へし切長谷部 2017-07-13 04:11:33 |
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あれから具合が悪くなったりしてないか?
( 横に寝転がったのを見れば、彼の方へ身体を向けると今朝の様子を思い出しあれから暫く時間が経ったので少し心配なのか聞いてみて )
ん?ああ、平気だ。
( 横になるとこちらの具合を気にしているらしく尋ねられては同じ様に彼の方を向いて。「この調子ならもう走り回れるかもしれないな」と冗談交じりに微笑んで )
ははっ、そうか。ならよかった!
( 彼もこちらを向いたことで目が合えば、冗談を言えるくらいの元気はあるそうで。思わず笑ってしまうと安心しきった表情で上記を述べれば「だったら俺と庭で走り回るか?」と冗談に冗談を重ねて )
ふっ、俺の機動をなめてもらっては困る。
( まさか庭で走り回るのか、それを見た仲間達はきっと驚くだろうと思いクスクスと笑い零して。自身の自慢でもある機動の速さには自信があるようで、もしそのようなことをするなら負けるつもりは無いと告げ )
そうなると、俺はきみより遅いからなぁ。
( 自信ありげに返答を返され打刀と太刀、その中でも機動力が高くて速い彼に当然自分が敵う筈もなく眉を下げて笑み。しかし、ずっと本丸内に篭ってばかりではあまり身体に良いとも言えず「退屈だから外に出て身体を動かすか!部屋に居てばかりは良くないだろ?」と尋ねて )
ん?それは別に構わないぞ
( 身体も動かさずにいると鈍ってしまうのもあり、彼の意見に頷いては起き上がり。「それで?何をするんだ?」と続けて )
そうだなぁ…二人でするなら手合わせか?
( むく、と起き上がり意見を出したものの二人でとなると結構絞られる訳で、身体を動かすという意味で稽古を提案してみて )
ふむ、手合わせか。受けて立とう。
( 彼の提案は手合わせらしく、それならば二人でもできる上に腕もなまることはないだろうとその提案に乗って。それでは早速移動することにしようと告げては立ち上がり廊下へと出て )
ああ。…いやぁ、長谷部と手合わせするのは久しぶりな気がするな。
( 提案に乗ってくれた様で短い返事を返してこちらも立ち上がり、部屋の外に出ては最後に襖を閉め。玄関方面へ繋がる廊下を彼と共に歩き出しつつぽつりと呟き零し )
( 手合わせなど、いつ振りだろうかと思いつつ玄関のほうまで向かい。靴を履き替え外へと出ては適当な場所へと移動し「…よし、このあたりで構わないか?」と告げ )
おう、問題ないぜ。
( 後について行けば手合わせする為、周囲の広さを確認しては一度頷いて。続いて稽古をするならば蔵から木刀を持って来なければいけないので「じゃあ、俺が木刀を取ってくる」とそう言うと蔵のある方へ向かい )
ああ、頼んだ。
( 適当な場所で手合わせすることにしては彼が木刀を持ってきてくれるらしく頷いて。彼が戻ってくる間に軽く体を動かしていて )
持ってきたぞ、ほらよ。
( ここから蔵まで取りに行くだけでそう時間はかからず、数分もしない内に彼の元へ戻って来ては片方の木刀を差し出し )
感謝する、それでは…始めるとしようか
( 数分後に木刀を持ってきた彼から受け取ると、早速手合わせを始めることにして。身構えては彼の準備が終わるのを待ち )
ああ。いつでもかかってきていいぜ?
( こちらも軽く体を動かした後、木刀を構えてながらここは年長者らしく先に先手を譲れば彼が動き出すのを待っており )
それでは…いかせてもらう!
( 先手を譲られては、グッと足に力を込めそのまま駆け出して。手合わせといえど手加減などするつもりは毛頭なく、彼の前へと来ては中腰になり脇腹を狙うかのように振りかざして )
はは、甘いな!
( 一瞬で目の前に来たかと思えば、脇腹を狙うのか木刀を振り翳す動きにさせまいと即座に彼の背後へと回り込み。足を崩すのが狙いなのかしゃがむと木刀で突こうとし )
っ、そう簡単に勝てると思うなよ
( 振り翳した木刀は命中せずに、それを避けた彼は自身の背後へと回って。小さく舌打ち零すとくるりと後ろを向き突いてきたと思えばそれを木刀で打ち軌道をずらして )
おっと…!やるねぇ
( 突こうとしたが直ぐ様後ろを向いた彼の木刀で打たれその反動で体勢が崩れるも、空いた片方の手を地につけ足も使い何とか耐え。立ち上がると木刀を握り直し体勢を整え、手加減はないとばかりに振り翳しつつ距離を詰め反撃を試みて )
く…っ
( 彼の反撃を木刀で受け止めては太刀と打刀その力の差に押され気味になり。だからといって負けるつもりもない為にこちらも応戦して )
遅い遅い!
( こちらが少し優勢の様で木刀同士で互いに打ち込みながらも、勝敗が決まらぬまませめぎあって。やや後方に下がると、彼の持つ手から木刀を落とすのが狙いでそれを仕掛けようとしていて )
( 彼が自身の手から木刀を落とそうとしたのに対して僅かに反応が遅れたのが致命的だったのか。しまった、と思った時にはもう遅く手を打たれてはそのまま木刀を落としてしまい。悔しさを顔に滲ませてはこのまま負けたくないのか足技で彼の持つ木刀を落とそうと狙い )
よし、これで俺の勝ち――……っ!
( 見事に彼の手から木刀が落ちると狙っていた為に、これで勝負あり!と言わんばかりに悔しげな長谷部とは対照的に勝ち誇った様な笑みを浮かべ。勝った事が嬉しい様で上機嫌の様子露にすれば、勝負は終わったと思っていた為か彼の行動に気付かず繰り出された足技で手に持つ木刀を落としてしまい )
ふっ…はははっ、これでは勝敗がつかないな
( こちらが繰り出した蹴りに気付かなかったようで、木刀を落としてしまったのを見ては思わず笑いが零れて。これではどちらが勝ったのか判断出来ず )
…こりゃあ引き分け、だな。
( 勝負は完全にこちらの勝ちだと思っていた為、両者共に木刀を落としたので久々の手合わせは決着がつかぬまま終わる形となり。同じくはは、と小さく笑えば地に落ちた木刀を拾い )
だが、国永の腕は流石だな。力強く、それなのに動きは軽い。
( こちらも落としてしまった木刀で拾えば彼の腕前は流石なものだと褒め称えて。久しぶりに手合わせをし、色々と再確認もできたので引き分けではあったが良かったと思い )
そりゃどーも。長谷部の腕も中々だったぜ。
( 稽古が終了した途端、自身の腕前に対し称賛の言葉を並べられ顔を見れば分かる通り嬉しげな表情をして。こちらも彼の実力は知っているが、手合わせをした事でまた違って見え褒め返しては「少し休憩しないか?」と尋ね )
ああ、そうしようか。
( こちらの腕前も褒められてはニコリと微笑んで。身体を動かし互いに汗もかいたために頷いては一度蔵まで木刀を戻しに行き )
俺は茶の用意するから広間で待っててくれ。
( 蔵に着くと、元の位置に木刀を戻せば彼の分も仕舞って外へ出たと同時に戸を閉め。その後、ここから玄関に移動して引き戸を開け草履を脱ぎくるりとそちらへ向けば喉も渇いたためそう告げ )
わかった、それでは先に行っているぞ。
( 彼が飲み物を用意してくれるらしく、靴を脱いではそのまま広間へと向かい。広間に着くと適当に座り彼が来るのを待っていて )
すまん、茶請けが無いか探していたら遅くなった。
( 厨に来ては茶道具一色の準備すると茶請けは無かったかと棚を漁り出し、奥に箱を見つけ手に取って。箱を開けて見ると中身はどうやら饅頭の様で二つ程盆の上に載せ棚に戻し広間へ向かい。片手で襖を開けて中に入り、机上に盆を置けば向かい合う様に座って )
気にするな、ありがとう。
( 暫くすると足音が聞こえてきて、彼だと思えば襖を開け遅れてしまったことに謝られて。気にすることでもないために柔く笑み浮かべてはお茶と茶請けを持ってきてくれたことに対し礼を言い )
鶯丸のように上手くはないがな。
( 二つの湯呑みに急須で茶を注ぎ入れつつ、茶が好きな一振りの刀を思い浮かべ話の中に出すと彼の前に置いてやり。あまり茶を淹れる側ではない為に少し苦笑して喉を潤す様に湯呑みを持ち茶を啜り )
いや、お前の淹れた茶もうまい。
( 彼の淹れてくれたお茶を受け取れば早速啜り。ホッ、と一息ついては彼の淹れたお茶も美味しかったようでそう言って )
そうか!なら、淹れた甲斐があったってもんだ。
( ふぅ、と息を吐いて湯呑みを置けば、盆の上にある饅頭を取り包み紙を剥がし。自身の淹れた茶も美味いと言われて嬉しそうに笑い )
( 嬉しそうに笑う彼を見てこちらを笑み浮かべては饅頭を一つ手に取り包み紙を剥がして口に運び。身体を動かしたあとの甘味はやはり格別なようなものに思えて )
この饅頭美味いな、茶によく合う。
( こちらも一口齧ると美味さから自然と頬が緩み、疲れた時に食べる甘味は格別と言うが正にその通りで茶を飲めばほっこりとして )
ああ、それに疲れた後に丁度いい甘さだ。
( こうしてのんびりとした時間を過ごしていると、平穏な日々が約束されたようにも思えて。彼の言葉に微笑んでは上記を返し )
( 手に掴む残りの饅頭をぱくりと食べ切ると、次に茶を流し込む様に再び茶を飲み。至福の一時を過ごしながら机上に頬杖をつきじーっと彼を見て )
…ん?どうかしたか、国永。
( こちらも饅頭を食べ終えてゆっくりとしていると何やら視線を感じて。彼の方を見てはこちらをじっと見ている様子、どうかしたのかとそう訪ねて )
いや、きみの笑った顔が好きだと思っただけさ。
( 頬杖をついた体勢で居れば不思議そうに尋ねてくる姿に目を逸らさず、眼前の彼を見詰めたまま心の中で思った事を笑み向けつつ素直に伝えて )
な…っ!
( 返ってきた言葉は予想もしてなかった言葉で、それを耳にしては顔を赤くして。俯きがちに、顔を隠しては「伊達男め」と呟いて )
その照れた顔も好きだぞ。
( 見る見る内に顔を赤くした姿にくすくす、と笑い零して、頬杖をついた体勢から机の上で腕を組めば畳み掛ける様に上記を述べ )
もういい、充分だ!
( まるでこちらの反応を楽しむかのように未だに言われ続けては顔の火照りも冷めるわけなく。膝立ちすると向かい側に座る彼の口へと手を伸ばしこれ以上は言わせないらしくそう言って )
そうかい。きみはすぐに顔を赤くして可愛いな。
( おもむろに自身の口へ手を伸ばしてきたのを見れば心底楽しそうにククッと喉の奥を鳴らし、つくづく彼の反応は面白いと思い。これ以上は、本当に怒られそうだと感じて言うのを止めて赤みを帯びたままの顔を見つめ )
娘じゃないんだ、そんな言葉を言われたことなどある訳がないだろう。
( 自身はどこから見ても男だと分かるような見た目をしている。そんな言葉をかけられたことなど一度も無ければ、耐性があるはずも無く。手を引っ込めては小さく息を吐いて )
すまんすまん、それもそうだ。
( 悪びれた様子もなくけらりと笑っていつもの調子で上記の言葉を発すれば「男なら格好良いと言われた方が嬉しいもんだよな」と付け加える様にうんうん、と数回頷き )
まあ、お前の場合どちらの言葉も似合いそうだがな。
( 目の前で楽しげに笑う彼は、自身とは違いどちらの言葉も似合うだろう。黙っていれば、女だと間違えるやつもいるかもしれないと思いつつそう言って )
言われるなら格好良いのが嬉しいけどな!
( 腕の上に顎を乗せ先程彼に揶揄い言葉を言い続けたからか、今度は逆に自身ならば似合うとまで言われ、見た目の話だろうとやはり掛けられる言葉はそちらの方が良いそうで )
はは、それはそうだろうな。
( 男であれば誰しも「格好いい」と言われて嫌なものなどいないだろう。それは彼も変わらないようで、笑み浮かべ上記述べ。ふと、彼の顔をじっと見ては「…俺の自慢の恋人は格好いいな」と続けて彼の反応を伺い )
っ…な、なんだ急に。…でもきみに言われるのが一番嬉しいな。
( その返答に此方も軽く笑みを湛えると不意にじっと見てくる彼に、何だ?と思い口を開きかけたところで〝自慢の恋人は格好いい〟と言われ。いつもなら笑顔で礼を述べる余裕はあるのだが、やはり誰よりも彼にその言葉を言われるのが一等嬉しく少し頬を染めては腕の中で顔を隠し )
ははっ、先程の礼とでも言っておこうか。
( さて、この言葉にどんな反応が返ってくるのかと楽しげに伺っていると、どこか嬉しそうな表情を浮かべすぐに腕の中へと顔を隠してしまい。手を伸ばし彼の髪を撫でながら上記述べて )
…不意打ちはずるいぞ、
( 髪を撫でられつつ、彼はいつも余りあの様な褒め言葉を言う事が少ないからこそ予想せぬ時に放たれると胸がドキッと脈を打つ。嬉しいと思う気持ちは本当だが、先程までの勢いはどこへやら立場が逆転しては少し悔しいのかその状態でぼそりと呟き )
そんなつもりはなかったんだがなぁ
( 彼の髪から手を離し頬杖をついては別に不意をつこうと思った訳では無いとそう言って。しかしこんな反応を見せる彼も珍しい、たまにはいいかもしれないと思っていて )
…、急に恋人から格好良いと言われたらどきどきするんだ。特にきみだと尚更な。
( 髪を触る手が離れたと同時に漸く顔を上げ、彼の方へ視線遣ればどう見ても嘘をついてる様子はなく。すぐに目を逸らし照れ臭そうに後頭部へ手をやると掻き )
本当の事を言ったまでだ。
( やった顔を見れたと思えば目を逸らされてしまい。確かに自身もそうだが、そこまで照れるような事だったのだろうかと少しおかしく思えては思わず笑いが零れて )
わ、笑うことないだろ…!
( 此方が返事を返した後、前から笑い声が耳に届いて其方へ顔を向けると可笑しそうに笑っている姿見れば少しむっとして )
ああ、すまない。お前のそんな顔を見れるのが珍しくてな
( 笑ってしまったことに少し機嫌を損ねたような顔をされると苦笑しつつも詫びを入れて )
あ、いや!別にそこまで怒っている訳では無いからいいんだ。
( そんな顔とは恐らく赤面した様の事を指しているのだと察しがつき、確かに彼の前ではあまり見せる事はない。その為に詫びを入れられ軽く首を左右に振って「…まあ、こんなに照れた事が無いからな」と同様に苦笑し )
ふふ、珍しいものを見れたな。
( そこまで怒っていなかったらしく、ほっとしては笑みを浮かべて。程よく体を動かした後にゆっくりとした時間を過ごしていると眠気も来るようで欠伸を漏らし )
眠いなら昼寝してもいいぞ。
( 話にも一旦区切りがつき欠伸を漏らす様子に気付くと、眠気が来たならこのまま無理に起こしている訳にもいかず。少し体を休めるよう穏やかな声でそう告げ )
しかし…それではお前が退屈じゃないのか?
( 欠伸を漏らしていた所を見られていたのか、眠ってもいいという言葉を聞いてはそれでは話し相手がいなくなり彼は退屈になってしまうのではと思い )
いやまあ…退屈しないと言えば嘘になるが……、なら俺も寝たらいいんじゃないか!
( 彼の言う通り、この場で解散し部屋に戻ってもやる事は無い為に独りで居ても退屈なのは考えずとも分かる事で。然し、眠い中態々自身の雑談に付き合わすのも申し訳ないと感じて上記の言葉を途中まで述べる。が、一緒に昼寝をすれば解決するだろうと思いそう言って )
ん…、それもそうだな。ならば昼寝とするか
( どうやら彼も寝るようにしたようで、頷いてはここで昼寝していては誰か来た時に迷惑になるかもしれないと立ち上がり部屋に移動することにして )
( 今は眠気が来ずとも横になり目を瞑れば何れ寝るだろうという思考の様で、同じく立ち上がり共に自身達の部屋へ戻って。其々の自室にたどり着くと彼の方へ向き「…なあ、あれから悪夢は見ない様になったか?」と唐突に聞き出し )
そう…だな、何かとお前がそばに居てくれるからかは知らないが今は見ていない。
( 自室の前へとやってくると、不意に彼が悪夢は見ていないのかと聞いてきて。ここ最近は1人で眠ることもなく彼がそばにいる事が多かったからか、直接の関係があるかは分からないが見ていないとそう言って )
そうか…なら安心したぜ。
( 前の事を思い出して少し心配だったのかその言葉を聞いて、どうやら見てはいない様でほっと安堵の表情になり。確かに一日中彼の傍に居る事が多いが、それが悪夢を見ないのに繋がるならば「それじゃ一緒に昼寝するか?」ともし一人で寝るならそれでいいと思いつつ揶揄う様に聞いて )
っ、俺は赤子じゃないんだぞ!
( 悪夢は見ていないと告げると同時に揶揄う様子で訪ねてくるのを見ては、顔を僅かに染めて上記述べて。しかし彼のおかげで見ていないことは事実、「…その、お前の邪魔にならないのなら、頼む」と続けて )
ああ、構わないぞ。…どっちの部屋で寝るんだ?俺の方かい?
( 揶揄い言葉を使えば予想通りの反応に楽しそうにふは、と吹き出すも、その後一緒に寝る事を頼まれては優しげな眼差し向けて一度頷き。昼寝するにもどちらの部屋で休息を取るかの質問を投げ掛け )
…どちらで寝ても構わん。
( どちらで寝るのかと問われると、此方としてはどっちでも構わないために上記述べて。自身の部屋は一応片付けはされているために人は入れられる状態で )
じゃあ、俺の部屋で寝るとするか。
( 互いにどちらでも良いという意見なので此方の自室も別段物が乱雑に置かれている訳でもなく、それなら偶には自身の部屋に招いてやろうと柔く笑えば襖を開けて中へと入って )
では、失礼する。
( 結局昼寝をする場所は、彼の部屋らしくそれに頷いては彼の部屋へと入って。久しぶりに彼の部屋に来た気がすると思いつつ、適当に座って )
長谷部、ほら寝るぞ。狭いかもしれんが我慢してくれよ。
( 中に入るとこのまま畳みの上で寝たら風邪を引いてしまう為、押し入れから布団を取り出すと真ん中へ敷いて。生憎布団は一つしかなく先に毛布の中にもぞもぞと潜り込み、とんとんと隣を叩き )
大丈夫だ、むしろ感謝している。
( このまま畳の上で眠ろうかとした途端、彼が布団を引いてくれていたらしく促されるままにそちらへと近寄り布団の中へと入って。やはり男二人で布団1枚に入ると狭く感じるが、こうして自身の昼寝に付き合ってくれていることには感謝しているために上記述べて。身近に感じる彼の体温を感じつつ欠伸を零し )
…俺まで眠くなってきたな。
( ちらりと隣にやって来た姿を見遣ると、緩慢な動作で布団へ横になれば心なしか少し眠くなったのか釣られる様に欠伸を漏らし。彼が横になるまで待っていて )
おやすみ国永、良い夢を。
( 布団へ横になってはつられたように彼も欠伸をしていて。今は時間が許すまで眠る事にしては目を閉じて )
…、
( いつまで寝ていたのか、ふと目を覚ましては壁に掛けられた時計へと視線をやり。まだ覚醒しきっていない為かボーッとしており )
……ん、長谷部…。もう起きていたのか。
( 隣で寝ながらそちらに体を向ける様に寝返りを打ち、無意識に手を動かし彼の手を探せば軽く握って。それから暫くして、ふっと目を覚ましぼんやりする視界の中で起きていた彼に声を掛け )
…!ああ、よく眠れたか?
( 彼の寝顔を眺めていると、不意に此方の手を握られて。起きていたのかと尋ねられると頷いて。彼は眠れただろうかと訪ねて )
ああ、十分寝れたぜ。…長谷部も眠れたか?
( 軽く目を擦りつつ返事を返し、徐々に視界がはっきりと見えて眠そうにしていた彼は熟睡できたのかと此方も同じ様な事を聞いて。横になり続けていては背中が痛いので起き上がる前に無意識の内に彼の手を握っていたらしく「…あ、悪い。寝ている間に手を握っていたみたいだ」とパッと離してから上体を起こし )
ああ、よく眠れた。
( 彼も十分な睡眠はとれていたようで、良かったと思い。同じような問いに頷いて上記述べては特に夢も見た訳では無いようで。手を握っていたことについて詫びられると「あ…いや、構わない」と続けてこちらも起き上がり )
そうか、よく眠れたなら良かった。
( 起き上がると同時に固まった体を解すようぐーっと腕を上げ背筋伸ばし、此方の問いに彼も何事もなく十分な睡眠はとれた様で。手を下ろし彼の顔を見ると、特に夢は見ていない事を察して笑み浮かべ )
( 笑みを浮かべている彼は何かを察したようでこちらも微笑んで。不意に、彼の唇へ自身のを重ねては「おはようのきす、というものらしい」と僅かに頬を染めてそう言って )
…!俺からもお返しだ。
( 寝起きという事もあり完全に気が抜けていて不意に唇へ柔らかい感触がすると、接吻されたのだと理解するのにそう時間は掛からず。嬉しそうに笑っては何もしない訳がなく、自身も彼の唇に軽く触れる程度の接吻を落とし )
っん、
( 勢いのままに接吻をしたことに恥ずかしく思っていると彼からも接吻されて。どうやら彼からのお返しだったようで笑みを浮かべ「はは、おつりがでるかな」と続けて )
( その笑みを見れば何故か無性に抱き締めたい衝動に駆られ、今度は身体ごとそちらへ向けるとぎゅっと抱き付き。「…大好きだ、長谷部」とそう言って )
お、おい国永…?
( こちらへと体を向けるしぐさに首を傾げているとそのまま抱き締められて。咄嗟にバランスを崩さぬようにしていると耳に届いた言葉に「ああ、俺もだ。」と返しこちらも腕を回して抱き締め )
何か無性にきみを抱き締めたくなった。
( 抱き締め返されぎゅう、と背中に回した腕に少し力を込めつつ、理性に勝てる訳もなくて我慢出来ずに体が動いた事を言い。肩口へ顔を埋めて「少しこのままで居させてくれ」と続け )
構わない。好きなだけしてもいいんだぞ?
( 甘えるような仕草に、愛おしく思っているとしばらくこのままで、と告げられて。特に断る必要もなく、好きなだけしていても構わないとそう言って )
ありがとうな。
( この状態のまま居ながら彼の傍が一番落ち着く為に、好きなだけしてもいいとの返答が返ってくると表情は見えないが代わりに嬉しそうな声を出し。甘えるようにしばらく抱き締めたままで居り )
次はきみが俺に甘えてきていいんだぞ?
( ただただ時間だけが流れてゆき、満足したのか腕を離して解放すると自身は十分に甘えたので今度は彼が甘える番とばかりに「ほら、」と両腕を広げて軽く首を傾げ )
( 十分に甘えきったらしく、次は自身の番だと両腕を広げ待っている彼を見ては笑いを零しつつ彼の腕の中へと入り。確かにこれは癒されるものがあると思い )
長谷部が素直に甘えるのも、何だが珍しい気がするなぁ。
( 腕の中へと入ってきた背中に腕を回して彼の体を包み込む様に抱き締めてやり、片方の手で髪を優しく撫でながら真面目な性格と認識しているため思った事を呟き )
お前に甘やかされるのは悪くないと思ってね。
( 確かに、こんな光景を誰かが見たとしたら普段の自身の性格からして信じられないだろう。しかし、このような姿を曝け出せるのは彼の前だけであり笑み浮かべつつそう言って )
そうかそうか!なら、いつも頑張っているきみをたっぷり甘やかさんとな!
( 自身のみに色んな姿の彼が見れる事が何よりも嬉しい様で頬を緩め、普段は性格上自分から甘えにくるなど無い為に先程より更にわしゃわしゃと髪が乱れるくらいに手で撫で回して )
お、おい…!髪が乱れるだろう!
( 自身の言葉に嬉しさを隠すことなく表現してくる彼は容赦も無く、わしゃわしゃと髪を乱すように撫でられては何処かの伊達男ではないが、流石に気にすると慌てた様子で )
はは、すまん。今髪を直すからじっとしててくれ。
( 慌てた様子の姿に、彼の言葉一つでこうも嬉しいと感じるのはやはり好きだからだと思えば容赦無しに撫で回した手を止め軽い調子で謝り。一度離れて少し乱れた髪を軽く整えるように優しい手つきで撫ぜて )
全く…仕方のないやつだな。
( 十分に髪を乱したあとには、優しく髪を撫で整えてもらい。苦笑を浮かべつつも大人しくじっとしていて )
よし、これでいいだろう。
( 髪を整えれば、どこも特に跳ねた箇所もなく元通りにすると手を離して。終わった後に、不意打ちで一つ頬へ口付けを落としてはそう言い )
……っ!
( 彼の髪を撫でる感覚が心地よく、目を細めていると不意に頬に口付けをされて。完全に油断していたのもあり、ぼんやりとしていたのも束の間。みるみるうちに顔を赤く染めて )
っはは、顔が真っ赤だぞ。
( ぼーっとしているところに不意を突いて頬へ口付けをした事で、瞬く間に顔を赤く染めるその姿を見て。楽し気に笑いながら頬を両手で触りつつ、わざと顔が赤い事を言って )
い、言われなくても分かってる…!
( わざとだろう、自身の顔が赤いことを指摘する彼は楽しそうにしていて。彼の手はひんやりとしていて火照っているのが尚更分かるようで少し不貞腐れたようにそう言って )
好きな奴ほど揶揄いたくなる。…だから機嫌を直してくれないか?
( わざと真っ赤な顔指摘すると、機嫌を損ねた様子で案の定言い返してきた反応を尚も楽しそうな姿で見ており。頬を触りながら意地悪な発言の数々は好きであるが故でじっと見つめ )
( じとりとした視線を彼に送り続けていると、機嫌を直して欲しいと言われてしまい。怒っている訳ではなく、照れ隠しでもある為にハァ、と一つ息をついては「分かった、許してやる」と続け )
さすが長谷部!
( 許してもらえると、大袈裟なまでにぱっと表情明るくさせ。調子の良い言葉を紡ぐなり触ったままの手でむにむにと頬をつまんで遊び )
……っふ、
( 特に意味もなく互いに頬のつまみあう光景に最初こそ単純にむにむにと遊んでいたが、何だが段々と可笑しく思えては笑い出し )
ははっ、まるで子供みたいなことをしているな。
( お互いに頬をむにむにとつねっていてはその沈黙も相まっておかしく感じていると、彼の方が先に笑って。それに釣られるように笑えばそう言って )
確かにそうだな。
( 自身が笑い出せば後に彼も笑って頬から手を離すと、その言葉に同意する様に頷いて。まだ笑い足りないのか小さく肩を揺らし、収まった様でふと壁掛けの時計を見遣れば「…そろそろ夕餉の時間か」とぽつり呟き )
ああ、そろそろ行くか?
( 存分に笑いあった後にふと、彼が時計を見てそろそろ夕餉の時間が近づいてると呟き。そろそろ他の者も集まり出す頃だろうと思えば遅れる訳には行かないため上記述べ )
( 夕餉の時間に遅れたら悪いと思えばこくりと頷いて、緩慢な動作で書庫で見つけた本を片手に立ち上がり。布団を片付けようかとも思ったが、食事を摂った後はただ寝るだけなので放置しては襖を開け彼を待ち )
( 先に部屋を出る彼に少し待ってくれと告げると布団を借りたせめてもの礼なのか、布団を整えてから部屋を出て。広間に向かい歩き出し )
( 向かう途中も会話を交えながら広間にたどり着くと、既に机の上には料理が並べられており他の仲間も集まっていて。適当に空いている席に座れば足の上に本を乗せ )
( 広間へと着くと空いた席に座り皆が揃うのを待っていて。しばらくして全員が集まれば手を合わせ食事の挨拶をして食べ始めて )
( 箸でおかずを掴み口に運んでもぐもぐと数回咀嚼しては、今日も美味いと声に出し。頬を緩めながら皆と楽しそうに会話を繰り広げつつも確りと食事も摂って )
皆、ちとこれを読んでくれないか。
( 食事を食べ終えると、何時しか話は自身が提案した内容へと変わっていて。皿を重ね退かすと意見交換が飛び交う中、タイミングを見計らって一冊の本を机に置くとそう告げ )
( 彼の一声で皆が机に置かれた書物へと視線をやり。「それは俺達が今後、この本丸を離れる場合に実行しようと思っている事に応用できそうな内容が書かれている。一度目を通してもらってもいいだろうか」と告げ )
( 書物を置いたと同時に彼がすかさず説明を挟んでくれては、皆が頷き示すと一同が中央に集まって静かに目を通し始めた様子を黙って読み終えるまで待っていて )
――…実例がある訳じゃあないが、この方法を試せる事が出来たらもう…政府に怯えなくて良くなる。
( 様々な反応が見受けられ、再び意見を交わす皆の声に耳を傾けつつも真剣な表情で仲間達を交互に見ながら言葉を発して。初めての試みゆえ、成功か失敗かなんて正直分からないが「俺はこの先も皆と平穏な毎日を送りたいんだ。…その為にもこれを明日にでも実行したいと思ってる」と心情を吐露して )
この先は本丸を離れる事になる。手負いの者ばかりだが、互いに支え合って進んで欲しい。また、一斉に動けば怪しまれるだろう。いくつかにグループを分ける。
( 決行するのは明日、それまでに各々が覚悟を決めてもらう事となる。ひとまとめに動いては流石に政府にバレるだろう、隙を見つつ少人数ずつで本丸から出てもらうことにして「俺は最後に出よう。太刀と夜目の効く奴は同じグループになること。」と続けて )
( 端から自身は覚悟を決めている為、急な宣言にどこか不安な者も少なからずいて。決行は明日の夜に行うので自身の様な夜目の効かぬ者は不利であり、的確に指示を出す彼の話に皆は素直に聞き頷いては「最後に長谷部が出るなら俺も一緒に動いていいか?」と独りで行動する事に心配なのか聞いて )
構わない、夜の間は俺の指示に従ってくれ。
( 一通り説明を終えると、自身が最後にこの本丸を出ることに対して心配だったのか彼が言及してきて。特に問題もないが、彼は夜目が効かないために指示を従うようにと告げて )
構わない、夜の間は俺の指示に従ってくれ。
( 一通り説明を終えると、自身が最後にこの本丸を出ることに対して心配だったのか彼が言及してきて。特に問題もないが、彼は夜目が効かないために指示を従うようにと告げて )
ああ、分かった。
( 特に断られる事も無い返事に良かったと思いながらもこくりと頷いて、皆に伝えておく話も一通り済ませたため後は明日の夜を待つのみ。一旦考える時間も必要だろうと「…少し長くなっちまったな。俺達の話は以上だ、明日の夜までに覚悟は決めておいて欲しい。じゃあ、ここからは各々好きに過ごしてくれ」と解散の意味も含めてそう告げ )
( 一通り説明も終え、明日の夜までに考えてもらうことにしては、各々が広間を出ていき。食器を片すために1度立ち上がり重ねていきつつ「…上手くいけばいいな」と呟き )
( 広間に二人残され、自身も食器を片すのに立ち上がると同時に聞こえてきた彼の声。やはり少しの不安はあるのだろう、それは自身もそう思っているために「…大丈夫だ、きっと上手くいくさ。皆がついているからな」と笑いながらそう返事をしてみて )
…そうだな、何とかなるだろうな。
( 未だに分からないことばかりな上に実例がある訳でもない。少しばかり心配だったようでそう呟いていて。その呟きが聞こえていたのだろうか笑顔で大丈夫だろうと言われては微笑み返して )
ああ、だから信じよう。
( その表情を見れば少しは安心しただろうか、と思いながら笑みを絶やさずにこくりと頷いて。それから自身の分の食器を持ち上げ「さあて、厨に持って行ってから休むとするか」とそう呟くなり広間から出ようと )
( 彼の言葉に頷き、食器を厨へと運んではそのまま自室に向かい部屋の前で彼に挨拶をしては部屋へと入って。やるべき事は終えた為にあとは寝るだけだが寝付けないのか何度も布団の上で寝返りを打ったりしていて )
( 部屋に入ったはいいが昼寝をした事であまり眠気が来ない状況に、どうしたものかと困った様な笑みを浮かべ。眠れたら一番いいがそれで絶対に寝れる訳でもないため、静かに廊下へ出ると部屋の前の縁側に腰を下ろして。ぼんやりと夜空を眺めてながら眠気がくるのを待ち )
…っ!なんだ、国永か。
( やはり寝付けない為に諦めて起き上がっては明日には離れるこの本丸を目に焼き付けておこうと思い立ったのか襖をそっと開け。それと同時に縁側に腰掛ける物陰に気付き一瞬警戒するもののそれが鶴丸だと分かれば上記を述べて )
…ん?どうした、驚かせたか?
( 夜空に浮かぶ星々を眺めていると、突然自身の名を呼ぶ声に後ろを振り向けばそこにはつい先程部屋の前で別れたばかりの彼の姿があり。ただ寝付けずここでボーッと静かに居ただけなためやや苦笑を浮かべて )
少しな。…どうした、寝付けないのか?
( 彼も寝付けずにここに居るようで、隣へと座れば彼の方を見やりそう言って。昼寝をしたのもあり寝れなくても仕方が無いかと思えば「国永、眠気が来るまで俺とデートしないか?」と微笑みつつ退屈しのぎにもなるだろうと誘い )
ああ、そういう長谷部もだろ?
( 隣へと座った彼の姿を目で追いながら夜という事もあり寝付けない以上、退屈で仕方なく苦笑いをして返事を返せば少し間を空けて彼の口から紡がれた言葉に「…!まさか、きみからデートの誘いがくるとは思わなかったぜ。…勿論、俺もしたい」と嬉しそうに笑って頷き、デートの誘いを受けて )
はは、長谷部が言うと違和感がないな。
( 目の前に差し伸べる手と科白に様になるなぁと思いながら、その掌に自身の手を置き立ち上がらせてもらいつつも少し揶揄ってやり )
俺よりもお前の方がきっと似合うさ
( 自身なんかより、彼の方が様になるだろう。そう言い返してはゆっくりと歩き出し本丸内を眺めつつ何があったとしてもこの場所は自身にとって忘れられない場所になるのだろうと思い )
なら今度は俺が言ってやろう
( ゆっくりと歩き出した動きに此方も遅れないようにと足元に気をつけ歩を進め、へらりと笑い冗談混じりに言葉を放ち。真っ暗な視界はあまり何も見えておらず、しかしじっと目を凝らせば微かに見える程度で「この本丸とは明日でお別れ、だな」と何気無くポツリと呟き )
…ああ。いいと思える思い出なんて一つもないが俺たちにとっての大切な場所だった事には変わりない。
( 明日にはこの本丸を去らなければいけない、それに異論はないしこれから先を考えての行動なのだから仕方が無いことであり。彼の呟きに答えるように上記を述べて )
…そうだな、色んな事があったが忘れたりしないだろう。
( 自身の提案で皆を巻き込む形となるが今後の事を思えばこの選択に後悔はなく、彼の返答に更に返事を返して「何だか湿っぽい話になったな…。折角のデートなんだ、楽しくしようぜ?」と笑みを向け )
ふふ、それもそうだな。何か面白い話はないのか?
( 少しだけデートには相応しくないような雰囲気になりかけたものの彼の言葉でそれも終わり。かと言って自身が話せるような面白い話は思いつかないようで、ここは彼の番だろうと任せることにしては彼の方を見やり )
面白い話ならあるぜ。いつだったか忘れたが…広間にビックリ箱を置いていたら、見事に俺の罠に引っ掛かった奴がいてなぁ。あと、ホースにちょいと小細工を仕掛けたりもして内番中の者がびしょ濡れになっていた、とかな!
( 突然話を振られふむ、と少し考える素振りを見せつつ、まだこの本丸が平和な頃に数々の驚きをもたらした話を思い出し、彼の方を見ながら楽し気に声を弾ませて話していくが今となっては全くと言っていい程興味を示さなくなったなぁとしみじみと思っていて )
ふっ、そう言えばそういうこともあった様な気もするな。お前が誰かに追い掛けられているのを見掛けたり、怒鳴られる声が俺の部屋まで聞こえていたよ。
( 誰よりも驚きのある人生を好み、それを誰かに仕掛けてみたりするのが彼の楽しみだったのだろう。楽しげに語る彼を見てはそんな頃もあったかもしれないと頬を緩ませ懐かしむ様子でそれを聞いていて。自身はといえば所用で部屋に籠ることが多かったが、それでも遠くから聞こえる声に耳を傾けていたものだと思い。 )
ははっ、だろうな!いやあ、あの頃は楽しかったなあ。…しかし、きみにはあまり驚きを届けた記憶がないぞ。
( 誰彼構わず驚きをもたらす事に対して余念がなく、純粋に人が驚いている反応を見るのが好きだった為柔らかな笑みを浮かべて懐かしむ様に言葉を紡ぎ。ふと、今更ながら他の刀剣達には散々驚きを与えてきたが目の前の彼には大して驚かしてやっていないとそう付け加え )
言われてみればそうだな。まあ、何かと部屋で仕事ばかりしていたからな。
( そう言われてみれば、彼が誰かを驚かせるというのは何度も見ていたが実際にされたというのはそんなになかったかもしれないと思い。主の近侍でもあった為に仕事をしたりとしていたので、出くわすということも少なかったのだろうと思いそう言って )
いつも長谷部は主命で忙しそうだったしな。…まあ今となりゃそうでもないが。
( 本丸内の廊下ですれ違う事も無かった上、近侍の仕事で大変だったのを知っていた故にあまり用が無い限り部屋を訪れる等しなかったので小さく苦笑を浮かべた後、「それならもっと驚きを届けてやれば良かったか?」なんて冗談っぽくそう言葉を口にし )
それはさぞ、良い気分転換にもなっていたかもしれんな。度がすぎていなければの話だが。
( 今となっては彼が進んで驚きを求めることもなくなった為に届けられることもないが、少しくらい経験しておけば良かっただろうかと思い。仕事に追われるばかりの毎日にそんな刺激があれば少しは良かったかもしれないと上記を述べて )
…そうか、それは悪い事をしたなあ。
( こうも自身の驚きを求められていた事実に、他の仲間同様に彼にもたくさんの驚きを届ければ良かったなと少し眉を下げ。今はもう前のような自身に戻れないがその分、この命が尽きる時まで傍に居る事ならば出来る為「もう驚きを求める事に興味は無くなったが…、代わりにこうしてきみの傍なら居れる。」と真っ暗な暗闇では彼の姿を捉える事が難しいが、握ったままの手を握り返して微笑み )
何、お前が気に病むことではないさ。
( 申し訳なさそうに眉を下げて謝る彼を見ては柔らかい笑み浮かべつつ首を振り鶴丸は悪くないと上記を告げ。その代わりなのかは分からないが、自身の傍に居てくれるという言葉に「ふふ、ならばそうしてくれ。存外俺は寂しがり屋というものらしい」と続けて )
ああ、もちろんだ。この命が尽きる時まできみの傍から離れないぜ。
( 寂しがり屋ならば尚の事、彼を悲します様な事は出来ぬ為に一度頷いた後にい、と白い歯を見せる様に笑って。不意に視線外すも夜という事もあり真っ暗な空間に「しっかし、夜目が利かんと何も見えないな…。」と少し不満げな様子で )
こればかりはどうにもならんだろう。ふふ、だが俺は見えるからな。例え国永がおかしなことをしたって見え見えだ。
( 自身の傍から命尽きるその時まで離れないと告げられては満足そうに微笑んで。次いで彼が太刀故に夜目が利かないことを愚痴り出してはそれを聞きつつ苦笑浮かべ上記を述べて。「だが安心しろ、俺がお前の目の代わりになってやる」と続けて )
おお、そりゃあ頼もしいねえ。
( この状況だと間違えて柱に頭を衝突させる事も有り得るため、夜目が利く彼に絶対に見られたくないのか気を付けようと思い。そんな事を思っていると、何とも頼もしい発言を聞いては視線を戻すなり笑み浮かべ。デート中とは言え、同じ場所に居るのも退屈なのか「屋根の上に登ってみるかい?彼処は夜空が綺麗に見れるぜ」と一つ提案してみて )
確かにそれもいいだろうな。
( ふと彼が何か思いついたようで。屋根の上に上がって夜空を眺めてみようという誘いは何とも興味があるもので素直に頷いては上記を述べて )
おっ、興味あるか?なら見に行こうぜ。…っと、その前に蔵から梯子を取りに行かないとな。
( こちらの誘いに、素直な言葉と共に頷いてくれたので嬉しそうな笑みを見せ。早速とばかりに移動しようかと思ったものの、屋根に登るための道具が必要でそう告げ )
なら俺が取ってこよう。夜目の効かないお前に任せるには心許無い。
( 梯子を取ってくるのならば、夜目の利く自身が取りに行った方が賢明だろうと思えばそう進言して。少しだけ待っててくれと告げては蔵に向かい、難なく梯子を取ってきて )
ありがとうな、長谷部。
( その場から動かずに大人しく待っていれば、数分もしない内に梯子を取りに戻って来た姿を見ると礼を述べて「…なぁ、手を握ってくれないか?」と移動する前に頼み )
…?ああ、構わんが。
( 礼を受け取り、さて移動するかと思った矢先に手を繋いでくれと頼まれて。彼から頼むとは珍しいと思いながら手を伸ばしては彼の手を握って )
…悪いな、どうにも視界が悪いとどこかにぶつかりそうでなぁ。
( 手を握ってもらうとこれで一安心だと内心で思いながらこんな暗闇の中、上手く歩けそうにもなくて。やや苦笑混じりに呟いては彼に先導してもらうのが魂胆で )
はは、それで怪我をしたと言われても困るな
(彼の手を握り、どうやら先導してもらおうと考えていたのかと分かれば歩き出して。しばらく歩けば梯子を置き「ここからなら登れそうだ、俺が先に行こう。国永はここで待っててくれ」と言えば梯子を登り屋根の上に上がって)
ああ、
( 足が止まりその声と共に梯子を置く音を聞き短い言葉で返事を返し、言われた通り道具を使い登って行く後ろ姿を見つつ待っており )
おい、国永。上がってこい
( 屋根の上に上がれば下を見て梯子のそばにいる彼へと声を掛けて。足を踏み外さないように気を付けろと忠告し、彼が無事に上がってこれるかじっと見ていて )
( 少し待っていると上から声を掛けられ、その忠告に頷きで返しては梯子を掴みながら一段目に足を乗せるとそのまま慎重に登って行き )
国永、月が見える。
( 彼が屋根へと上がりきれば、再び手を握り少し屋根の上を移動してそれから空を見上げると月が見え。感嘆の息を吐けば上記述べ )
ああ、月が綺麗だな!
( 隣で同じように自身も空を見上げて夜空に浮かんで見える、一等美しさを放っている月を瞳に映しては視線外す事なく言葉を発し )
( 月明かりに照らされる彼は普段よりも儚さが増し、美しく見えて。無意識のうちに見惚れていたようで月を見ることなく彼の方ばかり見ており )
――…ん?どうした?
( 暫くの間、月を眺めていたがふと隣から視線を感じて。それに気付いたように彼の方を見ては緩く首を傾けて問い )
…あっ、いや……。
( こちらの様子を伺う彼に気付き漸く見つめ過ぎてきたことに気付けば、何とも気まずそうにしながら視線逸らして。それから黙り込んだものの「…お前が、余りにも…綺麗だったから…」とポツリと呟き )
―――っ!
( 何故だか視線を逸らされた挙げ句、黙り込まれると更に疑問符が浮かんで不意に彼が喋ったと思えば放たれた言葉に顔を赤くさせ。「ありがとうな。きみに綺麗と言われるのは嬉しいな」と照れた感じで嬉しそうに笑い )
本当の事だ
(嬉しそうに微笑む彼を見てはこちらも微笑んで。こんな時間がずっと続けば、と思い。不意に彼の唇へそっと自身のを重ねては「国永、愛している」と僅かに頬を染めそう言って)
ん、俺も愛してる。
( 突然感じた唇の感触に接吻されたのが分かると、まだ顔の熱は引かずに嬉しそうに微笑んだままそう言葉を返して。屋根の上ではあるが今幸せな気分な為にぎゅっと彼に軽く抱き付き )
( 月の下、お互いに抱き締め合いながら静寂が二人を包み双眸閉じてこの幸せな時を噛み締め。ずっとこのまま時が止まればいいのにな、と思いながら満足するまで離さないでおり )
( しばらく夜空を眺めていたが、そろそろ戻った方がいいだろうと判断してはそっと彼から離れて。ゆっくりと立ち上がれば「国永、そろそろ戻ろう。朝になってしまう」と手を差し伸べて )
…ん、そうだな。
( そっと体を離されその科白にやはり傍に居ると落ち着いて、眠気が来たのか眠そうな声で返事を返しつつ手を取り。立ち上がると梯子が掛けられた場所までゆっくりと歩いて )
( ゆっくりと梯子を伝い降りると梯子を倉庫に戻しに行き。それから本丸へと戻り自身の部屋へとたどり着けばあと数刻は眠れるだろうと彼の方を見ては「おやすみ、国永」と微笑み )
…ん…──もう朝か…?
( " ああ、おやすみ " と小さく笑みを零しつつ就寝前の挨拶を交わし自室の襖を開け、中へと入れば布団の中に潜って眠かったため目を瞑るなり規則正しい寝息を立てて眠りに落ち。それから時間は流れ、夜が明けて障子から朝日が射し込みその眩しさで目が覚め )
( 眠った時間が遅かったせいか、欠伸を漏らしながらも身支度をしていて。今日はこの本丸を離れる日、政府に気付かれぬように過ごしながら日が沈んでから決行する事を頭の中で思い浮かべ。着替え終えると顔を洗うために部屋を出て洗面所へと向かい )
( 上体を起こして大きな欠伸を洩らし、しょぼしょぼする目を軽く擦りつつゆっくりとした動作で着替え始め。数分後、身支度が整えば完全に目を覚ます為に顔を洗いに行こうと部屋を出て。移動の際に仲間達とすれ違い軽く挨拶し、洗面所へと向かった先に彼の姿があり「おはようさん、長谷部」と後ろで朝の挨拶を声に出し )
ああ、おはよう国永。
( 顔を洗い、しっかりと目を覚ましタオルで顔を拭いていると背後から彼の声がしては視線やり挨拶して。「朝餉が終わったら最終確認を皆でしよう。」と続けては先に広間に行くことを伝え広間へと向かって歩き出して )
ああ、分かった。
( その言葉に深く頷いて彼と入れ違う形で洗面台の前に立ち、水道の蛇口を捻り水を両手に溜めればそっと顔にかけ。水を止めてタオルで顔を拭けばすっきりとして目も冴え、朝餉に遅れぬよう広間へと歩んでは襖を開けると同時におはよう、とまだ挨拶していない仲間に向けて声掛けながら適当な場所に座り込み )
( 全員が揃ったところでいつもの様に食事の挨拶をして時々話を交えながら箸を進めていき。しばらくして食事も終えれば皆が広間から出る前に「すまないが、今夜のことについて再度確認しておきたい。」と一度断りを入れ皆が決意を固めているかを確認していき )
( 食事後、彼の一言で場の空気が変わり此方も黙って皆の方へ視線向けつつ、もしまだ答えを出す事に躊躇いがあるならば説得する気でいて。然しそんな自身の考えは無くなり、考える時間を設けた事によって皆の決意は既に固まっていたようで。安心したような表情見せ「皆、よく決心してくれたな。感謝するぜ。…なら最後に作戦の内容を確認するぞ。」と後記の部分で真剣な顔付きでそう言うと、全員で改めて作戦のお浚いをしていき )
今日の夜実行する、政府に悟られることが無いように過ごせ。大丈夫だ、俺たちならできる。
(作戦の内容に抜かりがないかじっくりと確認しつつ、時々意見にも答えて。しばらくして、皆が作戦の内容を理解すると同時にそう言っては立ち上がり片していなかった食器などを運び始めて)
( 作戦の確認が終了し、その場で一時解散という形を取れば彼が出て行った後に自身も緩慢な動作で立ち上がると食器を重ねて厨へと運んで。夜まで政府に作戦を悟られぬよう出来るだけ部屋で身を潜めた方が良いだろう、ギシギシと軋む音が響く廊下を歩きながら顔だけ横に向かせ外の景色を見るも自室へと進んでゆき )
(自室に戻り、部屋から見える荒んだ庭を眺めていて。この景色も今日で見納めかと思うも不思議と寂しい気持ちはないようで。いい思い出のない場所だから当たり前と言えばそうなる。本来ならば刀の手入れなどもしたいところだが生憎そのような道具はこの本丸にないために壁に寄りかかってぼんやりと過ごしており)
( それから各自の過ごし方で夜まで時間を潰しながらもその時を待つ。ゆっくりと時が流れつつ朝から昼になり、忘れず軽食を摂ればまたも部屋で身を潜ませ。あれから何れ程経っただろうか、やる事が無くいつの間にか眠っていた様でむくりと起き上がり小さく欠伸を洩らし。廊下側から足音が聞こえ、自身の部屋の前で止まると襖越しに夕餉の用意が出来た事を伝えに来てくれた様で。わかった、すぐに行く。とだけ伝えて立ち上がり本体を手に取れば部屋を出て、本丸で食べる最後の食事を摂りに広間へ向かい )
(同じように夕餉の時間を告げられると本体を持ち自室を後にして。広間に行けばどうやら自身が最後だったようで適当に座ると同時に食事を始める挨拶をして。いつものように他愛ない会話をしながら食事を済ませると厨へと運んで)
( 普段と変わらぬ食事を摂り各自で食器を厨へ運び終えると再び広間に集結し、昼間は特に何事も無く作戦実行の時を迎えて仲間達の格好を確認すれば全員腰に帯刀しており。自身も手にはしっかりと本体を握り締め準備万端、何時でも作戦の合図が送れる状態で彼が来るのをじっと待ち )
待たせたな。これから作戦を実行する、集合場所は例の場所、集合してから一週間来ない刀は折れたと思え。武運を祈る。
( 作戦実行の時間となれば本体を手に広間へと向かい。既に鶴丸、他の仲間も来ており一度見回すと淡々とした口調で上記述べて。酷な事ではあるかも知れないが、それくらいの危険もあるためそう言って。仲間たちが頷くのを確認すると次々と息を潜めつつ裏道へ移動していき )
──…俺達も行こうぜ、長谷部。
( 少人数で次々と裏道へ移動して行く仲間の背を見送りながら夜の静けさも相俟ってしん、と静寂が包み込む広間で最後の時を待つ。この本丸内には自身達以外誰の気配も感じず、指示通りに事が進めば仲間は今例の場所に向かっている最中、政府にこの作戦が気付かれる前に行こうと彼の方へ向いて )
( その後自身たちも同じように本丸を後にして政府の人間に見つからぬようにしながら例の場所へ移動を始めて数日が経ち。順調とまではいかないが現時点で大きな問題は起こっておらずあと二日ほど歩けば目的地に辿り着くであろうと思っていた矢先に検非違使に遭遇をしてしまい。何とか応戦していたもののいつの間にか鶴丸とはぐれてしまっていたようで彼の姿を探し求めていて )
──おーい、長谷部ー?……居ないな。こりゃあ夜までに合流できるといいが…
( 本丸を離れ彼を先頭に森の中を歩いていたもの、最悪な事にも夜の内にはぐれて朝を待ち今に至る。森の中が広い分、下手に動き回ると行き違う可能性はあるだろうがただこのままじっと待っている訳にも行かず、日没までに合流できるよう自身も大きな声を出しながら彼の姿を探して )
っ!最悪だな…、
(彼は太刀であるため夜までに合流しなければ彼が危険だと思いつつ森の中を走りながら彼を探しているとふと邪悪な気配を感じてはその足を止めて。いつの間にか囲まれてしまっていたのか、敵の脇差の姿を見れば苦笑を浮かべ刀に手を添えて)
( 森の中を走りながら時折声を発して足を止め、左右をきょろきょろと人影が無いか等の確認しつつ彼の姿を探していって。一向に見付からぬ上にまるで道を塞ぐかのように敵の姿が眼前に現れると今は相手にしている暇は無いとばかりにあっさりと倒し、ただひたすら道なりに進みながら彼の名を叫んで )
っ…、
( 次々と襲ってくる敵を難なく斬り伏せるとその場から離れ再び走り出して。今は戦っている暇はない、一刻も早くはぐれてしまった彼と合流し目的地に行くことが最優先で。肩で息をしながら周りを見渡すと僅かに耳に届いたのは誰かの声。そちらへと駆け出すとしばらくして彼の姿を見つけ「国永!…はぐれてすまない、怪我はないか」とまずは彼の安否を確認して )
──長谷部!いや、俺の方こそ悪いな。…何とか合流できて良かった。
( 前方に人影を見つけ此方へ近付いてくる何者かにやや警戒しつつも目を凝らすとそれが彼の姿だと分かるなり、傍まで駆け寄れば日没まるでに会えた事にホッと胸を撫で下ろし。自身の安否を確認する言葉に「ああ、大丈夫だ。…そういうきみも怪我はないか?」と正直に答えると彼の事も心配して )
こちらも怪我はない。では行くぞ
(こちらの安否を同じように確認されると特に怪我をした訳でもなくそう言うと次こそは彼から離れないようにしながら歩きだして。それから二日経つとようやく目的地である場所にたどり着き。先程まで何も無かったはずなのに歩を進め続けるといつの間にか濃霧が出てきていて。周囲を警戒しつつ歩いているといつの間にか時空の歪みに入り込んでいたのであろう。濃霧が晴れ視界が鮮明になると先程まで森であったはずのその場所は少し寂れた建物と先に到着した仲間たちの姿があり彼の方を向くと「国永!やったぞ、成功だ」とこれからは脅威に晒されることは無いだろうという安堵から微笑んで)
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