隊長 2018-10-24 21:35:56 |
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(意味もなく小説に再び目を落とし文字を追っていると男の到着を告げるベルがなる。来ないとは微塵も疑っていなかったが、本当に来る相手に何故か安堵するが自覚はない。ソファ横にある繊細な彫刻が施されたキューブボックスの上に読みかけの小説を閉じて置くと扉に向かいゆっくりと開けてやる。そこにはとても人を殺すとは思えない“いい男”が立っていた。顔立ちが良くて身なりを整えるとやはり様になるものだ。まあ、実体は人殺しだが。無表情に相手を招きいれるとソファに座るよう促して。
飲むだろ?
(いつか相手がマンションを訪れたときに交わした杯。今回は嫌な探り合いは抜きで、といきたいところなのだが、どうなるかは予測不能だ。ただ場所は違えど以前と同じようなシチュエーションでどんな話ができるか好奇心が湧いた。問いかけておきながらまたもや返答は待たずしてグラスをミニテーブルの上に置くと透き通った淡い緑がかった液体をそそぐ。ボトルをワインクーラーに浸したところで、ソファと向き合う位置にある腰掛けに座って、以前は相手からされた乾杯をこちらからグラスを差し出すことで誘ってみて。表情は相変わらず冷めていたが、相手ならこの状況を楽しんでいることに気付いているだろう)
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