二人だけの秘密に... (〆)

二人だけの秘密に... (〆)

◎  2019-02-17 20:30:14 ID:4556a69d2
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( /お相手様決定済みです。お待ちしております )



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  • No.31 by 碧川 凛  2019-03-01 14:44:56 


(寄り掛かることによって少しだけ暖を取れる。このまま寝てしまいそうになるものの、流石に此処で寝るのは迷惑にも程があるだろう。相手にも、近所の人間にも。警察に補導されるのも時間の問題だろうし。一刻も早く妹と弟に飯を作ってやらなければ、なんて思ったが妹が作っているかと思い直し。そもそも妹と弟の方が手先が器用なのだから任せていいかと思いつつ、見えてきた家の屋根。チラリと周りに目線を向ければ、見覚えのある表札が何個もあり。帰ってきたんだなぁ、なんていつもよりも感傷に浸りながら相手の声を聞き入れる。自分にとって彼奴らが__友人、なんて思いたくはないけれど。家族に手を出されたら元も子もない、考えてみれば彼奴らに自分の家族を脅かす力なんてないのに。それでも逆らえないのは少しの迷いが生じているからだろう。惨めで仕方がない。)

「…俺も、なんであんな奴等、と…一緒に、いなきゃなんねーのか…分かんねー、よ」

(自分を嘲笑するかのように鼻で笑いながら相手に行ったのか、それとも自分に言い聞かせたのかは分からない声を発して。相手の独り言に少し嬉しい、なんて思ったのは多分気の所為だろう。相手が自分のことをフォローするなんてことはないだろうし、自分が分からないだけで相手はきっと嫌味を言っているんだ。そう考えながらゆっくりと歩きつつ、角を曲がる。其処にあったのは一軒の家。灯りが点いており、微かに声が聞こえる。この声は…玲、だろうか。玲とは自分の妹のことで、彼女は怜、と呼んでいた。怜とは弟のことである。やっと帰ってきたと安心したような顔をしながら相手に目線を向け。)

「…着いた」

  • No.32 by 二階堂 彩人  2019-03-02 21:34:34 


(居たくもない友人と共に過ごしている...そんな相手には不思議に感じるも、自分を偽ってまでどうでも良い周囲の人間に愛想を振り撒いている己を思い返せば、どうしようもない状況というものにも納得がいって。案外自分と相手とは似た者同士なのかもしれない。自分は他人と円滑に過ごす為だけに媚びているだけだが、果たして相手は何を守る為に気を張っているのだろうか。家々に目をやる相手の横顔にそんなことを思いながら歩き続け。やがて見えてきた温かみのある雰囲気の一軒家。相手の表情がふと安心したように見え、何故かと確認してみれば表札には「碧川」と記されていて。ということはあの灯りに映ったり消えたりする影はきっと家族なのだろう。自分は一人っ子で、親も仕事で多忙なため家に人が居ることはあまり無かったものの、穏やかな表情の相手を見ると家族が多い生活も少しばかりの羨ましく思われ窓に見入ってしまい)

「ここですか。...素敵なお宅ですね。___それではまた明日、二日酔いで遅刻などしないようお願いしますよ?」

(飲酒を強要する友人が居る学校、登校が億劫になりそうなもので気持ちも分かる。だが取引のこともあり相手には是非来てほしいため、こんな時だけ生徒会長の皮を被って口元に弧を描きつつ注意して。夜も更け、辺りもより一層冷え込んできた。話し吐く息も白く立ち上っては薄れて闇に溶けていく。相手を家まで無事送ることも出来たし、明日を楽しみにそろそろ帰ろうかと身体を離すと、ふらつく相手をそっと立たせ別れを告げ、自分も帰路に着くため歩き出そうとして)

  • No.33 by 碧川 凛  2019-03-04 14:51:18 


(別に媚を売りたい訳じゃない。彼奴らに媚びなんかあっても意味がないし、そうなってくると一緒にいる理由なんてないのだけれど。これは家族を守る為、二人を守る為。二人に何かあったらまず疑うべきは自分の行動である、変な行動は取ることはできない。家へと辿り着けば、鞄から鍵を取り出してガチャっと開ける。その後に気が付いたのか玲と怜の声が聞こえた。まだ良心は帰ってきていないのだろう、此方に向かってくる音がする。素敵なお宅ですね、と言っている相手だがどうせ世辞だろう。だが、送って貰ったにも関わらず何もしないのは少し悪い気もする。そんなことを考えていればドアの隙間からチラリと二つの顔が覗いてあり。何方も童顔で子供らしいその立ち振る舞いはまさしく自分の弟と妹。)

「……お帰り、凛兄。…誰、その人」

(ポツリと呟くように金糸雀のような小さな声を発したのは妹の玲。怜は何も言わずに相手の方を見ている。遅刻などしないようにと此方に告げる相手。帰ってしまうのだろうか、と当たり前のことを思いながらも玲と怜は少しだけ不安そうな目線を此方に向ける為。はぁっと溜息を吐いてとある考えを提示してみて。)

「……送ってくれた礼もある、晩飯食っていけば?」

(こんなことを言うつもりはなかったんだけれど、兄としての格好いい姿を見せたくて。相手にちゃんと礼をすることも妹と弟に見せておくべきだろう、とあくまで二人の為だと考えて相手にそう告げてみて。断られても仕方ないな、と思いつつ相手のことを見ている妹と弟を見て少しだけ和んでしまい。矢張り家族の中にいるのが一番安心するな、と思えば頬が緩んでしまって。自分のその姿を見た玲と怜は不思議そうな顔をしており。取り敢えず相手の返事を待つことにして。)

  • No.34 by 二階堂 彩人  2019-03-05 21:14:39 


(家の中から聞こえる子供特有の無邪気な声。それから間も無く扉が開き暗いコンクリートの道路に一層明るい光が差し込むと、ドアの向こう側からまだあどけなさの残る子供達の顔が出てきて。何処と無く相手に似たその顔から言わずとも彼の大切な弟と妹だと分かる。相手の面影のある様に表情を緩ませそうになる一方、どうしても眉根を寄せてしまいそうになった。昔から子供は苦手なのだ。自由奔放な幼さは、自分の掌中に収まりきらず飛び出して行く気がしてしまう。愛想笑いも長い物に巻かれる事も知らない無垢な彼らのきょとんとした無表情は、自分に把握出来ない感情を秘めていて時々全てを見透かされているような寒さを覚えさせるのだ。勿論愛くるしい姿も理解は出来るのだが、どうしても苦手の一言で片付けて逃げてしまいたくなるのが常である)

「ゆ...夕飯ですか...それは...___い、いえ、是非ご厚意に甘えさせて頂きます。ありがとうございます」

(まさか相手から夕飯に誘われるとは予想もしておらず、珍しく動揺を表情に表し何度か瞬きを繰り返し。初めて顔を合わせた時の邪険に突き放す様な態度から一転、自宅に招かれるというのは多少なりとも心を開いたのだろうか。一瞬そう思うも、妹と弟を微笑ましく眺める相手を見ると全ては彼らの為だろうと苦笑しつつ納得し軽く頷いて。学校では不機嫌そうな表情を浮かべているように感じていたが、今のように笑っていたなら良いのに、そんな風に感じさせる柔らかな笑みだった。相手の横顔を視界の端に認めながら誘いに関して考えてみて。どうせこのまま帰宅しても両親も帰宅しておらず、空虚に静まり返った玄関にただいまを告げるだけだ。自宅はマンションであり隣人も確実に存在しているが、その距離は近いようで遠く感じられ孤独が際立つだけである。今更一人で過ごすことは気楽で安らげるはずだが、子供が苦手な自分でも相手の家族の温もりに意図せず魅力を感じておりつい誘いに甘えてしまい。軽く頭を下げ礼を告げると相手の後ろに続き家にお邪魔する事にして)


  • No.35 by 碧川 凛  2019-03-07 23:12:20 


(相手からの返事を聞いた妹と弟はぱぁっと顔を明るくさせる。普段はあまり感情を露わにしない二人、ふとした瞬間に見せるこういう表情が自分は一番好きなのだと思えば緩く笑顔を見せながら玲の頭を撫で。自分にとってはまだまだ子供の二人を見ているのが本当に楽しくて、先程までの嫌な気分が吹っ飛んだようだった。二人のこんな表情を見られるのならば、此奴と会ったのも何かの縁だったのかも、と思う自分を少し叱りたい気分になりつつ。相手の方をチラリと見ればまた仏頂面へと巡って、愛想の悪い学校での不良擬きに戻ってしまい。妹と弟にしか笑顔は向けないようで、相手に無愛想に告げ。)

「…入れよ」

(それだけを言うとプイッと妹と弟に目線を向け、また妹と弟に目を向けた自分は笑顔を浮かべ。動揺し、瞬きを何度か繰り返している相手の表情にいい気味だ、と思っていれば同時に妹と弟が相手を見ているのに気が付き。何故こんな奴を、と思ったのは一瞬だけ。二人が嬉しいのならば、二人が望むのならば、自分が文句を言う必要はないと考えれば二人を家の中に入れて自分もその後をついて行き。振り向いて無愛想な顔を相手へと見せれば自分でも表情の切り替えが早いなと思ってしまい。玲と怜はリビングへと足を踏み入れると、キッチンへと向かって。4つの椅子とテーブル、テーブルの上には温かそうな夕飯が乗っかっている。どうやら二人でハンバーグを作ったらしい。二人が作っている姿を想像すれば、微笑ましく思い。玲はハンバーグを乗せた皿と白米の入った茶碗を持ってきて。怜は箸とスプーンを左手に、右手に危なっかしくスープを入れて持ってくる。いつもは自分が座っている場所の隣にそれらを置けば、玲はその椅子を引いて。相手の顔は見ずに小さく告げて。)

「…どうぞ」

(自分とは違った小さくて可愛らしい声に頬を緩める。何年経っても妹と弟が可愛らしいのは変わらない。成長を見ているのは何よりも楽しみだ、と考えながら自分の定位置へと座ればそれを見て妹と弟も席に着き。自分の目の前に座っている玲は殆ど無表情、相手の向かいの席に座っている怜は相手を招き入れたは良いものの、戸惑ったような、困ったような顔をしていて。人見知りな怜のことを察して玲は席を変わってやっている。その光景を微笑ましく思いながら相手が隣に座るのを待つことなし。)

  • No.36 by 二階堂 彩人  2019-03-09 21:43:29 


(相手に促され家に足を踏み入れると、外の冷気から一転しほっとするような空気が取り巻く。他人の家というのはどうにも落ち着かない。自宅の殺風景で静まった空間とは違い、温かく包み込むその空気が面映ゆく逃げ出そうとしてしまうのだ。だが相手の厚意は嬉しく、靴を揃えて脱ぐと、二人の小さな背中と兄としての相手の背中を微笑ましく思いつつ後ろに付いてリビングへ。自分に向けられるぶっきらぼうな態度も、いずれ二人に向けるような笑顔に変わる事もあるのだろうか。なんて、考えるだけ妙な事だ。自分と相手はあくまで暇潰しの割り切った関係。友達でも何でもないのだと思うもにこやかな相手を想像してしまい一人可笑しさを堪え)

「おや...ありがとうございます。」

(変な想像をしていると小さな玲の手が自分に椅子を引き勧めている事に気付き、穏やかな笑みを作り頭を下げ席に付いて。四人揃って机を囲むと自分まで家族の輪の中に包み込まれたような気持ちになる。家族揃って食卓を囲むなんて滅多に無い事で、どうしてもくすぐったく背を向けてしまいたくなる。温かすぎるこの状況に困惑し何気なく隣の相手に目を向けると、また二人に向ける優しい兄の表情で。先程の妙な想像もありつい口端が上がりそうになるのを片手で押さえ、下唇を軽く噛み堪え。いつも貼り付けたように冷静を保つ自分の表情が崩されたことへの、半ば八つ当たりではあるが、相手をからかいたい気持ちが沸き起こり妹と弟に声を掛け)

「普段はお兄さんはどんな感じですか?きっと優しくて素敵なお兄様なんでしょうね.....」

(学校とは違う相手の素性を二人の口から聞き出してしまおうと内心ほくそ笑み、表では共感を示す温和な表情で目を細め。相手に抗議されないよう目線は向かいに座る二人にだけ送っては、湯気をたて鼻腔を擽る夕飯の香りに何食わぬ顔で両手を合わせて“いただきます”などと言い)



(/いつもお相手ありがとうございます。背後から連絡失礼致します。最初の募集では2、3日に一度以上のやりとり...とお伝えしていたのですが、こんなに素敵な描写をしかも長く書いて頂けるとは想定せずの日数設定でした。現在結構長めのロルを回して頂いておりますので、負担にならないよう週に一度以上のやりとりに変更しようかと思っております。勿論早いお返事は嬉しいのですが、そちら様の負担になってはいけませんので、焦らずゆっくりで構いません。これからもよろしくお願い致します。)

  • No.37 by 碧川 凛  2019-03-10 02:46:42 


(玲と怜が小さな声で頂きます、との声を出す。それに続いて自分も軽く手を合わせると隣に座った相手が不意に玲と怜に問い掛ける。それはまるで自分の二人に対しての様子を探ろうとしているかのようで。二人のことを止めようとも思ったが、此処で止めるのも不自然だと思いつつ。二人は顔を合わせて耳打ちし始める。何を言っているのかは聞き取れない、それはそうだろう。二人とも元々声は小さいし、耳打ちしているのならば尚更聞き取れやしない。二人のことだから自分を悪く言うことはないだろう、だが普段の自分のイメージが崩れることは想定できる。今後自分を弄るネタにされるのも時間の問題だ。けれど何も言うことはなく黙ったまま料理を口に運ぶ。久し振りに玲と怜が作った料理を食べるが__流石は手先が器用な二人。味付けも申し分ない。そう思っていれば、玲は静かに口を開き。)

「…凛兄は…優しい、し…僕らのこと、よく考えてくれる…ます、」

(考えてくれる、とタメ口で言おうとしたのをなんとか訂正しようとしたのか語尾にますを付ける玲。流石にそれは無理があるのではないか、と考えるのだが。そんなところも妹の可愛いところだと考え直せばクスッと笑ってしまい。自分の学校でのキャラが崩れていることも今だけは忘れて仕舞えば玲が「でも、」と一言発して。首を傾げれば、少し迷ったような顔をした後に玲はもう一度怜に耳打ちをする。怜は一瞬だが此方を見た後にコクリと頷く。怜のその姿を見た玲は相手の方へと寄って行き。相手の耳に口を近付ければ、先程怜にしたように囁いており。何を言ったのかと眉をピクリとあげるのだが、その声は相手にしか伝わらない。)

「…凛兄、不良気取ってる」

(玲がそう相手に告げたなど露知らず、只管にハンバーグを口へと運ぶ。丁度いいスパイス、自分好みの味。一旦玲が何を言ったのかは忘れることにして、玲に目線を向ければ案の定玲は相手から離れた後にギクッとしたような表情をしており。直ぐに此方から目を逸らせば、自分の目の前へと腰を下ろし。頑なに目線を合わせようとしない玲に要らないことを言ったんじゃないか、と言う考えが頭を巡るのだが玲を叱る気にはならず。今日は許してあげるか、とやはり二人には甘い考えを露わにする自分を再認識してしまい。相手の方をチラリと見てはムスッとしたような何処か機嫌の悪そうな顔を見せ。それは学校でのプライドの塊である自分の姿でしかなく。)



( / 此方こそ、いつもお相手有難うございます。変更の件、了解致しました。素敵だなんてそんな…お褒めの言葉恐縮です。リアルの事情で返信が遅れることがあって御迷惑になっているとは存じますが、これからも宜しくお願い致します。)

  • No.38 by 二階堂 彩人  2019-03-13 21:55:34 


(案の定二人への問い掛けは制止される事も無く、良き兄としての姿が垣間見える返事を耳に入れて。学校では優しさとは程遠いような態度だが、いったい家ではどのように過ごしているのだろうか。妹と弟を見守る態度の端々から多少なりとも読み取れるがまだまだ疑問は多い。だがとりあえず今晩は、知らなかった相手の一面を知った満足で気分も良く。家庭の温かみに包まれつつ夕飯を口に運び、まだ幼い二人が作ったとは思えないその味に驚き「美味しいです」と目を丸め感想を述べてみて。そうしていると耳元を擽るように玲の密告が飛び込んで来た。幼い純真は時に恐ろしいものだ、平然と放たれた相手の普段のイメージを変える一言に思わず吹き出してしまい)

「...ふっ.....っと失礼しました。しかし凛くんにそんな一面がね...へぇ...」

(わざと含みのある言い方をし、口の端を歪めるように笑うと相手に向かってにやついた視線を送り。相手はもうすでに普段の仏頂面に戻っているが、それも素直になれない彼の性格に過ぎないのかと思うと急に可愛らしいものに思われ。碧川家にお邪魔している今、苗字で呼ぶのも変な話だと思いとりあえず下の名前で呼んで。初めて呼ぶ響きは妙な気分でぎこちなく放たれると、ゆっくりと溶け込んで消え。軽く結露したコップに手を掛け冷たい水を喉に流し心の揺らめきを押さえ付けた。やはり子供、というかこの温かさは苦手だ。どうにも調子が狂う。水を飲み干しコップを机に置くと浅く息を吐いて)

「さて____そろそろ失礼しましょうかね.....。あまり遅くなってはご迷惑ですし」

(しばらくして夕食を終えると立ち上がり食器を片付けようとして。三人の温かい家庭がどうしてもくすぐったく落ち着かず、時計を一瞥しつつ言って)



(/いえいえ、迷惑だなんてそんなことありません。返信速度は気楽に行きましょう。自分も遅くなることもありますので。忙しい時はお互い様です...!それでは改めてよろしくお願いします)

  • No.39 by 碧川 凛  2019-03-16 16:43:35 


(美味しいです、という感想に玲が少なからず頬を緩めているのを見逃す訳がなく。可愛いなぁ、と怜の方に目線を向ければ彼も少しだけ安堵したような顔を見せており。普段から人見知りであまり人と関わりを持とうとしない怜だが、自分にとってはただの可愛い弟でしかない。そう思う度に自分は二人に甘いと思ってしまうのだが、こんなに可愛らしいのだから仕方がない。最早親のような気持ちになってしまうのも当然だろう、と思いつつ。玲の囁きに吹き出している相手の表情を怪訝そうに見つめれば、相手は含みのある言い方をした後にニヤついた視線を送られて。何を考えているのだとピクピクと眉を動かせばつっけんどんに言い放ち。)

「気安く名前で呼んでんじゃねーよ、ムカつく」

(此処は碧川家、確かに名前で呼ぶのは道理であろうが自身では相手に名前を呼ばれるのは不愉快極まりなく。送って貰ったことに関してどうこう言う気はないものの、自分は相手の要望に応えなければいけないのだ。この後のことを考えれば自分と相手は友人でもなんでもない、ただの契約関係だと思い。無愛想な表情を崩さぬままに添えられた野菜を口に放り込めば正面に座った玲が此方に告げてくるのが聞こえて。)

「…凛兄、そんなこと言ったら…めっ」

(まるで歳下を叱るような玲の言い方に思わず吹き出し。「何だよ、」なんて告げると玲は不満そうな顔をしていた。それを宥めるように怜が小さく「まぁまぁ…」と声を出す。これが碧川家の日常であり、こんな小さなことでさえ安心感を覚える。自らのコップの中身を飲み干し、相手の方にチラリと目線を向ければ浅く息を吐いていて。相手の言葉に自分も相手と同じように時計に目線を向ければ食べ終わっている怜が相手の食器と自分の食器を片付けているところであり。玲も慌てて食べ終えれば帰ろうとする相手の方に目線を向けて軽く頭を下げ。)

「……凛兄をお願いします」

(何のお願いだろうか、そんな風に言った玲は相手の方をじーっと見つめる。先程の会話を聞く限り、一般的な人間ならば自分達は然程仲が良くないと察するだろうに玲はそんなことは御構い無しに相手にそう言い。「馬鹿」と言い掛けてやめれば深い溜息を吐く。やはり二人のことを叱ることなんて自分にはできないと考えれば玲には自分の食器を片付けておくように指示をして。相手にチラリと目線を向ける。それはまるで「玄関まで送ってやる」というようなものであり。相手を待たずに先々玄関の方へと向かえば、近くの壁に寄りかかり、相手が来るのを待って。)

  • No.40 by 二階堂 彩人  2019-03-20 18:01:42 


(自分が含みのある言い方をしたせいでもあるが、名前呼びを一蹴した相手の鋭い語気に僅かに目の奥を鈍く光らせたようで。だが直ぐに何時もの捉えどころの無い曖昧な笑顔に戻り。相手は玲の咎めに対しては表情を和らげ強くは言えない様子、兄弟三人の仲の良さを垣間見ると共に自分はその中の人間ではないと若干の疎外感を自ずから思い直し、あまり感情移入しないようにと自制し不器用にも温かな輪から距離を置く。只の一時の遊び相手だ、気を許すつもりは無いと頑固な決心を内心で反復して。そんな中、食器を洗ってくれている怜に軽く礼を言いこの場を後にしようとすれば“お願い”という無垢な子供の声に呼び止められ。)

「.....勿論ですよ。彼の気持ちは少し、理解してしまいますから」

(決して仲の良い友人には見えない自分にお願いなど、学校では素直になれず本心を偽る相手の事を心配してだろう。勝手かもしれないが自分達二人には通じる所を感じる。仮面の奥に隠された内心、守りたいものは違えど隅に追いやられた本音は一抹の孤独を纏っているのではないか。もっとも自分は生きやすさの為の、ただの利己心から来るものかもしれないが。自嘲気味に思案した後、低い位置から送られる視線に腰を屈めこちらも目線を応じると穏やかな声色で答えを返し。嘘は付かなかった。本心である。良い意味でも悪い意味でも相手との関わりには利用価値があると思っているのだ。しかし一方で、不思議にも他者に向けるような単純な黒い感情を相手に向ける気は起こらず。正と負の感情が綯交ぜになって相手に向くのをひっそりと自覚し、複雑な表情で弟と妹に別れの挨拶をすると、不器用にも玄関で待つ相手の元に歩み寄り小さく頭を下げ)

「今日はお招き有難う御座いました。おかげ様で素敵な時間を過ごす事が出来ましたよ…...」

(履き慣れた革靴に足を差し込みながら目を細め饒舌にもつらつらと礼の言葉を並べ。温和な家の雰囲気ももう終わり、扉を開け外に出れば夜の冷やかに乾いた空気が肌を覆うのだろう。靴を履き終え相手の方に向き直ると笑顔のまま再度深く頭を下げ、帰宅しようと扉に向かおうとして___しかし一瞬の静止の後、唐突にその動作を止めると相手に向かい一歩踏み込み間合いを詰めて。強引にも有無を言わさぬ展開、相手の襟元に手を伸ばし掴むとぐっと引き寄せ、衣に寄った皺が淡く光を吸い込み反射する中、「貴方の事は嫌いじゃない。.....なあ、これから楽しみだな」__と。普段とは一転した荒い語調で告げ、楽しげに口端を歪めては掴んでいた襟元の布地をぱっと離し自由にして。咄嗟の出来事は自分でも良く分からなかった。屈折した独占欲だか何だか知らないが、中々なびく様子の無い相手へのちょっとした報復だろうか。幸せな家庭の時間へのむず痒さの八つ当たりかもしれない。考えても答えは出ない為、曖昧ににやついたまま今度こそ相手に背を向けると玄関の扉を軽い音を立て開き出ていこうとして)

  • No.41 by 碧川 凛  2019-03-21 22:22:39 


(相手を待ちながら軽く考える。玲と怜には多少好印象だったらしいが、自分は相手のことがいけすかない。明日から何を言われるのかと思うと不安と同時に嫌な予感が頭の中を駆け巡る。観覧車のように回り続けるその嫌な予感を跳ね除けようと頭を振ってはみるけれど、その不安は消え去ることはなく留まったままであり。クソッ、と小さく悪態をついてみるものの。相手に送ってきて貰ったのは事実であるし、あまり偉そうなことは言えず。妹と弟に別れを告げたのだろう、此方に歩み寄ってきた相手は小さく頭を下げており。革靴を履きながら饒舌に礼を述べる相手にチラッと目線を向けて壁に凭れ掛かりながら腕を組んで見せて。)

「…フン、そんなこと言っても何も出ねーっつーの」

(相手が何か手土産を求めているとは思えないが、素直になれない自分はそんな風な言葉をつらつらと述べて。相手が扉を開ける、外からは冷たい風が流れ込んできており小さく身震いし。思わず袖を伸ばしながら相手に目線を向ければ、相手は笑顔のまま此方に礼をし。整った顔立ちにきちんとした礼儀作法、自分には真似できないと思いながら別れの言葉を告げてやろうと思えば相手の動きは静止して。何事かと首を傾げればいきなり此方に一歩踏み出し間合いを詰めてきており。急な出来事に頭が追いつかずに何か言葉を述べようとする前に有無を言わさず相手は此方の襟元に手を伸ばし、抵抗する間も無く引き寄せられて。驚いたような顔で呆けながら相手の言葉を一言一句耳へと入れて。先程とは違う少々荒々しい口調に頭の整理が追いつかないでいて。)

「__っ…!!」

(言葉を述べ掛けてついやめてしまう。相手は此方の襟元から手を離す、自由になれば少し皺のついた襟を軽く直して。曖昧にニヤついた相手は此方に背を向けて出て行こうとする。何を言うかを決めないままに口は勝手に動いていて。「俺はッ…全然楽しくねーよッ…!!」と扉の外に吸い込まれていく相手の背中を見ながらそう言えば、思わず唇を噛んでしまって小さく痛ぇ、と漏らし。薄く口の中に広がった鉄分の味に不快感を感じながら相手の背中を見ながら立ち竦んでしまい。)

  • No.42 by 二階堂 彩人  2019-03-25 11:11:00 


(目に見えた相手の動揺に卑劣な充足感を得ると共に心の奥を一瞬掠めた、えも言われぬ虚脱感。先程まではほんの僅かではあるがあの温かな空間を共有したものの、自身の突発的な動作が再度二人を取り巻く空気を冷やした。しかしいちいちそんな事を気にするなど無意味でしか無いのだし何より自分らしくない、空虚さからは耳を塞ぎ顔を背け気のせいであったと感情を閉じ込め無意識の内に無視する事に決め。吐き捨てるような言葉にも振り返る事は無く静かに相手の家から出ると、ドアノブから手を離した玄関扉が鈍い音を立てて閉まるのが分かり。ドア越しに聞こえる生活音はもう遥か遠くのように反響して聞こえ、ゆっくり踵を返すと自宅への道を辿り。街灯も少ないその道は今日ばかりはひどく長く、妙に畝って感じられた。)
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「...おはようございます。...え?いや、何でもありませんよ。普段通りです」

(翌朝、正門前にて昨晩の事をぼんやりと思案していると副会長に声を掛けられてしまい、我に返り顔を上げて。心ここに在らずといった具合で朝の挨拶運動をこなしていたらしく、体調でも悪いのかと訊ねられてしまったのだった。適当に誤魔化しつつ寒さすら感じる朝の爽涼な空気の中、靄のかかった淡い青みを帯びた空に白い息を吐き出して。愛校心も何も無い自分にとってこうして早朝から挨拶など皮肉な業務だ。自宅に居ても特にやる事も無く、遅くまで寝ていたいタイプとも違い別に早く登校する事自体は苦ではない為流されるまま生徒会活動の一環として取り組んでいる。だが副会長は違うのだろう、本気で学校を改善したい等と考えていそうだ。如何にも真面目な女子生徒といった風貌の副会長、校則は確実に守り頭髪もスカート丈も問題無い。そんな彼女を横目に見つつ流れるように正門を通過し登校する生徒に挨拶を投げ掛けていると、対照的にも校則を全くもって無視した制服の着こなしの女生徒が目の前を通過していき。学校など多様な人種の掃き溜めだ、規律ある生活を求めようとも変わらないものは変わらないのだと諦めの視線と共に特に注意もせず女生徒を見送り。自分も生徒会長という立場上、目立った所で風紀を乱す行為には至らないが一定数居る不良生徒の気持ちも分かってしまうわけで。その点では昨晩の彼の存在も目くじらを立てる必要も無い、不良だろうが何だろうが認めてやれば良いのだ.....とまた相手の事を考えていたと気付き頭を抱えて。断続的に繰り返す挨拶に飽き飽きしつつ、登校してくる人間の群れの中に相手の姿を探して目を細め。今日は一体何をさせようかと不気味にも口角を上げつつ相手を待っていて)

  • No.43 by 碧川 凛  2019-03-28 13:19:09 



(嫌な胸騒ぎ。それを感じながらはぁっ、と息を吐けば扉の隙間から目線を感じ。振り向けば玲と怜が少々心配そうな顔をしていて。此奴等は本当に心配性だな、なんて思いながらふっと笑えばドアの鍵を閉めて二人の元へと向かって。すっかり綺麗になっているリビングの机を見ながら二人に礼を言えば、二人は顔を見合わせてにこりと笑う。それがあまりにも可愛らしくて二人の頭をくしゃりと撫でてやれば妹である玲に風呂に入ってこいと指示をして。反抗もせずにコクリと玲は頷いて姿を消し。怜と二人になるとソファーに座り、横に座るように怜を呼ぶ。怜はちょこちょこと危なっかしい足取りで隣へと触れば彼はにっこりと少しだけ困ったように笑う。テレビを付けてそれをゆっくりと見ていれば時間は過ぎていくばかりで。風呂に入るなり何なりしている内に深夜零時。早いものだと思いながら大人しく自室へと戻ればベッドの中へ。今日は色々なことがあったと感じながらウトウトと眠りへとついて行く__。)

-----------------

「凛兄、朝だよ。起きて…」

「凛兄ッ」

(んん、と唸りながら身体を起こす。目の前には少しだけ怒ったような顔の玲と困ったような顔をした怜の姿。時計を見てみればもう起きなければならない時間で。悪い悪い、と笑いながら二人の頭を撫でてやれば二人は部屋から出て行き。適当に制服を着て、適当に身嗜みを整えて、リビングへと顔を出せばテーブルの上には玲が作ったお弁当が置かれていた。いつも丁寧に弁当を作ってくれている玲、今日は怜も手伝ってくれたんだよ、と少しだけ満足そうな声を出している玲を見つめながら安心感に包まれて。鞄の中に必要な物があることを確認して弁当を入れれば3人揃って家を出る。玲と怜は今から中学校へ、自分は今から高校へ。方向は同じである為に3人で歩くのだが、途中で同じ高校の人間に会わないかとビクビクしてしまい。自分らしくないと思い太陽をチラリと見上げれば急に昨日の相手の顔を思い出してしまい。朝から嫌なものを思い出したと少しの癒し程度に2人の顔を見れば2人は不思議そうな顔をしていて。それが可笑しくて少し笑えば分かれ道となり此処で2人とはお別れで。)

「気をつけて行けよ、変な奴に付いてったらダメだからな?」

「…分かってるよ…凛兄じゃないんだから」

「おい、結構失礼だぞ…玲」

(玲の言葉に反論し、ひらひらと手を振れば2人も手を振って。1人で歩く学校までの道に憂鬱になりながら長い道にうんざりし。学校へと近付いてくれば眉をピクリと動かす。__そうか。今日は朝の挨拶がある日か。チッと舌打ちをして思わず立ち止まる。朝の挨拶、ということは生徒会長である彼奴も居ることかと考えついてしまい。鬱陶しく思いながらも学校に入らない訳にはいかず、正門へと辿り着けば明らかに態度を悪くしながらポケットに手を突っ込んで門を潜り。先程まで妹と弟に癒されていた時の笑顔とは対照的な無愛想な表情へと変化していて。)

  • No.44 by 二階堂 彩人  2019-04-02 00:45:44 


(/背後のみで申し訳ありません。ここ数日諸事情で多忙でしてお返事が出来ずじまいなのですが、今週中には必ずお返し致しますので気長にお待ちいただけると嬉しいです...!本当にすみません。)

  • No.45 by 碧川 凛  2019-04-02 00:53:10 



( / いえいえ、急がなくて大丈夫ですよ。自分も明日、明後日は私情で返信出来ないと思いますので…その辺はおあいこということで。お気になさらず。)


  • No.46 by 碧川 凛 背後  2019-04-09 17:39:49 





( / 一応あげときますね。)




  • No.47 by 碧川 凛 背後  2019-04-09 17:39:49 





( / 一応あげときますね。)




  • No.48 by 碧川 凛 背後  2019-04-09 17:40:33 




( / すみません、手違いで二つ連続でコメントしてまいました。
余計な消費、失礼しました。)



  • No.49 by 碧川 凛 背後  2019-04-13 13:07:06 




( / あげときますね。)


  • No.50 by 名無しさん  2021-07-11 11:40:24 

(目に見えた相手の動揺に卑劣な充足感を得ると共に心の奥を一瞬掠めた、えも言われぬ虚脱感。先程まではほんの僅かではあるがあの温かな空間を共有したものの、自身の突発的な動作が再度二人を取り巻く空気を冷やした。しかしいちいちそんな事を気にするなど無意味でしか無いのだし何より自分らしくない、空虚さからは耳を塞ぎ顔を背け気のせいであったと感情を閉じ込め無意識の内に無視する事に決め。吐き捨てるような言葉にも振り返る事は無く静かに相手の家から出ると、ドアノブから手を離した玄関扉が鈍い音を立てて閉まるのが分かり。ドア越しに聞こえる生活音はもう遥か遠くのように反響して聞こえ、ゆっくり踵を返すと自宅への道を辿り。街灯も少ないその道は今日ばかりはひどく長く、妙に畝って感じられた。)
_______________________

「...おはようございます。...え?いや、何でもありませんよ。普段通りです」

(翌朝、正門前にて昨晩の事をぼんやりと思案していると副会長に声を掛けられてしまい、我に返り顔を上げて。心ここに在らずといった具合で朝の挨拶運動をこなしていたらしく、体調でも悪いのかと訊ねられてしまったのだった。適当に誤魔化しつつ寒さすら感じる朝の爽涼な空気の中、靄のかかった淡い青みを帯びた空に白い息を吐き出して。愛校心も何も無い自分にとってこうして早朝から挨拶など皮肉な業務だ。自宅に居ても特にやる事も無く、遅くまで寝ていたいタイプとも違い別に早く登校する事自体は苦ではない為流されるまま生徒会活動の一環として取り組んでいる。だが副会長は違うのだろう、本気で学校を改善したい等と考えていそうだ。如何にも真面目な女子生徒といった風貌の副会長、校則は確実に守り頭髪もスカート丈も問題無い。そんな彼女を横目に見つつ流れるように正門を通過し登校する生徒に挨拶を投げ掛けていると、対照的にも校則を全くもって無視した制服の着こなしの女生徒が目の前を通過していき。学校など多様な人種の掃き溜めだ、規律ある生活を求めようとも変わらないものは変わらないのだと諦めの視線と共に特に注意もせず女生徒を見送り。自分も生徒会長という立場上、目立った所で風紀を乱す行為には至らないが一定数居る不良生徒の気持ちも分かってしまうわけで。その点では昨晩の彼の存在も目くじらを立てる必要も無い、不良だろうが何だろうが認めてやれば良いのだ.....とまた相手の事を考えていたと気付き頭を抱えて。断続的に繰り返す挨拶に飽き飽きしつつ、登校してくる人間の群れの中に相手の姿を探して目を細め。今日は一体何をさせようかと不気味にも口角を上げつつ相手を待っていて) (目に見えた相手の動揺に卑劣な充足感を得ると共に心の奥を一瞬掠めた、えも言われぬ虚脱感。先程まではほんの僅かではあるがあの温かな空間を共有したものの、自身の突発的な動作が再度二人を取り巻く空気を冷やした。しかしいちいちそんな事を気にするなど無意味でしか無いのだし何より自分らしくない、空虚さからは耳を塞ぎ顔を背け気のせいであったと感情を閉じ込め無意識の内に無視する事に決め。吐き捨てるような言葉にも振り返る事は無く静かに相手の家から出ると、ドアノブから手を離した玄関扉が鈍い音を立てて閉まるのが分かり。ドア越しに聞こえる生活音はもう遥か遠くのように反響して聞こえ、ゆっくり踵を返すと自宅への道を辿り。街灯も少ないその道は今日ばかりはひどく長く、妙に畝って感じられた。)
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「...おはようございます。...え?いや、何でもありませんよ。普段通りです」

(翌朝、正門前にて昨晩の事をぼんやりと思案していると副会長に声を掛けられてしまい、我に返り顔を上げて。心ここに在らずといった具合で朝の挨拶運動をこなしていたらしく、体調でも悪いのかと訊ねられてしまったのだった。適当に誤魔化しつつ寒さすら感じる朝の爽涼な空気の中、靄のかかった淡い青みを帯びた空に白い息を吐き出して。愛校心も何も無い自分にとってこうして早朝から挨拶など皮肉な業務だ。自宅に居ても特にやる事も無く、遅くまで寝ていたいタイプとも違い別に早く登校する事自体は苦ではない為流されるまま生徒会活動の一環として取り組んでいる。だが副会長は違うのだろう、本気で学校を改善したい等と考えていそうだ。如何にも真面目な女子生徒といった風貌の副会長、校則は確実に守り頭髪もスカート丈も問題無い。そんな彼女を横目に見つつ流れるように正門を通過し登校する生徒に挨拶を投げ掛けていると、対照的にも校則を全くもって無視した制服の着こなしの女生徒が目の前を通過していき。学校など多様な人種の掃き溜めだ、規律ある生活を求めようとも変わらないものは変わらないのだと諦めの視線と共に特に注意もせず女生徒を見送り。自分も生徒会長という立場上、目立った所で風紀を乱す行為には至らないが一定数居る不良生徒の気持ちも分かってしまうわけで。その点では昨晩の彼の存在も目くじらを立てる必要も無い、不良だろうが何だろうが認めてやれば良いのだ.....とまた相手の事を考えていたと気付き頭を抱えて。断続的に繰り返す挨拶に飽き飽きしつつ、登校してくる人間の群れの中に相手の姿を探して目を細め。今日は一体何をさせようかと不気味にも口角を上げつつ相手を待っていて) (目に見えた相手の動揺に卑劣な充足感を得ると共に心の奥を一瞬掠めた、えも言われぬ虚脱感。先程まではほんの僅かではあるがあの温かな空間を共有したものの、自身の突発的な動作が再度二人を取り巻く空気を冷やした。しかしいちいちそんな事を気にするなど無意味でしか無いのだし何より自分らしくない、空虚さからは耳を塞ぎ顔を背け気のせいであったと感情を閉じ込め無意識の内に無視する事に決め。吐き捨てるような言葉にも振り返る事は無く静かに相手の家から出ると、ドアノブから手を離した玄関扉が鈍い音を立てて閉まるのが分かり。ドア越しに聞こえる生活音はもう遥か遠くのように反響して聞こえ、ゆっくり踵を返すと自宅への道を辿り。街灯も少ないその道は今日ばかりはひどく長く、妙に畝って感じられた。)
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「...おはようございます。...え?いや、何でもありませんよ。普段通りです」

(翌朝、正門前にて昨晩の事をぼんやりと思案していると副会長に声を掛けられてしまい、我に返り顔を上げて。心ここに在らずといった具合で朝の挨拶運動をこなしていたらしく、体調でも悪いのかと訊ねられてしまったのだった。適当に誤魔化しつつ寒さすら感じる朝の爽涼な空気の中、靄のかかった淡い青みを帯びた空に白い息を吐き出して。愛校心も何も無い自分にとってこうして早朝から挨拶など皮肉な業務だ。自宅に居ても特にやる事も無く、遅くまで寝ていたいタイプとも違い別に早く登校する事自体は苦ではない為流されるまま生徒会活動の一環として取り組んでいる。だが副会長は違うのだろう、本気で学校を改善したい等と考えていそうだ。如何にも真面目な女子生徒といった風貌の副会長、校則は確実に守り頭髪もスカート丈も問題無い。そんな彼女を横目に見つつ流れるように正門を通過し登校する生徒に挨拶を投げ掛けていると、対照的にも校則を全くもって無視した制服の着こなしの女生徒が目の前を通過していき。学校など多様な人種の掃き溜めだ、規律ある生活を求めようとも変わらないものは変わらないのだと諦めの視線と共に特に注意もせず女生徒を見送り。自分も生徒会長という立場上、目立った所で風紀を乱す行為には至らないが一定数居る不良生徒の気持ちも分かってしまうわけで。その点では昨晩の彼の存在も目くじらを立てる必要も無い、不良だろうが何だろうが認めてやれば良いのだ.....とまた相手の事を考えていたと気付き頭を抱えて。断続的に繰り返す挨拶に飽き飽きしつつ、登校してくる人間の群れの中に相手の姿を探して目を細め。今日は一体何をさせようかと不気味にも口角を上げつつ相手を待っていて)

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