きみと驚きに満ちた日々を

だめだ、きみは無理ばかりするんだからな！ほら、部屋に行くぞ〜
(大丈夫だという彼の表情は笑顔ではあるものの、どうしても大丈夫そうには感じられないようで納得出来ないと上記を言えばやや強引に彼の背を押し部屋へ行くのを促して。その際にチラリと掲示板を見れば彼も今日は非番のようで“どうせきみも非番だ、ゆっくりとしたらいいさ。倒れたら元も子も無いからな”と続けると彼の部屋に着くまでは彼は嫌がるかもしれないが手を繋ぐことにして部屋へと向かい)

（どうやら本日も非番のようで身体が怠い上に頭痛も酷いため、頭がぼーっとする事もあって実際辛いはずだが無理をしており。まさに彼の言葉は尤もでそう言われると何も反論出来ずに、手を繋がれながら部屋まで連れて行かれるが特に嫌がる素振りも見せず。時折喉がイガイガして数回咳き込みながら部屋の前に着くと、自身と一緒に居たら彼に風邪が伝染ってしまうと考え"それじゃあ、僕は部屋で休むね"とそう言って自室に入ろうとして）

(部屋に行くまでの道中、時折咳き込むのを見てはその度彼の方を心配そうに見て。部屋の前に来て手を離してやると彼の事が心配であるために“待て待て、俺も非番だからな。何かあっても困るだろうし、それなら誰かが近くに居た方がいいだろう？”とどうやら彼を看病するつもりらしくそう言って微笑んで)

（襖に手を掛け少し開けた所で引き留められると同時に発せられた言葉に、自身の中で一人でゆっくりしていようと思っていた矢先だったため迷惑を掛けてしまう事への躊躇いもあり。その間にも咳が出て咄嗟に手で口を抑えつつ、仲間の前では平静を装っていたがやはり本当は辛く苦し気な表情になり"…迷惑掛けちゃうけど、お願いしてもいいかな…？"と素直に彼の言葉に甘えようと看病を頼んでみて）

よし、鶴さんに任せとけ！
(やはり風邪というものは辛いようで咳き込む姿を見ては背中をさすってやりつつこちらの言葉に甘えるようで微笑み頷いては看病などはまだしたことがないが、彼の迷惑にならないようにしていたらいいのだろうと思い彼が部屋へと入るとその後に続いてまずは横になっていた方がいいだろうと布団を敷いてやり)

（正直頭がぼうっとして立っていることさえ辛いものでその上気分も悪く、机に風邪薬を置き布団を敷いてもらうと寝転んで確りと掛け布団を掛けて。徐々に熱で体温が高くなり、時折ごほごほと咳き込みながら起きているだけでも余計にしんどい為に少し寝てみようと目を瞑り）

(彼が横になったのを見ては傍に座っていると先程よりも顔が赤くなって苦しそうにしているのが見ていて分かるようになってきて。心配ではあるがあまり声を掛けても良くないだろうと思い。そっと額に触れるとやはり先程よりも熱く、手を引っ込めると彼もしんどいのか眠ろうと目を瞑っており。その間に一度薬研にどうしたらいいのか聞きに行こうと思っては立ち上がり静かに襖を開けて閉じると足早に薬研の部屋へと向かい)

（苦しそうな息遣いをしながら自身の傍から彼が離れた事など知らずに、昨日は就寝した時間が遅かった上に普段通りの時刻に起きた事もあってかたらりと額から汗が流れそのまま直ぐに意識を手放して）

(薬研の部屋へと行き、風邪をひいた時の看病の仕方を分かりやすく伝えてもらい水桶とタオルや水分補給の為の水やコップを持って再び彼の部屋へと行けば苦しそうに息をしていて水桶にタオルを浸ししっかりと絞って一度彼の額の汗を拭ってから額の上にのせてやり頭を軽く撫でてやり)

……国永…さん…、
（眠っていると額の上に冷たい何かがのったのと頭を撫でられる感覚がして、ピクッと眉が動き反応を示すも起きた様子はなく。身体が弱ると気持ちも弱くなり寂しいと感じるもので夢の中に想い人が出てきたのかぼそりと寝言を言って）

(頭を撫でているとポツリと自身の名前を呼ばれた気がしたが、呼び名からして自身では無いことが分かれば苦笑を浮かべ「…全く、前の俺はどれだけ光坊を困らせるんだろうなぁ」と呟いて。彼を診ている間に彼を心配してなのか、大倶利伽羅や長谷部などが時々様子を見に来ていて)

…鶴さん、水貰ってもいいかな？
（しばらくして、不意に意識が浮上し薄らと目を開けぼうっとした頭で数秒間天井を見つめ。少し眠っただけでも喉の渇きが早く突発的に出てくる咳を手で抑えた後、怠い身体で何とか起き上がり彼の横に水がある事を確認した上で目を見て水分が欲しい事を伝えて）

ああ、ちょっと待っててくれ
(壁に凭れるようにして少し離れた所から彼を見ているともぞもぞと動いたと思えば咳をしだしてすぐに近くへと寄れば目を覚ましたようで。緩慢な動きで体を起こす際に彼の背に手を添え手伝ってやると服越しにも熱を感じるほど彼の体温が上がっているのがわかり。一度汗を拭いたほうがいいだろうと思っているとどうやら喉が渇いたようで水が欲しいことを言われるとコップへと水を注ぎ彼に手渡して)

…ありがとう。
（そのコップを受け取ると緩慢な動作で口の中に水を流し込み中身を空にすれば、掛け布団の上に濡れたタオルが落ちてあり手に取るも自身の熱で逆に温くなっていて。この2つを彼に手渡すと更に体温が上がっているせいで尋常ではないほどに汗をかき、それと同時に熱が原因で頭や体が重く座っているだけでも今は怠く感じて）

光坊、寝る前に一度汗を拭いたほうがいいぞ
(コップとタオルを受け取るともコップを置いてからう一度タオルを水に浸して絞りながらそう言って。恐らく一人でやるのはキツいだろうと思うと“もしキツいなら俺が拭いてやるから”とこちらに背中を向けるように促して)

…じゃあ、お願いするよ。
（今の状態で自身の体を拭く事が出来ないため、内心申し訳無さを抱きつつもここは彼の言葉に甘えて拭いてもらおうと頼んでは促される様に背中を向けるとジャージの上着を脱ぎ）

(こちらに背を向けて上着を脱いでからタオルで汗ばんだ肌を丁寧に拭っていき。しばらくして拭い終えると“よしっ、こんなものでいいかい？”と水桶にタオルを入れて様子を伺いつつ彼が上着を着てから横になるのを手伝ってやり。壁にかけられた時計を見てそろそろ昼時でもある為に何か食べれるものなどがあれば歌仙などに頼もうかと思えば“そうだ、ちょっと抜けるついでに何か食べたいものを言ってくるが何かあるかい？”と首傾げて)

（寝転んだ角度からこちらも同様に壁掛けの時計を見遣った後、彼の方に見上げる形で視線を向け正直に言うとあまり食欲はないのだが何か口に入れて薬を飲まなければ風邪は治らないのも分かっているので"…えっと、あまり食欲がないからお粥がいいかな"と風邪の時に食べて尚且つ胃に優しいものを伝えて）

よしっ、ちょっと待っててくれよ
(確か先程薬研からも薬は渡しているが何か食べたあと飲むようにと伝えられていたため、彼がお粥を食べたいと言えばその言葉に頷いて水桶に入っている水もついでに変えようと立ち上がると待ってもらうように伝えると一度部屋を出て厨当番である歌仙の元へといき粥を作ってもらうように頼みに行くとその後に水桶の水を変えに行きそれから彼の部屋へと戻り)

（その言葉に従うように大人しく首元まで被った布団の中に居れば、やはり風邪を引くと普段から本丸内の掃除や洗濯等といった事を自ら率先して動いていた故に体調を崩したせいで何も出来ず暇を持て余して。自身に出来る事は一刻も早く風邪を治して皆を安心させる事で、段々と熱が高くなっているのもあって辛さは増していく一方。ぼんやりとどこか一点を見つめていると部屋の襖が開いた音が聞こえ"おかえり、鶴さん"と顔をそちらに向けて）