◎ 2019-02-17 20:30:14 ID:4556a69d2 |
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(美味しいです、という感想に玲が少なからず頬を緩めているのを見逃す訳がなく。可愛いなぁ、と怜の方に目線を向ければ彼も少しだけ安堵したような顔を見せており。普段から人見知りであまり人と関わりを持とうとしない怜だが、自分にとってはただの可愛い弟でしかない。そう思う度に自分は二人に甘いと思ってしまうのだが、こんなに可愛らしいのだから仕方がない。最早親のような気持ちになってしまうのも当然だろう、と思いつつ。玲の囁きに吹き出している相手の表情を怪訝そうに見つめれば、相手は含みのある言い方をした後にニヤついた視線を送られて。何を考えているのだとピクピクと眉を動かせばつっけんどんに言い放ち。)
「気安く名前で呼んでんじゃねーよ、ムカつく」
(此処は碧川家、確かに名前で呼ぶのは道理であろうが自身では相手に名前を呼ばれるのは不愉快極まりなく。送って貰ったことに関してどうこう言う気はないものの、自分は相手の要望に応えなければいけないのだ。この後のことを考えれば自分と相手は友人でもなんでもない、ただの契約関係だと思い。無愛想な表情を崩さぬままに添えられた野菜を口に放り込めば正面に座った玲が此方に告げてくるのが聞こえて。)
「…凛兄、そんなこと言ったら…めっ」
(まるで歳下を叱るような玲の言い方に思わず吹き出し。「何だよ、」なんて告げると玲は不満そうな顔をしていた。それを宥めるように怜が小さく「まぁまぁ…」と声を出す。これが碧川家の日常であり、こんな小さなことでさえ安心感を覚える。自らのコップの中身を飲み干し、相手の方にチラリと目線を向ければ浅く息を吐いていて。相手の言葉に自分も相手と同じように時計に目線を向ければ食べ終わっている怜が相手の食器と自分の食器を片付けているところであり。玲も慌てて食べ終えれば帰ろうとする相手の方に目線を向けて軽く頭を下げ。)
「……凛兄をお願いします」
(何のお願いだろうか、そんな風に言った玲は相手の方をじーっと見つめる。先程の会話を聞く限り、一般的な人間ならば自分達は然程仲が良くないと察するだろうに玲はそんなことは御構い無しに相手にそう言い。「馬鹿」と言い掛けてやめれば深い溜息を吐く。やはり二人のことを叱ることなんて自分にはできないと考えれば玲には自分の食器を片付けておくように指示をして。相手にチラリと目線を向ける。それはまるで「玄関まで送ってやる」というようなものであり。相手を待たずに先々玄関の方へと向かえば、近くの壁に寄りかかり、相手が来るのを待って。)
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