蟲 2016-11-26 12:01:37 |
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>千鶴
(揺り籠で守られるか如く、蟲卵の中とは居心地が良くて敵わない。優しく暖かく、それでいて生涯を終える気にならない退屈を与えるのだ。蟲卵の中で成長する体は背を丸める体制に痛みを帯び、そうなる事が必然であると語るかのごとく腕が伸びる。グイと押しやる手の平では殻が割れない、ごん…がん…と地響きのように音は次第に大きくなりそしていよいよ、偶然にも彼が手を伸ばしたその時に手の平ほどの穴が開く。その隙間から入る空気が少し冷たくて今が冬に足を踏み入れた季節と思い知る、冷たい酸素を肺に落とすと途端に飢えを覚えてしまうから蟲と言う存在は余り良い物じゃないなと孵化したての働かない頭で考えを描いた。パキパキと爪先で殻の穴を広げて行き、ぬちゃりと粘液を纏い月明かりにてらてらと身体を光らせて急ぐことなくゆっくりとその身を殻から覗かせて。瞑っていた瞳を開くのはほんの一瞬、直ぐにその両目を吊り上げるように細め上げると「招チャン、お腹すいた」開口一番にその言葉、それに合わせて開かれる口の歯はギザギザと鮫の如く鋭くてガチンとその歯を鳴らす。「招チャンお腹すいたから、何か食べる」_浮かべる表情は化物、そう呼ばれる由縁宛らに気味悪くにんまり笑顔。殻から上半身ばかりが出る様な体制でぺろり、と舌なめずりを行って。纏う空気は警戒心交じり、まるで狩りに出るそのタイミングを間違えないように慎重に図っているようでもあり同じ部屋にいる彼の動向を逃さぬように探り、ずるり…いよいよ殻からその身体を取り出して)
(/先に出ておりますロルテに絡まさせて頂きました。何度も何度も申し訳ないです、本当に有難う御座います。不甲斐無い主ですが、どうぞこれから宜しくお願い致します。/こちら蹴って頂いて大丈夫ですので!)
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