匿名さん 2022-10-04 22:05:25 |
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…魔界に行った、とかねぇよな?(悪魔は青年の様子から、やりかねないなと思い、そう呟いて。悪魔の兄は、兄から任されている仕事をしっかりこなしていて。一方、天使の兄は、相手からの電話に気付くとすぐに出ては、「どうかしたか?」と言い、恋人は嬉しそうな笑顔を浮かべ、「じゃあ、一緒に行きましょ!」と言い)
あ、にぃ兄?実はさっき、レンが一人でここに来て…
(自分は電話が繋がると先程のことを説明し、「にぃ兄、何か知ってる?」と尋ね、元悪魔は「その前に、ジュリアス様に声をかけなければなりませんね」と微笑んで。一方、青年は暇つぶしに魔界に猫はいないのかと探しており、その背後には数名の悪魔がいて。)
「知らねぇよ、ルーカスに任せてるし」(天使の兄は、その話を聞くと、青年の恋人である部下に一任していると言い、「レンは一緒なのか?」と尋ねつつ、食器を持ってリビングに向かって。一方、悪魔の兄は、悪魔のあまりよくない動きをしているという話を聞き、調査へと向かったが、そこで見覚えのある猫がおり、近付くなり首根っこ掴み、「おい猫、なんで魔界来てんだよ。まさか、死にに来たか?」と言い)
ううん、さっきどっかに行っちゃって…
(自分は電話越しではあるものの首を横に振りながらそう伝え、「じゃあルーも知らないって事なのかな…」と呟き。一方、青年は相手に首根っこを掴まれると「な、何だよ、離して!」とジタバタと暴れ始め)
「じゃあ、お前らもできる範囲でいいから探しといてくれ」(天使の兄は、相手に3人で探すように言い、「俺もすぐそっち行く」と伝えて電話を切り、「ロイ、レイラ、悪いが出掛けてくる。レンが勝手に人間界に行ったらしい」と2人に伝えて家を出ていき。一方、悪魔の兄は「お前わかってんのか?猫とはいえ、天使の血が入ってる以上、天使と同じなんだぞ」と暴れても気にすることなく言い)
わ、わかった…
(自分はこくりと頷きそう了承すると2人にそのことを伝え、元悪魔は「レンさんが…!?」と目を丸くさせて。一方、青年は「…俺は天使じゃない!」と更に暴れたり噛み付いたりなどしていて)
わかった、お前は連絡のしようないし、ネイと一緒に探してくれ(悪魔は相手から聞くと、天使に伝えて、天使はちょうど食べ終わり、立ち上がると、『ネイ、すぐ探しに行こ!』と言い。恋人は「…ロイさんは、ルーカスくんのとこ行ってあげて」と伝え、天使の兄は急いで人間界に行き。一方、悪魔の兄は、「落ち着け、俺は悪いようにしねぇよ」と言い、青年を狙ってきたであろう悪魔を睨みつけ)
うん、俺たちは街の方に行ってみるね
(自分は天使の彼の手を握ればすぐに支度をし家を出て行って、元悪魔は「承知しました」と返事をしすぐに部下の元へと向かい。一方、青年は「悪いようにしないから嫌なの!」とどうにか抜け出そうと身体を捻り)
『レンくん、大丈夫なのかな…』(悪魔も相手とは別の場所を探し、天使は相手と共に家を出ると心配そうにして。部下は少し休憩していて。一方、悪魔の兄は、青年の様子に苛立つと、あえて空に飛び、「今俺の腕から抜けたら間違いなく死ぬぞ?」と言い)
「…ルーカス様、いらっしゃいますか?」
(元悪魔は家の前に着くとチャイムを鳴らしてからそう尋ね、「レンさんのことでお話しがあって参りました」と伝え。一方、青年は「!…い、意地悪…」と半泣きで相手にしがみつき)
「ロイさん、どうかしましたか?」(部下はなんだろうと思いつつ玄関を開けて、中に通しては、何があったのかと尋ねて。一方、悪魔の兄は青年の様子を気にすることなく、「意地悪で結構。お前、なんで魔界に来た?」と言い)
「レ、レンさんが、人間界に行ってしまわれたようで…」
(元悪魔は部下に先程の連絡について説明をすると、「現在はジュリアス様やネイ様が捜索を行っています」と報告し。一方、青年は「…悪いことされたかったから」と相手から目を逸らし)
「え、レンが…?!」(部下は、元悪魔から話を聞くと、驚いてしまい、自分のせいなのではと不安になり。一方、悪魔の兄は、「二度とネイにも会えなくなってもいいのか?悪魔に捕まるってのはそういう事だぞ」と言い)
「何か心当たりはありますか…?」
(元悪魔は眉を下げながらも部下に心当たりがあるかと尋ね、青年は「や、やだ!」と慌てて首を横に振れば「…でも、少ししたらルーが普通の仕事に戻っちゃうんだもん」と呟いて)
「えっと、実は…」(部下は、しゅんとしながら、今朝のことを話して、「俺のせいかなって思って…」と言い。一方、悪魔の兄は、「普通の仕事ってなんだよ、よくわかんねぇけど、ルーカスが仕事終わんの待ってりゃいいだろ」と言い)
「…少なからずそれも関わっていると思います」
(元悪魔は部下の話を聞くとそう伝え、「ですが、他にも何か理由があるはずです」と付け加え。一方、青年は「やだ、俺はずっとルーと家にいたい…」と尻尾を下げ、「お前だって恋人とずっと一緒にいたいって思うだろ?」と尋ね)
「…俺がお仕事やめたら、レンも幸せになるんですかね」(部下は、寂しげにしゅんとしながら呟いて。一方、悪魔の兄は、一緒にいられるのに文句を言う青年に苛立ち、「…お前は会えんだから、んな事だけで拗ねてんじゃねぇよ!!」と言い)
「…ルーカス様はお仕事を続けたいのでしょう?」
(元悪魔は部下の顔を覗き込みながらそう尋ね、「それなら、お仕事を辞めることはオススメ出来ません。きちんとレンさんと話すべきです」と伝え。一方、青年は相手に怒鳴られるとすっかり縮こまってしまい、何も言わずに俯いて)
「…あの、俺といてくれませんか?」(部下は、元悪魔の言う通りなため、頷いては、見つめながら、そばにいて欲しいと頼んて。一方、悪魔の兄は「ひとまず、家行くぞ」と言い、家へと戻り、悪魔に連絡するか考えていて)
「はい、承知しました」
(元悪魔は特に断る理由もなかったためそう頷くと、「この件が解決するまで、お側に居させてください」と微笑んで。一方、青年は家に着くもふいと相手から顔を背けていて)
「!お願いします」(部下は元悪魔の言葉に嬉しそうにして、「何か飲みますか?」と尋ねて。一方、悪魔の兄は、「ひとまず、人間界行けるようにしてやるから大人しくしてろよ」と伝えては、悪魔に連絡して)
「…では、お茶を頂いてもよろしいでしょうか?」
(元悪魔は断ろうかとも思ったが、それでは部下が落ち込んでしまうのではないかと考えるとそう尋ねてみて。一方、青年は人間界に連れ戻されると分かれば「や、やだ!」と慌てて窓から飛び降りようとし)
「わかりました、すぐ用意しますね」(部下は、そう言うとキッチンへ行き、用意して。一方、悪魔の兄は慌てて猫を窓から離させ、「なんで嫌なんだよ、喧嘩でもしたのか?」と尋ねて)
「…最近、レンさんと喧嘩するようなことはありましたか?」
(元悪魔は近くの椅子に腰掛けながらもお茶を用意する部下を見てはそう尋ね、青年は「喧嘩はしてない…でも、魔界にいたって知られたら怒られちゃうもん」と目を逸らし)
「喧嘩はしてないんですけど、多分俺が仕事するのが嫌だったのかなと…」(部下は元悪魔にお茶を出しつつ、休まないのかと言われた為、感じたことを伝えて。一方、悪魔の兄は呆れたようにため息をついて、「大変なことを仕出かしてんだ、お前はちゃんと怒られろ。何から逃げてんのか知らねぇけど」と言い、相手に『猫こっちいんぞ。帰りたがらねぇから少し待ってろ』とメッセージを送り)
「…そうでしたか」
(元悪魔は部下の話を聞くと、少し考える素振りを見せ「レンさんに、何か匂いのついたものを渡してみるのはいかがでしょうか?」と提案し。一方、青年は「やだ、怒られたくないの!」と相手の背中をポコポコと叩き、自分は相手からのメッセージに気が付くとその事を彼らや天使の兄に伝え)
「俺の匂いがついたもの、ですか?」(部下は元悪魔の言葉に考え込み、以前あげたネックレスではダメだったのだろうかと考えて。一方、悪魔の兄は、青年の手を掴みつつ、「だったら、一生俺とここで暮らせばいい。ネイやルーカスと会えなくてもいいならな」と言い。天使の兄は「あの野郎、ふざけんなよ…」と怒りを露わにして、自分たちはどうするか考えては、悪魔がいつでも魔界に行けるようにしておこうと思い)
「例えばですが…毛布とかお洋服とか、匂いに包まれるようなものがいいと思います」
(元悪魔は以前から青年に何かを渡していたのだろうかと考えては、青年の求めそうなものを考えそう提案して。一方、青年は涙目になっては「や、やだぁ…お前と一生一緒なんてやだ…」と訴えて)
「!なるほど、レン喜びそうですね」(部下はどんなものをあげれば喜ぶのかと悩んでいたが、元悪魔の提案に納得して。一方、悪魔の兄は「怒られたくないから帰りたくないんだろ、だったら帰らなくていいって言ってんだよ。兄貴だってすげぇ怒ってるだろうしな」と言い)
「!…あの、レンさんは今魔界にいらっしゃるようです」
(元悪魔はふと携帯を確認しては、自分からの青年が魔界にいるという情報を手に入れ慌てた様子で部下に伝え。一方、青年は「もう怒んないよって言われたら帰る…お前と一緒はやだぁ…」と泣き続けて)
「えっ…レンが、魔界に?!」(部下は、元悪魔から聞いた話に驚いて、どうしようという不安になり、「俺、迎えに行かなきゃ…」と呟いて。一方、悪魔の兄は魔界にまで来てしまっている以上免れるわけないと思っていれば、天使の兄から電話があり、出れば青年に向け、「おいレン、なんで魔界行ってんだ!どれだけ俺たちが心配したと思ってんだ!?」と怒り)
「っ、落ち着いてください!…今、レンさんはジュリアス様の弟様に保護されているようです」
(元悪魔は混乱している部下に言い聞かせるようにそう伝えると、「…ですから、連絡を待ちましょう。人間界に戻った頃に迎えに行けば良いはずです」と告げて。一方、青年は相手の怒鳴り声に思わず身を隠し、「やだ、電話切って!」と伝え)
「レンが危ないのに…」(部下は元悪魔に止められ、助けられないという焦りや不安から、落ち着きなく部屋の中をうろついていて。一方、天使の兄は「そうか、そんなに嫌ならもうお前のことは知らん、勝手にしろ!」と言って電話を切り、悪魔の兄は「兄貴、相当お怒りだな。おい猫、どうする気だ?」と青年に言い)
「…レンさんはきっと大丈夫ですよ」
(元悪魔は部屋の中をうろつく部下の肩を掴みそう止めると、「私を信じてください、私の方がレンさんと一緒にいた年月は長いんですから」と伝え。一方、青年は「…しばらくここにいる」と泣きながらソファーに蹲り)
「そう、ですね…すみません、レンに何かあったらって不安で…」(部下は元悪魔に止められ、ようやく足を止めると、申し訳なさそうに言い。一方、悪魔の兄は「…帰りたくなったらアンジェロ呼べよ」と言い、山のようにある仕事に戻って)
「いえ…ルーカス様にとって大切な方ですから。動揺してしまうのも無理はありません」
(元悪魔は慰めるように部下の手を握ると、「…少し、昔話をしても?」と首を傾げ。一方、青年は泣き続けながらもソファーから降りては自分の部屋へと向かい)
「…はい、お願いします」(部下は、少しでも気が紛れればと思い、元悪魔の言葉に頷いて。一方、悪魔の兄は青年が出ていったのを見ては、軽くため息をつき、近くにいた使用人に、青年が危ない目に合いそうなら助けてやって欲しいと頼んでは、仕事をし続け。悪魔はなんだか落ち着かず、「俺、魔界行ってくる。レンくん連れて来れんの俺だから!」と相手に伝えては、そのまま向かって)
「私は昔、2人の方を好きになりました。1人は当時仕えていた方、もう1人は軍で出会った方です」
(元悪魔は部下をソファーに座らせてやりながらそう話し始めると、「最初の方は笑顔が素敵で…当時、物心がついたばかりの私はすぐに惚れてしまいました」と微笑んで。一方、自分は「あ、うん…気をつけてね!」と彼を見送り)
「ロイさんが好きになる人ですし、よっぽどいい人なんですね」(部下は元悪魔の話を真剣に聞いていて、その相手を知らないため微笑みながら言い、「その主さん?はどうなったんです?」と尋ねて。一方、悪魔は通行証を見せて、通して貰えば、悪魔の兄のいる家へ向かって)
「…その方のお父様が、私が主人に好意を寄せていると知ってしまったのです。私は屋敷を追放され、対天使の部隊に入隊させられました。」
(元悪魔は眉を下げながら自身の指を弄りそう話し、「当時の主人は私に関する記憶を消されてしまったようで…本当は両思いだったんですよ?」と伝え)
「そうなんだ…凄く悲しいですね」(部下は、その話を聞いて、寂しげな表情で言い、「その主さんの記憶、お兄さんに戻してもらえば…あ、でも完全に消されてたらできないかぁ…」と呟き。一方、悪魔は家に着くと悪魔の兄の元へ行ったがいなかったため、「レンくーん、どこにいるの?お話しよー?」と声を掛けつつ探していて)
「…はい、きっと消されてしまっています。それに、主人にはもう素敵な恋人がいらっしゃいますから…思い出さない方が良いかもしれませんね」
(元悪魔は困ったように笑いながらもそう伝え、「2人目は部隊の同期です。彼は結婚をしていて、子供もいたのですが…」と呟いて。一方、青年は廊下から彼の声が聞こえると慌ててクローゼットの中に隠れ)
「!そうなんだ…」(部下は、悲しい話だなと思い、2人目の話を聞き。一方、悪魔は相手の部屋だった場所かなと思い、その部屋へ行き、中に入っては、「レンくん、いる?」と呼びかけてみて)
「…彼は、私の目の前で亡くなりました」
(元悪魔は言いづらそうに目を逸らしながらもそう呟き、青年はクローゼットの中で息を潜めていたものの、尻尾が鞄に当たり物音を立ててしまい)
「!それは、とても辛かったですよね」(部下は亡くなったと聞けば、そう言いつつ、慰めるように元悪魔の頭を撫でてあげて。一方、悪魔は、クローゼットから音がすれば、そちらに行き、しゃがみこむと、「…レンくん、俺は連れ戻しに来たんじゃないよ。レンくんが心配だから、お話したくて来たんだよ」と声をかけて)
「…もう、ずっと昔の事ですからね。今はそこまで悲しくはありませんよ」
(元悪魔は部下に撫でられると礼を言ってからそう伝え、「ですが…結局、2人に私の想いを伝えることは叶いませんでした」と眉を下げ。一方、青年は彼の言葉を聞くと恐る恐るクローゼットを開け)
「…ロイさんは、恋人とか作らないんですね」(部下は、その話を聞いて、少しでも幸せになって欲しいと思ったが、その様子から、作らないだろうと思い。一方、悪魔は、「何があって人間界とか、魔界とか、行ったのか教えてくれる?内緒にしてって言うなら内緒にするからさ」と言い)
「恋人…まだ、予定はありませんね」
(元悪魔は少し考えた後困ったようにそう伝え、「とにかく、ルーカス様は沢山レンさんに想いを伝えてあげてください。折角そんな仲になれたのですから」と微笑んで。一方、青年は「…ルーにずっと一緒にいてほしかったの」とぎゅっとクローゼットの中の服を握り)
「帰ってきたら、レンをいっぱい甘やかしてあげることにします」(部下は、にこっと笑いながら、青年を甘やかすと言い、「もしロイさんに恋人が出来たら教えてくださいね?」と言い。一方、悪魔は「ルー、どっか出掛けたの?」と尋ねて)
「…はい、承知しました」
(元悪魔は目を細めながらもそう伝えると、「では、レンさんをお迎えする支度をしなければなりませんね」と立ち上がり。一方、青年は「今は出掛けてないけど…でも、しばらくしたらまた外のお仕事行っちゃうんだもん」と俯いて)
「レン、大丈夫ですかね…」(部下は、元悪魔のおかげで落ち着いており、心配そうに呟いて。一方、悪魔は「そっか…俺もネイとずっと一緒にいたいよ。でも、俺がネイと結婚する為に上級にならなきゃいけなくて、そのためにスクール通わなきゃなんだ」と青年に話して)
「きっと今頃、ジュリアス様が動いてくださってますよ」
(元悪魔はきっと相手が助けに向かっているはずだろうと考えてはそう伝え、青年は「…なんで上級になんなきゃなの?結婚したきゃすればいいじゃん」と彼をじっと見つめ)
「そうですね、大人しく待っておきます」(部下は少し気になるものの、大人しくしておこうと思い。一方、悪魔は「最初は、兄貴やお父さんに認められた上で、結婚したかったから。でも、今は、純粋に強くなりたいからってのもあるけどね」とくすっと笑いつつ話して)
「…レンさんがお帰りになられるまで、少し眠ってはどうでしょう?」
(元悪魔は部下の顔を覗き込んではそう提案してみて、青年は「そんなの兄さんが可哀想じゃん!強くなっても一緒にいられないなら意味ないもん!」と声を荒げて)
「…いえ、大丈夫ですよ」(部下は元悪魔の言葉に首をを横に振り、大丈夫だと言い。一方、悪魔は「レンくんは知らないからそう思うかもしれない。けどね、ネイと一緒にいる為に、上級になる必要があったんだよ」と真剣な目で見つめながら言い)
「ですが、隈が…」
(元悪魔は心配そうに眉を下げつつそう呟くも、その肩についた痕から昨夜のことを察しては「…え、ええと、その…」と目を逸らし。一方、青年は「ッ…意味わかんない!早くどっか行って!」と尻尾で彼を叩き)
「…ロイさん?」(部下は元悪魔が目を逸らすと不思議そうにして、少し眠気を感じればうとうととしてきてしまうも、起きようとしていて。一方、悪魔は「っ、レンくんだって、にぃ兄様の研究所のお手伝いのお仕事するんでしょ?それはいいのに、ルーはダメってことなの?」と尋ねて)
「…やはり、少しお休みになった方が宜しいのでは?」
(元悪魔は部下が眠そうなことに気が付くとそう声をかけ、「何か動きがあればすぐに起こします。ですから安心してください」と微笑んで。一方、青年は「それは別なの!ルーが俺を置いて仕事行っちゃうのが嫌なの!」と声を荒げ)
「…すみません、じゃあ少し寝ますね」(部下は眠気の限界が近いこともあり、申し訳なさそうにしつつ寝ると言っては、ソファーに寝転んで、そのまま眠ってしまい。一方、悪魔は、「…ネイも我儘なとこあったけど、お前はもっと酷いな。そんなんじゃ、嫌われても文句言えないぞ?」と言い)
「っ、なんで意地悪ばっか言うの…」
(青年は目に涙を溜めながらそう呟くと、「もうお前なんて知らない!お前なんか、兄さんに嫌われちゃえばいいのに!」と叫んでは部屋から飛び出して行き)
ま、待って…!(悪魔は青年が飛び出すと、慌てて追いかけて、青年の腕を掴むと、「傷つけたならごめん。周りに嫌われることが、どれだけ辛いか俺自身がよく知ってる、だからこそ、レンくんが嫌われる人になって欲しくないから、キツいこと言ったんだよ」と言い)
「…じゃあ、どうしたらいいの?」
(青年は天使の兄に怒られもうどうにもならないと思っていたため、涙をゴシゴシと拭いながらもそう尋ねて)
もう少し我儘抑えたらいいと思うよ(悪魔は、大丈夫という様に頭を撫でてやりつつ言い、ふと思い出したように「あと、ネイや俺たち、にぃ兄様、それにルーも、レンくんからしたら聞きたくないこと言うかもしれない。でもね、全部レンくんの為だから、それだけはわかってね?」と言い)
「俺、わがままじゃないもん…」
(青年は尻尾を下げ落ち込んだようにそう呟いては、「…でも、ジルとかすぐ怒る」と耳を畳み)
「えっと、レンくんの何に対して怒ってたの?」(悪魔は、ジルという呼び名にきょとんとしたが、まぁいいかと思い、八つ当たりでは無い限り、怒るのも理由があると思い、何に対して怒られたのか尋ね)
「…ジルが勝手に魔界行ったからって急に怒ってきて、やだって言ったらもっと怒った」
(青年は自身の尻尾をぎゅっと握りつつそう話し、「怒鳴ってきたジルが悪いんだもん」と不満げに呟いて)
…悪魔になった俺ですら、仲良くできた悪魔は兄貴とネイだけで、どこ行っても嫌な顔される
それなのに、天使側の猫が魔界に来たら危ないって事はわかるよね?(悪魔はどう話すと理解して貰えるだろうかと考えつつ話して、ふと誰かを例にすればと思いつき、「もし、ルーとか、ネイが、今のレンくんと同じで勝手に魔界に来たとするよ?それで、レンくんが必死に探しても見つけられなくて、電話繋がったけど、帰らないからほっといてって言われたら、どうする?」と尋ねてみて)
「ぜ、絶対やだ!連れ戻しに行く!」
(青年は彼の例え話を聞き、慌ててそう話すも自身のしたことの重大さに気がつけば「…お、俺、皆のこと不安にさせてる…」と呟いて)
ちゃんと気付けたじゃん(悪魔は、例え話をして正解だったなと思いつつ、自分で気付けたことを褒めてやり、「俺たちとネイ、にぃ兄さんも人間界ですっげぇ探したんだぞ?兄さんから猫が来たって連絡もらって、不安だったんだから」と話して。悪魔の兄は、ある程度進んだため、休憩する事にして、青年の様子を見てやろうと廊下を歩いていれば、2人を見つけ、「お前、来てたんだな。化け猫、兄貴んとこ帰る気になったのか?」と声を掛けて)
「っ、俺は化け猫じゃない!レン!」
(青年は申し訳なさそうに落ち込んでいたものの、相手の言葉を強く否定しては「もうこんな奴といたくない!帰る!」と彼の手を引いて家を出て)
兄さん、またね!(悪魔は青年に手を引かれ驚きながらもついて行き、悪魔の兄に手を振って、人間界へのゲートに行くと、通行証を見せ、通してもらい、人間界に行くと、「心配かけたみんなに謝れるよな?」と青年に尋ねて)
「…ジルには謝りたくない」
(青年は天使の兄以外はともかく、天使の兄本人には謝りたくないと考えていた考えていたため頬をふくらませながらもそう呟いて)
なんで、謝りたくないの?(悪魔は天使の兄に謝りたくないと聞くと、何故なのか尋ねて、「にぃ兄さんが、レンくんの面倒見てくれてるんだろ?だったら、1番心配してるのはにぃ兄さんだと思うんだけど」と言い)
「…ジルは勝手にしろって言ったもん」
(青年は彼から顔を背けながらもそう呟き、「兄さんとかルーには謝るけど、ジルは絶対やだ!」と告げて)
レンくんが人間界にいるって聞いたにぃ兄様は、俺たちとネイにすぐ探すようにって言って探し始めて、にぃ兄様も来てくれたんだから(顔を逸らして絶対に謝らないと言っているのを見て、本心は別なのではと思い、天使の兄が指示をした事、そして心配で人間界に来たことを話して、「今も、まだすごく心配してると思うな」と言い)
「…知らないし」
(青年は彼に顔を見せないままスタスタと自分の家へと向かって行き、家に着けば「早く鍵開けて」と彼に指示し)
…はぁ(悪魔は、青年の様子に、呆れたようにため息をついては、家の鍵を開けて中に入り、どうしたものかと考えていて。天使の兄は、相手に「あいつは置いてく、お前らの好きにしろ」と言って、天界へ戻ってしまい)
「…兄さん、いる?」
(青年は家に入ると恐る恐る自分の元へと向かい、自分は相手が帰ってしまいどうしたものかと思っていれば青年が帰ってきたため慌てて駆け寄って)
一応心配かけた事は理解してくれたみたいだけど、にぃ兄様のこと相当怒ってるみたいだし、頼んでいい?(駆け寄ってきた相手に、青年のことを軽く説明をしては、耳元でそう頼んで、リビングに行き。天使の兄は、天界に着くとそのまま実家の自室に籠り)
うん、わかった
(自分は申し訳なさそうに尻尾を垂らす青年を抱きしめつつこくりと頷きながらそう返事をし、青年は「…心配かけて、ごめんなさい」と謝り)
にぃ兄様帰っちまったか…(悪魔は、ふと天使の兄が居ないことに気付き、そう呟いて、天使にも軽く説明しては、欠伸を零してソファーに寝転んで眠り始めて、天使は少し心配そうに2人を見たり、眠る悪魔を見たりと繰り返していて)
…アンジェロもこっちおいで
(自分は天使の彼がうろうろとしていることに気がつくと手招きをしつつそう声をかけ、青年は天使の彼の姿を見ては眉を下げ「…お前も、ごめん。ご飯おいしかった」と伝えて)
『!…えへへ、喜んでもらえてよかった』(天使は相手に呼ばれると、すぐにそちらに行き、青年に謝られ、ご飯について言われると、嬉しそうに笑い)
アンジェロ、よかったね
(自分は嬉しそうな天使の彼の顔を見ては満足そうにそう伝え、青年をもう一度抱きしめると「じゃあさ、その調子でルーとにぃ兄にも謝ってみようよ。アンジェロなら出来るだろ?」と首を傾げ)
『レンくんはいいなぁ、にぃ兄様に心配してもらえて』(天使は、先程天使の兄が青年を心配していたのを目の当たりにした為、無意識に羨ましいと呟いて)
「…心配?」
(青年は天使の彼の言葉に首を傾げながらそう呟き、「あいつは俺の保護者みたいな顔してるだけじゃん」と不満げに告げて)
『俺が女の子たちと遊んで、家に帰らなくても、連絡ひとつされた事ないもん』(天使は、不満げに告げられた言葉に、実の弟だが、心配された事がないと言い、『俺は弟なのに…』と寂しげに呟いて)
「…お前は信用されてたからじゃないの?」
(青年は彼と天使の兄がただの兄弟ということしか知らなかったためそう話し、「ジルは俺のこと絶対に信用しないんだもん」と話して)
『俺だって、ちゃんと愛されたかった…』(天使は、天使の兄にされたことを思い出してしまい涙目になりながら愛されたかったと言い)
わ、な、泣かないで…!
(自分は天使の彼が泣き出してしまうと慌てて抱きしめ頭を撫でてやり、青年は何が何だか分からないといった様子で自分と天使の彼の顔を交互に見比べていて)
『なんで、俺じゃないの…』(天使は相手に抱きしめられつつ、泣き続けていて、弟である自分より青年の方が愛されていることに羨ましさを感じ、無意識に呟いていて。悪魔は騒ぎ声に目を覚まし、起き上がっては3人の方をじっと見つめていて)
それは、俺にもわかんないけど…でも今は、アンジェロのこと愛してると思うよ!
(自分は相手をどうやって慰めていいのか分からず必死に声をかけ続け、青年は彼の方に駆け寄ると「あいつ、なんかよく分かんないけど泣いちゃった…」と報告し)
あいつ、なんで泣いたんだ?(天使は相手にぎゅっと抱きついて、泣き続けていて。悪魔は、青年から泣いたと聞くと、理由を尋ねて、「泣く前に話してたこととか、些細なことでもいいから、思いつくもんない?」と言い)
「なんか、ジルに愛されたかったとか…」
(青年はどう説明すれば良いのか分からず、大まかなことを伝えると「お、俺が泣かせたわけじゃないよ!」と慌てて否定して)
あー、それかぁ…(悪魔は、理由を聞くとなんとなくわかり、そう呟いては、「兄2人が凄いのに、末っ子の俺は落ちこぼれだからって家族から嫌われてて、頑張っても褒められないし、言うこと聞かないと暴力は当たり前だったんだよ」と話し始めて)
「…それは可哀想だなって思うけど、俺関係ないもん…」
(青年は自分を天使の彼に取られたことが不満なようで、頬を膨らませながらもそう話し。一方、自分は「…そろそろ落ち着いた?」と天使の彼の顔を覗いてみて)
…あっそ(悪魔は、きっとどうでもいいだろうと思い、何かを言うのも馬鹿らしく思えてくるとあっそとだけ言って再び寝転んで、「あんな奴ら、家族じゃないし」と呟いて。天使は、泣き止むと小さく頷いて、『ごめんね、泣いちゃって…俺がにぃ兄様たちから欲しかったもの、いっぱい貰えてるのにって思ったら、涙出てきちゃったんだ』と言い)
「なんでお前まで拗ねてんの!」
(青年は彼が拗ねてしまった理由がわからずその身体を揺らしながらそう訴え、自分は「…今からでもきっと愛してもらえるよ。それが怖いって言うんなら、俺が愛してあげるから大丈夫」と微笑みかけて)
なんだよ、俺の話なんか興味無いんだろ(悪魔は揺すられると、瞑りかけた目を開けて、青年を見つめながら言い。天使は、相手の言葉に嬉しくなり、自然と頬が緩み、『俺たちのこと、いっぱい愛してね』と言い、相手の頬にキスをして)
「…でも、そんな態度されたら腹立つ!」
(青年はムッとした表情を見せながらそう話し、「お前に嫌な態度とられたって、兄さんに言ってやるからな!」と告げて。一方、自分は「もちろんだよ、ずっと愛してあげる」と天使の彼の口にキスをして)
…ネイ、ちょっとこんまま身体貸してて(悪魔は青年の言動に苛立つも、それを青年にぶつけられない為、起き上がると相手を後ろから抱きつくことで、気持ちを落ち着けようとしていて。天使は相手からもちろんの返事と共にキスをしてもらえ、嬉しそうにしていたが、相手に抱きついた悪魔を見て、きょとんとして)
!…ど、どうしたの?
(自分は突然彼に抱きつかれると驚きつつも心配そうに尋ね、青年は彼の行動に更に苛立っては「…なんなの!皆して、俺のこと除け者にする!」と家を出て行こうとして)
レンの我儘なとこにムカついたけど、当たるわけにいかないから(悪魔は相手に抱きついたまま、そう話して、そのまま先程の事を説明して。天使は、慌てて出て行こうとする青年の腕を掴んで、『ま、待って…!えっと、先はごめんね。俺たち、別にレンくんのこと、除け者にしてないよ!』と言い)
…俺だって我儘だよ?
(自分は彼の頭を撫でてやりつつ、首を傾げては「だから、レンだけを悪く言わないでほしい」と告げて。一方、青年は「そんなことない!みんな俺の事きらいじゃん!」と喚いて)
…俺の話は聞いてくんねぇのに、素っ気なくされたら怒るんだもん(悪魔は、青年を悪くしようとしている訳ではないが、どうしてもむかついてしまったことを言い。天使は『少なくとも俺は、レンくんのこと大好きだよ!』とぎゅっと握り、青年を見つめながら言い)
そっか…
(自分は青年の気持ちが分からないわけではないため、そう呟くと「…じゃあさ、もし次レンが我儘言っちゃっても、素っ気なくしないでちゃんと嫌だってこと話してあげてくれる?レン、多分分かってないからさ」と話し。一方、青年は「俺はお前のこと好きかなんてわかんない…お前のことあんまり知らないもん…」と涙目になり)
…わかった(悪魔は、仕方ないことだと理解している為、小さく頷いて、気持ちも落ち着いたため、相手を離して、「ありがと、落ち着いた」と言い。天使は少し考えては、『レンくん、俺たちのこと、ちゃんと知ろうとした?ちゃんと知ろうとしてもわかんなかったら、俺たちに質問してよ。言いたくないこととか、答えられないこともあるかもしれないけど、それ以外ならちゃんと答えるからさ』と言い)
そっか、よかった
(自分は彼の方を向き直してはそう微笑み、「…レンもきっと悪気はないと思うから、許してあげて」と伝え。一方、青年は「…どうやって知ったらいいのかわかんないもん。お前から教えて」と不満げに呟いて)
…レンのこと、よくわかんねぇ(悪魔は悪気が無いのは青年の様子からわかるも、性格もあまり知らないため、わからないと呟いて。天使はどう説明しようかと考えては、『その人を観察してわかるのもあるし、わかんなくても質問したらいいんだよ』と教えてあげて)
…なんとなく、レンはアンたちが苦手な感じするからなぁ
(自分は困ったように眉を下げつつ青年の態度について話し、青年は「質問…よくわかんないから、お前が俺に質問してみて」と天使の彼の目をじっと見つめ)
…ネイを、取ったから?(悪魔は、自分たちを苦手だと思う理由がわからず、大好きな兄である相手を取ったからかと言ってみて。天使は『知りたいことならなんでもいいんだよ。俺だったら、そうだなぁ…にぃ兄様のこと、好き?』と言い)
それもあると思うけど…俺もレンじゃないからわかんないなぁ
(自分は首を傾げつつもそう話すと、「でも、いつかは仲良くなれると思うよ」と伝えてみて。一方、青年は天使の彼の質問を受けては目を逸らし「…答えたくない」と呟いて)
そっか…まぁ、ネイが言うなら頑張ってみる(悪魔は、少し残念に思うも、相手が仲良くできると言うなら、きっとそうなのだろうと思い、頑張ると言い。天使は、『そっか。まぁ、こんな感じで、レンくんが聞きたいこととか、知りたいこと聞いて?』と言い)
…無理はしなくていいからね
(自分は彼の頭を撫でてやりつつそう話すと、「にぃ兄帰っちゃったし、とりあえずルーに迎えに来てもらうよう連絡しよっか」と提案して。一方、青年は「…お前、俺のことどれくらい大好きなの?ちゅーとかできんの?」と尋ねてみて)
その方がいいだろうな(悪魔は、天使の兄が帰ったという事は相当怒ってるという事なのだろうと思い、相手の提案に頷いて。天使は青年の質問に驚きつつも、考えては『さすがにしないけど、できるよ?』と伝えてみて)
じゃあ電話してみるね
(自分は彼が頷けばすぐに電話を取り部下に迎えに来てもらうよう頼み始め、青年は天使の彼の返事に驚いたように目を丸くさせると「…俺が、兄さんと同じ顔だから?」と恐る恐る尋ねてみて)
「えっ、レン、いるの?!わかった、すぐ行くね!」(部下は、起きて少しぼんやりとしていれば、相手から電話が来て、青年の迎えを頼まれると、驚いたが、すぐ行くと答えて、電話を終えると、急いで準備をして。一方、天使は、青年の質問にきょとんとして、『ネイは関係ないよ。レンくんも、俺達のこと、ネイの恋人だから好きってわけじゃないでしょ?』と言い)
「!…ルーカス様、どうされましたか?」
(元悪魔はリビングで仕事を進めていたものの、部下が準備を始め出しては心配そうに尋ね。一方、青年は訳が分からないと言ったように首を傾げるも「…別に、お前らのこと好きじゃないもん」とそっぽを向いて)
「ネイが、レンを迎えに来てって!だから俺、行かなきゃ!」(部下は人間界へ行く準備をしつつ、青年を迎えに来て欲しいと頼まれたことを伝えて。一方、天使はしゅんとして、『ごめんね、勝手に好きとか言って。でも、俺はレンくんのこと、弟みたいで、好きなんだよ』と言い)
「…承知しました。それでは、私はこちらでお待ちしております」
(元悪魔は自身はついて行かない方が良いだろうと考えてはそう伝え、青年は「…そんなの知らないし!とにかく、好きじゃないったら好きじゃない!」と声を張り)
「じゃあ、行ってきます!」(部下は元悪魔にそう言うと、家を飛び出し、人間界へ急ぎ。一方、天使は、青年の張り上げた声にビクッとして、『ごめんなさい…』と縮こまってしまい、悪魔は見かねて、一旦天使を中に戻すことにして)
…レン、また悪いこと言ったろ
(自分は溜息をつきつつ青年の元へ向かえば頭を撫でてやりながらそう叱り、青年は「だ、だって、俺…」と涙目になり)
…せっかく忠告してやったのに、どうなっても知らねぇからな(悪魔は、なんとか仲良くなれるようにと少しずつ歩み寄っていたつもりだが、青年に距離を取られるため、関わるのをやめようと思いつつ、呆れたように言い。部下は人間界に行くと、相手の家へ向かい、着くとチャイムを鳴らして)
「!…お前なんか、嫌い」
(青年は彼の言葉にショックを受けては自分にぎゅっと抱きつきながらそう呟き、自分はチャイムが鳴れば扉を開けようと思うも青年に抱きつかれているためどうすることも出来ず)
俺出てくる(悪魔は、そう言うと玄関に行き、扉を開けて部下を中に通し、部下は悪魔に連れられリビングに行くと、レンを見るなり駆け寄り、「レン、大丈夫?!痛いこともされてない?!」と心配していて)
「…されてない」
(青年は部下が駆け寄ってくれば自分の陰に隠れつつそう呟き、自分は「えっと、アンたちと喧嘩しちゃって…それで機嫌悪いみたい」と説明し)
「え、そうなの?」(部下は、大丈夫そうだと分かれば安堵したが、相手から喧嘩したと聞くと少し驚いて、隠れる様子に、少し寂しさを感じつつ、目線を合わせるように屈んでは、「…レン、何が嫌で、喧嘩したのか教えてくれる?」と言い。悪魔は、さっさと部屋に戻ってしまい)
「…よくわかんない」
(青年はただ好きじゃないと言っただけだと思っていたため首を横に振りながらもそう呟き、自分は「…ごめん、俺アンのところ行ってくる。帰る時声掛けて」と言えば青年を部下に引き渡し部屋に戻り)
「そっか。じゃあ、喧嘩になっちゃった時のこと、ゆっくりでいいからレンの言葉で話して?」(部下は、落ち着かせるように青年の髪を撫でてあげつつ、話して欲しいと伝えて、「もし会話の中にレンが言いたくない事があっても、ちゃんと話してね」と言い)
「…うん」
(青年は言うべきか迷ったものの部下に嘘はつけないため小さく頷いてから話し始め、「…それで、俺は好きでも嫌いでもないから好きじゃないって言ったの」と説明し。一方、自分は部屋に戻ると「ごめん、嫌な思いさせたよな」と2人を抱きしめて)
「なるほどねぇ…」(部下は青年の話を真剣に聞いていて、終わればそう呟いて、「レンがどう思ってるか知らないし、俺は好きじゃないって断言されても、レンは平気?」と尋ねてみて。悪魔は、「…俺、魔界で忠告したんだよ。このままじゃみんないなくなっちゃうぞって」と寂しげに話して、天使は相手にぎゅっと抱き締めて、涙を堪えていて)
「…やな気持ちになる」
(青年は部下の言葉を聞き少し考えるとそう呟き俯いて、自分は「…うん、わかってる。レンはちゃんと分かってなかったのかもしれないな」と2人の頭を撫でてやり)
「うん、嫌だよね?じゃあ、なんて伝えたらよかったと思う?」(部下は微笑みつつ、少しずつ理解させる為に、どうすればいいと思うかと尋ねて。悪魔は「俺は悪くないよな?」と相手に確認するように尋ねて、天使は『嫌いって言われたぁ…』と堪えきれず泣いてしまい)
「…普通、とか?」
(青年は困ったように眉を下げつつ、どのように言えばよかったのかと必死に考えてはそう呟いて。一方、自分は「悪くない、と思うけど…」と小さく頷くも、天使の彼が泣き出してしまえば慌てて慰め始め)
「それもひとつの答えだね」(部下は青年の言葉に頷きつつ言い、「レンはアンジェロさんに好きって言われて、どう思った?」と尋ねて。天使は『俺、好きって伝えたんだよ?でも、嫌いってぇ…』と泣きながら相手に伝えていて)
「…変なのって思った。兄さんと同じ顔だからなのかなって思ったら、そうじゃないって言うから」
(青年は俯いたまま思ったことを素直に伝え、自分は「…本当に嫌いって言ってたの?」と首を傾げつつ天使の彼の背中を擦り)
「俺がレンを好きな理由も、顔だと思ってるの?」(部下は、その言葉を聞くと、青年の顔を上げさせ、見つめては、「顔なんて関係ないよ」と言い。天使は緩く首を横に振り、『好きじゃないって…でも、俺が好きとか、知らないって言ってたから…嫌いなの…』と泣きながら必死に伝えて)
「…ルーはちがうもん。それに、あいつ俺にちゅーしたいって言った…」
(青年は部下はそこまで顔を気にしていないと思っていたためそう答えるも、先程天使の彼に言われたことを間違って解釈しておりそう涙目になり。一方、自分は「んー…好きでも嫌いでもないって言いたかったんじゃないのかな」と伝えてみて)
「えっ…えっと、それに関して他に何か言ってなかった?」(部下は青年の言葉に驚いたが、もしや間違って解釈してるのではと思い、他に言ってなかったかと尋ねてみて。天使は相手の言葉で、少し泣きやみ、『好きじゃないって言ったら好きじゃないって、言ってたのに…?』と言い)
「覚えてないもん…アイツが好きって言うから、俺にちゅーできるのって聞いたらうんって言った…」
(青年は不満げに頬を膨らませつつそう伝え、自分は「レンはちょっと不器用なだけだから、そんなに気にすることないよ。多分だけど、普通って伝えたかったんじゃないかな」と説明をしてみて)
「…多分だけど、レンのこと家族として好きなんじゃないかな?」(部下は必死に考えては、ひとつの答えにたどり着き、それを伝えてみて、「俺だって、ネイとかロイさんになら頬なら出来るし」と言い。天使は少し考えてみるも、わからず、『…そう言ってくんないとわかんない!』と言い)
「家族…?」
(青年はなぜ自身が家族として認識されているのか分からないが、部下が他の相手にもキスをできると聞けば「だ、だめ!頬でも、俺にしかしちゃだめ!」と慌てて止めて。一方、自分は「…そうだよね。無理に分かってとは言わないし、嫌ならレンと関わらなくてもいいよ?」と伝えてみて)
「もちろんしないけど、それと同じで、アンジェロ達にとって、レンは恋人とは別の意味で好きな人なんだよ」(部下は頭を撫でつつ、しないと伝えては、そのまま同じだと伝えて。天使は『…うん』と小さく頷いて、悪魔は「…アイツがちゃんと変わってくれるといいけどな」と呟いて)
「…そっかぁ」
(青年は部下の言葉を聞きようやく納得すると、「皆に謝んなきゃ…」と呟いて。一方、自分は「大丈夫だよ、レンはちゃんと分かってくれるから」と微笑んでから彼の手を取り)
「じゃあ、レンがもっといい子になれるように最後に確認しよっか。レンは誰にどんな悪いことをして謝るの?」(部下は、青年の言葉に笑顔を浮かべつつ、確認しようと言い、質問をして。悪魔は「…だといいけど」と言い)
「…アイツらに、好きじゃないって言って傷つけちゃったから謝る」
(青年は部下から目を逸らしつつ、言いづらそうにしながらもそう話し、自分は「…とりあえず、明日の旅行の準備してようよ。水着とか出さないとだし」と提案して)
「偉いね、これでまたひとついい子に近付いたね」(部下は青年の頭を撫でつつ、偉いと褒めて、「じゃあ1人で行っといで。仲直りできたら帰ろう」と言い。悪魔は「だな、じゃあ気を取り直して準備するか」と言い、準備に取り掛かることにして)
「…わかった」
(青年はどこか不満げにしながらも1人で彼らのいる部屋へと向かうと、ノックをしてから「…ねえ、開けて」と声をかけて)
…いいよ、入って来い(明日の準備をしていれば、青年の声がして、入って来るように声を掛け、天使は扉がノックされると、警戒してるのか、悪魔の背後に隠れてしまい)
「…その、さっきはごめん」
(青年は怯えた様子で部屋の中に入ると、2人の顔を交互に見てから目を逸らしそう呟いて。一方、自分はそんな青年に近づいては勇気づけるようにその頭を撫でてやり)
お前がされて嬉しいか嫌か考えてから行動に移せよな(悪魔は、青年に対して怒っている訳では無いため、考えてから動けと言い、天使は悪魔の背後から様子を伺っており、『…俺たちのこと、嫌い?いっぱいいい子にしてるよ?』と不安げな声で尋ねて、悪魔の服を緩く掴んでいて)
「…嫌いじゃないけど、まあまあ」
(青年は自分の手をぎゅっと握りながらもそう呟き、自分は「レンはアンたちのことがそこそこ好きなんだ」と微笑んで)
『!…よかったぁ』(天使は青年や相手の言葉に嬉しそうにして、悪魔の影から出ては、青年の元に行き、『これからも仲良くしようね』と笑顔を浮かべて、悪魔は「にぃ兄様とも早いうちに仲直りしろよな」と伝えて)
「…うるさいな」
(青年は恥ずかしそうに顔を赤くしつつ自分の陰に隠れてしまい、自分は「仲直りできてよかったね」と青年と天使の彼の頭を撫でて)
『わ、レンくんのお顔赤くなった!』(天使は相手の影に隠れた青年の顔が赤く染ったことに気付いては、嬉しそうに目を輝かせながら言い、部下はそろそろいいだろうと自分たちのいる部屋に行き、ノックしてから入り、「どう?仲直り出来た?」と声を掛け)
「…う、うるさいってば!」
(青年は天使の彼に指摘をされると更に顔を赤くさせながらキッと睨み、自分は部下に気がつくと「レンのこと任せちゃってごめんね、仲直り出来たよ」と微笑んで)
『もう、照れなくていいのに』(天使は嬉しげに言っていて、青年に睨まれても気にしておらず。部下は、「ううん、大丈夫だよ。レンを説得するの、慣れてきたし」と微笑みつつ言うと、青年に「じゃあレン、3人に挨拶して帰ろう」と言い)
「…じゃあね!」
(青年は部下に抱きつきながら自分たちの方を向けばそう言い残し家を出て行き、自分は2人を見送っては「…レンは素直じゃないね」と呟いて)
「ネイ、アンジェロたちも、またね」(部下は自分たちに手を振りつつ言い、青年と共に家を出て、天界へ戻り。悪魔は「…ああいう我儘で自分勝手なとこ、出会った頃のネイみてぇ」と言い、天使はワクワクとした様子で荷物を準備していて)
っ、そ、そういうアンだって俺のこと幼稚園児だって馬鹿にしてたくせに!
(自分は彼からの指摘に対し慌てたようにそう言い返すと、「…そもそも、俺は外の常識とか知らなかったんだから仕方ないだろ」と伝え)
…じゃあ、レンも似たもんか?(悪魔は相手の言葉に少し考えては、顔が似てる以前に相手と何処か重なる部分があるなと思い。一方、部下は青年を連れて家に戻り、「ただいま戻りました」と元悪魔に声を掛け)
…レンは1回死んじゃったけど、俺の弟だからね
(自分はベッドに腰をかけながらどこかぶっきらぼうにそう呟き、「レンもきっと研究所に閉じ込められてたんじゃないの」と伝えて。一方、元悪魔は2人が戻ってくると慌ててそちらへ駆け寄り、「お帰りなさい、大丈夫でしたか…!?」と尋ねて)
…ネイにしては冷たくね?(悪魔は、相手の言葉で納得したが、相手のどこかぶっきらぼうな様子にきょとんとして言い。一方、部下は「どこも怪我してないですし、大丈夫みたいです」と心配そうな元悪魔に伝えて)
俺が昔我儘だったって言うから怒ってんの!
(自分はムッと頬を膨らませつつそう告げて、鞄に旅行用の着替えを詰め込んでいき。一方、元悪魔は安心したように息をつき、青年は「…そんなに心配しなくても大丈夫なのに」と呟いて)
怒んないでよ、今は我儘じゃねぇじゃん?(悪魔は、相手の様子を見て、背後から抱きついて、そう言ってみて。一方、部下は青年の言葉に、「俺たちがどれだけ心配したと思ってんの?!」と涙目になりながら言い)
…そうだけど、やだ
(自分は彼からぷいっと顔を背けつつそう呟くと、天使の彼に水着を2着見せ「どっちがいいと思う?」と尋ねてみて。一方、青年は部下に急に怒られ尻尾の毛を逆立て耳を垂らすと「…だって、ルーにいなくなってほしくなかった…」と呟いて)
『んーと…こっちかなぁ』(悪魔は相手の反応に寂しげにしていて、天使は相手に呼ばれ、その水着を見て、どうするか悩んだが、こっちと指を差して。一方、部下は「レンが魔界行ったって聞いて、殺されちゃうんじゃないかって、怖かったんだから」と言いつつ青年を抱きしめて)
ん、わかった。…アンもこっちでいい?
(自分は天使の彼が選んだ方の水着を両手で持ってはそう頷き、寂しげにしている彼にそう問いかけて。一方、青年は部下に抱きしめられると「ご、ごめん…」と眉を下げて)
うん、それネイに似合いそうだな(悪魔は相手の言葉に嬉しそうにしつつ頷いて、似合いそうと伝えて。一方、部下は「二度と勝手なことしないでね?」と言い、額にキスをして)
今回は兄貴いないし、上に何も着なくていいかなぁ
(自分は水着をスーツケースにしまいながらそう呟き、「アンたちは何持ってく?」と尋ねて。一方、青年は「…わかってる」と言いつつ尻尾を下げ、元悪魔は「では、私はジュリアス様のご実家に戻ります。落ち着いた頃にまたいらっしゃってください」と微笑んで)
『ネイ、見て!出来た!』(天使は荷物を入れた鞄を相手に見せるも、中はぐちゃぐちゃで、適当に詰め込んだことが丸わかりな状態で、悪魔は綺麗に鞄に入れていて、水着がもう1つくらいあってもいいかもと思い、「新しくもう一着、水着買おうかなって思っててさ、今度3人で行かない?」と言ってみて。一方、部下は「一緒にいてくれて助かりました、ありがとうございます。先輩のこと、お願いしますね」と微笑みながら元悪魔に言い)
…アンジェロ、適当に入れたでしょ
(自分は天使の彼の鞄を見てはその目をじっと見つつそう伝え、「ちゃんと入れないと、何がどこにあるか分かんなくなるよ」と教え。一方、元悪魔は軽く会釈をすると家を出て行き、青年は「…ルー、ロイと仲良いね」と不満げに呟いて)
『う…わかった』(天使は、相手の言葉に確かにと思えば、少ししょぼんとしつつ、詰め直し始めて。一方、部下は、「ロイさんがどう思ってるかわかんないけど、友達だからね」と言いつつ、青年の髪を撫でて)
…俺も手伝うから、元気だしてよ
(自分は落ち込んでいる天使の彼の顔を覗き込みながらそう話し、「あ、そうだ。多分ホテルにもいくつか水着売ってると思うし、皆でお揃いで買おっか」と彼に伝え。一方、青年は「ふーん…」と素っ気なく返事をしては目を逸らし)
『!ありがと』(天使は、嬉しそうにしながら荷物を詰め直していて、悪魔は「お揃いか、いいな」とワクワクとした笑みで言い。一方、部下は青年の頭を撫でながら、「…レンを連れ戻したくて、魔界に乗り込もうとした俺を、ロイさんが止めてくれたんだよ」と伝えて)
…ほら、ちゃんと種類ごとに分けないと
(自分はポーチや袋を天使の彼に渡しつつそう伝え、「アンは準備終わった?」と問いかけて。一方、青年は「そんなの当たり前じゃん、アイツは誰にでも優しい感じするもん」と部下に擦り寄って)
『これはこっちで、これはこれに入れて…』(天使は相手から渡してもらったポーチなどに入れていき、悪魔は終わったらしく、「おう、出来た」と言いつつ、カバンを閉めていて。一方、部下は青年の髪を撫でつつ、ふと思いついたように「レンも、ロイさんみたいに色んな人に優しくしてあげてみたらどうかな?」と提案してみて)
流石アンだね!
(自分は綺麗に纏まった鞄を見ては微笑みながら彼を褒め、天使の彼の小物類を纏めていて。一方、青年は「…やだ、優しくしても裏切られるんだもん」と若干涙目になっていて)
…俺も手伝ってやるよ(悪魔は相手に褒められ、少し自慢げにしていたが、天使に狡いというような顔を向けられ、手伝うと言い、纏めるのを手伝っていて。一方、部下は青年を抱きしめ、「…俺と先輩、ロイさん、ネイ、アンジェロたち、それに猫たちに、お店のおじさん。レンの周りにはこんなにいるけど、裏切らないって思える人はいる?」と尋ねて)
…よし、これで出来た!
(自分は天使の彼の荷物を詰め終えると満足気にそう呟き、「お疲れ、上手に出来たね」と天使の彼を褒めて。一方、青年は「…ルーと、兄さんは信じてる。でも、他の奴らはあんまりわかんない」と眉を下げて)
『えへへ、でしょ!』(天使は、相手に褒められると嬉しそうに笑いつつ言い。一方、部下は「そっか。じゃあ、信用してもいいかなって思える人は?」と尋ねてみて)
うん、凄い凄い
(自分は天使の彼の頭を撫でつつそう伝え、「アンも手伝ってくれてありがとね」とその頬にキスをして。一方、青年は「…ジルは、すぐ怒るけど信じてもいいかなって思う。あと、おじさんもずっと一緒にいたし…」と呟いていて)
ん、当たり前じゃん(悪魔は頬にキスを受ければ、頬を緩ませながら当然だと言い、天使は『明日楽しみだね!』と言い。一方、部下は「じゃあ、まずその2人に優しくしてみて、信用出来そうならしてあげて?そうやって、レンの信用できる人が少しずつ増えてくれると嬉しいな」と言い、優しく頬を撫でて)
うん、すっごく楽しみ!
(自分は天使の彼と目を合わせつつそう微笑むと、「じゃあ、今日は早く寝ないとね」と提案をして。一方、青年は「…でも、また誰かが裏切ったら?」と不安げに部下を見つめていて)
明日めいっぱい遊ぶ為にも、早く寝ないとな(悪魔は相手の言葉に同意するように頷いて、天使も頷いていて。一方、部下は「俺には慰めるくらいしかできないけど、少なくても、先輩は絶対大丈夫だよ。それに、俺のことじゃないから話すわけにいかないけど、ロイさんも、絶対大丈夫だよ」と言い)
「…でも、ジル怒ってたよ」
(青年は先程天使の兄を怒らせてしまったことを気にかけており、優しくしても無意味なのではないかと考えては尻尾を垂らしながらそう話し)
「…レンのこと、本気で嫌ってないと思うよ」(部下は、どんな風に怒ってるのか知らないが、天使の兄が認めた人は曹操のことがないと嫌わないことは、長い付き合いだからこそ知っているため、大丈夫だと伝えて。天使の兄は、なにか飲み物を取りに行こうと、部屋を出てキッチンへ行き)
「…でも、今日はすっごい怒ってたよ」
(青年は天使の兄がいつも以上に怒っていたことを心配しておりそう呟き。一方、元悪魔は家に戻るとキッチンにいる相手に気が付き、「ジュリアス様、ただいま戻りました。レンさんは無事天界に戻られましたよ」と報告をして)
「多分だけど、勝手に人間界とか、魔界行ったことを怒られたんでしょ?それだったら、ちゃんと謝って、反省してる事伝えたら許してくれるよ」(部下はすごく怒ってたと聞くと、少し考えては、謝れば大丈夫と伝えて。一方、天使の兄は、元悪魔から聞くと、「…あんな自分勝手なアイツなんざ、どうでもいい」と言いつつ、目を逸らしていて)
「ほんと…?」
(青年は未だ不安げな目で部下を見てはそう尋ね、「じゃあ、ルーも一緒についてきて」と頼み。一方、元悪魔は「…本当はずっと気にしていたのでしょう?」と首を傾げながら尋ねてみて)
俺はそばにいるだけだから、ちゃんと自分で話してね(部下はもちろんというように笑顔を向けつつ頷いて、「頑張って仲直りしてね」と言うと青年にキスをして。天使の兄は、いつもなら何かを言うが、否定も肯定もせず、ただ元悪魔から目を逸らしたまま、ただ水を一口飲んでいて)
「…仲直りしたら、ご褒美くれる?」
(青年は部下にキスをされては嬉しそうに頬を緩め、目を輝かせながらもそう尋ねてみて。一方、元悪魔は相手のコップを取り上げては「…このまま、レンさんを手放すことになってもいいんですか?」と問いかけて)
「ちゃんとごめんなさいして、仲直り出来たら、レンのお願い聞いてあげるよ」(部下は笑顔を浮かべながら言い、「だから、頑張ってね」と言い。天使の兄は取られると驚いて、元悪魔を見たが、すぐに顔を逸らし、「…俺がどれだけアイツを守るために動いてやっても、あいつの方から逃げてんだから、どうしようもねぇだろ」と言い)
「!うん、がんばる」
(青年は部下の腕に尻尾を巻き付けつつそう微笑み、元悪魔は「私は彼が本気で逃げている訳ではないと思います。構ってもらうための行動…ではないでしょうか」と伝えてみて)
「じゃあ行こっか」(部下は優しく微笑みながら言うと、手を握り。天使の兄は、元悪魔の言葉に、何を言うわけでもなく、「…とにかく、俺はもうアイツなんか知らねぇ。お前も、俺なんかのそばを離れて好きにすればいい」と言い、そのまま自室に戻り)
「…ねえ、やっぱ怖い」
(青年は相手の家に近づくにつれ不安が増していき、突然立ち止まっては尻尾を下げながらそう告げて。一方、元悪魔は相手が部屋に籠ってしまえばどうしたものかと首を傾げ)
「大丈夫だよ、俺がいるでしょ?」(部下は、不安げな青年の髪を撫でてあげながら大丈夫と言い、「まずはロイさんとお話して、レンの心の準備ができたら先輩とこ行こ」と言い。天使の兄は、ベッドに寝転び、「アイツらの為にも、これでいいんだ…」と呟いて)
「…うん」
(青年は自信なさげに頷いてから相手の家のチャイムを鳴らし、「俺だよ、開けて」と伝え。一方、元悪魔は青年が訪れてきたことに気がつくと玄関の扉を開け、「…ジュリアス様は寝室にいらっしゃいます。どうなさいますか?」と尋ね)
「先輩、どんな様子ですか?」(部下は、青年を安心させる様子に、優しく背中を撫でてあげつつ、元悪魔に天使の兄の様子を尋ねて、青年の方を見ると、「レン、どうする?もう少し落ち着いてから先輩のとこ行く?」と言い)
「…もう、レンさんのことは知らないと。私も、好きにしていいと仰っておりました」
(元悪魔は困ったように眉を下げつつそう話し、「無理に会えとは言いません。ただ…少し、お話しをして頂けませんか?」と提案し。一方、青年は「…わかった」とだけ言えばズカズカと家の中に入り相手の部屋の扉を勢いよく開けて)
「…絶対、大丈夫ですから、ロイさんは信じて待っててください」(部下はあえて孤立しようとしているように思え、元悪魔に伝えては、青年が心配だからと、追うようにして天使の兄の部屋に行き。天使の兄は勢いよく開かれた扉に驚いて起き上がり、「…何の用だ」と言い)
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