誰にも言えずにいた本当の自分を言ってしまいたかった。相手の首裏に手を添えて言葉が出かかる。しかし喉元まできたそれを既のところで飲み込む。こんな留まり方をしたのは初めてだ。自分の側にいてくれる人間が現れた時には迷いなく手を取っていたのに、何かがそれに歯止めをかける。自分でも分かっているのだ、この男にすぐに心奪われてしまうことが、そしてすぐにそれは自分の悪癖へと変わることも。相手の瞳を真っ直ぐにとらえながら言葉を絞り出す。互いの間にあるミニテーブルが酷く邪魔に思えた)

  • No.145 by 芹崎 航  2018-11-25 17:18:49 



あぁ……、その心配は全くしていなかった。俺は簡単には殺されてなどやらないし、殺される気も更々ない。俺はお前を満たしたいと言ったんだ。不安が…過去の残像がまたお前を苦しめても、俺はお前から離れない。お前が、その衝動を忘れるほどに満たしてやりたいんだ。それに___、
(後から自分で聞いたらそれこそ昇天してしまいそうな言葉だった。こんなこと誰にも思ったことも言ったこともない。本当に自分の口から発せられているのか自分で疑う程。それでも本心だった。殺されてしまう可能性も相手に言われて初めて気付いたくらいだ。首裏に感じる相手の体温、少し震えているような声、それが伝わりようやく余裕が生まれはじめまっすぐに相手の表情をとらえる。これからどうなりたいか、どうしたいか、そんな具体的なものは経験したことがないのだから分からない。今伝えたことが全てだった。そして何か言いかけるのと同時に、互いを隔てるミニテーブルを片手で払い倒して襟首を掴んだままぐっと引き寄せ身体を密着させる。ミニテーブルが倒れグラスが割れてワインが床にしみをつくるが一切目もくれず、相手の瞳を捉えて離さない。そのまま相手の耳元に顔を寄せて、

俺もいつでもお前を殺せることを忘れるな。
(低く冷たい声、だが確実に甘さの含まれた声色で囁くように告げながら相手の空いている手を自分の腰のホルダーにある拳銃へと導き軽く触れさせる。そして少しだけ身を離して双眸を捉えながら、襟首を掴んでいた手を相手の口元に持っていき、名前を催促するように親指で唇にそっと触れて。)

  • No.146 by 白樫 謙也  2018-11-26 19:13:58 


…っ、───
(相手はこれまでも自分の道を譲らないことが多々あったが、まさかこんなところでもそれが発揮されるとは。だが満たしたいと、そばにいたいと、離れないと、それらの言葉がどうしようもなく胸に沁みる。その言葉を受け入れてこの身を相手に委ねたくなる。テーブルを挟んだ物理的な距離によって心の迷いは保たれていたのに、音を立ててテーブルは取り払われ互いの距離はなくなった。まるで最後の殻を取り払われた気分だ。本来ならシミ一つ許さないはずの相手がワインを床に撒き散らすことも厭わずにこちらの距離を詰めてきたのだ、そのなりふり構わない行動でこちらの心はもう逃れられない場所まで来てしまっていた。相手に導かれるようにしてその手に拳銃が触れる。本来なら脅しであるはずなのに、その感触に酷く安心した。もしまた自分の悪癖が抑えられなくなった時、相手を殺してしまいそうになった時、この男は自分を撃ち抜いてくれるだろう。この手が愛する人を殺すのを止めてくれる。二度と矛盾したあの行為を繰り返すことはない。戸惑い拒絶しようとして強ばっていた体が少しずつ解れていく。そして腰と首裏に回った手がより相手との距離を詰めるように背後に回されると相手の目をまた真っ直ぐと見返した。唇をなぞる指が妙に心地いい)

──白樫謙也……
(震える息を吐き出すのと一緒にもう何十年も口にしていなかったその名を告げる。母親を殺したあの時から、その日に置き去りにしてきた名前だ。誰にも愛されず愛される自信も確信もない、一人静かに公園で蹲っているやつの名前だった。相手の目を見ていられずに顔を伏せる。あぁ、ここまで来てしまった。最後の砦まで取り払ってしまった。誰も踏み入れたことのない場所にこの男を入れてしまった。だが不思議と後悔はなかった)

  • No.147 by 芹崎 航  2018-11-26 20:38:53 


__覚えておくよ。………お前がそんなだと調子狂うな。
(震える声と共に明かされる名前が耳を通り、胸にすとんと落ち染み渡っていく感覚。名前一つで今まで空白だった部分がじんわりと満たされていくようだった。相手には満たしたい、離れないとかまけたがその実、自分も満たされたかったのだと今更になって自覚する。しかし、つい最近までいがみ合ってきた仲。名前を聞いてすぐに呼名してもいいのだが、こういった雰囲気には慣れない上に想いが通じ合ってすぐに切り替えられるほど器用でもない。今更、羞恥が湧いてくればそれを誤魔化すように上から目線であくまで平静を装い言えば、相手の今まで見たことない姿をややからかって。それでも、相手にとっては余程覚悟のいったこと。それは理解しているため、感謝の意を示すように、相手の全てを受け止めるように、その額に軽く口付けを落とした。)

  • No.148 by 白樫 謙也  2018-11-27 11:46:38 


あぁ、忘れるなよ…──は、そうだな。こういうのは俺の方が慣れてる、ほとんど童貞のお前とは違うからな…──そうだろ、航
(額に口付けが落とされて思わず笑みが漏れる。まさかこいつとこんな関係になるなんて、出会った当初は思いもしなかった。道さえ違えば殺し殺される間になったずなのに、今やこの広い部屋で体を寄せあって見つめあっているのだから。揶揄う言葉にようやくいつもの調子を取り戻したのかすました笑みを浮かべて揶揄いの言葉を返す。相手は付き合ったことがあると言えど気持ちが入っていないのならそんな相手はいなかったも同然、それを『童貞』と称してニヤリと笑った。お互いの名前は明かされた、だがそもそも相手のことを苗字ですらほとんど呼んだことがない。一足飛びしているのかもしれない、それでも今は自分を受け入れてくれたこの男の名前を口に出したかった。相手の体を抱き寄せて肩口に顔を埋めてより距離を近づける。そして一言、相手のことを呼んだのだった)

  • No.149 by 芹崎 航  2018-11-27 15:15:51 


…、…そうだな、そういうことで良いよ。…ほんと嫌味なくらい顔はいいよな…。
(どうやらこういった場面で自分はほとほと弱いらしい。頭の中にふとドラマで出てくるキザな男が言いそうなからかいも浮かんだが口に出せる性格でもない。名前を呼ばれたことも、また相手に先を越されたようで悔しいが動揺が上回り表情こそさほど変化はないがただただ投げやりに肯定するしかなく、余計に子供っぽさと『童貞』感を露呈しているようで。肩口に顔を埋められたことで相手の息遣いがより近くに感じては心地いいような居たたまれないような、自分から近付いたくせに冷静になってくると距離感がいまいち掴めず、相手の両肩をやんわりと押して少しだけ離しまた目を合わせる。改めて間近で見て気付かされるのは相手の端正な顔立ち。惹かれたのは相手の内面のためあまり気に留めていなかったが、睫毛が長く鼻筋も通っている。世の男女が放おっておかずそれこそ狂ったストーカーに狙われるのも分かる気がして、そんな男に自分が一番近い存在であるなら少なからず優越感があるわけで。先刻散々恥ずかしい台詞で本心を吐露したが、なぜかここでは素直になれずに、前述での動揺を誤魔化すのも相まって悪態となれば、軽く頬をつまんでやって。

で、今日は泊まっていくのか?…泊まるならここ片付けさせるか部屋変えるけど。
(相手の腰に手を当てたまま自分がしでかした惨状に目をやりやや眉を寄せつつ、一応この部屋のベッドはまだ使えるし、ゲストルーム付きであるため寝る場所には困ることはないが片付けさせるとなると長いこと人を中にいれることになるし、部屋を取り替えたほうが手っ取り早いかと。しかしそもそも相手の都合もあるだろうと何の気なしに聞いてみて。)

  • No.150 by 白樫 謙也  2018-11-28 19:19:34 


(/ごめんなさい本日用事が立て込み返事をする時間が取れそうにありません…明日お返事致しますので少々お待ち下さい。申し訳ありません)

  • No.151 by 芹崎 航  2018-11-28 23:19:37 


(/いえいえ、大丈夫ですよ!お忙しい中、報告ありがとう御座います。また時間があるときにお付き合い頂けると嬉しいです。では、また!)

  • No.152 by 白樫 謙也  2018-11-29 22:29:38 


おい、誰が顔がいいって?顔も性格もいいの間違いだろ
(自分の名前を呼ばれて僅かに動揺でもしたのか、微かに相手の吐息が震えるのが聞こえた。それを誤魔化すように発せられる当たり障りない返事には思わず口をにやけさせた。やはりこういう場面では自分の方が上手らしい。今まで軽口で場を掌握する時には心が伴っていなかったが、今は同じ調子ながらも相手を愛しくそしてからかってやりたい気持ちで溢れている。頬をつねられた手をやんわり剥がすとそのまま自分の手で包み込む。今までは向こうから勝手に寄ってくる女ばかり相手していたのだ、エスコートのひとつもなっちゃいない。体は離されたが、再び一歩相手へと踏み込み口を相手の耳元に近づけて)

こう言う時は『今日は泊まってけ、早く2人になりたいから部屋を変えよう』って言うんだよ
(わざと言葉と共に吐き出される吐息が耳にかかるような距離でそう囁いてやる。こちらを捕まえようとしていたときは何事も強制だったのに、こんな大事な時には自分で手を引くことはしない。きっと相手にとっては『任務じゃない』から決定を下せないのだろう。耳元で言いたいことだけいって体を離すとすました笑みを浮かべる。フロントに電話をかけろとちらりと電話の方を見たのだった)

(/すみません大変遅くなりました。お返事置いておきます。また明日ももしかしたら返信できないかもしれないです…申し訳ありません)

  • No.153 by 芹崎 航  2018-11-30 03:53:35 


性格はこれから知ってくから。さっき言ったこと守るためにもお前のこともっと知らないとな
(相手のにやけ顔に以前の胡散臭さはないものの、からかわれている感は否めなく僅かに眉を寄せるも、相手の性格云々よりも内面に惹かれたのは事実。それでもまだまだ相手の性格を語るには日が浅い。そう思えば始めはからかいに愛想なく返すも、相手を心から理解したい想いは強く、至極真面目に相手にしか分からないだろう穏やかな声色で述べては、ようやく気まずさも落ち着きこの空気に慣れてきたと。がしかし、すぐにそれも次の相手の行動で揺るがされる。再び近づく距離、耳元に触れる甘い吐息。相手でなければ何も感じず冷たくあしらえたが惚れた弱みなのだろう。自分でも動揺が表情に出たのが分かる。しかしやられっぱなしも面白くない。離れていく体に今度は自分から近づき細い手首を掴んで体を押すと後ろのソファに腰掛けさせるようにして上から覆いかぶさり。

それは…誘ってると捉えていいんだよな?__、
(別に今日の今日で相手とどうこうしようなんて微塵も頭になかったし恐らく今の相手の言葉にそういった意味合いはない。しかしいつまでも相手のペースに乗せられてやるわけにもいかないと、犯罪者を捕えるときのような冷たい視線に獣の雄のような鋭さを混じえ幾分甘い声色で言い、お返しとばかりに耳元で相手の名を呼ぼうとした_まさにその時、まるで空気の読まないスマホの着信が入った。1コール、2コール。たいていなら緊急の呼び出しもあるため3コール目までにはまず出る。それは今までなら女とベッドの中でも、だった。5コール目が鳴り終わり6コール目が終わる寸前、ついにその通話に出てしまう。言わずもがな内容は近場で出没した凶悪犯捕獲の緊急要請。近場もなにも自分の真下にも凶悪犯がいる状況に不謹慎にも笑ってしまいそうになるが、状況的には気分は浮かばれない。相手には想いを告げ大見得を切った手前、一緒に居たいと思う。ただ自分の気持ちと仕事を天秤にかけることすら許されてこなかっただけに心の葛藤は大きく。一度通話を保留にすると困惑と後ろめたさを含んだ表情で相手を見て。

被害者が、出てるって…
(人を殺したことのある相手に、赤の他人に情けを感じるかは分からない。ただこの一言で自分が“仕事”に選択が傾いていることが伝わってしまったはずだ。相手と過ごしたいその気持ちは仕事を遥かに勝るもののはずなのに。)



(/いえいえ、お気になさらずに!むしろ返信頂けるだけで光栄です。無理なく本体さまのペースで回してくださいませ!あと、ご相談なのですが、今後の展開の中に謙也くんの父と名乗る人を出せたらなと考えております。まだどの段階で出すかなど全く未定です汗
もしお許し頂けて、父を名乗る人のイメージや謙也くんに対する思いなどありましたら提案頂けると嬉しいです。自分得な設定でも何でも遠慮なく盛り込んで大丈夫です!)

  • No.154 by 芹崎 航  2018-12-07 22:44:19 


まだ、ここ覗いたりしてくれてるか…?
別の場所でお前みたいなの見かけたんだが、違ったかな。
偽名使うのも逃げるのもうまいお前だからはっきりとは分からないが…、お前だといいなと思ったよ。
正直自分に自信がなかったし居なくなったときは申し訳ない気持ちのが大きかったから、仕方ないと受け入れようとした。
だけどもし、まだお前に気があるならいつでも戻ってこいよ。まだ名前も呼べてないしな。
思い違いで、迷惑だったら流してくれて構わない。返事をくれるならお前の話しやすいかたちでいいから…。

  • No.155 by 白樫 謙也  2018-12-07 23:33:37 


約束通り俺を見つけてくれたんだな、ありがとう。俺がここからいなくなったのに狡い形で手紙を投げたな、それも悪かった。
お前にはいつも世話になりっぱなしだ、ストーリーも考えてくれるし、俺はそれに拙い文でついていくのが精一杯で、でも楽しかった。なかなか時間が取れなかったのといろいろ本体の調子も良くなくて返事が遅れて、それで今更顔出しできなくなってて…言い訳だな。
お前が許してくれるなら、また戻ってきたい。ただ本当に背後の問題なんだが、なかなか長文がかけないかもしれない。もともと短いが、お前を満足させてやれないかもしれない。これ以上我儘を並べる資格が俺にはないから、迷惑なら断ってくれて構わない。
悪いな文が支離滅裂だ、それでもとりあえずここに書き置きを残しておく。

  • No.156 by 芹崎 航  2018-12-08 01:24:26 


いや…、どんな形であれ手紙残してくれてよかった。…嬉しかったよ。だからもう悪いなんて思わなくて良い。
むしろ一人突っ走てたのはこっちで付き合わせて無理させてないかずっと気になってた。拙い文なんてことはないしお前と話す時間は俺も楽しかった。
許すもなにも怒ってない…。ただ少し寂しかっただけだ。だから戻ってきてくれるなら本望だよ。お前を離さないと約束したし、断るなんてのは考えられないしな。
とにかく背後のことは一番に優先して、こっちに合わせなくていいから自分のペースで数日に一回でも一週間に一回でも長文でなくても返信は構わないからな。むしろ逆に気を遣わせて悪かった。我儘、というか言いたいことはいくらでも言ってくれていいから。
また相手してくれるなら、前の続きからか、やりづらいならどちらからか新しく回せたらいいかなって思ってる。背後は形式だとか決まりにはこだわらないやつだから肩の力抜いて自由にやってくれ。長くなったが、省くとこ省いていいからな。ここまで読んでくれてありがとう。

  • No.157 by 白樫 謙也  2018-12-08 14:26:34 


それはこっちの台詞だ。お前はいつも能面でやっと最近心情が読めるようになってきたのに……だから誘ったんだ、俺ともっと一緒に───
(相手の言葉に思わず笑みを漏らす。奥底に隠していた感情があるとしても性格という点ではあまり裏表のある方じゃない。今までもこれからも、恐らくあまり態度は変わらないだろう。本心をさらけ出す時はまた別の話になるが…ともかく性格を知らないという点ではこちらの方が圧倒的に努力が必要だ。なにせこの堅物の氷像をこれから切り崩して行かなければならないのだから。そんな揶揄いを言ったあとにこちらに影を落とす相手を見上げる。押し倒すようにして覆いかぶさられ低く冷たい声が降ってくる。今まではそのスリルに胸が疼いたが、今は別の感情が渦巻いた。この男を感情的にしその感情を独占する優越感、どうしようもない感情だ。こちらをキツく見下ろしたって心中がいっぱいいっぱいなのはお見通しだ、そこをもう一押ししてやろうと思ったところで空気の読めない音が鳴り響く。相手はしばし迷ったようだったが結局その電話に出た。まったく迷惑な犯罪者もいたものだ、犯罪者の自分が言うことではないが)

お前、そんな表情もするのか?しょうがない、今回はその顔に免じて許してやるよ…行ってこい
(先程まで獲物を捕えんとする獣のような目をしていたのに、今や叱られるのを怖がる犬のような表情だ。その様子にまた笑みをこぼす。とはいえこの空気のまま自分を置き去りにして仕事を選択するのを全面的に許すのも癪だ、適当な女ならここで喧嘩になっていただろう。せめてもの仕返しに相手の髪が乱れるようにわざと大袈裟に頭を撫で回して、扉の方を見やって)

────

俺の本体も長くここにいるから大切な相手がいなくなる寂しさは嫌ってほど知ってるのに、俺がそれをしてしまって、本当にすまない。悪かった。それに気遣ってくれてありがとう。なるべく1日1レスはできるように心がけるが、遅れそうな時はまた連絡する。時々どうしても気力がなくて何もかも手につかない日があって…
とりあえず前の続きで返しておいた。父親の件だが、現時点では母親しか眼中にないから意識することもない存在だ。だが父親だと名乗る奴がでてきたら最初は拒絶・疑心から始まる。その後は展開しだいだが、絆されて親密な関係になって心を開こうとして、父とどうせっすればいいか悩む、とかになりそうだな。初めてきちんとした家族という繋がりを持てることに喜び始めるようなイメージだ。父親のイメージはお前が考えてるストーリーに関わると思うからそこはどんなものでも大丈夫だ。

  • No.158 by 芹崎 航  2018-12-08 21:14:31 


(相手に表情のことを言われ、確かに心情を表に出さない教育を受けてきたし表情豊かとは言えないのは承知していたが、既に無意識の域に達していたため相手に言われて改めて能面であるのを自覚すると共に、相手の前では徐々に崩れているのを知って。こんなところまで相手には敵わないなんて眼下にいる相手の返答を伺っているとまともや表情のことを言われこれも無意識だったため一瞬戸惑い、その隙に髪を乱される。大人な対応ともとれる行動。しかしどこか子供っぽい。それでもからかわれていることには変わりなくまるで犬のような扱いに、組織の犬なだけに笑えないと少しだけ不愉快な表情を顕にして。

そんな変な顔してたか?
……って、俺は犬じゃない。…お前も寂しがって死なないようにな。
(乱れた髪はそのままに相手に覆いかぶさったまま不機嫌な声色で言うもこんな戯れも悪くはないとも思っているため機嫌の悪さも本気ではなく。次いで髪を乱された腹いせにからかうように述べるも、実際この状態で相手を置いていくのは一人になったときの心境が気掛かりだし、外には相手を捕らえようとするそれこそ組織の犬たちが目を光らせている。相手が簡単に捕まることはないとは思っているが自分の目の届かぬところでもしものことがあるのは心配で、やや真剣な目で相手を捉え柔らかな髪を撫でて。
しばらくそうしていたが、現場に向かうならそろそろここを離れなければならない。名残り惜しむように毛先を掬って相手から身を離すと、保留にしていた通話に今から向かう旨を伝える。そしてホテルに備えてあったメモ用紙を一枚取るとソファー横に置いてあった小説を台にして自分の連絡先を書き留め小説に挟むと相手の膝の上に投げ落として。

連絡、取れないと何かと不便だろ。偶然会うのも悪くないが…、まあ寂しくなったら呼べよ。…あとそれは預かっとけ。部屋は後から話つけとくから泊まるなら部屋変えていいからな。
(プライベートで自分から連絡先を渡す行為はほぼ初めて。慣れない行いに内心やや緊張しつつ小説_愛妻を殺して自殺した純文学_を預けて次に会う口実を少しでも作る。最後にやや世話焼きな一面が出るも徐々に頭が仕事へと切り替わっていけば早口になり「じゃあ…行くから」と早々に戸口まで行き扉に手をかけて。)


___

お前も悩んだだろうし考えてくれてたんだから、気負いすることないしもう謝らなくて良い。レスの頻度も無理して大変な思いさせるのは嫌だし、本当に自分のペースでいいからな。気が向かなかったり疲れてるときはしっかり休めよ
父親の件、提案ありがとな。了解した。まだどうするか決めてないからまた出す時になったら俺か本体がまた相談するだろうからそのときはよろしく頼む。またこうしてお前と話せてよかった。戻ってきてくれてありがとう。

  • No.159 by 白樫 謙也  2018-12-09 14:44:34 


なんだよ、それなら俺はうさぎか?俺なら寂しすぎたら…他の誰かのところに行くかも?ま、その前にお前に連絡するよ
(こちらの髪を滑る相手の手が心地良く感じる。そして目の前には本気でこちらを気にかける真剣な顔があって、その表情にまた酷く安心した。愛しい人が離れることで自分がどうなってしまうか今話したばかりなのだ。自分は相手を殺すかもと言ったのに、相手は自分が死ぬことを心配している。堅物の奥底にこんなにも情が溢れているとは思わなかった。そしてそれが、氷の隙間から溢れ出ている情が自分に注がれることで胸は満たされる想いだった。他の誰かのところに、なんて言うもののその気は毛頭ない。ただ相手を早く自分の元に返したいだけだ。膝に投げられた本を見下ろす。裏表紙のあらすじを読むと、なるほど先程の発言はこれのせいかと納得する。そこでふと、もし自分が愛する人を殺してしまった時は、今度はもう自分の命も自ら奪ってしまうのも悪くないかもしれないと考えが過ぎった。連絡先が書かれたメモも確認する。間違いのない『繋がり』だ、その瞬間に今までのすかした笑顔ではない柔らかな笑みが口から漏れた。立ち上がると部屋を足早に出ていこうとする相手を追いかけるようにして扉の方へと向かう。まったく本当に、他人の扱いに慣れていないやつだ)

おい、───…いってらっしゃい
(ドアノブに掛かった手に自分の手を重ね、反対の手で相手の肩を強く掴んで強引にこちらに向かせると有無を言わせず唇を重ねる。今度は一瞬だけでなく数秒の間互いを触れ合わせる口付け、その後ゆっくりとそれらを離した。この部屋に置いていくならばせめて挨拶くらいはしろと言いたいらしい。ニヤリと楽しげに口を曲げたあと、自ら扉を開けて)

────

分かった、ありがとう。お前の優しさには本当に感謝してる。今は沢山飲み込んでいることもあると思うが、俺は精一杯お前に応えていくから、また楽しい時間をすごせると嬉しい。
じゃあ父親が出てく来て相談したい時はまた言ってくれ。こちらこそ俺を受け入れてくれてありがとう。これからもよろしくな。

  • No.160 by 芹崎 航  2018-12-09 20:25:28 


__待ってる
(他の誰かのところへ行くかも_そう言われて胸がチクリと痛むようなざわつきを感じるがそれが嫉妬であることにはまだ気が付かない。すぐに連絡をくれるような発言をする相手に知らずにほっとしながら、相手をまっすぐに見てたった一言、落として。
さて、気は進まないが隊務を果たさねばと気持ちを切り替えドアノブに手をかけたところ、手を重ねられ振り向かされたかと思えば唇を奪われて。相手からの口付けはいつも驚かされてばかり。それでもすぐに受け入れて瞼を下ろせば相手の細い腰に手を添える。ゆっくりと余韻を残すように離れていく温かな感触に静かに目を開けば視線が交わり胸が熱くなる。そしてまるで追い打ちをかけるように見送りの言葉を掛けられれば、微かに息をつまらせ嬉しいような切ないような感情に表情がまた僅かに崩れる。もう十数年以上誰からも掛けられなかった言葉だ。恐らく、相手も同じ…。そして自分でも気付かないうちに望んでいたそれを相手はごく自然に掛けてくれる。多少のからかいなど気にならなかった。本当に、敵わないともう何度も思ったことに内心苦笑しては詰まっていた息を吐き出し、扉を開く相手の額を拳の裏でコツンと軽く叩いて。

__離れ難くなるだろ……。行ってくる。
(平静を装っても少しの照れが生じてしまうのは相手の前だからだ。それでも真剣に述べては挨拶を返し、一度背を向けるも一歩踏み出しけけたところで相手へと向き直り距離を詰めるとその頬に触れて「…ちゃんとお前の元に帰ってくるから」と冷たいながら確かな優しさを声色に乗せて告げる。少しでも相手の不安を和らげたかった。頬から首筋に滑らせるように手を離しては、振り返り際、相手に見えたかは分らない_小さく微笑み今度こそその場を後にした。


(昨晩の隊務を終えた翌日の昼頃、射撃訓練場にて動く対象、遠隔操作によってランダムに移動しながら出現する的を確実に真ん中を射抜き撃ち落としていく。腕は堕ちていない。が、昨夜の隊務で自分はミスを犯した。命乞いをする凶悪犯。_想いを交えたばかりの相手もまた凶悪犯。同じ、とは思いたくない。しかし自分は私情を挟み相手を特別視していることは言い逃れできない。相手は許して、今目の前の凶悪犯は平気で殺すのか。それは小さな綻びだった。相手に近づくことで生まれた、感情の起伏。撃つことに躊躇いはなかったが、急所から数ミリずれた。それは周囲には気付かない小さなミスだが、自分の中で重たい鉛をつくる。__何を血迷っているのか。死んで当然ではないか。あいつも、母親を殺したあの男も。__内側で影を落とす暗い感情。相手を想う気持ちと相反する重たい鉛。時折自分を支配する黒い感情が大きくなることに気付きながら今は目を背け、この綻びをこれ以上大きくする訳にはいかないと。小さく息を吐き出し訓練用の銃を置くと射撃場を出て、荷物置き場に置いてあるスマホを手に取り相手から連絡は来ていないか思わず確認して。この後は、外を見回りがあるくらいで大きな仕事はない。隊服を軽く正すと昼の町へと出向いて。)



___

本当に、自分を大切にしてくれよ。こっちこそ、よろしくな。
今回無駄に長くなったが…合わせなくても全然構わないし不要なところ適当に流してくれ。あとやりたいシチュエーションあれば好きに進めてくれていいからな。

  • No.161 by 白樫 謙也  2018-12-10 19:24:00 


(時刻は丁度昼時だ、カフェの奥まった席で1人本を広げて静かに読書を進めていた。が、ページはそれほど進んでいない。読んでいる本は昨夜相手に渡された本だ。愛する者を殺したあとに自害をする男の話…相手はこの本の主人公を自分と重ねていたのだろうか。もしそうならば、相手は大方正しいと言える。この男の行動や思想はあまりにも自分のものと酷似している。自分が目を背けてきたものを改めてつきつけられるようだ。本を一度閉じると軽く息を吐いてから飲みかけのぬるい珈琲を口にした。相手は何を思ってこの本を渡したのだろうか。こちらのことを理解するためか、自分を見つめ直せという意味か、それとも自ら命を断つことを薦められているのか…昨夜の別れ際に触れられた頬に自分の手を置く。「お前の元に帰ってくるから」という言葉が脳内で再生された。やはり相手のことは分からない、この前までは全てお見通しだなんて思っていたのに。この本の意味さえ分からなかった。そうやって相手のことを考えた時には自分のGPS情報を相手にメッセージなしに送り付けていた。)

─────

あぁ、分かった。そうすることにする。
お言葉に甘えてかなり短くなった、すまない。とりあえず接触する機会は作っておく。

  • No.162 by 芹崎 航  2018-12-10 22:29:55 


(街をバイクで巡回中、いつもなら交通違反の一つや二つざらにあるのだが今日は驚くほど平穏だった。このまま緊急の呼び出しもなく終わってくれれば部屋の片付けができるだろうかと考えているとスマホの通知音がなり。早速別の隊務が入ったかと、一度路肩に停まりスマホの画面を見てみれば、見知らぬ発信元からのGPS情報。何故か瞬時に誰か分かり無意識に口元をほんの微かに緩めては、時計を見て昼休みの時間を確認すると地図に表示された場所へ車体を走らせる。行くか否かに迷いはなかった。
到着したカフェ、店内入りすぐ店員が来ては人と待ち合わせていると告げて中を見回し、奥の席に相手を見つけるも、自分の知る女が相手に話しかけているのが目にとまって。女、その人物は自分が学生で訓練生だったときに付き合っていた女だった。正確には付き合わされていた、だが。お偉い政府のご令嬢とかで“人を殺す仕事”に興味を持ち警察に親伝いで接触してきて、それに長官は国とのコネを作るためにあっさり自分を差し出した。お互い気持ちもなかったし半年もせず向こうから飽きたと去っていった、冷めた関係。噂によれば彼女の家は賄賂が明るみになったことで破産して、人脈も金も無くし身を隠すように生活しているとか。今の彼女の夜を匂わせる格好がそれを示唆していた。何を話しているかは分からないが、客引きか、もしくは所謂逆ナンをしているのだろう。『__一目惚れしちゃった__1人なんでしょ?』と会話が途切れ途切れに聞こえ、さして興味もないだろうに自分が相手に預けた本を勝手にペラペラ捲り色目を使って相手を見ていて。なぜだか無性に腹の虫の居所が悪くなる。無表情にそちらへ向かえば女に近づき、唐突にその手から本を取り上げて。

悪いけど、こいつとは俺が先約取ってあるから
(自分の思っている以上に冷たい声が出れば、さっさと離れてくれと意志を込めて女を見る。女は始めきょとんとしていたが自分が誰か分かると薄く笑みを浮かべて。
『なんだ、航じゃないの。久しぶりね。今日はもう殺ったの?…ねえ___この人と遊びたいからお金くれない?いっぱい殺して稼いでるんでしょ?』と。きつい香水を纏わせた身を密着されれば後述を相手に聞こないように囁かれる。前々から一曲ある性格は健在の様子。とにかく今は煙たいだけ。金を渡すつもりはなくもう一度この場を離れるよう告げようとするがその前に女が抜かりなく相手の手前の席に座り。
『あなたって航の友達?あ、でも航って友達もいないから仕事関係の人?だったら殺ったことあるのかしら』
(テーブルに両肘を付くと手を絡めその上に顎を乗せて上目遣いで含み笑いをする。どうやら席を離れるつもりはないらしい。)

____ 

長さは気にしなくていいから。むしろこっちが長すぎて悪いと思ってる…。
女はてきとうに扱ってくれな。こっちは蹴って構わない。

  • No.163 by 白樫 謙也  2018-12-11 19:35:32 


(相手の到着を待つ間しばらくぼんやりと珈琲を口にしていると突然見知らぬ女性に声をかけられた。カフェに漂う優雅な珈琲の香りを踏みにじるようなキツイ香水が鼻をついた。仕草は上品だが格好は夜の仕事、生まれはいいが金はないらしい。こちらの興味を引くためか読みかけの本を手にするとパラパラとめくっている。すすんで読みたい本ではなかったがこれは相手から借り受けた本、それを無遠慮に触られるのが妙に気に触った。まるで相手と自分との間に無理やり割いられた気分だ。その嫌悪感は顔に出さぬままいつも通りの甘い笑顔を浮かべつつ「困った子だな」などと返事をしておく。こういう奴から金を掠めとるのは容易い。その気にさせてこちらに貢がせようかなどと考えていたところで相手が到着して女から本を取り上げる。妙に冷たい声に女を威嚇するような目線、そこに嫉妬の感情がみえて、またどうしようもなく胸が高鳴る。この堅物は自分を取られそうだと嫉妬しているのだ、そうと分かればそこを擽りたくなるのは自分の悪いところ。第一女は相手と知り合いのようで体を密着させて何か耳打ちをしている。その様子にはこちらも僅かに胸が傷んでいるのにも気がついていて、自分も同じように嫉妬の感情が滲んでいるのが分かった。こんなものを見せられたのだから少しくらい相手に仕返ししてもいいだろう)

まぁ仕事関係ってのが一番近いな。残念ながら俺は人を殺したことはないけど、ベッドの上で気持ちよすぎて死にそうになってる子なら何度も見た事ある
(とっととこの女に退場してもらいたい気持ちがある反面相手を煽ってやりたい気分があるのも事実。適当な嘘を並べながら上目遣いの相手に片肘をつきすました顔を浮かべて夜の匂いを漂わす言葉を返して)

  • No.164 by 芹崎 航  2018-12-12 06:41:24 


(相手なら席に座った女の言葉を上手く躱してさっさと退場させてくるかと期待したが、まるで女の気を惹かせる物言いに、別に相手の過去の関係を詮索したり口を出したりする気はないが何故なのか、酷く気に触り冷たく相手を見る。反して女は上機嫌で『あら、素敵ね。是非、あなたと一緒にベッドの上で溺れ死んでみたいわ』と増々相手を気に入り白い手を相手の手に艶かしく重ねて。その様子に、仕事なら女の反応まで予想し計算された単なる自分に対する相手の煽りだと気づけたが何分“こっちの分野”は疎い、まんまと仕返しにはめられれば冷たい表情に僅かに不機嫌さが加わって。

「これから仕事の話しするから、悪いけど席を外してくれないか?」
(どんなに面倒くさくても流石に一応一般人の女相手にあからさまに冷たくはせずやや下手に回るも彼女は相当相手をお気に召したらしい。中々退散してくれず四回ほど会話が交わされたところでようやく女が席を立って『航ってあっちもイマイチだったけどほんと詰まらない男ね』といちいち相手の前では言われたくない一言を残してちゃっかり相手の前に店の名刺を置いて『待ってるから。来てよね』と妖しく笑って去っていき。
ようやく邪魔が居なくなったと短く息を吐き出し、先程まで女が座っていた席に着くと未だに残る香水の匂いに眉を潜める。しかし機嫌を損ねさせる原因は言うまでもなく他にあって。

モテる男は大変だな
(平静を装うも嫌味っぽくなるのは無自覚。様子を伺っていた店員がオーダーを取りに来たためコーヒーを頼むと相手の前に置かれた名刺に視線をやって、相手は普段からそういった夜の店に行くのかと。ここで行くなとも言える性格でもなく、視線を手元の本へと移しては「読んだのか?」と言いたいことは別のことを問うて。)

  • No.165 by 白樫 謙也  2018-12-12 13:35:16 


お前こそあんな癖のある女と付き合ってたのか?でも良い話も聞けた、お前がベッドの上じゃイマイチって──冗談だ、怒るなよ。ちょっとからかっただけだ
(女と会話をしたのは数回のやり取りだったがそれでも十分にこの人間の性格は把握できた。プライドが高く身の丈にあった選択をできずに虚勢を張る…実に魅力的だ、詐欺のターゲットとしてという意味だが。手を重ねられたくらいでなびくこともなければ、そもそもあんな女に心惹かれることもない。だが目の前に座った相手は分かりにくいが不機嫌なのは確かで、その様子に先程までの貼り付けた笑みとは違う笑顔を零す。手渡された名刺をチラリと見やってクズゴミの上に『ゴミ』として置くと改めて相手と視線を合わせる。互いの嫉妬を募らせたくてここに相手を呼んだわけじゃない。)

全然、今やっと3分の1ってとこだな。なんせ…まるで自分のことがそのまま書かれてるようで──読む気になれない。……なんでこの本を俺に渡した?
(件の本を手に取るも女が捲ったせいで今自分がどこを読んでいたかは分からなくなってしまっていてため息をついて机に本を置く。本題はこっちだ、相手もある程度はこれを読んだはず。主人公の思考は自分と酷似しているが結末は愛する人を殺し自害するもの、結末だけが自分と違っているのだ。先程女をあしらっていたときとは違い真っ直ぐと相手を見据えていて)

  • No.166 by 芹崎 航  2018-12-12 19:22:08 


ただの政略だ。薄汚い駆け引きに乗っただけ。……まあどうせ俺は童貞だしな。
__次からは断るよ。
(相手の『ちょっとからかっただけ』というのは表情から本当だと分かったしその笑顔見て不機嫌だった感情が薄らいでいった。それでもあの女と本気で付き合っていたと思われたままなのは頂けないため、女と関係に至った経緯を簡単に述べる。“乗らされた”と言わないのは自分の意志でないにしても結局その時自分が断らなかったことに変わりないからだ。ゴミ扱いされる名刺を目で追いながら、以前ホテルの一室で相手にからかわれた言葉を使って拗ねたわけでもなくむしろどこか楽しげに冗談を流せば、ゆっくりと相手に視線を移し幾分優しい声色で零す。まあもしそんな仕事が回ってきて断るとしたらあの煩い兄と傲慢の父を説得しなければならないが、既に犯罪の一つや二つに手を染めてしまっているため恐れるに足らないことだ。相手のためなら、とはやはり口には出来なかった。

___主人公は愛する妻を殺したあと、後悔も罪の意識もなかった。至極満たされていたが、そいつは焦ったんだ。このまま生き続けていては、妻を愛する気持ちが薄れてしまうことに。自分の愛が最高のまま、美しいまま終わらせたかった。
(本を渡した理由はすぐに話さずに主人公が自害するに至った心理を大まかに語り、運ばれてきたコーヒーを少しすする。まだ湯気の立ち上るカップを受け皿に音を最小限にして置くと真剣な瞳と視線を交えて。

深い意味はない。ただそれを渡して置けば、返してほしいと会う口実にできるだろ?それだけだ。
(どこかはぐらかすように答えを避けると、本音の一つを晒すことでもっともらしく述べ視線を離れた席に座るカップルへと何気なく移してはすぐに相手に戻して「今日は暇なんだ。お前の料理がまた食べたい」と出来るなら相手の家も見てみないなと完全に話をすり替えて。)

  • No.167 by 白樫 謙也  2018-12-13 13:40:54 


あぁ、そうしてくれ。じゃなきゃ──困る
(ようやく邪魔者はいなくなり不快な香水も店の空気清浄機に吸い込まれていったようだ。珈琲の香りが戻ってきて安堵したように息を吐く。それは相手が零した言葉に返事をするのと同時で、胸に僅かに現れた凝りを消失させた。今までに相手が本気で付き合った人間はいないと分かっていても、実際に目の前にそんな人物が現れ相手に馴れ馴れしく寄り添われるのは見てて気持ちいいもではない。それに、こういう僅かな凝りはいつも悪癖へと繋がる始まりなのだ。それが押し流された今、また心は平穏を取り戻していた)

…それならそこは俺とは違う。俺は…まだ、あの人への想いは薄れてない……なんだ、お前そんな口説き文句みたいなセリフ言えるようになったのか?
(本の大まかな結末を聞くと、自分とは違うと首を振る。それが正しいか正しくないか、などは分からない。そもそも人を殺した時点で間違っているのだろうが。もともと愛されていない自覚があったからか、あの夜あの人を手に入れた充足感と虚しさは今もずっと胸の中にある。それが消えることはなく、だが愛情を求めているのは確かで、だからこそ誰かを愛しては殺すを止められなかった。相手の口から出た会う口実ができる、なんて言葉には笑みを漏らすとそこにはどこか子供っぽさが滲んでしまう。相手が何か真意を避けた回答をしているのは分かっているのに、素直にその言葉に喜んでいる自分がいた。自分の手を取ってくれる人がいる事実はいつだってこの胸を幸福で満たす)

俺の料理か?まだカルボナーラしか作ったことなかったな。何食べたい?

  • No.168 by 芹崎 航  2018-12-13 19:38:30 


(相手の表情は先程から変わらないようにも見えたが『困る』と零す雰囲気はどこか穏やかにも見えて、またそのたった一言が少し擽ったくも感じた。慣れない感情に一口コーヒーを飲むことで気持ちを落ち着かせながら、小説の結末を聞いた相手の感想を黙って聞き止める。表情は平静でいたが心情はやや重たかった。相手の愛は本物だ。そして母親を“まだ”愛していると言う。まだ__。自分とこれから関わり続けても相手の母親に対する愛は変わらないだろう。だがもし…、もし自分と関わることで殺したことを悔いるときが来たとして、相手はその時どうなるのだろうと…、想像も出来ぬ不安があった。相手の考え方がどうであれ離れてやるつもりはないし、あの夜言ったことは守るが、酷く複雑な気持ちだった。まあ自分と関わって相手の考え方が変わるなんてのはいらぬ傲りかもしれないが。

まあ、たまには…。あまり口下手すぎるとまたお前のご指導を受けそうだしな。
(相手もこちらが話をはぐらかしたのに気付いているだろうに深くは聞いてこなかった。それに甘えさせてもらい軽口で返しながら、相手のどこか幼い笑顔を見てこんな顔が見られるならもっと本心を言葉にしてみるのもいいかもしれないなと思う。ただその笑顔がみたいからと言えないあたりやはり自分はまだまだなのだとは気付かない。そして何が食べたいかの問いかけには、作ってくれそうな返答に内心期待しながら考えるようにコーヒーに視線を落として。

和食かな。焼き魚とか煮物とか…。
(返答がアバウトで料理名が出ないのはそれだけ料理をしないことを物語っている。以前食したカルボナーラのような店に出されても可笑しくない一品も捨てがたかったが、なんとなく、無意識に家庭的な味を求めて言えば腕時計をチラりと見て「わるいな…。そろそろ時間だ。夕方は空いてるから…、お前の家でいいか?」と聞いておきながら残りのコーヒーを飲むと伝票を手に取り席を立ってしまうため半ば強制で。)

  • No.169 by 白樫 謙也  2018-12-15 06:32:48 



つまり、よくある家庭的な和食ってことだな。用意しとく
(相手の口からキーワードのように紡がれる料理名。あんな高級マンションに住んで筋金入りの警察一家に生まれた相手がどんなものを望んでくるのかと思えば、なんてことはない献立だった。この男もずっと母親を忘れていない人間だ、その時の温もりでも求めたのだろうか。了解と頷きながらメニューを考えていく。店で出せそうな和食だって作ることは可能だが、相手が求めているものはそういうものではないだろう。)

なんだよ今日は暇じゃなかったのか?まったく…あとで俺の家の住所送っとく
(すぐにでも移動するのかと思えば相手はまだ仕事が残っていたようだ。釣れない奴だと肩をすくめるも無理に引き止めるでもなく、夕方からの約束があることに既に上機嫌な様子。態とらしくヤレヤレと呆れ顔を浮かべながら立ち上がり)

  • No.170 by 芹崎 航  2018-12-15 12:58:10 


__あとでな。
(相手を勘違いさせてしまったのは此方の言い方が悪かったため軽く謝っておき、住所の知らせをもらえることを聞けば小さく頷いて。別に相手はカフェでもっとゆっくりして居てもらっても良かったが立ち上がらせてしまったため、自分は少し先を行き二人分の会計を済ますと店を出た所で相手に向き栗色の髪を軽く叩くように撫でて一言だけ残しバイクに跨がれば仕事へと戻っていき。たった一言だったがその声色には機嫌の良さと相手を一人ここに残すことへの名残惜しさが含まれていた。

(隊務を終えた時間、相手から送られてきた住所に向かおうと本部を出る。相手の家へ向かう前にご馳走になるばかりでは悪いため手土産に日本酒を買いにスーパーに立ち寄り酒を選んでいると、不意に相手と似た面影を持つ見知らぬ男に話しかけられた。
『突然、ごめんね。…君、白樫って知ってる?昼間、会ってたよね?』
(問いかけに動揺は出さなかったものの、内心この男の正体を推測するため思考をフルに回転させる。見た目は50代過ぎで相手と同じ甘い顔立ちであるが気弱そうで身なりはとてもお金に余裕があるようには見えなかった。相手の本名を知る人物は限られているはず、男から犯罪の匂いはさほどしないもののとりあえず素知らぬフリをしようと。
「…確かに昼に人と会ってはいましたが、その名前の人は知りませんね」
『そうか…君もか。いや…、すまない。ならいいんだ。ありがとね』
(肩を落として去って行く後ろ姿をじっと見る。“君も”と言う辺り他にも探りを入れているということか。レジへ向かい酒を購入すると店を出てから店内にいる男の横姿を隠し撮り、念の為周囲の気配に注意しながら相手のマンションの前までくると先程のことが気にかかりつつ何食わぬ顔でインターホンを鳴らして。)




(/背後が失礼します。以前お話した謙也くんの父親らしき人を少しだけ登場させて頂きました。謙也くんの年齢が27歳なのでだいたい50代にしましたが変えて頂いて大丈夫です。
父親視点の設定ですが、父親は謙也くんの母に異常に執着していて子供を産んだ時期はしっていてまさかと思いつつその時認知も関与もしなかった→生活に困り闇金に手を出すも、頼れる知り合いも居ないために闇金組織に加担すれば借金を減らしてもらえる話にのっかる。(すぐにでも抜け出したい)→組織の中でたまたま謙也くんの詐欺や窃盗の噂を聞き、お金の相談に乗ってもらおうと息子とは知らず接触を試みるも、その顔を遠目で見て母親の面影を感じ、年齢も重なることから会わずに去る→でもやっぱり気になり会ってみたさとあわよくばお金借りられたらな→本人に直接話しかける勇気はなく周辺の人物から探りを入れている。
無理矢理な設定ですが大まかには上記を考えています。名前ですが母親の名前を知っていると過程して名字だけわかっていることにしました。大幅な変更して頂いても全然構いません!父親は根はいい人そうですが、やってることはやや最低ですね汗 人物像も自由に訂正してくださいね。不明な点があればなんなりと。長文お付き合い頂き有難うございます。)

  • No.171 by 白樫 謙也  2018-12-15 23:38:11 


(/ごめんなさい本日ももう遅い時間ですがご連絡だけ…明日も予定がつまっており返信できない可能性が高く、次のお返事は月曜日になりそうです。その際に父親に関する部分もお返事させていただきます。お待たせして申し訳ないです;)

  • No.172 by 芹崎 航  2018-12-16 07:43:48 


(/報告ありがとうござます!いえいえ、いつもお忙しい中、お返事頂き嬉しいです。背後様には毎回無茶苦茶な設定に付き合わせて頂いているので頭上がりません;何度もしつこいようですが、無理のないよう背後さま優先なさってくださいね!ではでは!)

  • No.173 by 白樫 謙也  2018-12-17 18:58:06 


──ったく、子供扱いかよ
(取り立てて用事もないが相手のリクエストに答えるためには食材を調達する必要がありそうだ。いつの間にか会計は済まされていて、そこは抜かりないのかと楽しげに相手を観察していると、不意に頭を軽く撫でられる。先程から随分と甘やかされているようだ、それは所謂無償の愛と呼ばれるものに似ていて、悪態に似た言葉を口にしてしまうがどうしようもなく幸福が胸を満たし、子供っぽい反応を見せてしまう。バイクに跨り仕事へと戻る相手を見送ったあと、自宅へと足を向けた。帰りがけにスーパーに寄って必要なものを買い揃えることにしよう)

(落ち着いた乳白色の壁にフローリング、モノクロのシックなテイストの家具で揃えられた部屋、それが自宅だった。観葉植物が部屋の隅に置かれて昼間は大きめの窓から日が差し込む。一人暮らしにしては十分すぎる広さの家だ。その部屋に据え付けられたキッチンからはふわりと料理の香りが漂ってきていた。白身の焼き魚に味噌汁、里芋の煮物に定番の肉じゃが、あとは白ご飯を添えれば完璧だ。手馴れた様子で次々と料理を完成させていく。相手は長らくこんな手料理は食べていないように思う、前回のカルボナーラとは違って変な勘ぐりあいもしなくていい。ただ純粋に相手が自分の料理を食べてくれるだげだ、どんな表情でこれを食べるのか楽しみで仕方がない。そこまで考えた時に、ピタリと料理の手が止まった。今、自分の脳内は完全に芹崎航でいっぱいだった。それは本来問題ではないのかもしれない、しかしいつも料理をする度に浮かんでいたあの顔が、母親の顔が完全に頭から弾き出されていた。愛しているはずなのに、今も想っているはずなのに。無意識のうちに数歩後退し、背中が冷蔵庫にあたる。おかしい、自分はまだ母親を愛しているのに、あの夜あの人を手に入れてからずっとこの気持ちは変わらないはずなのに。手が震える、妙な汗が額に浮かんだ。深く深く呼吸してからなんとか料理を再開するが、自分が母親を一瞬でも忘れていて事実をまだ受け入れられずにいた)

(/すみません大変お待たせ致しました。
そして父親の設定も細かくありがとうございます!これは金銭的に頼りにされている・母親への執着の肩代わりをされていることに気づかずに絆されてしまう感じでしょうか。父親側に明確な悪意がないだけに謙也も少し悩みそうですね。今のところ修正などなどは大丈夫ですので、もし何か出てきましたらまたお声がけします!いつも面白い設定をありがとうございます、とても楽しませて頂いています。そして気遣っていただいてありがとうございます。返信が困難な時はきちんと連絡致しますのでこれからもお付き合いいただければ幸いです。)

  • No.174 by 芹崎 航  2018-12-17 22:40:49 


(自分がカフェで懸念していたこと、当たってはいないが自分が相手と関わることで相手の中で影響を及ぼし始めていることに気付くことはなく、今はそれよりも先程の男のことを相手に話すべきかどうか考えていた。雰囲気も顔立ちも相手とどこなく似ている、ように思う。見た目の年齢と第一印象から即座に感じた、一つの憶測。まさかなと疑義の念を抱きつつ、何にせよあの男が相手の本名を知っている以上慎重に扱わねばと。さて、インターホンを鳴らしてから2分近く経つが未だに応答がない。料理にでも集中していて手が離せないのか。あまり何度も押すのも急かしているようで憚れるが、このままずっと突っ立っているわけにもいかないため酒の入った袋を持ち直したあと、もう一度呼び鈴を鳴らしてみて。)


(/設定ご了承頂きありがとうございます!背後様の記してくださった通り、始めの接触は金銭目的と母親の面影の投影を考えております。自分(父親)の子供(謙也くん)だからと言うよりは母親の子供という事実が重要でそこに愛に近い執着を抱いている…という感じです。わかりにくくてすみません汗 根っからの悪人ではないので展開と背後様の希望によって謙也くんへの心情が変わっていくかもしれませんが、その際必要な時はまた参上させていただきますね。質問や付け加えたい設定も遠慮なくおっしゃってください!こちらこそ気ままにお相手できたらと思います!こちら返信蹴って頂いて構いません。)

  • No.175 by 白樫 謙也  2018-12-18 19:59:55 


(料理を作り終えテーブルの準備が整った後、家の中に静寂が訪れた。いつもはなんて事のない、ただ時間が流れるだけの空間なのに、今はその静寂が自分を責めるようにも思えた。芹崎航は自分の求めるものを満たしてくれる、だがそれによって母親への思いが押し流されてしまうようにも思う。あの日から片時も離れなかった笑顔のない顔、いつか笑顔になればと願う顔、それが先程一時にせよ頭から離れていた。これもあの本の影響だろうか、愛情を失うことを恐れる…今まさに自分はそんな状態だった。深く呼吸を繰り返していると、ようやく相手が呼び鈴を鳴らしているのに気がついて玄関へと向かう。鍵を開け扉を開くとその頃にはいつも通りの表情を浮かべていて)
よぉ、遅かったな

  • No.176 by 芹崎 航  2018-12-19 06:34:02 


待たせたな…。でも、待っててくれたんだな。
(呼び鈴を鳴らして程なくして扉が開かれれば、いつも通りの笑顔で相手が出迎えてくれる。いつも通りなのだが第一感がほんの僅かな違和感を持つが気のせいかとその時は触れずにおき、こちらも先程起きたことを悟られないようにいつも通り、それでも相手に会えた嬉しさの滲んだ幾分柔らかな声色で返す。遅かったと言う分、待っていてくれてたのかと自惚れつつ外の冷気で冷えた手で相手の頬をなぞるように軽くつまんでやれば奥へと上がらせてもらい。落ち着いた空間ながら洒落ている部屋は相手らしく居心地よく感じ、また部屋に漂う料理の優しい香りに初めて来たはずなのに安息を覚える。テーブルの上に持ってきた日本酒を置いて「…熱燗が呑みたい」と今夜は良く冷えるため身体を温めたいと図々しく願望を零してみて)

  • No.177 by 白樫 謙也  2018-12-19 19:15:38 



くくっ、言うようになったな。俺の料理が食いたいって言ったのはお前だろ?
(浮ついた言葉にやはり自然に笑みは零れて、冷たい手が頬を撫でるとひんやりとした心地に目を細める。しかしどことなく、違和感があった。お互いに何か腹の中に隠し持っている、そんな違和感。こういう関係になった以上それが拘束するだとか捕縛するだとか、そういう類のものではないのは分かっていたが、何か言いえぬものが胸に突っかかっていた。相手を室内に招き入れ、テーブルに置かれた日本酒を手にとる。相変わらずいい酒を持っているものだ、その酒の相手がこんな家庭料理で良いものかとも思うが、これだって相手のリクエストの品、きっと文句はないだろう。酒をキッチンへと持っていくと鍋を用意し水を沸騰させ、酒を入れた徳利を浸して温める。その間にお猪口をテーブルの上へと2つ用意して)
お前って意外と酒好きなのか?こんな良い酒…なかなか飲む機会ないだろ、普通

  • No.178 by 芹崎 航  2018-12-20 05:45:58 


前はちゃんと味わえなかったからな。今日はじっくり堪能できる。…期待してるよ
(相手の言葉に確かにと素直に頷く。以前相手の料理を食べたとき“おいしい”ことは間違いなかったがとても楽しむことは出来なかったし、今夜は食事をしながらもっと相手のことを知りたいと思えば少し含みのある言い方になって。違和感は気にしないようにして、自分の我儘を聞いて熱燗を用意してくれる相手を目で追いながらテーブルに並べられる料理たちへと視線を落とす。見た目から食欲をそそられるそれらにどこか懐かしさを感じつつも相手が自分のリクエストに応え作ってくれたものだと思うとそれだけで胸の辺りが擽ったく感じて。

嫌いではない、し…いつも良いものを飲んでるわけじゃない。普段は仕事もあるから控えてるし、嗜む程度にしか飲んだことがないんだ。まあ、20になって顔合わせ程度の接待もやらされたから酒の良し悪しくらいは独学したけどな。それに人と飲むときはどうせなら良いもので持て成したいだろ?…お前は酒が好きそうだったしな
(自分の中で酒は、接待のとき、交渉のとき、また食事の添え物くらいの存在で純粋に酒を楽しむことは滅多にない。ただ家柄だけに粗悪品を人に薦めるわけにもいかないため結果的に良いものを飲むことが多かっただけ。まああとは毒入りか否かの違いも学んだがそこは敢えて口にする必要はないだろう。今は純粋に相手に喜んでほしかっただけ。もう自分のことを変に隠すこともないため質問にしっかり答えながら、最後は少し照れもあり小声になって。そう言えば母は酒豪だったなと思い返しつつ「…で、座っていいか?」と熱燗を頼む図々しさがありながら細かいところで生真面目さが出れば相手をちらりと見て)

  • No.179 by 白樫 謙也  2018-12-20 20:40:28 



安心しろ、メニューは普通だけど俺が腕によりをかけて作った。この酒に見合うだけの味だって俺が保証する
(相手に料理を作るのは2度目だがあの時とは違った雰囲気だ。純粋に2人で食事を楽しむだけ、そんな些細な当たり前が酷く嬉しい。1人でいた時に過ぎった不安は自然とどこかへ流れていって、今はただこの時を楽しんでいた。和食料理店で鍛えた腕は今も健在、肥えた相手の舌も納得させることができるだろう、そこにこの熱燗が加われば立派な夕食だ)

は…?お前、なんでそこは律儀なんだよ。もうちょっと俺に遠慮しなくなったらどうだ?──ほら
(座っていいか?なんて問いには一瞬呆けた顔を浮かべその後に笑いを吹き出す。確かに他人の家で礼儀を重んじるならば座るのを促されるまでは立ったままでいるべきだろう。だがもうこの男と自分との間にそんな遠慮はいらない。前のままの関係だったなら相手は遠慮なしに座るのだろうかと考えつつ、あえて座れとは言わなかった。2人の間柄においてもうそんな言葉は必要ない。自分はさっさと椅子に座ると熱燗を手に取りお猪口を指さす。さっさと座って注がせろと言いたいようだ)

  • No.180 by 芹崎 航  2018-12-20 23:08:09 


(料理の腕前を自信持って言う様子は実に相手らしい。きっとその自信を裏切らない美味しさなのは食べる前から予想できた。今日に限らず今後も相手の料理を食べられるだろうかとまだ今晩の食事が始まってもないのに、相手とのこれからを自然に考えてしまうあたり自分の堅い思考も随分相手によって柔くされたなと。律儀だと笑われれば、家柄と育ちのせいと思うも家柄は自分にとってはウィークポイントだ。そこを口に出すのは気が進まず少々きまり悪そうに眉を潜めるだけにし、お猪口を指されればそれに促されるように座って。

俺が遠慮しないのは仕事の標的と弛んでる部下くらいで、他は割と普通に当たってるからな。…これでもお前には気を許して接してるつもりだったんだが…足りなかったか?
(恐らく相手には今まで付き合ってきた人間の中で一番素の自分で接することが出来ているし変に気を張ることもしていない。そもそも自分から人の家に行くとプライベートで言うこと事態が異例中の異例なのだ。そんな諸々を口に出して言ったほうが良いのだろうかと考えながら相手の反応を伺ってお猪口を持つと注いでくれるのを待って。

今日は突然押しかけるみたくなったのに色々用意してもらってありがとな。……どれも美味しそうだ。
(素を見せようと意識はしてないが、気を許しているのは本当のため以前の相手との関係ならば絶対に言わない礼をほんの少し声色柔らかに言えば、手間をかけさせた相手に礼を言うときに視線を外すのも失礼なためしっかりと相手の目を見て)

  • No.181 by 白樫 謙也  2018-12-21 20:14:27 



つまりそれがお前の普通ってことか。お前が遠慮してないならそれでいい。お行儀良くするのは癖みたいなもんだろ?お前が俺に何も気を使ってないならそれでいい
(警察に所属する人間として無用な人間関係は切ってきただろうこの男、その男から気を許していると言われれば自分が特別な存在のようで自然と口角はあがる。それを誤魔化すように片眉をあげつつお猪口に熱燗を注ぎ、そのまま自分の方へも注いだ。足りないか、という問いには首を横にふる。これが相手の自然体だというのならそれで十分だ。自分からすればもちろんもっと遠慮など取っ払ってしまってもいいのだが、それはあくまで自分基準、相手が気をはっていないならそれでよかった)

───、美味すぎてもう他の料理食べられなくなるかもな、悪い
(まっすぐと射抜くような目がこちらに向けられ、そして感謝の言葉が続く。一瞬呆気にとられ、その後胸にじんわりと暖かさが広がるようだった。相手のために作ったものだが、こうもストレートに感謝されると気恥ずかしさが襲い来る。だがそれ以上に嬉しかった。少し俯いて嬉しさで緩みそうになる顔を隠しつついつも通り軽口のひとつでも叩いておく。しばらくして顔をあげるもその顔はまだ微かに嬉しさが滲み出ていて、その顔のまま乾杯しようとお猪口を差し出し)

  • No.182 by 芹崎 航  2018-12-22 07:23:29 


お前も、気を使うなよ。何も我慢しなくて良い
(“何も気をつかってない”_それなら先程の出来事を伝えたほうがいいのではないかと視線がほんの少しだけ横へ逸れる。隠すこともないし伝える気はある。ただ内容が内容だけに折角の相手との食事の雰囲気を壊したくなく、やはり今は言い出す気にはなれなかった。すぐに相手へと少し真面目な表情と発言を向けることでコンマ数秒の間を誤魔化すと、玄関で相手と顔を合わせたときの違和感も引っかかっていたため、何が抑えているものがあるなら不必要だと。それでも纏う空気は追求も勘ぐりもなく一歩二歩下がりゆっくり待つようなもので。

………、それは、飢え死にして困るな。でもお前が毎日作ってくれるならそうなってもいいかも。
(相手が俯いたときに髪の間から少し見えた表情、そして顔を上げたときのその表情を見て、今度はこちらが言葉に詰まった。歳上の男に対して抱く感情としてはおかしい。少なくとも自分の中では。__かわいい、と思ったのだ。もっと言えば愛らしいに近い感情。平静でいられたなら相手のその表情をからかってやる余裕もあったが、軽口に半ば本音の冗談を返すので精一杯だった。差し出されたお猪口に軽く自分のお猪口を当てて口に運べば絶妙な温度に温められた酒が口の中に広がり胸の辺りが浮つく感覚にまるで今の自分の気持ちと同化しているように思え。コトリとお猪口を置き、お待ちかねの相手の手料理。ここでも以前はすることなかった「頂きます。」を律儀に手を合わせ小声でする。兄や父がしているところは見たこと無いが礼儀としては当然のこと。そして箸を手に取り里芋の煮付に手を付け口に含めば味わうようにゆっくり咀嚼する。芋の旨味と食感をほど良く残しながらしっかりと味付けされたそれは胸をじわりと暖かくさせる。相手に家庭料理を頼み母親の影を求めたのは無意識だったが、今相手の料理を食べても母のことを思い出すことはなかった。

おいしい…、こんなに料理が出来るなら詐欺やら窃盗なんかしないで店でも開けばいいんじゃないか?___いやでも…、他のやつにお前の料理を食べさせるのはやだな。
(素直に感想を零せば自然と頬も微かに緩み、本気で相手が店を開いたら料理の腕は勿論その容姿と人柄も相まって繁盛店になるだろうと相手の罪に軽く茶化しをいれながら提案してみる。しかし相手が自分以外の人間に料理を振る舞うと考えると何故か良い気がしなく独占欲のような蟠った感情を煮物に視線を落としてそのままボソリと零した。)

  • No.183 by 白樫 謙也  2018-12-22 12:39:45 


(/度々すみません…本日も予定が入っており夜にもしかしたらお返事できるかもしれませんが、明日になる可能性が高いです…いつもお待たせしてばかりですみません;)

  • No.184 by 芹崎 航  2018-12-22 18:00:34 


(/いえいえ、お返事はゆっくりでいいですよ!こちらがはやく返しがちですので急かしているようでしたらすみません汗 いつもお相手頂き感謝しております!こちらは返信不要です)

  • No.185 by 白樫 謙也  2018-12-23 21:34:19 


(/ごめんなさい本日も時間をとることができずもう一日待っていただけないでしょうか…本当に申し訳ないです。明日こそお返事致します)

  • No.186 by 芹崎 航  2018-12-23 22:59:15 


(/お気になさらずに!芹崎にこれ以上謝らせるなって怒られてます笑
また明日も忙しいようでしたらお休みになってくださいね。寒い日も続いていますしお体にもお気をつけくださいませ!)

  • No.187 by 芹崎 航  2019-01-05 21:05:16 


久しぶり。元気にしてるか?年も明けたし、一応おめでとくらい言っておくかな。
ついでに、というかこっちが本題なんだが言いたいこと言いに来させて貰った。
まず、ごめんな。気を遣わせて悩ませた。呼び戻したこと、後悔はしたくないが俺ももっと気を回すべきだったなと思ってる。でもお前と絡めたことに悔いはないし楽しめたから感謝してるよ。もう戻って来いなんて言わないし、これを残すのはちゃんと区切りをつけたかったからだ。俺の性格知ってるだろ?…まあ、こんなん言ってまたお前に面倒かけると思うしこれは俺の勝手な自己満足だから返事はいらない。お前と出会えて良かった。どこかで元気にしてろよ。

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