愛と死は紙一重

愛と死は紙一重

希望者募集  2018-04-07 11:12:05 
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……君は…僕の白黒の世界に色をくれた。


(お声掛け頂きました、お相手様(23170様)をお待ちしております。)

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  • No.39 by 久遠 将之  2018-05-08 03:20:06 




っ、……余計なお世話だ。
(直接心に纏わり付くような低音が鼓膜を震わせ、擽ったさにぴくりと反応を示す。余韻が残る耳をごしごしと手のひらで擦りながら自分からも少し距離をとると、刺々しい口調で返し。先程から自分は相手のペースに乗せられすぎだ。緩く首を横に振れば一度気持ちをリセットして。「嗚呼、いや、その…。───すまん。」此方の考えている事を見透かしたような言葉に、なんとなく居心地の悪さを覚える。何か言い訳をしようと取り敢えず口を開いたものの、残念ながら今は始末屋としてのスイッチも、猫被りのスイッチも入っておらず。限りなく素に近い自分はけして口が回る方ではなく、ろくに言葉が出てこない。やがて少し顔を俯かせては諦めたのかぽつりと謝罪の言葉を口にし。リビングを出て、寝室にて着替えの用意をしつつぼんやりとこの後の予定を立てる。一緒に食事を取って、相手が風呂に入っている間に後片付けと布団の用意をして、できれば今日の午前中に受けた講義の復習も終わらせて──。就寝までにかかる時間を大まかに計算すれば、明日の講義は欠席した方が良さそうだと判断して。任務を遂行した日、浴場へやって来てまず行うのは怪我の有無を確かめる事。知らぬ間に出来ていた傷が原因で動きが鈍ったり、計画が狂うような事があってはならないからだ。服を脱ぎ様子を見てみれば、微かに左の脇腹が赤く腫れている。とは言っても押せばつきりと痛む程度のものだ。久々に大きな痣ができるだろうが、これに関しては放置しておいても一週間もすれば綺麗に消えているだろう。その他に目立った外傷が無いと確認できれば一先ず安堵して。さて、そうとわかれば早く体を洗ってリビングに戻らなければ。そうして風呂に入っていた…の、だが。突如勢いよく開かれた扉と、姿を現した相手。一分も予想していなかった出来事に直面し一瞬呆気に取られるが、頭で何かを考えるよりも先に体が動き扉に手を掛ける。「結構です、お引き取り下さい。」思わず敬語になりながら早口でそう告げては、ぐぐ、と力を入れ押し返そうとして。相手の侵入を拒みながら平静を取り戻そうとするものの、正直な所、ばくばくと早鐘を打つ心臓を治めるのに必死でそれどころではない。嗚呼、本当に吃驚した。体の芯は一気に冷えたというのに表面は未だぽかぽかと温かく、その温度差が気持ち悪い。「一緒に風呂に入るというだけでも嫌だというのに、無防備に背を向けろと? そんなの、相手がお前でなくともお断りだ。すぐに出るから部屋に戻れ。」露骨に顔を顰めては捲し立てる。覚悟はしてきたつもりだったが、改めてとんでもない男を部屋に入れてしまった。今更ながら強い後悔の念に駆られて。)



  • No.40 by 久遠 将之  2018-05-08 03:22:52 




(/いえいえ、どうかお気になさらず! 私も誤字に気付かないまま投稿してしまう事もあるかと思いますし、この件に関してはお互い様、という事で… / 笑 。)



  • No.41 by 福田 蛍  2018-05-09 00:19:21 

ハハ、相変わらず照れ屋なんだね。…でも僕と君の仲じゃないか!そんなに恥ずかしがる事は無い筈だよ。それに疲れてる将之君の為と思って…。(来てあげたんだからさ!、と言いつつ瞬間に閉まって行く扉を持ち前の反射神経で掴み、此方も負けじと力を込めて徐々に開いて行く。必死で自身を追い返そうとしてくる相手に笑顔を向けたままじりじりと力比べのような事をする事数分。バスルームの中に篭っていた湯気が外側へと漏れ始め、肌がしっとりと湿っていく、外気で冷えていた身体にむわりとした暑さ。あまりコレを続けると中にいる彼が持たないだろう。暑さに逆上せて折角のディナーを駄目にする訳にもいかない。だが此処で諦めてしまっては何故か勿体ない気がする。普段なかなか隙を見せない彼がいまたった一つの扉の向こうでとても無防備な姿を晒しているのだ。…強行突破しか手段がない、と思案すればその後は早かった。掴んでいた手をそのままに足を扉の間に挟めば、するりとバスルームの中へと身体を滑り込ませれる。まさに猫のような柔軟な動きで侵入に成功すればしてやったとニッコリ微笑み、「ほら、座った座った!」相手のあからさまな表情と、避難の言葉に、はいはい。と相槌をつけば湯気の中見にくいが彼の美しい肉体姿を堪能する。細く華奢な体は、程よく引き締まっていて陶器のように白く滑らかな肌をしていた。キメ細やか且つ張りがあるその美しい身体に、喉をゴクリと鳴らす。その中、自身からみて右の方の脇腹に何やら赤く腫れているかの様に見えるそれを、数秒凝視して、湯気のせいで見え難いが相手の色白の肌にはくっきりと紅い花を咲かせている風に付いておる、痣のようなもの。痣にしては新しい生傷に、途端にスイッチを切ったかのように表情を無にして、少々手荒に相手の肩を押せば、後半にある壁へと身体を押し付け「……将之君。之はいったい?」何かな?、と目線で訴えれて…時には、躾も必要になるのだ。飴ばかりを与えるのではなくムチも時には必要になる、相手に詰め寄るような目を向けながらも顔には笑顔を貼り付け、先程まで身体を洗っていたのだろう若干ツヤと滑りのある肌を、首から傷のある脇腹まで指でゆっくりなぞり、傷の周りを1周して盛り上がった傷の部分を指で弾く。そして次の瞬間に親指で容赦なく傷の中心を捻り押し。自身の爪がくい込みじわりと血のにじむ傷、少しずつ足元に血の細い川ができはじめシャワーのお湯と共に排水溝へとながれていく。その一通りの流れを冷徹な目で見届けるが、辞めようとはしない。「……僕だってこんな事したくないけど。こうでもしないと君は、この先僕に言わずにほっといたりしてしまいそうだからね。──僕に隠し事は、通用しないよ将之君。君の血の一滴までもが僕のものなんだから…。」愛しの彼に傷をつけた奴の存在に、ギリっと奥歯を噛み締めれば、空中を睨み舌打ちをし、そのまま相手へと目線を戻せばその表情は先程と変わらぬまま貼り付けただけの笑顔。それはきっと相手に罪悪感を抱かせるものになるだろう。彼に見せつけるように目の前で、指についた血を舌で舐めとる。一気に広がる鉄の味に、彼の血だと思うとほんのりとした甘ささえ感じてしまう。一点を見つめるような虚ろなめで相手の脇腹ぐらいの高さまで屈めば、その傷口に舌を持っていき血の滲むその部分を音を立てて舐め始め。)

  • No.42 by 久遠 将之  2018-05-09 23:41:36 




ああもう、強引すぎる…。
(心の中でそっとお前は猫かとツッコミを入れつつ、これ以上何を言ったところで相手が退く事は無いのだろうと悟れば本日何度目かの溜息をついて。相手を見ればどこか一点に集中している視線。それを辿った先にあるものに気がついた矢先、ひやりとした壁に体を押し付けられた。怪我について問う相手は静かに怒っているようで、少なくとも機嫌が良さそうには見えない。一体何が相手の地雷を踏んでしまったのかと頭上に疑問符を浮かべ。「今日のターゲットは一撃では死ななかった。そのせいでかなり抵抗されたんだが、攻撃を避けているばかりでは埒が明かないだろう? …だから、一発くらいくらってもいいか、と。」聞かれたからといって相手に報告する義務など無いのだから、お前には関係ないと一蹴してしまえばいいものを、戸惑いからついするすると言葉を紡いでしまう。説明を終えればどうにも相手と目を合わせていたくなくて、視線は徐々に足元へと落ちた。次の行動を考えあぐねていると、ふと相手の指先が自身の首から下へ向かってゆっくりと滑っていく。身を捩ったところで背後は壁であり逃れられる筈もなく、迷いなく動く彼の手はやがて打撲傷のある脇腹に到達した。「っい、───!」慣れているぶん耐えられる、というだけで自分は特別痛みに強いわけではない。相手の爪が容赦なく皮膚を破れば、奥歯を噛み締めながら苦痛に顔を歪めて。「お前のものになった覚えは無い。…そもそも、この程度の怪我なんて放っておいても問題ないだろう。」多少腫れているくらいであれば無傷も同然、というのが自分の考えだ。もちろん自分の周囲の、所謂普通の人間がこんな怪我をしていたらすぐに手当てするよう言い聞かせるけれど、生憎自分は普通とは程遠い存在。仕事中は最悪の場合命を落とす可能性すら有るのだから、これくらいで済んだのならむしろ幸運と考えるべきではないだろうか。しかし、それを口に出せば更に相手の怒りを買ってしまうのは明白であり、主張はあくまで最低限に留めて。彼の舌が傷口を這った瞬間、ぞくりと身を震わせる。嗚呼、まただ。こうして時折彼に対して感じる危機感は一体何なのだろう。相手からどろりとした感情を向けられる度、自分はいつしかそれに飲み込まれ溺れてしまうのではないかと。そんな事を考えてしまうのだ。色々と言いたい事は有るのだが、上手く纏められずなかなか制止の言葉が出てこない。不意に舌先が傷を抉るように動けば小さく体が跳ねた。こんなじくじくと疼くような鈍い痛みではなく、いっそ刃物を突き立てられた時のような、目が冴える程の激痛であればよかったのに。理性は残しておきながら少しずつ此方の余裕を削り取っていくようなこの感覚は、成程、彼という人間によく似ている。立ち込める湯気とそれに混ざった仄かな血の香り。断続的に相手から与えられる痛みを耐えていれば自然と息は上がり、くらくらと目眩がしてきた。苦しんでいる声を相手に聞かせるのもなんだか癪で、右手の人差し指の第二関節辺りに噛み付けば声を抑え。異なる痛みを感じる事で多少冷静さを取り戻せたのか、彼の肩にもう片方の手を添えると力を加え、漸く抵抗を示して。)
__やめ、ろ。ばか。



  • No.43 by 福田 蛍  2018-05-10 22:29:53 

いっそのこと…君を――。(自身の中でドロドロと溶けだすように絶え間無く漏れ出していくこの感情は、嫉妬と言うのだろうか。勿論この傷をそのままにしようとした彼にも怒っているが、それ以上に傷付けた敵である相手にも殺意が湧いてくる、だが彼がこの場にいるということは、もうその相手は死んでいるに違いない。だけど、それでもこの気持ちはなかなか収まりそうにない、自身を内側から溶かしていくような不思議でとても居心地が良いとは言えないこの気持ちの対処法は、残念な事に持ち合わせていないし、この感覚にやや吐き気さえも覚えてしまう。「一発ぐらい?たかが、一発が僕をこんなにも狂わせてるのに… 。」鋭く睨むかのような視線を送れば、相手へと詰め寄るような声色で上記を述べた。相手の言うたかが一発は、自身を困惑させるのに充分なモノになってしまったようだ。ふわりと匂う血の香りに酔ったのかもしれない、自分の余裕の無さが良くわかる。あぁ、嫉妬に狂う格好悪い姿を将之君に見せたくなかったな…、と考える一方、彼を自身の目しか届かない鳥籠へと閉じ込めてしまおうか─とさえも考えてしまう。羽をもいでしまった鳥は一生空を飛ぶことは出来ない、なら彼の手足の自由を奪い、閉じ込めてしまえば傷付くこと無く、自分のモノへとなるのかもしれない。少し前の自分ならきっともう行動に起こしている事だろう。だが彼がもがいて必死に抵抗し、自身の存在を決して見失わず真っ直ぐなその瞳で闇へと突き進んでいく…、そんな姿に目を奪われる自分がここに居る。相手の段々と荒くなっていく息の音を聞き取り、ふと見上げれば彼は自分の指を噛んで与える痛みに耐えていた。始末屋の彼でも、この鈍い痛みには耐性が無いのだろう、抵抗するために添えられた手には、大して力は篭ってなく声を必死に我慢しようとするその姿は、自身の悪戯心へと火を付けた。「声、───我慢しないでよ。」熱を帯びた目を向けながら、彼の鎖骨あたりに軽くキスを落とす。ゆっくりと右側に唇を移動させれば、相手の右肩にも同じ様に吸い付く、刹那、ガブッと思い切り噛み付いた。八重歯がプツリと彼の薄く繊細な肌を突き破る、傷を舐めた時と同じく口内に広がる血の味に目を細めれば、口を離し満足気な笑顔で。彼の白い肌にくっきり付いた歯型は、自分のモノという証「今回の所は、之で許してあげるよ!」漏れ出していた殺気は消えて、普段通りの自分へ。少し温度を下げた温めのシャワーで、血を優しく洗い流せば…、
───折角ディナーを用意したんだ、お腹も減っただろう?…はやく上がって乾杯しよう。

  • No.44 by 久遠 将之  2018-05-12 03:30:17 




…俺の事なんて、好きにならなければよかったな。
(相手は何故、こんな自分のためにこうも心を乱しているのだろう。まさか恋に落ちた結果がこれだというのか。くだらない。こんな醜態を晒すくらいならば、やはり自分は一生色恋とは無縁で構わない。ぽつりと上記呟きながら、何かに導かれるように相手に向かって手を伸ばす。いつか相手がそうしたようにしっとりとした彼の髪を何度か撫でれば、すぐに興味を失ったように手を下ろして。「──、悪趣味な奴。」熱のこもった視線と共に掛けられた言葉。薄らと潤んだ両の目を細め、見下すように浮かべた笑みと、咄嗟に出た憎まれ口は精一杯の虚勢であり。相手が右肩に顔を寄せた途端、嫌な予感が脳裏を過ぎる。きゅ、と目を瞑り次いでやってきた痛みを耐えれば満足気な相手に対し恨みがましい視線を向けて。変に火照ってしまった体に当たる温いシャワーが心地良い。噛み付かれたかと思えばこうして優しく接され、膨らんでいた警戒心が肩透かしをくらったようにみるみる萎んでいくのがよくわかる。安易な例えになるが、まさにジェットコースターに乗せられているような気分だ。「取り敢えず、お前の着替えも用意してくる。シャワーを浴びて大人しくしていろ。」行き場のない色々なものが混ざった感情をなんとか飲み下せばそう言って先に脱衣所へ。タオルで体を拭っていると、意識せずとも彼が自分につけた二つ目の傷が目に留まる。今もズキズキと痛むその場所には存外はっきりと跡が残ってしまったらしい。まるで所有の証のよう──なんて、いつの間にか彼の思考に毒されてしまったのだろうか。もし自分に所有権があったとして、それを持つのは己の主人以外には有り得ない。雑念を振り払うように手早く着替えを済ませると寝室に向かって。さて、相手の背格好は自分と大差ないように感じられたが、まったく同じサイズの服では少し窮屈になってしまうかもしれない。普段自分が着ている部屋着の中で余裕のあるものを幾つか出し、自然に黒色のものを選べば新品の下着やタオルと一緒に持って行き。軽く一回叩いてから扉を開けば遠慮も恥じらいも無く顔を覗かせて。すぐに相手の姿を捉えたが、ハッとして思わず息を呑む。湯気で霞んだ視界の中、彼の体に刻まれた無数の傷跡が目に映った。かなり気が動転していたとはいえ、つい先程まであんなに近くに居たのに目に入らなかったのが不思議である。__あの程度の怪我で騒いでいたくせに、自分も相当無茶をしているじゃないか。他人を気にする前に、まずは自分の事を心配したらどうなんだ。もやもやと胸に渦巻く名も知れぬ感情を抱えながら、相手から目を背けてはカゴの中に衣類とタオルを置いて。「纏めてここに置いておく。服のサイズが合わなければまた呼んでくれ。」そう言って扉を閉めると早々に脱衣所を出て、大人しくリビングで待つ事にし。)



  • No.45 by 福田 蛍  2018-05-13 17:17:49 

(ポロリと相手の口から漏れた言葉に、終始無言で考える。いかにも自分が彼に惚れる事がなかったら、今のような恋だの愛だのに振り回される事も無かったのだろう。だが、そんな醜い姿を晒しても諦めず彼を愛し続けていると、密かに心の奥では幸せというのを感じることが出来る、そんなふわふわとした感情は絶望も希望もどちら共与え、時には自身に牙を剥くけど、ただ来る日も来る日も冷たくなった人間としか触れ合えなかった日々とは、今は天と地のさ。こんな人間でも、愛おしいと思える人がいること自体に感謝したくなってしまう。頭部に加わった微妙な重量に、頭を撫でられている事に気づいた。数回左右に揺れる手に身体を預けていると、まるで心臓を羽で擽られている様な、擽ったくなんとも言えない感覚に囚われながら、「悪趣味?───ハハ、何を今更。」にや付くような表情を浮かべながら乾いた笑みを、自身の趣味がお世辞にも良いとは言えない、その事は、自分がよく分かっている。彼の挑発的な言葉に、之は精一杯の虚勢なのだろう、…だがそんなプライドが凝り固まった性格でさえ、新しい家に来たばかりの子猫に似た愛おしさを感じるのだ。そんな彼がバスルームから出ていく背中に、ありがとう。と感謝の言葉を投げ掛け、早く上がって彼とのディナーを楽しもう、と素早く済ませていく。温めに設定していたお湯でも、身体の傷にじんわりと染みてしまう、今日の仕事で出来てしまった真新しい二の腕の傷。片腕を目の高さまで上げて見詰めれば血は固まっているみたいで、瘡蓋が出来かけているソレを見て。彼との会う時間を確保したいがために、少し無茶をしてしまったみたいだ。ナイフで掠られた様に見えるその傷に、自分も彼の事を言える立場ではないな―と、困った微笑みを。コン、とノックの音と愛おしい彼の声、着替えを用意してくれたのだろう、再度感謝をしようとバスルームから顔を覗かせれば、彼の姿はもう居なかった。ありゃ、と少し残念な気がするがきっとリビングで待っていてくれてるに違いない。恋人を長々と待たせる訳にはいかないな、早々とタオルで濡れた肌を拭えば服へと腕を通し。服のサイズは申し分なく、ふわりと鼻を擽るのは、普段彼から匂う洗剤の香り。すんすんと首元の襟首に鼻を沈め、やはり彼の匂いだとそう気分も悪くならない。しいて言うならこの香りはずっと嗅いでいたいと思うぐらいには好きみたいらしい。タオルを首に掛けて、まだ湿り気の残る髪をわしわしと擦りながら、リビングへ。「…おまたせ!、さあ。ディナーにしようか。」予想通りリビングで、まっていた相手に歩み寄っていけば上記を述べて、食卓のテーブルに並んだ自分とは反対側の席を指差し、座るように促すと、手元に置いてあるワインを手に待つ。「───喉乾いただろう?」風呂上がりに、火照った肌、きっと喉も潤いを欲しているだろう、紅く滑らかな波を醸し出すグラスを持ち上げ。チラっと相手側のグラスに、目線を移す。此方と何も変わらないグラスの中身は、相手の動きを奪う劇薬と化した危険な物で、だかそれは一切表情には出さずただいつも通りの表情で、グラスを傾けながら。)

  • No.46 by 久遠 将之  2018-05-14 23:56:19 




(特に逆らう理由も無く、促されるまま席に着く。改めてなんて奇妙な光景だろうと思いながら相手と同様にグラスを持ち上げてはちらりと彼を一瞥し。ルビーのように澄んだ液体の中におかしなところは見られない。くるりと反時計回りにグラスの中身を転がせば口に含んで喉の奥に流し込み。グラスをテーブルに置いたところで、ぴくりと指先が動く。酒は元々得意ではない方だが、さすがに一口飲んだだけで酔うほど苦手ではないし、この酒の度数もさほど高くはなかったと記憶している。つまり。一瞬大きく視界が揺らいだと思えば、全身がピリピリと痺れ始めた。ひとたび服が肌に擦れれば、その僅かな刺激だけでも痺れは無数の針で刺されているかのような痛みに一変し。毒物か劇物かは知らないが、ワインと共に何かを飲まされたのはもはや疑うまでもないだろう。しかし、症状がすぐ出たにも関わらず命に別状がないという事は、致死量は盛られていないと考えていいのだろうか。どくどくと大きく脈打つ心臓の音が焦燥を煽り、冷静に思考を巡らせているつもりでも視線は忙しなく宙を泳いだ。ただ組織の機密を守れば良いのなら舌を噛み切ってしまえば済む話だが、ここで命を絶とうものなら一体誰が目の前の相手から主人を護るのか。無論生還するのが最良とはいえ、死ぬ時は刺し違えてでも相手を殺さなければ。末端から冷えていく体がやけに重く感じられ、気合を入れ直すため痛みに構わずきつく唇を噛み締めると同時にテーブルの下で拳を握り。「…成程。俺が注意した通り、料理には混ぜなかった、と。狡賢いな。」普段と比べればやや途切れ途切れではあるものの、可能な限り淀みなく発音する。中途半端に麻痺した体では意識しなければまともに呂律も回りそうにない。正直に言えば、今の自分にとっては話すどころか普通に座っている事すら苦痛だ。それでもこうして語りかけるのは、相手に隙を見せずに次の手立てを考えるために他ならず。「それで? こんなものを飲ませて、どうするつもりだ。」相手が自分を殺める気でいたのなら、今日だけで幾度もあったチャンスを見逃したりはしないだろう。その上でわざわざ死なない程度に毒を盛ったという事は、きっと何かしらの理由があると考えるのが妥当で。キャパシティオーバーで悲鳴を上げそうな頭をなんとか働かせる。考えて、考えて、やがてひとつの可能性に行き当たれば、信じられないと言うように眉根を寄せ。「まさか、特に意味もなく…?」一応問いかけるような口調ではあるが、頭の中では結論が出ているに等しかった。確実に殺害するためだとか、拷問するためだとか、はたまた拉致して人質にするためだとか。相手がそういった正しい用途のために毒を盛ったと思うのか、と問われた時、迷いなく首を縦に振れる自信が自分には無い。嫌がらせや悪戯の延長、もしくは自分を振り回して楽しむため、とでも言われた方が彼に限ってはしっくりくるのだ。呆れ半分に相手を見遣れば苦笑して。)
性悪もここまでくると清々しいな…。お前の事は死ぬほど好きじゃない。が、嫌いでもないぞ。



  • No.47 by 福田 蛍  2018-05-16 20:31:50 

────君の、その表情…、癖になりそうだ。
(ワインが、彼の喉を通りその奥へと消えていく、一通りの流れを見届け、それに続けて喉仏を上下に動かしながら再び一口。グラスをテーブルへと戻しては、身体を乗り出す形で相手へと手を伸ばす。するりと頬の辺りを撫でて、今の彼ならこの程度の刺激でも応えるだろう…などと楽観的に考えては、うっとりとした表情へ。予想を裏切らない彼の行動に愛情を感じながら、姿勢を正せば頬杖を付いて。「もっと、君の色んな表情が見てみたいんだ。…勿論笑った顔も好きだよ?でも、その反対も見たいと思う僕は、君への愛に狂っているのかもね。」客観的に、恍惚と微笑みを浮かべればおもむろに銀食器を掴み、皿の中へと差し込めばクルリと回し、少し冷えてしまったが味には損害なく。パク、と口に含めて咀嚼すれば、食べないの?などど。勿論、痺れてしまって、座るさえも精一杯の彼が、自分の様に呑気に食事が出来るはずもなく。「狡賢い?…褒め言葉として受け取っておくよ。」先程より冷たさがました瞳に、ぞくりと身体の芯が疼く、今の彼は身体の自由が奪われた状態、今ならそんな彼を殺める事など、赤子の手をひねるように簡単なのに、その目は鋭さが増していく。カチリ、自身のなかでなんらかのスイッチが切り替わったような、そんな感覚の後に、次の瞬間テーブルの下で相手の脚の先を踏みつけた。骨の軋む嫌な音がなって、相手が意識を飛ばしてしまう程の痛みをじっくり堪能して貰う事として、もっと歪むであろう相手の表情へと期待しながら。「しいて言うなら【 僕に振り回される君が見たかった 】ただそれだけの事さ…。」ほぼ正解と言える相手の問いに、明確な答えを提示しては悪戯な微笑みを付け足し、彼の中に自分と言う存在のなんたるかが、濃ゆく記憶されていっている事であろう。主人に強く忠誠を誓っている彼のなかに、殺人鬼であるこんな人間の存在が残っていくそんな状況に酷く興奮してしまう。それを抑えるように短く息を履けば、先程から合間見える瞳の奥の焦りと困惑へと歩み寄る。「…将之君、僕なら君を縛って苦しめるその鎖を引きちぎる事なんて容易い事さ、例えば君の主人…とかね。此処で僕の手を取ってくれたら、君は人を殺めずに済むし自由になれる。勿論僕が攫った事にしてね……。もう一度言うよ、僕の物になって欲しい──。」彼だって、好きで人を殺めている理由でもないだろう、そんな彼の弱い部分を抉るように上記のセリフを、誘惑する様な甘い声で述べては、手を差し出して。彼の主人の事については、禁句に近いワードだろう、だが任務を終えた後の彼の表情は、毎回疲れきっていて時々目の下に付いている隈は、眠れていない証拠だろう。いつ罪悪感に押しつぶされ、壊れてもおかしくない彼の事を守りたい、そんな自分が顔を出してしまったのだ。差し出した手をそのままに彼の返信を待つ事として、
────僕は、狂ってしまう程…、君を愛してる。

  • No.48 by 久遠 将之  2018-05-18 22:48:21 




(/背後より失礼致します。大変申し訳ないのですが、昨日から続く体調不良により本日中の返信ができそうにありません…。明日にもなれば落ち着くかと思いますが、念のためご連絡させていただきました。お返事はもう暫しお待ちいただけると幸いです…!)



  • No.49 by 福田 蛍  2018-05-19 06:40:22 

(季節の変わり目という事もあり、過ごしにくい気候、気温ですしね…背後様の体調が早く治る事を願っております!!レスの延期のほう了解致しました!…実は、私も一昨日から風邪気味で、笑。お互い様という事で、治すことに専念致しましょう、汗。体調が落ち着かれましたら、お返事下さいませ!!)

  • No.50 by 久遠 将之  2018-05-21 02:22:59 




(/ただいま戻りました! 長らくお待たせしてしまいましたが、無事に体調も回復致しましたので、早速お返事させていただきますね。
ここ最近の気温差には本当に目が回りますよね…。30度近くまで上がったかと思えば、急に半分ほどに下がったりだとか / 汗 。どうか主様もご無理なさいませんよう、お大事にしてくださいね。それでは改めまして、不束者ではありますが、これからも宜しくお願い致します…!)



  • No.51 by 久遠 将之  2018-05-21 02:29:23 




(うっとりと言葉を紡ぐ相手は今自分が頬に感じている痛みなどお構い無しなのだろう。__嗚呼、憎たらしいその目を刳り貫いてやりたい。なんて、怒りにまかせて馬鹿な真似はしないけれど。「…どうも。好意を示されて、ここまで嬉しくないのも初めてだ。」刹那、眉を寄せるだけでは耐え切れない程の激痛が走り、目の前で火花が散ったかのように視界がチカチカと明滅する。足の骨が軋む鈍い音を聞きながら再び唇を噛み締めれば、鉄臭い血の味が微かに口内に広がった。多少毒や痛みに耐性のある自分ですらこうなのだから、常人であれば一発で意識が飛んでいたかもしれない。「ぐ、──ぁ。…っ、お前は、加虐趣味でもあるのか? つくづく救いようのない…。」無様に悲鳴をあげる事こそなかったものの、抑えきれなかった呻き声が漏れる。敵意を一切隠さずに減らず口を叩き、ゆっくりと乱れた呼吸を整えれば「お前を始末する時は、わざと下手に殺してやる。」なんて冗談か否かはかりかねる恨み言を吐いて。ターゲットを始末する上で、対象の考えを読めるようになるのは当然良い事である。それなのに全く喜べないどころか却って嬉しくないと感じるのは、やはり相手が彼だからなのだろう。「振り回すにしても、もっと他に方法は無かったのか。嫌いになるぞ?」いずれ葬り去る事が確定しているターゲットに対して好きも嫌いもないのだが、仮にも自分に好きだの愛してるだのと言ってくる相手にこう言えば、少しは突拍子もない行動を防げるだろうか。と特に深く考える事もなく返事して。そうして随分といつもの調子を取り戻してきた頃。相手が手を差し出すと共に甘い声で述べた言葉に目を見張る。自分が両親や主人にすらひた隠しにしている部分に、彼は気が付いている。ひゅ、と息を呑む音が聞こえたと思えば、いつの間にか席を立ち相手から離れようとしていて。頑丈な箱に封じ込め長年見て見ぬ振りをしてきた己の弱さ。それを今表面に出されたら、きっと自分は駄目になってしまう。これより先に踏み込ませてはいけないと初めて相手と顔を合わせた時以上に警戒を強めればしっかりと相手を見据え。「…断る。俺達の本来の関係を忘れるな。」きっぱり言い切ったつもりだが、少し声が震えてしまっていたかもしれない。常に冷静でいたいのに、相手の前ではいつも感情がわかりやすく表に出てきてしまう。それはきっと奔放な彼の性格に引き摺られているからに違いなく、まったく忌々しい限りである。一歩後退る毎に足裏全体で硝子の破片を踏んだような痛みが走るが、とにかく少しでも相手と距離を置きたくて、そんな事は気にしていられなかった。「あの人の邪魔者を始末し続ける事が、俺の使命なんだ。殺しだってもう慣れた。苦しくなんてない。あの人は何も悪くない。…俺は自由だし、今が一番幸せなんだ。」そう、いつだって主人は己の行動原理であり、まさに生きる理由なのだ。もし始末屋として暗躍する、という己の存在意義を奪われてしまったら、その時自分は一体どうなってしまうのか。恐ろしくて想像すらしたくない。相手の言葉に答えるためではなく、自分に言い聞かせるため、暗示をかけるようにひとつひとつ丁寧に言葉を紡いで。)



  • No.52 by 福田 蛍  2018-05-21 22:25:53 

(皮肉を含んだ言葉を吐いていた彼が、突然の痛みに耐えず苦しげな呻き声をあげる。そんな風景を堪能しながら食事を進めていく、まるで彼の姿を余興として楽しむかのように、淡々と食事を済ませていけば残りのワインを一気に飲み干し、再び彼へと目線を戻して「加虐趣味…やだな、好きな子は虐めたくなる。愛しすぎる故の行動だよ。」苦しそうに息を漏らす彼は、必死に痛みに耐えている。ギリ、と唇を固く強く噛む相手は、自身に情けない所を見せたくないが為か、それとも隙を見せないためか…バスルームでの出来事の時も、彼は痛みに耐える為に唇をよく噛んでいた。じわりと、血の滲んでいる唇へと手を伸ばせば、相手の口を無理やりこじ開けるように親指を捻りこみ、「…血が滲んでる。傷になってしまうよ?」ツツ、と血の滲んでいる部分を謎れば、グチャりと軽く口内を、掻き混ぜるように指を動かしていく、相手の噛んでいた力が弱まったのを確認し、ゆっくりと離す。銀の糸を引いている自身の指と相手の唇を交互に見渡し、敵意の剥き出しになっている彼の瞳に、密かに欲情の感情を募らせて。「───僕を殺す時は、うんと痛くして。死んでも君の事を思い続けれるように…ね。」冗談か、真かはどちらでもいい。だが、この上記の言葉は自身の本心であった、唯でさえ痛みに鈍感なのだ自身の最後を彼に託すのなら其れぐらいはして欲しい。そんな正気ではない思考だが、とっくの昔に自身の頭のネジは何本か飛んでいってしまっている。普段の何気ない笑顔のまま相手へと微笑んでは、「他の方法だと、刺激が足りないと思ってね。…君だって、味気のないサプライズは、面白くないだろう?」同意を求めるような視線を相手へ送れば、一つの言葉に眉を潜める。「………嫌いになる?」会話の中で、自然と溶け込むかのように発せられたその言葉は、決して聞き漏らさず自身の耳へと届いた。彼にとっては、何気なく零した言葉だとしても、自分にとっては心の片隅にチクリと刺さった針の様な感覚。普段の雰囲気を取り戻し始めた相手に、複雑な表情のまま上記の台詞を呟いて。聞かなかった事にしてあげる…と言わんばかりに、只只影のある笑顔を貼り付け。ふと、相手の周りの雰囲気が一変した。焦りが感じられる表情を浮かべている彼は、自身の告げた言葉から逃げるかの様に席を立った。ジリジリと一歩づつ後退していく彼は、何かに強く怯えている様にも見えてしまう。矢張り、彼にとって身内に関する話はタブーだったようだ、先程と打って変わって困惑を顕にする相手のに落ち着くよう促しては、「まだ、食事の途中じゃないか、ほら座って。」元座っていた席を指さしながら、口調は優しく。まだ、薬の効果は消えてはいない、痛みだってある筈の彼がここまでして動いたのは、きっとさっきの言葉に少しでも当てはまってしまっている事実が有るからに違いない、それを自身から誤魔化す様に向けられた敵意に、きっと認める事を恐れているのだろう。幼い頃から重い宿命を背負ってしまっていた彼は、自然に自身の奥へと眠る感情に蓋をしてしまっていたに違いない。他人に踏み入れる事を決して許したことの無い、そんな場所に敵である自分が現れ、酷く取り乱してしまっていた。「今が一番幸せ…僕にはそうは見えないな。人を殺す事自体に慣れたとしても、君のその罪悪感は、決して消えるものじゃない。」鋭い目線を相手へと向ければ、冷たく突き放すような冷たい声色で、自身に暗示を掛けるように言葉を紡ぐ相手の口を塞げば、立ち上がって相手の方へ回り込み、本心を全て掻き出させる為に、じっと相手の双方の瞳を覗いて。───僕は、嘘は嫌いなんだよ。)

  • No.53 by 福田 蛍  2018-05-21 22:29:34 

(お帰りなさいませ!!体調が良くなられた様で安心致しました。浮き沈みの激しい気温は、特に体に応えますね、笑。では、また物語を進めていきましょう!こちらこそ、不束者ですがお相手よろしくお願い致します!!))

  • No.54 by 久遠 将之  2018-05-23 00:26:07 




あまり虐めてばかりいると、あとで痛い目を見るからな。
(普段であれば一方的に相手の好きなようにさせる事などないのだが、少なくともあと数分は、反撃したところで自分ばかりがダメージを受けてしまうのは目に見えている。不満を滲ませつつ相手の顔を覗き込むようにしては上記述べ。傷になってしまう、という言葉と裏腹に相手から与えられるのはピリピリとした痛み。そこに微かに甘やかな刺激が混ざれば小さく身を震わせて。まもなく妙な感覚から解放されれば鋭く相手を睨みつけ。「──お前の、せいだろうが…!」そもそも相手が足を踏みつけなければ此方が唇を噛んで耐え忍ぶ必要もなく、苛立った様子でそう返すと眉間に深く皺を刻んで。「…勢い余って呪い殺してくれるなよ。」死んでも想い続ける、とは。うわ言としか思えないような言葉でも、相手が言うとまったく冗談に聞こえないのは何故だろう。そんな彼からの愛を喜ぶ者もいるのだろうが、生憎と自分にとっては悪夢となんら変わりなく、困ったように眉を下げつつ返し。前々から思っていたが、やはり自分と相手の考え方はまるで違うらしい。同意を求めるような視線を黙殺しては「俺は刺激なんて求めていないし、酒に毒を仕込む事をサプライズとは言わん。」と静かに否定して。席に戻るよう促されるが、とても彼の手の届く範囲に戻る気にはなれない。人見知りをする子供のように黙って顔を背けて。もう相手の言葉に揺さぶられるのは御免だと殻の中に心を押し込めようとするも、それを冷たい声が引き留める。いつの間にか近くまで来ていた相手にじっと両目を覗き込まれれば、ほんの一瞬、瞳が揺らいだ。"邪魔者"というのは、何も主人の命を狙う輩だけを指すのではない。ライバル企業の重役から、偶然不破家の秘密を知ってしまっただけの一般市民まで。身分や老若男女に関係なく、主人の華々しい経歴の翳りとなりえる人間は誰だって自分のターゲットとなるのだ。そして、何の罪もない人々すら躊躇わずに殺める事ができてしまうからこそ、仕事中と任務を終えてからの気持ちの落差は日に日に大きくなっていった。突発的な事故や通り魔の被害者など、此方が用意したシナリオ通りに彼等が処理されていくのを見る度に罪悪感は増すばかり。いっそ芯まで非道になりきれたのならどんなに良かったか。そんな風に思う日々が辛くなかったと言えば、嘘になるけれど。「…嘘じゃ、ない。」現状が一番幸福であるというのも、また嘘偽りのない事実だった。主人の役に立つ事。それ以上に喜びを感じる事柄を自分は知らないのだから、今以上に幸せな生活など知る由もないのである。やや相手の雰囲気に気圧されながらも、目線は逸らさずに真正面から答えて。「__それに、仮に俺が苦しんでいたとしても、当然の報いだろう。それだけの罪を犯してきたんだ。責任を持って、最期まで苦しむべきだ。」つらつらと溢れ出るのは、紛れもない素直な自分の気持ち。相手はさも自分が被害者であるかのように扱うけれど、自分はれっきとした加害者だ。敵同士という関係であることや、個人的に抱いている彼への苦手意識を差し引いても、相手の誘いを受ける事はできない。自分の意思で人を殺めておきながら辛くなったからといって途中で逃げ出したり、誰かに助けを求めようとするなんて、最も身勝手で許されない事なのだから。もう俺の事は放っておいてくれ、と最後に一言付け加えれば苦しげに表情を歪め。)



  • No.55 by 福田 蛍  2018-05-23 21:31:13 

アハハ、何のことかな〜(ケタケタと品の全くない笑いを一つ。わざとらしい口振りに冗談めかした言葉を紡いで、自身のせいだと睨み付けるような目線から逃れるべくふいに空中へと自分の目線を逃す。苛立った様子の相手に、どうどうと落ち着かせるような身振りで相手へと向き直れば眉間に寄った皺をぐりぐりと人差し指の腹で、伸ばそうと触ってみたりして。まったく普段の彼らしい状態へと戻った相手に、もう余興はお終いだな…と名残惜しそうに又少し嬉しそうになんとも言えない微笑みを零して。「どちらかと言うと、幽霊になって君の家に住み着いたりしたいかな!夜な夜な化けて出てきてあげるよ。」さも心底楽しそうに上記を述べれば、自身が死んだ後もきっとこの世に未練がある限り留まることが出来るのかもしれない。そんな非現実的な事ながら、密かに真剣に考えてしまうのは、彼へと信仰的な愛情故のものなのか…死んでも尚彼と共に過ごせるのであれば本当に死すらも、恐ることの無く受け入れられるそんな謎の自信を抱えながらも、相手へと語りかけ「…それは残念。折角君の為に原液を使用したと言うのに。まぁ、効果はそう長くは続かないけどね…。」残念そうに肩を竦めるその様子は、言葉と裏腹に呑気なもので。毒で無かったとしても、劇薬それに原液を使用したとなると、もしかしたら相手が死んでしまっていた可能性も決してゼロでは無かったのだ。そんなサイコパス的な思考でも自分なりの愛情であり、始末屋である彼にしか受け入れられない重く、ドロドロとした感情の表れでもあった。それはを、サラリとした爽やかな雰囲気の笑顔のまんまで全て伝えた後、先程の豹変した表情で目の前の相手を静かに見つめていた。少し間のあった返答に、きっと疚しいことでもあるのだろう、案外素直な態度を隠しきれていない相手に、そっと耳元で「当然の報いだったとしても、愛する人の力になりたいと思うのが当然だと思うけどな。それでも、君が其れを自身の罰として受け入れるなら僕も君と共に粛清を受けよう。きっと僕の方が将之君よりも罪を犯しているし、人としても最低だと思うしね。」自傷気味な微笑みで、少し悲しそうに述べた上記は、自身の本心であった。幼い頃から殺しという行為に、両手を染め上げて、来る日も来る日も血を浴び続けた自身は、死のみでは償いきれない罰を背負っていることだろう。そんな自分でも、愛する人のために苦しみを分かち合うぐらいの事は、出来る筈だと相手を見詰めて。)

  • No.56 by 久遠 将之  2018-05-25 12:39:35 




(少しは反省しろとも思うのだが、この程度の事でこれ以上怒るのも大人気ないようで気が引ける。ひらりひらりと躱してみせる掴み所のない相手にもどかしさを感じていれば、不意に彼の手が此方に向かって伸びて。「何を──…。こら、やめろ。」何をする気だ、と問いかける前に触れた指が眉間をほぐすように動くとぱちりと目を瞬かせ。自分が本気で怒らないとわかっているからこその、ある程度は計算された行動なのだろうが、まるで自由な子供や猫を相手しているような気になればなんだか毒気を抜かれてしまった。彼を猫に例えるのはこれで二度目だと他人事のように思いつつ相手の手を握ればやめさせようとし。「もしそうなったら、眠っている間に刺客が来ないか見張っていてもらうか。」殺した人間が化けて出るなんて縁起でもない話だがまさか相手が真剣に考えているとは思わず、そんな軽口を叩いて。幽霊になった相手を前にのんきに眠れるとは思えないが、と心の中で付け足しては腕を組みつつ緩やかに口角を上げ。ふと、先程までのように動いても鋭い痛みを感じなくなっている事に気が付く。短い時間が随分長く感じたが、効果が薄れてきたのだとわかれば密かに安堵して。「殺意があるならまだしも、戯れに俺の命を危険に晒すのはやめろ。もし俺が死んだら誰がお前を殺すんだ。」無論易々と仕留められるつもりなど無いがそう言うと、気が抜けたからかすっかり忘れていた空腹感が顔を出し。作ってもらったものを無駄にするのも忍びなく漸く食器を手に取っては、ピタリと手を止め。果たして料理にも何か混ぜられている可能性が全く無いと言い切れるだろうか。二度も同じ手に引っ掛かりたくはないし、何より相手が用いた薬によってはあと一口で致死量に達してしまう恐れもある。「__ほら、口を開けてみろ。」少し痺れが残っており普段と比べればややぎこちない動作であるものの、問題なくフォークを回しパスタを絡めればもう片方の手を下に添えつつ相手の口元へ運んで。取り敢えず毒味をさせてみようと。「…俺以外の誰かが相手だったなら、そういう道もあっただろうな。」相手の言うことも理解できる。痛みや苦しみを誰かと分かち合う事で救われる人間も確かに居るだろう。しかし、自分はどうしても己の弱い部分を認めるわけにはいかないのだ。一度でも人を殺めるのが辛いと口に出してしまえば、きっと今まで通りには仕事もできなくなるだろう。そして組織の中で役立たなくなった駒がどうなるかなど、もはや言うまでもない。今はまだ主人への忠誠心を捨ててまで相手について行こうとは到底思えず、ばつが悪そうに視線を彷徨わせては再び救いの手を拒み。相手との関係や相手に抱く感情がもう少し違っていたのなら、自分の答えも変わっていたのだろうか。なんて、ほんの少し可能性に思いを馳せてみたものの、すぐに馬鹿馬鹿しいと首を振れば幾らか落ち着いた様子で。)
悪いが、俺はあの人の傍に居たいんだ。本当に俺の力になりたいなら、さっき言った通り俺の事は放っておいてくれ。



  • No.57 by 福田 蛍  2018-05-27 04:34:33 

(不意に眉間を筒井ていた手を握られた。それと同時にやめろ、と言われ渋々辞める自分では無い。もう反対の手でまたもや眉間を軽く押せばなんだか面白くなって来て、クスクスと笑みを浮かべて。「ごめん、ごめん。」まるでじゃれ合う恋人通しの様なこの状況に嬉しくなって、嫌がっている彼に再度確かめる様に「…ねぇ、好きだよ。」となんの前触れのもなく伝えて。傍から見ればほんとに普通の恋人同士の様な今の子の流れ。でも、暗殺者と始末屋という組み合わせは、世間一般のカップルとは程遠い。そんな危険な二人の間にもほのぼのとしたこの時間は大切にしたいと思いながら。「そうだね…、君以外の人間に殺されるなんて真っ平御免だよ。うん…うん、そうだね………ごめんなさい。」(相手の言葉に何故か安堵感を覚えた。今迄の会話で彼からの愛情など、微塵も感じる事が無かったが[誰がお前を殺すんだ。]と一言で安心した。ましてや、一方的な愛し方に毒まで持った自分の事など拒絶するに違いない…と思っていたが、まだ相手は、自分の事を殺そうとしてくれている。自分にとって、殺しとは愛情表現の1種であると思ってしまっているのだ。死と愛は紙のような薄い区切りの中で、裏と表、陰と陽の様に重なっていてたったほんの少しの出来事で…強く引き寄せれてしまう。そんな儚くも、尊いこの2つが自身にとっての最高の愛情表現であり、自分の最高の死に際でもあるのだ。上記の台詞で最後に述べた謝罪の言葉は、嘘偽りの無いもので呆気なく下げられた頭と共に発せられた。すぐさま上げた表情は、まるで主人を心配する犬の様な表情でクーンと寂しげな鳴き声が聞こえて来てしまいそうな、そんな顔で暫し相手を見つめた。猫だの犬だの様々な動物に例えてしまう自分に少し楽しささえも覚えてしまい…。)
「あーん…。」突如向けられたフォークになんの躊躇いもなくかぶりつく。彼からあーんされた嬉しさにほんのり頬を赤くしながらもモグモグと咀嚼し数回噛み砕けばごくりと飲み込んで。きっと、警戒して食えなかったためさしずめ毒味かなにかだろう。相手の行動の真理を考えながら、飲み込んだ後何事もなくニッコリと微笑んで言葉には出さないが、それは毒の入っていないことを示していた。「俺以外の相手?…、馬鹿言わないでよ、君以外の相手なんかと一緒になる気なんてさらさらないし、君じゃないと意味がないんだ。」すこし強めの口調で、眉間に寄った皺は先程の彼のようで。相手が、こうも頑なに自身を受け入れないのは、彼の弱く、ひた隠しにしている部分を自身でも受け入れきれていないから。もしかすると受入れる事さえも拒否しているかもしれない相手に、頑固だな。と内心思いながらもそらが彼のこの凛とした誰も近づけさせない強みを形成している一つなのだろう。さして、相手が使い物にならなくなれば、彼の後ろに付いているその組織が彼を無事生かしておく、とも考えにくい。今彼の中での均衡を崩す事はしない方が利口な判断だと確定してこれ以上は、言わずただ自身の手を拒むその手を追うようにして優しく掴めば、手の甲に軽く唇を押し当て、お伽噺の話の王子の様な一連の流れをした後ただ優しくいつも通り、そう何時とも変わらない笑顔を向ければ)
────分かったよ。でも、僕はなかなか執拗い質でね。君が、振り向いてくれるまでこうやって愛を囁き続けるさ。……君が助けを求めるその時までね。

  • No.58 by 久遠 将之  2018-05-30 03:33:12 




(何故か楽しげな相手に怒りよりも疲労感が少しずつ積み重なっていく中、ふとした瞬間にまるで見計らったかのように互いの視線が搗ち合った。またもや真っ直ぐに、しかし前触れもなく告げられた言葉はそれを発した相手が天敵とも言える彼であるという事をふまえても此方の心を揺さぶるに充分なもので、不覚にもじわりと体が熱くなる。まさか髪から覗く両耳がインクを垂らしたように赤く染まっているとは夢にも思わぬまま、動揺を悟られまいと慌てて平然とした顔を作って。「そんな事、今更言われるまでもない。それより早く手を離せ。」素っ気なく返した言葉も解きほぐしてみれば相手から注がれている愛情が演技ではなく本物であると受け止め始めた証。とはいえ、気持ちをきちんと受け取ったからといってそれに応えるかどうかはまた別の話であり、あくまで可愛げのない冷淡な態度を貫いて。あっさりと頭を下げる相手に拍子抜けしたように目を瞬かせていれば、とても暗殺者などという肩書きを持つ人間がするものではない弱々しい表情で見つめられる。叱られた子犬を思わせるその様子に、胸の奥をぎゅう、と鷲掴みにされたような息苦しさを感じれば言葉を詰まらせた。いつも飄々とした部分をよく見るからか、相手にしおらしくされてしまうと調子が狂う。加えて子供だとか犬猫だとか、もとよりそういった類のものに自分は滅法弱いのだ。仕方がないと言うように深くため息をつくと相手へ左手を伸ばし。「__ああもう、そんな顔をするんじゃない。お前だって一端の暗殺者だろう。」昔ながらの堅苦しい父親の如き台詞を述べては、わしゃわしゃと相手の黒髪を乱すように不器用なりに頭を撫でる。「反省したならもういい。」いつもよりも心做しか柔らかい口調でそう言って最後にぽんぽん、と頭の上で軽く手を弾ませれば相手から手を離し。彼の顔を直視しないよう気まずそうに視線を横にスライドさせて。一口食べさせてみればもぐもぐと咀嚼しながらも仄かに頬を染め、どこか嬉しそうな表情を見せる相手。今の一連の流れのどこに喜ぶ要素があったのかと小首を傾げるも、相手の様子からどうやら自分が食べても問題無いらしい事がわかれば続けて一口分麺を巻き取って。いただきます、と呟くように唇を動かすと控えめに口を開き。少し時間を置いても味は損なわれておらず、よくバランスの取れたメニューからも相手が料理上手であることが窺える。もしかすると、時折無精して食事を抜くような自分よりもずっと料理慣れしているのではないだろうか。咀嚼を終えゆっくりと飲み下せば「美味しい。」と、ただ一言素直に感想を伝えて。さながら童話に登場する王子のように恭しく自分の手に口付ける相手に当然驚きはしたものの、今はそれよりも相手が例え一時的にでも諦めてくれたことで得た安心感の方が大きく。まさか自分が相手に全く同じように思われているとも知らず困ったように、けれど隠しきれない安堵が滲んだ微笑を浮かべては。)
…頑固だな、お前も。



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