◎ 2019-02-17 20:30:14 ID:4556a69d2 |
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(友人の話を振ると急に表情を曇らせた相手の様子を見逃すはずも無く。意味深な口振りにも、思った通りただの友人関係では無いのだろうと確信して。自分の高校は特段に荒れているわけではないが、一定数不良のような生徒が居るのも事実で。相手は他人から大人しく虐められるようなタイプでも無さそうに見えるし、友人との間にはきっと自分の知らない何かが有るのだろうと釈然としないまま自身を納得させて。関わって間もない相手のことに何故気を掛けているのか。自分にとって相手は一時の遊び相手でしか無いし、相手にとっても初対面の相手に踏み込まれたくない事のはずだろう。情だろうか、それとも本当に相手の事を気に掛けているのか。馬鹿馬鹿しいと静かに瞼を下ろし不機嫌そうに眉根を寄せ。ゆっくり目を開くと、会話の間を浸す静けさの中そっと寄り掛かってきた相手をただ黙って見詰めて)
「.....へえ...貴方にとってはそうは見えませんがね。ああいう連中と貴方は並列に捉えられない___なんて、僕が言うことでも無いですけれど」
(下卑た笑いを浮かべていた連中と目の前の相手を同列に置くのは何となく腹立たしく、淡々と独り言のように呟いて。無意識ながら本音が零れたような気がし、話題を逸らすように正面に見えてきた家々をじっと見て。碧川という苗字は多少なりとも珍しいはず、表札を見ればすぐに分かるだろうと一軒一軒見て行くが、それは頭の中から自分らしくない考えを追い出す為であったと言った方が正確だったかもしれない。カーテン越しに透けるぼんやりした橙の明かりに視界を白ませられながら、夜の闇と灯りとを交互に通り過ぎ。結局今のところは相手の家は無く、もうすぐだろうかと相手の方に向き直り直接訊ねることにして)
「そろそろ...ですかね?」
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