二人だけの秘密に... (〆)

二人だけの秘密に... (〆)

◎  2019-02-17 20:30:14 ID:4556a69d2
通報


( /お相手様決定済みです。お待ちしております )



コメントを投稿する

  • No.21 by 碧川 凛  2019-02-23 12:16:01 


(あぁ、月が綺麗だな__といつもは絶対に思わないことを思ってしまう程ボーッとしている自分に本気で'ヤバいんじゃないか'と思いつつ歩みを進めようとコンビニの壁を伝う。頭の回転はヤケに遅いし、歩みを進めるのもまるでダンベルを脚に括り付けているかのように重い。目を開けているのもやったの程に参っている彼だが、帰らない訳にもいかず。コンビニの壁をやっとの思いで離して相手からの声に今日何度目かの舌打ちをお見舞いすれば、キッと睨みつけ。その睨みにあまり威圧感はなく、既にトロリとした明らかに眠いと感じさせる表情を相手に向けながら言葉を紡ぎ。)

「…うっ、せーよ…お前の、助けなんて…いらねーッ…」

(彼を追い抜いて無理矢理に脚を動かし、相手の気遣いを蔑ろにすればどんどん歩みを進めて。けれどスピードはかなり遅く、フラつきもあるがどうしても相手の世話になりたくないのか帰路の方向へと小さく歩みを進める。あまり遠くはない筈、15分くらいだろうか。そんなことを思いながらゆっくりと歩みを進めており。)

  • No.22 by 二階堂 彩人  2019-02-23 17:19:28 


(相手の夢心地の表情の一方、放たれた舌打ちが耳に飛び込むと同時に横を追い抜く相手と共に微かな風が通り過ぎて行くのを感じ。後ろから見ても足元がおぼつかないのは一目瞭然であるが、相手のプライドとしては自分の手助けを許さないだろう、放っておくのが適当な判断だと深く溜息を付くと夜の闇の中に溶け込んでいく相手の背中を見送りこちらも背を向け帰宅しようとして)

「.....チッ...。やはり家まで送りましょう。このまま帰っても寝覚めが悪いですし...個人的に貴方には興味があるので。さ.....貴方に拒否権は無いのです。大人しく従って下さいね」

(性分では無いがやはり相手の様子が気になり振り返ると、口元を歪め一つ舌打ちをして。取引の一環だと言えば何とか従わせられるだろう、送っていく道中に話をしても良いと考えると声を掛け、ゆっくりと歩く相手の隣に並ぼうと軽く駆け出して)


  • No.23 by 碧川 凛  2019-02-23 23:39:32 


(スマホがピロンっ、と音を立てる。生憎スマホを取り出す気力もなければ元気もない。多分弟か妹かの何方かからだろう。夕飯を作って待っているのかもしれない、俺の心配をしてくれているのかもしれないと思えば兄として嬉しい反面申し訳ない気にもなってしまい。歩みを止める訳にはいかないと時々壁伝いになりながらも歩き。矢張り彼奴の手を借りておけば良かったか__なんて思ってはいない。それだけは自分のプライドが許さなくて。その考えを振り払ってしまおうと思っていれば、チッ、と舌打ちが聞こえ。何かと思えば先程まで話して居た相手が興味があるので、だの何だの言っており。)

「よ、余計なお世話だっつーの…ッ」

(それを拒否しようとするも、'拒否権はない'と言われて黙り込み。従ってくださいね、という言葉にカチンと来たのか「あ"ぁ!?」なんて言葉を発して。相手の命令口調に苛々しながらも反論する元気もなく項垂れるままに歩き続けて。電柱を掴み、自らの家へと向かいながらはぁっと重々しい溜息を吐く。此奴を弟と妹の前に出す訳にはいかないな、と頭でぼーっとしながら考えれば同時に相手をお節介な野郎だ、なんて思い。)

  • No.24 by 二階堂 彩人  2019-02-24 16:56:59 


「おや...怖いですねぇ...?__ほら、肩お貸ししますよ」

(相手の怒気をはらんだ口調を揶揄するように言うも、あまりからかっては相手を苛つかせてしまいまた突っ撥ねたような態度を取られてしまうだろうと程々で口をつぐみ。走るうち距離のあった相手の背中が少しずつ近付いてきて、やがて俯き加減で歩み続ける相手に追い付けば隣に並び、肩を貸そうと左手を差し出して)

「この際言わせて頂きますが__僕は表と裏でかなり顔が異なります。...だが貴方に興味が有るのは本当だ、これは慈善でも憐憫でもありません。僕の利己心です.....ですから御遠慮無くお手を」

(今更相手に対しては取り繕う必要も無い、自分にもメリットがあるから相手の手助けをしているだけだと淡白に告げてしまうことにして。こうでも言わないと相手は自分の差し出した手を取ることは無いだろうと先読みし予め説明しただけではあるが、偽り無く思っていることを言葉にするのは久々で胸に鬱積した感情が少し消えたように感じられ。右手で鎖骨の下辺りに手を置くとその胸の余韻を擦り、相手の方に目を遣ると小さく頷いてみせ)

  • No.25 by 碧川 凛  2019-02-24 17:44:36 


(怖いですねぇ、と言う相手の言葉だがその言葉に本当に「恐怖」の心情は感じられず。自分の気の方が可笑しくなりそうだ、と息を吐けば只管に足を進めて。家までの距離があまり縮まらないな、と感じつつ歩いていれば相手が隣に並んでおり。睨みつけようと相手の方を向けば、左手を差し出してきて。今更同情なんて、と思いながら何も言わずに相手から目線を逸らせば相手の言葉を耳に入れ。表の顔と裏の顔、自分が何方も知っているかと思うと複雑な気分だが悪い気はしない。__興味がある、なんて言われてしまってはどんな顔をすれば良いのか。複雑な表情をしながら再び相手に目線を向ければ小さく、途切れ途切れになった言葉を発して。)

「…俺、は…お前に、興味、なんか…ねー、よッ…フンッ」

(遠慮なく、なんて言われてしまっては聞くしかないではないか。けれどこれは命令ではないし、と頭の中でぐるぐるとした感情が渦巻いているような気がして。昔から他人に頼るのは嫌いだった自分だが、今思えばその行為を蔑ろにするのは悪いことだったかもしれない。妹と弟にもそんな姿を見せていたかと思うと心が痛くなるのも確かで。「クソッ、」と一言発せば差し出された手を取るのではなく自分から相手の肩に手を回して。身長差が激しいな、と思いながら苛々すればポツリと呟き。)

「…お前…でけー、んだよ…縮め」

  • No.26 by 二階堂 彩人  2019-02-25 16:58:07 


(手を取れば無理矢理にでも肩に掴まらせようと思っていたが予想外にも相手から手を回してきたことに目を丸くし。興味は無い、と一蹴する呟きに対しても、素直に自分にもたれ掛かる腕の柔らかな重みと酒のせいか少し高い体温を感じると、きっと相手は簡単に他人に頼る事が出来ないだけなのだろうと考え深刻に捉えることもなく。寧ろ微笑ましい位に思うと平然とした様子で歩き続け。何か声を掛けられたと思い横に視線を遣ると身長差のせいか若干苦しそうに肩を上げる相手に気付き、思わず静かに笑ってしまい)

「ふ...、すみません。僕が大きいのか.....それとも碧川君が小さ__なんて、こんなこと言ったら怒らせてしまいそうだ」

(不器用に“ 縮め ”とだけ命令したのが可笑しくて、だが何となく憎めなくて。からかってやろうかとも思ったが、自分よりも大分背丈も低く小柄な体でありながら今まであの強気な態度を保っていたのかと思うと、本気で冷たくする気も起きず。それに身長は自分の意思でどうこうなるものでも無いし、あまり指摘するのも無粋かと思い直ぐに黙って。指示通り少し腰を屈め相手に寄り添うと「これでよろしいですか?」と首を傾げ相手の顔を覗き込み、恭しく聞いてみせ)

  • No.27 by 碧川 凛  2019-02-25 20:18:37 


(自分からこんな相手に頼るのは癪であるものの、途中で倒れて補導されるよりはマシだと自分に言い聞かせており。これは仕方がないことなんだとボーッとする頭で必死に自らに言い訳をしていれば、目の前は霞むばかりで。何故彼処で彼奴らを振り払えなかったんだろう、と自分が情けなく思えてきて。これでは家に帰ったとしても弟と妹に顔向け出来ないな__と弱気に考えながら彼に身体を預かった前へと進む。こんな奴に見下ろされるなんて自分も落ち敗れたものだ、と自分に弱気になるばかり。まぁ見下ろされているのはどうにもならないのだが。身長はどうしても伸ばすことはできない。縮むことはあるだろうが、もう伸びたとしても僅か数㎝程度だろうと考えれば弟と妹に身長を抜かれるのもそろそろか、と考える。だがよく考えてみれば弟と妹もかなり背が低いことに気がつき。その辺は大丈夫かと思っていれば相手の静かな笑いが聞こえ。)

「…おい…お前、今、なんて言い掛けてッ…!!」

(すみません、と謝る相手だが何かを言い掛けて踏み止まり。自分を怒らせる言葉なんて今の状況では身長を弄る言葉でしかないだろうと思えば相手の言葉を態々掘り返そうとする。潤んだ瞳で睨んでも意味がないのは分かっているのだが、こうしないと自分のプライドが今度こそぶっ壊れてしまう。それだけは避けないとと思いつつはぁっと溜息を吐き。これ以上言っても無駄か、と大人になることを覚えた彼は相手から目を逸らしていたものの、再度目を向け。ほんの冗談のつもりだったのだが、相手は腰を少し屈めて此方に寄り添い。首を傾げて此方の顔を覗き込む相手の顔が思ったより近く、熱さからなのか羞恥からなのか顔を赤くすれば。)

「…なッ…じょ、冗談だし…ッ!無理して合わせなくて、良いっつーの…」

  • No.28 by 二階堂 彩人  2019-02-26 18:22:55 


(身長に関して言及しようとすると案の定噛み付いてくる相手の声と鋭い視線を感じ、最後まで言わず留めて正解であったと内心ほっとして。寧ろ自分の対応にも慣れてきたのであろうか、相手もある程度で受け流した様子。出会って間も無い相手の些末な変化に面映ゆい満足感の中、慌て頬を紅潮させた相手に気付くと口元に弧を描き。素直でないように見える相手のことだ、他人との近い距離には慣れていないのだろうと解釈すれば反応の良い遊び相手を見付けた自分の幸運に自賛すらして。相手の表情に浮かぶものは、自分の外面に騙され取り入ろうと媚を売る連中の貼り付けたような態とらしい羞恥とは違うようで。篤実さを見せていれば周りからは信頼を得られる。周りから良く思われるための努力は惜しまないで来た。その為自分は不自由な思いはしたことなど無いと思っていたが、自分が表面を固く繕えば、他人の心奥に触れる事など出来ない事は本当は分かっていたことで。互いの事を信頼しておらずただ知られたくない一面を知り合っているだけの相手には、何となく気が楽であるように感じ口元の笑みはそのままに)

「本気にしてしまいましたよ、僕は愚直なものですから。」

(冗談めかしてそう言うと少しだけ背を起こし。先程より距離の開いた二人の間を風が攫うと、頭がぼんやりしてしまうような安らかな生温さも一緒に流れて行って。背を起こしたとはいえ相変わらず相手に身長は合わせたまま歩みを進めており、どうしても思考は先程のコンビニでの出来事に向かい。飲酒を強要する低劣な友人は果たして” 友人 ”なのだろうか。横目で相手を見るもどうも友人と同じく楽しんでいたとは思えず。学校でも彼らと居るのだろうか、もしそうであれば友人関係というのはとても楽しいものでは無さそうだが...と柄にも無くあれこれ思案し。今更雑談を交わすというのも妙な気がして、何気無い口調でそのまま尋ねてみることにして)

「___先程のご友人ですが.....あれは本当に友人なのですか?僕が踏み込む所では無いかもしれませんが...どうにも気になったもので」


  • No.29 by 碧川 凛  2019-02-27 16:15:24 


(相手の方にチラリと向ける視線。彼の口元は弧を描いており、まるで自分の反応を楽しんでいるような雰囲気で。揶揄われたのか、遊ばれたのか、と自分の顔が紅いのを誤魔化すかのように彼の肩に回した方の手とは逆の手で胸元の服を摘めばパタパタと仰いでいるかのように動かし。月明かりの下、少し顔が見えにくいのが唯一の救いだと一度は感じるのだがこんなに密着していれば見えなくて良いもの見えてしまうのではないかと思ってしまい。そんな馬鹿らしい考えを自分の脳内から消し去るかのようにはぁっと重い溜息を吐けば相手の言葉を聞き入れて。自分のことを「愚直」なんて言う相手の言葉に嫌味か何かかとピクリと眉を動かして。本当に自分の考えの癪に触るところを相手は言ってくるな、なんて考え。そう言った後に相手は少しだけ背を起こしたものの此方に身長は合わせていて。何なんだよ此奴、と思いながらも相手の問い掛けにふっと表情を曇らせてからゆっくりと答える。)

「__さぁ、な。彼奴らに、とって…俺は…'仲のいいお友達'だろーよ」

(皮肉のようにそう告げれば中学時代の嫌な思い出が蘇ってくる。中学時代はこんなところまではなかった、まだ義務教育で、そして教師の監視も厳しかった。今ではどうだ、中学の頃に恐れられていた生徒指導の教師はいない。彼奴らだってやりたい放題だろう、と仮定すれば自分でも先程の言葉に違和感を感じていた。じゃあ、俺は?俺はどう思っているんだろう__答えを出したくても、脳内で出したくないと警報が鳴っているような気がして。中学時代の思い出に蓋をして、月を見上げながら相手が離れたことで少々体温が下がってきたのだろうか。急に肌寒く感じ、緩く相手に寄り掛かればそろそろ自分の家に着くな、と安心感を感じていて。)

  • No.30 by 二階堂 彩人  2019-02-28 17:46:24 


(友人の話を振ると急に表情を曇らせた相手の様子を見逃すはずも無く。意味深な口振りにも、思った通りただの友人関係では無いのだろうと確信して。自分の高校は特段に荒れているわけではないが、一定数不良のような生徒が居るのも事実で。相手は他人から大人しく虐められるようなタイプでも無さそうに見えるし、友人との間にはきっと自分の知らない何かが有るのだろうと釈然としないまま自身を納得させて。関わって間もない相手のことに何故気を掛けているのか。自分にとって相手は一時の遊び相手でしか無いし、相手にとっても初対面の相手に踏み込まれたくない事のはずだろう。情だろうか、それとも本当に相手の事を気に掛けているのか。馬鹿馬鹿しいと静かに瞼を下ろし不機嫌そうに眉根を寄せ。ゆっくり目を開くと、会話の間を浸す静けさの中そっと寄り掛かってきた相手をただ黙って見詰めて)

「.....へえ...貴方にとってはそうは見えませんがね。ああいう連中と貴方は並列に捉えられない___なんて、僕が言うことでも無いですけれど」

(下卑た笑いを浮かべていた連中と目の前の相手を同列に置くのは何となく腹立たしく、淡々と独り言のように呟いて。無意識ながら本音が零れたような気がし、話題を逸らすように正面に見えてきた家々をじっと見て。碧川という苗字は多少なりとも珍しいはず、表札を見ればすぐに分かるだろうと一軒一軒見て行くが、それは頭の中から自分らしくない考えを追い出す為であったと言った方が正確だったかもしれない。カーテン越しに透けるぼんやりした橙の明かりに視界を白ませられながら、夜の闇と灯りとを交互に通り過ぎ。結局今のところは相手の家は無く、もうすぐだろうかと相手の方に向き直り直接訊ねることにして)

「そろそろ...ですかね?」

  • No.31 by 碧川 凛  2019-03-01 14:44:56 


(寄り掛かることによって少しだけ暖を取れる。このまま寝てしまいそうになるものの、流石に此処で寝るのは迷惑にも程があるだろう。相手にも、近所の人間にも。警察に補導されるのも時間の問題だろうし。一刻も早く妹と弟に飯を作ってやらなければ、なんて思ったが妹が作っているかと思い直し。そもそも妹と弟の方が手先が器用なのだから任せていいかと思いつつ、見えてきた家の屋根。チラリと周りに目線を向ければ、見覚えのある表札が何個もあり。帰ってきたんだなぁ、なんていつもよりも感傷に浸りながら相手の声を聞き入れる。自分にとって彼奴らが__友人、なんて思いたくはないけれど。家族に手を出されたら元も子もない、考えてみれば彼奴らに自分の家族を脅かす力なんてないのに。それでも逆らえないのは少しの迷いが生じているからだろう。惨めで仕方がない。)

「…俺も、なんであんな奴等、と…一緒に、いなきゃなんねーのか…分かんねー、よ」

(自分を嘲笑するかのように鼻で笑いながら相手に行ったのか、それとも自分に言い聞かせたのかは分からない声を発して。相手の独り言に少し嬉しい、なんて思ったのは多分気の所為だろう。相手が自分のことをフォローするなんてことはないだろうし、自分が分からないだけで相手はきっと嫌味を言っているんだ。そう考えながらゆっくりと歩きつつ、角を曲がる。其処にあったのは一軒の家。灯りが点いており、微かに声が聞こえる。この声は…玲、だろうか。玲とは自分の妹のことで、彼女は怜、と呼んでいた。怜とは弟のことである。やっと帰ってきたと安心したような顔をしながら相手に目線を向け。)

「…着いた」

  • No.32 by 二階堂 彩人  2019-03-02 21:34:34 


(居たくもない友人と共に過ごしている...そんな相手には不思議に感じるも、自分を偽ってまでどうでも良い周囲の人間に愛想を振り撒いている己を思い返せば、どうしようもない状況というものにも納得がいって。案外自分と相手とは似た者同士なのかもしれない。自分は他人と円滑に過ごす為だけに媚びているだけだが、果たして相手は何を守る為に気を張っているのだろうか。家々に目をやる相手の横顔にそんなことを思いながら歩き続け。やがて見えてきた温かみのある雰囲気の一軒家。相手の表情がふと安心したように見え、何故かと確認してみれば表札には「碧川」と記されていて。ということはあの灯りに映ったり消えたりする影はきっと家族なのだろう。自分は一人っ子で、親も仕事で多忙なため家に人が居ることはあまり無かったものの、穏やかな表情の相手を見ると家族が多い生活も少しばかりの羨ましく思われ窓に見入ってしまい)

「ここですか。...素敵なお宅ですね。___それではまた明日、二日酔いで遅刻などしないようお願いしますよ?」

(飲酒を強要する友人が居る学校、登校が億劫になりそうなもので気持ちも分かる。だが取引のこともあり相手には是非来てほしいため、こんな時だけ生徒会長の皮を被って口元に弧を描きつつ注意して。夜も更け、辺りもより一層冷え込んできた。話し吐く息も白く立ち上っては薄れて闇に溶けていく。相手を家まで無事送ることも出来たし、明日を楽しみにそろそろ帰ろうかと身体を離すと、ふらつく相手をそっと立たせ別れを告げ、自分も帰路に着くため歩き出そうとして)

  • No.33 by 碧川 凛  2019-03-04 14:51:18 


(別に媚を売りたい訳じゃない。彼奴らに媚びなんかあっても意味がないし、そうなってくると一緒にいる理由なんてないのだけれど。これは家族を守る為、二人を守る為。二人に何かあったらまず疑うべきは自分の行動である、変な行動は取ることはできない。家へと辿り着けば、鞄から鍵を取り出してガチャっと開ける。その後に気が付いたのか玲と怜の声が聞こえた。まだ良心は帰ってきていないのだろう、此方に向かってくる音がする。素敵なお宅ですね、と言っている相手だがどうせ世辞だろう。だが、送って貰ったにも関わらず何もしないのは少し悪い気もする。そんなことを考えていればドアの隙間からチラリと二つの顔が覗いてあり。何方も童顔で子供らしいその立ち振る舞いはまさしく自分の弟と妹。)

「……お帰り、凛兄。…誰、その人」

(ポツリと呟くように金糸雀のような小さな声を発したのは妹の玲。怜は何も言わずに相手の方を見ている。遅刻などしないようにと此方に告げる相手。帰ってしまうのだろうか、と当たり前のことを思いながらも玲と怜は少しだけ不安そうな目線を此方に向ける為。はぁっと溜息を吐いてとある考えを提示してみて。)

「……送ってくれた礼もある、晩飯食っていけば?」

(こんなことを言うつもりはなかったんだけれど、兄としての格好いい姿を見せたくて。相手にちゃんと礼をすることも妹と弟に見せておくべきだろう、とあくまで二人の為だと考えて相手にそう告げてみて。断られても仕方ないな、と思いつつ相手のことを見ている妹と弟を見て少しだけ和んでしまい。矢張り家族の中にいるのが一番安心するな、と思えば頬が緩んでしまって。自分のその姿を見た玲と怜は不思議そうな顔をしており。取り敢えず相手の返事を待つことにして。)

  • No.34 by 二階堂 彩人  2019-03-05 21:14:39 


(家の中から聞こえる子供特有の無邪気な声。それから間も無く扉が開き暗いコンクリートの道路に一層明るい光が差し込むと、ドアの向こう側からまだあどけなさの残る子供達の顔が出てきて。何処と無く相手に似たその顔から言わずとも彼の大切な弟と妹だと分かる。相手の面影のある様に表情を緩ませそうになる一方、どうしても眉根を寄せてしまいそうになった。昔から子供は苦手なのだ。自由奔放な幼さは、自分の掌中に収まりきらず飛び出して行く気がしてしまう。愛想笑いも長い物に巻かれる事も知らない無垢な彼らのきょとんとした無表情は、自分に把握出来ない感情を秘めていて時々全てを見透かされているような寒さを覚えさせるのだ。勿論愛くるしい姿も理解は出来るのだが、どうしても苦手の一言で片付けて逃げてしまいたくなるのが常である)

「ゆ...夕飯ですか...それは...___い、いえ、是非ご厚意に甘えさせて頂きます。ありがとうございます」

(まさか相手から夕飯に誘われるとは予想もしておらず、珍しく動揺を表情に表し何度か瞬きを繰り返し。初めて顔を合わせた時の邪険に突き放す様な態度から一転、自宅に招かれるというのは多少なりとも心を開いたのだろうか。一瞬そう思うも、妹と弟を微笑ましく眺める相手を見ると全ては彼らの為だろうと苦笑しつつ納得し軽く頷いて。学校では不機嫌そうな表情を浮かべているように感じていたが、今のように笑っていたなら良いのに、そんな風に感じさせる柔らかな笑みだった。相手の横顔を視界の端に認めながら誘いに関して考えてみて。どうせこのまま帰宅しても両親も帰宅しておらず、空虚に静まり返った玄関にただいまを告げるだけだ。自宅はマンションであり隣人も確実に存在しているが、その距離は近いようで遠く感じられ孤独が際立つだけである。今更一人で過ごすことは気楽で安らげるはずだが、子供が苦手な自分でも相手の家族の温もりに意図せず魅力を感じておりつい誘いに甘えてしまい。軽く頭を下げ礼を告げると相手の後ろに続き家にお邪魔する事にして)


  • No.35 by 碧川 凛  2019-03-07 23:12:20 


(相手からの返事を聞いた妹と弟はぱぁっと顔を明るくさせる。普段はあまり感情を露わにしない二人、ふとした瞬間に見せるこういう表情が自分は一番好きなのだと思えば緩く笑顔を見せながら玲の頭を撫で。自分にとってはまだまだ子供の二人を見ているのが本当に楽しくて、先程までの嫌な気分が吹っ飛んだようだった。二人のこんな表情を見られるのならば、此奴と会ったのも何かの縁だったのかも、と思う自分を少し叱りたい気分になりつつ。相手の方をチラリと見ればまた仏頂面へと巡って、愛想の悪い学校での不良擬きに戻ってしまい。妹と弟にしか笑顔は向けないようで、相手に無愛想に告げ。)

「…入れよ」

(それだけを言うとプイッと妹と弟に目線を向け、また妹と弟に目を向けた自分は笑顔を浮かべ。動揺し、瞬きを何度か繰り返している相手の表情にいい気味だ、と思っていれば同時に妹と弟が相手を見ているのに気が付き。何故こんな奴を、と思ったのは一瞬だけ。二人が嬉しいのならば、二人が望むのならば、自分が文句を言う必要はないと考えれば二人を家の中に入れて自分もその後をついて行き。振り向いて無愛想な顔を相手へと見せれば自分でも表情の切り替えが早いなと思ってしまい。玲と怜はリビングへと足を踏み入れると、キッチンへと向かって。4つの椅子とテーブル、テーブルの上には温かそうな夕飯が乗っかっている。どうやら二人でハンバーグを作ったらしい。二人が作っている姿を想像すれば、微笑ましく思い。玲はハンバーグを乗せた皿と白米の入った茶碗を持ってきて。怜は箸とスプーンを左手に、右手に危なっかしくスープを入れて持ってくる。いつもは自分が座っている場所の隣にそれらを置けば、玲はその椅子を引いて。相手の顔は見ずに小さく告げて。)

「…どうぞ」

(自分とは違った小さくて可愛らしい声に頬を緩める。何年経っても妹と弟が可愛らしいのは変わらない。成長を見ているのは何よりも楽しみだ、と考えながら自分の定位置へと座ればそれを見て妹と弟も席に着き。自分の目の前に座っている玲は殆ど無表情、相手の向かいの席に座っている怜は相手を招き入れたは良いものの、戸惑ったような、困ったような顔をしていて。人見知りな怜のことを察して玲は席を変わってやっている。その光景を微笑ましく思いながら相手が隣に座るのを待つことなし。)

  • No.36 by 二階堂 彩人  2019-03-09 21:43:29 


(相手に促され家に足を踏み入れると、外の冷気から一転しほっとするような空気が取り巻く。他人の家というのはどうにも落ち着かない。自宅の殺風景で静まった空間とは違い、温かく包み込むその空気が面映ゆく逃げ出そうとしてしまうのだ。だが相手の厚意は嬉しく、靴を揃えて脱ぐと、二人の小さな背中と兄としての相手の背中を微笑ましく思いつつ後ろに付いてリビングへ。自分に向けられるぶっきらぼうな態度も、いずれ二人に向けるような笑顔に変わる事もあるのだろうか。なんて、考えるだけ妙な事だ。自分と相手はあくまで暇潰しの割り切った関係。友達でも何でもないのだと思うもにこやかな相手を想像してしまい一人可笑しさを堪え)

「おや...ありがとうございます。」

(変な想像をしていると小さな玲の手が自分に椅子を引き勧めている事に気付き、穏やかな笑みを作り頭を下げ席に付いて。四人揃って机を囲むと自分まで家族の輪の中に包み込まれたような気持ちになる。家族揃って食卓を囲むなんて滅多に無い事で、どうしてもくすぐったく背を向けてしまいたくなる。温かすぎるこの状況に困惑し何気なく隣の相手に目を向けると、また二人に向ける優しい兄の表情で。先程の妙な想像もありつい口端が上がりそうになるのを片手で押さえ、下唇を軽く噛み堪え。いつも貼り付けたように冷静を保つ自分の表情が崩されたことへの、半ば八つ当たりではあるが、相手をからかいたい気持ちが沸き起こり妹と弟に声を掛け)

「普段はお兄さんはどんな感じですか?きっと優しくて素敵なお兄様なんでしょうね.....」

(学校とは違う相手の素性を二人の口から聞き出してしまおうと内心ほくそ笑み、表では共感を示す温和な表情で目を細め。相手に抗議されないよう目線は向かいに座る二人にだけ送っては、湯気をたて鼻腔を擽る夕飯の香りに何食わぬ顔で両手を合わせて“いただきます”などと言い)



(/いつもお相手ありがとうございます。背後から連絡失礼致します。最初の募集では2、3日に一度以上のやりとり...とお伝えしていたのですが、こんなに素敵な描写をしかも長く書いて頂けるとは想定せずの日数設定でした。現在結構長めのロルを回して頂いておりますので、負担にならないよう週に一度以上のやりとりに変更しようかと思っております。勿論早いお返事は嬉しいのですが、そちら様の負担になってはいけませんので、焦らずゆっくりで構いません。これからもよろしくお願い致します。)

  • No.37 by 碧川 凛  2019-03-10 02:46:42 


(玲と怜が小さな声で頂きます、との声を出す。それに続いて自分も軽く手を合わせると隣に座った相手が不意に玲と怜に問い掛ける。それはまるで自分の二人に対しての様子を探ろうとしているかのようで。二人のことを止めようとも思ったが、此処で止めるのも不自然だと思いつつ。二人は顔を合わせて耳打ちし始める。何を言っているのかは聞き取れない、それはそうだろう。二人とも元々声は小さいし、耳打ちしているのならば尚更聞き取れやしない。二人のことだから自分を悪く言うことはないだろう、だが普段の自分のイメージが崩れることは想定できる。今後自分を弄るネタにされるのも時間の問題だ。けれど何も言うことはなく黙ったまま料理を口に運ぶ。久し振りに玲と怜が作った料理を食べるが__流石は手先が器用な二人。味付けも申し分ない。そう思っていれば、玲は静かに口を開き。)

「…凛兄は…優しい、し…僕らのこと、よく考えてくれる…ます、」

(考えてくれる、とタメ口で言おうとしたのをなんとか訂正しようとしたのか語尾にますを付ける玲。流石にそれは無理があるのではないか、と考えるのだが。そんなところも妹の可愛いところだと考え直せばクスッと笑ってしまい。自分の学校でのキャラが崩れていることも今だけは忘れて仕舞えば玲が「でも、」と一言発して。首を傾げれば、少し迷ったような顔をした後に玲はもう一度怜に耳打ちをする。怜は一瞬だが此方を見た後にコクリと頷く。怜のその姿を見た玲は相手の方へと寄って行き。相手の耳に口を近付ければ、先程怜にしたように囁いており。何を言ったのかと眉をピクリとあげるのだが、その声は相手にしか伝わらない。)

「…凛兄、不良気取ってる」

(玲がそう相手に告げたなど露知らず、只管にハンバーグを口へと運ぶ。丁度いいスパイス、自分好みの味。一旦玲が何を言ったのかは忘れることにして、玲に目線を向ければ案の定玲は相手から離れた後にギクッとしたような表情をしており。直ぐに此方から目を逸らせば、自分の目の前へと腰を下ろし。頑なに目線を合わせようとしない玲に要らないことを言ったんじゃないか、と言う考えが頭を巡るのだが玲を叱る気にはならず。今日は許してあげるか、とやはり二人には甘い考えを露わにする自分を再認識してしまい。相手の方をチラリと見てはムスッとしたような何処か機嫌の悪そうな顔を見せ。それは学校でのプライドの塊である自分の姿でしかなく。)



( / 此方こそ、いつもお相手有難うございます。変更の件、了解致しました。素敵だなんてそんな…お褒めの言葉恐縮です。リアルの事情で返信が遅れることがあって御迷惑になっているとは存じますが、これからも宜しくお願い致します。)

  • No.38 by 二階堂 彩人  2019-03-13 21:55:34 


(案の定二人への問い掛けは制止される事も無く、良き兄としての姿が垣間見える返事を耳に入れて。学校では優しさとは程遠いような態度だが、いったい家ではどのように過ごしているのだろうか。妹と弟を見守る態度の端々から多少なりとも読み取れるがまだまだ疑問は多い。だがとりあえず今晩は、知らなかった相手の一面を知った満足で気分も良く。家庭の温かみに包まれつつ夕飯を口に運び、まだ幼い二人が作ったとは思えないその味に驚き「美味しいです」と目を丸め感想を述べてみて。そうしていると耳元を擽るように玲の密告が飛び込んで来た。幼い純真は時に恐ろしいものだ、平然と放たれた相手の普段のイメージを変える一言に思わず吹き出してしまい)

「...ふっ.....っと失礼しました。しかし凛くんにそんな一面がね...へぇ...」

(わざと含みのある言い方をし、口の端を歪めるように笑うと相手に向かってにやついた視線を送り。相手はもうすでに普段の仏頂面に戻っているが、それも素直になれない彼の性格に過ぎないのかと思うと急に可愛らしいものに思われ。碧川家にお邪魔している今、苗字で呼ぶのも変な話だと思いとりあえず下の名前で呼んで。初めて呼ぶ響きは妙な気分でぎこちなく放たれると、ゆっくりと溶け込んで消え。軽く結露したコップに手を掛け冷たい水を喉に流し心の揺らめきを押さえ付けた。やはり子供、というかこの温かさは苦手だ。どうにも調子が狂う。水を飲み干しコップを机に置くと浅く息を吐いて)

「さて____そろそろ失礼しましょうかね.....。あまり遅くなってはご迷惑ですし」

(しばらくして夕食を終えると立ち上がり食器を片付けようとして。三人の温かい家庭がどうしてもくすぐったく落ち着かず、時計を一瞥しつつ言って)



(/いえいえ、迷惑だなんてそんなことありません。返信速度は気楽に行きましょう。自分も遅くなることもありますので。忙しい時はお互い様です...!それでは改めてよろしくお願いします)

  • No.39 by 碧川 凛  2019-03-16 16:43:35 


(美味しいです、という感想に玲が少なからず頬を緩めているのを見逃す訳がなく。可愛いなぁ、と怜の方に目線を向ければ彼も少しだけ安堵したような顔を見せており。普段から人見知りであまり人と関わりを持とうとしない怜だが、自分にとってはただの可愛い弟でしかない。そう思う度に自分は二人に甘いと思ってしまうのだが、こんなに可愛らしいのだから仕方がない。最早親のような気持ちになってしまうのも当然だろう、と思いつつ。玲の囁きに吹き出している相手の表情を怪訝そうに見つめれば、相手は含みのある言い方をした後にニヤついた視線を送られて。何を考えているのだとピクピクと眉を動かせばつっけんどんに言い放ち。)

「気安く名前で呼んでんじゃねーよ、ムカつく」

(此処は碧川家、確かに名前で呼ぶのは道理であろうが自身では相手に名前を呼ばれるのは不愉快極まりなく。送って貰ったことに関してどうこう言う気はないものの、自分は相手の要望に応えなければいけないのだ。この後のことを考えれば自分と相手は友人でもなんでもない、ただの契約関係だと思い。無愛想な表情を崩さぬままに添えられた野菜を口に放り込めば正面に座った玲が此方に告げてくるのが聞こえて。)

「…凛兄、そんなこと言ったら…めっ」

(まるで歳下を叱るような玲の言い方に思わず吹き出し。「何だよ、」なんて告げると玲は不満そうな顔をしていた。それを宥めるように怜が小さく「まぁまぁ…」と声を出す。これが碧川家の日常であり、こんな小さなことでさえ安心感を覚える。自らのコップの中身を飲み干し、相手の方にチラリと目線を向ければ浅く息を吐いていて。相手の言葉に自分も相手と同じように時計に目線を向ければ食べ終わっている怜が相手の食器と自分の食器を片付けているところであり。玲も慌てて食べ終えれば帰ろうとする相手の方に目線を向けて軽く頭を下げ。)

「……凛兄をお願いします」

(何のお願いだろうか、そんな風に言った玲は相手の方をじーっと見つめる。先程の会話を聞く限り、一般的な人間ならば自分達は然程仲が良くないと察するだろうに玲はそんなことは御構い無しに相手にそう言い。「馬鹿」と言い掛けてやめれば深い溜息を吐く。やはり二人のことを叱ることなんて自分にはできないと考えれば玲には自分の食器を片付けておくように指示をして。相手にチラリと目線を向ける。それはまるで「玄関まで送ってやる」というようなものであり。相手を待たずに先々玄関の方へと向かえば、近くの壁に寄りかかり、相手が来るのを待って。)

  • No.40 by 二階堂 彩人  2019-03-20 18:01:42 


(自分が含みのある言い方をしたせいでもあるが、名前呼びを一蹴した相手の鋭い語気に僅かに目の奥を鈍く光らせたようで。だが直ぐに何時もの捉えどころの無い曖昧な笑顔に戻り。相手は玲の咎めに対しては表情を和らげ強くは言えない様子、兄弟三人の仲の良さを垣間見ると共に自分はその中の人間ではないと若干の疎外感を自ずから思い直し、あまり感情移入しないようにと自制し不器用にも温かな輪から距離を置く。只の一時の遊び相手だ、気を許すつもりは無いと頑固な決心を内心で反復して。そんな中、食器を洗ってくれている怜に軽く礼を言いこの場を後にしようとすれば“お願い”という無垢な子供の声に呼び止められ。)

「.....勿論ですよ。彼の気持ちは少し、理解してしまいますから」

(決して仲の良い友人には見えない自分にお願いなど、学校では素直になれず本心を偽る相手の事を心配してだろう。勝手かもしれないが自分達二人には通じる所を感じる。仮面の奥に隠された内心、守りたいものは違えど隅に追いやられた本音は一抹の孤独を纏っているのではないか。もっとも自分は生きやすさの為の、ただの利己心から来るものかもしれないが。自嘲気味に思案した後、低い位置から送られる視線に腰を屈めこちらも目線を応じると穏やかな声色で答えを返し。嘘は付かなかった。本心である。良い意味でも悪い意味でも相手との関わりには利用価値があると思っているのだ。しかし一方で、不思議にも他者に向けるような単純な黒い感情を相手に向ける気は起こらず。正と負の感情が綯交ぜになって相手に向くのをひっそりと自覚し、複雑な表情で弟と妹に別れの挨拶をすると、不器用にも玄関で待つ相手の元に歩み寄り小さく頭を下げ)

「今日はお招き有難う御座いました。おかげ様で素敵な時間を過ごす事が出来ましたよ…...」

(履き慣れた革靴に足を差し込みながら目を細め饒舌にもつらつらと礼の言葉を並べ。温和な家の雰囲気ももう終わり、扉を開け外に出れば夜の冷やかに乾いた空気が肌を覆うのだろう。靴を履き終え相手の方に向き直ると笑顔のまま再度深く頭を下げ、帰宅しようと扉に向かおうとして___しかし一瞬の静止の後、唐突にその動作を止めると相手に向かい一歩踏み込み間合いを詰めて。強引にも有無を言わさぬ展開、相手の襟元に手を伸ばし掴むとぐっと引き寄せ、衣に寄った皺が淡く光を吸い込み反射する中、「貴方の事は嫌いじゃない。.....なあ、これから楽しみだな」__と。普段とは一転した荒い語調で告げ、楽しげに口端を歪めては掴んでいた襟元の布地をぱっと離し自由にして。咄嗟の出来事は自分でも良く分からなかった。屈折した独占欲だか何だか知らないが、中々なびく様子の無い相手へのちょっとした報復だろうか。幸せな家庭の時間へのむず痒さの八つ当たりかもしれない。考えても答えは出ない為、曖昧ににやついたまま今度こそ相手に背を向けると玄関の扉を軽い音を立て開き出ていこうとして)

[PR]リアルタイムでチャットするなら老舗で安心チャットのチャベリ!
ニックネーム: 又は匿名を選択:

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字 下げ
利用規約 掲示板マナー
※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※必ず利用規約を熟読し、同意した上でご投稿ください
※顔文字など、全角の漢字・ひらがな・カタカナ含まない文章は投稿できません。
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください

[お勧め]初心者さん向けトピック  [ヒント]友達の作り方  [募集]セイチャットを広めよう

他のトピックを探す:1対1のなりきりチャット







トピック検索


【 トピックの作成はこちらから 】

カテゴリ


トピック名


ニックネーム

(ニックネームはリストから選択もできます: )

トピック本文

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字

※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください
利用規約   掲示板マナー





管理人室


キーワードでトピックを探す
初心者 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 部活 / 音楽 / 恋愛 / 小説 / しりとり / 旧セイチャット・旧セイクラブ

「これらのキーワードで検索した結果に、自分が新しく作ったトピックを表示したい」というご要望がありましたら、管理人まで、自分のトピック名と表示させたいキーワード名をご連絡ください。

最近見たトピック