◎ 2019-02-17 20:30:14 ID:4556a69d2 |
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(相手からの返事を聞いた妹と弟はぱぁっと顔を明るくさせる。普段はあまり感情を露わにしない二人、ふとした瞬間に見せるこういう表情が自分は一番好きなのだと思えば緩く笑顔を見せながら玲の頭を撫で。自分にとってはまだまだ子供の二人を見ているのが本当に楽しくて、先程までの嫌な気分が吹っ飛んだようだった。二人のこんな表情を見られるのならば、此奴と会ったのも何かの縁だったのかも、と思う自分を少し叱りたい気分になりつつ。相手の方をチラリと見ればまた仏頂面へと巡って、愛想の悪い学校での不良擬きに戻ってしまい。妹と弟にしか笑顔は向けないようで、相手に無愛想に告げ。)
「…入れよ」
(それだけを言うとプイッと妹と弟に目線を向け、また妹と弟に目を向けた自分は笑顔を浮かべ。動揺し、瞬きを何度か繰り返している相手の表情にいい気味だ、と思っていれば同時に妹と弟が相手を見ているのに気が付き。何故こんな奴を、と思ったのは一瞬だけ。二人が嬉しいのならば、二人が望むのならば、自分が文句を言う必要はないと考えれば二人を家の中に入れて自分もその後をついて行き。振り向いて無愛想な顔を相手へと見せれば自分でも表情の切り替えが早いなと思ってしまい。玲と怜はリビングへと足を踏み入れると、キッチンへと向かって。4つの椅子とテーブル、テーブルの上には温かそうな夕飯が乗っかっている。どうやら二人でハンバーグを作ったらしい。二人が作っている姿を想像すれば、微笑ましく思い。玲はハンバーグを乗せた皿と白米の入った茶碗を持ってきて。怜は箸とスプーンを左手に、右手に危なっかしくスープを入れて持ってくる。いつもは自分が座っている場所の隣にそれらを置けば、玲はその椅子を引いて。相手の顔は見ずに小さく告げて。)
「…どうぞ」
(自分とは違った小さくて可愛らしい声に頬を緩める。何年経っても妹と弟が可愛らしいのは変わらない。成長を見ているのは何よりも楽しみだ、と考えながら自分の定位置へと座ればそれを見て妹と弟も席に着き。自分の目の前に座っている玲は殆ど無表情、相手の向かいの席に座っている怜は相手を招き入れたは良いものの、戸惑ったような、困ったような顔をしていて。人見知りな怜のことを察して玲は席を変わってやっている。その光景を微笑ましく思いながら相手が隣に座るのを待つことなし。)
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