緋色の研究 / 〆 

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助手  2018-05-23 21:25:11 
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ベーカー街221B



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  • No.241 by John Watson  2018-07-29 00:17:14 



だいたい、何が悲しくて海なんかに行かなきゃならないんだ。海なんて絶対に行かない、何があってもだ。女は海って言っておけばロマンチックだと思ってるんだ──あのポテトは時間が経ち過ぎてしなしなだったし、塩気も無くてパサパサしてた。
(彼が下らない昔の話を持ち出してくれたことで、だいぶ気持ちが落ち着いたようだった。今は上がってくる水嵩のことなんて考えなくて良い、彼と昔の馬鹿げた思い出話に浸っていよう。そう、海に行きたいと彼女が言い出した時、自分はあからさまに嫌な顔をしたし、結局その喧嘩が原因で別れたのだ。たしかにあのポテトはお世辞にも美味しいとは言えなかった、それを思い出して少し笑った。彼は驚異的なスピードで爆弾にまつわる謎を次々と解いていた。赤い文字盤に言われた数字を復唱しながら、間違いの無いように打ち込み、残るランプは1つになった。同時に肩の位置まで上がった水によって足が地面から離れ、ぞわりと背筋が凍るような気がした。彼のお陰で気を紛らわせていたのに、恐怖が勝って呼吸の仕方を忘れてしまいそうで、眉を顰めた。その上全身ずぶ濡れで冷え切った身体が一層呼吸を震わせて苦しかった。足が地面を離れたのに悲鳴をあげて取り乱さずに済んだのは、彼のお陰だろう。自分から声を出すことは出来なかったが、息を吸って吐いて、彼がやって来るのをじっと待とうと心に決めた。水から出ている両手にはしっかりと箱を抱えて。)

  • No.242 by Sherlock Holmes  2018-07-29 01:05:33 


様式美ってやつだろう。恋に焦がれる奴ほど「お決まり」のことをしたがる。その件については朗報があるぞ、先日そのポテト屋は潰れてケバブ屋ができていた。今度食べに行くか?

『おいおいおしゃべりなんかしてる場合か?もう水がワトソン先生の肩まで来てるんだぜ?ついでに爆弾のタイマーもいい時間まで来てる。安心しろよ先生、その爆弾は水に濡れてもちゃんと爆発するよう作ってあるんだ。残念だなぁ、もしこの水槽のガラスがもっと薄かったら爆発でガラスを吹き飛ばせたのに。このままだとワトソン先生は爆弾を抱えて溺死したあとにタイムリミットで水中バラバラ死体の運命を辿りそうだな』

(ジョンはこちらの無駄話に乗ってきて、いつもの調子を少し取り戻したようだ。イヤホンの向こうでジョンが笑うのが聞こえる、その声にこちらも安堵の笑みを浮かべた。寒さに震え恐怖に押しつぶされそうになっているものの、今までよりも平時に近い声を聞けば自分の心も冷静になっていく。全速力で4階のメインコーナー、イルカショーエリアに向かう。走って体は熱くなってくるが、まるでそこだけ冷やされているように頭は澄んでいる。もう少しでジョンを救うことができる。
だがそれをよしとしない男がいた。エドワード・ピアースだ。エドワードはわざとジョンの現状を言葉にして突きつけ、さらには溺死の未来をジョンとシャーロックに刷り込んでいく。シャーロックは爆弾魔の声をを振り払うように1度目を強く閉じて再び開いた。溺死にしろ爆死にしろ、ジョンのタイムリミットは迫っていた)
6…28…496…完全数!ジョン!紫の解除コードは8128だ!

  • No.243 by John Watson  2018-07-29 01:29:59 



(寒くて堪らない、しかしシャーロックが最後の数字を叫んだのを聞いた。持っていた黒い箱を手から滑らせないようにしながら、最後の紫の文字盤に言われた数字を打ち込んだ。爆弾のランプの点灯が消えたかを確認する前に、突然水の中に引きずりこまれるような感覚に息を飲んだ。身体に括り付けられた鎖の長さが足りず、これ以上上に浮かぶ事が出来なくなったのだった。水槽の底に固定された鎖はピンと張り水の上に顔を出している事さえ許さないとでも言うかのように自分の身体を離さない。これ以上水が増えたら本当に溺死してしまう。もし仮に数字が間違っていたら、あと数分で爆発するであろう黒い箱は、その点灯が消えたことを確かめないままにその手から離れ、その重みで水槽の底に沈んだ。しかし爆弾が爆発することはないだろうという確信があった。思いがけず鎖に引き戻されたことで大量の水を飲み込み、ゴボリ、と水と空気とが音を立てた。あまりに長く冷たい空気と水に晒され、もう身体の感覚もない。シャーロック、と彼の名を呼んだ声も水の音に阻害され、ただ懸命に水面に顔を出し空気を取り込もうと足掻く。幼い頃の記憶がフラッシュバックして、息継ぎが不規則になった。シャーロック、早く、早く来てくれ。かつてない程の恐怖にさらされ、今すぐにでも彼の体温を感じない事には壊れてしまいそうだったし、本当に溺れてしまうと思った。)

  • No.244 by Sherlock Holmes  2018-07-29 02:00:43 


『おぅおぅ最後の回答まで出揃ったか。さぁホームズ、残る問題は1問だ。ワトソン先生はどこにいる?』

そんなの簡単だ。冷たい水が必要でそこまで大きくない水槽、さらに分厚いアクリル板が使われている水槽はひとつ。希望はパンドラの箱の1番奥底だ
(4つ目の問題を解いたと同時にシャーロックは最後の問題へと思考を働かせていた。そして次の瞬間には答えを得て、同時にまた走り出す。目指すは深海魚の水槽だ。希望はパンドラの箱の1番奥底、水族館の中で1番奥底を展示しているのはジョンが閉じ込められた深海魚の水槽だ。深海魚のコーナーにたどり着くと同時にジョンの名を叫ぶ。ジョンは推理通り深海魚の水槽の中にいて、鎖に繋がれ今にも溺れそうになっている。ジョンに死が迫っているのをまざまざと見せつけられて、全身が震えた。ジョンを失ってしまう、もうあの声も目も手も自分のもとに帰ってこないなんて、そんなことは耐えられない。こちらをニヤけた口元で見つめるエドワードに詰め寄ると襟首を掴んで激しく揺さぶる。だがエドワードはそうやって取り乱す探偵をただ嘲笑うだけだった)

爆弾は解除した!早くジョンを解放しろ!あの錠を開ける鍵はどこにある!

『おい、乱暴なことするなよ。それはお前のやり方じゃないだろ、ホームズ。鍵か。鍵はそうだな…この水族館のどこかだ。俺に構ってる場合か?お前の希望が消えるぞ、早く探してこいよ』
(シャーロックは奥歯を噛み締めるとエドワードを乱暴に解放した。ケタケタ不快な笑いを発しながら目的は達成したとエドワードはその場を去っていく。鍵の場所を言わないままに。シャーロックはジョンの方に振り返る。どうやって助ける、今更この場を離れることはできない。爆弾を使ってアクリル板を壊すこともできない。鎖は水槽の底に固定されている。あの爆弾魔は自分が勝つ方法もあると言っていた。それはなんだ、ジョンを救い出す方法はなんだ。ジョンの体に巻きついた鎖はピンとはられジョンを水中に引きずり込もうとしている。ジョンのすぐ下には黒い箱があり、もう爆弾のタイマーは止まっていた。そこで爆弾魔のある発言を思い出す。そしてそこから全ては繋がった)

希望は絶望を撒き散らした後の箱の底…爆弾の中に鍵があるのか。ジョン大きく息を吸え!
(エドワードは初めから「パンドラの箱」という言葉にこだわっていた。それがあの爆弾のテーマなのだろう。エドワードがシャーロックの勝利、すなわちジョンの救出の道を残すとしたらパンドラの箱を開けなければ、すなわち爆弾を作動させなければならないのだ。最初にジョンの口から依頼させた通りに。周囲に目を走らせバックヤードに繋がる扉を見つけ、すぐさまその中へと飛び込んだ。通路を駆け抜けながらレストレードに連絡を入れる。水族館に来る前に周囲に待機するよう呼んでおいたのだ。もうジョンの口が水に浸かるのは時間の問題だ。泳げないジョンが水中に留まれる時間は人より短いだろう。)

  • No.245 by John Watson  2018-07-29 02:33:25 



(溺れかけながらも、2人のやり取りははっきりと水槽の中に響いていた。水の占める割合が高くなっているせいで、反響は小さくなったが、音はクリアだった。パンドラの箱、自分が彼に電話を掛けた時に口にしたそれがあの爆弾のことだなんて思いもしなかった。そしてその箱は水の中、水槽の底に沈んでいる。あれを取るにはどう考えても水に潜る以外に方法はない。今の状況とは違い思考は冷静でやるべきことを順序立てて考えることができていたが、意識が朦朧としつつもあった。水を飲み込む頻度が増えている、水がいよいよ口を覆おうとしているのだ。彼はレストレードの名前を呼んだ、その緊迫した声を聞いて少しだけ笑った。この探偵は本当に用意の良い、勘の冴える男なのだ。これが、自分がこの世で一番信頼を寄せる、愛すべき男なのだ。そして、こちらの勝ちを確信した。息を吸え、と彼は叫んだ。水槽の中に潜るなんて真っ平御免だった。そもそも既に体力はゼロに近かったし、トラウマを引き出され逃れられない状況で恐怖のバロメーターは振り切れてしまっていた。しかし、彼さえ居れば仕方ない、やってやろう、という気になるのだ。「絶対に嫌だ、」と浅い息で答えたが、その言葉とは裏腹に覚悟を決めていた。これで死ぬのならそれは仕方がない、水面に顔を出していたって数分足らずで溺れるだろう。何で自分がこんな目に遭うのか、と一瞬考えたがどう考えても探偵のせいで、しかし探偵に出逢わなければ良かったとは、1mm足りとも思わないのだった。そう、探偵はそういう奴なのだ。すぐに厄介ごとを持ち込んで、自分を巻き込む。そういう、仕方のない奴なのだ。呆れたように少しだけ笑って、大きく息を吸い込んだ。)
──本当に、仕方のない奴だな、君は。

  • No.246 by Sherlock Holmes  2018-07-29 03:10:16 


(通路を駆け抜けジョンが閉じ込められた水槽を見つける。そこから頭はフル回転した。ジョンを救い出す手立てを構築しながら、同時にジャケットと靴を脱ぎ捨て水を水槽へと送り出しているポンプを止める。そして出入り用の蓋を開けた。途端に冷たい冷気が立ち上ってきて、それはシャーロックが水槽内に入るのを拒むようだ。だがシャーロックは一切躊躇することなく水派手に水しぶきをあげながら槽の中へと飛び込んだ。水は冷たいを通り越して体に痛みを与え、全身は強ばり締め付けられているようだ。しかし水中で目をあけ、その瞳にジョン・ワトソンを映した時、シャーロックの体は自由を取り戻す。ようやくここまでたどり着いた。ジョンは先程の指示通り息を止めて水中に潜っている。水を飲むよりかは幾分かマシだろう。それにこれからやることを考えれば水に潜っておいて貰わなければ困る。
飛び込んだ勢いのまま水槽の底へと泳ぐとパンドラの箱、爆弾を手に取った。エドワードが特殊仕様といって用意した「押せば5秒後に爆発するボタン」普通爆弾にそんなものは必要ない。おそらくこれが愉快犯であるエドワードがシャーロックの勝ちのために施した細工なのだろう。1度水面に出ると躊躇わずそのボタンを押し、爆弾を水槽の隅へと投げつけた。そしてすぐにジョンのもとに向かい、彼を守るように抱きかかえる。爆弾は水面下に沈み、やがて大きな水しぶきと共に爆発する。だが水で爆発の勢いを殺され、爆弾は水槽内の水を派手に揺らすだけに終わった。爆弾の破片が水中に離散しシャーロックの脇腹を掠めて切り傷を作ると、冷たい水が傷口に触れ痛覚を刺激している。だがここで怯んでいる場合ではない。ジョンに残された時間は少ないのだ。
水面に顔を出し周囲を見回すと目的のものを探す。必ずあるはずだ、パンドラの箱に残された最後の希望、爆弾の中に封じられた錠を開ける鍵が。波間に揺れる爆弾の破片の中で、ひとつ奇妙なものを見つける。それは円筒状をしていて、鍵を入れるにはぴったりのサイズだ。手を伸ばしてそれを掴む。冷たい水に浸かってすでに体は冷えきっており、手が震えていたが、なんとかかじかむ手で円筒を掴むと思いっきり捻る。開いた、という確かな感触があった。中から出てきたのは小さな鍵。最後の希望、ジョンに繋がれた鎖を解く鍵だ。肺に息を吸い込みジョンのもとへと潜る。再びジョンを抱きかかえると背中側の錠に鍵を差し込んで拘束を解いた。ジョンの体に巻きついた鎖を払いジョンを抱えて必死に足をばたつかせる。そしてついに、ジョンを水面上へと引っ張りあげた)
ジョン!しっかりしろジョン!返事をしろ!

  • No.247 by John Watson  2018-07-29 08:28:39 



(息を止めて水に潜る、それだけの行為だったが背中が粟立つ。身体が嫌だと暴れ出しそうになるのをなんとか抑えるが、長くは持たなそうだった。目を閉じているせいで彼の動きは分からなかったが、やがて激しい揺れと共に爆発の衝撃があった。しかしその時点で既に潜っていられる時間は限界に近く、ゴボ、と水の中で空気の泡を吐き出した。冷え切った身体には力が入らなかったし、酸素が無くなって意識は閉じかけようとしていた。その身体を引き上げる者があった、確かな温度を持った彼の手が腕を引き、鎖を解いて水面へと押し上げられる。しかし呼びかけに答えることができなかった、水が気道に詰まっているような息苦しさがあり彼の声が酷く遠くに聞こえていた。やがてひゅ、と喉を空気が通る音がして咳き込むのと同時に肺が酸素に満たされるのを感じた。終わったのだと理解しながらも、身も心も疲れきっていて、ぐったりと彼の肩に身体を預けた。何だかそのまま眠ってしまいそうだった。身体は低体温症を引き起こしそうなほどに冷え切り、その唇にも色はない。ただ自分を抱きかかえる彼の体温を感じて、微かに声を漏らした。)
──…シャー、ロック…

  • No.248 by Sherlock Holmes  2018-07-29 10:28:48 


__ジョンっ…意識を飛ばすなよ、ジョン!もう少しだ。もう少しで、僕らの221Bに帰れる!
(長い時間冷たい水に晒され冷えきったジョンの体はそれこそ死体のように冷たく、ジョンの死を感じて息を飲む。が、ジョンはすぐに気道を確保し弱々しく自分の名前を呼んだ。待ちわびたその響きに嬉しさと安堵で思わず腕に力が入り声は震える。だがまだ油断はできない。溺死は免れたがジョンの体は衰弱仕切っている、一刻も早くこの水槽から脱出しなければ。ジョンの体を抱えて出入り用の蓋までたどり着くとジョンを抱え直し、2人の体を一気に水から引き上げた。短い時間とはいえ凍えるような水に浸かっていた体は震え、脇腹の傷からは相変わらず痛みが脳を揺らしている。シャーロックの体はこれ以上動けそうになかった。レストレードに救急車を呼ぶよう指示しておいたのでもうすぐ強面警部と救急隊がここにやってくるはずだ。シャーロックの体は冷たいがそれ以上にジョンの体は冷たく、唇の色は変色して顔色も抜けきっていた。ジョンの体を震える手で抱き寄せる。少しでもジョンの体を温めるためだ。シャーロックの体温がジョンへと移っていく。意識が遠のきそうな冷たさだったが、ジョンがそれで助かるなら構わなかった)
ジョン…すまない。これは僕の因縁なのに…君を巻き込んでしまった……こんなっ、ジョン……僕の、せいだ…

  • No.249 by John Watson  2018-07-29 11:22:50 



──シャーロック、怪我をしてる…痛くないか、?
やっぱり君は、来てくれた──…僕の、世界一の探偵だ。
(水から上がった身体は2人ともびしょ濡れで、濡れ鼠のように震えていた。それでも自分の身体を抱きしめてくれる彼の身体はほのかなぬくもりを自分に移してくれる。スピーカー越しではない、耳元で聞こえる彼の声にひどく安心した。やはり彼は、どんな難題でも解決し、どんな絶望からも自分を救ってくれるのだ。彼に身体を預けたまま、相手の首に腕を回した。彼の体温を全身に感じられることが嬉しくて、未だに身体は震えていたがもう大丈夫だと思った、怖いことはもう何もない。彼のブラウスに血が滲んでいるのを見て、そして彼の身体が震えているのを見て、彼の背を軽く撫でた。彼は責任を感じているのだ、自分を救ってくれたというのに。気に病むことなんて何もないと言い聞かせるように、大丈夫だと優しく彼の背をさすりながら、少しだけ眠ってしまおうと思った。彼の肩に顎を乗せてその体温を感じたまま、目を伏せて。それが彼の言う意識を飛ばす事だとは思わずに、少しだけ彼の肩に掛かる重みが増した。)

  • No.250 by Sherlock Holmes  2018-07-29 11:46:39 


ジョン……今日君が感じた恐怖に比べれば、どうということない。っ、ダメだジョン!眠るな!…___、ジョン、君が眠ろうとする度にキスをする。もうすぐレストレードがくるんだ、水に濡れて抱き合ったままキスしてるところをレストレードに見られたくないだろ?
(ジョンは自分を責めることをせず優しく背中をさすってくれる。それだけで後悔や自責の念は和らいで、ジョンの体をより強く抱きしめた。こんなに酷い姿になってもジョンはシャーロックから離れていかない、その事実が嬉しかった。いつもはジョンの方が体温が高いのに、今その温度は逆転している。ジョンが自分を抱きしめる時はこんな感覚なのだろうかと場違いながら考えた。水槽の表側が騒がしい、スコットランドヤードが到着したのだろう。だが直後首にかかるジョンの腕から力が抜ける。上半身だけ体を離しジョンの顔を見るとジョンは目を伏せ眠ろうとしていた。ダメだ、ここまでこれたのに、ジョンを救えたのに、ジョンがいなくなる結末なんてありえない。ジョンの後頭部を支えると短いキスを落とした。だが唇が離れる際に舌先でジョンの唇をなぞり刺激を加える。ジョンの唇は青く氷のように冷たかったが、キスをする感覚はきちんとジョンに伝わっているだろう。くしくも外でキスはしないという約束は破られてシャーロックはニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる。だが目だけは真剣だった。ジョンを眠らせてはいけない。彼の羞恥心を刺激して起きてもらうことにしよう)

  • No.251 by John Watson  2018-07-29 18:13:57 



…それは、最悪だな…シャーロック、寒い──もっと、背中をさすってくれ…
(不意の口付けに意識が引き戻された。お互いにその唇は冷たいものだったが、ようやく彼を身近に感じる事が出来るそれは酷く心地の良いものだった。しかし続く相手の言葉に、いつものようにあからさまに嫌そうな顔をして薄く目を開けた。シャーロックの作戦は成功と言えるだろう、仕方なく再び開いたそのエメラルド色の瞳が、じっと相手を見つめる。そのまま甘えるように相手の肩口に顔を埋めながら、もっと背中をさすって欲しいとねだった。朦朧としていた意識が少しはっきりしたことで身体の感覚や麻痺していた心が取り戻されてきたのだ。寒くて、もっと深く彼の体温を感じたくて、猫のように彼にしがみついて震えていた。離して欲しく無かった、彼の存在をはっきり感じることができて今になってようやく、麻痺していた怖いという感情が湧き上がって来て彼の腕をきつく掴んだ)

  • No.252 by Sherlock Holmes  2018-07-29 19:30:51 


そうだろ?僕らのキスを見たらドノヴァンもアンダーソンも黙ってないだろうな。…ジョン、君が望むなら、いくらでも。もう大丈夫だジョン、僕はここにいる
(ジョンが先程よりも意識を覚醒させこちらに不服そうな顔を向けると、そのいつも通りの顔に笑みを零す。ジョンは思惑通り意識をその手中に掴んだままでいる、しばらくはジョンが意識を飛ばすことはないだろう。交わされた目線が外れジョンは顔を埋めて背中をさすって欲しいという。ジョンの体はまた小刻みに震えていた。この震えは寒さのせいではない、今自分の身に起きたことをジョンが改めて自覚し始めたのだろう。ジョンのおねだりを断るわけがない。ジョンの頭を腕で包み込み、背中を何度もさする。時折ジョンの額にキスを落としながら震える体を温めるように、そして自分の存在をジョンに知らせるように、何度も優しくジョンの背中に手を滑らせた。だが反対にシャーロックの意識は少しずつぼやけていく。脇腹の傷を止血しないまま濡れた服に赤い血が広がって痛みは体の機能を停止させようとしてくる。きっと自分もジョンと一緒に病院送りだなとうっすら考えながらも、今はただ震えるジョンを抱きしめ彼を安心させることに集中した。バックヤードの遠くの方からバタバタと数人の足音が聞こえてくる。ようやくレストレードが自分達の居場所に気づいたようだ。だが間が悪い、呆れのため息をつきながらジョンを抱きしめたままでいた)

  • No.253 by John Watson  2018-07-29 19:50:03 



…君にも怖い思いをさせた、1人でよく頑張った、ありがとうシャーロック…僕も、君の側から離れたりしないよ。
(背中をさすって貰いながら、彼の耳元でそう囁いた。もちろん自分も怖い思いをしたが、自分を人質に取られて1人で推理を進めた彼だって怖かったはずだ。ほんの僅かな間違いで自分を殺してしまうかもしれないという恐怖が、少なからずあったはずだ。そんな状態の中、彼は1人で自分を救うために必死に戦ってくれたのだ。彼に抱きしめられたまま、その感謝を伝えて約束するように言った、何があっても彼のそばから離れないと。彼の反応が鈍っているのは、あっという間にそのシャツを赤く染めた血のせいだと気付いて、今度は彼の背中をさすってやる。大丈夫だと、病院を怖がる子供をあやす時のように優しく、その背中を撫ぜた。警察の足音が騒がしくなって、ようやくこの水族館から出られると安心した。暖かい布団が恋しかったが、自分たちが搬送される病院が、自分の勤務する大学病院でなければいいと、そんなことを考えて。)

  • No.254 by Sherlock Holmes  2018-07-29 20:28:49 


ジョン…!ジョンっ!ずっと僕の側にいてくれ、ジョン…君がまた窮地に陥ったとしても、必ず僕が助けにいく
(ジョンの言葉でずっと張っていた糸がふわりと緩んだ気がした。自覚は全くしていなかったが、シャーロックだってジョンを失うかもしれない可能性を突きつけられ、緊迫し恐怖しながら走っていた。意識が薄れていたせいかもしれない、顔がくしゃりと緩みまるで子供のような笑顔になる。自分の活躍を褒められた時のような無邪気な反応、その喜びを体いっぱいで表現するようにジョンを強く抱きしめ頬をジョンの額に擦り付けた。背中を撫でるジョンの手が心地いい。もうこんな出来事は二度とごめんだが、ジョンが窮地に立たされた時、ジョンが精神的に弱ってしまった時、ジョンが1人で傷ついている時には必ず側にいると心の中で誓いを立てた)

『シャーロック!ジョン!おい、無事か?!どういう状況なんだ、それ?!』

遅いぞレストレード。僕らを早く病院に…それと、これでエドワード・ピアースを捕まえろ。やつの体にGPS追跡タグをつけた。僕のスマホを使えば奴を追える
(ヤードと救急隊の騒がしい足音はようやく2人のもとにたどり着いた。レストレードがまずは2人の体の心配をするが、次に探偵と助手とがお互いを抱き合っている状況に眉をひそめる。救急隊員が2人を別々の担架に乗せようと準備をするなか、シャーロックはレストレードにスマートフォンを差し出した。水槽前でエドワードに掴みかかった時にこっそり追跡タグを服に取り付けたのだ。エドワードは悠々と逃げたつもりだろうが、捕まるのは時間の問題だろう。ジョンとシャーロックはそれぞれ毛布に巻かれ担架へとのせられる。ジョンと体が離れてしまったことを名残惜しいと思いながら、シャーロックはゆっくりと目を閉じて大人しく救急隊に運ばれていった)

(/お世話になっております!ジョン拐われる事件、とっても楽しくやらせていただきました!途中ジョンが泳げない設定を出していただくことでより状況に緊張感が増して探偵を必死にさせることができました。本当にありがとうございます。先にストーリーの方終わらせる方向に進めてしまったのですが、もしもう少しやりとりしたいことなどありましたら内容変更致しますので遠慮なくおっしゃむて下さい!もしこのままでよろしければ場面転換かなと思うのですが…いかがでしょう?)

  • No.255 by John Watson  2018-07-29 22:52:07 



(いえいえ、こちらこそありがとうございました!非常に緊張感があり、かつ2人の絆を見せつけられた素敵なストーリーでした。急にジョンが泳げない設定を盛り込んだのに対応していただきありがとうございます!ジョンは猫が大好き→そこから猫っぽい面を入れられたらなあという無理矢理な設定ではありましたが、展開に緊張感を持たせることができて良かったです。とても楽しかったです!
ですね、転換かと思いますが次はどうしましょうか…?甘、シリアス、と比較的交互に進んで来ましたが、ここで何か違う感じのを入れてみるのも良いかなと思いつつ、でもジャンルが思いつかず!悩みどころです…)

  • No.256 by Sherlock Holmes  2018-07-29 23:02:43 


(/こちらこそ、とでも楽しかったです!助手様とこんなに楽しくストーリーを作り上げることが出来て幸せです…
違う感じのものですか…どんな雰囲気がいいでしょう?休暇を楽しむ、とかだと甘方面にいっちゃいほうですね…何か非現実的な設定をやったり、とかでしょうか?)

  • No.257 by John Watson  2018-07-29 23:32:43 



(それはこちらの言葉です!いつもお付き合い頂いて本当にありがとうございます!
むむむ、自分で言っておきながら全くジャンルが思いつかず、これ!という例えも浮かばず…完全に思いつきの発言です、すみません!
助手としてのジョンじゃなくて医者としてのジョンをメインに描くとかだと、ちょっと視点が変わって面白いかもしれないですね!これまで探偵が助手の職場に来ることは無かったので、押しかけて来るのなんていかがでしょう?理由は捜査でも、あるいは暇つぶしでも構いませんが例えば突然患者としてやって来る。ジョンはすぐに帰らせようとするもののジョンの担当する診察室に入り浸って、仕事姿を眺めたりちょっかいを掛けたりして、気付かれたくないジョンと楽しくてしょうがないシャーロックというような!)

  • No.258 by Sherlock Holmes  2018-07-29 23:42:48 


(/おおおなるほどそれは面白そうですね!医者としてのジョンは今までになかった面ですし、ぜひやってみたいです!
では先日おっしゃっていた感じでジョンが数日間連勤で221Bに帰ってこず痺れを切らしたシャーロックが患者としてやってくる、という流れでいかがでしょう?)

  • No.259 by John Watson  2018-07-29 23:58:52 



(良かったです!その設定が良さそうですね。前提として、ジョンは休んでいる医師の代わりとして、急遽夜勤も込みの数日間泊まり込み勤務を頼まれてしまいしばらく家に戻れない忙しい状況。メッセージもなかなか返事が来ない、というような想定でいきたいと思います。
数日間会えず疲れている所に2人きりになって、珍しく自分から探偵を襲う助手とかも良いですね!)

  • No.260 by Sherlock Holmes  2018-07-30 00:16:49 


(/分かりました!助手のスマホに大量のテキストが溜まっていそうな状況ですね笑 探偵も久々に会えて上機嫌にちょっかいかけそうです。その状況で助手に襲われて戸惑う探偵もいいですね…!楽しみにしております!
開始ロルはどちらからにしましょうか?先に患者として探偵を行かせましょうか…?)

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