◎ 2019-02-17 20:30:14 ID:4556a69d2 |
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(寄り掛かることによって少しだけ暖を取れる。このまま寝てしまいそうになるものの、流石に此処で寝るのは迷惑にも程があるだろう。相手にも、近所の人間にも。警察に補導されるのも時間の問題だろうし。一刻も早く妹と弟に飯を作ってやらなければ、なんて思ったが妹が作っているかと思い直し。そもそも妹と弟の方が手先が器用なのだから任せていいかと思いつつ、見えてきた家の屋根。チラリと周りに目線を向ければ、見覚えのある表札が何個もあり。帰ってきたんだなぁ、なんていつもよりも感傷に浸りながら相手の声を聞き入れる。自分にとって彼奴らが__友人、なんて思いたくはないけれど。家族に手を出されたら元も子もない、考えてみれば彼奴らに自分の家族を脅かす力なんてないのに。それでも逆らえないのは少しの迷いが生じているからだろう。惨めで仕方がない。)
「…俺も、なんであんな奴等、と…一緒に、いなきゃなんねーのか…分かんねー、よ」
(自分を嘲笑するかのように鼻で笑いながら相手に行ったのか、それとも自分に言い聞かせたのかは分からない声を発して。相手の独り言に少し嬉しい、なんて思ったのは多分気の所為だろう。相手が自分のことをフォローするなんてことはないだろうし、自分が分からないだけで相手はきっと嫌味を言っているんだ。そう考えながらゆっくりと歩きつつ、角を曲がる。其処にあったのは一軒の家。灯りが点いており、微かに声が聞こえる。この声は…玲、だろうか。玲とは自分の妹のことで、彼女は怜、と呼んでいた。怜とは弟のことである。やっと帰ってきたと安心したような顔をしながら相手に目線を向け。)
「…着いた」
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